JP3766541B2 - 化粧料 - Google Patents
化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3766541B2 JP3766541B2 JP12581498A JP12581498A JP3766541B2 JP 3766541 B2 JP3766541 B2 JP 3766541B2 JP 12581498 A JP12581498 A JP 12581498A JP 12581498 A JP12581498 A JP 12581498A JP 3766541 B2 JP3766541 B2 JP 3766541B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- dimethylpolysiloxane
- copolymer
- group
- acrylate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、耐油性、耐摩擦性及び塗膜柔軟性に優れ、良好な使用感を有し、化粧成分の濡れ、よれ、消失を防止して化粧持ちが良く、しかも安定性に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薬効成分や顔料等の化粧成分の消失、経時による顔面のテカリ、油浮き、色くすみ、よれ等の化粧くずれは、汗、涙、皮脂等の人体分泌物の作用による内的要因と、皮膚の動き、手または衣類との接触、雨(水)との接触等の外的要因とに依る。
このような問題を解決するため、化粧料に耐水性及び耐油性を付与する目的で、フッ素化合物処理粉体を配合した化粧料が提案されている(特開昭62−250074号公報等)。しかし、このような粉体は、化粧料に常用される油剤、ワックス等の基剤には分散し難く、十分な化粧くずれ防止効果は得難い。
【0003】
また、粉体以外の成分に耐水性及び耐油性を付与するため、液状のパーフルオロポリエーテル化合物を配合した化粧料が提案されている(特開昭61−234928号公報)。しかし、パーフルオロポリエーテル化合物は液状であるため、他の添加剤とは相溶性が悪く、パーフルオロ化合物のみを油剤として多量に配合した場合、安定な化粧料が得られない。また、耐水性及び耐油性は高いが、液状ゆえに流動性が高く、皮膚親和性が低いため、顔の表情の変化により薬効成分や顔料等が化粧成分とともに移動し、しわ部分にたまったり(よれ)、物理的な接触等により消失してしまうという問題もあった。
【0004】
このような物理的摩擦による化粧移りに対しては、皮膜形成能を有する合成樹脂エマルジョンや油性樹脂、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体等(特開平2−25411号公報等)が用いられているが、合成樹脂エマルジョンの皮膜は水に触れると破れやすく、剥がれ等が起こり、耐水性が充分でない。また油性樹脂やアクリル−シリコーン系グラフト共重合体は耐汗性と耐摩擦性は良好であるが、耐皮脂性が不十分である。さらに、耐皮脂性を有するフッ素系の合成樹脂(特開平7−233027号公報等)もあるが、皮膜の柔軟性が低いために顔の表情に連動した動きができず、肌への違和感や、塗膜の破損がおこる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐水性、耐油性、耐摩擦性及び塗膜柔軟性に優れ、化粧成分の濡れ、よれ、消失を防止して化粧持ちが良く、しかも安定性に優れた化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、フッ素化合物処理粉体とともに、特定の皮膜形成性含フッ素高分子物質を併用すれば、耐水性、耐油性、耐摩擦性及び塗膜柔軟性に優れ、良好な使用感を有し、かつ化粧成分の濡れ、よれ、消失を防止して化粧持ちが良く、しかも安定性に優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)フッ素化合物処理粉体、並びに
(B)(B-1) 、 (B-2) 、 (B-3) 及び (B-4) から選ばれる皮膜形成性含フッ素高分子物質
(B-1) 分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物を重合開始剤として得られるフルオロアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマー、
(B-2) 分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物を重合開始剤として得られるフルオロアルキル(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、
(B-3) フルオロアルキル(メタ)アクリレートと分子鎖の末端に重合性基を有するジメチルポリシロキサンを構成モノマーとして含むコポリマー、
(B-4) フルオロアルキル(メタ)アクリレートとメルカプト変性ジメチルポリシロキサンのコポリマー
を含有する化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)のフッ素化合物処理粉体において、粉体処理用フッ素化合物としては、例えば一般式(1):
【0009】
【化1】
【0010】
(式中、Rfは直鎖または分岐鎖の平均炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロオキシアルキル基を示し、dは1〜12の数を示し、eは1〜3の数を示し、Mは水素、金属、アンモニウム、置換アンモニウム等の水溶性カチオンを示す)
で表わされるパーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(米国特許第3632744号参照)、フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体(特開昭62−250074号公報参照)、パーフルオロアルキル基を有する樹脂(特開昭55−167209号公報参照)、四弗化エチレン樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルシラン(特開平2−218603号公報参照)等が挙げられる。
特に、一般式(1)において、Rfが炭素数5〜18のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基で、dが1〜4、eが1〜2のパーフルオロアルキル基含有リン酸エステルが好ましい。
【0011】
一方、これらのフッ素化合物で処理される母粉体としては、化粧料に常用される水及び油に実質的に不溶の顔料、紫外線吸収性の粉体であれば特に制限されない。例えば酸化チタン、酸化鉄、群青、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、カオリン、水酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレン粉体等の有機粉体及び有機色素などがある。なかでも、化粧料がファンデーションの場合には、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、タルク、ナイロンパウダー等が好ましい。
【0012】
これらの粉体を前記のフッ素化合物で常法通り処理すれば良く、例えばコアセルベーション法、トッピング法等の湿式処理法や、スプレードライ法、CVD法等の乾式処理法を用いて処理できる。
フッ素化合物の処理量は、母粉体に対して0.1〜50重量%、特に0.5〜20重量%であるのが好ましい。
【0013】
成分(A)のフッ素化合物処理粉体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜99重量%配合するのが好ましく、特に0.1〜99重量%、さらに1〜95重量%配合すると、特に化粧もちに優れ、使用感も良好である。
また、パウダー型ファンデーションでは20〜95重量%配合するのが好ましく、乳化型ファンデーションでは1〜40重量%配合するのが好ましい。
【0014】
本発明で用いる成分(B)の含フッ素高分子物質は、皮膜形成性であり、含フッ素重合性モノマーのホモポリマーまたは含フッ素重合性モノマーを構成モノマーとして含むコポリマーであれば特に制限されないが、含フッ素重合性モノマーのホモポリマーとしてはフルオロアルキル基含有重合性モノマーのホモポリマーが好ましく、また含フッ素重合性モノマーを構成モノマーとして含むコポリマーとしてはフルオロアルキル基含有重合性モノマーと、それと共重合可能な重合性モノマーとのコポリマーが好ましい。
【0015】
フルオロアルキル基含有重合性モノマーとしては、例えばフルオロアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリル酸アミド、フルオロアルキルビニルエーテル、α−フルオロオレフィン等が挙げられるが、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートが好ましい。フルオロアルキル基としては、例えばポリフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基等を挙げることができる。具体的には、例えば、CH2=CHCOOC2H4C6F13、CH2=CHCOOC2H4C8F17、CH2=CHCOOC2H4C10F21、CH2=CHCOOC2H4C12F25、CH2=C(CH3)COOC2H4C6F13、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17、CH2=C(CH3)COOC2H4C10F21、CH2=C(CH3)COOC2H4C12F25、CH2=C(CH3)COOC2H4(CF2)6H、CH2=CHCOOC2H4(CF2)8H、CH2=C(CH3)COOC2H4(CF2)8H、CH2=CHCOOC2H4N(CH3)SO2C8F17、CH2=C(CH3)COOC2H4N(CH3)SO2C8F17、CH2=CHCOOC2H4N(n-C3H7)SO2C8F17 、CH2=C(CH3)COOC2H4N(n-C3H7)SO2C8F17等が挙げられる。
【0016】
フルオロアルキル基含有重合性モノマーと共重合が可能な重合性モノマーとしては、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート及び/または分子鎖の末端に重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物が好ましい。他にメルカプト変性ジメチルポリシロキサン、フマル酸エステル、スチレン、置換スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アミド誘導体、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0017】
直鎖または分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数8〜50、好ましくは8〜30の直鎖または分岐鎖のアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等が挙げられ、特にステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートが好ましい。
【0018】
また、分子鎖の末端に重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物としては、例えば次の一般式(2)
【0019】
【化2】
【0020】
(式中、rは平均重合度を表わす0〜200の数、sは0、1または2を示し、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は酸素原子で中断されていてもよい炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す)で表わされるものが挙げられる。一般式(2)で表わされる化合物は、例えば環状シロキサンをアニオン重合してなるリビングポリマーと(メタ)アクリレート含有クロロシラン化合物との反応により合成できる(特開昭59−126478号)。
【0021】
さらに、メルカプト変性ジメチルポリシロキサンは、例えば以下に示すものが挙げられる。
【0022】
【化3】
【0023】
(ここで、aは3〜300、好ましくは5〜100の数を示し、bは3〜30、好ましくは3〜10の数を示し、R3 はエーテル結合1個または2個で遮断されていてもよい炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖状の2価の炭化水素基を示す)
【0024】
これらのモノマーは、例えばラジカル重合により重合できるが、これに限定されず、必要に応じてアニオン重合、カチオン重合、配位重合により重合させることができる。ラジカル重合の場合、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルやベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドや、分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物等のマクロアゾ重合開始剤を用いうる。重合開始剤としては、特に分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物が好ましく、一例として、以下に示す構造のものが挙げられる。
【0025】
【化4】
【0026】
(ここでnは30〜3000、好ましいは50〜1000であり、cは3〜300、好ましくは5〜100であり、R4 及びR5 はエーテル結合1個または2個で遮断されていてもよい、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖状の2価の炭化水素基を示す。)
【0027】
前記方法で製造されるポリマーは、GPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、3000〜200000、特に5000〜100000の範囲にあるのが好ましい。またコポリマーの種類はブロック、ランダム、交互いずれでもよい。
【0028】
成分(B)の含フッ素高分子物質は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜90重量%配合するのが好ましく、特に0.1〜70重量%、さらに0.5〜30重量%配合すると、特に化粧もちに優れ、使用感も良好である。
【0029】
本発明の化粧料には、前記成分のほか、化粧料常用成分、例えば油剤、固形・半固形油、水溶性及び油溶性ポリマー、無機及び有機顔料、シリコーン処理顔料、色材、界面活性剤、水、防腐材、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0030】
本発明の化粧料は、常法に従って製造でき、その剤型、種類等は特に限定されず、例えば油性化粧料、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、水性化粧料、固形化粧料、油性固形化粧料等とできる。特にファンデーション、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドー等のメイクアップ化粧料;スキンケアクリーム、乳液、スキンローション、サンスクリーン剤等の皮膚保護化粧料などが好適である。
【0031】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、耐水性、耐油性、耐摩擦性及び塗膜柔軟性に優れ、良好な使用感を有し、化粧成分の濡れ、よれ、消失を防止して化粧持ちが良く、安定性に優れる。特に、目尻や口元といった皮膚の大きい動きに対しても柔軟に追従し、塗布された皮膜に違和感を感じないため、初期の化粧効果を長時間維持できる。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0033】
合成例1(共重合体Aの合成)
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ヘキスト社製、Fluowet MAE600、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17)40g、ステアリルメタクリレート56g、ジメチルポリシロキシプロピルメタクリレート(チッソ社製、FM711、平均分子量1000)4g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.6g、トルエン100gを4つ口フラスコに仕込み、溶解混合後、室温で0.5時間、窒素気流下で攪拌した後、65℃で窒素気流下にて5時間、さらに75℃で1時間重合を行い、淡黄色透明の粘ちょう溶液を得た。重合後適量のトルエンにて希釈したものをエタノール中に投入して共重合体を沈殿させ、濾別、減圧乾燥して目的の白色固体状の共重合体A 95.2gを得た。共重合体中のモノマー組成は仕込み組成とほぼ一致していた(プロトンNMRにより確認)。
【0034】
合成例2(共重合体Bの合成)
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ヘキスト社製、Fluowet MAE600、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17)30g、ジメチルポリシロキシプロピルメタクリレート(チッソ社製、FM711、平均分子量1000)4g、ステアリルメタクリレート5g、2−エチルヘキシルメタクリレート61g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.6g、及びノルマルヘキサン100gを用い、合成例1と同様にして、白色固体状の共重合体B 93.7gを得た。
【0035】
合成例3(共重合体Cの合成)
2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート(ダイキン社製、CH2=C(CH3)COOC2H4C10F21)30g、ジメチルポリシロキシプロピルメタクリレート(チッソ社製、FM711、平均分子量1000)70g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.6g、及びノルマルヘキサン100gを用い、合成例1と同様にして、白色固体状の共重合体C 96.2gを得た。
【0036】
合成例4(共重合体Dの合成)
2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート(ダイキン社製、CH2=C(CH3)COOC2H4C10F21)40g、ベヘニルメタクリレート40g、ゲルベセチルメタクリレート(花王合成品)20g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.6g、及びトルエン100gを用い、合成例1と同様にして、白色固体状の共重合体D 93.2gを得た。
【0037】
合成例5(共重合体Eの合成)
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ヘキスト社製、Fluowet MAE600、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17)60g、ジメチルポリシロキサンを含有するマクロアゾ重合開始剤(和光純薬社製、VPS-0501、平均分子量3万〜4万)40g、及びノルマルヘプタン100gを用い、合成例1と同様にして、白色固体状の共重合体E 85.3gを得た。
【0038】
合成例6(共重合体Fの合成)
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ヘキスト社製、Fluowet MAE600、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17)40g、ステアリルメタクリレート30g、ジメチルポリシロキサンを含有するマクロアゾ重合開始剤(和光純薬社製、VPS-1001、平均分子量7万〜9万)30g、及びトルエン100gを用い、合成例1と同様にして、白色固体状の共重合体F 83.5gを得た。
【0039】
合成例7(共重合体Gの合成)
2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ヘキスト社製、Fluowet MAE600、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17)40g、メルカプト変性ジメチルポリシロキサン(信越化学社製、X-22-167B、粘度60cSt/25℃)60g、及びノルマルヘキサン100gを用い、合成例1と同様にして、白色固体状の共重合体G 85.9gを得た。
【0040】
参考例1(共重合体Hの合成)
ステアリルメタクリレート40g、ジメチルポリシロキシプロピルメタクリレート(チッソ社製、FM711、平均分子量1000)60g、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.6g、及びノルマルヘキサン100gを用い、合成例1と同様にして、無色粘ちょう液状の共重合体H 75.3gを得た。
【0041】
製造例1
丸底フラスコ(またはニーダー)に顔料150gを入れ、混合しながら60℃まで加熱した。これに、(C6F13CH2CH2O)2P(O)OHの13gをイソプロピルエーテル1500gに溶解加温(50℃)しておいたものを加え、60℃で4時間混合した。その後、50〜60℃でイソプロピルエーテルを減圧留去し、乾燥して、フッ素化合物処理顔料157gを得た。
【0042】
実施例1〜7、比較例1〜6(二層型液状ファンデーション)
表1及び表2に示す組成の二層型液状ファンデーションを製造し、化粧持ち、油浮き、耐摩擦、色移り性、よれにくさ及び使用感を評価した。結果を表3に示す。
【0043】
(製法)
油相成分を70〜80℃で溶解/分散したのち、顔料を添加し、ディスパーで分散させた。次に、これを20〜30℃に降温した後、水相を攪拌しながら添加して乳化させ、二層型液状ファンデーションを得た。
【0044】
(評価方法)
(1)化粧持ち及び油浮き:
12人の専門パネラーにより、各ファンデーションを使用したときの化粧持ち、油浮きを官能評価し、次の基準で5段階評価した。
5:10〜12人が良いと判断した。
4:8〜9人が良いと判断した。
3:6〜7人が良いと判断した。
2:4〜5人が良いと判断した。
1:3人以下が良いと判断した。
【0045】
(2)耐摩擦色移り性:
ファンデーションの一定量を人工皮革に均一に塗布し、木綿布で塗布した部分を200g/cm2 の圧力下、表面性試験器を用いて3往復摩擦させた。そのとき移行したファンデーションによる木綿布の着色度合いにより、以下の基準で評価した。
◎:ほとんど着色していない。
○:やや着色している。
△:着色している。
×:かなり着色している。
【0046】
(3)よれにくさ:
表情を変えることによって目尻にしわのできる男性10人の顔面にファンデーションの一定量を塗布し、その後、強いまばたきを5回繰り返す。専門パネラーにより目尻のしわの部分を塗布直後と比較し、次の基準で3段階評価した。結果は10人の平均で示す。
5:まったく変化がない。
3:しわの部分にわずかな変化がある。
1:ファンデーションがしわにたまったり、しわの部分で割れて、線ができる。
【0047】
(4)使用感:
10人の専門パネラーにより、各ファンデーションを使用したときの使用感を官能評価し、次の基準で評価した。
○:8人以上が良いと判断した。
△:4〜7人が良いと判断した。
×:3人以下が良いと判断した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
表3の結果から明らかな通り、本発明の化粧料はいずれも、化粧持ち、油浮き、耐摩擦色移り性、よれにくさ及び使用感のすべてにおいて優れていた。また安定性も良好であった。
【0052】
実施例8(乳液)
下記組成の乳液を常法により製造した。
【表4】
【0053】
実施例9(クリーム状ファンデーション)
実施例1と同様にして、下記組成のクリーム状ファンデーションを製造した。
【表5】
【0054】
実施例10(パウダーファンデーション)
【表6】
【0055】
(製法)
まず顔料を混合し、粉砕機を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、結合剤等を混合し、均一にしたものを顔料に加えてさらに混合して均一にした。これを粉砕機で処理し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿容器中で圧縮成形し、パウダーファンデーションを得た。
【0056】
実施例11(頬紅)
実施例10と同様にして、以下に示す組成の頬紅を製造した。
【表7】
【0057】
実施例12(パウダーアイシャドウ)
雲母チタン以外の顔料を先に混合、粉砕したのち、雲母チタンを混合した。その他は実施例10と同様にして、以下に示す組成のパウダーアイシャドウを製造した。
【表8】
【0058】
実施例13(サンスクリーン乳液)
実施例1と同様にして、以下に示す組成のサンスクリーン乳液を製造した。
【表9】
【0059】
実施例14(保湿クリーム)
下記組成の保湿クリームを常法により製造した。
【表10】
(組成) (重量%)
(1)酸性多糖類 0.5
(2)オクタメチルシクロテトラシロキサン 7.0
(3)メチルフェニルポリシロキサン 5.0
(4)共重合体A 7.0
(5)ブチルパラベン 0.2
(6)グリセリン 5.0
(7)クエン酸ナトリウム 1.0
(8)L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
(9)メチルパラベン 0.2
(10)精製水 残量
【0060】
実施例15(口紅)
下記組成の口紅を常法により製造した。
【表11】
【0061】
実施例8〜15で得られた化粧料はいずれも、耐水性、耐油性、耐摩擦性及び塗膜柔軟性に優れ、良好な使用感を有し、化粧成分の濡れ、よれ、消失を防止して化粧持ちが良く、しかも安定性に優れたものであった。
Claims (3)
- (A)フッ素化合物処理粉体、並びに
(B)(B-1) 、 (B-2) 、 (B-3) 及び (B-4) から選ばれる皮膜形成性含フッ素高分子物質
(B-1) 分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物を重合開始剤として得られるフルオロアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマー、
(B-2) 分子内にアゾ基を有するジメチルポリシロキサン化合物を重合開始剤として得られるフルオロアルキル(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、
(B-3) フルオロアルキル(メタ)アクリレートと分子鎖の末端に重合性基を有するジメチルポリシロキサンを構成モノマーとして含むコポリマー、
(B-4) フルオロアルキル(メタ)アクリレートとメルカプト変性ジメチルポリシロキサンのコポリマー
を含有する化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12581498A JP3766541B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12581498A JP3766541B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11322543A JPH11322543A (ja) | 1999-11-24 |
JP3766541B2 true JP3766541B2 (ja) | 2006-04-12 |
Family
ID=14919603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12581498A Expired - Fee Related JP3766541B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3766541B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DK1162943T3 (da) * | 1999-03-25 | 2007-01-15 | 3M Innovative Properties Co | Ikke-sviende coatingpræparat |
JP2002284629A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Kao Corp | 化粧料 |
US7323162B2 (en) * | 2002-12-27 | 2008-01-29 | Avon Products, Inc. | Aqueous cosmetic coloring and gloss compositions having film formers |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2704730B2 (ja) * | 1988-07-12 | 1998-01-26 | 株式会社コーセー | 化粧料 |
JPH0489422A (ja) * | 1990-08-02 | 1992-03-23 | Kao Corp | 固形粉末化粧料 |
JPH06102607B2 (ja) * | 1990-08-03 | 1994-12-14 | 花王株式会社 | 化粧料 |
JP3040661B2 (ja) * | 1994-06-07 | 2000-05-15 | 花王株式会社 | 化粧料 |
JP3336125B2 (ja) * | 1994-08-24 | 2002-10-21 | 花王株式会社 | 乳化化粧料 |
JP3081502B2 (ja) * | 1995-04-28 | 2000-08-28 | 花王株式会社 | 化粧料 |
JP3432979B2 (ja) * | 1995-11-17 | 2003-08-04 | 花王株式会社 | 化粧料 |
-
1998
- 1998-05-08 JP JP12581498A patent/JP3766541B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11322543A (ja) | 1999-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE602004000738T2 (de) | Alternierendes Copolymer aus Organopolysiloxanen mit Glycerinderivaten und ein Kosmetikum, das dieses umfasst | |
JP5559992B2 (ja) | 油中水型乳化化粧料 | |
DE60222579T2 (de) | Kosmetisches ausgangsprodukt, kosmetische zusammensetzung und verfahren zur herstellung einer kosmetischen zusammensetzung | |
EP0469602B1 (en) | Cosmetic | |
JP4950033B2 (ja) | 表面被覆粉体及びそれを含有する化粧料 | |
JP2006342163A (ja) | エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有する化粧料、薬剤および皮膚剤組成物 | |
KR100267589B1 (ko) | 특정한공중합체를포함하는화장료조성물및화장료에서의공중합체의용도 | |
JP3864329B2 (ja) | 油性固形化粧料 | |
US9289371B2 (en) | Emulsion and cosmetic composition | |
JP2006282578A (ja) | 化粧料 | |
JPWO2003075863A1 (ja) | 化粧料 | |
JP6262995B2 (ja) | 凹凸補正化粧料 | |
JP2021165264A (ja) | 化粧方法 | |
JP3766541B2 (ja) | 化粧料 | |
JP3592903B2 (ja) | 含フッ素高分子物質及び化粧料 | |
JP4463672B2 (ja) | 表面処理粉体及びその粉体を含有する化粧料 | |
JPH04224506A (ja) | 化粧料 | |
JPH06102607B2 (ja) | 化粧料 | |
JPH11100307A (ja) | 被膜形成剤及び化粧料 | |
JPH08295612A (ja) | 化粧料 | |
JP2007269713A (ja) | メイクアップ用もしくは日焼け止め用化粧料 | |
JP2020132527A (ja) | 固形粉末化粧料 | |
JP4236831B2 (ja) | 滑水性を有する化粧料 | |
JP2010121099A (ja) | 表面処理粉体及びその製造方法並びにそれを含有する化粧料 | |
JP2002205914A (ja) | 化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040811 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050908 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051011 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060127 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140203 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |