JP3767004B2 - エンジンの二次エア供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、エンジンの二次エア供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンにおける排気エミッション対策の一つの方法として、例えば酸化触媒を排気通路に備え該触媒により排気ガス中の未燃成分であるCO、HCを酸化除去する排気浄化方法が従来より知られている。
【0003】
ところで、触媒には、所定の活性温度に達しないと十分な排気浄化性能が得られないという性質があり、特にエンジンの冷間始動直後においては触媒が活性温度に達するまでに比較的時間がかかるため問題となる。
【0004】
このような触媒の活性化の遅れによる排気浄化性能の低下を抑制する方法として、例えば触媒単体をエンジンの近傍に配置して温度の高い排気ガスを触媒に流してその温度上昇を促進させる方法とか、燃焼性が悪く未燃成分が発生し易い運転領域において触媒の上流側に二次エアを供給してHC,COを酸化除去しもって触媒の排気浄化性能の立ち遅れをカバーするとともに酸化熱によって触媒の活性化を促進する方法とか、さらに進んで、二次エアを加熱してエア温度を高めた状態で触媒上流側に供給することで排気浄化性能の向上と触媒の活性化のより一層の促進とを図る方法(例えば、特公昭54−12567号公報参照)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようにエンジンの排気通路の触媒上流側に二次エアを供給する場合、以下のような理由により、排気浄化性能の悪化あるいはエンジンの燃焼性の悪化という問題の発生が懸念される。
【0006】
即ち、例えば、両バンクのそれぞれ側方位置に該各バンクの各気筒の排気通路をそれぞれ集合させて取り出したV型あるいは水平対向エンジンを車両に横置搭載(即ち、クランク軸方向を車幅方向に向けて搭載)した場合とか、直列エンジンにおいて各気筒の排気通路をその一端寄りに位置する複数の気筒の各排気通路と他端寄りに位置する複数の気筒の各排気通路とをそれぞれ集合させてなる二つの集合通路を構成するとともにこれを車両に縦置搭載した場合には、車両前方側に位置する前方側排気通路と車両後方側に位置する後方側排気通路とが存在することになる。そして、かかるものにおいても、この前方側排気通路と後方側排気通路のそれぞれに触媒単体を備えるとともに、該触媒単体の上流側通路に二次エアを供給することになる。
【0007】
この場合、この二次エアの供給は、共通のエア源(例えば、電動エアポンプ)から送られるエアを、前方側排気通路に接続される前方側二次エア通路と後方側排気通路に接続される後方側二次エア通路とに分岐させてこれら各二次エア通路を通してそれぞれ前方側排気通路と後方側排気通路とに二次エア通路を供給するのが通例である。
【0008】
ところが、この前方側二次エア通路と後方側二次エア通路とを比較した場合、前方側二次エア通路は車両前方側に位置しているため車両の走行に伴う走行風及び車両前端に配置されるファンの送風を多く受けるが、車両後方側に位置している後方側二次エア通路は、エンジンが障害となったり(例えば、横置V型エンジンの場合)前方側排気通路部分が障害となったり(例えば、縦置直列エンジンの場合)することから前方側二次エア通路に比して走行風あるいは送風を受ける比率が低くなる。従って、かかる走行風あるいは送風による二次エアの冷却作用を考慮すると、当然に前方側二次エア通路を介して供給される二次エアと後方側二次エア通路を介して供給される二次エアとではそのエア温度が異なり、これに伴って両者間においては二次エアの密度に比較的大きな差を生じることになる。
【0009】
このように、二次エアの密度が前方側二次エア通路を介して供給されるものと後方側二次エア通路を介して供給されるものとの間で相違すると、前方側排気通路に備えられた触媒と後方側排気通路に備えられた触媒との間において排気浄化性能に差が生じるとともにその活性度にも差が生じ、結果的にエンジン全体としての排気浄化性能が低下することになる。また、エンジンの吸気量は排気通路に設けたO2センサの出力に基づいて設定されるが、この場合、前方側排気通路に供給される二次エアと後方側排気通路に供給される二次エアとの間において密度に差があると吸気量の設定が不適切となり燃焼性が悪化し、延いては未燃成分の発生が多くなることで排気浄化率が低下することになるものである。
【0010】
そこで本願発明は、かかる二次エアの密度の不一致を抑制することで触媒の活性化の促進と排気浄化性能の向上とを図るとともに、併せて、二次エア供給制御用機器の信頼性を確保することを主たる目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0012】
本願の第1の発明では、複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に供給される二次エアを加熱する加熱手段を備えており、上記加熱手段が、上記前方側排気通路の放射熱を利用して二次エアを加熱する如く構成されており、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に二次エアを供給する前方側二次エア通路と上記後方側排気通路に二次エアを供給する後方側二次エア通路とを備えるとともに、上記前方側二次エア通路の上記前方側排気通路に対応する部分の通路長さが、上記後方側二次エア通路の上記後方側排気通路に対応する部分の通路長さよりも長くなるように設定されていることを特徴としている。
【0013】
本願の第2の発明では、複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に供給される二次エアを加熱する加熱手段を備えており、上記加熱手段が、上記前方側排気通路の放射熱を利用して二次エアを加熱する如く構成されており、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に二次エアを供給する前方側二次エア通路と上記後方側排気通路に二次エアを供給する後方側二次エア通路とを備えるとともに、上記前方側二次エア通路が上記前方側排気通路に近接して配置されていることを特徴としている。
【0014】
本願の第3の発明では、複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、車両の走行に伴う走行風を後方側排気通路の近傍へ案内する走行風案内手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
本願の第4の発明では、複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、上記前方側排気通路に供給される二次エア量が上記後方側排気通路に供給される二次エア量よりも少なくなるように二次エア供給量が上記前方側吸気通路と後方側吸気通路との間において相対的に設定されることを特徴としている。
【0016】
本願の第5の発明では、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにかかるエンジンの二次エア供給装置において、上記エンジンが、二つのバンクを備え且つ該各バンクのそれぞれに上記触媒担体を備えた排気通路が接続されるとともに該各バンクの一方を車両前方側に他方を車両後方側にそれぞれ位置せしめた状態で車両に搭載され、さらに上記二次エア供給手段が、車両前方側のバンクに対応する上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと車両後方側のバンクに対応する上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されていることを特徴としている。
【0017】
本願の第6の発明では、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにかかるエンジンの二次エア供給装置において、上記エンジンの車両前方側位置で且つ該エンジンに対して車幅方向に偏位した位置にエンジンの運転中常時作動するファンが備えられる一方、上記二次エア供給手段が二次エア供給制御用機器を備えるとともに、該二次エア供給制御用機器が上記ファンの下流側の近傍位置に配置されていることを特徴としている。
【0018】
本願の第7の発明では、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにかかるエンジンの二次エア供給装置において、上記エンジンが、各気筒毎に区画壁により区画された複数の排気ポートを備えた排気多弁式エンジンとされる一方、上記二次エア供給手段がエアノズルを介して二次エアを供給する如く構成されるとともに、該エアノズルの先端が上記区画壁の前縁部に近接対向せしめられていることを特徴としている。
【0019】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0020】
(イ)本願の第1〜第4の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、各排気通路に設けられた各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を、上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成しているので、各触媒単体における排気浄化性能が可及的に均等化され、各触媒単体における触媒の活性化が促進されるとともに、二次エアによる未燃成分の酸化除去作用が促進され、結果的に装置全体としての排気浄化性能が向上せしめられるものである。また、排気ガス中の酸素濃度の検出値の信頼性が高められることで、適切な空燃比によりエンジンの燃焼性が改善され、未燃成分の排出そのものが減少し排気浄化率の向上が期待できるものである。
【0021】
(ロ)本願の第1〜第4の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、車両前方側に配置される前方側排気通路に備えられた触媒単体と車両後方側に配置される後方側排気通路に備えられた触媒単体のそれぞれの上流側通路に二次エアを供給する二次エア供給手段を、上記前方側排気通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成しているので、前方側排気通路に供給される二次エアと後方側排気通路に供給される二次エアとの間における走行風あるいはファン送風による冷却性の相違にかかわらず、上記各触媒単体における排気浄化性能が可及的に均等化され、各触媒単体における触媒の活性化が促進されるとともに、二次エアによる未燃成分の酸化除去作用が促進され、結果的に装置全体としての排気浄化性能が向上せしめられるものである。
【0022】
(ハ)本願の第1及び第2の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、上記二次エア供給手段が上記前方側排気通路に供給される二次エアを加熱する加熱手段を備えているので、該加熱手段により前方側排気通路に供給される二次エアを加熱してそのエア温度を高めることで、走行風等による冷却作用を大きく受ける前方側排気通路に供給される二次エアのエア温度と、走行風等による冷却作用が少ない後方側排気通路に供給される 二次エアのエア温度との不均等を是正してエア温度の均等化、即ち、密度の均等化を図ることができ、結果的に、触媒単体における排気浄化性能のより一層の向上と燃焼性の改善による排気浄化率の向上が期待できるものである。
【0023】
(ニ)本願の第1及び第2の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、前方側排気通路の放射熱を利用して二次エアを加熱する如く構成しているので、特別な加熱源を設ける必要がなく、それだけ二次エアの密度の均等化、延いては触媒単体における排気浄化性能の向上と燃焼性の改善による排気浄化率の向上とをより安価に達成することができるものである。
【0024】
(ホ)本願の第1の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、上記二次エア供給手段を、上記前方側排気通路に二次エアを供給する前方側二次エア通路と上記後方側排気通路に二次エアを供給する後方側二次エア通路とで構成するとともに、上記前方側二次エア通路の上記前方側排気通路に対応する部分の通路長さを、上記後方側二次エア通路の上記後方側排気通路に対応する部分の通路長さよりも長くなるように設定しているので、排気通路に対応する部分の通路長さが長い前方側二次エア通路は、排気通路に対応する部分の通路長さが短い後方側二次エア通路に比して、排気通路側の放射熱による加熱作用が大きく、従って、走行風等による冷却作用の大きい前方側二次エア通路と冷却作用の少ない後方側二次エア通路との間の冷却作用の差が、放射熱による加熱作用の相違によって是正され、二次エアのエア温度の均等化、即ち、密度の均等化を図ることができ、結果的に、触媒単体における排気浄化性能のより一層の向上と燃焼性の改善による排気浄化率の向上が期待できるものである。
【0025】
(ヘ)本願の第2の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、上記前方側二次エア通路を上記前方側排気通路に近接して配置しているので、該前方側二次エア通路においては前方側排気通路からの放射熱による加熱作用が促進され、従って、前方側二次エア通路と後方側二次エア通路との間の走行風等による冷却作用の差が可及的に是正され、二次エアのエア温度の均等化、即ち、密度の均等化を図ることができ、結果的に、触媒単体における排気浄化性能のより一層の向上と燃焼性の改善による排気浄化率の向上が期待できるものである。
【0026】
(ト)本願の第3の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、走行風を後方側排気通路の近傍へ案内する走行風案内手段を備えているので、前方側排気通路の近傍と後方側排気通路の近傍との間における走行風等による冷却作用が可及的に均等化され、前方側排気通路に供給される二次エアと後方側排気通路に均等化される二次エアとの間の密度差がなくなり、それだけ触媒単体における排気浄化性能の向上と燃焼性の改善による排気浄化率の向上が期待できるものである。
【0027】
(チ)本願の第4の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、走行風等による冷却作用が大きい前方側排気通路に供給される二次エアの供給量を、かかる冷却作用の少ない後方側排気通路に供給される二次エアの供給量よりも少なくなるように二次エア供給量を設定するようにしているので、走行風等による冷却作用の大きい前方側排気通路側に供給される二次エアと冷却作用の少ない後方側排気通路に供給される二次エアとの密度差が供給量を異ならせることで是正され、結果的に、触媒単体における排気浄化性能のより一層の向上と燃焼性の改善による排気浄化率の向上が期待できるものである。
【0028】
(リ)本願の第5の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、二つのバンクのそれぞれに触媒担体を備えた排気通路が接続されたエンジンを横置搭載したものにおいて、該各排気通路の触媒単体の上流側通路に二次エアを供給する二次エア供給手段を、車両前方側のバンクに対応する上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路 に供給される二次エアと車両後方側のバンクに対応する上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成しているので、前方側排気通路に供給される二次エアと後方側排気通路に供給される二次エアとの間における走行風あるいはファン送風による冷却作用の相違にかかわらず、上記各触媒単体における排気浄化性能が可及的に均等化され、各触媒単体における触媒の活性化が促進されるとともに、二次エアによる未燃成分の酸化除去作用が促進され、結果的に装置全体としての排気浄化性能が向上せしめられるものである。
【0029】
(ヌ)本願の第6の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、エンジンの車両前方側位置で且つ該エンジンに対して車幅方向に偏位した位置にエンジンの運転中常時作動するファンを備える一方、二次エア供給手段の二次エア供給制御用機器を上記ファンの下流側の近傍位置に配置するようにしているので、上記二次エア供給制御用機器がファンの送風によって冷却作用を受けるとともに、該二次エア供給制御用機器がエンジンから遠くに配置された分だけ排気通路側からの放射熱による加熱作用が抑制され、これらの相乗効果として、該二次エア供給制御用機器の温度上昇による熱害が可及的に防止され、二次エア供給制御の信頼性が高められるものである。
【0030】
(ル)本願の第7の発明にかかるエンジンの二次エア供給装置によれば、各気筒毎に区画壁により区画された複数の排気ポートを備えた排気多弁式エンジンにおいて、上記二次エア供給手段をエアノズルを介して二次エアを供給する如く構成するとともに、該エアノズルの先端を上記区画壁の前縁部に近接対向させるようにしているので、二次エアの供給時には上記エアノズルから噴射される二次エアが上記区画壁の前縁部に衝突して拡散されることで該二次エアと排気ガスとのミキシング作用が促進され排気浄化性能の向上が期待でき、また、二次エアの供給停止時には上記区画壁の前縁部によって排気ガスが上記エアノズルの先端部に直接的に到達するのが防止され該排気ガス中のカーボン等がエアノズルに詰まって二次エアの供給を阻害するということがなく装置の作動上の信頼性が高められるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明にかかる二次エア供給装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0032】
図1〜図4には、車両前端に位置するシュラウドアッパーパネル50と前部両側に位置する左右一対のサイドパネル51,51との間に形成されたエンジンルーム内に、クランク軸方向を車幅方向に向けて横置搭載されたV型6気筒エンジン1とこのエンジン1に備えられた本願発明の主体たる二次エア供給装置Z(後で詳述する)とを示しており、符号2は該エンジン1の一端側に接続配置されたトランスミッション、3はシリンダブロック、4は各バンク1A,1Bにそれぞれ配置されたシリンダヘッド、5はオイルパンである。さらに、上記トランスミッション2の車両前方側にはエンジンの運転中常時作動する第1ファン55(特許請求の範囲中の「ファン」に該当する)と第1ラジエータ54が、また上記エンジン1の車両前方側にはエンジン温度に対応して間欠的に作動する第2ファン57と第2ラジエータ56が、それぞれ配置されるとともに、車体左側に位置するサイドパネル51の車幅方向外側位置には、二次エアの供給源となる電動エアポンプ6が配置されている。
【0033】
エンジン1
上記エンジン1は、各気筒毎に二つの排気弁(図示省略)を備えた排気多弁式エンジンであって、図5及び図6R>6に示すように、上記シリンダヘッド4には、各気筒毎にその燃焼室40に臨んで開口する二つの弁座部41,42から延びる二本の分岐排気ポート43,44を備えている。尚、この一対の分岐排気ポート43,44は、その上流側においては区画壁46により左右に区画される一方、その下流側においてはこれらが合流して一本の排気ポート45となり、上記シリンダヘッド4のバンク外側のマニホールド締着面4a上に開口している。
【0034】
上記エンジン1の各バンク1A,1Bのマニホールド締着面4a,4aには、それぞれ次述の排気マニホールド11,12が締着固定されている。即ち、車両前方側に位置する前方側バンク1Aのマニホールド締着面4aには、図1及び図3〜図5に示すように、第1排気マニホールド11が締着固定されている。この第1排気マニホールド11は、その内部を気筒配列方向に延びる内部通路11aとするとともに、該内部通路11aは気筒配列方向に列設された三つの排気導入口21,21,21を介して上記前方側バンク1Aの各気筒の排気ポート45,45,45のそれぞれに連通せしめられている。また、この第1排気マニホールド11の上記内部通路11a形成部分の外側には、該内部通路11aに沿って延びるエア通路19bをもつエア分配管部19が一体的に形成されている。そして、このエア分配管部19は、上記電動エアポンプ6から遠い側の端部近傍にエア導入部19aを設けており、このエア導入部19aに後述の二次エア供給装置Zからの二次エアAを導入するようになっている。
【0035】
また、このエア分配管部19は、上記第1排気マニホールド11の各排気導入口21,21,21に対応する位置に、その内部をエア通路24とした細管状のエアノズル23をそれぞそれ取り付けている。そして、このエアノズル23は、その後端23a側を上記エア分配管部19側に締着固定することで上記エア通路24を上記エア通路19bに連通させる一方、その先端23b側はこれを上記排気導入口21を貫通して上記シリンダヘッド4側の排気ポート45内に進入させている。この場合、このエアノズル23の先端23bは、上記区画壁46の前縁部46aに対して、上記エア通路24と同様の通路面積を確保し得るような間隔をもって、近接対向せしめられている。従って、上記エア分配管部19にそのエア導入部19aから導入された二次エアAは、該エア分配管部19によって各気筒に分配されるとともに上記各エアノズル23,23,23を通して各排気ポート45,45,45内に噴射供給されることになる。
【0036】
さらに、上記第1排気マニホールド11の下面側には、上記内部通路11aに連通して下方に延びる排気導出部17が一体形成されるとともに、該排気導出部17には触媒を内蔵した第1触媒担体13が接続されている。さらに、この第1触媒担体13の下流側には第1排気管15が接続されている。即ち、二次エアAは、上記第1触媒担体13の上流側の通路に供給されることになる。尚、この実施形態においては、上記第1マニホールド11から上記排気導出部17、第1触媒担体13を介して上記第1排気管15に至る通路で第1排気通路9が構成されている。
【0037】
一方、車両後方側に位置する後方側バンク1Bのマニホールド締着面4aには、図1〜図3に示すように、第2排気マニホールド12が締着固定されている。この第2排気マニホールド12は、上記第1排気マニホールド11と基本構成を同じとし、気筒配列方向に延びるエア分配管部20を備えている。但し、このエア分配管部20は、その基本構造は上記第1排気マニホールド11側のエア分配管部19と同様であるが、そのエア導入部20aの位置が上記エア分配管部19と異なっている。即ち、このエア分配管部20は、上記電動エアポンプ6に近い側の端部にエア導入部20aを設けており、このエア導入部20aからエア分配管部20内に二次エアAが導入されるようになっている。
【0038】
また、この第2排気マニホールド12も、上記第1排気マニホールド11と同様に、上記エア分配管部20に各エアノズル23,23,23が取り付けられ、該各エアノズル23,23,23を介して各気筒の排気ポート45,45,45内に二次エアAが噴射供給されるようになっている。
【0039】
さらに、この第2排気マニホールド12の下面側には、上記第1排気マニホールド11側と同様に、排気導出部18が一体形成されるとともに、該排気導出部18には第2触媒担体14が接続され、さらに該第2触媒担体14の下流側には第2排気管16が接続されている。尚、この第2排気マニホールド12側の第2排気管16と上記第1触媒担体13側の第1排気管15とは、その下流側において集合して一本の排気管となって車体後部側へ引き出されている。
【0040】
尚、この実施形態では、上記第2排気マニホールド12から、上記排気導出部18、第2触媒担体13を介して上記第2排気管16に至る通路で第2排気通路10が構成されている。
【0041】
二次エア供給装置Z
二次エア供給装置Zは、エア供給源である上記電動エアポンプ6と、上記エンジン1の各バンク1A,1Bにそれぞれ設けた上記エア分配管部19,20及びこれに取り付けられた各エアノズル23,23,・・と、上記電動エアポンプ6と上記各エア分配管部19,20とを接続する次述の二次エア供給管路25とで構成されている。
【0042】
上記二次エア供給管路25は、次述する共通エア管26と第1分岐エア管27と第2分岐エア管28とで構成される。上記共通エア管26は、階段状に屈曲形成された管体で構成され、その上流端26aは車幅方向において上記トランスミッション2寄りに位置する上記サイドパネル51の外側(反エンジンルーム側)に配置された上記電動エアポンプ6にその一端(上流端)が接続されている。そして、この共通エア管26は、上記電動エアポンプ6から上記第1ファン55とトランスミッション2との間の空間に引き出された後、該第1ファン55の車幅方向外側の端部近傍において上方に立ち上げられるとともに、その下流端26bにはエアコントロールバルブ29が取り付けられている。
【0043】
尚、このエアコントロールバルブ29は、エンジンの特定の運転領域においてのみ開弁して二次エアAの供給を可能とし、それ以外の運転領域においては閉弁して二次エアAの供給を停止させるように、エンジンの運転領域に応じてその作動がコントロールユニット(図示省略)により制御される。
【0044】
上記第1分岐エア管27と第2分岐エア管28とは、上記エアコントロールバルブ29の下流側位置に分岐状態で接続されている。上記第1分岐エア管27は、上記エンジン1の車両前方側に位置する前方側バンク1Aに取り付けられた上記第1排気マニホールド11側に二次エアAを供給するためのものであって、上記エアコントロールバルブ29の下流側の分岐位置から上記前方側バンク1Aと上記第1ファン55及び第2ファン57の間を、上記第1排気マニホールド11に近接してこれに沿って延び、その下流端は該第1排気マニホールド11に設けた上記エア分配管部19の上記電動エアポンプ6から最も遠い位置に形成した上記エア導入部19aに接続されている。
【0045】
これに対して、上記第2分岐エア管28は、上記エンジン1の車両後方側に位置する後方側バンク1Bに取り付けられた上記第2排気マニホールド12側に二次エアAを供給するためのものであって、上記エアコントロールバルブ29の下流側の分岐位置から上記トランスミッション2の上方を跨いで該トランスミッション2の車両後方側へ延びた後、ここで屈曲してそのまま車幅方向前方へ延び、その下流端は上記第2排気マニホールド12に設けたエア分配管部20の上記電動エアポンプ6から最も近い位置に形成した上記エア導入部20aに接続されている。
【0046】
尚、上記第1分岐エア管27と第2分岐エア管28には、上記エンジン1から上記エアコントロールバルブ29側への排気ガスの逆流を阻止するための逆止弁30,31がそれぞれ設けられている。このエアコントロールバルブ29と逆止弁30,31が特許請求の範囲中の「二次エア供給制御用機器」に該当する。
【0047】
作動等の説明続いて、この実施形態にかかる二次エア供給装置Zの作動等について説明する。エンジン1が始動され且つ車両が走行する場合、該エンジン1の運転に伴って各気筒から排出される排気ガスは、排出直後のガス温度の高い時点において、各バンク1A,1B毎にそれぞれ設けた第1触媒担体13及び第2触媒担体14に備えられた触媒により浄化作用を受ける。しかし、エンジンの冷間始動直後においては、上記触媒の温度が活性温度に達しておらず、該触媒による十分な排気浄化性能を期待することはできない。このため、かかる状態下においては、触媒の暖機促進が必要であるとともに、該触媒が活性温度に達するまでの間の排気浄化性能を良好に維持することも必要となる。
【0048】
かかる要請に応えるのが二次エアであって、この二次エアは、上記エアコントロールバルブ29の開弁により上記各分岐エア管27,28を介して上記各触媒担体13,14の上流側通路(具体的には、シリンダヘッド4の各排気ポート45,45,・・内)にエアノズル23を通して噴射供給される。この二次エアの供給により、排気ガス中の未燃成分が酸化除去され触媒の活性化の遅れによる排気浄化性能の低下をカバーし良好な排気浄化性能が確保されるとともに、その時の酸化熱により触媒の暖機促進が図られるものである。
【0049】
この場合、この実施形態のものにおいては、図5及び図6に示すように、二次エア噴射供給用のエアノズル23の先端23bを排気ポート45内に設けられた上記区画壁46の前縁部46aに近接対向させているので、該エアノズル23から噴射された二次エアAは該前縁部46aに衝突することで拡散され、該二次エアAと排気ガスとのミキシングが促進され、それだけ未燃成分の二次エアAによる酸化除去効果が高められ、延いては排気浄化性能の向上が期待できるものである。また、二次エアAの供給は、未燃成分の発生し易い特定の運転領域においてのみ行われ、それ以外の運転領域においては供給が停止される。この二次エアAの供給停止時には、上記エアノズル23内にその先端23b側から排気ガスが侵入することになるが、この実施形態のものにおいては、上述のように該先端23bを区画壁46の前縁部46aに近接対向させているので、該先端23bは直接排気ガス流に対向せず、従って該先端23bからの排気ガスの侵入が可及的に阻止され、その結果、エアノズル23のエア通路24内に排気ガス中のカーボン等が付着堆積してエアノズル23が目詰まりを起こすことが防止される。
【0050】
ところで、この実施形態の如く第1分岐エア管27と第2分岐エア管28とが車両前方側と車両後方側とに別れて配置されたパイピング構造をもつものにおいては、走行風及びエンジン1の前方側に配置されたファン55,57の送風により受ける冷却作用が、該第1分岐エア管27と第2分岐エア管28との間において異なる。このため、上記第1分岐エア管27を通して供給される二次エアAと上記第2分岐エア管28を通して供給される二次エアAとの間に温度差が生じ、この温度差に起因する二次エアAの密度差により、車両前方側に位置する第1触媒担体13と車両後方側に位置する第2触媒担体14との間における暖機度合いにバラツキが生じることになる。この結果、装置全体としての排気浄化性能が低下するとともに、空燃比制御に供される排気ガス中の酸素濃度の検出値の信頼性が損なわれることで空燃比が不適切となり燃焼性の悪化により未燃成分の排出量が増えて排気浄化率が低下する等の問題が発生することは既述の通りである。
【0051】
然し乍ら、この実施形態のものにおいては、上記の如き問題の発生が懸念されるようなパイピング構造をもつにもかかわらず、本願発明を適用することで上記の如き問題の発生が防止されるようになっている。
【0052】
即ち、走行風等による冷却作用を受け易い第1分岐エア管27とかかる冷却作用を受けにくい第2分岐エア管28との間において、エンジン1側からの放射熱による加熱作用に差をもたせることで、上記冷却作用の差を相殺し、第1分岐エア管27を通して供給される二次エアAと第2分岐エア管28を通して供給される二次エアAとの間の温度差(即ち、密度差)の可及的解消を図っている。
【0053】
具体的には、次の通りである。即ち、第1分岐エア管27は、これを第1排気マニホールド11に近接してこれに沿う如く配置することで該第1排気マニホールド11からより高温の放射熱を受けることができ、また、その下流端を上記電動エアポンプ6から最も遠い位置に設けた上記エア分配管部19のエア導入部19aに接続することで放射熱の熱源に対応する部分の通路長さを長くして(即ち、放射熱の受熱面積を大きくして)大熱量の吸収を可能としている。
【0054】
これに対して、上記第2分岐エア管28は、その下流端を、上記電動エアポンプ6から最も近い位置にある上記エア分配管部20のエア導入部20aに接続することで、該第2分岐エア管28と第2排気マニホールド12とが対応しないようにし、もって該第2分岐エア管28が第2排気マニホールド12側から放射熱を受けるのを可及的に防止している。
【0055】
かかる構成により、第1分岐エア管27と第2分岐エア管28とは、走行風等による冷却作用に差がある構造にもかかわらず、該各分岐エア管27,28を通して供給される二次エアAの温度が可及的に同一化され、上記の如き問題の発生が防止されるものである。
【0056】
さらに、この実施形態のものにおいては、上記エアコントロールバルブ29と逆止弁30,31とを上記エンジン1側から遠くに離してこれを常時運転される上記第1ファン55の下流側近傍に配置しているが、かかる配置構造とすることで、上記各機器29,30,31に対するエンジン1側からの熱伝達が抑制されるとともに上記第1ファン55の送風によって冷却されることで、該各機器29,30,31の熱害が可及的に防止され、二次エア供給制御上における信頼性が高まることになる。また、上記電動エアポンプ6も、これをサイドパネル51の外側に配置することで、該電動エアポンプ6に対するエンジン1側からの熱伝達を抑制してその作動上の信頼性及び耐久性が高められるものである。
【0057】
その他
(1)上記実施形態においては、第1分岐エア管27側を第1排気マニホールド11の放射熱で加熱するようにしているが、本願発明の他の実施形態においては、例えば図1に鎖線図示するように、該第1分岐エア管27にヒーター35を配置し、該ヒーター35の加熱作用によって上記第1分岐エア管27側の二次エアAと第2分岐エア管28側の二次エアAとの温度の同一化を図ることもできる。
【0058】
(2)上記実施形態においては、第1分岐エア管27側と第2分岐エア管28側との温度差を、該第1分岐エア管27側に加熱作用を与えることで解消するようにしているが、本願発明の他の実施形態においては、例えば図1に鎖線図示するように、車両前端側とエンジン1の車両後方側位置との間にダクト34を設け、該ダクト34によって走行風を上記第2分岐エア管28側に供給することで該走行風による冷却作用を第1分岐エア管27と第2分岐エア管28との間で均等化するように構成することも可能である。
【0059】
(3)上記実施形態においては、第1分岐エア管27側と第2分岐エア管28側との冷却作用の差に起因するこれらの間における二次エアAの密度差を温度管理によって解消するようにしているが、本願発明の他の実施形態においては、例えば図1に鎖線図示するように、上記第1分岐エア管27と第2分岐エア管28とにそれぞれ絞弁32,33を設け、温度の低い(即ち、密度の高い)第1分岐エア管27側の二次エア供給量が、温度の高い(即ち、密度の低い)第2分岐エア管28側の二次エア供給量よりも少なくなるように二次エア供給量を相対的に設定するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施形態にかかるエンジンの二次エア供給装置を示す平面図である。
【図2】 図1のII-II矢視図である。
【図3】 図1のIII−III矢視図である。
【図4】 図3のIV-IV矢視図である。
【図5】 図4のV-V矢視図である。
【図6】 図5のVI-VI断面図である。
【符号の説明】
1はエンジン、2はトランスミッション、3はシリンダブロック、4はシリンダヘッド、5はオイルパン、6は電動エアポンプ、9は第1排気通路、10は第2排気通路、11及び12は排気マニホールド、13及び14は触媒担体、15及び16は排気管、17及び18は排気導出部、19及び20はエア分配管部、21は排気導入口、23はエアノズル、24はエア通路、25は二次エア供給管路、26は共通エア管、27は第1分岐エア管、28は第2分岐エア管、29はエアコントロールバルブ、30及び31は逆止弁、40は燃焼室、41及び42は弁座部、43及び44は分岐排気ポート、45は排気ポート、46は区画壁、50はシュラウドアッパーパネル、51はサイドパネル、52はボンネット、54は第1ラジエータ、55は第1ファン、56は第2ラジエータ、57は第2ファンである。
Claims (7)
- 複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、
上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、
上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に供給される二次エアを加熱する加熱手段を備えており、
上記加熱手段が、上記前方側排気通路の放射熱を利用して二次エアを加熱する如く構成されており、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に二次エアを供給する前方側二次エア通路と上記後方側排気通路に二次エアを供給する後方側二次エア通路とを備えるとともに、
上記前方側二次エア通路の上記前方側排気通路に対応する部分の通路長さが、上記後方側二次エア通路の上記後方側排気通路に対応する部分の通路長さよりも長くなるように設定されていることを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。 - 複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、
上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、
上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に供給される二次エアを加熱する加熱手段を備えており、
上記加熱手段が、上記前方側排気通路の放射熱を利用して二次エアを加熱する如く構成されており、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に二次エアを供給する前方側二次エア通路と上記後方側排気通路に二次エアを供給する後方側二次エア通路とを備えるとともに、
上記前方側二次エア通路が上記前方側排気通路に近接して配置されていることを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。 - 複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体を設けてなるエンジンにおいて、
上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、
上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、
車両の走行に伴う走行風を後方側排気通路の近傍へ案内する走行風案内手段を備えたことを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。 - 複数の排気通路を備えるとともに、該各排気通路にそれぞれ触媒担体 を設けてなるエンジンにおいて、
上記各触媒担体の上流側通路にそれぞれ二次エアを供給する二次エア供給手段を設けており、
上記複数の排気通路が、車両前方側に配置される前方側排気通路と車両後方側に配置される後方側排気通路とで構成されるとともに、
上記二次エア供給手段が、上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されており、
上記前方側排気通路に供給される二次エア量が上記後方側排気通路に供給される二次エア量よりも少なくなるように二次エア供給量が上記前方側吸気通路と後方側吸気通路との間において相対的に設定されることを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
上記エンジンが、二つのバンクを備え且つ該各バンクのそれぞれに上記触媒担体を備えた排気通路が接続されるとともに該各バンクの一方を車両前方側に他方を車両後方側にそれぞれ位置せしめた状態で車両に搭載され、
さらに上記二次エア供給手段が、車両前方側のバンクに対応する上記前方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側通路に供給される二次エアと車両後方側のバンクに対応する上記後方側排気通路に設けられた上記触媒担体の上流側に供給される二次エアの密度を略同一とし得る如く構成されていることを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
上記エンジンの車両前方側位置で且つ該エンジンに対して車幅方向に偏位した位置にエンジンの運転中常時作動するファンが備えられる一方、
上記二次エア供給手段が二次エア供給制御用機器を備えるとともに、該二次エア供給制御用機器が上記ファンの下流側の近傍位置に配置されていることを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
上記エンジンが、各気筒毎に区画壁により区画された複数の排気ポートを備えた排気多弁式エンジンとされる一方、
上記二次エア供給手段がエアノズルを介して二次エアを供給する如く構成されるとともに、該エアノズルの先端が上記区画壁の前縁部に近接対向せしめられていることを特徴とするエンジンの二次エア供給装置。
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