JP3914642B2 - 車輌制御方法及び車輌制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御方法及び車輌制御装置に関し、特に、動力出力装置から駆動軸に対し出力される動力を円滑に制御するに好適な車両制御方法及び車輌制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、動力出力装置として、複数の動力源と動力伝達機構を有する車両が検討されている。かかる車両の制御方法としては、例えば、特開平10−98805号公報に記載されているように、動力源として原動機と第一の電動機と第二の電動機とを備え、動力伝達機構として3軸式動力入出力手段を備え、目標動力に応じて動力源及び3軸式動力入出力手段を制御して、目標動力を発生している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、動力源や動力伝達機構を構成する車両の構成部品の特性変化によって、発生する動力は変化するにも拘らず、従来の制御方法では、かかる点に着目していないため、目標の動力が得られず、円滑な走行ができないという問題があった。
【0004】
ここで、車両の構成部品の特性変化としては、経年変化と環境変化が考えられる。経年変化としては、原動機や電動機等の動力源が製造直後に対して年月の経過とともに、性能が低下して、出力する動力が低下するものがある。また、動力伝達機構にしても、歯車等の機構部分の摩耗により伝達率が低下して、出力する動力が低下する。環境変化としては、例えば、原動機は、低地において駆動される場合に比べて、高地において駆動されると、吸入される空気が希薄となるため、出力する動力が低下する場合や、電動機は、高温になると効率が低下するため、出力する動力が低下する場合がある。このように、出荷後年月が経過した時、あるいは、高地、寒冷地、酷暑地帯での走行時には、予期せぬ駆動トルクが発生し、円滑な走行ができないという問題がある。また、動力源として電動機を用いる場合には、電源である蓄電池の特性変化によっても、電動機の出力トルクが変動することになる。
【0005】
また、このような問題は、動力源として、複数の原動機や電動機を備える場合に限らず、単一の原動機を用いる場合や、動力伝達機構として、CVTを用いる場合等にも同様に生じるものである。
【0006】
本発明の目的は、車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、円滑な走行の可能な車両制御方法及び車輌制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を実現するため、本発明は、動力源である原動機及び回転機から出力された動力を動力伝達軸を介して車輪に伝達して車両を駆動するとともに、上記回転機に電気的に接続された蓄電池を有する車両を制御する車両制御方法において、上記動力伝達軸上に設置されたトルクセンサと、上記蓄電池と上記回転機との間に接続された電力計と、上記蓄電池の電力残量を検出する蓄電池電力残量検出器とを用い、上記電力計により検出され、所定時間毎に上記蓄電池に充放電された電気量Weと、上記蓄電池電力残量検出器により検出された電力残量Ebatに基づいて、上記蓄電池の充放電効率を学習し、上記トルクセンサを用いて、上記回転機が停止しているときの上記原動機の出力トルクmTrを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTrとトルク測定値mTrとの差から、原動機の出力トルク特性を学習し、上記トルクセンサを用いて、上記回転機のみの動作中の上記回転機の出力トルクmTsを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTbとトルク測定値mTsとの差から、回転機の出力トルク特性を学習し、この学習によって得られた上記蓄電池,上記原動機及び上記回転機の特性に基づいて、車両を制御するようにしたものである。
かかる方法により、車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、新たな特性に関わるデータを習得して、円滑な走行を行い得るものとなる。
【0008】
(2)上記(1)記載の車両制御方法において、好ましくは、上記動力源として、原動機及び2つの回転機を備え、これらの動力源から動力分配機構を介して、車両駆動力を得るとともに、上記原動機及び2つの回転機及び蓄電池の特性を学習するようにしたものである。
かかる方法により、3つの動力をもつ車両においても、動力配分のための制御が正確に行われ、常に円滑な走行を実現した車両の制御を行い得るものとなる。
【0012】
(3)上記(1)記載の車両制御方法において、好ましくは、上記蓄電池の充放電効率から可変的に充電開始閾値と充電終了閾値を定め、蓄電池の電力残量を測定し、電力残量が上記充電開始閾値以下ならば回転機を発電機として用い蓄電池への充電を行い、電力残量が上記充電終了閾値以上ならば回転機による発電停止する運行方法を行うようにしたものである。
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、動力源である原動機及び回転機から出力された動力を動力伝達軸を介して車輪に伝達して車両を駆動するとともに、上記回転機に電気的に接続された蓄電池を有する車両を制御する車両制御装置において、上記動力伝達軸上に設置されたトルクセンサと、上記蓄電池と上記回転機との間に接続された電力計と、上記蓄電池の電力残量を検出する蓄電池電力残量検出器と、上記電力計により検出され、所定時間毎に上記蓄電池に充放電された電気量Weと、上記蓄電池電力残量検出器により検出された電力残量Ebatに基づいて、上記蓄電池の充放電効率を学習する蓄電池充放電効率学習部と、上記トルクセンサを用いて、上記回転機が停止しているときの上記原動機の出力トルクmTrを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTrとトルク測定値mTrとの差から、原動機の出力トルク特性を学習するエンジン出力特性学習部と、上記トルクセンサを用いて、上記回転機のみの動作中の上記回転機の出力トルクmTsを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTbとトルク測定値mTsとの差から、回転機の出力トルク特性を学習するモータ出力特性学習部とを備え、上記各学習部の学習によって得られた上記蓄電池,上記原動機及び上記回転機の特性に基づいて、車両を制御するようにしたものである。
かかる構成により、車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、新たな特性に関わるデータを習得して、円滑な走行を行い得るものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図12を用いて、本発明の一実施形態による車両制御方法について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成について説明する。
【0014】
本実施形態による車両システムは、動力源として、内燃機関であるところのエンジン10と、回転機であるところのモータ30,40を備えている。また、動力伝達機構として、動力分配機構であるところの遊星歯車機構50を備えている。エンジン10は、エンジン制御装置210によって制御される。モータ30,40は、それぞれ、モータ制御装置230,240によって制御される。
【0015】
遊星歯車機構50は、サンギヤ51と、リングギヤ52と、これらと同軸上で回転するキャリア53に支持されたピニオン53A,53Bからなる歯車列である。なお、ピニオンは、2個のみを図示しているが、他に図示しない2個のピニオンを備えている。また、サンギヤ51はサンギヤ軸54に結合され、リングギヤ52はリングギヤ軸55に結合され、キャリア53はキャリア軸56に結合されている。なお、これら軸間の力学的な関係については後述する。エンジンクランク軸は、キャリア軸56と同体である。モータ30の回転軸は、リングギヤ軸55と同体である。モータ40の回転軸は、サンギヤ軸54と同体である。
【0016】
リングギヤ軸55は、動力取出しギヤ62を介して、ディファレンシャルギヤ64に結合されている。したがって、エンジン10,モータ30,40により出力される動力は、動力分配機構である遊星歯車機構50を通して、最終的に左右の駆動輪66A,66Bに伝達される。
【0017】
車両制御装置100は、エンジン制御装置210と、モータ制御装置230,250と電気信号的接続されており、これらの各制御装置210,230,250を統括制御する。車両制御装置100は、CPU102と、ROM103と、RAM104と、タイマ105と、I/OLSI106と、それらの接続するバス107とによって構成されている。CPU102は、ROM103に格納された制御プログラムに基づいて、エンジン制御装置210とモータ制御装置230,250を制御する。各種入力信号は、IO/LSI106を介して車両制御装置100に入力され、RAM104に一時的に格納される。CPU102は、RAM104に格納された車両の状態を表す入力信号に基づいて制御信号を算出し、この制御信号は、IO/LSI106を介してエンジン制御装置210とモータ制御装置230,250に出力される。タイマ105は、所定の周期でCPU102に割り込み要求を発生し、これに応じてCPU102は、ROM103に格納された制御プログラムを実行する。
【0018】
本実施形態の車両システムには、第1のトルクセンサ71や、第2のトルクセンサ72や、アクセルペダル踏み角センサ73や、ブレーキペダル踏み角センサ74や、第1の電力計75や、第2の電力計76や、蓄電池電力残量検出器77を備えている。第1のトルクセンサ71は、動力伝達軸の一つであるリングギヤ軸55上の遊星歯車機構の直後に設置されており、リングギヤ軸55の軸トルクを検出する。第2のトルクセンサ72は、サンギヤ軸54上に設置されており、サンギヤ軸54の軸トルクを検出する。アクセルペダル踏み角センサ73は、アクセルペダルの踏み込み角を検出する。ブレーキペダル踏み角センサ74は、ブレーキペダルの踏み込み角を検出する。第1の電力計75は、モータ30と蓄電池70の間に接続されており、モータ30と蓄電池70の間の充放電量を検出する。第2の電力計76は、モータ40と蓄電池70の間に接続されており、モータ40と蓄電池70の間の充放電量を検出する。蓄電池電力残量検出器77は、蓄電池70の電力残量を検出する。なお、図示は省略しているが、これらのセンサ以外にも、エンジン水温センサ,モータ30の温度センサ,モータ40の温度センサ,外気温度センサなどが設置されている。また、各動力源の回転数も機器に内在するレフカウンタを用いることでセンシングできる。これらのセンサの計測値は、直接あるいは、エンジン制御装置210,モータ制御装置230,240などを介して車両制御装置100に入力される。
【0019】
蓄電池70は、モータ30,40とそれぞれ電気的な接続を持ち、これらの間では電気エネルギが相互に授受される。回転機であるところのモータ30は、回転軸に力学的な回転力を供給する電動機としての働きと、回転軸から外力を受け発電を行う発電機としての機能を有している。電動機として蓄電池70の電気エネルギを消費して回転力を発生するときの回転力の大きさは、モータ制御装置230により制御される。発電機として外力をうけ電気エネルギを蓄電池70に供給するときの発電エネルギの大きさも、モータ制御装置230により制御される。モータ40も、モータ30と同様に電動機ならびに発電機として働き、その回転力、発電量はモータ制御装置240により制御される。
【0020】
モータ制御装置230,240は、車両制御装置100からそれぞれモータ30,40が発生すべき回転力,発電量の指令値を供給され、これに従い制御を行うものである。
【0021】
次に、図2を用いて、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムのエンジン制御システムの構成について説明する。
エンジン10の吸気管12には、スロットルバルブ13が回転可能に支承されている。スロットルバルブ13の開度は、スロットル制御機構14によって制御される。スロットル制御機構14は、エンジン制御装置230から供給されるスロットルバルブ開度指令の制御信号に基づいて、スロットルバルブ13の開度を制御する。
【0022】
エンジン10の各シリンダの上流には、分岐した吸気管12内に燃料を噴射する燃料噴射器15A,15B,15C,15Dが設けられている。燃料噴射器15は、エンジン制御装置230から供給される燃料噴射信号によって、燃料噴射量を制御する。各シリンダ上部には、点火装置16A,16B,16C,16Dが設けられている。点火装置16は、エンジン制御装置230から供給される点火信号従い燃料に点火する。エンジン制御装置230は、最も燃焼効率がよくなるタイミングで点火装置に点火を指示する。なお、ここでは、4気筒のエンジンとして図示しているが、気筒数は、これに限るものでない。
【0023】
次に、エンジン等の車両の状態を検出する各種のセンサについて説明する。
吸気管12に取り付けられた空気量センサ17は、吸気管12からエンジン10に吸入される空気量を検出して、吸入空気量の検出信号をエンジン制御装置230に出力する。クランク角センサ87は、エンジンのクランク軸の回転数を検出して、エンジン回転数の検出信号をエンジン制御装置230に出力する。水温センサ19は、エンジンの冷却水の温度を検出して、水温の検出信号をエンジン制御装置230に出力する。
【0024】
車速センサ21は、車軸の回転数を検出して、車速Vの検出信号をエンジン制御装置230に出力する。空燃比センサ22は、排気管23に取り付けられ、排気ガスに基づいて空燃比を検出して、空燃比の検出信号をエンジン制御装置230に出力する。スロットルセンサ24は、スロットルバルブ13の開度を検出して、スロットル開度の検出信号をエンジン制御装置230に出力する。
【0025】
エンジン制御装置230には、吸入空気量,エンジン回転数,水温,車速V,空燃比等の各種の検出信号が入力する。エンジン制御装置230は、これらの検出信号に基づいて、スロットルバルブ開度指令をスロットル制御機構14に出力してスロットルバルブ13の開度を制御したり、燃料噴射器15や他のパワートレインを制御する。
エンジン制御装置230は、相互にバスによって接続されたCPU232,ROM233,RAM234,タイマ235,IO/LSI236から構成されている。CPU232は、ROM233に格納された制御プログラムに基づいて、エンジン10を制御する。各種入力信号は、IO/LSI236を介してエンジン制御装置230内に入力され、RAM234に一時的に格納される。CPU232は、RAM234に格納されたエンジン等の状態を表す入力信号に基づいて、制御信号を算出し、この制御信号は、IO/LSI236を介して出力される。タイマー235は、所定の周期で、CPU232に割り込み要求を発生し、これに応じてCPU232はROM233に格納された制御プログラムを実行する。本実施形態による制御方法は、制御プログラムとしROM233に格納されている。
【0026】
次に、図3を用いて、本実施形態において、動力分配機構として用いる遊星歯車機構50の各軸の軸回転数や軸トルクの関係について説明する。
【0027】
最初に、遊星歯車機構50のサンギヤ軸54,リングギア軸55,キャリア軸56の軸回転数の関係について説明する。
図3における縦軸は、3軸の回転数軸を示している。サンギヤ軸54の回転数NsをS軸上に、リングギヤ軸55の回転数NrをR軸上に、キャリア軸56の回転数NcをC軸上にプロットする。
【0028】
リングギヤ52の歯数に対するサンギヤ51の歯数の比はkとして、(数1)によって、
【0029】
【数1】
【0030】
として、与えられる。
このとき、図3に例示される共線図上の横軸で、S軸とR軸を1対kで内分する位置にC軸は置かれる。
【0031】
共線図上では、常に、それぞれの軸回転数Ns,Nc,Nrは動作共線と呼ばれる一つの線分上に取られるという性質がある。この関係は、(数2)によって、
【0032】
【数2】
【0033】
として、表される。
【0034】
次に軸トルクの関係について説明する。
遊星歯車機構50によりキャリヤ軸56の軸トルクTeは、サンギヤ軸54に作用する軸トルクTesとリングギヤ軸55に作用する軸トルクTerとに分割される。この分割作用する軸トルクは、(数1)のkを用いて、(数3),(数4)によって、
【0035】
【数3】
【0036】
【数4】
【0037】
として、表される。
リングギヤ軸55にはモータ30からのトルクTaと車輪66からの負荷トルクTloadが加わる。サンギヤ軸54には、モータ40からのトルクTbが加わる。
【0038】
図3に例示される共線図において、これらのトルクは動作共線に加わる力のベクトルとして表される。キャリア軸56から加わりサンギヤ軸54とリングギヤ軸55に分割された力と、他の力との合力がつりあった場合に動作共線は不動となり、各軸回転数は定常の値を取る。
【0039】
モータが電動機として働いているとき、すなわち、力行しているとき、モータの動力は、共線図の各軸の0点から回転数をプロットした点へのベクトルと同じ方向のベクトルが示す力として動作共線に作用する。
モータが発電機として働いているとき、すなわち、回生しているとき、モータの回生力(発電に要する力)は共線図の各軸の0点から回転数をプロットした点へのベクトルと逆向きのベクトルが示す力として動作共線に作用する。
【0040】
図3に例示した共線図では、モータ30は力行しており、その動力Taは、R軸上で0点からみた回転数と同じ方向のベクトルとして表されている。また、車輪を通してかかる負荷トルクTloadは、これに正反する向きのベクトルとして表される。
図3に例示した共線図では、モータ40は回生しており、その回生力Tbは、S軸上で0点からみた回転数と逆方向のベクトルとして表されている。
【0041】
また、遊星歯車機構の3軸に代表される回転系は各々慣性モーメントを有している。サンギヤ51とサンギヤ軸54とモータ40からなる回転系の慣性モーメントをIsと表すものとする。キャリヤ53とピニオン53A,53Bとキャリヤ軸56とモータ40からなる回転系の慣性モーメントをIcと表すものとする。リングギヤ52とリングギヤ軸55とモータ30と車軸67と車輪66からなる回転系の慣性モーメントをIrと表すものとする。
【0042】
また、各回転系の回転数の時間変化は、(数1)及び(数2)で与えられる関係のもと、3軸に加わるトルクの合力と慣性モーメントにより、(数5)により、
【0043】
【数5】
【0044】
として、定まる。
【0045】
次に、図4を用いて、本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100のシステム構成について説明する。
【0046】
本実施形態による車両制御装置100は、目標駆動トルク決定部110と、乗算器115と、最適配分決定部120と、蓄電池充電要求判定部125と、エンジン操作量決定部130と、スロットル開度算出部135と、モータ電流制御操作量決定部140,145と、エンジン出力特性学習部150と、モータ出力特性学習部155,160と、蓄電池充放電効率学習部165とから構成されている。かかる構成の中で、特に、エンジン出力特性学習部150と、モータ出力特性学習部155,160と、蓄電池充放電効率学習部165からなる学習部が、本実施形態による車両の構成部品の特性変化の学習のために機能する部分である。
なお、車両制御装置100を構成する各部の詳細な動作については、図5〜図12を用いて詳述する。
【0047】
次に、図5を用いて、図4に示した本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100の処理内容について説明する。
【0048】
(ステップS310)
ステップS310において、図4に示した車両制御装置100の目標駆動トルク決定部110は、車軸67に供給すべき駆動トルクの目標値(目標駆動トルク)tTdを、ブレーキペダル踏み角センサ74によって検出されたブレーキペダル踏み角BPSと、アクセルペダル踏み角センサ73によって検出されたアクセルペダル踏み角APSと、車速センサ21によって検出された車速Vに基づいて決定する。
【0049】
ここで、図6を用いて、アクセルペダル踏み角APSと車速Vと、このときの目標駆動トルクtTdの関係について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるアクセルペダル踏み角APSと車速Vと、このときの目標駆動トルクtTdの関係の説明図である。
【0050】
図6において、横軸は車速Vを示しており、縦軸は目標駆動トルクtTdを示している。目標駆動トルクtTdは、車速Vによって決定されるとともに、同じ車速でもアクセルペダル踏み角APSが大きいほど、目標駆動トルクtTdも大きくなるように決定される。なお、図6に示したアクセルペダル踏み角APSと車速Vと目標駆動トルクtTdの関係は、マップとして、ROM103に格納されている。
【0051】
そこで、目標駆動トルク決定部110は、ブレーキペダル踏み角BPSが0のとき、アクセルペダル踏み角APSと車速Vに基づいて、図6に示す関係から目標駆動トルクtTdを決定して、乗算器115に出力する。
【0052】
次に、図7を用いて、ブレーキペダル踏み角BPSとブレーキアシスト量tBrの関係について説明する。
図7において、横軸はブレーキペダル踏み角BPSを示しており、縦軸はブレーキアシスト量tBrを示している。ブレーキペダル踏み角BPSに対してブレーキアシスト量tBrは比例して決定される。なお、図7に示したブレーキペダル踏み角BPSとブレーキアシスト量tBrの関係は、マップとして、ROM103に格納されている。
【0053】
そこで、目標駆動トルク決定部110は、入力信号であるブレーキペダル踏み角BPSに基づいて、図7に示した関係を用いて、ブレーキアシスト量tBrを求める。
そして、ブレーキペダルが踏込まれているときは、図6により求めた目標駆動トルクtTdから、図6により求めたブレーキアシスト量tBrを差し引いた値を、新たな目標駆動トルクtTdとして、乗算器115に出力する。
【0054】
乗算器115は、目標駆動トルク決定部110によって求められた目標駆動トルクtTdと、車輪回転数Ndの積をとり、車輪軸に供給すべき出力の目標値(目標駆動出力)tPdを算出して、最適出力配分決定部120に出力する。
【0055】
(ステップS315)
ステップS315において、図4に示した車両制御装置100の蓄電池充電要求判定部125は、蓄電池電力残量検出器77によって検出された蓄電池70の電力残量Ebatに基づいて、蓄電池の充放電効率から定まる値EsとEeを用いて、充電要求信号Dbatを最適出力配分決定部120に出力する。
【0056】
ここで、図8を用いて、蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による車両制御方法に用いる蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係の説明図である。
【0057】
図8において、横軸は蓄電池充電量(電力残量)を示しており、縦軸は蓄電池充放電効率を示している。図中のα1、α2は蓄電池をどの効率範囲で利用すべきかの設計値であり、ここで、α1は90%であり、α2は95%である。そして、蓄電池充放電効率がα1となるときの蓄電池充電量をEsとし、蓄電池充放電効率がα2となるときの蓄電池充電量をEeとしている。
【0058】
そして、蓄電池充電要求判定部125は、蓄電池電力残量検出器77によって検出された蓄電池70の電力残量Ebatに基づいて、蓄電池の電力残量Ebatが蓄電池充電量Es以下ならば、充電を開始する充電要求信号Dbat=1を発生する。また、電力残量Ebatが蓄電池充電量Ee以上であれば、充電を終了するよう充電要求信号Dbat=0を発生する。
【0059】
なお、ここで、蓄電池充電量Eeで充電要求信号Dbatを0にしたのは、ブレーキ操作時にモータ40の回生によるブレーキアシストが常に可能なように充電量に余裕を持たせるためである。なお、充電要求信号Dbatが0であっても、ブレーキ要求などによっては充電が行われることがある。
【0060】
図8にて説明した蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係については、図4に示した蓄電池充放電効率テーブル410として、図1に示したRAM105の中に格納されている。
【0061】
ここで、図9を用いて、本実施形態に用いる蓄電池充放電効率テーブル410の構成について説明する。
蓄電池充放電効率テーブル410は、図8に例示した蓄電池の充放電効率の曲線を、テーブルデータ化したものである。そして、蓄電池充放電効率テーブル410は、電力残量Wと充放電効率Eを対応させたテーブルであり、さらに、インデックス番号を付与している。ここで、蓄電池充放電効率テーブル410の電力残量の軸は、等間隔である必要はなく、図示したように、充放電効率が急変するところでは密に間隔をとってよいものである。
【0062】
さらに、図10を用いて、蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係の他の例について説明する。
図10は、本発明の一実施形態による車両制御方法に用いる蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係の他の例の説明図である。
【0063】
図10において、横軸は蓄電池充電量(電力残量)を示しており、縦軸は蓄電池充放電効率を示している。本例による蓄電池充放電効率は、図8に示した例とは異なり、上に凸な充放電効率曲線を持つ蓄電池を用いる場合である。このような特性を有する場合には、単一の蓄電池充放電効率αから蓄電池充電量Es,Eeを定めてもよいものである。
【0064】
そして、蓄電池充電要求判定部125は、蓄電池電力残量検出器77によって検出された蓄電池70の電力残量Ebatに基づいて、蓄電池の電力残量Ebatが蓄電池充電量Es以下ならば、充電を開始する充電要求信号Dbat=1を発生する。また、電力残量Ebatが蓄電池充電量Ee以上であれば、充電を終了するよう充電要求信号Dbat=0を発生する。
【0065】
(ステップS320)
ステップS320において、図4に示した車両制御装置100の蓄電池充電効率学習部165は、蓄電池充放電効率の学習を行う。蓄電池充電効率学習部165は、第1の電力計75と第2の電力計76によって検出された所定の時間(例えば,10秒)毎に充放電された電気量Weと、蓄電池電力残量検出器77により検出された電力残量Ebatに基づいて、図9に示した蓄電池充放電効率テーブル410を逐次更新する。すなわち、電力計75,76と電力残量検出器77の測定値から求めた現在の充放電効率がmEであり、電力残量をWe[%]であるとき、蓄電池充放電効率テーブル410で、以下の(数6)を満たすインデックスi、i+1の充放電効率の値E[i]、E[i+1]を以下に示す(数7),(数8)にしたがって更新する。
【0066】
【数6】
【0067】
【数7】
【0068】
【数8】
【0069】
なお、蓄電池充放電効率テーブル410での現在の電力残量Weに対する充放電効率Eは、(数9)に示す線形補完式により、
【0070】
【数9】
【0071】
として対応づけられている。
【0072】
(ステップS325)
ステップS325において、図4に示した車両制御装置100の最適出力配分決定部120は、乗算器115によって算出された目標駆動出力tPdと、蓄電池充電要求判定部125によって決定された充電要求Dbatと、車速センサ21によって検出された車速Vに基づいて、エンジン10,モータ30,モータ40の最適な運転目標値tTe,tTa,tTbを設定する。
【0073】
最適出力配分決定部120は、車速Vと、(数1)〜(数5)と、各動力機の最大/最小出力を制約条件とし、充電要求Dbatと車速Vとから求まる必要充電出力と目標駆動出力tPdを満たし、燃費を最小とするための動力の組合せを求めることで、最適な運転目標値tTe,tTa,tTbを一意に決定する。求められた組合せは、エンジン10については発生すべき目標トルク値tTeとして定まり、エンジン操作量決定部130に出力される。モータ30については、目標トルク値tTaとして定まり、モータ電流制御操作量決定部140に出力される。モータ40については、目標トルク値tTbとして定まり、モータ電流制御操作量決定部145に出力される。
【0074】
(ステップS330)
ステップS330において、図4に示した車両制御装置100のエンジン操作量決定部130は、最適出力配分決定部120で決定したエンジン目標トルクtTeを、定常状態で実現するシリンダ吸入空気量oQcを算出する。
【0075】
ここで、図11を用いて、エンジントルクtTeとエンジン回転数Ncと、このときの空気流量Qcの関係について説明する。
図11は、本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるエンジントルクtTeとエンジン回転数Ncと、このときの空気流量Qcの関係の説明図である。
【0076】
図11において、横軸はエンジントルクtTeを示しており、縦軸は空気流量Qcを示している。そして、図示するように、エンジン回転数Ncを固定すると、シリンダ吸入空気量Qcが大きくなるほど、エンジンの出力トルクtTeが大きくなる。入力されたエンジン目標トルクtTeと、エンジン回転数計測値Nc(すなわちキャリヤ軸回転数)をもとに、目標エンジントルクtTeを実現するために必要な吸入空気量oQcを検索する。
【0077】
ここで、図11の関係は、制御プログラムでは、代表的な回転数Nkと代表的な吸入空気量Qiでの出力トルクT(Qi,Nk)を保持したエンジン出力トルクマップ420(図5)として、図4に示したRAM105に格納されている。そのため、吸入空気量oQcを検索するには、計測回転数Ncを挟む代表回転数Nk,Nk+1上の格子点の値を吸入空気の小さい方から参照していき、与えられたエンジン目標トルクtTeについて、以下の(数10)を満たす吸入空気量oQcを見つけることにより行われる。
【0078】
【数10】
【0079】
求められた吸入空気量oQcは、スロットル開度算出部135に出力される。
【0080】
(ステップS335)
ステップS335において、図4に示した車両制御装置100のスロットル開度算出部135は、エンジン10のシリンダに、吸入空気量oQcだけ空気が流入するように、スロットル開度Θを算出する。ここで、スロットルバルブを通過する空気がシリンダに吸入されるまでには、空気流入遅れがある。そこで、スロットル開度算出部135は、吸入空気量をスロットルの開度に単純に置きかえるだけではなく、進み補正することで空気流入遅れをキャンセルしている。
【0081】
エンジン10では、エンジンに備え付けられたエンジン制御装置210の制御のもと、スロットル開度Θにしたがってスロットルバルブ13が開閉される。また、空気量センサ17から検出した吸入空気量に空気吸入遅れに関する補正を加え、シリンダでの空気と燃料の混合比が理論空燃比であるところの「14.7」になるよう燃料を噴射する。さらに、燃焼効率が最大となるタイミングで点火が行われる。これにより物理的な動力が発生する。
【0082】
(ステップS340)
ステップS340において、図4に示した車両制御装置100のエンジン出力特性学習部150は、リングギヤ軸55上に設置したトルクセンサ71により計測した出力軸トルクmTrを用いて、図11に示したエンジンの出力トルク特性を自動学習する。
【0083】
次に、エンジンの出力トルク特性の学習の方法について説明する。
出力トルク特性の学習は、制御プログラム内のエンジン出力トルクマップ420の値を随時更新することで行われる。まず、最適出力配分決定部120によって求められた出力軸トルク目標値tTeから、リングギヤ軸55に分配されるエンジントルク目標値tTerは、以下の(数11)によって、
【0084】
【数11】
【0085】
として、求められる。
【0086】
(数11)によって求められたエンジントルク目標値tTerと、最適出力配分決定部120によって求めたモータ目標値tTaの和である出力軸トルク目標値tTrと、実際に計測された出力軸トルク計測値mTrとから、評価関数Jを以下の(数12)と、
【0087】
【数12】
【0088】
する。
【0089】
いま、エンジン操作量決定部130で求めたシリンダ吸入空気量oQcと、エンジン回転数Ncについて、図11に示したエンジン出力トルクマップ420上で点(oQc,Nc)を取り囲む4格子点、(Qi,Nk),(Qi+1,Nk),(Qi,Nk+1),(Qi+1,Nk+1)のそれぞれの値T(Qi,Nk),T(Qi+1,Nk),T(Qi,Nk+1),T(Qi+1,Nk+1)を(数13)の一般式にしたがって更新することで学習を行う。ここで、更新前の値をTold、更新後の値をTnewと記述する。
【0090】
【数13】
【0091】
(数13)の一般式を各点について具体的に記述した式を、(数14),(数15),(数16),(数17)に示す。
【0092】
【数14】
【0093】
【数15】
【0094】
【数16】
【0095】
【数17】
【0096】
ただし、(数14)から(数17)におけるεは、微少な正のをあらわしている。求められた値Tnewによって、エンジン出力特性学習部150は、エンジン出力トルクマップ420を更新する。
【0097】
なお、エンジントルクを回転数と吸入空気量を軸にトルクを記載したマップに代えて、回転数と燃料噴射量を軸にトルクを記載したマップを用いることもできる。このようなマップは、筒内噴射エンジンでは、発生トルクに対して燃料噴射量が寄与する割合が大きく、このようなエンジンを搭載した車両においては特に有効である。
【0098】
(ステップS345)
ステップS345において、図4に示した車両制御装置100のモータ電流制御操作量決定部140は、最適出力配分決定部120で決定したモータ20の目標値tTaを実現するモータ電力量Aaを算出する。
【0099】
ここで、図12を用いて、モータ30の回転数Nr(即ち、リングギヤ軸55の回転数)と、モータ30の消費電力Aaと、モータ30の発生トルクTaの関係について説明する。
図12は、本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるモータ30の回転数Nrと消費電力Aaと発生トルクTaの関係の説明図である。
【0100】
図12において、横軸はモータの回転数Nrを示しており、縦軸はモータの消費電力Aaを示している。図示する関係は制御プログラム中に、回転数Nrと電力量Aaの代表点での出力トルクTaのモータ出力トルクマップ430として保持されている。モータ電流制御操作量決定部140は、センサにより計測されたモータ回転数Nrと、最適出力配分決定部120から与えられたモータ目標値tTaとから、モータ目標値tTaを実現する消費電力Aaを、マップの検索により求めている。ここで求められた消費電力Aaがモータ30に出力される。
【0101】
なお、図12に示すように、回転の向きと同じ方向のトルクを発生する,即ち、力行するためには、蓄電池から電気的エネルギを消費する。回転と逆向きのトルクを発生する,即ち、回生するためには、モータにおいて発電(マイナスの消費電力の発生)が行われる。
【0102】
(ステップS350)
ステップS350において、図4に示した車両制御装置100のモータ出力特性学習部155は、モータ30の出力トルク特性の学習を行う。ここでの学習も、エンジン出力特性学習部150と同様に、(数12)で与えられる評価関数Jを用いて、図12に示したモータ30の出力トルク特性をあらわす制御プログラム内のマップ430のデータを随時更新するものである。
【0103】
モータ30のトルクマップ430上で、モータの消費電力Aaと回転数Nrから定まる点(Aa,Nr)を取り囲む4格子点、(Ai,Nk),(Ai+1,Nk),(Ai,Nk+1),(Ai+1,Nk+1)のそれぞれの値Ta(Ai,Nk),Ta(Ai+1,Nk),Ta(Ai,Nk+1),Ta(Ai+1,Nk+1)の値を更新する一般式を(数18)に示す。
【0104】
【数18】
【0105】
(数18)から定まる各格子点の値の具体的な更新式を、(数19)〜(数22)に示す。
【0106】
【数19】
【0107】
【数20】
【0108】
【数21】
【0109】
【数22】
【0110】
ただし、(数19)〜(数22)のεは、微少な正の数を表している。
【0111】
(ステップS355)
ステップS355において、図4に示した車両制御装置100のモータ電流制御操作量決定部145は、最適出力配分決定部120で決定したモータ40の目標値tTbを実現するモータ40の電力量Abを算出する。算出の方法は、モータ電流制御操作量決定部135と同様であり、モータ40の回転数Ns(即ち、サンギヤ軸54の回転数)と、モータ40の消費電力Abと、モータ40の発生トルクTbの関係を示す図12に示したような関係を用いて、算出される。算出された電力量Abは、モータ40に出力される。
【0112】
(ステップS360)
ステップS350において、図4に示した車両制御装置100のモータ出力特性学習部160は、モータ40の出力トルク特性の学習を行う。サンギヤ軸54に設置した第2のトルクセンサ72の計測値mTsと、最適出力配分決定部120によって算出されたモータ40の目標トルクtTbとから、(数23)の評価関数J2を用いて、図12と同様なモータ40の出力トルク特性をあらわす制御プログラム内のモータ出力マップデータ440を随時更新するものである。
【0113】
【数23】
【0114】
即ち、(数24)により、モータ40の消費電力Abと回転数Nsから定まる点(Ab,Ns)を取り囲む4格子点、(Ai,Nk),(Ai+1,Nk),(Ai,Nk+1),(Ai+1,Nk+1)のそれぞれの値Tb(Ai,Nk),Tb(Ai+1,Nk),Tb(Ai,Nk+1),Tb(Ai+1,Nk+1)の値を更新する。
【0115】
【数24】
【0116】
(数24)を展開して求めた各格子点についての具体的な更新式を、(数25)〜(数28)に示す。
【0117】
【数25】
【0118】
【数26】
【0119】
【数27】
【0120】
【数28】
【0121】
なお、以上の説明では、2つのトルクセンサ71,72を用いるものとして説明したが、例えば、サンギヤ軸54上の第2のトルクセンサ72用いないようにしてもよいものである。この場合、モータ40の特性の学習には、リングギヤ軸55に設置に設置した第1のトルクセンサ71の計測値mTrと、図3に示した動作共線での力のバランスと、(数5)の慣性モーメントの関係から推定したサンギヤ軸トルク推定値mTs2を、(数19)に示したmTsの代わりに用いるようにする。これにより若干の精度劣化はあるものの、部品点数を省略した車両でも学習が行える。
【0122】
以上説明したように、本実施形態によれば、蓄電池充放電効率学習部165を用いて、蓄電池充放電効率テーブル410を逐次更新し、エンジン出力特性学習部150を用いて、エンジン出力トルクマップ420を更新し、モータ出力特性学習部155,160を用いて、モータ出力トルクマップ430,440を更新することにより、動力源や動力伝達機構を構成する車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、目標の動力を得ることができ、円滑な走行を可能にすることができる。
【0123】
次に、図13を用いて、本発明の第2の実施形態による車両制御方法について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
なお、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成は、図1に示したものと同様であり、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムのエンジン制御システムの構成は、図2に示したものと同様であり、本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置のシステム構成は、図4に示したものと同様である。さらに、図5に示したフローチャートと同一符号は同一処理を示している。
【0124】
本実施形態に車両制御装置100の処理内容としては、図5に示した処理内容に、さらに、ステップS337,S347の処理を追加したものである。
【0125】
ステップS337において、エンジン出力特性学習部150(図4)は、エンジン出力のみの走行か否かを判断する。エンジン出力のみの走行である場合には、ステップS340において、エンジン出力特性の学習を行う。エンジン出力のみの走行でない場合には、ステップS340をスキップして、ステップS345の処理に進む。
これにより、エンジン出力トルク特性データの学習は、車両がエンジン10(図4)からの出力のみで走行しているとき、即ち、モータ30(図4)が停止しているときにのみ行われる。これは、中程度の走行負荷のもと一定速度で走行しているときに該当する。
このように、モータ30の停止中にエンジン出力トルク特性の学習をすることにより、モータ30の出力特性が変化したとき、誤学習によりエンジン出力トルク特性データが一時的に誤って学習されるといった危険を回避することが可能になる。
【0126】
また、ステップS347において、モータ出力特性学習部155(図4)は、モータ30のみの走行かあるは回生かを判断する。モータ30のみによる走行か回生動作中である場合には、ステップS350において、モータ出力特性の学習を行う。モータ30のみによる走行か回生動作中でない場合には、ステップS350をスキップして、ステップS355の処理に進む。
これにより、モータ30の出力トルク特性データの学習も、車両がモータ30からの出力のみで走行あるいは回生しているとき、すなわちエンジン10の出力が0の場合に限定される。これは、軽微な走行負荷のもと低速で走行しているとき、あるいはモータ30が回生することで制動をしているときに該当する。
このように、エンジン10の停止中にモータ30の出力トルク特性の学習をすることにより、エンジン10の出力特性が変化したとき、誤学習によりモータ出力トルク特性データが一時的に誤って学習されるといった危険を回避することが可能になる。
【0127】
なお、以上の説明では、2つのトルクセンサ71,72を用いるものとして説明したが、例えば、サンギヤ軸54上の第2のトルクセンサ72用いないようにしてもよいものである。この場合、モータ40の特性の学習には、リングギヤ軸55に設置に設置した第1のトルクセンサ71の計測値mTrと、図3に示した動作共線での力のバランスと、(数5)の慣性モーメントの関係から推定したサンギヤ軸トルク推定値mTs2を、(数19)に示したmTsの代わりに用いるようにする。これにより若干の精度劣化はあるものの、部品点数を省略した車両でも学習が行える。
【0128】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンジン10とモータ30のそれぞれの出力トルク特性を学習するタイミングを限定することで、誤学習によりエンジン10やモータ30の出力トルク特性データが一時的に誤って学習されるといった危険を回避することができる。
【0129】
次に、図14〜図16を用いて、本発明の第3の実施形態による車両制御方法について説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
なお、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成は、図1に示したものと同様であり、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムのエンジン制御システムの構成は、図2に示したものと同様であり、本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置のシステム構成は、図4に示したものと同様である。さらに、図5に示したフローチャートと同一符号は同一処理を示している。
【0130】
図5に示した実施形態との主たる相違点は、図5において用いていたエンジン出力トルクマップ420に代えて、エンジン出力理論式パラメータae,be420Aを用い、また、モータ出力トルクマップ430,440に代えて、モータ出力理論式パラメータ430A,440Aを用いるようにしたことにある。
【0131】
車両に搭載されたエンジンの出力特性は、図11に示したトルクマップに代表され、モータの出力特性は、図12に示したトルクマップに代表されるが、これらは、理論的な式として定めることができる。例えば、エンジンについて、図11のトルクマップにより(数10)で与えられていたエンジンの(目標)トルクと(目標)シリンダ吸入空気量及びエンジン回転数Ncの関係は、理論式を用いることで、以下の(数29)と表すこともできる。
【0132】
【数29】
【0133】
従って、この(数29)の係数ac,beを学習することで、第1の実施形態と同様に、エンジンの特性変化を学習することができる。
【0134】
エンジン10の特性に関わるパラメータac,beの学習を定める式を、(数30)、(数31)で示すことができる。
【0135】
【数30】
【0136】
【数31】
【0137】
同様に、回転数に関わる理論式から、モータ30,40のそれぞれの(目標)出力トルクと消費電流量とモータ回転数の関係は、(数29)に類する代数式で表現できる。この式のパラメータを学習することで第一の実施形態と同様に、モータの特性変化を学習することができる。
【0138】
図14のフローチャートに示すステップS330A〜S360Aについて説明する。
(ステップS330A)
ステップS330Aにおいて、図4に示した車両制御装置100のエンジン操作量決定部130は、最適出力配分決定部120で決定したエンジン目標トルクtTeを、定常状態で実現するシリンダ吸入空気量oQcを、(数30)及びエンジン出力理論式パラメータ420Aに格納されたエンジン出力理論式パラメータae,beを用いて算出する。
【0139】
(ステップS335A)
ステップS335Aにおいて、図4に示した車両制御装置100のスロットル開度算出部135は、エンジン10のシリンダに、吸入空気量oQcだけ空気が流入するように、スロットル開度Θを算出する。エンジン10では、エンジンに備え付けられたエンジン制御装置210の制御のもと、スロットル開度Θにしたがってスロットルバルブ13が開閉される。また、シリンダでの空気と燃料の混合比が理論空燃比であるところの「14.7」になるよう燃料を噴射する。さらに、燃焼効率が最大となるタイミングで点火が行われる。これにより物理的な動力が発生する。
【0140】
(ステップS340A)
ステップS340Aにおいて、図4に示した車両制御装置100のエンジン出力特性学習部150は、リングギヤ軸55上に設置したトルクセンサ71により計測した出力軸トルクmTrを用いて、図11に示したエンジンの出力トルク特性を自動学習する。そして、(数30),(数31)を用いて、更新されたエンジン出力理論式パラメータaenew,benewを算出して、更新されたパラメータを、エンジン出力理論式パラメータ420Aに格納することによって、パラメータの更新を行う。
【0141】
(ステップS345A)
ステップS345Aにおいて、図4に示した車両制御装置100のモータ電流制御操作量決定部140は、最適出力配分決定部120で決定したモータ20の目標値tTaを実現するモータ電力量Aaを、モータ出力理論式パラメータ430Aに格納されたパラメータを用いて算出する。
【0142】
(ステップS350A)
ステップS350Aにおいて、図4に示した車両制御装置100のモータ出力特性学習部155は、モータ30の出力トルク特性の学習を行う。そして、(数30),(数31)同様の代数式を用いて、更新されたモータ出力理論式パラメータを算出して、更新されたパラメータを、モータ出力理論式パラメータ430Aに格納することによって、パラメータの更新を行う。
【0143】
さらに、ステップS355A,S360Aにおける処理も、ステップS345A,S350Aの処理と同様に行われ、モータ40の特性変化の学習が行われる。
【0144】
なお、動力源の出力特性の非線形性が強い場合、例えば、パラメータae,beが回転数の影響を強く受けるような車両においては、パラメータの値を回転数毎に足めたテーブルを用意し、このテーブルを学習するようにしてもよいものである。これにより、非線形性が強い動力源を用いた車両においても良好な倒御を行うことが可能となる。
【0145】
ここで、図15及び図16を用いて、エンジンのパラメータテーブルの一例について説明する。
図15及び図16は、本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるエンジンのパラメータの構成の説明図である。
【0146】
図15に示すパラメータテーブルは、エンジン回転数とパラメータaeを対応させたテーブルであり、さらに、インデックス番号を付与している。また、図16に示すパラメータテーブルは、エンジン回転数とパラメータbeを対応させたテーブルであり、さらに、インデックス番号を付与している。また、モータのパラメータテーブルも同様に構成される。
【0147】
エンジン回転数がNeであるとき、aeはNk≦N6<Nk+1をみたすインデックスkでの値Ak,Ak十1を用いて、(数32)のように、
【0148】
【数32】
【0149】
として線形補完して読み取られる。
【0150】
同様に、パラメータbeも、テーブルデータを線形補完して読み取られる。ここで、パラメータaeに関わるテーブルデータAk,Ak+1の学習は、(数33),(数34)により、
【0151】
【数33】
【0152】
【数34】
【0153】
として行われる。
【0154】
パラメータbeに関するテーブルデータの学習も、同様に、(数35),(数36)により
【0155】
【数35】
【0156】
【数36】
【0157】
として行われる。
【0158】
以上説明したように、本実施形態によれば、動力源や動力伝達機構を構成する車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、目標の動力を得ることができ、円滑な走行を可能にすることができる。
また、エンジン出力トルクやモータ出力トルクを、マップに代えてパラメータを用いて求めることにより、車両制御装置の処理を軽減することができる。
【0159】
次に、図17〜図19を用いて、本発明の第4の実施形態による車両制御方法について説明する。
図17は、本発明の第4の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0160】
図1に示した実施形態との主たる相違点は、図1において用いていた動力源であるモータ40をなくし、動力源として、内燃機関であるところのエンジン10と、回転機であるところのモータ30を備えている。モータ30は、エンジンの出力軸56上に設置される。また、図1において用いていた動力伝達機構である遊星歯車機構50の代わりに、無段変速機80を備えている。エンジン10及びモータ30の出力は、駆動軸55に伝達され、車輪66A,66Bを駆動する。
【0161】
エンジン10は、エンジン制御装置210によって制御される。モータ30は、モータ制御装置230によって制御される。無段変速機80は、変速機制御装置280によって制御される。
【0162】
車両制御装置100Aは、エンジン制御装置210と、モータ制御装置230と、変速機制御装置280と電気信号的接続されており、これらの各制御装置210,230,280を統括制御する。車両制御装置100Aは、変速機制御装置280に対して、変速比iの指令値を出力する。
その他の構成は、図1に示したものと同様である。
【0163】
次に、図18を用いて、本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100Aのシステム構成について説明する。
【0164】
本実施形態による車両制御装置100Aは、目標駆動トルク決定部110と、乗算器115と、最適配分決定部120Aと、蓄電池充電要求判定部125と、エンジン操作量決定部130と、スロットル開度算出部135と、モータ電流制御操作量決定部140と、エンジン出力特性学習部150と、モータ出力特性学習部155と、蓄電池充放電効率学習部165とから構成されている。即ち、図4に示した構成と比べて、モータ電流制御操作量決定部145と、モータ出力特性学習部160がない構成となっている。
【0165】
最適配分決定部120Aは、乗算器115によって算出された目標駆動出力tPdと、蓄電池充電要求判定部125によって決定された充電要求Dbatと、車速センサ21によって検出された車速Vに基づいて、エンジン10,モータ30及び無段変速機80の最適な運転目標値tTe,tTa,iを設定する。
なお、車両制御装置100Aを構成する各部の詳細な動作については、図19のフローチャートを用いて詳述する。
【0166】
次に、図19を用いて、図18に示した本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100Aの処理内容について説明する。なお、図19に示すフローチャートにおいて、図5と相違する点は、ステップ325Aの最適出力配分決定処理だけであり、この点について以下に説明する。また、図5に示したステップS355,S360の処理がなくなっているが、これは、モータ40を用いないためである。
【0167】
(ステップS325A)
ステップS325Aにおいて、図18に示した車両制御装置100の最適出力配分決定部120Aは、乗算器115によって算出された目標駆動出力tPdと、蓄電池充電要求判定部125によって決定された充電要求Dbatと、車速センサ21によって検出された車速Vに基づいて、エンジン10,モータ30及び無段変速機80の最適な運転目標値tTe,tTa,iを設定する。
【0168】
最適出力配分決定部120Aは、車速Vと、(数1)〜(数5)と、各動力機の最大/最小出力を制約条件とし、充電要求Dbatと車速Vとから求まる必要充電出力と目標駆動出力tPdを満たし、燃費を最小とするための動力の組合せを求めることで、最適な運転目標値tTe,tTa,iを一意に決定する。求められた組合せは、エンジン10については発生すべき目標トルク値tTeとして定まり、エンジン操作量決定部130に出力される。モータ30については、目標トルク値tTaとして定まり、モータ電流制御操作量決定部140に出力される。無段変速機80については、変速比iとして定まり、無段変速機80に出力される。
【0169】
車両の構成部品の特性変化の学習に関わる処理は、図1〜図12に示した第1の実施形態における学習基本式である(数12),(数13),(数18)により定められるものである。ここで、mTrは、図17に示したモータ30と無段変速機80の間に設置されたトルクセンサ71の計測値であり、tTrは、第1の実施形態と同様に、エンジンの出力トルク目標値tTerとモータ30の出力トルク目標値tTaの和である。ただし、車両の構成の変更に伴い、エンジン出力をトルクセンサで計測するまでに遊星歯車機構による変速は行われていないものである。よって、基本式から導かれる具体的な更新式であるところの(数14)〜(数17)は、遊星歯車機構の歯車数比kによらない式に変更される。(数14)は、以下の(数37)に置き換わる。
【0170】
【数37】
【0171】
なお、本実施形態は、エンジン10とモータ30との間にクラッチを設けた車両に対しても適用できるものである。このような車両では、クラッチを切断することでモータ30のみでの走行が可能となる。モータ30の出力トルク特性データの学習を、クラッチ切断時のみに限定することで、第2の実施の形態と同様に誤学習を回避することが可能となる。
また、トルクセンサを駆動軸55上に設置してもよいものである。この場合、無投変速機による出力の損失分を併せて学習させることも可能である。
【0172】
以上説明したように、本実施形態によれば、蓄電池充放電効率学習部165を用いて、蓄電池充放電効率テーブル410を逐次更新し、エンジン出力特性学習部150を用いて、エンジン出力トルクマップ420を更新し、モータ出力特性学習部155を用いて、モータ出力トルクマップ430を更新することにより、動力源や動力伝達機構を構成する車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、目標の動力を得ることができ、円滑な走行を可能にすることができる。
【0173】
次に、図20及び図21を用いて、本発明の第5の実施形態による車両制御方法について説明する。
図20は、本発明の第5の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成について説明する。なお、図17と同一符号は、同一部分を示している。
【0174】
図17に示した実施形態との主たる相違点は、図17において用いていた動力源であるモータ30をなくし、動力源として、内燃機関であるところのエンジン10のみの単一動力源としたことである。また、図17と同様に、動力伝達機構である無段変速機80を備えている。エンジン10は、エンジン制御装置210によって制御される。無段変速機80は、変速機制御装置280によって制御される。
【0175】
車両制御装置100Bは、エンジン制御装置210と、変速機制御装置280と電気信号的接続されており、これらの各制御装置210,280を統括制御する。車両制御装置100Bは、変速機制御装置280に対して、変速比iの指令値を出力する。
その他の構成は、図17に示したものと同様である。
【0176】
本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100Bのシステム構成は、図18に示したシステムブロック図に示した蓄電池充電要求判定部125,モータ電流制御操作量決定部140,モータ出力特性学習部155,蓄電池充放電効率学習部165がなくなり、図18に示した最適配分決定部120Aに代えて、最適配分決定部120Bを備えたものである。最適配分決定部120Bは、乗算器115によって算出された目標駆動出力tPdと、車速センサ21によって検出された車速Vに基づいて、エンジン10及び無段変速機80の最適な運転目標値tTe,iを設定する。
なお、車両制御装置100Bを構成する各部の詳細な動作については、図21のフローチャートを用いて詳述する。
【0177】
次に、図21を用いて、図20に示した本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100Bの処理内容について説明する。なお、図21に示すフローチャートにおいて、図19相違する点は、ステップ325Bの最適出力配分決定処理だけであり、この点について以下に説明する。また、図19に示したステップS345,S350の処理がなくなっているが、これは、モータ30を用いないためである。
【0178】
(ステップS325B)
ステップS325Bにおいて、図20に示した車両制御装置100Bの最適出力配分決定部120Bは、乗算器115によって算出された目標駆動出力tPdと、車速センサ21によって検出された車速Vに基づいて、エンジン10及び無段変速機80の最適な運転目標値tTe,iを設定する。
【0179】
最適出力配分決定部120Bは、車速Vと、(数1)〜(数5)と、各動力機の最大/最小出力を制約条件とし、車速Vとから求まる目標駆動出力tPdを満たし、燃費を最小とするための動力の組合せを求めることで、最適な運転目標値tTe,iを一意に決定する。求められた組合せは、エンジン10については発生すべき目標トルク値tTeとして定まり、エンジン操作量決定部130に出力される。無段変速機80については、変速比iとして定まり、無段変速機80に出力される。
【0180】
ステップS340におけるエンジン出力トルクの学習は、上述した学習基本式である(数12),(数13)に従って行われる。具体的なデータの更新式は、(数37)に代表される式による。ただし、mTrは、図20でエンジン10と無段変速機80の間に設置されたトルクセンサ71の計測値であり、tTrはエンジン10の出力トルク目標値tTerである。
【0181】
なお、本実施形態は、エンジンを回転機に置き換えた電気自動車においても同様に有効なものである。
【0182】
以上の説明したように、本実施形態によれば、単一の動力源を持つ車両においても、燃費などを考慮しつつ最適な動力源目標トルクを算出し、これを制御することが可能となる。さらに、このとき動力源の出力トルクマップを随時学習することで、経年変化や周辺環境の影響によらずに、常に円滑かつ効率的な走行が可能となる。
【0183】
次に、図22を用いて、本発明の第6の実施形態による車両制御方法について説明する。
本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成は、図20に示したものと同様である。図20と異なる点は、エンジン10として、通常の燃料を吸気弁の手前に噴射するポート噴射式エンジンに代えて、燃料を気筒内に直接噴射する筒内質射エンジンに変更したものである。
【0184】
このような車両では、空燃比をストイキにとる場合と、リーンにとる場合でエンジン出力トルクの特性が異なる。従って、2つの出力トルクマップを準備し、ストイキの場合の出力トルクマップとリーンの場合の出力トルクマップとすることで、特に円滑な制御が実現でき、有効性が高められる。
【0185】
本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置100Bのシステム構成は、図20に示したものと同様である。
【0186】
ここで、図22を用いて、本実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容について説明する。なお、図22に示すフローチャートにおいて、図21と相違する点は、ステップS330A以降の処理であり、この点について以下に説明する。
【0187】
(ステップS330A)
ステップS330Aにおいて、車両制御装置のエンジン操作量決定部130は、最適出力配分決定部120で決定したエンジン目標トルクtTeを、定常状態で実現するシリンダ吸入空気量oQcを算出する。このとき、車両の運転状態に応じて、ストイキ運転時には、ストイキ運転時エンジン出力トルクマップ420Aを使用し、リーン運転時には、リーン運転時エンジン出力トルクマップ420Bを使用する。
【0188】
(ステップS335)
ステップS335において、車両制御装置のスロットル開度算出部135は、エンジン10のシリンダに、吸入空気量oQcだけ空気が流入するように、スロットル開度Θを算出する。
【0189】
(ステップS336)
ステップS336において、エンジン特性学習部150は、ストイキ運転か否かを判断し、ストイキ運転時であれば、ステップS340Aに進み、そうでなければ、ステップS337に進む。
【0190】
(ステップS340A)
ストイキ運転時には、ステップS340Aにおいて、車両制御装置のエンジン出力特性学習部150は、トルクセンサにより計測した出力軸トルクmTrを用いて、エンジンの出力トルク特性を自動学習する。
【0191】
(ステップS337)
ステップS337において、エンジン特性学習部150は、リーン運転か否かを判断し、リーン運転時であれば、ステップS340Bに進み、そうでなければ、学習は行わずに処理を終了する。
【0192】
(ステップS340B)
リーン運転時には、ステップS340Bにおいて、車両制御装置のエンジン出力特性学習部150は、トルクセンサにより計測した出力軸トルクmTrを用いて、エンジンの出力トルク特性を自動学習する。
【0193】
以上の説明したように、本実施形態によれば、単一の動力源を持つ車両においても、燃費などを考慮しつつ最適な動力源目標トルクを算出し、これを制御することが可能となる。さらに、このとき動力源の出力トルクマップを随時学習することで、経年変化や周辺環境の影響によらずに、常に円滑かつ効率的な走行が可能となる。また、2つの出力トルクマップを準備し、ストイキの場合の出力トルクマップとリーンの場合の出力トルクマップとすることで、特に円滑な制御が実現でき、有効性が高められる。
【0194】
【発明の効果】
本発明によれば、車両の構成部品の特性変化が生じた場合でも、円滑な走行の可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムのエンジン制御システムの構成図である。
【図3】本発明の一実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムに用いる遊星歯車機構の軸回転数や軸トルクの関係を示す共線図である。
【図4】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置のシステムブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるアクセルペダル踏み角APSと車速Vと、このときの目標駆動トルクtTdの関係の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるブレーキペダル踏み角BPSとブレーキアシスト量tBrの関係の説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いる蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係の説明図である。
【図9】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いる蓄電池充放電効率テーブルの構成の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いる蓄電池充放電効率と値Es,Eeの関係の他の例の説明図である。
【図11】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるエンジントルクtTeとエンジン回転数Ncと、このときの空気流量Qcの関係の説明図である。
【図12】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるモータ30の回転数Nrと消費電力Aaと発生トルクTaの関係の説明図である。
【図13】本発明の第2の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるエンジンのパラメータの構成の説明図である。
【図16】本発明の一実施形態による車両制御方法に用いるエンジンのパラメータの構成の説明図である。
【図17】本発明の第4の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成を示す構成図である。
【図18】本発明の第4の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置のシステムブロック図である。
【図19】本発明の第4の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第5の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの構成を示す構成図である。
【図21】本発明の第5の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第6の実施形態による車両制御方法を実行する車両制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン
30,40…モータ
50…遊星歯車機構
70…蓄電池
71,72…トルクセンサ
80…無段変速機
75,76…電力計
77…蓄電池電力残量検出器
100…車両制御装置
110…目標駆動トルク決定部
115…乗算器
120…最適配分決定部
125…蓄電池充電要求判定部
130…エンジン操作量決定部
135…スロットル開度算出部
140,145…モータ電流制御操作量決定部
150…エンジン出力特性学習部
155,160…モータ出力特性学習部
165…蓄電池充放電効率学習部
210…エンジン制御装置
230,240…モータ制御装置
280…変速機制御装置
Claims (6)
- 動力源である原動機及び回転機から出力された動力を動力伝達軸を介して車輪に伝達して車両を駆動するとともに、上記回転機に電気的に接続された蓄電池を有する車両を制御する車両制御方法において、
上記動力伝達軸上に設置されたトルクセンサと、上記蓄電池と上記回転機との間に接続された電力計と、上記蓄電池の電力残量を検出する蓄電池電力残量検出器とを用い、
上記電力計により検出され、所定時間毎に上記蓄電池に充放電された電気量Weと、上記蓄電池電力残量検出器により検出された電力残量Ebatに基づいて、上記蓄電池の充放電効率を学習し、
上記トルクセンサを用いて、上記回転機が停止しているときの上記原動機の出力トルクmTrを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTrとトルク測定値mTrとの差から、原動機の出力トルク特性を学習し、
上記トルクセンサを用いて、上記回転機のみの動作中の上記回転機の出力トルクmTsを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTbとトルク測定値mTsとの差から、回転機の出力トルク特性を学習し、
この学習によって得られた上記蓄電池,上記原動機及び上記回転機の特性に基づいて、車両を制御することを特徴とする車両制御方法。 - 請求項1記載の車両制御方法において、
上記動力源として、原動機及び2つの回転機を備え、
これらの動力源から動力分配機構を介して、車両駆動力を得るとともに、上記原動機及び2つの回転機及び蓄電池の特性を学習することを特徴とする車両制御方法。 - 請求項1記載の車両制御方法において、
上記蓄電池の充放電効率から可変的に充電開始閾値と充電終了閾値を定め、蓄電池の電力残量を測定し、電力残量が上記充電開始閾値以下ならば回転機を発電機として用い蓄電池への充電を行い、電力残量が上記充電終了閾値以上ならば回転機による発電停止する運行方法を行うことを特徴とした車両制御方法。 - 動力源である原動機及び回転機から出力された動力を動力伝達軸を介して車輪に伝達して車両を駆動するとともに、上記回転機に電気的に接続された蓄電池を有する車両を制御する車両制御装置において、
上記動力伝達軸上に設置されたトルクセンサと、
上記蓄電池と上記回転機との間に接続された電力計と、
上記蓄電池の電力残量を検出する蓄電池電力残量検出器と、
上記電力計により検出され、所定時間毎に上記蓄電池に充放電された電気量Weと、上記蓄電池電力残量検出器により検出された電力残量Ebatに基づいて、上記蓄電池の充放電効率を学習する蓄電池充放電効率学習部と、
上記トルクセンサを用いて、上記回転機が停止しているときの上記原動機の出力トルクmTrを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTrとトルク測定値mTrとの差から、原動機の出力トルク特性を学習するエンジン出力特性学習部と、
上記トルクセンサを用いて、上記回転機のみの動作中の上記回転機の出力トルクmTsを測定し、目標駆動力から定まるトルク目標値tTbとトルク測定値mTsとの差から、回転機の出力トルク特性を学習するモータ出力特性学習部とを備え、
上記各学習部の学習によって得られた上記蓄電池,上記原動機及び上記回転機の特性に基づいて、車両を制御することを特徴とする車両制御装置。 - 請求項4記載の車両制御装置において、
上記動力源として、原動機及び2つの回転機を備え、
上記モータ出力特性学習部として、上記2つの回転機のそれぞれについて回転機の出力トルク特性を学習する第1と第2のモータ出力特性学習部とを備えることを特徴とする車両制御装置。 - 請求項4記載の車両制御装置において、
上記蓄電池の充放電効率から可変的に充電開始閾値と充電終了閾値を定め、蓄電池の電力残量を測定し、電力残量が上記充電開始閾値以下ならば回転機を発電機として用い蓄電池への充電を行い、電力残量が上記充電終了閾値以上ならば回転機による発電停止する運行方法を行う蓄電池充電要求判定部を備えることを特徴とした車両制御装置。
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