JPH1192515A - プロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents
プロピレン系重合体の製造方法Info
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- JPH1192515A JPH1192515A JP9258315A JP25831597A JPH1192515A JP H1192515 A JPH1192515 A JP H1192515A JP 9258315 A JP9258315 A JP 9258315A JP 25831597 A JP25831597 A JP 25831597A JP H1192515 A JPH1192515 A JP H1192515A
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Abstract
布に調節された重合体を高い活性で与えるプロピレン系
重合体の製造方法を提供する。 【構成】 一般式(1)のイオン性化合物(a-1)と微
粒子状担体(a-2)を接触させて得られる助触媒成分
(A)、メタロセン化合物(B)、有機アルミニウム化
合物(B)からなる触媒を用い水素の存在下に重合する
プロピレン系重合体の製造方法。 【化1】[M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d]-・
[K]+ (1) (式中の記号は明細書中に記載の通り)
Description
の製造方法に関する。さらに詳しく言えば、分子量分布
の広い重合体を高活性で与えるメタロセン触媒によるプ
ロピレンの単独重合体あるいは主要成分のプロピレンと
他の共重合可能モノマーとの共重合体(本明細書ではこ
れらを併せて、プロピレン系共重合体と言う。)の製造
方法に関する。
ミノキサンあるいは有機ホウ素化合物などの助触媒とか
らなる触媒によりプロピレンの重合体を得ることは公知
である。このような触媒から得られる重合体はシート、
フィルム、ラミネートといった分野での利用が期待され
ている。例えば、特開平2-173014公報、特開平2-173015
号公報、同2-173016号公報、同2-173110号公報、同2-25
5812号公報などに特定のメタロセン化合物とアルミノキ
サンからなる触媒によりプロピレン重合体、あるいはプ
ロピレンとα−オレフィンおよびエチレンからなる重合
体が得られることが開示されている。
も分子量分布が狭く、ことに分子量分布の指標である重
量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/M
n)が4以上のものを得ることは一般に困難である。分
子量分布は、フィルムやブロー製品の表面肌に関係して
おり、分子量分布が広いほど成形品の表面肌荒れが少な
いと考えられており、メタロセン触媒系においても広い
分子量分布を有するプロピレン系重合体を製造する方法
が求められている。
ロピレン重合体として、例えばMakromol. Chem., Rapid
Commun., 8, 305(1987)には、エチレンビステトラヒド
ロインデニルジルコニウムジクロリドとアルミノキサン
からなる触媒の存在下にプロピレンを重合すると、Mw
/Mnが5.8のアイソタクティックなプロピレン重合体
が得られることが記載されている。このように特定のメ
タロセン化合物を用いることにより分子量分布の広いプ
ロピレン重合体を得ることが可能であるが、得られる重
合体の分子量や融点等の性質は必ずしも十分でなく、ま
た分子量分布を任意の値に調節することは困難である。
ム化合物を用い、−20〜40℃の範囲で重合すること
によりMw/Mnが4.5以上のプロピレン重合体が得ら
れることが開示されている。しかし工業的に操作し易い
50℃以上の重合温度範囲では、分子量分布の広いプロ
ピレン重合体を得ることは困難であることが記載されて
いる。
多段重合により分子量分布の広い重合体を得ることが提
案されている。しかし、複数の重合反応器を必要とし、
さらに前段の重合条件の変動が後段の重合条件に影響を
及ぼすため、目的の分子量分布を有する重合体を得るた
めに重合条件を制御することは容易ではない。また複数
のメタロセン化合物を使用することにより分子量分布を
広げる提案がされているが、得られる重合体の分子量や
融点等の性能の点で利用できるメタロセン化合物に制限
があるため、分子量分布を任意に調節することは必ずし
も容易でない。
量分布に調節されたプロピレン重合体を与える製造技術
は、未だ充分に確立されているとは言い難いのが現状で
ある。従って、本発明の目的はメタロセン触媒により広
い分子量分布に調節された重合体を高い活性で与えるプ
ロピレン系重合体の製造方法を提供することにある。
果、特定のイオン性化合物を微粒子状担体に接触させて
得られる助触媒成分、メタロセン化合物、有機アルミニ
ウムからなる触媒を用い水素の存在下にプロピレンを重
合すると、予想外にも広い分子量分布に調節されたプロ
ピレン重合体が効率良く得られることを見出し本発明を
完成するに至った。
触媒が開示されているが、本発明は水素の存在下で重合
することにより広い分子量分布を有する重合体が得られ
ることを見出したものであり、その様な開示のない前記
PCT公開公報効果から本発明を容易に類推することは
困難である。
R2およびR3は、互いに同一でも異なってもよく、炭素
数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アル
コキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、R
4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭
化水素基であり、Lはシリル基、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基またはアミノ基であり、a、bおよびcは0
または1〜3の整数、dは1〜4の整数で、かつa+b
+c+d=4であり、Kは1価のカチオンである。)で
示されるイオン性化合物(a-1)と微粒子状担体(a-2)
を接触させて得られる助触媒成分(A)、メタロセン化
合物(B)、および有機アルミニウム化合物(C)から
なる触媒を用いて、水素の存在下にプロピレンを重合す
ることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法、 2)R1、R2およびR3がペンタフルオロフェニル基で
あり、R4がテトラフルオロフェニレン基である前記1
に記載のプロピレン系重合体の製造方法、 3)Lがトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基
またはジメチルクロロシリル基である前記1または2記
載のプロピレン系重合体の製造方法、 4)メタロセン化合物(B)が一般式(2)
に同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、
アルコキシ基、フェノキシ基または炭素数1〜20の炭
化水素基であり、M2、M3およびM4は、互いに同一で
も異なってもよく、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウ
ム原子またはスズ原子であり、M5はチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウムまたはバナジウムであり、p、qおよ
びrは0または1〜2の整数で、かつ1≦p+q+r≦
4であり、Q1およびQ2は、互いに同一でも異なっても
よく、2位に置換基を有するインデニル基であり、少な
くともいずれか一方は2位および4位に置換基を有し、
X1およびX2は、互いに同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン原子、水素原子、アルコキシ基、フェノキシ基、ア
ミド基または炭素数1〜30の炭化水素基である。)で
示されるものである前記1〜3のプロピレン系重合体の
製造方法、および 5)さらに、有機リチウム、有機亜鉛、有機マグネシウ
ム化合物の中から選ばれる1以上の有機金属化合物
(D)を含有する触媒を用いる前記1〜4に記載のプロ
ピレン系重合体の製造方法を提供するものである。
発明で使用する助触媒成分(A)を構成するイオン性化
合物(a-1)は下記一般式(1)で表わされる。
あり、好ましくはホウ素である。R1、R2およびR
3は、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水
素基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子
であり、これらは互いに同一でも異なってもよい。炭化
水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ジ
メチルフェニル基等のアリール基、ハロゲン化アリール
基が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。これらのう
ち好ましいのは、アルキル基、アリール基およびハロゲ
ン化アリール基であり、特に好ましいのはアリール基お
よびハロゲン化アリール基である。
4−フルオロフェニル基等のフルオロフェニル基、2,
4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニ
ル基等のジフルオロフェニル基、2,4,5−トリフル
オロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基
等のトリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニル基等のテトラフルオロフェニル基、ペ
ンタフルオロフェニル基、3,4−ビス(トリフルオロ
メチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル基等のビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェ
ニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フ
ェニル基等のトリス(トリフルオロメチル)フェニル
基、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチ
ル)フェニル基等のテトラキス(トリフルオロメチル)
フェニル基、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基等およびこれらのフッ素原子を塩素原子、臭素原子
等、他のハロゲン原子に置き換えたものなどが挙げられ
る。
リフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペ
ンタフルオロフェニル基などのフルオロフェニル基が好
ましく、さらにはテトラフルオロフェニル基およびペン
タフルオロフェニル基が好ましく、特にペンタフルオロ
フェニル基が好ましい。
は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化
水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン
基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニ
レン基、4−フルオロ−m−フェニレン基、2−フルオ
ロ−p−フェニレン基等のフルオロフェニレン基、4,
5−ジフルオロ−m−フェニレン基、3,5−ジフルオ
ロ−p−フェニレン基等のジフルオロフェニレン基、
2,4,5−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,
4,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、4,5,6
−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5−トリ
フルオロ−p−フェニレン基、2,3,6−トリフルオ
ロ−p−フェニレン基等のトリフルオロフェニレン基、
3,4,5,6−テトラフルオロ−o−フェニレン基、
2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、
2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基等
のテトラフルオロフェニレン基が挙げられる。
トリフルオロ−m−フェニレン基、2,4,6−トリフ
ルオロ−m−フェニレン基、4,5,6−トリフルオロ
−m−フェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−p−
フェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フェニ
レン基、3,4,5,6−テトラフルオロ−o−フェニ
レン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニ
レン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニ
レン基であり、特に好ましいのは、2,4,5,6−テ
トラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テ
トラフルオロ−p−フェニレン基である。
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基のいず
れかであり、好ましくはシリル基またはヒドロキシル基
である。シリル基としては、下記一般式(3)で表わさ
れるものが挙げられる。
Z4およびZ5はハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキ
シ基、アシルオキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基の
中から選ばれ、Z3、Z4、Z5のうち少なくとも一つは
ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アシルオ
キシ基である。Z6は酸素原子、イミノ基、炭素数1〜
20のアルキレン基、炭素数1〜20のアリーレン基、
炭素数1〜20のオキサアルキレン基のいずれかであ
る。nは0または1〜10の整数である。
ロシリル基等のトリハロゲノシリル基、メチルジクロロ
シリル基、エチルジクロロシリル基等のアルキルジハロ
ゲノシリル基、ジメチルクロロシリル基、ジエチルクロ
ロシリル基等のジアルキルハロゲノシリル基、フェニル
ジクロロシリル基、p−トリルジクロロシリル基等のア
リールジハロゲノシリル基、ジフェニルクロロシリル基
等のジアリールハロゲノシリル基、トリメトキシシリル
基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル
基、メチルジメトキシシリル基等のアルキルジアルコキ
シシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエト
キシシリル基等のジアルキルアルコキシシリル基、フェ
ニルジメトキシシリル基、トリルジメトキシシリル基等
のアリールジアルコキシシリル基、ジフェニルメトキシ
シリル基、ジトリルメトキシシリル基、ジフェニルエト
キシシリル基等のジアリールアルコキシシリル基などの
アルコキシ基含有シリル基、トリアセトキシシリル基等
のトリアシルオキシシリル基、メチルジアセトキシシリ
ル基等のアルキルジアシルオキシシリル基、ジメチルア
セトキシシリル基等のジアルキルアシルオキシシリル
基、フェニルジアセトキシシリル基等のアリールジアシ
ルオキシシリル基、ジフェニルアセトキシシリル基等の
ジアリールアシルオキシシリル基やジメチルヒドロキシ
シリル基等のアルキルヒドロキシシリル基等が挙げられ
る。
リル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリ
ル基、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル
基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル
基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリ
ル基、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシ
リル基、ジメチルアセトキシシリル基、トリヒドロキシ
シリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジメチルヒド
ロキシシリル基であり、特に好ましいのはトリクロロシ
リル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリ
ル基である。
て、a、bおよびcは0または1〜3の整数、dは1〜
4の整数であり、かつa+b+c+d=4である。これ
らのうちでも好ましいのはd=1の化合物である。
は1価のカチオンである。具体的にはプロトン、トリフ
ェニルカルベニウムイオン、トリ(p−トリル)カルベ
ニウムイオンなどのトリアリールカルベニウムイオンや
トリメチルカルベニウムイオン等のカルベニウムイオ
ン、トロピリウムイオン、フェロセニウムイオン、トリ
メチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニ
ウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン等の
アンモニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオン、
トリエチルオキソニウムイオン等のオキソニウムイオ
ン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
イオンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、
プロトン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−
(p−トリル)カルベニウムイオン等のトリアリールカ
ルベニウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオ
ン、N,N−ジエチルアニリニウムイオン等のジアルキ
ルアニリニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオン
やトリエチルオキソニウムイオン等のトリアルキルオキ
ソニウムイオンである。
合物(a-1)の具体例としては、N,N−ジメチルアニリ
ニウム〔4−(クロロジメチルシリル)−2,3,5,
6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボラート、N,N−ジメチルアニリニウム
(4−トリクロロシリル−2,3,5,6−テトラフル
オロフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラ
ート等、WO96/41808号に記載されている化合物等が挙げ
られる。
される微粒子状担体(a-2)としては、金属酸化物、金
属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属アルコキシド、炭
酸塩、硫酸塩、酢酸塩、珪酸塩や有機高分子化合物等が
挙げられる。
チタニア、マグネシア、ジルコニア、カルシア、酸化亜
鉛等が例示でき、金属ハロゲン化物としては、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ナトリ
ウム等が例示できる。金属水酸化物としては、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、金属ア
ルコキシドとしては、マグネシウムエトキシド、マグネ
シウムメトキシド等が挙げられる。炭酸塩としては、炭
酸カルシウム、塩基性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げら
れる。硫酸塩としては、硫酸カルシウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸バリウム等が挙げられる。酢酸塩としては、
酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。珪
酸塩としては、雲母、タルク等の珪酸マグネシウムや珪
酸カルシウム、珪酸ナトリウム等が挙げられる。これら
のうち好ましいのは、シリカ、アルミナ、雲母やタルク
等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウ
ムなどの珪酸塩である。
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−ビニル
エステル共重合体の部分あるいは完全鹸化物等のポリオ
レフィンやその変性物、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性
樹脂が挙げられる。これら有機高分子化合物のうちでも
好ましいのは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ア
ミド基等の極性基を有するものであり、具体的には水酸
基含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸等でグラフト変
性した変性ポリオレフィン、エチレン−ビニルエステル
共重合体の部分あるいは完全鹸化物等が挙げられる。
は、特に制限はないが、通常0.1〜2,000μmの範囲であ
り、好ましくは1〜1,000μm、さらに好ましくは5〜
100μmの範囲である。また比表面積は、特に制限は
ないが通常0.1〜2,000m2/gの範囲であり、好ましく
は10〜1,500m2/gであり、さらに好ましくは100
〜1,000m2/gの範囲である。
は、前記イオン性化合物(a-1)と微粒子状担体(a-2)
を任意の方法で接触させることにより行なうことができ
る。有機溶剤の非存在下で直接接触させてもよいが、一
般的には有機溶剤中で接触が行なわれる。ここで用いら
れる有機溶剤としてはペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、塩化
メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類や
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、n−ブタノール等のアルコール類およびこれらの混
合物等が挙げられる。
体(a-2)との接触は、使用する有機溶剤やその他の条
件を考慮して任意の温度で可能であるが、通常−80℃
〜300℃の範囲で行なわれる。好ましい接触温度の範
囲は−50℃〜200℃であり、さらに好ましい範囲は
0℃〜150℃である。
子状担体(a-2)に対する使用量に特に制限はないが、
通常微粒子状担体(a-2)100重量部に対しイオン性
化合物(a-1)が0.0001〜1,000,000重量部の範囲であ
る。(a-1)の使用量を多くすると、触媒の重合活性は
向上する傾向にあるが、重合活性と製造コストのバラン
スを考慮すると(a-1)の使用量は微粒子状担体(a-2)
100重量部に対し、好ましくは0.1〜10,000重量部の
範囲であり、さらに好ましくは1〜1,000重量部の範囲
である。このような方法により前記イオン性化合物(a-
1)が、物理的吸着や化学結合により、微粒子状担体(a
-2)に担持され、本発明の触媒成分を与えることとな
る。
は、プロピレンを重合するものであれば特に制限はない
が、プロピレンを立体規則的に重合するメタロセン化合
物を使用することが好ましい。中でも高分子量のプロピ
レン重合体、特にエチレンを共重合した場合にも高分子
量の重合体、あるいは高融点の重合体が得られることか
ら、メタロセン化合物(B)として下記一般式(2)で
表わされるものを用いることが好ましい。
10は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノ
キシ基、炭素数1〜20の炭化水素基のいずれかであ
り、互いに同一でも異なってもよい。炭素数1〜20の
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等
のアルキル基やフェニル基、トリル基等のアリール基、
ベンジル基等のアリールアルキル基、ビニル基、プロペ
ニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
原子、ゲルマニウム原子、スズ原子のいずれかであり、
互いに同一でも異なってもよい。これらの中でも好まし
いのは炭素原子およびケイ素原子である。M5はチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウムのいずれか
であり、好ましいのはチタン、ジルコニウム、ハフニウ
ムであり、さらに好ましいのはジルコニウムまたはハフ
ニウムであり、最も好ましいのはジルコニウムである。
あり、かつ1≦p+q+r≦4であり、好ましくは1≦
p+q+r≦2である。
デニル基であり、少なくともいずれか一方は2位および
4位に置換基を有し、互いに同一でも異なってもよい。
好ましいのは、Q1およびQ2が共に2位および4位に置
換基を有するインデニル基である。なおQ1およびQ2は
2位および4位以外の位置に、付加的に任意の置換基を
有していてもよい。また各置換基は他の置換基と互いに
結合し環状構造を形成していてもよい。
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのアル
キル基もしくはハロゲン化アルキル基、ビニル基やプロ
ペニル基などのアルケニル基、フェニル基やトリル基、
1−ナフチル基などのアリール基もしくはハロゲン化ア
リール基、ベンジル基などのアリールアルキル基もしく
はハロゲン化アリールアルキル基、メトキシ基やエトキ
シ基などのアルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基な
どのシリルオキシ基、トリメチルシリル基などのシリル
基、アミノ基、フォスフィノ基などが挙げられる。これ
らの中でも、好ましいのはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基であ
り、さらに好ましいのはメチル基およびエチル基であ
る。
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等のアルキ
ル基など前記2位の置換基と同様のものが例示される。
これらのうち好ましいのはアルキル基およびアリール基
であり、特に好ましいのはアリール基である。
子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基および炭素
数1〜30の炭化水素基の中から選ばれ、互いに同一で
も異なってもよい。炭素数1〜30の炭化水素基として
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基やフェ
ニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアリ
ールアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニ
ル基などが挙げられる。
をより具体的に示すと、ビス[2,4,7−トリメチル
−(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニ
ウムジクロライド、ビス[2,4−ジメチル−(η5−
1−インデニル)]ジメチルシランジルコニウムジクロ
ライド、ビス[2−メチル−4,5−ベンゾ(η5−1
−インデニル)]ジメチルシランジルコニウムジクロラ
イド、ビス[2−メチル−4−フェニル−(η5−1−
インデニル)]ジメチルシランジルコニウムジクロライ
ド、ビス[2−メチル−4−(1−ナフチル)−(η5
−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニウムジク
ロライド、ビス[2−メチル−4−(9−アントラセニ
ル)−(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジル
コニウムジクロライド、ビス[2−メチル−4−(9−
フェナントリル)−(η5−1−インデニル)]ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、1,2−ビス
[2,4−ジメチル−(η5−1−インデニル)]エタ
ンジルコニウムジクロライド、1,2−ビス[2,4,
7−トリメチル−(η5−1−インデニル)]エタンジ
ルコニウムジクロライドが挙げられる。さらに上記化合
物のジルコニウムをチタンやハフニウム等の他の金属に
置換したもの、塩素原子を他のハロゲン原子や水素原
子、アミド基、アルコキシ基、メチル基やベンジル基な
どの炭化水素基に置換したものなどをも使用することが
できる。
タロセン化合物(B)の活性化およびモノマー中の不純
物を取り除く目的で有機アルミニウム化合物(C)が添
加される。このような有機アルミニウム化合物として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロラ
イド等のジアルキルアルミニウムハライドやアルキルア
ルミニウムジハライド、ジイソブチルアルミニウムヒド
リド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキ
シド等のジアルキルアルミニウムアルコキシドあるいは
フェノキシドなどが例示できる。
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウムであり、さら
に好ましいのはトリ−i−ブチルアルミニウム等の分岐
アルキル基を有するトリアルキルアルミニウムである。
(C)の他に、さらに有機リチウム、有機亜鉛、有機マ
グネシウム化合物の中から選ばれる1以上の有機金属化
合物(D)を使用することができる。成分(D)を使用
することにより、特にプロピレン共重合体の製造時にお
いてファウリングの発生、塊状重合体の生成が抑制され
る。
下のようなものと推定される。すなわち本発明において
は成分(A)と成分(B)の特定のメタロセン化合物を
接触させることにより、成分(B)も成分(A)中の微
粒子状担体に担持される。このとき成分(B)は微粒子
状担体に完全に担持されるとは限らず、また一旦担持し
たものが重合系内で脱離したりする。このような遊離し
た状態にある成分(B)により反応器壁や重合体粒子表
面での重合が進行し、ファウリングが発生すると考えら
れる。このとき本発明の成分(D)により遊離した状態
にある成分(B)が不活化され、反応器壁や重合体粒子
表面での重合が抑制されるため、ファウリングの発生が
抑制されると考えられる。なお成分(D)のような、成
分(B)を不活化する化合物を添加すると重合が抑制さ
れると予測される。しかし成分(D)により不活化され
た成分(B)は、再度、成分(A)と接触することによ
り重合活性を回復するものと推定されるため、本発明に
おいては成分(D)の添加による重合の抑制はあまり見
られず、ファウリングを伴わずに高い活性でプロピレン
共重合体を与えることとなる。
としては、フェニルリチウム等のアリールリチウムや、
メチルリチウム、n−ブチルリチウム、i−ブチルリチ
ウム、s−ブチルリチウム等のアルキルリチウムなどが
挙げられる。有機亜鉛としてはジメチル亜鉛、ジエチル
亜鉛等が挙げられ、有機マグネシウムとしてはジ(n−
ブチル)マグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム
等のジアルキルマグネシウム、メチルマグネシウムブロ
マイド、エチルマグネシウムブロマイド、n−プロピル
マグネシウムブロマイド、i−プロピルマグネシウムブ
ロマイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、i−ブ
チルマグネシウムクロライドなどのアルキルマグネシウ
ムハライド等が挙げられる。これらのうち好ましいの
は、有機リチウム、有機マグネシウムであり、さらに好
ましいのはアルキルリチウム、ジアルキルマグネシウム
であり、最も好ましいのはアルキルリチウムである。
おいて使用される触媒は、上記の成分(A)、成分
(B)、成分(C)および任意に成分(D)を接触させ
ることにより調製することができる。これらの成分は同
時に接触させてもよく、また遂次に接触させてもよい
が、成分(D)を使用する場合、その接触は成分(A)
〜(C)の接触後に行なうことが好ましい。また調製の
方法に特に制限はなく、重合を行なう反応器に各成分を
別々に導入し反応器内で接触させて調製してもよく、予
め反応器の外で調製してもよい。
に導入し反応器内で本発明の触媒を調製させる場合にお
いては、各成分はそのまま導入してもよいが、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエンなどの有機溶剤や、あるいはパ
ラフィン系、ナフテン系、芳香族系のオイル、グリース
などに分散させた状態で導入してもよい。反応器の外で
接触させて触媒を調製する場合には、一般的には有機溶
剤中で接触が行なわれる。使用可能な有機溶剤としては
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン
等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類やこれらの混合物
等が挙げられる。また接触時の温度は、使用する有機溶
剤やその他の条件を考慮して任意に決定されるが、通常
−80〜200℃の範囲で行なわれる。好ましい接触温
度の範囲は−50〜120℃であり、さらに好ましい範
囲は0〜100℃である。
媒を調製した後は、そのまま重合を行なう反応器に導入
してもよく、液相を固液分離や減圧留去等により除去し
てから導入してもよい。さらにはヘキサンやトルエンな
どで洗浄を行なった後に投入することも可能である。
特に制限はなく、通常、成分(A)中に含有されるイオ
ン性化合物および/またはその残基1モルに対し0.01〜
20モルであり、好ましくは0.05〜10モル、さらに好
ましくは0.02〜5モル、特に好ましくは0.1〜2モルの
範囲である。
用量は特に制限はなく、通常、成分(B)中に含有され
るジルコニウム等の遷移金属1モルに対し0.01〜100,00
0モルであり、好ましくは0.1〜10,000モル、さらに好ま
しくは10〜3,000モル、特に好ましくは20〜1,000モ
ルの範囲である。
対するその使用量には特に制限はなく、通常、成分
(B)中に含有されるジルコニウム等の遷移金属1モル
に対し0.01〜10,000モルであり、好ましくは0.1〜1,000
モル、さらに好ましくは1〜300モル、特に好ましく
は5〜100モルの範囲である。
下でプロピレンの重合、あるいは主要成分のプロピレン
と他の共重合可能なモノマーとの共重合を行なう。重合
時の水素添加量、すなわち水素濃度により分子量分布が
調節され、水素濃度を増加させることで分子量分布を広
くすることが可能である。
いが、通常反応器中の濃度で0.1〜10,000mol−pp
m(mol−ppmとは、反応器中に存在するモノマー
1×106molに対する、反応器中の水素のmol数
を示すものである。)の範囲である。0.1mol−pp
m未満では分子量分布を調節する効果が不十分であった
り、10,000mol−ppmを超えると得られるプロピレ
ン重合体が塊状になったり、重合を行なう反応器に重合
体が強固に付着するファウリングが発生する場合があ
る。水素濃度は、好ましくは1.0〜2,000mol−ppm
の範囲、好ましくは10〜1,000mol−ppmの範囲
であり、特に好ましくは50〜500mol−ppmの
範囲である。
ピレンの重合を行なうと、前記触媒の重合活性が著しく
向上する。すなわち、重合活性は大旨、水素濃度の増加
と共に向上し、前記水素濃度の特に好ましい50〜50
0mol−ppmの範囲においては、水素未使用時の約
3〜8倍程度まで活性が向上する。
任意の重合方法で実施することができる。具体的には液
体プロピレン中で行なう塊状重合、不活性溶剤の存在下
に液相中で行なう溶液重合やスラリー重合、気相モノマ
ー中で行なう気相重合があるが、これらのうち好ましい
のは塊状重合および気相重合である。
0℃の範囲であり、好ましくは30〜95℃の範囲であ
り、特に好ましくは45〜80℃の範囲である。
〜70kg/cm2、気相中では常圧〜50kg/cm2
の範囲が一般的であり、得ようとするプロピレン重合体
の性質や、生産性などを考慮して適当な範囲を選択でき
る。また重合を本発明の特徴である水素存在下で行なう
ことにより分子量分布と共に分子量を調節することも可
能である。また、温度、圧力の選定など任意の手段によ
っても分子量を調節することも可能である。
より得られるプロピレン重合体は、プロピレンの単独重
合体あるいは主要成分のプロピレンとエチレンや炭素数
4〜20のα−オレフィンなどとの共重合体である。こ
こで、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては1−ブ
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−
ウンデセン等が使用可能である。また本発明において、
スチレン等のビニル芳香族化合物やブタジエン、イソプ
レン、1,4−ヘキサジエンなどの共役あるいは非共役
ジエンなどの少量を共重合することも可能である。
子量分布を表わす指標としては、プロピレン重合体の重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)を採用する。本発明においてはプロピレ
ン重合体のMnおよびMwは、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ)により以下のようにして求め
ることができる。すなわち、一定時間間隔で示差屈折率
計により検出されるピーク高さを記録し、溶出時間を横
軸に、ピーク高さ(単位は任意)を縦軸にプロットし、
クロマトグラムを作成する。ピーク開始点と終了点間で
水平にベースラインを引き、その間でベースラインから
のピーク高さHi(iはi番目のデータを意味し、溶出
時間の早い方(分子量の高い方)からカウントする。)
を求める。溶出時間は予め分子量の異なる一連の単分散
ポリスチレン試料により決められた検量線により分子量
Mi(iはi番目のデータを意味する。)に換算され、
さらに以下に示す換算式により各溶出時間のプロピレン
重合体の分子量を求めることができる。
分子量を表わす。MnおよびMwは以下の式により求め
られる。
nを求めることができる。なおこのようなMn、Mwの
算出法、検量線の作成法は、例えば、森定雄著のサイズ
排除クロマトグラフィー(共立出版発行)等に詳細に記載
されている。
状担体(a-2)に接触させて得られる助触媒成分
(A)、メタロセン化合物(B)および有機アルミニウ
ム(C)からなり、さらに所望により有機リチウム、有
機亜鉛、有機マグネシウム化合物の中から選ばれる1以
上の有機金属化合物(D)を含有する触媒を用い、水素
の存在下でプロピレンを重合あるいは共重合することに
より、触媒は高い活性を示し、かつ広い分子量に調節さ
れたプロピレン重合体を得ることができる。
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、下記の例において重量平均
分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布
(Mw/Mn)は以下の方法により測定した。
ルフェノール)を含む1,2,4−トリクロロベンゼン1
0mlに、分子量の異なる3種の標準ポリスチレン試料
(昭和電工(株)社製)をそれぞれ2mgを入れ、室温、
暗所で1時間溶解し、その後GPC測定によりピークト
ップの溶出時間の測定を行なった。この測定を繰り返
し、計12点(分子量580から850万)の分子量と
ピークトップの溶出時間より、3次式近似で検量線を作
製した。
量(Mn)の測定 試験管に0.1%のBHTを含む5mlの1,2,4−ト
リクロロベンゼンを取り、これにプロピレン重合体(試
料)約2.5mgを投入した。この試験管に栓をした後、
160℃の恒温槽で2時間かけて試料を溶解させた。得
られた溶液を焼結フィルターでろ過した後、ろ液をWa
ters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
装置150Cを用いて測定し、得られたクロマトグラム
からMwおよびMnを求めた。なおGPCのその他の測
定条件は以下のとおりである。 ・検出器:示差屈折率計、 ・カラム:昭和電工(株)製Shodex HT−G(1
本)および昭和電工(株)製Shodex HT−806
M(2本)を直列に接続したもの、 ・カラム温度:140℃、 ・溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン(BHT0.1
%を含む。)、 ・サンプル注入量:0.5ml、 ・溶媒流量:1ml/分、 ・装置内でのサンプル注入待ち時間:30分(ポリスチ
レンは5分)、
出した。
52)(a-2)0.5gを加えたスラリーに対し、N,N−
ジメチルアニリニウム〔4−(クロロジメチルシリル)
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート(a-1)0.3gをジ
クロロメタン6mlに溶解させた溶液を添加した。撹拌
下2時間還流させた後、上澄みを除去しジクロロメタン
で洗浄し、室温で2時間減圧乾燥して、0.6gの助触媒
成分(A)を得た。
lのトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略
すことがある。)トルエン溶液1mlを混合したスラリ
ーに、成分(B)としてビス[2−メチル−4−(1−
ナフチル)−(η5−1−インデニル)]ジメチルシラン
ジルコニウムジクロライド(以下、2MNIZと略すこ
とがある。)0.5mmol/l・トルエン溶液4mlを添
加後、5分間撹拌しプロピレン重合用触媒のスラリーを
得た。 2)プロピレンの重合 1.5リットルのオートクレーブに0.5mol/lのTIB
Aトルエン溶液0.2ml、プロピレン8molおよび水
素を120mol−ppmとなるまで導入し、70℃に
昇温した。その後、上記プロピレン重合用触媒をオート
クレーブ中に圧入して60分間重合を行なった。得られ
たプロピレン単独重合体のMwは 342,000、Mw/Mn
は4.7であった。また重合活性は7,200g/g触媒・時間
であった。
様に行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは
198,000、Mw/Mnは5.6であった。また重合活性は1
0,200g/g触媒・時間であった。
様に行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは
153,000、Mw/Mnは7.0であった。また重合活性は1
5,000g/g触媒・時間であった。
た。得られたプロピレン単独重合体のMwは 1,435,00
0、Mw/Mnは3.3であった。重合活性は1,800g/g
触媒・時間であった。
に行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは1,
154,000、Mw/Mnは3.2であった。重合活性は2,000
g/g触媒・時間であった。
様に行なった。得られたプロピレン単独重合体は塊状で
あった。またオートクレーブ内に激しいファウリングが
見られた。
(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニウ
ムジクロライド(以下、2MBIZと略すことがあ
る。)を用い、水素を使用せずに50℃で重合した以外
は、実施例1と同様に行なった。得られたプロピレン単
独重合体のMwは356,000、Mw/Mnは3.0であった。
重合活性は4,700g/g触媒・時間であった。
様に行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは
332,000、Mw/Mnは3.0であった。重合活性は4,800
g/g触媒・時間であった。
(メチルアルミノキサン含量30重量%)を用いた以外
は実施例1と同様に行なった。得られたプロピレン単独
重合体のMwは 175,000、Mw/Mnは2.9であった。
重合活性は1,500g/g触媒・時間であった。
行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは1,31
3,000、Mw/Mnは2.8であった。重合活性は1,200g
/g触媒・時間であった。
ニル)]ジメチルシランジルコニウムジクロライド(以
下、2MIZと略すことがある。)を用い、水素を使用
せずに50℃で重合した以外は、比較例6と同様に行な
った。得られたプロピレン単独重合体のMwは213,00
0、Mw/Mnは2.9であった。重合活性は2,300g/g
触媒・時間であった。
(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニウム
ジクロライド(2MBIZ)を用い、水素を40mol
−ppmとして50℃で重合した以外は、実施例1と同
様に行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは
186,000、Mw/Mnは4.0であった。重合活性は9,800
g/g触媒・時間であった。
アニリニウム〔4−(クロロジメチルシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラートの代わりにN,N−ジメチ
ルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボラートを用いた以外は同様に行なった。得られたプロ
ピレン単独重合体のMwは191,000、Mw/Mnは2.8で
あった。重合活性は9,200g/g触媒・時間であった。
行なった。得られたプロピレン単独重合体のMwは392,
000、Mw/Mnは2.9であった。重合活性は8,700g/
g触媒・時間であった。
ol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.5ml、0.
5mol/lのTIBAトルエン溶液0.2リットル、プロ
ピレン8molおよび水素を180mol−ppmとな
るまで導入し、50℃に昇温した。さらにエチレンをそ
の分圧が3kg/cm2(全圧23.5kg/cm2)となるま
で導入した。その後実施例1と同様にして調製したプロ
ピレン重合用触媒をオートクレーブ中に圧入した。この
とき全圧は25.0kg/cm2となった。その後全圧が25.0
kg/cm2を維持するようにエチレンを連続的に供給し
ながら、20分間重合を行なった。得られたプロピレン
共重合体のMwは234,000、Mw/Mnは7.7であった。
重合活性は32,000g/g触媒・時間であった。
合 水素を使用しなかった以外は、実施例5と同様に行なっ
た。得られたプロピレン共重合体のMwは762,000、M
w/Mnは3.3であった。重合活性は12,000g/g触媒
・時間であった。
とめて示す。表から明らかなように、水素の非存在下、
あるいは極少量の存在下でプロピレンを重合した場合
(比較例1,2)は、得られたプロピレン重合体のMw
/Mnが小さい、すなわち分子量分布が狭く、水素の過
剰存在下では(比較例3)得られたプロピレン重合体は
塊状で激しいファウリングが発生する。異なるメタロセ
ン化合物(B)を使用しても水素の非存在下あるいは極
少量の存在下では分子量分布を広げることはできず(比
較例4,5)、また成分(A)として本発明のイオン性
化合物以外のイオン性化合物を用いた場合では(比較例
6〜10)水素の存在下あるいは非存在下にかかわらず
分子量分布を広げることはできない。それらに対して適
量の水素存在下で行なう本発明の方法によれば(実施例
1〜4)、分子量分布が広く、また触媒の重合活性も良
好であることが分かる。また、実施例5と比較例11と
から明らかなように、プロピレン共重合体を製造する場
合においても、本発明の方法が分子量分布の拡大および
重合活性の向上に有効であることが分かる。
ャート図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [M1(R1)a(R2)b(R3)c(R4−L)d]-・[K]+ (1) (式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、 R1、R2およびR3は、互いに同一でも異なってもよ
く、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素
基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子で
あり、 R4は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい
炭化水素基であり、 Lはシリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または
アミノ基であり、 a、bおよびcは0または1〜3の整数、dは1〜4の
整数で、かつa+b+c+d=4であり、 Kは1価のカチオンである。)で示されるイオン性化合
物(a-1)と微粒子状担体(a-2)を接触させて得られる
助触媒成分(A)、メタロセン化合物(B)、および有
機アルミニウム化合物(C)からなる触媒を用いて、水
素の存在下にプロピレンを重合することを特徴とするプ
ロピレン系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 R1、R2およびR3がペンタフルオロフ
ェニル基であり、R4がテトラフルオロフェニレン基で
ある請求項1に記載のプロピレン系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 Lがトリクロロシリル基、メチルジクロ
ロシリル基またはジメチルクロロシリル基である請求項
1または2に記載のプロピレン系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 メタロセン化合物(B)が一般式(2) 【化2】 (式中、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、互い
に同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、
アルコキシ基、フェノキシ基または炭素数1〜20の炭
化水素基であり、 M2、M3およびM4は、互いに同一でも異なってもよ
く、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはス
ズ原子であり、 M5はチタン、ジルコニウム、ハフニウムまたはバナジ
ウムであり、 p、qおよびrは0または1〜2の整数で、かつ1≦p
+q+r≦4であり、 Q1およびQ2は、互いに同一でも異なってもよく、2位
に置換基を有するインデニル基であり、少なくともいず
れか一方は2位および4位に置換基を有し、 X1およびX2は、互いに同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン原子、水素原子、アルコキシ基、フェノキシ基、ア
ミド基または炭素数1〜30の炭化水素基である。)で
示されるものである請求項1乃至3のいずれかに記載の
プロピレン系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 さらに、有機リチウム、有機亜鉛、有機
マグネシウム化合物の中から選ばれる1以上の有機金属
化合物(D)を含有する触媒を用いる請求項1乃至4の
いずれかに記載のプロピレン系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9258315A JPH1192515A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | プロピレン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9258315A JPH1192515A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | プロピレン系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192515A true JPH1192515A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17318550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9258315A Pending JPH1192515A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | プロピレン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1192515A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5008808B2 (ja) * | 1999-12-13 | 2012-08-22 | トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ | フィルムへ応用するための中密度ポリエチレン組成物 |
-
1997
- 1997-09-24 JP JP9258315A patent/JPH1192515A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5008808B2 (ja) * | 1999-12-13 | 2012-08-22 | トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ | フィルムへ応用するための中密度ポリエチレン組成物 |
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