JP2003214244A - エンジンのシリンダ吸入空気量測定装置 - Google Patents
エンジンのシリンダ吸入空気量測定装置Info
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Abstract
ンダ吸入空気量を測定するエンジンのシリンダ吸入空気
量測定装置において、エンジンがオーバーラップ期間で
停止した場合に、排気系側から流入する空気による影響
を受けないようにする。 【解決手段】エンジンがオーバーラップ期間で停止した
場合は、エンジン停止処理におけるマニホールド内空気
量Cmの最終値に、以前にオーバーラップ期間外で停止
した際のエンジン停止処理において算出した学習値を代
入する(S3)。あるいは、この最終値に、固定値とし
て予め記憶されている基準値を代入してもよい。
Description
算を行って算出される吸気マニホールド内の空気量に基
づいて実際にシリンダに吸入される空気量を測定するエ
ンジンのシリンダ吸入空気量測定装置に関し、特に、吸
排気弁の開期間がオーバーラップするエンジンにおい
て、エンジンがオーバーラップ期間で停止した場合に吸
気マニホールドに排気系側から流入する空気の影響を受
けないようにするための改良に関する。
リンダ吸入空気量」という。)の測定方法に次のものが
ある。まず、エアフローメータの出力に基づいて吸気マ
ニホールドに流入する空気量(以下「マニホールド流入
空気量」という。)を算出し、求められたマニホールド
流入空気量と、吸気マニホールドからのシリンダ吸入空
気量との収支計算を行って、吸気マニホールド内の空気
量(以下「マニホールド内空気量」という。)を算出す
る。そして、マニホールド内空気量とシリンダ容積とに
基づいてシリンダ吸入空気量を算出する(特開2001
−50091号公報)。
のもとで、要求される混合気空燃比を実現するための燃
料噴射量が設定される。
内空気量の収支計算は、次の始動時にシリンダ吸入空気
量を測定するための初期値とするために、エンジンを停
止させる際(アイドルストップとして一時的に停止され
る場合を含む。)に吸気マニホールド内が大気圧となる
まで継続される。しかしながら、このときに行われる収
支計算に関して、次の問題がある。
弁と排気弁とがともに開かれるオーバーラップ期間が設
けられたエンジンでは、このオーバーラップ期間でエン
ジンが停止する可能性がある。その場合は、吸気マニホ
ールドに排気系側からも空気が流入することになるの
で、エアフローメータの出力に基づいて算出されるマニ
ホールド流入空気量よりも実際には多量の空気が流入し
ていることとなり、マニホールド内空気量の収支計算を
正確に行うことができない。
マニホールド内が大気圧となるまで収支計算を継続して
求められたマニホールド内空気量の最終値に基づいて燃
料噴射量が設定されることになるが、上記のように誤差
を含んで算出されたマニホールド内空気量からは、要求
された混合気空燃比を実現するための燃料噴射量を正確
に設定することができない。従って、エミッションの増
加やトルク不足による始動性の悪化等が問題となる。
の収支計算を行ってシリンダ吸入空気量を測定するエン
ジンのシリンダ吸入空気量測定装置において、アイドル
ストップを含めエンジンがオーバーラップ期間で停止し
た場合に、吸気マニホールドに排気系側から流入する空
気の影響を受けないようにすることを目的とする。
載の発明では、シリンダに吸入される空気量を測定する
エンジンのシリンダ吸入空気量測定装置であって、吸気
弁と排気弁とがともに開かれるオーバーラップ期間が設
けられたエンジンに備えられるものにおいて、(A)吸
気系に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手
段、(B)検出された空気量に基づいて吸気マニホール
ド内の空気量を、このマニホールドにおける空気の流入
出量の収支計算を行って算出するマニホールド内空気量
算出手段、(C)算出された空気量に基づいてシリンダ
に吸入される空気量を算出するシリンダ吸入空気量算出
手段、及び(D)エンジンの停止位置がオーバーラップ
期間内であるか否かを判定するエンジン停止位置判定手
段を含んで構成し、マニホールド内空気量算出手段にお
いて、エンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であ
ると判定された次の始動に際して、吸気マニホールド内
の空気量に係る初期値を、直前の停止時以前に記憶され
た所定量に設定する。
を、直前に停止した際に吸気マニホールド内が大気圧と
なるまで収支計算を行った場合に算出される最終空気量
よりも大きい値とする。請求項3に記載の発明では、上
記所定量を、直前の停止時以前にエンジンがオーバーラ
ップ期間外で停止した際に算出された最終空気量とす
る。
を、エンジンが通常の走行環境における大気条件のもと
で停止している場合に吸気マニホールド内に充填される
空気量とする。請求項5に記載の発明では、クランク軸
の回転位置を検出する回転位置検出手段を設け、検出さ
れた回転位置に基づいてエンジンの停止位置がオーバー
ラップ期間内であるか否かを判定する。
検出手段がクランク軸の回転角変位量を積算してその回
転位置を検出する場合に、クランク軸の逆転を検出する
逆転検出手段と、クランク軸の逆転が検出されたときに
エンジン停止位置判定手段による判定を禁止する停止位
置判定禁止手段とを設ける。請求項7に記載の発明で
は、エンジンを停止させる際に、クランク軸が単位角だ
け回転するのに要した時間が1つ前の単位角について要
した時間と等しいか、あるいはこれよりも短くなったと
きにクランク軸の逆転を検出する。
単位角だけ回転するのに要した時間をTPOS10nと
し、その1つ前の単位角について要した時間をTPOS
10n−1とし、その更に前の単位角について要した時
間をTPOS10n−2とすると、TPOS10n≦T
POS10n−1であり、かつTPOS10n−1>T
POS10n−2であるときにクランク軸の逆転を検出
する。
単位角について要した時間が上死点を乗り越える際に要
する時間に係るしきい値としての所定時間よりも長いと
きにのみ、クランク軸の逆転を検出する。
がオーバーラップ期間で停止した次の始動に際して、吸
気マニホールド内の空気量に係る初期値が直前の停止時
以前に記憶された所定量に設定されるので、排気系側か
らの逆流成分の影響を受けずにシリンダ吸入空気量を測
定できる。
が直前に停止した際に収支計算を行った場合に算出され
る空気量よりも大きな値に設定されるので、エミッショ
ンの増加や始動性の悪化を抑制できる。請求項3に係る
発明によれば、以前にオーバーラップ期間外で停止した
際に収支計算を行って算出された空気量を初期値とする
ことで、この初期値が走行環境に対応したものとなる。
特に、アイドルストップのためにエンジンを停止させた
際に算出された空気量を用いる場合は、走行環境が現在
とほぼ同じとなるので、現在の走行環境に対応した初期
値を設定できる。
環境のもとでの大気条件について設定される固定量を初
期値とすることで、常に信頼性のあるシリンダ吸入空気
量の測定結果を得ることができる。請求項5に係る発明
によれば、 クランク軸の回転位置に基づいてエンジンの
停止位置がオーバーラップ期間内であるか否かを容易に
判定できる。特に、クランク軸の回転位置を既存のクラ
ンク角センサを使用して検出する場合は、特別な設備を
追加する必要もなく、コストアップを回避できる。
の回転位置を回転角変位量の積算により検出する場合
に、クランク軸の逆転が検出されたときにエンジンの停
止位置判定を行うことを禁止したので、クランク軸の逆
転に基づく停止位置の誤判定を防止できる。請求項7に
係る発明によれば、クランク軸が単位角だけ回転するの
に要した時間に基づいて、クランク軸の逆転を容易に検
出できる。
が単位角だけ回転するのに要した時間が増加から減少に
変化した変曲点を検出し、クランク軸の逆転を正確に検
出できる。請求項9に係る発明によれば、クランク軸が
単位角だけ回転するのに要した時間が、上死点を乗り越
える際の回転変動により短くなった場合に、逆転が誤っ
て検出されることを防止できる。
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実
施形態に係る車両の制御システムを示しており、本シス
テムの駆動系は、エンジン1と電気モータ(以下「モー
タジェネレータ」という。)2とのパラレルハイブリッ
ド式である。
とモータジェネレータ2の回転軸とがパウダクラッチ3
を介して連結されており、これらの動力装置から伝達さ
れるトルクが変速機4及びディファレンシャル・ギヤ5
を介して駆動輪6,6の各車輪駆動軸7,7を回転させ
るようになっている。従って、クラッチ3を結合したり
切り離したりすることで、モータジェネレータ2のみに
より走行したり、エンジン1のみにより走行したり、あ
るいはエンジン1のトルクをモータジェネレータ2で補
って走行することが可能である。
レータ2とは別の電気モータ(以下「モータジェネレー
タ」という。)8の回転軸が連結されており、このモー
タジェネレータ8によりエンジン1のクランキングや回
生発電が行われる。勿論、モータジェネレータ2による
回生発電も可能であり、これらのモータジェネレータ
2,8から得られた電力は、インバータ9,10を介し
てバッテリ11に蓄電される。逆に、バッテリ11から
の電力がインバータ9,10を介してモータジェネレー
タ2,8に供給される。
としての車両ECU(電子制御ユニットを「ECU」と
略す。以下同様。)21は、各サブシステムの制御を実
行する下位コントローラに指令を送り、車両全体を統括
して制御する。ここで、普遍性を持つトルクが指令とし
て選択され、モータジェネレータ8を制御するモータコ
ントローラ31にモータトルクが、エンジン1を制御す
るエンジンコントローラ32にエンジントルクが、クラ
ッチ3を制御するクラッチコントローラ33に伝達トル
クが、モータジェネレータ2を制御するモータコントロ
ーラ34にモータトルクが、変速機4を制御する変速機
コントローラ35に伝達トルク(変速比)が送られる。
各コントローラ31〜35は、受け取ったトルク指令に
基づいて各対象を制御する。
1からイグニッションスイッチのオン及びオフ信号並び
に、スタートスイッチのオン信号が入力されるほか、運
転者の要求を示す信号として、アクセルペダルの操作量
を検出するアクセルセンサ42、ブレーキペダルの操作
量若しくはブレーキスイッチがオンされたことを検出す
るブレーキセンサ43、及びシフトレバーの現在の設定
位置を検出するシフトセンサ44から信号が入力され
る。
1には、車速VSPを検出する車速センサ45、バッテ
リ11の充電状態SOCを検出するためのバッテリセン
サ(例えば、バッテリの放電電流を検出する。)46、
及びモータジェネレータ8の回転数NMを検出する回転
数センサ50からの信号が入力される。また、エンジン
コントローラ32には、エンジン1のスロットル開度T
VOを検出するスロットルセンサ47、エンジン1の吸
入空気量(後述するシリンダ吸入空気量と区別するため
に、特に「スロットル弁通過空気量」という。)Qaを
検出するエアフローメータ48、及びクランク角センサ
49からの信号が入力される。
づいて指令としてのトルクを算出する。そして、バッテ
リ11の充電状態SOCが充分なレベルにあれば、低速
走行時にモータジェネレータ2を動力源とし、クラッチ
3を切り離すとともにエンジン1を停止させる。運転者
からの加速要求により車速VSPが所定の高速度域に入
ると、エンジン1を始動させるとともにクラッチ3を結
合し、動力源をエンジン1に移行させる。
ンコントローラ32は、シリンダに実際に吸入されるシ
リンダ吸入空気量を常に把握できるようにされており、
このシリンダ吸入空気量に対して指令としてのエンジン
トルクを発生するために必要な燃料噴射量を算出する。
ここで、シリンダ吸入空気量及びこれに基づく燃料噴射
量の算出について説明する。
は、本出願人に係る先願の公開公報(特開2001−0
50091号)に記載の方法で算出する。ここで、図2
に示すように、吸気マニホールド101内の圧力をPm
[Pa]、容積をVm[m3 ]、空気質量をCm
[g]、温度をTm[K]とする。また、シリンダ10
2内の圧力をPc[Pa]、容積をVc[m3 ]、空気
質量をCc[g]、温度をTc[K]とする。なお、η
[%]は、シリンダ内の新気割合である。このηは、吸
気弁103と排気弁104とのオーバーラップ期間に相
関して変化するものであり、オーバーラップ期間が拡大
されて燃焼残ガス(内部EGRガス)量が増すほど小さ
な値とされる。
ダ102内でPm=Pc、Tm=Tc(圧力及び温度は
変化しない。)と仮定する。なお、言うまでもなくマニ
ホールド容積Vmは一定である。 まず、エアフローメー
タ48の出力に基づいてスロットル弁105を通過する
空気の流量であるスロットル弁通過空気量Qa[g/m
sec]を算出し、このQaを積分することにより所定
時間Δt毎に吸気マニホールド101に流入するマニホ
ールド流入空気量Qa[g]=Qa・Δtを算出する。
いてその時の実シリンダ容積Vcを算出し、このVcに
シリンダ内新気割合η、及びエンジン回転数(ここで
は、モータジェネレータ8のモータ回転数NMに基づい
て検出される。)NEを乗じる。そして、算出された値
を積分することにより、最終的なシリンダ容積Vc=V
c・η・NE・Δtを算出する。
(マニホールド内空気量Cm)の収支計算のため、次式
(1)のようにマニホールド内空気量の前回値Cmn-1
に、先に求めたマニホールド流入空気量Qaを加えると
ともに、吸気マニホールド101からシリンダ102へ
流出するシリンダ吸入空気量Qcであるシリンダ内空気
量Ccn を減じ、現在のマニホールド内空気量Cmn を
算出する。なお、ここで用いられるCcn は、前回のル
ーチンで算出されたものである。
は、次式(2)に示すように、シリンダ容積Vcにマニ
ホールド内空気量Cmを乗じ、さらにこの積をマニホー
ルド容積Vmで除して求める。 Qc(=Cc)=Vc・Cm/Vm ・・・(2) ここで、(2)式は、次のようにして導出される。気体
の状態方程式によりシリンダ102内に関してCc=P
c・Vc/(R・Tc)となる。ここで、Pc=Pm、
Tc=Tmと仮定しているので次式(3)が得られる。
内に関して次式(4)が得られる。 Pm/(R・Tm)=Cm/Vm ・・・(4) 従って、(4)式を(3)式に代入すれば、Cc=Vc
・{Pm/(R・Tm)}=Vc・Cm/Vmとなり
(2)式が得られる。
入空気量Qcに対して、最適な空燃比となるように燃料
噴射量が設定される。 ところで、前述のように低速走行
に移行するとエンジン1は停止されることになるが、エ
ンジン1を停止させるためのエンジン停止処理を行って
いる間も、マニホールド内空気量Cmの収支計算は、吸
気マニホールド101内が大気圧となるまで継続され
る。それは、大気圧となった時点で算出されたマニホー
ルド内空気量(最終値)Cmを、次の始動に際してシリ
ンダ吸入空気量Qcを算出するための初期値とするため
である。
ド内空気量Cmの収支計算について説明する。 本実施形
態に係るエンジン1は、図3に示すように排気上死点及
びその付近において吸気弁103と排気弁104とがと
もに開かれるオーバーラップ期間(吸気弁開時期IVO
〜排気弁閉時期EVC)が設定されている。
転方向と逆転方向とのトルクのバランス点となり、通常
は、6気筒エンジンではクランク角で圧縮上死点前60
°、また4気筒エンジンでは同90°付近で停止する。
しかしながら、場合によってはこれらの位置を通り越し
てオーバーラップ期間で停止することもある。そのよう
な場合には、エンジン停止処理時の収支計算に際して、
吸気マニホールド101に空気が排気系側からも流入す
ることになる。このときのマニホールド流入空気量Q
a、シリンダ吸入空気量Qc及びマニホールド内空気量
Cmの時間変化を図4に示す。
た場合には、吸気マニホールド101に空気が排気系側
からも流入することになるので、スロットル弁通過空気
量(エアフローメータ48の出力)に基づいて算出され
るマニホールド流入空気量Qaは、実際に吸気マニホー
ルド101に流入している空気量Qa’よりも少ない値
となる。このため、マニホールド流入空気量Qaに基づ
いて算出されるマニホールド内空気量Cmも、実際に吸
気マニホールド101内に存在する空気量Cm’よりも
少なく算出されることになる。
を解決するための本実施形態に係るエンジン停止処理時
における制御の流れを示しており、エンジンコントロー
ラ32により実行される。 ステップ(以下「S」と略
す。)1では、エンジン1が停止したか否かを判定す
る。ここでは、吸気マニホールド101内が大気圧とな
ったことをもってエンジン1が停止したと判定する。こ
の判定は、例えば、マニホールドの管壁に圧力センサを
設置し、その出力(吸気圧PB)の変化がなくなった
(PBがほぼ一定となった)ことにより行うことが可能
である。また、ストッロル弁通過空気量が0となったこ
とや、収支計算により算出されるマニホールド内空気量
Cmに変化がなくなったことによっても判断できる。エ
ンジン1が停止したと判定した場合はS2へ進み、それ
以外の場合はS5へ進む。
ーラップ期間であるか(図7を参照して後述するオーバ
ーラップ時停止判定ルーチンにおいてフラグfTOPJ
DCが1に設定されたか否か)を判定する。停止位置が
オーバーラップ期間であると判定した場合はS3へ進
み、それ以外の場合はS4へ進む。S3では、エンジン
停止処理の最終値として設定されるマニホールド内空気
量Cmに、以前にオーバーラップ期間外でエンジン1が
停止した際のエンジン停止処理において算出された学習
値(Cm)を代入し、そのCmを記憶する。なお、ここ
で代入されるCmは、以前に、次に述べるS4の処理に
より記憶されたものである。
アフローメータ48の出力に基づく収支計算を吸気マニ
ホールド101内が大気圧となるまで継続した結果とし
て算出されたマニホールド内空気量Cm(最終値)を、
学習値として記憶する。一方、エンジン1が未だ停止し
ていない(吸気マニホールド101内が大気圧となって
いない)と判定した場合は、S5においてマニホールド
内空気量Cmの収支計算を行う。
理時における他の制御の流れを示しており、同様にエン
ジンコントローラ32により実行される。図5のフロー
チャートにおけると同じ処理を行うステップには同じ符
号を付し、ここでの説明は省略する。S1においてエン
ジン1が停止したと判定され、かつ続くS2においてエ
ンジン1の停止位置がオーバーラップ期間内であると判
定された場合は、S11に進んで、エンジン停止処理の
最終値として設定されるマニホールド内空気量Cmに基
準値を代入し、そのCmを記憶する。この基準値は、エ
ンジン1が通常の走行環境における大気条件のもとで停
止している場合に吸気マニホールド101内に充填され
る空気量に等しく、エンジンコントローラ32において
固定値として記憶されているものである。
(吸気マニホールド101内が大気圧となっていない)
と判定したか、あるいはエンジン1が停止したとしても
その停止位置がオーバーラップ期間内ではないと判定し
た場合は、S12へ進んで、マニホールド内空気量Cm
の収支計算を継続する。 次に、オーバーラップ時停止判
定ルーチン(図5のS2において読み込まれるフラグf
TOPJDCの設定)について説明する。図7のフロー
チャートは、その一例の流れを示している。
を判定する。ここでは、エンジン回転数NEをモータジ
ェネレータ8のモータ回転数NMに基づいて検出すると
ともに、検出されたNEの絶対値が所定回転数NEST
P以下となったときにエンジン1が停止したと判定す
る。エンジン1が停止したと判定した場合はS22へ進
み、それ以外の場合はS25へ進む。
とによる逆転が生じていないか(図8を参照して後述す
る逆転判定ルーチンにおいてフラグfSTPCRKが1
に設定されていないか)を判定する。クランク軸の逆転
が生じていないと判定した場合はS23へ進む一方、こ
の逆転が生じたと判定した場合はS23の処理を禁止す
るべくS25へ進む。
に基づいて検出されるエンジン1の停止位置CRACN
Tが、オーバーラップ期間に相当するクランク角位置
(C1〜C2)の範囲に入っているか否かを判定する。
この範囲に入っていると判定した場合(C1≦CRAC
NT≦C2)は、S24へ進み、それ以外の場合はS2
5へ進む。
期間で停止したことを示すべくフラグfTOPJDCに
1を代入する。S25では、エンジン1が未だ停止して
いないか、クランク軸の逆転が生じたか、あるいは(ク
ランク軸の逆転が生じていない場合に)エンジン1の停
止位置がオーバーラップ期間外であると判定した場合
に、フラグfTOPJDCに0を代入する。
7のS22において読み込まれるフラグfSTPCRK
の設定)について説明する。図8のフローチャートは、
その一例の流れを示している。S31では、エンジン停
止指令があったか否かを判定する。例えば、モータジェ
ネレータ2による低速走行が選択された場合や、車両E
CU21からの指令としてのエンジントルクが0以下と
なった場合、あるいは燃料カット指令があった場合に、
エンジン停止指令があったと判定する。エンジン停止指
令があったと判定した場合はS32へ進み、それ以外の
場合はS35ヘ進む。
LNLMTよりも低くなったか否かを判定する。LNL
MTよりも低く、エンジン1が充分に減速したと判定し
た場合はS33へ進み、それ以外の場合はS35へ進
む。S33では、クランク角センサ49によりクランク
軸が単位角(ここでは、10°)回転する毎に出力され
るパルス信号(ポジション信号POS10)の発生周期
TPOS10n が、前回算出された値TPOS10n-1
以下となったか否か(TPOS10n ≦TPOS10
n-1 :nは今回算出されたものであることを示す。)を
判定する。TPOS10n-1 以下となったと判定した場
合はS34へ進み、それ以外の場合はS35へ進む。
出されたポジション信号発生周期TPOS10n-1 が、
その更に前に算出された値TPOS10n-2 よりも長い
か否か(TPOS10n-1 >TPOS10n-2 )を判定
し、TPOS10n ≦TPOS10n-1 であり、かつT
POS10n-1 >TPOS10n-2 である場合にのみS
34へ進むようにしてもよい。これにより、ポジション
信号発生周期の変化の変曲点を確実に検出することが可
能となる。
として、前回算出されたポジション信号発生周期TPO
S10n-1 が、上死点を乗り越える際に要する時間に係
るしきい値TPOSLMTよりも長いか否か(TPOS
10n-1 >TPOSLMT)を判定してもよい。それ
は、クランク軸が正転方向に回転している場合であって
も、上死点を乗り越えた際の回転変動によりポジション
信号発生周期が短くなるからである。ここで、クランク
軸の逆転による場合のものと、上死点の乗越えによるも
のとでは、逆転による方が長くなる。逆転は、クランク
軸が一旦停止してから生じるためである。従って、TP
OS10n-1 がTPOSLMTよりも長い場合にのみS
34へ進み、それ以外の場合はS35へ進むようにする
ことで、上死点の乗越えに伴う逆転の誤判定を防止でき
る。
ク角位置CRACNTに基づいて上死点を検出すること
により行うなど、他の手段によっても判定することが可
能である。S34では、クランク軸の逆転が生じたこと
を示すべくフラグfSTPCRKに1を代入する。
か、エンジン停止指令があったとしても未だ充分に減速
していないか、あるいはポジション信号発生周期TPO
S10が長くなりつつある場合に、フラグfSTPCR
Kに0を代入する。次に、図9のタイムチャートを参照
して、以上でフローチャートを参照して述べた制御(エ
ンジン停止処理)に基づくエンジンコントローラ32の
動作について説明する。
ールIC式センサ)49により単位角毎に出力されるポ
ジション信号POS10を計数して算出されるクランク
角位置CRACNTと、このPOS10の発生周期TP
OS10との時間変化を示している。ポジション信号P
OS10は、クランク軸の回転位置を検出するためのポ
ジションセンサにより出力されるものであり、クランク
軸に取り付けられたシグナルプレートが10°回転する
毎に出力される。このシグナルプレートには、クランク
角基準位置を検出するために、6気筒エンジンでは12
0毎に歯欠部が設けられている。そして、クランク角位
置CRACNTは、クランク角基準位置(ここでは、C
RACNT=8)に基づいて0〜9の値に設定される。
0は、ポジション信号POS10の発生間隔をタイマー
で計測することにより算出される。なお、クランク角セ
ンサとして、ポジションセンサのほかに、気筒判別のた
めのフェーズ信号PHASEを出力するセンサが設けら
れることは言うまでもない。図9において、車両ECU
21によりエンジン停止指令が発せられ、その後の時刻
t0においてエンジン回転数NEが所定値LNLMTよ
りも低下したとする。ここで、ポジション信号発生周期
TPOS10は、通常はエンジン1の減速とともに長く
なる。従って、エンジン1がオーバラップ期間で停止し
たか否かは、次のポジション信号POS10が入力され
るまでに所定時間以上が経過してエンジン1が停止した
ものと判断された時刻t2におけるクランク角位置CR
ACNT(図では、3)が、オーバーラップ期間のCR
ACNTに相当するか否かにより判定できる。
スからの圧縮反力や重力によりクランク軸が揺り戻され
ると、クランク軸は一時的に加速して逆転するので、ポ
ジション信号発生周期TPOS10が前回よりも短くな
る(時刻t1)。従って、TPOS10に基づいてクラ
ンク軸の逆転判定を行うことができる。ここで、クラン
ク角位置CRACNTは、ポジション信号POS10が
発生する毎に、クランク軸の回転方向によらずに単純に
インクリメントされるのが一般的である。従って、クラ
ンク軸が逆転している場合であっても、POS10が発
生すればインクリメントされる。このため、逆転が生じ
た場合は、最終的に算出されたCRACNTがオーバー
ラップ期間内のものであったとしても、実際にはクラン
ク軸はその位置にないことになる。エンジンコントロー
ルユニット32は、このような場合にエンジン1の停止
位置判定を禁止し、オーバーラップ期間で停止したとの
誤った判定を回避する。
49のシグナルプレートには、所定間隔毎に歯欠部が設
けられている。従って、クランク軸が正転方向に回転し
ているとしても、この歯欠部を検出した次にポジション
信号POS10が発生した際に算出されるポジション信
号発生周期TPOS10は、前回よりも短くなる。この
場合の逆転の誤判定を防止するため、図8のS33の処
理において、n=8のときは強制的にS35ヘ進ませる
ようにする。
使用すれば、このような誤判定防止のための措置をとる
必要はない。この場合は、クランク角基準位置を検出す
るための手段を別に構成する。そのような手段は、例え
ば、気筒判別信号PHASEに基づいて上死点位置を検
出し、この位置に基づいてクランク角基準位置を定めれ
ばよい。
ンジン1がオーバーラップ期間外で停止した後に、吸気
マニホールド101内が大気圧となるまでマニホールド
内空気量Cmの収支計算を継続し、その最終値を学習値
として記憶する。次の始動に際して、エンジンコントロ
ーラ32は、記憶されているCmを初期値としてシリン
ダ吸入空気量Qcを測定する。
停止した場合は、エンジンコントローラ32は、マニホ
ールド内空気量Cmの収支計算を停止する。これととも
に、エンジンコントローラ32は、Cmの最終値を、以
前にエンジン1がオーバーラップ期間外で停止した際に
算出されたマニホールド内空気量(学習値)や、マニホ
ールド内空気量の基準値に設定する。
ンジンのシリンダ吸入空気量測定装置によれば、エンジ
ン1がオーバーラップ期間で停止した次の始動に際し
て、マニホールド内空気量の初期値が以前にオーバーラ
ップ期間外で停止したときに算出された学習値に設定さ
れる。このため、エンジン停止処理において排気系側か
らの逆流成分によりマニホールド内空気量Cmの最終値
が誤差を含んで算出されることによる、次の始動時にお
けるエミッションの増加やトルクの不足を抑制できる。
軸の逆転が生じた場合に、エンジンの停止位置判定を禁
止することにより、オーバーラップ期間で停止したもの
との誤判定を防止できる。クランク軸の逆転が生じたか
否かは、ポジション信号発生周期TPOS10に基づい
て容易に判定することが可能である。なお、逆転が生じ
た場合は、オーバーラップ期間よりも前の位置でクラン
ク軸が停止するので、フラグfTOPJDCを0として
も差し支えない。
て、エンジン停止指令がモータジェネレータ2による低
速走行が選択された場合に発生される例について説明し
た。しかしながら、エンジン停止指令は、本発明が適用
される制御システムに応じてこれとは異なる時期にも発
生されることは言うまでもない。例えば、イグニッショ
ンスイッチがオフされたことをもってエンジン停止指令
があったとしたり、あるいはアイドルストップを行う車
両においては、所定のアイドルストップ判定(アイドル
スイッチがオンされ、かつその時の車速が所定速度以下
であること等)がされたことをもってエンジン停止指令
があったとすることもできる。
て、エンジン停止処理時における制御の更に別の例につ
いて説明する。なお、このフロチャートにおいて、図5
〜8のフローチャートにおけると同じ処理を行うステッ
プには、同じ符号を付している。S41では、クランク
軸の逆転が生じていないかを判定する。ここではまだエ
ンジン1がある程度高い速度で回転しており、揺り戻さ
れることはないので、S33へ進む。しかしながら、後
にクランク軸が揺り戻され、後述するS34でフラグf
STPCRKが1に設定された後は、S43へ進む。
POS10が前回よりも長いと判定した場合は、S42
へ進む。一方、これが前回と同じ長さであるか、あるい
はそれよりも短いと判定した場合は、S34においてフ
ラグfSTPCRKに1を代入した後、S43へ進む。
S42では、クランク軸が正転方向に回転しているの
で、クランク角位置CRACNTを1だけインクリメン
トする。
に回転しているので、この場合であっても正確なクラン
ク角位置CRACNTを検出するために、CRACNT
を1だけデクリメントする。S21においてエンジン1
が未だ停止していないと判定されている間は、S46へ
進んで、エンジンの停止位置判定のためのフラグfTO
PJDCに0を代入する。
定した場合は、S44ヘ進んで、クランク軸の逆転判定
のためのフラグfSTPCRKに0を代入し、このフラ
グをリセットする。S23においてエンジンの停止位置
がオーバーラップ期間内にあると判定された場合は、S
24へ進んでエンジンの停止位置判定のためのフラグf
TOPJDCに1を代入した後、S45へ進む。一方、
停止位置がオーバラップ期間外であると判定した場合
は、S25へ進んでフラグfTOPJDCに0を代入し
た後、S45へ進む。
をリセットする。このように、本実施形態に係るエンジ
ンのシリンダ吸入空気量測定装置によれば、エンジン1
が停止する際にクランク軸の逆転が生じた場合に、クラ
ンク角位置CRACNTがデクリメントされる(図9の
CRACNTb)。従って、逆転方向の回転変位を含め
てクランク角位置を把握できるので、エンジンの停止位
置を正確に検出することが可能となる。
のパラメータ
ることの影響
CNT及びポジション信号発生周期TPOS10
ート
Claims (9)
- 【請求項1】シリンダに吸入される空気量を測定するエ
ンジンのシリンダ吸入空気量測定装置であって、 吸気弁と排気弁とがともに開かれるオーバーラップ期間
が設けられたエンジンに備えられるものにおいて、 吸気系に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手
段と、 該手段により検出された空気量に基づいて吸気マニホー
ルド内の空気量を、該マニホールドにおける空気の流入
出量の収支計算を行って算出するマニホールド内空気量
算出手段と、 該手段により算出された空気量に基づいてシリンダに吸
入される空気量を算出するシリンダ吸入空気量算出手段
と、 エンジンの停止位置が前記オーバーラップ期間内である
か否かを判定するエンジン停止位置判定手段と、を含ん
で構成され、 前記マニホールド内空気量算出手段は、前記エンジン停
止位置判定手段によりエンジンの停止位置がオーバーラ
ップ期間内であると判定された次の始動に際して、吸気
マニホールド内の空気量に係る初期値を、直前の停止時
以前に記憶された所定量に設定することを特徴とするエ
ンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。 - 【請求項2】前記所定量は、直前に停止した際に吸気マ
ニホールド内が大気圧となるまで収支計算を行った場合
に算出される最終空気量よりも大きい請求項1に記載の
エンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。 - 【請求項3】前記所定量は、直前の停止時以前にエンジ
ンがオーバーラップ期間外で停止した際に算出された最
終空気量である請求項1又は2に記載のエンジンのシリ
ンダ吸入空気量測定装置。 - 【請求項4】前記所定量は、エンジンが通常の走行環境
における大気条件のもとで停止している場合に吸気マニ
ホールド内に充填される空気量である請求項1又は2に
記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。 - 【請求項5】クランク軸の回転位置を検出する回転位置
検出手段を備え、前記エンジン停止位置判定手段は、検
出された回転位置に基づいてエンジンの停止位置がオー
バーラップ期間内であるか否かを判定する請求項1〜4
のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダ吸入空気量
測定装置。 - 【請求項6】前記回転位置検出手段がクランク軸の回転
角変位量を積算してその回転位置を検出する場合に、ク
ランク軸の逆転を検出する逆転検出手段と、該手段によ
りクランク軸の逆転が検出されたときに、前記エンジン
停止位置判定手段による判定を禁止する停止位置判定禁
止手段とを備える請求項5に記載のエンジンのシリンダ
吸入空気量測定装置。 - 【請求項7】前記逆転検出手段は、エンジンを停止させ
る際に、クランク軸が単位角だけ回転するのに要した時
間が1つ前の単位角について要した時間と等しいか、あ
るいはこれよりも短くなったときにクランク軸の逆転を
検出する請求項6に記載のエンジンのシリンダ吸入空気
量測定装置。 - 【請求項8】前記逆転検出手段は、クランク角が単位角
だけ回転するのに要した時間をTPOS10nとし、そ
の1つ前の単位角について要した時間をTPOS10n
−1とし、その更に前の単位角について要した時間をT
POS10n−2とすると; TPOS10n≦TPOS10n−1、かつ TPOS10n−1>TPOS10n−2であるときに
クランク軸の逆転を検出する請求項7に記載のエンジン
のシリンダ吸入空気量測定装置。 - 【請求項9】前記逆転検出手段は、前記1つ前の単位角
について要した時間が上死点を乗り越える際に要する時
間に係るしきい値としての所定時間よりも長いときにの
み、クランク軸の逆転を検出する請求項6〜8のいずれ
か1つに記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装
置。
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