JP4236831B2 - 滑水性を有する化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、滑水性を有し、耐久性、感触に優れていることを特徴とする化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、サンスクリーン剤やファンデーション、口紅などの耐久性を向上させる目的で、撥水性のある化合物や撥水性のある顔料を製剤に配合する技術が向上してきた。例えば、撥水性のある化合物としてパーフルオロポリエーテルなどのフッ素化合物やジメチルシロキサンなどのシリコーン化合物、またフッ素変性シリコーン樹脂などが用いられてきた。また、撥水性のある顔料としては、シリコーン処理や金属石鹸処理された微粒子酸化チタンなどが用いられてきた。これらの素材は水や汗に対して強い耐久性を有しており、これらの素材を配合した製剤にも撥水性などの素材の特性が受け継がれている。
例えば、我々は特開平9―12431号公報にて撥水撥油性に富むフッ素変性シリコーン樹脂を化粧料に配合することで耐久性に優れた化粧料が得られることを報告している。また、特開平7−126126号公報ではパーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサンとフッ素処理粉体を配合した化粧料が耐久性に優れていることを報告している。これらの技術は「それぞれの素材が耐水性に富むこと=製剤の耐久性が高まること」という構図に基づいて構築された技術である。
【0003】
一方、近年サンスクリーン剤において、日焼け防止性能を向上させる試みが続いてきた。技術的には、前記の思想を継続したものであり、特開昭61―65808号公報、特開平6-135817号公報、特開平5―339125号公報などに見られるように耐久性に優れた素材をいかに配合するかという技術が中心であった。尚、これらの特許にはいずれも「耐久性を向上させる」、「持続性を向上させる」旨の記載が行なわれているのみである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、我々はこうした耐久性を向上させる素材を配合した製品を長期にわたり実地試験してきた結果、耐久性が向上しているはずの製品であっても未だその性能は不十分であり、特に水浴時において予想外に耐久性に問題がでることを確認した。例えばSPF100クラスの製剤であっても、水につかると2〜3時間程度しか紫外線防御機能が維持できない場合があった。そのため、従来の耐水性素材を組み合わせて耐久性を向上させる技術だけでは限界が見えてきていた。特に、レジャーシーンにおいて、朝塗布した時に塗り直しをしなくても一日日焼けしないような耐久性を製剤に持たせるためには、新たな技術的アプローチが必要となっていた。また、ファンデーションやアイシャドウも日常生活では耐久性のあるものが開発されているが、プールなどの水浴時には簡単に取れてしまう問題があり、レジャー時にも対応可能な製剤が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの問題に鑑み、その対策方法を鋭意検討して見た。その結果、滑水性(かっすいせい)という性能を新たに製剤に与えることで、これらの問題が解決できることを見出した。滑水性技術は塗膜表面に微小な凹凸を形成させ、空気膜を保持させることで、水と塗膜との接触角を見かけ180度とし、塗膜と水との相互作用を無くする技術からなり、技術的には▲1▼滑水性を持つ素材を用いる方法と、▲2▼製剤的な素材の組み合わせ の2つの方法で得られ、本発明は後者の▲2▼に属する。本発明の滑水性技術により、製剤は水によって崩れにくくなり、長時間の持続性を確保することが可能となる。これに対して、従来の撥水性ベースの製剤は水が均一に塗膜表面を流れ落ちず、塗膜との相互作用を持ってしまうため、持続性に欠けてしまう場合が多かった。以下に「撥水」と「滑水」の区別について記す。
「撥水」は水をはじくことを示すが、撥水性の製剤を肌に塗布した時に、塗膜がすこしでもムラになったりすると、撥水度の高いところの水が相対的に撥水度の低い部分にやってきて水滴が形成され、撥水度の高いところと低いところの界面で塗膜の劣化が促進される現象が生じる。この劣化が進むと塗膜が水に負けて崩れる原因になる。従来は塗膜が均一化したり、平滑になるように製剤を設計し、この劣化を抑制することが行われていた。
一方「滑水」は、水がすべると漢字に書いてあるように、水が瞬時に塗膜から流れ落ちることを示す。この場合、水は塗膜とわずかしか接触せず、水が接触しているのは空気の薄い膜であるので、塗膜の劣化はゆっくりとしか進行しないのである。
例えばガラス板に撥水性の塗膜を作り、流水を流した直後の塗膜を観察すると、塗膜の上に水滴が形成されていたり、水の膜がゆっくりと流れ落ちていく様子を見ることができる。これに対して滑水性の塗膜を作り、流水を流した直後の塗膜を観察すると、塗膜の上の水は瞬時に流れ落ちてしまう様子が見られる。同じように水をはじく現象でも、撥水と滑水は現象としては大きな違いがあり、耐久性についても大きく異なる。
【0006】
本発明の目的は、下記の化粧料によって達成できる。すなわち、本発明は、下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする化粧料である。
(A)ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、パーフルオロアルキル変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル、パラメトキシケイ皮酸オクチルから選ばれる、25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある不揮発性油剤の1種以上12.5〜20質量%
(B)ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、アルキルポリグリセリル変性シリコーンから選ばれる、25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある液状非フッ素系シリコーン系界面活性剤の1種以上0.05〜5質量%
(C)油溶性シリコーン樹脂であるパーフルオロアルキル基含有ポリアルキルシロキシケイ酸の1種以上0.1〜10質量%
(D)環状4〜6量体ジメチルポリシロキサン、分岐状4量体ジメチルポリシロキサン、直鎖状ジメチルポリシロキサン、低級アルコールから選ばれる揮発性溶媒の1種以上1〜75質量%
(E)平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化チタン、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化亜鉛、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化セリウム、平均一次粒子径1〜200nmの鉄ドーピング微粒子酸化チタン、平均一次粒子径0.1〜0.6μmの酸化チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、ポリアルキルシルセスキオキサンから選ばれる顔料を、オクチルシラン処理して得られる撥水性顔料の1種以上1〜35質量%
【0008】
第2の本発明は、水、多価アルコールから選ばれる1種以上が0.5〜65質量%含有されていることを特徴とする前記の化粧料である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(A)成分の25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある不揮発性油剤としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、パーフルオロアルキル変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル、パラメトキシケイ皮酸オクチルから選ばれる1種以上を配合していることが効果的である。これらの不揮発性油剤は滑水性を得るのに効果的に働くことが判っている。また、本発明で規定した25℃で5〜1000mm2/sの動粘度の範囲の根拠としては、5mm2/s未満では揮発性溶媒に該当してしまうこと、1000mm2/sを超えると滑水性が失われて撥水性が出てきてしまうことから範囲を規定した。1000mm2/sを超える動粘度を有する油剤は用いないか、用いても配合量を少なくし、製剤全体として滑水性が維持できる範囲内にとどめることが好ましい。さらに、本発明で用いる25℃で5〜1000mm2/sの範囲にある不揮発性油剤の配合量は、12.5〜20質量%であり、この範囲にあるとより強い滑水性が得られるので好ましい。
【0015】
本発明で用いる(B)成分の25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある液状非フッ素系シリコーン系界面活性剤は、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、アルキルポリグリセリル変性シリコーンである。本発明では、これらの界面活性剤のHLBは特に問わないが1〜7の範囲にあることが好ましい。尚、液状非フッ素系シリコーン系界面活性剤として25℃での動粘度が1000mm2/sを超えたものを用いた場合には、塗膜表面に水の膜が形成されたりして滑水性が失われる傾向が強い。本発明で用いる液状非フッ素系シリコーン系界面活性剤の配合量は0.05〜5質量%である。この範囲であれば、顔料配合時の顔料分散安定性と滑水性が両立する場合が多い。
【0016】
本発明で用いる(C)成分の油溶性シリコーン樹脂としては、パーフルオロアルキル基含有ポリアルキルシロキシケイ酸から選ばれる1種以上を用いる。油溶性シリコーン樹脂の配合量としては0.1〜10質量%の範囲が挙げられる。0.1質量%未満では滑水性が維持できず、10質量%を超えると滑水性は得られるものの塗布時の感触が重くなる問題がある。また、パーフルオロアルキル基含有ポリアルキルシロキシケイ酸は特に本発明の化粧料には有効で、同一質量割合で比較したことろ、トリメチルシロキシケイ酸に比べて約2倍の滑水性付与効果があった。
【0017】
本発明で用いる(D)成分の揮発性溶媒としては、環状4〜6量体ジメチルポリシロキサン、分岐状4量体ジメチルポリシロキサン、直鎖状ジメチルポリシロキサン、エチルアルコール等の低級アルコールから選ばれる1種以上を用いる。これらの揮発性溶媒は滑水性に与える影響が少ないことが判っている。揮発性溶媒の配合量は1〜75質量%である。揮発性溶媒は一般に滑水性を低下させる傾向を持つが、感触に与える影響も大きく、感触調整効果からこの濃度範囲が好ましいものとして設定した。但し、揮発性溶媒の配合量が50質量%を超える場合には、常圧での沸点が220℃、好ましくは200℃未満の化合物を中心に処方し、揮発性を高くする操作を行う必要がある。この操作によりより感触に優れた製剤を得ることができる。
【0018】
本発明ではさらに(E)成分として撥水性顔料の1種以上1〜35質量%を配合する。本発明で用いる顔料としては、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化チタン、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化亜鉛、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化セリウム、平均一次粒子径1〜200nmの鉄ドーピング微粒子酸化チタン、平均一次粒子径0.1〜0.6μmの酸化チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、ポリアルキルシルセスキオキサンの1種以上を配合する。
【0019】
本発明では、顔料を撥水化表面処理する。本発明で用いる撥水化表面処理の方法としては、オクチルシラン処理を用いる。この場合の処理量としては、顔料の質量に対して0.5〜12質量%の範囲にあるものが好ましい。
【0020】
本発明では、水、多価アルコールから選ばれる1種以上が配合されていることが好ましい。これらの成分は感触に大きな影響を与え感触調製剤として配合されるが、滑水性には大きな影響を持たない。多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、糖類のような低分子量のものからポリエチレングリコールのような高分子のものまで試験を行ったが、滑水性には影響を示さなかった。水、多価アルコールの配合量としては、0.5〜65質量%である。
【0021】
本発明で言う滑水性の簡単な評価方法としては次の方法が挙げられる。すなわち、滑水性を有する化粧料を5×10cmの平滑なガラス板に対して10mg塗布し37℃で10分間乾燥させた後、38℃の流水に1.5分間出し入れを繰り返した直後に水滴が瞬時(好ましくは2秒以内)にガラス面を流れ落ちる滑水性を示すことで評価できる。撥水性の塗膜の場合は水滴がガラス板表面に残ったり、水膜が表面に形成され、徐々に水がひいていくような状態を形成する。また、本発明の化粧料は、水につけた後の塗膜表面を横方向に線分析した時に、高さ0.2μm以上の凸部を、長さ10μmあたり平均して3つ以上有することが好ましい。塗膜を線分析する方法としては、非接触三次元微小表面形状測定システムや原子間力顕微鏡、レーザー顕微鏡などを挙げることができるが、塗膜が柔らかいこと、凹凸が細かいことから、非接触三次元微小表面形状測定システムを用いることが好ましい。非接触三次元微小表面形状測定システムとしては、松下インターテクノ社製のNT−2000型などが挙げられる。
【0022】
本発明の滑水性を示す化粧料には、以上の成分以外に、通常化粧料に配合される各種の紫外線吸収剤、油剤、フッ素化合物、粘剤、樹脂、防菌防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を本発明の効果を阻害しない範囲で使用することができる。これらの例としては、例えば紫外線吸収剤として、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、オクチルトリアゾン、ジメトキシケイ皮酸イソオクタン酸グリセリドや、これらの高分子誘導体、シラン誘導体等が挙げられる。
【0023】
また、有機系紫外線吸収剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線吸収剤を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。
【0024】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0025】
粘剤、樹脂の例としては、アラビアゴム、トラガカント、アラビノガラクタン、ローカストビーンガム(キャロブガム)、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、シリコーン化プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料では、各種の生理活性成分を配合してあることが好ましい。本発明で用いる生理活性成分とは、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤(ラジカル捕捉剤)、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、皮膚着色剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。
【0027】
これらの成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0028】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、ザルコシン、N−メチル−L−セリン等のアミノ酸誘導体、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニオチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸等が挙げられる。
【0029】
これらの生理活性成分の化粧料への配合割合は、その活性成分の効果発現濃度によるが、一般的には化粧料の総量に対して0.01〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15質量%が好ましい。尚、生理活性成分は1種または2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。
【0030】
本発明の化粧料としては特に限定は無いが、スキンケア製品、頭髪製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、紫外線防御製品等が好ましいものとして挙げられる。例えば、乳液、クリーム、ローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アクネ対策化粧料、エッセンス等の基礎化粧料、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、ネイルカラー、口紅等のメイクアップ化粧料、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、セット剤、育毛剤、デオドラント、香水等が挙げられる。この内、特にサンスクリーン剤、サンタン剤、化粧下地料、紫外線防御効果のあるファンデーション等に適用することが好ましい。また、製品の形態についても特に限定は無いが液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状等に適用が可能であり、特に液体多層分離型の製剤が好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例で得られた化粧料の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0032】
[滑水性評価]
前述のガラス板を用いた試験方法により、試料の滑水性を評価した。
【0033】
[有用性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。尚、試験は沖縄県にて屋外プールでの水浴を行った条件で、実地試験にて行った。
【0034】
【0035】
実施例1
オクチルシリル化微粒子酸化チタン(オクチルシラン10質量%処理シリカ・アルミナ処理微粒子酸化チタン。平均粒子径12nm)、オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛(オクチルシラン10質量%処理微粒子酸化亜鉛。平均粒子径15nm)、分岐状4量体メチルシロキサン(揮発性シリコーン)等を用い、表2の処方と製造方法に基づいて化粧下地兼用サンスクリーン剤を得た。尚、配合量の単位は質量%である。
【0036】
[表2]
成 分 配合量
------------------------------------------------------------------
(A成分)
パラメトキシケイ皮酸オクチル(100mm2/s) 10
メチルフェニルポリシロキサン(15mm2/s) 4
(B成分)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業製KF6019、
動粘度600mm2/s) 1
(C成分)
トリフルオロプロピル変性トリメチルシロキシケイ酸
50質量%環状シリコーン(5量体)溶液 2
(D成分)
デカメチルシクロペンタシロキサン 26
分岐状4量体メチルシロキサン 15
(E成分)
オクチルシリル化微粒子酸化チタン・
50質量%デカメチルシクロペンタシロキサン分散液 2
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛 10
シリコーンガム 2
トリメチルシルセスキオキサン(GE東芝シリコーン製
トスパール145A) 0.5
(その他の成分)
エチルアルコール 3
1,3−ブチレングリコール 5
アロエエキス 0.1
クランベリーエキス 0.1
防腐剤 適 量
精製水 残 量
【0037】
各成分を計量・混合した後、ステンレスボールを入れた遮光樹脂ボトルに充填して製品を得た。本品の塗膜を水につけた後の表面形状を測定したところ、多数の微小凹凸が確認された。また、本製剤は高い紫外線カット効果を有していた。また、パウダーファンデーションの下地としても優れていた。
【0038】
比較例1
市販の高耐久性サンスクリーン剤(SPF値>130)を以って比較例1とした。本品の塗膜を水につけた後の塗膜表面を調べたところその表面はきわめて平滑であり、かつ撥水性に優れていたが、滑水性は示さなかった。
【0039】
比較例2
実施例1のメチルフェニルポリシロキサンの量を35%に増やし、デカメチルシクロペンタシロキサンを5質量%、分岐状4量体メチルシロキサンを0質量%に変更した他は全て実施例1と同様にして製品を得た(A成分を規定範囲外にした場合の例)。
【0040】
比較例3
実施例1のポリエーテル変性シリコーンおよびトリフルオロプロピル変性トリメチルシロキシケイ酸50質量%環状シリコーン(5量体)溶液を配合しない他は全て実施例1と同様にして製品を得た(B,C成分を規定範囲外とした場合の例)。
【0041】
実施例および比較例について、「滑水性の有無」、「耐水性が持続する」、「水が肌から容易に流れ落ちる」、「感触に優れる」の各項目について評価を行った結果を表4に示す。尚、滑水性の有無は前記のガラス板を用いた試験で実施し、残りの評価項目については前記の実地での有用性試験にて実施した。
【0042】
[表4]
滑水性の有無 耐水性の持続 水の肌からの流れ落ち 感触
------------------------------------------------------------------
実施例1 あり 50 50 45
比較例1 なし 32 17 31
比較例2 弱い 23 29 10
比較例3 弱い 30 34 41
【0043】
表4の結果から本発明の実施例は比較例と比べて滑水性、耐水性の持続、感触の各項目でバランスよく優れた性能を有していることが判る。これに対して比較例1は市販品を用いたものであるが、滑水性は認められず、従来の基準での耐久性は優れていても、本発明の製剤を基準にしてみると相対的には劣っていることが判る。また、比較例2は(A)成分を規定範囲外に増量した場合の例であるが、弱い滑水性は得られるものの油性感が強く、感触が良くないことが判る。比較例3は(B),(C)成分を配合しなかった場合の例であるが、滑水性は弱く、その持続性も弱かった。
【0044】
【発明の効果】
以上のことから、本発明である、下記(A)〜(E)成分を配合することによって、滑水性を示し、耐久性に富み、感触に優れた化粧料が得られることは明らかである。
(A)ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、パーフルオロアルキル変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル、パラメトキシケイ皮酸オクチルから選ばれる、25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある不揮発性油剤の1種以上12.5〜20質量%
(B)ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、アルキルポリグリセリル変性シリコーンから選ばれる、25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある液状非フッ素系シリコーン系界面活性剤の1種以上0.05〜5質量%
(C)油溶性シリコーン樹脂であるパーフルオロアルキル基含有ポリアルキルシロキシケイ酸の1種以上0.1〜10質量%
(D)環状4〜6量体ジメチルポリシロキサン、分岐状4量体ジメチルポリシロキサン、直鎖状ジメチルポリシロキサン、低級アルコールから選ばれる揮発性溶媒の1種以上1〜75質量%
(E)平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化チタン、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化亜鉛、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化セリウム、平均一次粒子径1〜200nmの鉄ドーピング微粒子酸化チタン、平均一次粒子径0.1〜0.6μmの酸化チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、ポリアルキルシルセスキオキサンから選ばれる顔料を、オクチルシラン処理して得られる撥水性顔料の1種以上1〜35質量%
Claims (2)
- 下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする化粧料。(A)ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、パーフルオロアルキル変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル、パラメトキシケイ皮酸オクチルから選ばれる、25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある不揮発性油剤の1種以上12.5〜20質量%
(B)ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、アルキルポリグリセリル変性シリコーンから選ばれる、25℃での動粘度が5〜1000mm2/sの範囲にある液状非フッ素系シリコーン系界面活性剤の1種以上0.05〜5質量%
(C)油溶性シリコーン樹脂であるパーフルオロアルキル基含有ポリアルキルシロキシケイ酸の1種以上0.1〜10質量%
(D)環状4〜6量体ジメチルポリシロキサン、分岐状4量体ジメチルポリシロキサン、直鎖状ジメチルポリシロキサン、低級アルコールから選ばれる揮発性溶媒の1種以上1〜75質量%
(E)平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化チタン、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化亜鉛、平均一次粒子径1〜100nmの微粒子酸化セリウム、平均一次粒子径1〜200nmの鉄ドーピング微粒子酸化チタン、平均一次粒子径0.1〜0.6μmの酸化チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、ポリアルキルシルセスキオキサンから選ばれる顔料を、オクチルシラン処理して得られる撥水性顔料の1種以上1〜35質量% - 水、多価アルコールから選ばれる1種以上が0.5〜65質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
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