JP3766673B2 - 葉緑素飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
中でも健康食品として飲用されている飲料は、従来、植物の葉や茎を洗浄し、必要により例えばミキサー、ジューサー等の機械的破砕手段を用いて細切りに破砕し、この破砕した植物の葉や茎を搾ることで製造されていた。しかし、葉緑素は植物の硬い細胞膜内に存在するため、この方法では多くの葉緑素を抽出できなかった。このため、この方法で製造した飲料中には、葉緑素が十分には入っておらず、飲料には上記した作用があまりなかった。
この問題を解決する方法として、例えば、人体に有害なアセトン等の有機溶剤中に植物の葉や茎を浸漬させ、機械的抽出方法で葉緑素を取り出した後に、有機溶剤を処理して葉緑素を天然の植物の葉や茎から抽出する方法があった。
また、アルコール溶剤中に葉緑素を含む原料である蚕糞や海草を配合した液状原料をタンクに貯留し、該液状原料をタンクからポンプにより汲み上げて再度タンクに戻す循環流を発生させ、循環する液状原料にタンク外で超音波を当てて植物の細胞壁及び細胞膜を破壊し、葉緑素を抽出する方法があった。
アセトン等の有機溶剤中に植物の葉や茎を浸漬させて葉緑素を抽出する方法は、有機溶剤の除去を完全に行うことが困難で、しかも、純度の高い葉緑素含有物を得ることができないという問題があった。また、破砕した植物の葉や茎を搾ることで製造され販売されていた前記飲料(青汁)は、一日おくと細胞分(緑色部分)と水との層分離が起こり腐敗するので、鮮度を維持するため冷凍保存していたが、前記したように細胞膜の破壊された葉緑素を十分に含有していないため効能が少なかった。
そして、アルコール溶剤中に葉緑素を含む原料である蚕糞や海草を配合し葉緑素を抽出する方法は、抽出された葉緑素含有物の成分中に、葉緑素以外に多量の脂肪分が含まれているため、葉緑素含有物を水に溶かすことが困難であり、そのまま粒にして食されているのみであった。
上記したように、植物の細胞壁及び細胞膜内に存在する葉緑素は、周知の通り葉緑素の化学構造(ポルフィリン核)そのものが、色々な物質と結びつき易い性質を持っており、葉緑素を細胞壁及び細胞膜から抽出した場合、葉緑素は不安定な状態になる。従って、葉緑素は、例えば空気中の酸素、熱、溶媒等により分子変性を起こし易く、その結果分子構造的によく似た誘導体を生成するため、葉緑素の有効成分を損なうことなく製品化すること、及びその鮮度を保持することが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、蚕沙及び/又は蚕の粉末を主成分とする原料から葉緑素を効率よく取り出し、鮮度を保持して保存することができる葉緑素飲料の製造方法を提供することを目的とする。
第2の発明に係る葉緑素飲料において、蚕の粉末を主体とする原料から抽出された葉緑素を含み更に油脂分及び蛋白質を含む葉緑素含有物を、清浄水に乳化させている。これにより、蚕自体が有する例えば、アラニン、グリシン、ロイシン、アミノ酸等の成分を高めた飲料を製造できる。
第1、第2の発明に係る葉緑素飲料において、清浄水は逆浸透膜を用いて製造され、細菌、有機物、金属イオン及び非金属イオンを除去した純水又は純水に近い精製水であることが好ましい。この精製水は、非常に微細な孔(例えば0.0001μm)を多数備えた逆浸透膜を用い、細菌である大腸菌、窒素化合物、燐酸化合物等が除去されている。なお、清浄水として、例えば、殺菌し不純物除去を行った天然水(葉緑素との相性が良いミネラル分が含まれる天然水)、残留塩素を除去した水、不純物除去を行った加熱水、殺菌し不純物及び塩素除去を行った水道水であっても適用できる。このように、飲料の変質や変色に影響を及ぼす物質を除去した精製水を使用するので、飲料の変質や変色を抑制できる。
ここで、第1の発明に係る葉緑素飲料の製造方法において、原料には、蚕沙の他に蚕の粉末(葉緑素含有物を含む)が2重量%以上50重量%未満の範囲で添加されていることが好ましい。これにより、桑の葉成分から葉緑素含有物を抽出できると共に、蚕自体が有する例えば、アラニン、グリシン、ロイシン、アミノ酸等の成分も、飲料に加えることができる。このため、原料に添加される蚕の粉末が2重量%未満の場合、蚕添加による効用を十分に享受できない。一方、原料に添加される蚕の粉末が50重量%以上の場合、蚕沙と比較して高価な蚕の使用量が増加し経済的でない。従って、経済的に蚕添加による効用を享受するためには、原料に添加される蚕の量を4〜35重量%、更には5〜25重量%にすることが好ましい。
第1、第2の発明に係る葉緑素飲料の製造方法において、分離工程によってエチルアルコールを蒸発除去し、清浄水を葉緑素含有物に混在させていることが好ましい。これにより、清浄水を葉緑素含有物に混在させた状態で後工程で処理でき、葉緑素含有物も水に馴染んでいるので、その後の葉緑素を水に乳化させる処理が容易となる。
第1、第2の発明に係る葉緑素飲料の製造方法において、超音波乳化処理は、分離工程で得られた葉緑素含有物に、造礁珊瑚を主体とし造礁珊瑚に銀が含浸された防腐材を添加した後に行うことが好ましい。これにより、飲料の殺菌や静菌を行うことができる。
特に、請求項3記載の葉緑素飲料の製造方法においては、桑の葉成分から葉緑素含有物を抽出できると共に、蚕自体が有する有効成分も、飲料に加えることができる。従って、健康飲料として十分に効果を発揮できる飲料を提供できる。
請求項4、5記載の葉緑素飲料の製造方法においては、蚕自体が有する例えば、アラニン、グリシン、ロイシン、アミノ酸等の成分を高めると共に、葉緑素を効率良く原料から取出し、しかも効率的に清浄水に葉緑素含有物を分散させ飲用可能な状態に乳化させた飲料を製造できる。
請求項6記載の葉緑素飲料の製造方法においては、原料に清浄水を添加するので、エチルアルコール添加時における原料の粉粒間固着を防止できる。従って、粉粒間固着が発生した場合より、葉緑素含有物の抽出時における抽出効率を向上させ、しかも抽出に要する時間も短時間で行うことができる。
請求項7記載の葉緑素飲料の製造方法においては、清浄水を葉緑素含有物に混在させた状態で後工程で処理できるので、葉緑素含有物のみを後工程で処理する場合と比較して作業性が良好になる。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る葉緑素飲料の製造方法は、要約すれば、蚕沙を主体とする原料10に清浄水11を添加し、原料10を揮発性を有するエチルアルコール12に溶かして葉緑素を抽出する抽出工程13と、抽出工程13によって得られた抽出液(葉緑素抽出液)から固体分である残渣14を分離する残渣分離工程15と、残渣分離工程15で得られた濾過液(葉緑素含有溶液)16からエチルアルコール12を蒸発除去し、葉緑素を含み更に油脂分及び蛋白質(主として植物性蛋白質)を含み、しかも清浄水11が混在した葉緑素含有物17を分離する溶媒蒸発工程18と、溶媒蒸発工程18によって得られた葉緑素含有物(エキス)17を、精製水(清浄水の一例)19に分散させる処理である乳化工程20とを有している。なお、上記した残渣分離工程15及び溶媒蒸発工程18が分離工程を構成している。そして、この実施の形態においては、抽出工程13で、図2に示すような超音波加振機21を含む葉緑素飲料の製造装置22が、また乳化工程20においては、製造装置22又は図3に示すような超音波加振機23を含む葉緑素飲料の製造装置24が使用されている。
以下、これらについて詳細に説明するが、最初に葉緑素飲料の製造装置22、24についてそれぞれ説明し、次に、この製造装置22、24を用いた葉緑素飲料の製造方法について説明する。
この第1のタンク26は、断面が(即ち、平面視した状態で)楕円(又は、円)で下方に縮径する逆錐台状となっており、しかもその内側周囲には、撹拌羽根25によって撹拌される処理液の流れに対向して、下方に傾斜した複数(この実施の形態では8個)の超音波加振機21が備えられている。なお、この第1のタンク26の上部には天井蓋が設けられ、抽出された葉緑素含有物17の酸化を抑制、更には防止できる。なお、エチルアルコール12の供給は天井蓋に設けられたバルブ付きの図示しない配管によって、原料10の投入は開閉蓋付きの投入口から第1のタンク26内中に投入され、残渣14を含む抽出液は第1のタンク26の底部に設けられ図示しない排出バルブ付きの排出口から排出される。
超音波加振機21は、第1のタンク26の高さ方向に複数段(この実施の形態では2段)設けられている。なお、超音波加振機21の配置位置は、超音波加振機21の影響範囲を考慮して、例えばタンク高さの1/4〜1/5の距離(例えば、50〜70cm)離して設置することが好ましい。
これにより、第1のタンク26内で処理液の撹拌混合を行うと共に、第1のタンク26の内側周囲に複数設けられた超音波加振機21によって処理液中に超音波を発生させることで、第1のタンク26の内壁に沿って、下方から上方に向かって上昇する処理液に超音波が照射され、蚕沙中の葉緑素の抽出が促進される。
第2のタンク29の液出口31と第3のタンク30の液入口34とは、第1のバルブ37を有する第1の連通枝管38、中間部にポンプ39及び超音波加振機23を備える共用管40、及び第2のバルブ41を有する第2の連通枝管42によって連結されている。また、第3のタンク30の液出口32と第2のタンク29の液入口33とは、第3のバルブ43を有する第3の連通枝管44、中間部にポンプ39及び超音波加振機23を備える共用管40、及び第4のバルブ45を有する第4の連通枝管46によって連結されている。
このように、第1、第2の連通管の中間部を共用管40にして、共用管40に超音波乳化装置を構成する超音波加振機23とポンプ39を直列に設けるので、装置の構成部材を減らして安価に製造できる。
第2、第3のタンク29、30の下部に配置されている撹拌羽根27、28は、タンク頂部に設けられた減速モータ57、58によってそれぞれ駆動される回転軸59、60に垂直状態で設けられている。回転軸59、60は中間部を軸受61、62によって回転自在にそれぞれ支持されている。また、第2、第3のタンク29、30には、図示しない温度計及び冷却装置が設けられており、温度上昇によって葉緑素が破壊され、その効能が失われないようにすることもできる。
このように、共用管40内を通過する混合液63の移動方向は、第2のタンク29から第3のタンク30に移動する場合と、第3のタンク30から第2のタンク29に移動する場合とで同じ方向にすることができるので、ポンプ39及び超音波加振機23の取付け構造を簡単にできる。
第2、第3のタンク29、30の容積は、例えば、それぞれ100〜500リットルで、投入される混合液63の量は、第2、第3のタンク29、30の何れの容積よりも少ない。
この製造装置24において、第2のタンク29と第3のタンク30との混合液63のやり取りは、第1、第2のバルブ37、41を閉じる直前に第3、第4のバルブ43、45を開き、更に第3、第4のバルブ43、45を閉じる直前に第1、第2のバルブ37、41を開いているので、ポンプ39の連続運転が可能となり、共用管40を通過する混合液63に超音波を効率的に加えることができる。なお、必要によっては、第1〜第4のバルブ37、41、43、45を閉じて第2、第3のタンク29、30内で混合液63の撹拌混合を確実に行った後、所定のバルブ開閉操作を行うと共にポンプ39を駆動して、混合液63を第2、第3のタンク29、30間で移送、返送を繰り返す場合にも本発明は適用される。
図1に示すように、蚕糞を主成分とする蚕沙を有する原料10としては、自然乾燥又は低温(例えば40〜50℃)熱風乾燥して、蚕沙中に含まれる葉緑素成分を閉じ込めたもの、例えば、市販されているものを使用することができる。蚕糞には、蚕のえさとなる桑の葉の細胞が含まれており、エチルアルコール溶液に葉緑素を溶出させて取り出すことができる。なお、この原料10には、蚕沙の他に葉緑素含有物を含み生きた状態で急速凍結乾燥された蚕の粉末が2重量%以上50重量%未満の範囲で添加されていることが好ましい。これにより、桑の葉成分から葉緑素含有物を抽出できると共に、蚕自体が有する例えば、アラニン、グリシン、ロイシン、アミノ酸等の成分も同時に回収できる。ここで、原料10としては、上記した状態の蚕の粉末を主体とするものを使用することもできる。
次に、この原料10を乾燥させて異物を選別する。異物の選別67は風力選別や篩等を用いることができるが少量の場合には手選別であってもよい。また、原料10を洗浄して異物を選別することも可能である。次に、抽出工程13を介してこの原料10から葉緑素が抽出されるのであるが、前記した製造装置22を使用する。
このように、超音波加振機21によって、原料10中に含まれる桑の葉の植物細胞の細胞壁及び細胞膜を破砕し、葉緑素を含む含有物をエチルアルコール12中に溶出させる。これにより、蚕沙に超音波振動を加えることによって、葉緑素の取り出しにかかる作業時間を短縮することができる。
残渣14の分離には濾過法を用いてもよいが、この実施の形態では遠心分離機69を用いた遠心分離法を使用している。これによって液体分(すなわち、葉緑素含有溶液)である濾過液16と固体分である残渣14に分離される。なお、更に遠心分離機69を用いて分離した液体を沈殿槽に貯留し、遠心分離機69で分離できなかった液体中の残渣を沈殿させ、液体の純度を高めることが好ましい。
溶媒蒸発工程18では、残渣分離工程15で取り出した濾過液16をエバポレータ(蒸発器)70に入れ、含まれるエチルアルコール12を分離、即ち蒸発除去し、清浄水11が混在した葉緑素含有物17を回収する。この葉緑素含有物17は葉緑素以外に脂肪と蛋白質が含まれているので、そのままでは精製水19に溶解しない。
まず、清浄水11が混在した葉緑素含有物17を、第2のタンク29(第3のタンク30であってもよい)に精製水(分散媒)19と共に、所定割合となるように原料投入口35から投入し、撹拌羽根27を回転駆動して葉緑素含有物17と精製水19とを撹拌混合する。なお、撹拌混合を行う前に、この液1リットルに対して、例えば、造礁珊瑚を主体としこの造礁珊瑚に銀が含浸されたものや、珪藻土等の粉末からなる防腐材を例えば1g(0.1〜5g程度)添加することが好ましい。
ここで、前記した精製水19は、逆浸透膜を用いて製造され、細菌、有機物、金属イオン及び非金属イオンが除去されたものであり、更に、化学成分、具体的には葉緑素含有物17と化学反応する物質や、分散状態にある葉緑素含有物17を凝集させる物質は実質的に含まれていない。
なお、本発明はこの範囲に限定されず、用途、好みに応じて葉緑素含有物17と精製水19との混合割合を変えることができ、この場合も本発明は適用される(以上、投入工程)。
所定時間の撹拌混合が終了した後は、第1、第2のバルブ37、41を開いて、混合液63を途中にポンプ39及び超音波加振機23によって構成される超音波乳化装置を設けた第1の連通管を介して第3のタンク30に移送する。この第1の連通管は、前記したように、第1の連通枝管38、共用管40及び第2の連通枝管42によって形成される。この過程において、共用管40に設けられた超音波加振機23によって超音波分散処理が行われ、葉緑素含有物17が小さく砕かれ乳化状態となって精製水19に分散し乳化状態が促進する(以上、移送工程)。
以上の移送工程、及び返送工程を繰り返して、混合液63中の葉緑素含有物17の精製水19への乳化が進むことになる。このようにして、第2、第3のタンク29、30の間で混合液63を交互に全部移動させることができ、移動時に第1、第2の連通管の一部である共用管40内を通過する混合液63に、超音波加振機23を用いて超音波乳化及び分散処理を施すことになり、より効率良く葉緑素含有物17の乳化が行える。ここで、超音波乳化処理の終了は、混合液63が第2のタンク29に貯留された状態、又は第3のタンク30に貯留された状態のいずれであってもよい。これにより葉緑素飲料76を製造できる。なお、混合液63に防腐材を添加した場合は、混合液63中に含まれる不溶物質を図示しない濾過器を用いて除去する。
また、葉緑素含有物17中の葉緑素を、薬用(例えば、機能性食品、漢方薬等)に使用するため、例えば、葉緑素含有物17と精製水19との混合割合を1対60とし、患者の症状に合わせて1日に5〜15cc×3回を飲用させた結果に大きな効果が出ている。なお、飲みづらい人は、前記した飲料を更に精製水(飲料水)で50〜100ccにうすめて飲むことも可能である。
また、図6に示すように、肝硬変及び肝臓癌の患者(60歳代女性)に、薬用として製造した飲料を、1日に15ml×3回飲用(他に、プロポリス、中国パセリ、E−cocci等を使用)させ、更に患部に対して遠赤外線照射を10分×3回行う治療を行ったところ、この容態の程度を示すAFP値が改善していることが分かる。
そして、図7に示すように、乳癌術後患者(50歳代女性)に、薬用として製造した飲料を、1日に15ml×3回飲用(他に、プロポリス、中国パセリ等を使用)させ、更に患部に対して遠赤外線照射を10分×3回行う治療を行ったところ、この容態の程度を示すCA15−3値が改善していることが分かる。
また、葉緑素含有物17中の葉緑素を、健康飲料として飲用するため、例えば、葉緑素含有物17と精製水19との混合割合を1対400とした場合、濃い抹茶風味で大変飲み易くできる。更に、例えば、葉緑素含有物17と精製水19との混合割合を1対600とした場合、おいしい抹茶風味とすることができる。
また、前記した精製水19を用いることなく硬度的不純物(金属イオンを含む)を含有している硬水を使用し、葉緑素含有物を分散処理させた場合、水中の硬度に影響を及ぼす成分と乳化状態を形成する超微粒分散された葉緑素含有物とが化学的に結合して分離し、2〜3週間程度で悪臭を発生し易い。
なお、蜂蜜や砂糖(天然)等を飲料に添加した場合でも、多く添加すると葉緑素飲料が変質や変色を起こすので、葉緑素含有物の量が少ない(例えば、葉緑素含有物17と精製水19との混合割合が1対600以上)葉緑素飲料に、蜂蜜や砂糖を少量添加する程度が好ましい。しかし、葉緑素飲料は、例えば酒のようなエチルアルコール類との混合に対しては、変質や変色(エチルアルコール溶液独特の鮮明な緑色になる)を起こさないため、葉緑素飲料を使用し、例えば葉緑素を含有した酒(葉緑酒)を製造することは可能である。
このように、前記実施の形態においては、蚕沙を原料として、葉緑素含有物を精製水に乳化させた飲用可能な葉緑素飲料と、葉緑素乳化液又は葉緑素含有物に繊維分を加えた錠剤やカプセル状剤を、無駄なく製造することができる。また、葉緑素含有物には、超音波抽出を施しているので、含まれる葉緑素、油脂分、及び蛋白質を均等に分散配置して、人体に吸収され易くすることができる。
なお、前記実施の形態においては、原料として蚕沙を用いた例について説明したが、原料として蚕の粉末を使用する場合又は主体とする場合も、同様に同一の方法で葉緑素飲料を製造できる。参考のため、蚕の粉末の成分を表2に示す。
前記実施の形態においては、抽出工程において製造装置22を用い、乳化工程では製造装置24を使用しているが、抽出工程及び乳化工程共に製造装置22又は製造装置24を用いてもよい。この場合、抽出工程に使用する装置と乳化工程に使用する装置とは兼用させてもよいが、洗浄等の手間が必要なので、それぞれ独立に製造装置を設置するのが好ましい。
また、前記製造装置24においては、一つの超音波加振機を共用しているが、第1の連通管及び第2の連通管を独立配管として、それぞれに超音波加振機を設けることもできる。
そして、前記実施の形態においては、抽出工程で原料に清浄水を添加した場合について説明したが、原料に清浄水を添加することなくエチルアルコールを添加し、原料からの葉緑素含有物の抽出を行うことも可能である。
また、例えば、製造された葉緑素飲料には、添加物(例えば、甘味量)を加えることが可能で、固形原料に他の添加物を加えて混練することも可能である。
Claims (7)
- 蚕沙を主体とする原料を超音波処理を行って揮発性を有するエチルアルコールに溶かし、葉緑素を含み更に油脂分及び蛋白質を含む葉緑素含有物を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって処理されたものから残渣を分離した後、前記エチルアルコールを蒸発除去して前記葉緑素含有物を分離する分離工程と、
前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を、清浄水と混合した後、超音波乳化処理を行う工程とを有し、
前記抽出工程では、断面が円又は楕円で下方に縮径する逆錐台状となった第1のタンク内に前記原料と前記エチルアルコールとを投入し、前記第1のタンク内で撹拌混合を行うと共に、前記第1のタンクの内側周囲に上下方向に複数設けられた超音波溶解装置によって処理液中に超音波を発生させ、前記原料中の葉緑素の抽出を促進し、
前記分離工程によって得られた前記残渣は、含まれる前記エチルアルコールを乾燥処理した後、前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を加えて混練処理し成形処理して錠剤とすることを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。 - 蚕沙を主体とする原料を超音波処理を行って揮発性を有するエチルアルコールに溶かし、葉緑素を含み更に油脂分及び蛋白質を含む葉緑素含有物を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって処理されたものから残渣を分離した後、前記エチルアルコールを蒸発除去して前記葉緑素含有物を分離する分離工程と、
前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を、清浄水と混合した後、超音波乳化処理を行う工程とを有し、
前記抽出工程では、断面が円又は楕円で下方に縮径する逆錐台状となった第1のタンク内に前記原料と前記エチルアルコールとを投入し、前記第1のタンク内で撹拌混合を行うと共に、前記第1のタンクの内側周囲に上下方向に複数設けられた超音波溶解装置によって処理液中に超音波を発生させ、前記原料中の葉緑素の抽出を促進し、
前記分離工程によって得られた前記残渣を、含まれる前記エチルアルコールを乾燥処理して粉状の固形物とし、該固形物に前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を加えて混練処理を行い、更に、乾燥及び粉砕処理を行って粉末としカプセルに収納し、カプセル収納型健康食品とすることを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。 - 請求項1及び2のいずれか1項に記載の葉緑素飲料の製造方法において、前記原料には、前記蚕沙の他に蚕の粉末が2重量%以上50重量%未満の範囲で添加されていることを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。
- 蚕の粉末を主体とする原料を超音波処理を行って揮発性を有するエチルアルコールに溶かし、葉緑素を含み更に油脂分及び蛋白質を含む葉緑素含有物を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって処理されたものから残渣を分離した後、前記エチルアルコールを蒸発除去して前記葉緑素含有物を分離する分離工程と、
前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を、清浄水と混合した後、超音波乳化処理を行う工程とを有し、
前記抽出工程では、断面が円又は楕円で下方に縮径する逆錐台状となった第1のタンク内に前記原料と前記エチルアルコールとを投入し、前記第1のタンク内で撹拌混合を行うと共に、前記第1のタンクの内側周囲に上下方向に複数設けられた超音波溶解装置によって処理液中に超音波を発生させ、前記原料中の葉緑素の抽出を促進し、
前記分離工程によって得られた前記残渣は、含まれる前記エチルアルコールを乾燥処理した後、前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を加えて混練処理し成形処理して錠剤とすることを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。 - 蚕の粉末を主体とする原料を超音波処理を行って揮発性を有するエチルアルコールに溶かし、葉緑素を含み更に油脂分及び蛋白質を含む葉緑素含有物を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって処理されたものから残渣を分離した後、前記エチルアルコールを蒸発除去して前記葉緑素含有物を分離する分離工程と、
前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を、清浄水と混合した後、超音波乳化処理を行う工程とを有し、
前記抽出工程では、断面が円又は楕円で下方に縮径する逆錐台状となった第1のタンク内に前記原料と前記エチルアルコールとを投入し、前記第1のタンク内で撹拌混合を行うと共に、前記第1のタンクの内側周囲に上下方向に複数設けられた超音波溶解装置によって処理液中に超音波を発生させ、前記原料中の葉緑素の抽出を促進し、
前記分離工程によって得られた前記残渣を、含まれる前記エチルアルコールを乾燥処理して粉状の固形物とし、該固形物に前記分離工程で得られた前記葉緑素含有物を加えて混練処理を行い、更に、乾燥及び粉砕処理を行って粉末としカプセルに収納し、カプセル収納型健康食品とすることを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の葉緑素飲料の製造方法において、前記抽出工程では、前記原料に該原料の重量に対して1/20〜1の清浄水を添加して前記原料の粉粒間固着を防止した後、更に前記エチルアルコールを添加して前記超音波処理を行うことを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。
- 請求項6記載の葉緑素飲料の製造方法において、前記分離工程によって前記エチルアルコールを蒸発除去し、前記清浄水を前記葉緑素含有物に混在させていることを特徴とする葉緑素飲料の製造方法。
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