JP2001072410A - 変性層状珪酸塩、変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
変性層状珪酸塩、変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
分散させることができ、複合材料の機械的強度及び熱的
特性、ガスバリア性に優れた樹脂−層状珪酸塩複合材料
を実現させることができる変性層状珪酸塩、変性層状珪
酸塩/樹脂複合体及び前記複合体と熱可塑性樹脂とから
なる組成物を提供する。 【解決手段】 層状珪酸塩の結晶構造中に交換性カチオ
ンとして含有する金属イオンが、遷移金属錯体でイオン
交換されている変性層状珪酸塩と、該変性層状珪酸塩存
在下でオレフィン系単量体を重合することにより得られ
る変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記変性層状珪酸塩
/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物。
Description
変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記複合体と熱可塑性
樹脂とからなる組成物に関する。
スペクト比がおよそ20〜200の微細な薄片状結晶の
イオン結合による凝集より成る無機鉱物であり、この凝
集構造を化学的または物理的な手段により離砕し、有機
ポリマー中に薄片を均一に分散させることで、ポリマー
材料の機械物性、熱的特性、ガスバリヤー性等の性質を
改善できることが、従来より知られている。
有機ポリマー中に均一分散させる為には、薄片間のイオ
ン相互作用を出来るだけ小さくせしめ、ポリマー中に容
易に分散させる為の手段を講じる必要がある。例えば、
特公平8─22946号公報においては、アミノカルボ
ン酸を層状珪酸塩にインターカレートすることで層間の
間隔を予め拡げておき、次いでポリアミドモノマーであ
るεカプロラクタムを層間に挿入させると同時に重縮合
させることによりポリアミド樹脂中に層状珪酸塩の薄片
を均一に分散させた構造を形成することが出来ることを
報告している。しかしポリアミドのようにモノマーを層
状珪酸塩の層間に挿入出来るポリマー種以外のポリマー
種において層状珪酸塩をマトリックス中に均一分散せし
めることは一般に極めて困難である。この問題を解決す
るために、種々のアプローチが開示されている。
やポリプロピレンといったポリマーに元来親水性の高い
層状珪酸塩を均一に分散させることは一般に極めて困難
である。この問題を解決するために、種々の方法が開示
されている。例えば、特開平8─53572号公報で
は、有機オニウムイオンを層状珪酸塩にインターカレー
トし層間の間隔を予め広げておき次いでオレフィン系熱
可塑性樹脂を融解状態で混合することにより層状珪酸塩
をポリマー中に分散するという方法が開示されており、
特開平10─182892号公報では、有機化層状珪酸
塩と、0. 001mmol/g以上かつ0. 45mmo
l/gの水素結合性官能基を含有するポリオレフィンオ
リゴマー、およびポリオレフィンポリマーを溶融混練す
ることにより、層状珪酸塩がポリマー中で無限膨潤した
ポリオレフィン系樹脂−層状珪酸塩複合材料を調製する
ことが出来ることを開示している。
報に記載の方法では、層間は有機オニウムイオンのイン
ターカレートにより層間が若干広がっているものの、オ
レフィン系樹脂の分子が容易に層間に連続して挿入する
には層間の結合力が高すぎるため、層状珪酸塩の無限膨
潤は殆ど困難である。
記載の方法では、層状珪酸塩の結晶薄片をポリマー中に
均一に分散させた材料を工業材料として使用することは
現実的には極めて困難である。すなわち、オリゴマー中
の官能基と層状珪酸塩表面の水酸基とを溶融混練中に反
応させる為、必ずしも層状珪酸塩の水酸基が該官能基に
より効率的に処理されるわけではない。さらに、実際に
層状珪酸塩の均一分散を達成する為には多量のオリゴマ
ーが必要となる。しかしこのようなオリゴマー成分がポ
リマー中に多量に含有されると、機械物性特に耐衝撃性
が著しく低下し、コストの点からも好ましくない。
に鑑み、ポリオレフィン系樹脂及び各種ポリマー中に層
状珪酸塩の薄片を容易に均一分散させることができ、複
合材料の機械的強度及び熱的特性、ガスバリア性に優れ
た樹脂−層状珪酸塩複合材料を実現させることができる
変性層状珪酸塩、変性層状珪酸塩/樹脂複合体及び前記
複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物を提供しようと
するものである。
に請求項1の本発明では、層状珪酸塩の結晶構造中に交
換性カチオンとして含有する金属イオンが、遷移金属錯
体でイオン交換されていることを特徴とする変性層状珪
酸塩を提供する。また、請求項2の本発明では、遷移金
属錯体がIV族、X族、XI族の遷移金属錯体であるこ
とを特徴とする請求項1記載の変性層状珪酸塩を提供す
る。また、請求項3の本発明では、層状珪酸塩100g
に対して、遷移金属錯体が0.01〜100ミリ当量で
あることを特徴とする請求項1及び2記載の変性層状珪
酸塩を提供する。また、請求項4の本発明では、層状珪
酸塩の結晶構造中に、遷移金属錯体の他に、炭素数6以
上のアルキルアンモニウムイオンを含有して成ることを
特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の変性層状
珪酸塩を提供する。また、請求項5の本発明では、層状
珪酸塩が、モンモリロナイト、合成雲母のうち1種以上
から選ばれることを特徴とする、請求項1〜4いずれか
一項に記載の変性層状珪酸塩を提供する。また、請求項
6の本発明では、請求項1〜5いずれか一項に記載の変
性層状珪酸塩の存在下でオレフィン系単量体を重合し得
られることを特徴とする変性層状珪酸塩/樹脂複合体を
提供する。また、請求項7の本発明では、変性層状珪酸
塩の平均層間距離が60Å以上であることを特徴とする
請求項6記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体を提供す
る。また、請求項8の本発明では、請求項6及び7記載
の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と該熱可塑性樹脂とから
なる組成物であって、該複合体中のオレフィン系樹脂成
分及び熱可塑性樹脂の合計量100重量部に対して層状
珪酸塩成分が0.1〜50重量部であることを特徴とす
る変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからな
る組成物を提供する。また、請求項9の本発明では、熱
可塑性樹脂がプロピレン重合体、プロピレンと炭素数3
以外のα−オレフィンの共重合体、エチレン重合体、エ
チレンとα−オレフィンの共重合体であることを特徴と
する請求項8記載の変性層状珪酸塩/樹脂複合体と熱可
塑性樹脂とからなる組成物を提供する。
発明における層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを
有する珪酸塩鉱物を意味し、通常、厚さが約1nm、平
均アスペクト比がおよそ20〜200程度の微細な薄片
状結晶がイオン結合により凝集してなるものである。層
状珪酸塩の種類は特に限定されず、モンモリロナイト,
サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,スティブン
サイト,ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物
のほか,バーミキュライト,ハロイサイト,及び膨潤性
マイカなどが挙げられ、天然のものでも合成されたもの
でも用いることが出来る。好ましくは、モンモリロナイ
ト、合成雲母が用いられる。さらに好ましくは、複合材
料の機械強度やガスバリア性の面から、計算式(1)に
て定義される形状異方性効果が大きい膨潤性マイカであ
る。 形状異方性効果=結晶側面(A)の面積/層状結晶表面(B)の面積・・(1)
限定されず、層状珪酸塩100gに対して、50〜20
0ミリ当量であることが好ましい。50ミリ当量未満の
場合には、結晶層間にイオン交換によりインターカレー
トされるカチオン系界面活性剤の量が少ない為に、層間
が十分に非極性化されない場合があり、一方,200ミ
リ当量を越える場合には,層状珪酸塩の層間の結合力が
強固となり,結晶薄片をデラミネートすることが困難な
場合があるからである。
属原子に、配位子が結合したものである。配位子は特に
限定されず、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素−
置換メタロイド基等により置換されたシクロペンタジエ
ン環;シクロペンタジエニルオリゴマ−環;インデニル
環;炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素−置換メタ
ロイド基等により置換されたインデニル環等や、塩素、
臭素等の1価のアニオンリガンド;2価のアニオンキレ
−トリガンド;炭化水素基;アルコキシド;アリ−ルア
ミド;アリ−ルオキシド;アミド;アリ−ルアミド;ホ
スフィド;アリ−ルホスフィド;シリル基;置換シリル
基等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブチル基、
へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル
基、2−エチルヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、
これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
は、特に限定されるものではないが、例えば、シクロペ
ンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メ
チルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチル
アミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−
ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテ
トラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェ
ニルアミドジルコニウムクロリド、メチルフェニルシリ
ルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミ
ドハフニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス
(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ
エチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n
−プロピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−
n−ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等のI
V族遷移金属錯体、ビピリジン、置換ビピリジン、ビス
オキサゾリン、置換ビスオキサゾリン、一般式 ArN
=CR1 CR2 =NArであらわされる(式中Arはフ
ェニル基、または置換フェニル基などのアリル基、
R1 、R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
リル基、R1 、R2 が結合した環状炭化水素基)各種ジ
イミン、N,N’−ジメチルアミジナト、N,N’−ジ
エチルアミジナト、N,N’−ジイソプロピルアミジナ
ト、N,N’−ジ−t−ブチルアミジナト、N,N’−
トリフルオロメチルアミジナト、N,N’−ジフェニル
アミジナト、N,N’−ジ置換フェニルアミジナト、
N,N’−ジトリメチルシリルアミジナト、N,N’−
ジメチルベンズアミジナト、N,N’−ジエチルベンズ
アミジナト、N,N’−ジイソプロピルベンズアミジナ
ト、N,N’−ジ−t−ブチルベンズアミジナト、N,
N’−トリフルオロメチルベンズアミジナト、N,N’
−ジフェニルベンズアミジナト、N,N’−ジトリメチ
ルシリルベンズアミジナト、N,N’−ジ置換フェニル
ベンズアミジナト配位のニッケル、パラジウム、銅、銀
などのX族、XI族遷移金属錯体が挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
金属であればなんでもよく、好ましくはチタン、ジルコ
ニウム、ハフニウムなどのIV族元素、ニッケル、パラ
ジウム、白金のX族、銅、銀、金のXI族の遷移金属が
好適に使用される。
100g当たり、0.01〜100ミリ当量であること
が好ましい。0.01ミリ当量より少ない場合は、効果
が発現せず、100ミリ当量より追い場合は、使用する
種類にもよるが、変性層状珪酸塩の安定性が悪くなる。
また、ここで言う当量とは、層状珪酸塩100g当たり
の陽イオンの交換容量を示す。
陽イオンとは、結晶表面上のナトリウムやカルシウム等
のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質と
のイオン交換性を有する為、カチオン性を有する種々の
物質を層間に挿入することが出来る。このため、本発明
に用いる層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオン
は、予めカチオン系界面活性剤等によりイオン交換され
ていても構わない。特に熱可塑性樹脂として、オレフィ
ン系樹脂等の非極性樹脂を用いる場合には、層間を予め
例えば、カチオン系界面活性剤による陽イオン交換によ
り、疎水化しておく方が、層状珪酸塩と熱可塑性樹脂と
の間に高い親和性が得られるので好ましい。
基を有するカチオン系界面活性剤にてイオン交換されて
いるものを「有機化層状珪酸塩」と称し、有機化されて
いない層状珪酸塩よりも樹脂中に分散されやすいので好
適に用いられる。
る物質については、特に限定されず、通常、用いられる
カチオン系界面活性剤が用いられ、例えば、4級アンモ
ニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。好まし
くは、炭素数6以上のアルキル鎖を有する4級アンモニ
ウム塩が用いられる。炭素数が6以上のアルキル鎖を含
有しない場合には,アルキルアンモニウムイオンの親水
性が強く、層状珪酸塩の層間を十分に非極性化すること
が困難となる。
ば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルト
リメチルアンモニム塩、トリオクチルアンモニウム塩、
ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメ
チルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニ
ウム塩等が挙げられる。
水酸基と化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基
を有する化合物により処理することができる。水酸基と
化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基を有する
化合物については、特に限定されるものではないが、ア
ルコシキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基叉
は無水マレイン酸基、イソシアネート基、アルデヒド基
等、水酸基との化学親和性が高い官能基である必要があ
る。これらの官能基を含有する化合物として、例えば、
前記官能基を含むシラン化合物、チタネート化合物、グ
リシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げ
られる。
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リス(βメトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N −β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N −β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オク
タデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
等が挙げられる。
は、分子内に重合性二重結合を有するものである。特に
限定はされず、炭化水素系オレフィン及びα−置換オレ
フィンであり、炭化水素系オレフィンは、例えば、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1
−ペンテン等のα−オレフィン;ブタジエン等のジエン
が挙げられる。
ば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−塩
化スチレン、p−塩化スチレン、o−臭化スチレン、p
−臭化スチレン、p−ニトロスチレン、o−メトキシス
チレン、p−メトキシスチレン、(メタ)アクリル酸エ
ステル、(メタ)アクリロニトリル、及びこれらの誘導
体等が挙げられる。
テルとは、アクリル酸エステル、又は、メタクリル酸エ
ステルを意味する。上記(メタ)アクリル酸エステルと
しては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)ア
クリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、
(メタ)アクリル酸トリスチル、(メタ)アクリル酸セ
チル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリ
ル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アク
リル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メ
タ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2,4,
6−トリクロロフェニル、(メタ)アクリル酸2,4,
6−トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル
酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)
アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフル
オリル、(メタ)アクリル酸2,3−ジブロモプロピ
ル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)ア
クリル酸2,2,2−トリフロロエチル、(メタ)アク
リル酸ヘキサフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3−トリメトキシシ
リルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸tーブチルアミノエチル等が挙
げられる。
記オレフィン系単量体の重合反応は、通常、有機アルミ
ニウム化合物や硼素化合物のようなルイス酸共存下で行
うことができる。
たは、一般式AlR3 n Z3-n (式中R3 は炭素数1〜
20の炭化水素基、Zは水素、ハロゲン、アルコキシ、
アリロキシ、シロキシ基を示す。nは0〜3の整数であ
る)で表される有機アルミニウム化合物、硼素原子を有
するルイス酸、及び硼素原子を有するイオン性化合物か
らなる群より選択される1種以上の化合物が好ましい。
ミノキサンは、一般式R4 (Al(R5 )−Op AlR
6 (式中R4 、R5 、及びR6 は炭素数1〜10の炭化
水素基を示し、pは2以上の整数を示す)、又は下記一
般式(2) (式中、R7 は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、p
は2以上の整数を示す)で表される化合物である。
は6以下のものが好ましく、4以下がさらに好ましい。
は、トリアルキルアルミニウムと水との直接の反応や金
属塩の水和物との反応が知られている。
機アルミニウム化合物としては、種々のものが例示で
き、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等の
トリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウム
などのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソ
プロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミ
ニウムクロライド、ジオクチルアルミニウムクロライド
等のジアルキルアルミニウムモノクロライド;メチルア
ルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセス
キクロライド、イソプロピルアルミニウムセスキクロラ
イド、イソブチルアルミニウムセスキクロライド、オク
チルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミ
ニウムセスキクロライド;メチルアルミニウムジクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライド、イソプロピル
アルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジ
クロライド、オクチルアルミニウムジクロライド等のア
ルキルアルミニウムジクロライド;メトキシジエチルア
ルミニウム、ジイソプロポキシメチルアルミニウム、ト
リイソプロポキシアルミニウム等のアルコキシ基含有ア
ルミニウム化合物等が挙げられる。
るルイス酸としては、一般式BR8 3で表される化合物が
挙げられる。ここで、R8 は、フッ素原子、メチル基、
トリフルオロメチル基などの置換基を有してもよいフェ
ニル基;フッ素原子を示す。具体的には、トリフルオロ
硼素、トリフェニル硼素、トリス(4−フルオロフェニ
ル)硼素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)硼
素、トリス(4−フルオロメチルフェニル)硼素、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリス(p−トリ
ル)硼素、トリス(o−トリル)硼素、トリス(3,5
−ジメチルフェニル)硼素等が挙げられる。この中で
は、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼素が好まし
い。
子を有するイオン性化合物としては、トリアルキル置換
アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、
ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウ
ム塩が挙げられる。具体的には、トリエチルアンモニウ
ムテトラ(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウム
テトラ(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムテトラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウム
テトラ(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウムテ
トラ(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、ト
リブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニ
ル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アン
モニウムテトラ(o−トリル)硼素などのトリアルキル
置換アンモニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウム
テトラ(フェニル)硼素、N,N−2,4,6−ペンタ
メチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素などのN,
N−ジアルキルアニリニウム塩;ジ(1−プロピル)ア
ンモニウムテトラペンタフルオロフェニル硼素、ジシク
ロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素などの
ジアルキルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウ
ムテトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)
ホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素などのトリアリ
ールホスフォニウム塩等が挙げられ、さらに、トリフェ
ニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニ
ウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート等も挙
げられる。
原子を有するイオン性化合物として挙げられる。(な
お、以下に列挙するイオン性化合物において、対イオン
は、一般例としてトリ(n−ブチル)アンモニウムを示
しているがこれに限定されない。)上記アニオンの塩と
しては、例えば、ビス〔トリ( n−ブチル)アンモニウ
ム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)
アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔ト
リ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボ
レート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデ
カボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カル
バウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム
1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレー
ト、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カル
バドデカボレート等、さらに、例えば、ボラン及びカル
ボラン錯化合物;カルボランアニオンの塩;カルボラン
及びカルボランの塩等が挙げられる。
及び金属ボランアニオンも、硼素原子を有するイオン性
化合物として挙げられる。(なお、以下に列挙するイオ
ン性化合物において、対イオンは一般例としてトリ(n
−ブチル)アンモニウムを示しているがこれに限定され
ない。)上記金属カルボランの塩及び金属ボランアニオ
ンとしては、例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレー
ト)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウ
ンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III) 、トリ
(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライ
ド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルテート
(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデ
カハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)
ニッケレート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデ
カボレート)キュプレート(銅酸塩)(III) 等が挙げら
れる。
金属原子1モルに対して、アルミニウム化合物は、アル
ミニウム原子が通常、約1〜10,000モルが好まし
く、より好ましくは2〜5,000モルである。また、
硼素原子を有するルイス酸もしくはイオン性化合物は、
上記銅化合物の銅原子1モルに対して、硼素原子が通
常、1〜500モルが好ましく、より好ましくは1〜1
00モルである。
応じて、安息香酸エチル等の電子供与性化合物や分子中
にフェノール構造を有する化合物が添加されてもよい。
これらの化合物を加えると、著しく重合活性が向上する
ことがある。
行なうことが好ましい。不活性気体としては、窒素、ヘ
リウム、アルゴン等が用いられる。
ば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロ
ロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンのような炭化水素類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ
るが、無溶媒でも重合可能である。
での温度範囲が好ましく、また加圧下においては、常圧
での沸点以上の幅広い温度範囲において重合可能であ
る。具体的な重合温度は、通常、−20℃〜200℃が
好ましく、より好ましくは0℃〜120℃である。ま
た、具体的な重合圧力は、通常、大気圧〜100kgf
/cm2 が好ましく、より好ましくは大気圧〜50kg
f/cm2 である。
均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均
の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微
鏡撮影により算出できる。層間は凝集してないことが、
機械物性及びガスバリア性などの機能発現に有利であ
り、具体的には平均層間距離は60Å以上であることが
好ましい。一般に、分散されていない層状珪酸塩の層間
距離は、イオン結合力により互いに凝集し、10Å程度
の層間距離にて安定に存在する。この層間のイオン相互
作用を極力小さくせしめること、すなわち層間距離を6
0Å以上にせしめることにより、層状珪酸塩の薄片を離
砕し樹脂中に分散させることが可能となる。上述のよう
に、層状珪酸塩の薄片を樹脂中に分散することができれ
ば、複合体の機械強度、熱的特性を著しく改善すること
が可能となる。
されず、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリカーボネート
系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系
樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアリーレン
スルフィド系樹脂などが挙げられる。
定されず、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチ
レンのランダム及びブロック共重合体、エチレンの単独
重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体、ブテン
の単独重合体、イソプレンの単独重合体、ブタジエンな
どのジエン類の単独重合体及び共重合体等が挙げられ
る。
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ペプテン、1−オクテン等
が挙げられる。またこれらのポリオレフィン種得られる
物性を考慮した上で、適当な組み合わせにてブレンドさ
れていても構わない。
脂の分子量及び分子量分布は特に制限されず、重量平均
分子量が5, 000〜5, 000, 000、好ましくは
20, 000〜800, 000であり、分子量分布(=
重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜80、好ま
しくは1.5〜40とすることが望ましい。
可塑性樹脂とからなる組成物の該変性層状珪酸塩/樹脂
複合体と該熱可塑性樹脂配合量としては、該複合体中の
オレフィン系樹脂成分及び該熱可塑性樹脂の合計量10
0重量部に対して層状珪酸塩成分が0.1〜50重量部
であることが好ましい。0.1重量部より少ない場合
は、物性向上効果が十分でなく、50重量部を超えると
脆性破壊が起きやすくなる。
宜添加剤が添加されていても構わない。酸化防止剤、耐
光剤、紫外線吸収剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤、等
の添加剤は、所望の物性を得る為に適宜用いられる。結
晶核剤となりうるものを少量添加して、結晶を微細化し
て、物性を均一化する補助とすることも可能である。
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n −プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸n −ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸t −ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メ
タ)アクリル酸n −へキシル、(メタ)アクリル酸シク
ロへキシル、(メタ)アクリル酸2 −エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n −オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸n −トリデシル、(メ
タ)アクリル酸トリスチル、(メタ)アクリル駿セチ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル
酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)
アクリル酸2 −ナフチル、(メタ)アクリル酸2,4,6 −
トリクロロフェニル、(メタ)アクリル酸2,4,6 −トリ
ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、
(メタ)アクリル酸2 −メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸2 −エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル
酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メ
タ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルオリル、
(メタ)アクリル酸2,3 −ジブロモプロピル、(メタ)
アクリル酸2 −クロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,
2 −トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘキサフ
ルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸3 −トリメトキシシリルプロピル、
(メタ)アクリル酸2 −ジエチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸2 −ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸t −ブチルアミノエチルの単独重合体もしくは
共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
合に使用する試みは、種々の方法が開示されている。特
開平7−309906号公報では、イオン交換性層状化
合物とメタロセン系遷移金属化合物、有機アルミニウム
化合物を接触処理して調製した触媒をもって、オレフィ
ンの重合を検討している。しかし、この方法はオレフィ
ン重合の高活性化が目的であり、遷移金属化合物が層状
化合物の層間には配置していないため、本発明のめざす
層状珪酸塩が高分散を実現することができず、高い機械
物性やガスバリア性などの機能発現は望めない。
複合体は種々の方法で作製することができる。熱可塑性
樹脂と層状珪酸塩複合体を、押出機、二本ロール、バン
バリーミキサー等で溶融混練したり、熱可塑性樹脂と層
状珪酸塩の両者が溶解する有機溶媒中での複合等が挙げ
られるが、これに限定されるものではない。
する。
塩/樹脂複合体及び前記複合体を含有した熱可塑性樹脂
組成物は、上述の通り構成されており、本発明において
最も注目すべきことは、層状珪酸塩の結晶構造中に交換
性カチオンとして含有する金属イオンを、遷移金属錯体
でイオン交換し、この変性層状珪酸塩を用いて、オレフ
ィン系単量体を重合開始させることにより、層状珪酸塩
の薄片をポリマー中に均一に分散させることにある。
モンモリロナイトのように、珪素等のイオンの回りに4
つの酸素イオンが配位した4面体、アルミニウム等のイ
オンの回りに6つの酸素イオンが配位した8面体、およ
びOH基から構成され各々の結晶薄片は、結晶表面上に
ナトリウムやカルシウム等のカチオンが配列することに
よりイオン結合力により結びつけられている。そして、
このような、層状珪酸塩の薄片を分散させるためには、
結晶表面同志の電気的相互作用に購うエネルギーを層間
に与え、媒体中に均一に分散させる必要がある。
に存在する遷移金属により重合が開始され、オレフィン
系ポリマーが生成するに従って、通常10Å程度であっ
た層状珪酸塩の層間距離が徐々に広がっていく、これに
より、層間のイオン相互作用が小さくなるため、ポリマ
ー中に均一に分散しやすくなるためである。さらに、上
記結晶表面上のナトリウムやカルシウム等のイオンは、
カチオン性物質とのイオン交換性を有する為、カチオン
性を有する種々の物質を層間に挿入することが出来る。
この性質を利用し、該イオンをカチオン性界面活性剤と
イオン交換することが可能であり、本発明では、これに
使用するカチオン性界面活性剤により非極性性の高いカ
チオン種である炭素数6以上のアルキルアンモニウムイ
オンを用いることで、層状結晶表面は非極性化され、非
極性ポリマー中における層状珪酸塩はさらに分散しやす
くなる。
に分散する程、ポリオレフィン系樹脂−層状珪酸塩複合
材料の弾性率やガスバリヤー性は著しく向上する。これ
らの現象は、層状珪酸塩と樹脂との界面積が、結晶薄片
の分散の向上に伴い増大することにより説明することが
できる。即ち、ポリマーと無機結晶との接着面において
ポリマーの分子運動が拘束されることにより、ポリマー
弾性率等の力学強度が増大する為、結晶薄片の分散割合
が向上する程、効率的にポリマー強度を増大させること
ができる。また、無機物に比較してポリマーはガス分子
がはるかに拡散しやすいため、複合材料中をガス分子が
拡散する際には、無機物を迂回しながら拡散する。従っ
てこの場合も、結晶薄片の分散割合が向上する程、効率
的にガスバリヤーを増大させることができる。このた
め、本発明により、結晶薄片の分散割合を著しく向上さ
せることが出来、その結果、機械的強度やガスバリヤー
性に優れたポリオレフィン材料が得ることが可能とな
る。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
いた。 ・モンモリロナイト:豊順鉱業製モンモリロナイト(商
品名;ベンゲルA) ・4級アンモニウム塩処理モンモリロナイト:豊順鉱業
製ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩処理モンモ
リロナイト(商品名;ニューエスベンD) (遷移金属錯体)遷移金属錯体として、以下に示す化合
物を用いた。 ・ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド:アルド
リッチ社製 (カチオン系界面活性剤)カチオン系界面活性剤とし
て、以下に示す化合物を用いた。 ・ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド:和光
純薬工業製 (熱可塑性樹脂)熱可塑性樹脂として、以下に示す化合
物を用いた。 ・ポリプロピレン:日本ポリケム社製(商品名;EA
9) (樹脂オリゴマー)従来技術との比較に用いる樹脂オリ
ゴマーとして以下の各組成物を用いた。 ・無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー:三洋
化成社製(商品名;ユーメックス1001、官能基含有
量=0.23mmol/g)
金属イオンの交換)豊順鉱業製モンモリロナイト(商品
名;ベンゲルA)5g と蒸留水495g をビーカー中に
投入し、モーター撹拌機を用いて常温にて2時間撹拌
し、モンモリロナイトの膨潤スラリーを調製した。さら
に、ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド0.2
7gを同スラリー中に投入し、モーター撹拌機を用い
て、常温にて24時間撹拌を行った後、遠心分離装置に
て固形分を分離した。同固形分に付着している不要分を
除去するために、蒸留水中に同固形分を再度分散、及び
遠心分離装置にて固形分を分離する操作を、さらに2回
繰り返した。得られた固形分を、真空乾燥機を使用して
50℃で48時間真空乾燥した組成物を、変性層状珪酸
塩として使用した。(収量5.10g)
ス容器をアルゴン置換した後、上記で調製した変性層状
珪酸塩(シクロペンタジエニルチタンジクロリド・ジス
テアリルジメチルアンモニウム添加モンモリロナイト)
5.00gをトルエン150mlに溶解させた。これに
メチルアルモキサン(アルドリッチ社製、10%トルエ
ン溶液)、30mlを10分かけてシリンジより滴下し
た。次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内を
1.1kg/cm2 に保ちながら、0℃で4時間重合を
行った。反応後、系内にメタノール300mlを加えて
反応を停止させ、沈殿した重合物を回収して、変性層状
珪酸塩/樹脂複合体13.5gを得た。
フーリエ変換型赤外分光計(FT−IR)を用いて解析
し、ポリエチレン由来の721cm-1のピークを観測し
た。さらに、熱重量測定装置(TGA)にて解析した結
果、該組成物中の無機成分量は実施例1では46%であ
った。
樹脂の複合)日本製鋼所製小型押出機 TEX30中に、熱
可塑性樹脂(ポリプロピレン:商品名;EA9)と上記
変性層状珪酸塩/樹脂複合体が重量比率で92. 7/
7. 7となるようにフィードし、設定温度200℃にて
溶融混練し、押し出されたストランドをペレタイザーに
てペレット化した。得られたペレットを200℃に温調
した熱プレスにより厚さ2mmまたは厚さ100μmの
板状物を成形した。
り複合物中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回
折ピークの2θを測定し、ブラックの回折式(1)を用
いて該層状珪酸塩の面間隔を算出した。 λ=2dsinθ ・・・・(1) (λ=1.54、d;層状珪酸塩の面間隔、θ;回折
角) (1)式より得られたdを平均層間距離と称することと
した。 2)曲げ弾性率 上記2mm厚の板状物から試験片を切り出し、JIS
K7207に規定される方法にて、テンシロン試験機を
用いて測定した。 3)ガスバリヤー性 上記100μm厚の板状物から試験片を切り出し、酸素
透過性試験機(モダンコントロール社製:装置名 Oxtra
n-Twin)にて酸素ガスの透過速度を測定した。上記評価
結果を表1に示した。
ム塩含有有機層状珪酸塩の合成)豊順鉱業製モンモリロ
ナイト(商品名;ベンゲルA)5g と蒸留水495g を
1リットルをビーカー中に投入し、モーター撹拌機を用
いて常温にて2時間撹拌し、モンモリロナイトの膨潤ス
ラリーを調製した。さらに、ジシクロペンタジエニルチ
タンジクロライド0.27gを同スラリー中に投入し、
モーター撹拌機を用いて、常温にて24時間撹拌を行っ
た。さらにジステアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド2.88g及び濃塩酸0.001gを同スラリーに添
加し、モーター撹拌機を用いて、常温にて8 時間撹拌を
行った後、遠心分離装置にて固形分を分離した。同固形
分に付着している不要分を除去するために、蒸留水中に
同固形分を再度分散、及び遠心分離装置にて固形分を分
離する操作を、さらに2回繰り返した。得られた固形分
を、真空乾燥機を使用して50℃で48時間真空乾燥し
た組成物を、変性層状珪酸塩として使用した。(収量
8.01g)
ス容器をアルゴン置換した後、上記で調製した変性層状
珪酸塩(シクロペンタジエニルチタンジクロリド・ジス
テアリルジメチルアンモニウム添加モンモリロナイト)
7.00gをトルエン150mlに溶解させた。メチル
アルモキサン(アルドリッチ社製、10%トルエン溶
液)、30mlを10分かけてシリンジより滴下した。
次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内を1.1
kg/cm2 に保ちながら、0℃で4時間重合を行っ
た。反応後、系内にメタノール300mlを加えて反応
を停止させ、沈殿した重合物を回収して、変性層状珪酸
塩/樹脂複合体17.5を得た。
フーリエ変換型赤外分光計(FT−IR)を用いて解析
し、ポリエチレン由来の721cm-1のピークを観測し
た。さらに、実施例1と同様にして該組成物中の無機成
分量を評価した結果、43%であった。
樹脂の複合)熱可塑性樹脂と変性層状珪酸塩/樹脂複合
体を実施例1と同様にして得た。上記組成物の評価結果
を表1に示した。 (比較例1)ポリプロピレン樹脂単独(EA9)で押し
出されたストランドをペレタイザーにてペレット化し
た。得られたペレットを200℃に温調した熱プレスに
より厚さ2mmまたは厚さ100μmの板状物を成形し
た。サンプルについて物性を評価した。ポリプロピレン
樹脂単独押出品では曲げ弾性率が1.37GPa、酸素
透過性が284cc/ cm2/日であった。上記評価結果
を表1に示した。 (比較例2)ポリプロピレン(EA9)と無水マレイン
酸変性ポリプロピレンオリゴマー(ユーメックス100
1)を90:10の割合で混合したこと以外は、比較例
1と同様に行った。ポリプロピレン樹脂単独押出品では
曲げ弾性率が1.46GPa、酸素透過性が241cc
/ cm2/日であった。上記評価結果を表1に示した。 (比較例3)層状珪酸塩として、カチオン系界面活性剤
のみで有機処理を行った層状珪酸塩(ニューエスベン
D)を用いて上記層状珪酸塩と熱可塑性樹脂の複合を実
施例1と同様に行った。結果、曲げ弾性率が1.46G
Pa、酸素透過性が241cc/ cm2/日とやや改善さ
れるにとどまった。上記評価結果を表1に示した。 (比較例4)ポリプロピレン(EA9)と無水マレイン
酸変性ポリプロピレンオリゴマー(ユーメックス100
1)を90:10の割合で混合したこと以外は、比較例
3と同様に行った。結果、曲げ弾性率が1.98GP
a、酸素透過性が205cc/cm2/日と向上した。し
かし、この場合、ポリオレフィンオリゴマーのために、
サンプルは黄色に着色し、脆化したものであった。上記
評価結果を表1に示した。 (比較例5)ポリプロピレン(EA9)と無水マレイン
酸変性ポリプロピレンオリゴマー(ユーメックス100
1)を80:20の割合で混合したこと以外は、比較例
3と同様に行った。結果、実施例4よりさらにこの黄変
し、脆化した上に酸素透過性が280cc/ cm2/日と
逆に低下する傾向が観測された。これは、酸変性オリゴ
マーが多量にポリプロピレン中に含有されることによ
り、ポリプロピレンの結晶構造が乱れることによりガス
透過性が向上したことに由来すると考えられる。上記評
価結果を表1に示した。
泡体のX線回折測定では、層間距離に相当する回折は得
られなかった。測定に用いたX線装置は、2θ=1.
5、則ち層間距離60Åが検出限界であり、60Å以上
の層間距離は検出することが出来ない。測定の性質上、
平均層間距離が60Å以下であれば、必ず回折が得られ
るはずであることから、本発明にて得られた発泡体中の
層状珪酸塩は、いずれも60Å以上の平均層間距離を有
することが示唆されるものである。比較例1〜5と比較
して、実施例1及び2では曲げ弾性率はいずれも単独の
ポリオレフィン樹脂に対して2倍以上、酸素バリヤー性
は単独のポリプロピレンに対していずれも1/2以下
と、顕著な物性改善効果が観測された。さらに、サンプ
ルは白色で脆化は認められなかった。
いることにより、ポリオレフィン系の単量体が変性層状
珪酸塩の結晶層間で重合できるため、層間距離を広げる
ことが可能となった。また、層状珪酸塩の結晶構造中に
炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを用いるこ
とで、ポリマー中へ容易に層間距離を広げることが可能
となった。また、変性層状珪酸塩/樹脂複合体を用いる
ことにより、簡便な方法で熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩
の薄片を均一に分散することが可能となった。これによ
り、ポリマーの機械的強度、熱特性及びガスバリヤー性
といった物性を著しく改良することが出来た。さらに、
本発明によれば、ポリオレフィン樹脂の耐熱性(分子鎖
の拘束による耐熱変形温度の上昇)、難燃性(燃焼ガス
の拡散の抑制)、寸法安定性の増大(無機結晶による核
剤効果)等の諸物性についても大幅な向上が可能であ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 層状珪酸塩の結晶構造中に交換性カチオ
ンとして含有する金属イオンが、遷移金属錯体でイオン
交換されていることを特徴とする変性層状珪酸塩。 - 【請求項2】 遷移金属錯体がIV族、X族、XI族の
遷移金属錯体であることを特徴とする請求項1記載の変
性層状珪酸塩。 - 【請求項3】 層状珪酸塩100gに対して、遷移金属
錯体が0.01〜100ミリ当量であることを特徴とす
る請求項1及び2記載の変性層状珪酸塩。 - 【請求項4】 層状珪酸塩の結晶構造中に、遷移金属錯
体の他に、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン
を含有して成ることを特徴とする請求項1〜3いずれか
一項に記載の変性層状珪酸塩。 - 【請求項5】 層状珪酸塩が、モンモリロナイト、合成
雲母のうち1種以上から選ばれることを特徴とする請求
項1〜4いずれか一項に記載の変性層状珪酸塩。 - 【請求項6】 請求項1〜5いずれか一項に記載の変性
層状珪酸塩の存在下でオレフィン系単量体を重合し得ら
れることを特徴とする変性層状珪酸塩/樹脂複合体。 - 【請求項7】 変性層状珪酸塩の平均層間距離が60Å
以上であることを特徴とする請求項6記載の変性層状珪
酸塩/樹脂複合体。 - 【請求項8】 請求項6及び7記載の変性層状珪酸塩/
樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物であって、
該複合体中のオレフィン系樹脂成分及び該熱可塑性樹脂
の合計量100重量部に対して層状珪酸塩成分が0.1
〜50重量部であることを特徴とする変性層状珪酸塩/
樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物。 - 【請求項9】 熱可塑性樹脂がプロピレン重合体、プロ
ピレンと炭素数3以外のα−オレフィンの共重合体、エ
チレン重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体で
あることを特徴とする請求項8記載の変性層状珪酸塩/
樹脂複合体と熱可塑性樹脂とからなる組成物。
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