JP3765904B2 - プロピレン共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプロピレン共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは高分子量のプロピレン共重合体を、重合体が反応器へ付着するファウリングを伴わずに粒子状で与えるプロピレン共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタロセン化合物とアルミノキサンあるいは有機ホウ素化合物などの助触媒からなる触媒によりプロピレンの共重合体を得ることは公知であり、このような触媒から得られる共重合体はシート、フィルム、ラミネートといった分野での利用が期待されている。例えば、特開平2-173015号公報、同2-173016号公報、同2-173110号公報、同2-255812号公報などに特定のメタロセン化合物とアルミノキサンからなる触媒によりプロピレン、α−オレフィンおよびエチレンからなる共重合体が得られることが開示されている。
【0003】
しかしながら、これらにおいては生成する重合体が塊状となる、あるいは重合体粒子が嵩比重の低い取り扱い困難な粉体となる、さらには重合体が反応器の器壁に付着するファウリングが発生するなどの問題を有するため、これらの技術を工業的な生産に適用することは困難である。上記問題を解決する試みとしては、メタロセン化合物やアルミノキサンを固体担体上に担持する方法が提案されているが、ファウリングや塊状の重合体の生成といった問題は十分には解決されていない。これらは、例えば特開昭61-108610号公報、同61-296008号公報、同63-280703号公報、同63-22804号公報、同63-51405号公報、同63-51407号公報、同63-55403号公報、同63-61010号公報、同63-248803号公報、特開平4-100808号公報、同3-74412号報、同3-709号公報、同4-7306公報等に記載されている。また同様に有機ホウ素化合物を担体上に担持することも提案されており、例えば特開平5-239138号公報、特開平5-247128号公報、特開平7-10917号公報等に開示されている。
【0004】
特表平7-501573号公報には本発明の成分(A)に相当する触媒成分とメタロセン化合物からなる触媒が開示されている。ここではプロピレンを単独重合した場合においてはファウリングがかなり改善されてはいるものの、プロピレンを共重合した場合においてはファウリングが改善されているとは言い難く、得られる重合体の性状も取り扱い困難な塊状となってしまう。また該公報に記載のメタロセン化合物を用いプロピレンとエチレンを共重合した場合には、プロピレンを単独重合した場合に比べ著しく分子量が低下するという問題があり、得られる共重合体は工業的な利用が困難である。
【0005】
本発明の成分(B)のようなメタロセン化合物は、例えば特開平6-100579号公報、特開平7-188318号公報などに記載されている。特開平6-100579号公報にはこのようなメタロセン化合物と微粒子状担体上に担持された助触媒からなる触媒がファウリングを伴うことなくプロピレンの単独重合体を与えることが開示されているが、該触媒を共重合体の製造に用いた場合におけるファウリングの有無については記載されていない。本発明者の検討では該触媒によりプロピレンを共重合した場合にははなはだしいファウリングを伴い、また得られる重合体も塊状となることが判明した。また該公報に記載のメタロセン化合物によりプロピレンとエチレンを共重合した場合においても、プロピレンを単独重合した場合に比べ著しく分子量が低下するという問題は不可避であり、やはり得られる共重合体は工業的な利用が制限される。
このようにメタロセン触媒によりファウリングを伴わずに、高分子量のプロピレン共重合体を粒子状で与える製造技術は、未だ充分に確立されているとは言い難いのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メタロセン触媒によりファウリングを伴わずに、高分子量のプロピレン共重合体を粒子状で与えることが可能なプロピレン共重合体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記状況に鑑み鋭意検討した結果、特定のイオン性化合物を微粒子状担体に接触させて得られる助触媒成分、特定のメタロセン化合物、有機アルミニウム、および有機リチウム化合物等の有機金属化合物からなる触媒を用い、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンを重合することで、ファウリングを伴うことなく高分子量のプロピレン共重合体が粒子状で得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなるプロピレン共重合体の製造方法を提供するものである。
【0008】
1)一般式(1)
【化3】
(式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、
R1、R2およびR3は、互いに同一でも異なってもよく、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、
R4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、
Lはシリル基であり、
a〜cは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数で、かつa+b+c+d=4であり、Kは1価のカチオンである。)で示されるイオン性化合物(a−1)および微粒子状担体(a−2)を接触させて得られる助触媒成分(A)、一般式(2)
【化4】
(式中、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、互いに同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基または炭素数1〜20の炭化水素基であり、
M2、M3およびM4は、互いに同一でも異なってもよく、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、
M5はチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
p、qおよびrは0または1〜2の整数で、かつ1≦p+q+r≦4であり、
Q1およびQ2は、互いに同一でも異なってもよく、2位に置換基を有するインデニル基であって、少なくともいずれか一方は2位および4位に置換基を有し、
X1およびX2は、互いに同一でも異なってもよく、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基または炭素数1〜30の炭化水素基である。)で示されるメタロセン化合物(B)、有機アルミニウム化合物(C)からなる触媒、および有機リチウム、有機亜鉛および有機マグネシウム化合物の中から選ばれる1以上の有機金属化合物(D)の存在下にプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合することを特徴とするプロピレン共重合体の製造方法。
【0009】
2)R1、R2およびR3がペンタフルオロフェニル基である前記1に記載の製造 方法。
3)R4がテトラフルオロフェニレン基である前記1または2に記載の方法。
4)Lがトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基またはジメチルクロロシリル基である前記1〜3に記載の方法。
5)成分(D)がアルキルリチウムである前記1〜4に記載の方法。
6)成分(D)と成分(B)の割合がモル比で成分(D)/成分(B)=5/1〜100/1の範囲である前記1〜5に記載の方法。
7)成分(B)において、M2が炭素原子もしくはケイ素原子であり、pが1ま たは2かつq=r=0であり、Q1およびQ2が共に2位および4位に置換基を有するインデニル基である前記1〜6に記載の方法。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で触媒成分(A)に使用されるイオン性化合物(a-1)は下記一般式( 1)で表わされる。
【化5】
[M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d]-・[K]+ (1)
式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、好ましくはホウ素である。
R1、R2およびR3は、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基 、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、これらは互いに同一でも異なってもよい。炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基等のアリール基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。これらのうち好ましいのはアルキル基、アリール基およびハロゲン化アリール基であり、特に好ましいのはアリール基およびハロゲン化アリール基である。
【0011】
ハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基等のフルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基等のジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のトリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基等のテトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等のビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等のトリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル基等のテトラキス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニル基等およびこれらのフッ素原子を塩素原子、臭素原子等、他のハロゲン原子に置き換えたものなどが挙げられる。
【0012】
これらハロゲン化アリール基の中でも、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などのフルオロフェニル基が好ましく、さらにはテトラフルオロフェニル基およびペンタフルオロフェニル基が好ましく、特にペンタフルオロフェニル基が好ましい。
【0013】
前記イオン性化合物(a-1)において、R4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、3−フルオロ−o−フェニレン基、4−フルオロ−m−フェニレン基、2−フルオロ−p−フェニレン基等のフルオロフェニレン基、3,4−ジフルオロ−o−フェニレン基、4,5−ジフルオロ−m−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−p−フェニレン基等のジフルオロフェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−p−フェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フェニレン基等のトリフルオロフェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基等のテトラフルオロフェニレン基が挙げられる。これらのうち好ましいのは、2,4,5−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、4,5,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−p−フェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フェニレン基、3,4,5,6−テトラフルオロ−o−フェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基であり、特に好ましいのは、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基である。
【0014】
イオン性化合物(a-1)中のLは、シリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル 基またはアミノ基であり、シリル基またはヒドロキシル基が好ましい。
【0015】
シリル基の例としては、下記一般式(3)で表わされるものが挙げられる。
【化6】
―〔Si(Z1Z2)−Z6−〕nSiZ3Z4Z5 (3)
【0016】
一般式(3)において、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5はハロゲン原子、アル コキシ基、フェノキシ基、アシルオキシ基および炭素数1〜20の炭化水素基の中から選ばれ、Z3、Z4、Z5のうち少なくとも一つはハロゲン原子、アルコキ シ基、フェノキシ基またはアシルオキシ基である。Z6は酸素原子、イミノ基、 炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアリーレン基または炭素数1〜20のオキサアルキレン基である。nは0または1〜10の整数である。
【0017】
上記シリル基の具体例としては、トリクロロシリル基、トリブロモシリル基、トリヨードシリル基等のトリハロゲノシリル基やメチルジクロロシリル基、エチルジクロロシリル基、n−プロピル−ジクロロシリル基等のアルキルジハロゲノシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチルエチルクロロシリル基、ジエチルクロロシリル基等のジアルキルハロゲノシリル基、フェニルジクロロシリル基、フェニルジブロモシリル基、p−トリルジクロロシリル基、クロロフェニルジクロロシリル基等のアリールジハロゲノシリル基、ジフェニルクロロシリル基、ジフェニルブロモシリル基等のジアリールハロゲノシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基等のアルキルジアルコキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジエチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジエチルエトキシシリル基等のジアルキルアルコキシシリル基、フェニルジメトキシシリル基、トリルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、トリルジエトキシシリル基等のアリールジアルコキシシリル基、ジフェニルメトキシシリル基、ジトリルメトキシシリル基、ジフェニルエトキシシリル基、ジトリルエトキシシリル基等のジアリールアルコキシシリル基などのアルコキシ基含有シリル基、トリアセトキシシリル基等のトリアシルオキシシリル基、メチルジアセトキシシリル基等のアルキルジアシルオキシシリル基、ジメチルアセトキシシリル基等のジアルキルアシルオキシシリル基、フェニルジアセトキシシリル基等のアリールジアシルオキシシリル基、ジフェニルアセトキシシリル基等のジアリールアシルオキシシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジフェニルヒドロキシシリル基、フェニルジヒドロキシシリル基等のアルキルまたはアリールヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基等が挙げられる。
【0018】
これらのうち好ましいのは、トリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリル基、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシリル基、ジメチルアセトキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基であり、特に好ましいのはトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリル基である。
【0019】
また前記イオン性化合物(a-1)において、a〜cは0または1〜3の整数、 dは1〜4の整数であり、かつa+b+c+d=4である。これらのうちでも好ましいのはd=1の化合物である。
【0020】
前記イオン性化合物(a-1)において、Kは1価のカチオンであり、具体的に はプロトン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−(p−トリル)カルベニウムイオンなどのトリアリールカルベニウムイオンやトリメチルカルベニウムイオン等のカルベニウムイオン、トロピリウムイオン、フェロセニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン等のアンモニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウムイオン等のオキソニウムイオン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、プロトン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−(p−トリル)カルベニウムイオン等のトリアリールカルベニウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン、N,N−ジエチルアニリニウムイオン等のジアルキルアニリニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオンやトリエチルオキソニウムイオン等のトリアルキルオキソニウムイオンである。
【0021】
本発明において、成分(A)に使用される微粒子状担体(a-2)としては、金 属酸化物、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属アルコキシド、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、珪酸塩や有機高分子化合物等が挙げられる。
【0022】
金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、カルシア、酸化亜鉛等が例示でき、金属ハロゲン化物としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ナトリウム等が例示できる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、金属アルコキシドとしては、マグネシウムエトキシド、マグネシウムメトキシド等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。硫酸塩としては、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。酢酸塩としては、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。珪酸塩としては、雲母、タルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、シリカ、アルミナ、雲母やタルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウムなどの珪酸塩である。
【0023】
有機高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体の部分あるいは完全鹸化物等のポリオレフィンやその変性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
これら有機高分子化合物のうちでも好ましいのは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等の極性基を有するものであり、具体的には水酸基含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸等でグラフト変性した変性ポリオレフィン、エチレン−ビニルエステル共重合体の部分あるいは完全鹸化物等が挙げられる。
【0024】
これら微粒子状担体(a-2)の平均粒子径は、特に制限はないが、通常0.1〜2,000μmの範囲であり、好ましくは1〜1,000μm、さらに好ましくは5〜100μmの範囲である。また比表面積は、特に制限はないが通常0.1〜2,000m2/g の範囲であり、好ましくは10〜1,500m2/gの範囲であり、さらに好ましくは100〜1,000m2/gの範囲である。
【0025】
本発明の成分(A)の製造は、前記イオン性化合物(a-1)と微粒子状担体(a-2)を任意の方法で接触させることにより行うことができる。有機溶剤の非存在下で直接接触させても良いが、一般的には有機溶剤中で接触が行われる。
使用可能な有機溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、デカノール等のアルコール類およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0026】
前記イオン性化合物(a-1)と微粒子状担体(a-2)との接触は、使用する有機溶剤やその他の条件を考慮して任意の温度で可能であるが、通常−80℃〜300℃の範囲で行われる。好ましい接触温度の範囲は−50℃〜200℃であり、さらに好ましい範囲は0℃〜150℃である。
また、前記イオン性化合物(a-1)の微粒子状担体(a-2)に対する使用量に特に制限はないが、通常微粒子状担体(a-2)100重量部に対しイオン性化合物 (a-1)が0.0001〜1,000,000重量部の範囲である。(a-1)の使用量を多くする と、オレフィン重合触媒の重合活性は向上する傾向にあるが、重合活性と製造コストのバランスを考慮すると(a-1)の使用量は(a-2)100重量部に対し、好ましくは0.1〜10,000重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜1,000重量部の範囲である。
このような方法によりイオン性化合物(a-1)が、物理的吸着あるいは化学結 合により微粒子状担体に担持され、本発明の成分(A)を与えることとなる。
【0027】
本発明で使用する触媒成分(B)は特定の構造を有するメタロセン化合物である。このメタロセン化合物を用いプロピレンとα−オレフィンを共重合することが、高分子量の共重合体を得るために必須である。
一般にプロピレン重合用メタロセン化合物としては、2つのインデニル基がケイ素原子や炭素原子など1つの原子により架橋したものが、高い立体規則性と高分子量のポリプロピレンを与えるため有用とされている。しかしながら本発明者らの検討の結果、上記の一般的なプロピレン重合用メタロセン化合物からなる触媒によりプロピレンとエチレンを共重合すると、プロピレンを単独重合した場合に比べ著しく分子量が低下し、さらには特表平7-501573号公報に記載の助触媒成分と組み合わせた場合においてもファウリングの抑制が困難であることが判明した。
上記の一般的なプロピレン重合用メタロセン化合物の中でも、2つのインデニル基の2位に置換基を有するメタロセン化合物(B)を使用し、プロピレンと炭素数4〜20のα―オレフィンを共重合した場合に限って分子量の低下とファウリングを伴うことなく高分子量のプロピレン共重合体を得ることが可能となる。
【0028】
以下、成分(B)について具体的に説明する。
成分(B)は下記一般式(2)で表わされるメタロセン化合物である。
【化7】
【0029】
式中、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は水素原子、ハロゲン原子、アル コキシ基、フェノキシ基または炭素数1〜20の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。炭素数1〜20の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基またはt−ブチル基等のアルキル基やフェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアリールアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
【0030】
M2、M3およびM4は炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原 子であり、互いに同一でも異なってもよい。これらのうち好ましいのは炭素原子およびケイ素原子である。M5はチタン、ジルコニウム、ハフニウムまたはバナ ジウムであり、好ましいのはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、さらに好ましいのはジルコニウムまたはハフニウムであり、特に好ましいのはジルコニウムである。
【0031】
p,qおよびrは0または1〜2の整数であり、かつ1≦p+q+r≦4であり、好ましくは1≦p+q+r≦2である。
【0032】
Q1およびQ2は2位に置換基を有するインデニル基であり、少なくともいずれか一方は2位および4位に置換基を有し、互いに同一でも異なってもよい。好ましいのはQ1およびQ2の両方とも2位および4位に置換基を有するインデニル基である。なおQ1およびQ2は2位および4位以外の位置に、付加的に任意の置換基を有していてもよい。また各置換基は他の置換基と互いに結合し環状構造を形成していてもよい。
【0033】
2位の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基、ビニル基やプロペニル基などのアルケニル基、フェニル基やトリル基などのアリール基もしくはハロゲン化アリール基、ベンジル基などのアリールアルキル基もしくはハロゲン化アリールアルキル基、メトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基などのシリルオキシ基、トリメチルシリル基などのシリル基、アミノ基、フォスフィノ基などである。これらのうち好ましいのはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基であり、さらに好ましいのはメチル基およびエチル基である。
【0034】
4位の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基など前記2位の置換基と同様のものが例示され、このうち好ましいのはアルキル基およびアリール基であり、特に好ましいのはアリール基である。
【0035】
X1およびX2は、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基または炭素数1〜30の炭化水素基の中から選ばれ、互いに同一でも異なってもよい。炭素数1〜30の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基やフェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアリールアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
【0036】
本発明で成分(B)として使用可能なメタロセン化合物の具体例としては、
ビス[2,4,7−トリメチル−(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジ ルコニウムジクロライド、
ビス[2,4−ジメチル−(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニ ウムジクロライド、
ビス[2−メチル−4,5−ベンゾ(η5−1−インデニル)]ジメチルシラン ジルコニウムジクロライド、
ビス[2−メチル−4−フェニル−(η5−1−インデニル)]ジメチルシラン ジルコニウムジクロライド、
ビス[2−メチル−4−(1−ナフチル)−(η5−1−インデニル)]ジメチ ルシランジルコニウムジクロライド、
ビス[2−メチル−4−(9−アントラセニル)−(η5−1−インデニル)] ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
ビス[2−メチル−4−(9−フェナントリル)−(η5−1−インデニル)] ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
1、2−ビス[2,4−ジメチル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコニ ウムジクロライド、
1,2−ビス[2,4,7−トリメチル−(η5−1−インデニル)]エタンジ ルコニウムジクロライドが挙げられる。
更に上記化合物のジルコニウムをチタンやハフニウム等の他の金属に置換したもの、塩素原子を他のハロゲン原子や水素原子、アミド基、アルコキシ基、メチル基やベンジル基などの炭化水素基に置換したものなどをも使用することができる。
なお、上記以外のメタロセン化合物、例えばQ1およびQ2の両方とも2位および4位に置換基を持たないインデニル基であるメタロセン化合物を用いた場合には、ファウリングがはなはだしく、また得られる重合体も塊状となってしまう。
【0037】
本発明で使用する触媒成分(C)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のジアルキルアルミニウムハライドやアルキルアルミニウムジハライド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシドあるいはフェノキシドなどが挙げられる。
【0038】
これらのうち好ましいのはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムであり、さらに好ましいのはトリ−i−ブチルアルミニウム等の分岐アルキル基を有するトリアルキルアルミニウムである。
【0039】
本発明で使用する触媒成分(D)は有機リチウム、有機亜鉛および有機マグネシウム化合物の中から選ばれる1以上の有機金属化合物である。成分(D)を使用せずにプロピレン共重合体の製造を行うとファウリングが発生し、また得られる重合体も塊状となる。
【0040】
本発明で使用される成分(D)の作用は以下のようなものと推定される。
すなわち本発明においては成分(A)と成分(B)の特定のメタロセン化合物を接触させることにより、成分(B)も成分(A)中の微粒子状担体に担持される。このとき成分(B)は微粒子状担体に完全に担持されるとは限らず、また一旦担持したものが重合系内で脱離したりする。このような遊離した状態にある成分(B)により反応器壁や重合体粒子表面での重合が進行し、ファウリングが発生すると考えられる。このとき本発明の成分(D)により遊離した状態にある成分(B)が不活化され、反応器壁や重合体粒子表面での重合が抑制されるため、ファウリングの発生が抑制されると考えられる。
なお成分(D)のような、成分(B)を不活化する化合物を添加すると重合が抑制されると予測される。しかし成分(D)により不活化された成分(B)は、再度、成分(A)と接触することにより重合活性を回復するものと推定されるため、本発明においては成分(D)の添加による重合の抑制はあまり見られず、ファウリングを伴わずに高い活性でプロピレン共重合体を与えることとなる。
【0041】
成分(D)として使用可能な有機リチウムとしては、フェニルリチウム等のアリールリチウムや、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、i−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム等のアルキルリチウムなどが挙げられる。有機亜鉛としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛等が挙げられ、有機マグネシウムとしてはジ(n−ブチル)マグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、n−プロピルマグネシウムブロマイド、i−プロピルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、i−ブチルマグネシウムクロライド、s−ブチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイドやこれらの塩素原子や臭素原子を他のハロゲンに変えたものなどのアルキルマグネシウムハライド等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは有機リチウム、有機マグネシウムであり、さらに好ましいのはアルキルリチウム、ジアルキルマグネシウムであり、最も好ましいのはアルキルリチウムである。
【0042】
本発明のプロピレン共重合体の製造方法において使用される触媒は、上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を接触させることにより調製することができる。調製の方法に特に制限はなく、重合を行う反応器に各成分を別々に導入し反応器内で接触させて調製してもよく、予め反応器の外で調製してもよい。上記の各成分を重合を行う反応器に別々に導入し反応器内で本発明の触媒を調製させる場合においては、各成分はそのまま導入してもよいが、ヘキサン、ヘプタンやトルエンなどの炭化水素溶剤やパラフィン系、ナフテン系あるいは芳香族系のオイル、グリースなどに分散させた状態で導入してもよい。
【0043】
成分(A)〜成分(D)の各成分を反応器の外で接触させて触媒を調製する場合、一般的には有機溶剤中で接触が行われる。使用可能な有機溶剤としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類やこれらの混合物等が挙げられる。
また接触時の温度は、使用する有機溶剤やその他の条件を考慮して任意に決定されるが、通常−80℃〜200℃の範囲で行われる。好ましい接触温度の範囲は−50℃〜120℃であり、さらに好ましい範囲は0℃〜100℃である。
【0044】
両成分を上記の有機溶剤中で接触させて触媒を調製した後は、そのまま重合を行う反応器に導入してもよく、液相を固液分離や減圧留去等により除去してから導入してもよい。さらにはヘキサンやトルエンなどで洗浄を行った後に投入することも可能である。
これら触媒調製法のうちでも、成分(A)、成分(B)および成分(C)を重合を行う反応器の外で予め接触させた後、重合反応器内で成分(D)と接触させる方法が好ましい。
【0045】
成分(A)に対する成分(B)の使用量は特に制限はなく、通常、成分(A)中に含有されるイオン性化合物および/またはその残基1モルに対し0.01〜20モルである。好ましくは成分(A)中に含有されるイオン性化合物および/またはその残基1モルに対し、0.05〜10モルであり、さらに好ましくは0.02〜5モル、特に好ましくは0.1モル〜2モルの範囲である。
【0046】
成分(B)に対する成分(C)の使用量は特に制限はなく、通常、成分(B)中に含有されるジルコニウム等の遷移金属1モルに対し0.01〜100,000モルであ る。好ましくは遷移金属1モルに対し、0.1〜10,000モルであり、さらに好まし くは10〜3,000モル、特に好ましくは20モル〜1,000モルの範囲である。
【0047】
成分(B)に対する成分(D)の使用量は特に制限はなく、通常、成分(B)中に含有されるジルコニウム等の遷移金属1モルに対し0.01〜10,000モルである。成分(D)の使用量が増加するにつれファウリングは抑制されるが、あまり多量に添加してもさらなる効果は見られず、重合活性が低下する場合がある。ファウリングを抑制しつつ良好な重合活性を得るために、好ましくは遷移金属1モルに対し、0.1〜1,000モルであり、さらに好ましくは1〜300モル、特に好ましくは5モル〜100モルの範囲である。
【0048】
本発明のプロピレン共重合体の製造方法は任意の重合方法で実施することができる。具体的には液体プロピレン中で行う塊状重合、不活性溶剤の存在下に液相中で行う溶液重合やスラリー重合、気相モノマー中で行う気相重合があるが、これらのうち好ましいのは塊状重合および気相重合である。
【0049】
本発明のプロピレン共重合体の製造方法においては任意の温度で重合が可能である。通常は0〜150℃の範囲であり、好ましくは30〜95℃の範囲であり、特に好ましくは45〜80℃の範囲である。重合時の圧力は液相中の重合においては常圧〜70kg/cm2、気相中では常圧〜50kg/cm2の範囲が一般的であり、得ようとするプロピレン共重合体の性質や、生産性などを考慮して適当な範囲を選択できる。また重合時には、水素の導入や温度、圧力の選定など任意の手段により分子量を調節することが可能である。
【0050】
本発明の製造方法により得られるプロピレン共重合体は、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体である。炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等が使用可能である。またファウリングを伴わずに高分子量の粒子状共重合体を得るという本発明の主旨を逸脱しない範囲において、スチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,4−ヘキサジエンなどの共役あるいは非共役ジエンを少量配合し共重合することもできる。なお、本発明で得られる共重合体中にはプロピレンの1,3−挿入等の異種結合により見かけ上エチレンが共重合された構造を有する場合があるが、本発明で得られる共重合体はその製造時にエチレンを共重合したものでなければそのような構造を有しているものをも含む。
【0051】
【発明の効果】
特定のイオン性化合物を微粒子状担体に接触させて得られる助触媒成分、特定の構造を有するメタロセン化合物、有機アルミニウムおよび特定の有機金属化合物からなる触媒を用いる本発明の方法によれば、高分子量のプロピレン−α−オレフィン共重合体を粒子状で得ることができ、重合時にファウリングが発生することもない。
【0052】
【実施例】
以下、実施例、参考例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。これらの例において使用した各成分および物性の測定方法は以下の通りである。
【0053】
成分(A)
1)イオン性化合物(a-1):N,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフ ルオロフェニル)〔p−(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕ボラートの製造
1−ブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン3.85g(1.68mmol)をジエチルエーテル50mlに溶解した。さらに−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)10.5mlを滴下し、30分間撹拌した。得 られた溶液をトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのヘキサン溶液(50mmol/l)200mlに添加し、25℃で20分間撹拌することで、生成物を固体として得た。溶液層を除去後、得られた固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥を行った。
【0054】
上記で得られた固体1.66gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し−78℃まで冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)1.5mlを滴下し45分間撹拌した。この溶液をジメチルジクロロシラン3.2mlをテトラ ヒドロフラン10mlに溶解した溶液に添加し、25℃で15分間撹拌した。この溶液にヘプタン100mlを加えた後、テトラヒドロフランを留去した。ヘプタン層を除去した残分をヘキサンで洗浄後、真空乾燥した。さらにジクロロメタン50mlを加え不溶分を除去した後、ジクロロメタンを留去することで1.65gの生成物を得た。
【0055】
この生成物1.65gをジクロロメタン30mlに溶解した後、ジメチルアニリニウムクロライド0.31gを添加し、25℃で5分間撹拌した。不溶分を除去後、ジクロロメタンを留去、真空乾燥することでN,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)〔p−(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕ボラート1.7gを得た。
【0056】
2)微粒子状担体(a-2)との接触
ジクロロメタン30mlにシリカ(富士デビソン社製952,平均粒子径:130μm,比表面積:270m2/s)0.5gを加えたスラリーに対し、上記で得たN,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)〔p−(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕ボラート0.3gをジクロロメタ ン6mlに溶解させた溶液を添加した。撹拌下2時間還流させた後、上澄みを除去しジクロロメタンで洗浄し、成分(A)を得た。
【0057】
成分(B)
(B−1):ビス[2−メチル−4−フェニル−(η5−1−インデニル)] ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
(B−2):ビス[2−メチル−4,5−ベンゾ(η5−1−インデニル)] ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
(B−3):ビス[2−メチル−4−(1−ナフチル)−(η5−1−インデ ニル)]ジメチルシランジルコニウムジクロライド。
【0058】
MFR
JIS K7210(第1表の条件14:荷重2.16kg,230℃)に従い測定した。
融点
PERKIN−ELMER社製示差走査型熱量計DSC7を用い、昇温速度20℃/分で測定し、そのときの融解ピーク温度を融点とした。
【0059】
実施例1:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
1)プロピレン重合用触媒の調製
(B−1)の0.5mmol/l−トルエン溶液4mlと成分(C)として0.5mol/lのトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略する。)トルエン溶液1mlを混合した溶液に、上記成分(A)を50mg添加し5分間撹拌しプロピレン重合用触媒のスラリーを得た。
2)プロピレンの共重合
1.5リットルのオートクレーブに成分(D)として0.2mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.5ml、プロピレン8mol、1−ヘキセン15mlを 加え60℃に昇温した。その後、上記オレフィン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入して60分間重合を行い、プロピレン/1−ヘキセン共重合体を179g得た。
得られたプロピレン共重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン共重合体の融点は135.6℃、MFRは0.7g/10分であった。
【0060】
実施例2:プロピレンと1−ブテンの共重合
1−ヘキセンの代わりに1−ブテンを用いた以外は実施例1と同様に行い、プロピレン/1−ブテン共重合体を69.4g得た。
得られたプロピレン共重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン共重合体の融点は131.4℃、MFRは1.2g/10分であった。
【0061】
実施例3:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
(B−1)の代わりに(B−2)を用い、1−ヘキセン使用量を30mlとし、重合温度を50℃とした以外は実施例1と同様に行い、プロピレン/1−ヘキセン共重合体を52.0g得た。
得られたプロピレン共重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン共重合体の融点は128.3℃であり、M FRは10.3g/10分であった。
【0062】
実施例4:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
(B−1)の代わりに(B−3)を用い、重合温度を70℃とした以外は実施例1と同様に行い、プロピレン/1−ヘキセン共重合体を48.5g得た。
得られたプロピレン共重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン共重合体の融点は139.6℃であり、M FRは0.6g/10分であった。
【0063】
参考例1:プロピレンの単独重合
1)プロピレン重合用触媒の調製
(B−1)の0.5mmol/l−トルエン溶液4mlと成分(C)として0.5mol/lのTIBAトルエン溶液1mlを混合した溶液に、上記成分(A)を50mg添加し5分間撹拌しオレフィン重合用触媒のスラリーを得た。
2)プロピレンの単独重合
1.5リットルのオートクレーブに成分(D)として0.2mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.5ml、プロピレン8molを加え60℃に昇温した。 その後、上記オレフィン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入して60分間重合を行い、プロピレン単独重合体を168g得た。
得られたプロピレン単独重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン単独重合体の融点は151.1℃、MF Rは0.5g/10分であった。
【0064】
参考例2:プロピレンの単独重合
(B−1)の代わりに(B−2)を用い、重合温度を50℃とした他は参考例1と同様に行った。
得られたプロピレン単独重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン単独重合体の融点は145.2℃、MF Rは8.7g/10分であった。
【0065】
比較例1:プロピレンとエチレンの共重合
1)プロピレン重合用触媒の調製
(B−1)の0.5mmol/l−トルエン溶液4mlと、成分(C)としてT IBAの0.5mol/l−トルエン溶液1mlを混合した溶液に上記成分(A) を35mg添加し3分間撹拌しオレフィン重合用触媒のスラリーを得た。
2)プロピレンの重合
1.5リットルのオートクレーブに成分(D)として0.2mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.5ml、プロピレン8molを加え40℃に昇温し、エ チレンをその分圧が1.5kg/cm2となるまで導入した。その後、上記オレフィン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入し、エチレンをその分圧が1.5kg/c m2となるよう間欠的に導入しながら30分間重合を行い、プロピレン/エチレ ン共重合体を112.3g得た。
得られたプロピレン共重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン共重合体の融点は131.6℃であり、M FRは18.7g/10分であった。
【0066】
比較例2:プロピレンとエチレンの共重合
1)プロピレン重合用触媒の調製
(B−2)の0.5mmol/l−トルエン溶液4mlと、成分(C)としてT IBAの0.5mol/l−トルエン溶液1mlを混合した溶液に上記成分(A) を35mg添加し3分間撹拌しオレフィン重合用触媒のスラリーを得た。
2)プロピレンの重合
1.5リットルのオートクレーブに成分(D)として0.2mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.5ml、プロピレン8molを加え50℃に昇温し、エ チレンをその分圧が1.0kg/cm2となるまで導入した。その後、上記オレフィン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入し、エチレンをその分圧が1.0kg/c m2となるよう間欠的に導入しながら30分間重合を行い、プロピレン/エチレ ン共重合体を226.2g得た。
得られたプロピレン共重合体は粒子状であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかった。得られたプロピレン共重合体の融点は122.9℃であり、M FRは56.1g/10分であった。
【0067】
比較例3:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
実施例1において成分(D)を用いなかった以外は同様に行った。
得られたプロピレン共重合体は塊状であり、オートクレーブ内には重合体の激しい付着が見られた。得られたプロピレン共重合体の融点は134.3℃、MFRは0.8g/10分であった。
【0068】
比較例4:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
1)助触媒成分の調製
トルエン50mlにシリカ(富士デビソン社製952)3.0gを加えたスラリ ーに対し、公知の方法にしたがって製造したメチルアルミノキサン(Al原子換算で0.35mol/l)のトルエン溶液70mlを添加した。室温で1時間撹拌した後、トルエンを減圧で留去した。その後、30mlのヘキサンで5回洗浄し、助触媒成分を得た。
2)プロピレン重合用触媒の調製
(B−1)の0.5mmol/l−トルエン溶液4mlと0.5mol/lのTIBAトルエン溶液1mlを混合した溶液に、成分(A)のかわりに上記1)で調製した助触媒成分を30mg添加後、30分間撹拌しオレフィン重合用触媒のスラリーを得た。
3)プロピレンの重合
1.5リットルのオートクレーブに0.5mol/lのTIBAトルエン溶液1.0m l、プロピレン8mol、1−ヘキセン15mlを加え60℃に昇温した。その後、上記オレフィン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入して60分間重合を行い、プロピレン/1−ヘキセン共重合体を57.1g得た。
得られたプロピレン共重合体は塊状であり、オートクレーブ中に激しいファウリングが見られた。得られたプロピレン共重合体の融点は135.1℃、MFRは2.2g/10分であった。
【0069】
比較例5:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
1)助触媒成分の調製
ジクロロメタン30mlにシリカ(富士デビソン社製952)0.5gを加えた スラリーに対し、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート0.3gをジクロロメタン6mlに溶解させた溶液を添加した。 撹拌下2時間還流させた後、上澄みを除去し10mlのトルエンで2回洗浄し、助触媒成分を得た。
2)プロピレンの重合
実施例1において成分(A)のかわりに上記助触媒成分を用いた以外は同様に行い、プロピレン/1−ヘキセン共重合体を12.3g得た。
得られたプロピレン共重合体は塊状であり、オートクレーブ内には重合体の激しい付着が見られた。得られたプロピレン共重合体の融点は132.2℃、MFRは1.1g/10分であった。
【0070】
比較例6:プロピレンと1−ヘキセンの共重合
(B−1)の代わりに1,2−ビス(η5−1−インデニル)エタンジルコニ ウムジクロライドを用いた以外は実施例1と同様に行い、プロピレン/1−ヘキセン共重合体43.7gを塊状で得た。
オートクレーブ中にファウリングが見られた。得られたプロピレン共重合体の融点は118.3℃であった。分子量が小さ過ぎるため、余熱中にプロピレン共重合 体がオリフィスから流出し、MFRは測定不能であった。
【0071】
以上の実施例、参考例および比較例の結果を表1および表2にまとめて示す。
【0072】
【0073】
【0074】
表1および表2より明らかなように、成分(D)を使用しない場合には重合時にファウリングが発生し、得られる重合体も塊状となる(比較例3)。また従来から多数提案されている担持助触媒と本発明で使用するメタロセン化合物とを組み合わせた場合(比較例4〜5)、および本発明で使用するメタロセン化合物とは異なるメタロセン化合物を使用した場合(比較例6)においても、重合時にファウリングが発生し、得られる重合体も塊状となる。
これらに対して本発明の方法により共重合した場合には、MFR値の小さい、すなわち高分子量のプロピレン共重合体が、重合時にファウリングを発生することなく粒子状で得られることが分る(実施例1〜4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明製造方法に用いる触媒調製のフローチャート図である。
Claims (7)
- 一般式(1)
R1、R2およびR3は、互いに同一でも異なってもよく、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、
R4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、
Lはシリル基であり、
a〜cは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数で、かつa+b+c+d=4であり、Kは1価のカチオンである。)で示されるイオン性化合物(a−1)および微粒子状担体(a−2)を接触させて得られる助触媒成分(A)、一般式(2)
M2、M3およびM4は、互いに同一でも異なってもよく、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、
M5はチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
p、qおよびrは0または1〜2の整数で、かつ1≦p+q+r≦4であり、
Q1およびQ2は、互いに同一でも異なってもよく、2位に置換基を有するインデニル基であって、少なくともいずれか一方は2位および4位に置換基を有し、
X1およびX2は、互いに同一でも異なってもよく、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基または炭素数1〜30の炭化水素基である。)で示されるメタロセン化合物(B)、有機アルミニウム化合物(C)からなる触媒、および有機リチウム、有機亜鉛および有機マグネシウム化合物の中から選ばれる1以上の有機金属化合物(D)の存在下にプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合することを特徴とするプロピレン共重合体の製造方法。 - R1、R2およびR3がペンタフルオロフェニル基である請求項1に記載のプロピレン共重合体の製造方法。
- R4がテトラフルオロフェニレン基である請求項1または2に記載のプロピレン共重合体の製造方法。
- Lがトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基またはジメチルクロロシリル基である請求項1乃至3のいずれかに記載のプロピレン共重合体の製造方法。
- 成分(D)がアルキルリチウムである請求項1乃至4のいずれかに記載のプロピレン共重合体の製造方法。
- 成分(D)と成分(B)の割合がモル比で成分(D)/成分(B)=5/1〜100/1の範囲である請求項1乃至5のいずれかに記載のプロピレン共重合体の製造方法。
- 成分(B)において、M2が炭素原子もしくはケイ素原子であり、pが1または2かつq=r=0であり、Q1およびQ2が共に2位および4位に置換基を有するインデニル基である請求項1乃至6のいずれかに記載のプロピレン共重合体の製造方法。
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