JPH10298222A - ポリオレフィン製造用触媒成分およびポリオレフィン製造用触媒 - Google Patents

ポリオレフィン製造用触媒成分およびポリオレフィン製造用触媒

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JPH10298222A
JPH10298222A JP10865897A JP10865897A JPH10298222A JP H10298222 A JPH10298222 A JP H10298222A JP 10865897 A JP10865897 A JP 10865897A JP 10865897 A JP10865897 A JP 10865897A JP H10298222 A JPH10298222 A JP H10298222A
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JP
Japan
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group
polyolefin
catalyst
catalyst component
molecular weight
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Application number
JP10865897A
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English (en)
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Satoshi Ishigaki
聡 石垣
Shinji Hikuma
新次 日隈
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量かつ分子量分布の狭いポリオレフィ
ンをファウリングを発生することなく、粒子状で与える
ことが可能なポリオレフィン製造用触媒の提供。 【構成】 [M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d-
[D]+ (1) で表されるイオン性化合物および平均粒子径が50μm
以下の微粒子担体を接触させて得られるポリオレフィン
製造用助触媒成分およびそれを含有するポリオレフィン
製造用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン製造用触
媒成分およびその触媒成分を含有してなるポリオレフィ
ン製造用触媒に関する。さらに詳しくは高分子量で、か
つ分子量分布の狭いポリオレフィンを与える触媒成分お
よびそれを含有してなるポリオレフィン製造用触媒に関
する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン化合物とアルミノキサンある
いは有機ホウ素化合物などの助触媒からなる触媒により
ポリオレフィンを得ることは公知である。しかし、生成
する重合体が塊状となる、あるいは重合体粒子が嵩比重
の低い取り扱い困難な粉体となる、さらには重合体が反
応器の器壁に付着するファウリングが発生するなどの問
題を有するため、これらの技術を工業的な生産に適用す
ることは困難である。上記問題を解決する試みとして
は、メタロセン化合物やアルミノキサンを微粒子担体上
に担持する方法が提案されている。これらは、例えば特
開昭61-108610号公報、同61-296008号公報、同63-28070
3号公報、同63-22804号公報、同63-51405号公報、同63-
51407号公報、同63-55403号公報、同63-61010号公報、
同63-248803号公報、特開平4-100808号公報、同3-74412
号公報、同3-709号公報、同4-7306公報等に記載されて
いる。また同様に有機ホウ素化合物を担体上に担持する
ことも提案されており、例えば特開平5-239138号公報、
特開平5-247128号公報、特開平7-10917公報などに開示
されている。
【0003】しかし、これらにおいてはファウリングや
塊状の重合体の生成といった問題が十分に解決されては
いない。さらに、アルミノキサンあるいは有機ホウ素化
合物などの助触媒を微粒子担体上に担持することによ
り、得られるポリオレフィンの分子量の低下や分子量分
布の広化という問題が発生する。このため得られるポリ
オレフィンの用途も制限されてしまう。特表平7-501573
号公報には本発明に類似した触媒成分とメタロセン化合
物からなる触媒が開示されている。ここではファウリン
グが改善されているとは言い難く、得られる重合体の性
状も取り扱い困難な塊状となってしまう。また得られる
ポリオレフィンの分子量の低下や、分子量分布が広くな
るという問題は不可避である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メタ
ロセン触媒により高分子量で、かつ分子量分布の狭いポ
リオレフィンを、ファウリングを伴わずに粒子状で与え
ることが可能なポリオレフィン製造用触媒成分およびそ
の触媒成分を含有するポリオレフィン製造用触媒を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記状況に鑑
み鋭意検討した結果、特定のイオン性化合物を特定の粒
子径を有する微粒子担体に接触させて得られる触媒成分
からなる触媒が、高分子量で、かつ分子量分布の狭いポ
リオレフィンを、ファウリングを伴わずに粒子状で与え
ることが可能なことを見出し本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、以下の構成からなるポリオレフ
ィン製造用触媒成分およびその触媒成分を含有するポリ
オレフィン製造用触媒を提供するものである。
【0006】1)下記一般式(1)
【化2】 [M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d-・[D]+ (1) (式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、R1
2およびR3は、互いに同一でも異なってもよく、炭素
数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アル
コキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、R
4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭
化水素基であり、Lはシリル基、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基またはアミノ基であり、a〜cは0または1
〜3の整数、dは1〜4の整数で、かつa+b+c+d
=4であり、Dは1価のカチオンである。)で示される
イオン性化合物(A)および平均粒子径が50μm以下
の微粒子担体(B)を接触させて得られるポリオレフィ
ン製造用触媒成分。
【0007】2)R1、R2およびR3がペンタフルオロ
フェニル基である前記1に記載のポリオレフィン製造用
触媒成分。 3)R4がテトラフルオロフェニレン基である前記1〜
2に記載のポリオレフィン製造用触媒成分。 4)Lがトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基
またはジメチルクロロシリル基である前記1〜3に記載
のポリオレフィン製造用触媒成分。 5)成分(B)が平均粒子径が50μm以下のシリカで
ある前記1〜4に記載のポリオレフィン製造用触媒成
分。 6)前記1〜5に記載のポリオレフィン製造用触媒成分
とメタロセン化合物(C)からなるポリオレフィン製造
用触媒。 7)さらに有機金属化合物(D)を含有する前記6に記
載のポリオレフィン製造用触媒。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の触媒成分に使用されるイオン性化合物(A)は下
記一般式(1)で表される。
【化3】 [M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d-・[D]+ (1) 式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、好まし
くはホウ素である。R1、R2およびR3は、炭素数1〜
20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ
基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、これらは
互いに同一でも異なっていてもよい。炭化水素基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の
アルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル
基等のアリール基、ハロゲン化アリール基等が挙げられ
る。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。これらのう
ち好ましいのはアルキル基、アリール基およびハロゲン
化アリール基であり、特に好ましいのはアリール基およ
びハロゲン化アリール基である。
【0009】ハロゲン化アリール基の具体例としては、
4−フルオロフェニル基等のフルオロフェニル基、2,
4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニ
ル基等のジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフル
オロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル
基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のトリフル
オロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェ
ニル基等のテトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロ
フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル
基等のビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,
3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、
2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル
基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基等のトリス(トリフルオロメチル)フェニル基、
2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)フ
ェニル基等のテトラキス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニル基等
およびこれらのフッ素原子を塩素原子、臭素原子等、他
のハロゲン原子に置き換えたものなどが挙げられる。
【0010】これらハロゲン化アリール基の中でも、ト
リフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペ
ンタフルオロフェニル基などのフルオロフェニル基が好
ましく、さらにはテトラフルオロフェニル基およびペン
タフルオロフェニル基が好ましく、特にペンタフルオロ
フェニル基が好ましい。
【0011】前記イオン性化合物(A)において、R4
は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化
水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン
基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニ
レン基、3−フルオロ−o−フェニレン基、4−フルオ
ロ−m−フェニレン基、2−フルオロ−p−フェニレン
基等のフルオロフェニレン基、3,4−ジフルオロ−o
−フェニレン基、4,5−ジフルオロ−m−フェニレン
基、3,5−ジフルオロ−p−フェニレン基等のジフル
オロフェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−p−フ
ェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フェニレ
ン基等のトリフルオロフェニレン基、2,4,5,6−
テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−
テトラフルオロ−p−フェニレン基等のテトラフルオロ
フェニレン基が挙げられる。これらのうち好ましいの
は、2,4,5−トリフルオロ−m−フェニレン基、
2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、4,
5,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5
−トリフルオロ−p−フェニレン基、2,3,6−トリ
フルオロ−p−フェニレン基、3,4,5,6−テトラ
フルオロ−o−フェニレン基、2,4,5,6−テトラ
フルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラ
フルオロ−p−フェニレン基であり、特に好ましいの
は、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン
基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン
基である。
【0012】イオン性化合物(A)中のLは、シリル
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアミノ基で
あり、シリル基またはヒドロキシル基が好ましい。シリ
ル基の例としては、下記一般式(2)で表わされるもの
が挙げられる。
【化4】 ―〔Si(Z12)−Z6−〕nSiZ345 (2)
【0013】一般式(2)において、Z1、Z2、Z3
4およびZ5はハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキ
シ基、アシルオキシ基および炭素数1〜20の炭化水素
基の中から選ばれ、Z3、Z4、Z5のうち少なくとも一
つはハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基または
アシルオキシ基である。Z6は酸素原子、イミノ基、炭
素数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜20のオ
キサアルキレン基である。nは0または1〜10の整数
である。
【0014】上記シリル基の具体例としては、トリクロ
ロシリル基、トリブロモシリル基等のトリハロゲノシリ
ル基やメチルジクロロシリル基、エチルジクロロシリル
基、n−プロピル−ジクロロシリル基等のアルキルジハ
ロゲノシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチルエチ
ルクロロシリル基、ジエチルクロロシリル基等のジアル
キルハロゲノシリル基、フェニルジクロロシリル基、フ
ェニルジブロモシリル基、クロロフェニルジクロロシリ
ル基等のアリールジハロゲノシリル基、ジフェニルクロ
ロシリル基、ジフェニルブロモシリル基等のジアリール
ハロゲノシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキ
シシリル基、トリ−n−プロポキシシリル基等のトリア
ルコキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチル
ジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチ
ルジエトキシシリル基等のアルキルジアルコキシシリル
基、ジメチルメトキシシリル基、ジエチルメトキシシリ
ル基、ジメチルエトキシシリル基、ジエチルエトキシシ
リル基等のジアルキルアルコキシシリル基、フェニルジ
メトキシシリル基、トリルジメトキシシリル基、フェニ
ルジエトキシシリル基、トリルジエトキシシリル基等の
アリールジアルコキシシリル基、ジフェニルメトキシシ
リル基、ジトリルメトキシシリル基、ジフェニルエトキ
シシリル基、ジトリルエトキシシリル基等のジアリール
アルコキシシリル基などのアルコキシ基含有シリル基、
トリアセトキシシリル基等のトリアシルオキシシリル
基、メチルジアセトキシシリル基等のアルキルジアシル
オキシシリル基、ジメチルアセトキシシリル基等のジア
ルキルアシルオキシシリル基、フェニルジアセトキシシ
リル基等のアリールジアシルオキシシリル基、ジフェニ
ルアセトキシシリル基等のジアリールアシルオキシシリ
ル基やジメチルヒドロキシシリル基、メチルジヒドロキ
シシリル基、ジフェニルヒドロキシシリル基、フェニル
ジヒドロキシシリル基等のアルキルまたはアリールヒド
ロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基等が挙げられ
る。
【0015】これらのうち好ましいのは、トリクロロシ
リル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリ
ル基、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル
基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル
基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリ
ル基、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシ
リル基、ジメチルアセトキシシリル基、トリヒドロキシ
シリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジメチルヒド
ロキシシリル基であり、特に好ましいのはトリクロロシ
リル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリ
ル基である。
【0016】また前記イオン性化合物(A)において、
a〜cは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数であ
り、かつa+b+c+d=4である。このうちでも好ま
しいのはd=1の化合物である。
【0017】前記イオン性化合物(A)において、Dは
1価のカチオンであり、具体的にはプロトン、トリフェ
ニルカルベニウムイオン、トリ−(p−トリル)カルベ
ニウムイオンなどのトリアリールカルベニウムイオンや
トリメチルカルベニウムイオン等のカルベニウムイオ
ン、トロピリウムイオン、フェロセニウムイオン、トリ
メチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニ
ウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン等の
アンモニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオン、
トリエチルオキソニウムイオン等のオキソニウムイオ
ン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
イオンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、
プロトン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−
(p−トリル)カルベニウムイオン等のトリアリールカ
ルベニウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオ
ン、N,N−ジエチルアニリニウムイオン等のジアルキ
ルアニリニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオン
やトリエチルオキソニウムイオン等のトリアルキルオキ
ソニウムイオンである。
【0018】本発明で使用する平均粒子径50μm以下
の微粒子担体(B)としては、金属酸化物、金属ハロゲ
ン化物、金属水酸化物、金属アルコキシド、炭酸塩、硫
酸塩、硝酸塩、酢酸塩、珪酸塩や有機高分子化合物等が
挙げられる。
【0019】金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、
チタニア、マグネシア、ジルコニア、カルシア、酸化亜
鉛等が、金属ハロゲン化物としては、塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ナトリウム等
が例示できる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、金属アルコキ
シドとしては、マグネシウムエトキシド、マグネシウム
メトキシド等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸カル
シウム、塩基性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩
基性炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
硫酸塩としては、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、
硫酸バリウム等が挙げられる。酢酸塩としては、酢酸カ
ルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。珪酸塩と
しては、雲母、タルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カル
シウム珪酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうち好
ましいのは、シリカ、アルミナ、雲母やタルク等の珪酸
マグネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウムなどの
珪酸塩である。
【0020】有機高分子化合物としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−ビニル
エステル共重合体の部分あるいは完全鹸化物等のポリオ
レフィンやその変性物、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性
樹脂が挙げられる。これら有機高分子化合物のうちでも
好ましいのは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ア
ミド基等の極性基を有するものであり、具体的には水酸
基含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸等でグラフト変
性した変性ポリオレフィン、エチレン−ビニルエステル
共重合体の部分あるいは完全鹸化物等が挙げられる。
【0021】これら微粒子担体(B)の平均粒子径は、
50μm以下であり、好ましくは40μm以下、さらに
好ましくは30μm以下、よりさらに好ましくは20μ
m以下、最も好ましくは10μm以下である。平均粒子
径が50μmを超えると、得られるポリオレフィンの分
子量低下や分子量分布の広化をもたらす。このような分
子量低下や分子量分布の広化により、油脂等に抽出され
る成分の増加やブロッキング性の低下などを引き起こす
場合があり、その結果得られるポリオレフィンの用途が
制限されてしまう。
【0022】このような平均粒子径の微粒子担体を得る
方法に特に制限はなく、任意の方法で目的の平均粒子径
に制御してもよく、平均粒子径を制御せずに製造した後
に篩い分け等により目的の平均粒子径を有するものを採
取してもよい。平均粒子径の測定は市販のレーザー回折
式粒度分布測定装置により測定することが可能であり、
その方法はJIS K1150シリカゲル試験方法に準
じて行う。本発明の平均粒子径50μm以下の微粒子担
体(B)の比表面積は特に制限はないが、通常1〜2,00
0m2/gの範囲であり、好ましくは50〜1,500m2/g
であり、さらに好ましくは200〜1,000m2/gの範囲
である。
【0023】本発明の触媒成分の製造は、前記イオン性
化合物(A)と平均粒子径50μm以下の微粒子担体
(B)を任意の方法で接触させることにより行うことが
できる。有機溶剤の非存在下で直接接触させても良い
が、一般的には有機溶剤中で接触が行われる。使用可能
な有機溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、塩化メチレ
ン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル等のエーテル類やN,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミ
ド類、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブ
タノール、2−エチルヘキシルアルコール、デカノール
等のアルコール類およびこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0024】前記イオン性化合物(A)と平均粒子径5
0μm以下の微粒子担体(B)との接触は、使用する有
機溶剤やその他の条件を考慮して任意の温度で可能であ
るが、通常−80℃〜300℃の範囲で行われる。好ま
しい接触温度の範囲は−50℃〜200℃であり、さら
に好ましい範囲は0℃〜150℃である。また、前記イ
オン性化合物(A)の微粒子担体(B)に対する使用量
に特に制限はないが、通常微粒子担体(B)100重量
部に対しイオン性化合物(A)が0.0001〜1,000,000重
量部の範囲である。(A)の使用量を多くすると、オレ
フィン重合触媒の重合活性は向上する傾向にあるが、重
合活性と製造コストのバランスを考慮すると(A)の使
用量は微粒子担体(B)100重量部に対し、好ましく
は0.1〜10,000重量部の範囲であり、さらに好ましくは
1〜1,000重量部の範囲である。このような方法により
前記イオン性化合物(A)が、物理的吸着や化学結合に
より、平均粒子径50μm以下の微粒子担体(B)に担
持され、本発明の触媒成分を与えることとなる。
【0025】本発明のポリオレフィン製造用触媒は、成
分(C)としての任意のメタロセン化合物と前記ポリオ
レフィン製造用触媒成分と接触させることにより調製す
ることができる。このようなメタロセン化合物の具体例
としては、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ビス(η5−メチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(η5−1,3−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ビス(η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ビス(η5−エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(η5−n
−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(η5−i−プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ビス(η5−n−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビ
ス(η5−i−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(η5−t−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(η5−メチル
−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライド等が挙げられる。
【0026】またメタロセン化合物の他の例としては、
ビス[2,4,7−トリメチル−(η5−1−インデニ
ル)]ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス
[2,4−ジメチル−(η5−1−インデニル)]ジメ
チルシランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチ
ル−4,5−ベンゾ(η5−1−インデニル)]ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル
−4−フェニル−(η5−1−インデニル)]ジメチル
シランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル−
4−(1−ナフチル)−(η5−1−インデニル)]ジ
メチルシランジルコニウムジクロライド、1,2−ビス
[2,4−ジメチル−(η5−1−インデニル)]エタ
ンジルコニウムジクロライド、1,2−ビス[2,4,
7−トリメチル−(η5−1−インデニル)]エタンジ
ルコニウムジクロライドが挙げられる。更に上記化合物
のジルコニウムをチタンやハフニウム等の他の金属に置
換したもの、塩素原子を他のハロゲン原子や水素原子、
アミド基、アルコキシ基、メチル基やベンジル基などの
炭化水素基に置換したものなどをも使用することができ
る。
【0027】本発明のポリオレフィン製造用触媒には、
前記メタロセン化合物(C)とポリオレフィン製造用触
媒成分以外の成分として有機金属化合物(D)を含有さ
せることができる。使用可能な有機金属化合物(D)と
しては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合
物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が挙げ
られる。
【0028】有機アルミニウム化合物としては、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n
−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウ
ム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシ
ルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなど
のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムジ
クロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のジア
ルキルアルミニウムハライドやアルキルアルミニウムジ
ハライド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド等のジア
ルキルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアルコキシドあるいはフェノキシド
などが使用できる。
【0029】これらのうち好ましいのは、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウムであり、さら
に好ましいのはトリ−i−ブチルアルミニウム等の分岐
アルキル基を有するトリアルキルアルミニウムである。
【0030】有機リチウムとしては、フェニルリチウム
等のアリールリチウムや、メチルリチウム、n−ブチル
リチウム、i−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム等
のアルキルリチウムなどが挙げられる。有機亜鉛として
は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛等が挙げられ、有機マ
グネシウムとしてはジn−ブチルマグネシウム、n−ブ
チルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム、
メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブ
ロマイド、n−プロピルマグネシウムブロマイド、i−
プロピルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシ
ウムクロライド、i−ブチルマグネシウムクロライド、
s−ブチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネ
シウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイドや
これらの塩素原子や臭素原子を他のハロゲン原子に変え
たものなどのアルキルマグネシウムハライド等が挙げら
れる。これらのうち好ましいのは有機リチウム、有機マ
グネシウムであり、さらに好ましいのはアルキルリチウ
ムやジアルキルマグネシウムであり、最も好ましいのは
アルキルリチウムである。
【0031】本発明のポリオレフィン製造用触媒は、前
記成分を任意の方法で接触させることにより調製するこ
とができる。各成分は、重合反応器中に別々に導入し、
重合反応容器中で接触させてもよく、あらかじめ各成分
を接触させた後に重合反応器に導入してもよい。重合反
応器外で各成分を予め接触させてポリオレフィン製造用
触媒を調製する場合、各成分の接触後はそのままスラリ
ー状で保存することも可能であるが、さらに各種の後処
理を行ったうえで保存してもよい。具体的には、液体を
除去した後に担持されなかった成分を洗浄除去し固体状
で保存する方法や、減圧により液体を留去して固体状で
保存する方法などである。さらにはこれら固体状の触媒
に少量のヘキサンやトルエン等の炭化水素やオイル、グ
リース等を加えたスラリーなど、重合反応器に添加しや
すい形態で保存することも可能である。
【0032】本発明のポリオレフィン製造用触媒は、特
に制限なく任意の重合方法で用いることができる。具体
的には液体オレフィン中で行う塊状重合、不活性溶剤の
存在下に液相中で行う溶液重合やスラリー重合、気相オ
レフィン中で行う気相重合などが挙げられる。これらの
うち好ましいのは塊状重合および気相重合である。重合
温度は、生産性や製造するポリオレフィンの分子量を考
慮して任意であるが、通常0〜130℃の範囲であり、
好ましいのは20〜100℃の範囲であり、特に好まし
いのは45〜80℃の範囲である。圧力は液相中の重合
において常圧〜70kg/cm2、気相中では常圧〜5
0kg/cm2の範囲が一般的であり、得ようとするポ
リオレフィンの性質や、生産性などを考慮して適当な範
囲を選択できる。また重合時には、水素の導入や温度、
圧力の選定など任意の手段により分子量を調節すること
が可能である。
【0033】本発明のポリオレフィン製造用触媒により
重合可能なオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1
−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘ
キサン等およびこれらの混合物である。またファウリン
グを伴わずに高分子量で分子量分布の狭い粒子状共重合
体を得るという本発明の主旨を逸脱しない範囲において
スチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,4−ヘキ
サジエンなどの共役あるいは非共役ジエンを少量使用し
共重合することもできる。これらのうち好ましいのは、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1
−オクテンおよびこれらの混合物である。
【0034】
【発明の効果】本発明は特定のイオン性化合物を平均粒
子径50μm以下の微粒子担体に接触させて得られるポ
リオレフィン製造用触媒成分、およびその触媒成分を含
有する触媒を提供したものであり、本発明の触媒を使用
することにより高分子量でかつ分子量分布の狭い、特に
重量平均分子量/数平均分子量の値で3.00以下の分子量
分布を有するポリオレフィンを、ファウリングを伴うこ
となく粒子状で得ることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はその主旨を逸脱しない
範囲においてこれらに限定されるものではない。これら
例において用いた物性の測定方法は以下のとおりであ
る。
【0036】微粒子担体の平均粒子径 レーザー回折式粒度分布測定装置を用い測定した。重量平均分子量および分子量分布(重量平均分子量/数
平均分子量)の測定 試験管に5mlの1,2,4−トリクロロベンゼンを取
り、これに試料約2.5gを投入した。この試験管に栓を
した後、160℃の恒温槽で試料を溶解させた。得られ
た溶液を焼結フィルターでろ過した後、ろ液をWate
rs社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置
150C(カラム:Shodex AT-806MS,カラム温度14
0℃,溶媒流量1ml/分)を用いて測定した。
【0037】実施例1 1)イオン性化合物(A)の製造 1−ブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン
3.85g(1.68mmol)をジエチルエーテル50mlに
溶解した。さらに−78℃でn−ブチルリチウムのヘキ
サン溶液(1.6mol/l)10.5mlを滴下し、30分
間撹拌した。得られた溶液をトリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボランのヘキサン溶液(50mmol/l)2
00mlに添加し、25℃で20分間撹拌することで、
生成物を固体として得た。溶液層を除去後、得られた固
体をヘキサンで洗浄し真空乾燥を行った。上記で得られ
た固体1.66gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し−
78℃まで冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン
溶液(1.6mol/l)1.5mlを滴下し45分間撹拌し
た。この溶液をジクロロジメチルシラン3.5mlをテト
ラヒドロフラン10mlに溶解した溶液に添加し、25
℃で15分間撹拌した。この溶液にヘプタン100ml
を加えた後、テトラヒドロフランを留去した。ヘプタン
層を除去した残分をヘキサンで洗浄後、真空乾燥した。
さらにジクロロメタン50mlを加え不溶分を除去した
後、ジクロロメタンを留去することで1.65gの生成物を
得た。この生成物1.65gをジクロロメタン30mlに溶
解した後、ジメチルアニリニウムクロライド0.31gを添
加し、25℃で5分間撹拌した。不溶分を除去後、ジク
ロロメタンを留去、真空乾燥することでN,N−ジメチ
ルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)〔p
−(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕
ボラート1.7gを得た。
【0038】2)ポリオレフィン製造用触媒成分の調製 ジクロロメタン30mlに平均粒子径50μm以下の微
粒子担体(B)として富士シリシア製シリカ(平均粒子
径8.4μm、比表面積715m2/g、細孔容積1.98ml
/g)0.5gを加えたスラリーに対し、前記イオン性化合
物(A)0.3gをジクロロメタン6mlに溶解させた溶
液を添加した。撹拌下2時間還流させた後、上澄みを除
去しジクロロメタンで洗浄し、ポリオレフィン製造用触
媒成分を得た。
【0039】3)ポリオレフィン製造用触媒の調製 ビス[2−メチル−4,5−ベンゾ(η5−1−インデ
ニル)]ジメチルシランジルコニウムジクロライドの0.
5mmol/l−トルエン溶液1.0mlと0.5mol/l
のトリイソブチルアルミニウム(TIBA)トルエン溶
液1mlおよびトルエン3mlを混合した溶液に、上記
ポリオレフィン製造用触媒成分を30mg添加し3分間
撹拌しポリオレフィン製造用触媒のスラリーを得た。
【0040】4)プロピレンの重合 1.5リットルのオートクレーブに成分(D)として0.1m
ol/lのn−BuLiヘキサン溶液0.5ml、プロピ
レン8molを加え50℃に昇温した。その後、上記オ
レフィン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入し、30
分間重合を行った。得られたポリプロピレンは粒子状で
あり、オートクレーブ中にファウリングは見られなかっ
た。得られたポリプロピレンの重量平均分子量は463,00
0、分子量分布は2.71であった。
【0041】実施例2 ポリオレフィン製造用触媒成分の調製において平均粒子
径50μm以下の微粒子担体(B)として富士シリシア
製シリカ(平均粒子径27.8μm、比表面積710m2
g、細孔容積1.98ml/g)を用いた以外は実施例1と
同様に実施した。得られたポリプロピレンは粒子状であ
り、オートクレーブ中にファウリングは見られなかっ
た。得られたポリプロピレンの重量平均分子量は442,00
0、分子量分布は2.69であった。
【0042】比較例1 ポリオレフィン製造用触媒成分の調製において平均粒子
径50μm以下の微粒子担体(B)の代わりに富士シリ
シア製シリカ(平均粒子径57.0μm、比表面積610m
2/g、細孔容積0.92ml/g)を用いた以外は実施例
1と同様に実施した。得られたポリプロピレンは粒子状
であり、オートクレーブ中にファウリングは見られなか
った。得られたポリプロピレンの重量平均分子量は351,
000、分子量分布は3.51であった。
【0043】比較例2 1)ポリオレフィン製造用触媒成分の調製 ジクロロメタン30mlに富士シリシア製シリカ(平均
粒子径27.8μm、比表面積710m2/g、細孔容積1.9
8ml/g)0.5gを加えたスラリーに対し、N,N−ジ
メチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラート0.3gをジクロロメタン6mlに溶解させ
た溶液を添加した。撹拌下2時間還流させた後、上澄み
を除去し10mlのトルエンで2回洗浄し、助触媒成分
を得た。 2)プロピレンの重合 実施例1において上記ポリオレフィン製造用触媒成分を
用いた以外は同様に行った。オートクレーブ内に重合体
の激しい付着が見られ、得られたポリプロピレンは塊状
であった。
【0044】以上の実施例および比較例の結果を表1に
まとめて示す。
【0045】表1から明らかなように、成分(B)の微
粒子担体として粒径の大きなものを使用した場合にはフ
ァウリングが発生せず重合体も粒子状で得られるが、分
子量が低く、また分子量分布も広い(比較例1)。また
成分(A)として本発明規定外の従来公知の化合物を使
用した場合には、ファウリングが発生しまた得られる重
合体も塊状である(比較例2)。これらに対して、本発
明の触媒を用いた場合には(実施例1〜2)、高分子量
でかつ分子量分布の狭いポリオレフィンが粒子状で得ら
れ、ファウリングも発生しないことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の触媒成分および触媒を用いたオレフ
ィン重合のフローチャート図。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d-・[D]+ (1) (式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、 R1、R2およびR3は、互いに同一でも異なってもよ
    く、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素
    基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子で
    あり、 R4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい
    炭化水素基であり、 Lはシリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または
    アミノ基であり、 a〜cは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数で、
    かつa+b+c+d=4であり、 Dは1価のカチオンである。)で示されるイオン性化合
    物(A)および平均粒子径が50μm以下の微粒子担体
    (B)を接触させて得られるポリオレフィン製造用触媒
    成分。
  2. 【請求項2】 R1、R2およびR3がペンタフルオロフ
    ェニル基である請求項1に記載のポリオレフィン製造用
    触媒成分。
  3. 【請求項3】 R4がテトラフルオロフェニレン基であ
    る請求項1または2記載のポリオレフィン製造用触媒成
    分。
  4. 【請求項4】 Lがトリクロロシリル基、メチルジクロ
    ロシリル基またはジメチルクロロシリル基である請求項
    1乃至3のいずれかに記載のポリオレフィン製造用触媒
    成分。
  5. 【請求項5】 成分(B)が平均粒子径が50μm以下
    のシリカである請求項1乃至4のいずれかに記載のポリ
    オレフィン製造用触媒成分。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリ
    オレフィン製造用触媒成分とメタロセン化合物(C)か
    らなるポリオレフィン製造用触媒。
  7. 【請求項7】 さらに有機金属化合物(D)を含有する
    請求項6に記載のポリオレフィン製造用触媒。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323007A (ja) * 2000-05-18 2001-11-20 Sunallomer Ltd オレフィン重合用触媒成分およびその保存方法、オレフィン重合用触媒並びにオレフィン重合体の製造方法
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WO2003035704A1 (en) * 2001-10-19 2003-05-01 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Process for polymerization of olefins
JP2005537352A (ja) * 2002-08-29 2005-12-08 ビーピー ケミカルズ リミテッド オレフィン重合方法

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