JP3766240B2 - 変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3766240B2 JP3766240B2 JP24883599A JP24883599A JP3766240B2 JP 3766240 B2 JP3766240 B2 JP 3766240B2 JP 24883599 A JP24883599 A JP 24883599A JP 24883599 A JP24883599 A JP 24883599A JP 3766240 B2 JP3766240 B2 JP 3766240B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layered silicate
- meth
- resin
- group
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
層状珪酸塩は、厚さが約1nm、平均アスペクト比がおよそ20〜200の微細な薄片状結晶のイオン結合による凝集より成る無機鉱物であり、この凝集構造を化学的または物理的な手段により離砕し、有機ポリマー中に薄片を均一に分散させることで、ポリマー材料の機械物性、熱的特性、ガスバリヤー性等の性質を改善できることが、従来より知られている。
【0003】
一般には、薄片状結晶である層状珪酸塩を有機ポリマー中に均一分散させる為には、薄片間のイオン相互作用を出来るだけ小さくせしめ、ポリマー中に容易に分散させる為の手段を講じる必要がある。例えば、特公平8─22946号公報においては、アミノカルボン酸を層状珪酸塩にインターカレートすることで層間の間隔を予め拡げておき、次いでポリアミドモノマーであるεカプロラクタムを層間に挿入させると同時に重縮合させることによりポリアミド樹脂中に層状珪酸塩の薄片を均一に分散させた構造を形成することが出来ることを報告している。しかしポリアミドのようにモノマーを層状珪酸塩の層間に挿入出来るポリマー種以外のポリマー種において層状珪酸塩をマトリックス中に均一分散せしめることは一般に極めて困難である。この問題を解決するために、種々のアプローチが開示されている。
【0004】
一方、非極性ポリマーであるポリエチレンやポリプロピレンといったポリマーに元来親水性の高い層状珪酸塩を均一に分散させることは一般に極めて困難である。この問題を解決するために、種々の方法が開示されている。例えば、特開平8─53572号公報では、有機オニウムイオンを層状珪酸塩にインターカレートし層間の間隔を予め広げておき次いでオレフィン系熱可塑性樹脂を融解状態で混合することにより層状珪酸塩をポリマー中に分散するという方法が開示されており、特開平10─182892号公報では、有機化層状珪酸塩と、0. 001mmol/g以上かつ0. 45mmol/gの水素結合性官能基を含有するポリオレフィンオリゴマー、およびポリオレフィンポリマーを溶融混練することにより、層状珪酸塩がポリマー中で無限膨潤したポリオレフィン系樹脂−層状珪酸塩複合材料を調製することが出来ることを開示している。
【0005】
しかしながら、特開平8─53572号公報に記載の方法では、層間は有機オニウムイオンのインターカレートにより層間が若干広がっているものの、オレフィン系樹脂の分子が容易に層間に連続して挿入するには層間の結合力が高すぎるため、層状珪酸塩の無限膨潤は殆ど困難である。
【0006】
また、特開平10─182892号公報に記載の方法では、層状珪酸塩の結晶薄片をポリマー中に均一に分散させた材料を工業材料として使用することは現実的には極めて困難である。すなわち、オリゴマー中の官能基と層状珪酸塩表面の水酸基とを溶融混練中に反応させる為、必ずしも層状珪酸塩の水酸基が該官能基により効率的に処理されるわけではない。さらに、実際に層状珪酸塩の均一分散を達成する為には多量のオリゴマーが必要となる。しかしこのようなオリゴマー成分がポリマー中に多量に含有されると、機械物性特に耐衝撃性が著しく低下し、コストの点からも好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑み、ポリオレフィン系樹脂及び各種ポリマー中に層状珪酸塩の薄片を容易に均一分散させることができ、複合材料の機械的強度及び熱的特性、ガスバリア性に優れた樹脂−層状珪酸塩複合材料を実現させることができる変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の本発明では、層状珪酸塩の結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金属イオンが、遷移金属錯体でイオン交換されている変性層状珪酸塩の存在下でオレフィン系単量体を重合し得られることを特徴とする変性層状珪酸塩/樹脂複合体を提供する。
また、請求項2の本発明では、遷移金属錯体がIV族、X族、XI族の遷移金属錯体である。
また、請求項3の本発明では、層状珪酸塩100gに対して、遷移金属錯体が0.01〜100ミリ当量である。
また、請求項4の本発明では、層状珪酸塩の結晶構造中に、遷移金属錯体の他に、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有して成る。
また、請求項5の本発明では、層状珪酸塩が、モンモリロナイト、合成雲母のうち1種以上から選ばれる。
また、請求項6の本発明では、変性層状珪酸塩の平均層間距離が60Å以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体を提供する。
また、請求項7の本発明では、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と該熱可塑性樹脂とからなる組成物であって、該複合体中のオレフィン系樹脂成分及び熱可塑性樹脂の合計量100重量部に対して層状珪酸塩成分が0.1〜50重量部であることを特徴とする変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物を提供する。
また、請求項8の本発明では、熱可塑性樹脂がプロピレン重合体、プロピレンと炭素数3以外のα−オレフィンの共重合体、エチレン重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求項7に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物を提供する。
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味し、通常、厚さが約1nm、平均アスペクト比がおよそ20〜200程度の微細な薄片状結晶がイオン結合により凝集してなるものである。
層状珪酸塩の種類は特に限定されず、モンモリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,スティブンサイト,ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物のほか,バーミキュライト,ハロイサイト,及び膨潤性マイカなどが挙げられ、天然のものでも合成されたものでも用いることが出来る。好ましくは、モンモリロナイト、合成雲母が用いられる。さらに好ましくは、複合材料の機械強度やガスバリア性の面から、計算式(1)にて定義される形状異方性効果が大きい膨潤性マイカである。
形状異方性効果=結晶側面(A)の面積/層状結晶表面(B)の面積・・(1)
【0010】
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量は特に限定されず、層状珪酸塩100gに対して、50〜200ミリ当量であることが好ましい。50ミリ当量未満の場合には、結晶層間にイオン交換によりインターカレートされるカチオン系界面活性剤の量が少ない為に、層間が十分に非極性化されない場合があり、一方,200ミリ当量を越える場合には,層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり,結晶薄片をデラミネートすることが困難な場合があるからである。
【0011】
本発明における遷移金属錯体とは、遷移金属原子に、配位子が結合したものである。配位子は特に限定されず、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換されたシクロペンタジエン環;シクロペンタジエニルオリゴマ−環;インデニル環;炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換されたインデニル環等や、塩素、臭素等の1価のアニオンリガンド;2価のアニオンキレ−トリガンド;炭化水素基;アルコキシド;アリ−ルアミド;アリ−ルオキシド;アミド;アリ−ルアミド;ホスフィド;アリ−ルホスフィド;シリル基;置換シリル基等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0012】
上記炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブチル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0013】
上記配位子が配位した遷移金属錯体としては、特に限定されるものではないが、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等のIV族遷移金属錯体、ビピリジン、置換ビピリジン、ビスオキサゾリン、置換ビスオキサゾリン、一般式 ArN=CR1 CR2 =NArであらわされる(式中Arはフェニル基、または置換フェニル基などのアリル基、R1 、R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、R1 、R2 が結合した環状炭化水素基)各種ジイミン、N,N’−ジメチルアミジナト、N,N’−ジエチルアミジナト、N,N’−ジイソプロピルアミジナト、N,N’−ジ−t−ブチルアミジナト、N,N’−トリフルオロメチルアミジナト、N,N’−ジフェニルアミジナト、N,N’−ジ置換フェニルアミジナト、N,N’−ジトリメチルシリルアミジナト、N,N’−ジメチルベンズアミジナト、N,N’−ジエチルベンズアミジナト、N,N’−ジイソプロピルベンズアミジナト、N,N’−ジ−t−ブチルベンズアミジナト、N,N’−トリフルオロメチルベンズアミジナト、N,N’−ジフェニルベンズアミジナト、N,N’−ジトリメチルシリルベンズアミジナト、N,N’−ジ置換フェニルベンズアミジナト配位のニッケル、パラジウム、銅、銀などのX族、XI族遷移金属錯体が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0014】
遷移金属は周期表IV族からXI族の遷移金属であればなんでもよく、好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムなどのIV族元素、ニッケル、パラジウム、白金のX族、銅、銀、金のXI族の遷移金属が好適に使用される。
【0015】
上記遷移金属錯体の使用量は、層状珪酸塩100g当たり、0.01〜100ミリ当量であることが好ましい。0.01ミリ当量より少ない場合は、効果が発現せず、100ミリ当量より追い場合は、使用する種類にもよるが、変性層状珪酸塩の安定性が悪くなる。
また、ここで言う当量とは、層状珪酸塩100g当たりの陽イオンの交換容量を示す。
【0016】
一般に層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウムやカルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質とのイオン交換性を有する為、カチオン性を有する種々の物質を層間に挿入することが出来る。
このため、本発明に用いる層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンは、予めカチオン系界面活性剤等によりイオン交換されていても構わない。特に熱可塑性樹脂として、オレフィン系樹脂等の非極性樹脂を用いる場合には、層間を予め例えば、カチオン系界面活性剤による陽イオン交換により、疎水化しておく方が、層状珪酸塩と熱可塑性樹脂との間に高い親和性が得られるので好ましい。
【0017】
上記の如く、層状珪酸塩の層間が、疎水性基を有するカチオン系界面活性剤にてイオン交換されているものを「有機化層状珪酸塩」と称し、有機化されていない層状珪酸塩よりも樹脂中に分散されやすいので好適に用いられる。
【0018】
本発明における、上記層間を予め疎水化する物質については、特に限定されず、通常、用いられるカチオン系界面活性剤が用いられ、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。好ましくは、炭素数6以上のアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩が用いられる。炭素数が6以上のアルキル鎖を含有しない場合には,アルキルアンモニウムイオンの親水性が強く、層状珪酸塩の層間を十分に非極性化することが困難となる。
【0019】
上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0020】
また、本発明の層状珪酸塩は、結晶端面の水酸基と化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基を有する化合物により処理することができる。
水酸基と化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基を有する化合物については、特に限定されるものではないが、アルコシキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基叉は無水マレイン酸基、イソシアネート基、アルデヒド基等、水酸基との化学親和性が高い官能基である必要がある。これらの官能基を含有する化合物として、例えば、前記官能基を含むシラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられる。
【0021】
上記の具体的物質名としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N −β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N −β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N −β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0022】
本発明におけるオレフィン系単量体としては、分子内に重合性二重結合を有するものである。特に限定はされず、炭化水素系オレフィン及びα−置換オレフィンであり、炭化水素系オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン;ブタジエン等のジエンが挙げられる。
【0023】
上記α−置換オレフィンとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−塩化スチレン、p−塩化スチレン、o−臭化スチレン、p−臭化スチレン、p−ニトロスチレン、o−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
【0024】
なお、例えば上記(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル、又は、メタクリル酸エステルを意味する。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸トリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2,4,6−トリクロロフェニル、(メタ)アクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルオリル、(メタ)アクリル酸2,3−ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3−トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tーブチルアミノエチル等が挙げられる。
【0025】
本発明における変性層状珪酸塩を用いた上記オレフィン系単量体の重合反応は、通常、有機アルミニウム化合物や硼素化合物のようなルイス酸共存下で行うことができる。
【0026】
上記ルイス酸としては、アルミノキサンまたは、一般式AlR3 n Z3-n (式中R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、Zは水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基を示す。nは0〜3の整数である)で表される有機アルミニウム化合物、硼素原子を有するルイス酸、及び硼素原子を有するイオン性化合物からなる群より選択される1種以上の化合物が好ましい。
【0027】
上記有機アルミニウム化合物のうち、アルミノキサンは、一般式R4 (Al(R5 )−Op AlR6 (式中R4 、R5 、及びR6 は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、pは2以上の整数を示す)、又は下記一般式(2)
(式中、R7 は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、pは2以上の整数を示す)で表される化合物である。
【0028】
上記R4 、R5 、R6 、及びR7 の炭素数は6以下のものが好ましく、4以下がさらに好ましい。
【0029】
上記アルミノキサンの製造方法については、トリアルキルアルミニウムと水との直接の反応や金属塩の水和物との反応が知られている。
【0030】
上記一般式AlR3 n Z3-n で表される有機アルミニウム化合物としては、種々のものが例示でき、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジオクチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムモノクロライド;メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソプロピルアルミニウムセスキクロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロライド、オクチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセスキクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソプロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、オクチルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;メトキシジエチルアルミニウム、ジイソプロポキシメチルアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム等のアルコキシ基含有アルミニウム化合物等が挙げられる。
【0031】
上記有機金属化合物の内、硼素原子を有するルイス酸としては、一般式BR8 3で表される化合物が挙げられる。ここで、R8 は、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有してもよいフェニル基;フッ素原子を示す。具体的には、トリフルオロ硼素、トリフェニル硼素、トリス(4−フルオロフェニル)硼素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)硼素、トリス(4−フルオロメチルフェニル)硼素、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリス(p−トリル)硼素、トリス(o−トリル)硼素、トリス(3,5−ジメチルフェニル)硼素等が挙げられる。この中では、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼素が好ましい。
【0032】
また、上記有機金属化合物のうち、硼素原子を有するイオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩が挙げられる。
具体的には、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)硼素などのトリアルキル置換アンモニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素などのN,N−ジアルキルアニリニウム塩;ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラペンタフルオロフェニル硼素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素などのジアルキルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素などのトリアリールホスフォニウム塩等が挙げられ、さらに、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボロネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート等も挙げられる。
【0033】
また、以下のようなアニオンの塩も、硼素原子を有するイオン性化合物として挙げられる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物において、対イオンは、一般例としてトリ(n−ブチル)アンモニウムを示しているがこれに限定されない。)
上記アニオンの塩としては、例えば、ビス〔トリ( n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート等、さらに、例えば、ボラン及びカルボラン錯化合物;カルボランアニオンの塩;カルボラン及びカルボランの塩等が挙げられる。
【0034】
さらに、以下のような金属カルボランの塩及び金属ボランアニオンも、硼素原子を有するイオン性化合物として挙げられる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物において、対イオンは一般例としてトリ(n−ブチル)アンモニウムを示しているがこれに限定されない。)
上記金属カルボランの塩及び金属ボランアニオンとしては、例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケレート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)キュプレート(銅酸塩)(III) 等が挙げられる。
【0035】
上記ルイス酸の使用量は、遷移金属錯体の金属原子1モルに対して、アルミニウム化合物は、アルミニウム原子が通常、約1〜10,000モルが好ましく、より好ましくは2〜5,000モルである。また、硼素原子を有するルイス酸もしくはイオン性化合物は、上記銅化合物の銅原子1モルに対して、硼素原子が通常、1〜500モルが好ましく、より好ましくは1〜100モルである。
【0036】
また、上記重合反応系においては、必要に応じて、安息香酸エチル等の電子供与性化合物や分子中にフェノール構造を有する化合物が添加されてもよい。これらの化合物を加えると、著しく重合活性が向上することがある。
【0037】
上記重合反応は、不活性気体雰囲気下にて行なうことが好ましい。不活性気体としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が用いられる。
【0038】
上記重合に使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、無溶媒でも重合可能である。
【0039】
重合温度は、用いた溶媒の融点から沸点までの温度範囲が好ましく、また加圧下においては、常圧での沸点以上の幅広い温度範囲において重合可能である。
具体的な重合温度は、通常、−20℃〜200℃が好ましく、より好ましくは0℃〜120℃である。また、具体的な重合圧力は、通常、大気圧〜100kgf/cm2 が好ましく、より好ましくは大気圧〜50kgf/cm2 である。
【0040】
本発明中に記載される変性層状珪酸塩の平均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により算出できる。層間は凝集してないことが、機械物性及びガスバリア性などの機能発現に有利であり、具体的には平均層間距離は60Å以上であることが好ましい。
一般に、分散されていない層状珪酸塩の層間距離は、イオン結合力により互いに凝集し、10Å程度の層間距離にて安定に存在する。この層間のイオン相互作用を極力小さくせしめること、すなわち層間距離を60Å以上にせしめることにより、層状珪酸塩の薄片を離砕し樹脂中に分散させることが可能となる。上述のように、層状珪酸塩の薄片を樹脂中に分散することができれば、複合体の機械強度、熱的特性を著しく改善することが可能となる。
【0041】
本発明における熱可塑性樹脂は、特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系樹脂などが挙げられる。
【0042】
ポリオレフィン系樹脂については、特に限定されず、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンのランダム及びブロック共重合体、エチレンの単独重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体、ブテンの単独重合体、イソプレンの単独重合体、ブタジエンなどのジエン類の単独重合体及び共重合体等が挙げられる。
【0043】
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペプテン、1−オクテン等が挙げられる。またこれらのポリオレフィン種得られる物性を考慮した上で、適当な組み合わせにてブレンドされていても構わない。
【0044】
また、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂の分子量及び分子量分布は特に制限されず、重量平均分子量が5, 000〜5, 000, 000、好ましくは20, 000〜800, 000であり、分子量分布(=重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜80、好ましくは1.5〜40とすることが望ましい。
【0045】
本発明の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物の該変性層状珪酸塩/樹脂複合体と該熱可塑性樹脂配合量としては、該複合体中のオレフィン系樹脂成分及び該熱可塑性樹脂の合計量100重量部に対して層状珪酸塩成分が0.1〜50重量部であることが好ましい。0.1重量部より少ない場合は、物性向上効果が十分でなく、50重量部を超えると脆性破壊が起きやすくなる。
【0046】
本発明用いるポリオレフィン系樹脂には適宜添加剤が添加されていても構わない。酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤、等の添加剤は、所望の物性を得る為に適宜用いられる。結晶核剤となりうるものを少量添加して、結晶を微細化して、物性を均一化する補助とすることも可能である。
【0047】
アクリル系樹脂としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n −プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n −ブチル、メタクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec −ブチル、(メタ)アクリル酸t −ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n −へキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸2 −エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n −オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸n −トリデシル、(メタ)アクリル酸トリスチル、(メタ)アクリル駿セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2 −ナフチル、(メタ)アクリル酸2,4,6 −トリクロロフェニル、(メタ)アクリル酸2,4,6 −トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2 −メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2 −エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルオリル、(メタ)アクリル酸2,3 −ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸2 −クロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2 −トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3 −トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2 −ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2 −ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t −ブチルアミノエチルの単独重合体もしくは共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
層状珪酸塩を重合担体としてオレフィン重合に使用する試みは、種々の方法が開示されている。特開平7−309906号公報では、イオン交換性層状化合物とメタロセン系遷移金属化合物、有機アルミニウム化合物を接触処理して調製した触媒をもって、オレフィンの重合を検討している。しかし、この方法はオレフィン重合の高活性化が目的であり、遷移金属化合物が層状化合物の層間には配置していないため、本発明のめざす層状珪酸塩が高分散を実現することができず、高い機械物性やガスバリア性などの機能発現は望めない。
【0049】
本発明における熱可塑性樹脂/層状珪酸塩複合体は種々の方法で作製することができる。熱可塑性樹脂と層状珪酸塩複合体を、押出機、二本ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練したり、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩の両者が溶解する有機溶媒中での複合等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0050】
(作用)
以下に本発明の作用について詳述する。
【0051】
本発明の変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物は、上述の通り構成されており、本発明において最も注目すべきことは、層状珪酸塩の結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金属イオンを、遷移金属錯体でイオン交換し、この変性層状珪酸塩を用いて、オレフィン系単量体を重合開始させることにより、層状珪酸塩の薄片をポリマー中に均一に分散させることにある。
【0052】
一般に層状珪酸塩の結晶薄片は、例えば、モンモリロナイトのように、珪素等のイオンの回りに4つの酸素イオンが配位した4面体、アルミニウム等のイオンの回りに6つの酸素イオンが配位した8面体、およびOH基から構成され各々の結晶薄片は、結晶表面上にナトリウムやカルシウム等のカチオンが配列することによりイオン結合力により結びつけられている。そして、このような、層状珪酸塩の薄片を分散させるためには、結晶表面同志の電気的相互作用に購うエネルギーを層間に与え、媒体中に均一に分散させる必要がある。
【0053】
そのため、本発明では、層状珪酸塩の層間に存在する遷移金属により重合が開始され、オレフィン系ポリマーが生成するに従って、通常10Å程度であった層状珪酸塩の層間距離が徐々に広がっていく、これにより、層間のイオン相互作用が小さくなるため、ポリマー中に均一に分散しやすくなるためである。
さらに、上記結晶表面上のナトリウムやカルシウム等のイオンは、カチオン性物質とのイオン交換性を有する為、カチオン性を有する種々の物質を層間に挿入することが出来る。この性質を利用し、該イオンをカチオン性界面活性剤とイオン交換することが可能であり、本発明では、これに使用するカチオン性界面活性剤により非極性性の高いカチオン種である炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを用いることで、層状結晶表面は非極性化され、非極性ポリマー中における層状珪酸塩はさらに分散しやすくなる。
【0054】
一般に層状珪酸塩の結晶薄片がポリマー中に分散する程、ポリオレフィン系樹脂−層状珪酸塩複合材料の弾性率やガスバリヤー性は著しく向上する。これらの現象は、層状珪酸塩と樹脂との界面積が、結晶薄片の分散の向上に伴い増大することにより説明することができる。
即ち、ポリマーと無機結晶との接着面においてポリマーの分子運動が拘束されることにより、ポリマー弾性率等の力学強度が増大する為、結晶薄片の分散割合が向上する程、効率的にポリマー強度を増大させることができる。
また、無機物に比較してポリマーはガス分子がはるかに拡散しやすいため、複合材料中をガス分子が拡散する際には、無機物を迂回しながら拡散する。従ってこの場合も、結晶薄片の分散割合が向上する程、効率的にガスバリヤーを増大させることができる。
このため、本発明により、結晶薄片の分散割合を著しく向上させることが出来、その結果、機械的強度やガスバリヤー性に優れたポリオレフィン材料が得ることが可能となる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
〔用いた原材料〕
(層状珪酸塩)
層状珪酸塩として、以下に示す鉱物を用いた。
・モンモリロナイト:豊順鉱業製モンモリロナイト(商品名;ベンゲルA)
・4級アンモニウム塩処理モンモリロナイト:豊順鉱業製ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩処理モンモリロナイト(商品名;ニューエスベンD)
(遷移金属錯体)
遷移金属錯体として、以下に示す化合物を用いた。
・ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド:アルドリッチ社製
(カチオン系界面活性剤)
カチオン系界面活性剤として、以下に示す化合物を用いた。
・ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド:和光純薬工業製
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂として、以下に示す化合物を用いた。
・ポリプロピレン:日本ポリケム社製(商品名;EA9)
(樹脂オリゴマー)
従来技術との比較に用いる樹脂オリゴマーとして以下の各組成物を用いた。
・無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー:三洋化成社製(商品名;ユーメックス1001、官能基含有量=0.23mmol/g)
【0057】
(実施例1)
(変性層状珪酸塩:遷移金属錯体による層状珪酸塩中の金属イオンの交換)
豊順鉱業製モンモリロナイト(商品名;ベンゲルA)5g と蒸留水495g をビーカー中に投入し、モーター撹拌機を用いて常温にて2時間撹拌し、モンモリロナイトの膨潤スラリーを調製した。
さらに、ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド0.27gを同スラリー中に投入し、モーター撹拌機を用いて、常温にて24時間撹拌を行った後、遠心分離装置にて固形分を分離した。同固形分に付着している不要分を除去するために、蒸留水中に同固形分を再度分散、及び遠心分離装置にて固形分を分離する操作を、さらに2回繰り返した。
得られた固形分を、真空乾燥機を使用して50℃で48時間真空乾燥した組成物を、変性層状珪酸塩として使用した。(収量5.10g)
【0058】
(エチレンの重合)
300mlの耐圧ガラス容器をアルゴン置換した後、上記で調製した変性層状珪酸塩(シクロペンタジエニルチタンジクロリド・ジステアリルジメチルアンモニウム添加モンモリロナイト)5.00gをトルエン150mlに溶解させた。これにメチルアルモキサン(アルドリッチ社製、10%トルエン溶液)、30mlを10分かけてシリンジより滴下した。次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内を1.1kg/cm2 に保ちながら、0℃で4時間重合を行った。反応後、系内にメタノール300mlを加えて反応を停止させ、沈殿した重合物を回収して、変性層状珪酸塩/樹脂複合体13.5gを得た。
【0059】
得られた変性層状珪酸塩/樹脂複合体は、フーリエ変換型赤外分光計(FT−IR)を用いて解析し、ポリエチレン由来の721cm-1のピークを観測した。さらに、熱重量測定装置(TGA)にて解析した結果、該組成物中の無機成分量は実施例1では46%であった。
【0060】
(変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂の複合)
日本製鋼所製小型押出機 TEX30中に、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン:商品名;EA9)と上記変性層状珪酸塩/樹脂複合体が重量比率で92. 7/7. 7となるようにフィードし、設定温度200℃にて溶融混練し、押し出されたストランドをペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットを200℃に温調した熱プレスにより厚さ2mmまたは厚さ100μmの板状物を成形した。
【0061】
(サンプル評価方法)
1)層状珪酸塩の層間距離
X線回折測定装置(リガク製;RINT1100)により複合物中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、ブラックの回折式(1)を用いて該層状珪酸塩の面間隔を算出した。
λ=2dsinθ ・・・・(1)
(λ=1.54、d;層状珪酸塩の面間隔、θ;回折角)
(1)式より得られたdを平均層間距離と称することとした。
2)曲げ弾性率
上記2mm厚の板状物から試験片を切り出し、JIS K7207に規定される方法にて、テンシロン試験機を用いて測定した。
3)ガスバリヤー性
上記100μm厚の板状物から試験片を切り出し、酸素透過性試験機(モダンコントロール社製:装置名 Oxtran-Twin)にて酸素ガスの透過速度を測定した。
上記評価結果を表1に示した。
【0062】
(実施例2)
(変性層状珪酸塩:遷移金属錯体・アルキルアンモニウム塩含有有機層状珪酸塩の合成)
豊順鉱業製モンモリロナイト(商品名;ベンゲルA)5g と蒸留水495g を1リットルをビーカー中に投入し、モーター撹拌機を用いて常温にて2時間撹拌し、モンモリロナイトの膨潤スラリーを調製した。さらに、ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド0.27gを同スラリー中に投入し、モーター撹拌機を用いて、常温にて24時間撹拌を行った。
さらにジステアリルジメチルアンモニウムクロライド2.88g及び濃塩酸0.001gを同スラリーに添加し、モーター撹拌機を用いて、常温にて8 時間撹拌を行った後、遠心分離装置にて固形分を分離した。同固形分に付着している不要分を除去するために、蒸留水中に同固形分を再度分散、及び遠心分離装置にて固形分を分離する操作を、さらに2回繰り返した。
得られた固形分を、真空乾燥機を使用して50℃で48時間真空乾燥した組成物を、変性層状珪酸塩として使用した。(収量8.01g)
【0063】
(エチレンの重合)
300mlの耐圧ガラス容器をアルゴン置換した後、上記で調製した変性層状珪酸塩(シクロペンタジエニルチタンジクロリド・ジステアリルジメチルアンモニウム添加モンモリロナイト)7.00gをトルエン150mlに溶解させた。メチルアルモキサン(アルドリッチ社製、10%トルエン溶液)、30mlを10分かけてシリンジより滴下した。次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内を1.1kg/cm2 に保ちながら、0℃で4時間重合を行った。反応後、系内にメタノール300mlを加えて反応を停止させ、沈殿した重合物を回収して、変性層状珪酸塩/樹脂複合体17.5を得た。
【0064】
得られた変性層状珪酸塩/樹脂複合体は、フーリエ変換型赤外分光計(FT−IR)を用いて解析し、ポリエチレン由来の721cm-1のピークを観測した。さらに、実施例1と同様にして該組成物中の無機成分量を評価した結果、43%であった。
【0065】
(変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂の複合)
熱可塑性樹脂と変性層状珪酸塩/樹脂複合体を実施例1と同様にして得た。
上記組成物の評価結果を表1に示した。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂単独(EA9)で押し出されたストランドをペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットを200℃に温調した熱プレスにより厚さ2mmまたは厚さ100μmの板状物を成形した。
サンプルについて物性を評価した。
ポリプロピレン樹脂単独押出品では曲げ弾性率が1.37GPa、酸素透過性が284cc/ cm2/日であった。上記評価結果を表1に示した。
(比較例2)
ポリプロピレン(EA9)と無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー(ユーメックス1001)を90:10の割合で混合したこと以外は、比較例1と同様に行った。
ポリプロピレン樹脂単独押出品では曲げ弾性率が1.46GPa、酸素透過性が241cc/ cm2/日であった。上記評価結果を表1に示した。
(比較例3)
層状珪酸塩として、カチオン系界面活性剤のみで有機処理を行った層状珪酸塩(ニューエスベンD)を用いて上記層状珪酸塩と熱可塑性樹脂の複合を実施例1と同様に行った。
結果、曲げ弾性率が1.46GPa、酸素透過性が241cc/ cm2/日とやや改善されるにとどまった。上記評価結果を表1に示した。
(比較例4)
ポリプロピレン(EA9)と無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー(ユーメックス1001)を90:10の割合で混合したこと以外は、比較例3と同様に行った。結果、曲げ弾性率が1.98GPa、酸素透過性が205cc/ cm2/日と向上した。しかし、この場合、ポリオレフィンオリゴマーのために、サンプルは黄色に着色し、脆化したものであった。上記評価結果を表1に示した。
(比較例5)
ポリプロピレン(EA9)と無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー(ユーメックス1001)を80:20の割合で混合したこと以外は、比較例3と同様に行った。結果、実施例4よりさらにこの黄変し、脆化した上に酸素透過性が280cc/ cm2/日と逆に低下する傾向が観測された。これは、酸変性オリゴマーが多量にポリプロピレン中に含有されることにより、ポリプロピレンの結晶構造が乱れることによりガス透過性が向上したことに由来すると考えられる。上記評価結果を表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】
(結果)
実施例1及び2により得られた発泡体のX線回折測定では、層間距離に相当する回折は得られなかった。測定に用いたX線装置は、2θ=1.5、則ち層間距離60Åが検出限界であり、60Å以上の層間距離は検出することが出来ない。測定の性質上、平均層間距離が60Å以下であれば、必ず回折が得られるはずであることから、本発明にて得られた発泡体中の層状珪酸塩は、いずれも60Å以上の平均層間距離を有することが示唆されるものである。
比較例1〜5と比較して、実施例1及び2では曲げ弾性率はいずれも単独のポリオレフィン樹脂に対して2倍以上、酸素バリヤー性は単独のポリプロピレンに対していずれも1/2以下と、顕著な物性改善効果が観測された。さらに、サンプルは白色で脆化は認められなかった。
【0068】
【発明の効果】
本発明では、上述の変性層状珪酸塩を用いることにより、ポリオレフィン系の単量体が変性層状珪酸塩の結晶層間で重合できるため、層間距離を広げることが可能となった。また、層状珪酸塩の結晶構造中に炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを用いることで、ポリマー中へ容易に層間距離を広げることが可能となった。また、変性層状珪酸塩/樹脂複合体を用いることにより、簡便な方法で熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩の薄片を均一に分散することが可能となった。
これにより、ポリマーの機械的強度、熱特性及びガスバリヤー性といった物性を著しく改良することが出来た。さらに、本発明によれば、ポリオレフィン樹脂の耐熱性(分子鎖の拘束による耐熱変形温度の上昇)、難燃性(燃焼ガスの拡散の抑制)、寸法安定性の増大(無機結晶による核剤効果)等の諸物性についても大幅な向上が可能である。
Claims (8)
- 層状珪酸塩の結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金属イオンが、遷移金属錯体でイオン交換されている変性層状珪酸塩の存在下でオレフィン系単量体を重合し得られることを特徴とする変性層状珪酸塩/樹脂複合体。
- 遷移金属錯体がIV族、X族、XI族の遷移金属錯体であることを特徴とする請求項1記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体。
- 層状珪酸塩100gに対して、遷移金属錯体が0.01〜100ミリ当量であることを特徴とする請求項1及び2記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体。
- 層状珪酸塩の結晶構造中に、遷移金属錯体の他に、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有して成ることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体。
- 層状珪酸塩が、モンモリロナイト、合成雲母のうち1種以上から選ばれることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体。
- 変性層状珪酸塩の平均層間距離が60Å以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物であって、該複合体中のオレフィン系樹脂成分及び該熱可塑性樹脂の合計量100重量部に対して層状珪酸塩成分が0.1〜50重量部であることを特徴とする変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物。
- 熱可塑性樹脂がプロピレン重合体、プロピレンと炭素数3以外のα−オレフィンの共重合体、エチレン重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求項7に記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24883599A JP3766240B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24883599A JP3766240B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001072410A JP2001072410A (ja) | 2001-03-21 |
JP3766240B2 true JP3766240B2 (ja) | 2006-04-12 |
Family
ID=17184140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24883599A Expired - Lifetime JP3766240B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3766240B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4584561B2 (ja) * | 2003-09-29 | 2010-11-24 | コープケミカル株式会社 | 有機粘土複合体 |
JP5706096B2 (ja) * | 2010-04-12 | 2015-04-22 | 旭化成株式会社 | ナノシートを含有するガスバリアシート |
KR101401019B1 (ko) | 2012-01-09 | 2014-05-30 | 도레이첨단소재 주식회사 | 백색 폴리에스테르 필름 및 그를 이용한 고반사 성능의 반사시트 |
-
1999
- 1999-09-02 JP JP24883599A patent/JP3766240B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001072410A (ja) | 2001-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5159302B2 (ja) | エチレンコポリマーを形成するためのシャトリング剤を含む触媒組成物 | |
US6686306B2 (en) | Supported dual transition metal catalyst systems | |
JP4886952B2 (ja) | 凝集した金属酸化物/粘土支持体−活性化剤を用いたメタロセンおよび拘束幾何触媒系そしてそれらの製造方法 | |
US6943224B2 (en) | Process for preparing supported transition metal catalyst systems and catalyst systems prepared thereby | |
JP5390194B2 (ja) | 応力耐久成形体用のプロピレン単独重合体、および該重合体を含む組成物、並びにこれらから得られる応力耐久成形体 | |
WO2001055231A1 (fr) | Polymeres olefiniques et leurs procedes de production | |
Zhang et al. | Synthesis and characterization of well-controlled isotactic polypropylene ionomers containing ammonium ion groups | |
WO1994000500A1 (en) | Solution phase polymerization process utilizing metallocene catalyst with production of olefin polymers | |
US6376416B1 (en) | Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer | |
JP2007262335A (ja) | 極性基含有プロピレン共重合体よりなるフィラー分散親和剤及びそれを用いた複合材 | |
JPH11302470A (ja) | プロピレン系樹脂フィルム | |
JPH10180964A (ja) | 二軸延伸複層フィルム | |
CN110603271A (zh) | 用于形成多嵌段共聚物的催化剂体系 | |
CA2431917C (en) | Polyolefin nano-composite | |
JP3766240B2 (ja) | 変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 | |
US7335703B2 (en) | Polyolefin graft copolymer prepared in the presence of coordination polymerization catalyst based on late transition metal complex and method for making the same | |
Kateb et al. | Synthesis of 1‐hexene/1, 7‐octadiene copolymers using coordination polymerization and postfunctionalization with triethoxysilane | |
JP4463435B2 (ja) | フィラー分散性改良材、フィラー含有樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP3578519B2 (ja) | エチレン−α−オレフィンランダム共重合体およびその製造法 | |
JP4041181B2 (ja) | プロピレン系重合体の製造方法 | |
JP2002270046A (ja) | 電線シース材 | |
KR100917529B1 (ko) | 지지된 전이 금속 촉매 시스템의 제조 방법 및 그 방법에 의해 제조된 촉매 시스템 | |
JPH0665388A (ja) | 架橋ポリオレフィンの製造方法 | |
JP2000095812A (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造法 | |
CN110612315A (zh) | 用于形成多嵌段共聚物的催化剂体系 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051031 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051109 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051206 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060126 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3766240 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140203 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |