JP3764624B2 - 電気溶融炉の運転方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は産業廃棄物、ごみ焼却炉からの焼却残渣や焼却飛灰、下水汚泥等の溶融処理技術に関するものであり、電気溶融炉の構成材である炉材の電気絶縁性能の劣化を自動的に高精度で検出することにより、電気溶融炉の溶融処理能率の低下やエネルギー損失の増大、機器の損傷、人身事故等を生ずることなしに、高能率で安全に被溶融物を溶融処理できるようにした電気溶融炉の運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却炉から排出される焼却残滓や飛灰等は、溶融処理することにより容積を約1/3に減らす事ができると共に、重金属等の有害物質の溶出を防止することができる。又、溶融スラグは道路用材やコンクリート骨材として再利用できるうえ、減容により最終埋立処分場の延命を図ることができる。
【0003】
前記焼却残滓の溶融処理には、アーク溶融炉やプラズマ溶融炉等の電気エネルギーを用いる溶融方法と、表面溶融炉や旋回溶融炉等の燃料の燃焼エネルギーを用いる溶融方法とがあり、ごみ焼却施設に発電設備が併置されている場合には、前者の電気エネルギーを用いる方法が多く利用されている。
【0004】
図5は従前のごみ焼却施設に併置した直流アーク放電黒鉛電極式プラズマ溶融炉の一例を示すものであり、図に於いて1は灰コンテナ、2は供給装置、3は溶融炉本体、4は黒鉛主電極、5は黒鉛スタート電極、6は炉底電極、7は炉底冷却ファン、8は直流電源装置、9は不活性ガス供給装置、10は溶融スラグ流出口、11はタップホール、12は燃焼室、13は燃焼空気ファン、14は排ガス冷却ファン、15はバグフィルタ、16は誘引通風機、17は煙突、18は溶融飛灰コンベア、19は飛灰だめ、20はスラグ水冷槽、21はスラグ搬出コンベア、22はスラグだめ、23はスラグ冷却水の冷却装置である。
【0005】
コンテナ1内の焼却残渣や飛灰等(被溶融物)Aは供給装置2により溶融炉本体3内へ連続的に供給される。溶融炉本体3には、炉頂部より略垂直に挿入した黒鉛主電極4(−極)と、炉底に設置した炉底電極6(+極)とが設けられており、両電極4、6間に印加した直流電源装置8(容量約600〜1000KW/T・被溶融物)の電圧によりプラズマアーク電流が流れ、これによって被溶融物Aが1300℃〜1600℃に加熱されることにより、順次溶融スラグBとなる。
尚、被溶融物Aは導電性が低いため、溶融炉の始動時にはスタート電極(+極)5を溶融炉本体3内へ挿入し、これと黒鉛主電極4間へ通電することにより被溶融物Aの溶融を待つ。そして、被溶融物が溶融してその導電性が上昇すると、スタート電極5を炉底電極6側へ切り換える。
【0006】
溶融炉本体3の内部は、溶融スラグBや黒鉛主電極4等の酸化を防止するため還元性雰囲気に保持されており、不活性ガス供給装置9から不活性ガスCが、中空筒状に形成した黒鉛主電極4及びスタート電極5の中空孔を通して、溶融炉本体3内へ連続的に供給されている。
尚、不活性ガスCを黒鉛主電極4やスタート電極5の中空孔を通して溶融炉本体3内へ供給するのは、▲1▼プラズマ放電領域に不活性ガスCを充満させた方が、プラズマアークの発生や安定性等の所謂プラズマ放電性が良好になる、及び▲2▼黒鉛主電極4やスタート電極5の消耗がより少なくなるからである。
【0007】
溶融炉本体3の炉底は炉底冷却ファン7からの冷風により空冷され、これによって炉底電極6近傍の過度な温度上昇が防止されている。
また、溶融炉本体3そのものは高温に耐える耐火材及びそれを覆う断熱材等により構成されており、必要に応じて断熱材の外部に水冷ジャケット(図示省略)が設けられる。
【0008】
被溶融物Aの溶融によって、その内部に存在した揮発成分や発生した一酸化炭素等はガス体Dとなる。また、鉄等の金属類やガラス、砂等の不燃性成分は、プラズマアーク放電の発生熱により溶融点(1200〜1250℃)を越えた約1300℃〜1600℃にまで加熱され、流動性を有する液体状の溶融スラグBとなる。
【0009】
溶融炉本体3に形成された溶融スラグBは溶融スラグ流出口10より連続的に溢出し、水を満したスラグ冷却槽20内へ落下して水砕スラグとなり、スラグ搬出コンベア21によってスラグだめ22へ排出される。
また、溶融炉を停止する際には、溶融炉本体3内の溶融スラグBが冷却、固化してしまうのを防止するため、タップホール11から湯抜きを行い、溶融炉本体3内を空状態にする。
【0010】
前記ガス体Dは溶融スラグ流出口10の上部より燃焼室12に入り、ここで燃焼空気ファン13から燃焼用空気が送入されることにより、内部の未燃分が完全燃焼される。
また、燃焼排ガスは排ガス冷却ファン14からの冷空気によって冷却されたあと、バグフィルタ15を経て誘引通風機16により煙突17へ排出される。更に、バグフィルタ15で捕捉された溶融飛灰Eは、溶融飛灰コンベア18により飛灰だめ19へ送られる。
【0011】
而して、プラズマ溶融炉等の電気溶融炉では、従前から電気絶縁性に優れた炉材3aを用いて溶融炉本体3が形成されており、また、炉材3aの外表部は保護材である炉体鉄皮3bにより覆われている。炉材3aを電気絶縁性の高いものとすることにより、炉材3a内に於ける電気エネルギー損失を抑制できるだけでなく、サイドアークや機器の損傷、人身事故等の発生も防止できるからである。
【0012】
ところが、前記炉材3aの電気絶縁特性は、所謂経時変化によって劣化するだけでなく、溶融スラグBや溶融メタルの隙間への侵入、電極シール部への低融点金属等の付着によってもその性能が劣化する。
また、万一炉材3aの電気絶縁性能が劣化すると、必然的に黒鉛主電極4と炉底電極6間以外に通電路が形成されることになり、前述したように電気エネルギーの損失が生ずるだけでなく、サイドアークや機器の損傷、人身事故等の危険性が増加する。
【0013】
そのため、従前の電気溶融炉では、図2に示すように、電源トランス8aの2次側の接地の他に溶融炉本体3の前記鉄皮3bを接地することにより、鉄皮3bに内接する炉材3aの絶縁劣化等によりこれ等に電流が流れても、溶融炉本体3の電位が大地と同電位となる。
尚、前記鉄皮3bの接地は、専用の接地電極と接地線L1 を用いて各溶融炉本体3毎に行なうようにしている。
【0014】
また、従前の電気溶融炉に於いては、前記鉄皮3bの接地だけでなく、図3に示すように黒鉛主電極4及び炉底電極6と溶融炉本体3との間に耐熱性の絶縁体24を介在させ、各電極4、6と溶融炉本体3間を電気的に絶縁する構造としたものが存在する。
この図3の構造に於いては、万一炉材3aの絶縁性能が劣化しても、絶縁体24の絶縁性能が良好である限り、ある程度の安全性は確保されることになる。しかし、低融点金属等の付着により絶縁体24の絶縁性能が劣化した場合には、前記と同様の支障を生ずることになる。
【0015】
図4は、前記図3の電気溶融炉の電気的な等価回路を示すものである。いま、図3に於いて、溶融炉本体3内の溶融物が全て溶融スラグBであり、また、溶融炉本体3の内径が350cmφ、深さが45cmであるとすると、スラグ抵抗Rbは、Rb=ρb×L/S=(50×45)/(350×350×π/4)=5.8×10-3(Ω)となる。但し、ρbはスラグの抵抗率50Ω−cm、Lは深さ、Sは断面積である。
今ここで、電源からの供給電流Is=12.5kA、溶融炉本体3内を流れる電流Ieの最大許容値をIe=12.5Aとすると、必要とする溶融炉本体3の絶縁抵抗ReはRe=Rb×(Is−Ie)/Ie≒5.8(Ω)となる。
【0016】
但し、現実の電気溶融炉に於いては、溶融物が全て溶融スラグBとなることは殆んどなく、溶融メタルがこれに混るため、前記スラグ抵抗Rbは5.8×10-3(Ω)よりも小さくなる。その結果、溶融炉本体3内を流れる電流Ieもより小さくなる。
即ち、溶融炉本体3が必要とする絶縁抵抗Reは、安全を考慮して約10Ω(約2倍)の抵抗値があれば十分であり、前記絶縁体24の抵抗値は、この等価回路に於ける絶縁抵抗値Reを勘案して決定される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従前のこの種電気溶融炉に於ける上述の如き問題、即ち▲1▼溶融炉本体3を形成する炉材3aの絶縁性能が劣化した場合、炉材3a内に通電路が形成されて電気エネルギーの損失が増加したり、サイドアークが生じて炉損傷を起すこと、▲2▼接地不良の場合には、溶融炉本体3の鉄皮3bの電位と対地電位に差が生じて危険な状態が現出すること、▲3▼絶縁体24を用いる構造の溶融炉本体3の場合、絶縁体24の劣化により、前記▲1▼・▲2▼と同様の事象が生ずること等の問題を解決せんとするものであり、電気溶融炉の運転中炉材3aの絶縁性能を連続的に監視し、絶縁性能が設定値以下に低下した場合にはその運転を停止することにより、電気溶融炉を安全に連続操業することを可能にした電気溶融炉の運転方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
溶融炉本体3を形成する炉材3aや絶縁体24の絶縁性能の劣化を検出する方法については、これ迄にも多くの開発研究が行なわれている。
例えば、図2からも明らかなように、鉄皮3bの接地線L1 に流れる地絡電流Igを監視することにより、炉材3aの絶縁抵抗の変化を知ることが可能である。
しかし、電気溶融炉では、一般に直流電源8と電気溶融炉間の電路にブスバーが使用されるため、その対地間静電容量は殆んど零に近い値である。また、直流電源8側の接地は、整流電源トランス8aの二次側を接地することにより行なわれており、直流側の接地は行なわれていない。
【0019】
そのため、炉材3aの絶縁劣化時に接地線L1 に流れる地絡電流Igは、現実には数mA程度の極く小さな値の電流となる。また、前記対値静電容量も略零であるため、絶縁劣化が急激に生じた場合でも、これによる過度地絡電流(充電々流)は殆んど生じない。
その結果、従前の電気溶融炉に於いては、地絡電流Igの変化から炉材3aの絶縁劣化を安定して確実にしかも高精度で検出することが、現実には不可能な状態にある。
【0020】
また、炉材3a内に抵抗率の検出センサーを分散状に設置し、炉材3aの抵抗率の変化そのものを監視することも可能である。
しかし、現実には、溶融炉本体3の温度等の環境条件が厳しいため、設備が大掛かりになるうえ寿命等の点にも問題があり、電気溶融炉の運転中に於ける炉材3aや絶縁体24の絶縁性能の連続的な検出は、現時点に於いては不可能な状態にある。
【0021】
そこで、本願発明者は、前記地絡電流Igの直流電源側への帰還路を別途に設け、直流電源装置8や電気溶融炉の主通電回路等に悪影響を与えることなしに、炉材3aの絶縁性能の劣化時に於ける地絡電流Igを検出に適した適宜の大きさの電流値とすることを着想し、各種の回路構成を実稼動の電気溶融炉へ適用することにより、絶縁劣化の検出試験を積み重ねた。
【0022】
本願発明は、上記炉材3aの絶縁特性検出試験の結果に基づいて創作されたものであり、請求項1の発明は、電気絶縁性の炉材3aと炉材3aを覆う鉄皮3bとから成る溶融炉本体3と、当該溶融炉本体3へ電気エネルギーを供給する直流電源装置8とを備えた電気溶融炉に於いて、前記溶融炉本体3の鉄皮3bを接地すると共に、前記直流電源装置8の出力側端子間に接地抵抗Rを介挿してその中間部を接地し、溶融炉本体3の運転中前記鉄皮3b側の接地線L1 又は接地抵抗R側の接地線L2 に流れる地絡電流Igを連続的に検出して、当該地絡電流Igの検出値から炉材3aの電気絶縁性能の劣化を検知して、電気溶融炉の運転・停止を制御するようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、接地抵抗Rの大きさを1400Ω〜1600Ωとすると共に、抵抗値の中央点Nを接地するようにしたものである。
【0024】
請求項3の発明は、請求項1の発明に於いて溶融炉本体3を鉄皮3bと各電極4、6との間に絶縁材24を配設した構成としたものである。
【0025】
請求項4の発明は、請求項1の発明に於いて、地絡電流Igの検出値が定常運転時の検出値の約10倍を越えたとき、炉材3aの電気絶縁性能が劣化したと判断して電気溶融炉の運転を停止するようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を実施した電気溶融炉の電気回路の概要を示すものであり、図1に於いて、8は直流電源装置、8aは電源トランス、8bは整流器、3は溶融炉本体、3aは炉材、3bは鉄皮、4は黒鉛主電極、6は炉底電極、Bは溶融スラグ(溶融物)、Rは接地抵抗、Igは地絡電流、Nは抵抗値の中央点である。
【0027】
電気溶融炉としては、直流プラズマ溶融炉が用いられている。しかし、電気溶融炉は直流アーク溶融炉や直流抵抗溶融炉であってもよいことは勿論である。
また、電気溶融炉を形成する溶融炉本体3の鉄皮3bは、従前の電気溶融炉と同様に接地線L1 により接地されている。
更に、本実施形態では絶縁体24を各電極挿入部に用いていないが、図3に示すような絶縁体24を用いる型式の電気溶融炉であっても良いことは勿論である。
【0028】
直流電源装置8は、整流器用の電源トランス8aとサイリスタ型整流器8bとから形成されており、電気溶融炉に特有の二次側負荷特性(低電圧・大電流)に対応できるものであれば、如何なる整流回路型式のものであってもよい。尚、本実施形態に於いては、三相純ブリッジ方式の整流電源装置(DC100〜450V、400〜3800A)が使用されている。
【0029】
整流器8bの直流出力端子間には、接地抵抗Rが介挿されており、接地抵抗Rの中間点が接地されている。
具体的には、600〜800Ωの抵抗R1 、R2 が2本直列状に接続されており、両者の接続点N即ち抵抗値Rの中央値に相当する点が接地線L2 により接地されている。
尚、各接地抵抗Rは1200〜1600Ω程度に選定されているが、抵抗値R1 、R2 が小さい場合には、接地抵抗Rに於ける損失が増大し、また逆に、抵抗値R1 、R2 が大き過ぎると、炉材8aの絶縁性能の劣化時に於ける地絡電流Igが小さくなり過ぎてその検出精度が低下するからである。
また、本実施形態では接地抵抗Rの中央値を接地点Nとしているが、設置点Nは必ずしも接地抵抗Rの中央値の点に限られるものではない。
【0030】
炉材3aの絶縁性能が劣化したり、絶縁体24が設けられている場合にその絶縁性能が劣化すると、電源からの供給電流Isの一部が地絡電流Igと接地線L1 へ流れ込み、地絡電流Igが増加する。また、当該地絡電流Igは、接地線L2 及び接地抵抗R1 を通して整流器8b側へ還流する。
【0031】
溶融処理量(25ton/日、焼却残滓)の実稼動中の電気溶融炉Kを用いた試験によれば、炉材3aの絶縁性が良好な場合には、定常運転時に於ける電源からの供給電流Is(主回路のプラズマ電流)が約1500Aのとき、前記地絡電流Igは約0.2Aであり、またIsが約3000Aのとき、Igは約0.4Aであった。
従って、本実施形態に於いては、地絡電流Igが約0.6A以下であれば、炉材3aに絶縁劣化が起っていないと判断することができ、地絡電流Igを連続的に監視すると共に、その許容最大値を適宜に設定することにより、これによって電気溶融炉の運転を継続するか或いは運転を停止するかの判断を行なうことができる。
【0032】
具体的には、前記地絡電流Igが約2A(供給電流Isが約1500Aのとき)若しくは約4A(供給電流Isが約3000Aのとき)を越えた場合、即ち定常時の地絡電流Igの約10倍の地絡電流Igを検出した時点で、炉材3aの絶縁が劣化したと判断する。そして、手動若しくは自動的に電気溶融炉の連続操業を停止して、炉材3aの点検、補修或いは取り換えを行う。このようにして、炉材3aや絶縁体24の絶縁劣化を地絡電流Ig値の測定によって検知することで、電気溶融炉の安定な連続運転を確保することができる。
尚、地絡電流Igの検出は、接地線L1 及び接地線L2 の何れか一方で行なわれ、本実施形態に於いては接地抵抗R側の接地線L2 に流れる地絡電流Igを連続的に自動検出している。
【0033】
【発明の効果】
本発明に於いては、電気溶融炉Kの直流電源装置8の出力側に接地抵抗Rを介挿してその中間点を接地することにより、電気溶融炉の鉄皮3bを通して流れ込む地絡電流Igを前記接地抵抗Rを経て直流電源側へ環流させ、この地絡電流Igの検出値の大・小から炉材3aや電極挿入部の絶縁体24の絶縁劣化を判断して、電気溶融炉の運転を制御するようにしている。
その結果、従前の電気溶融炉の場合に比較して、炉材3a等の絶縁劣化をより簡単に、しかも確実に高精度で検出することができ、電気エネルギーの損失量の増大や機器の損傷、人身事故等の発生を未然に防止しつつ電気溶融炉を安全に且つ高能率で連続運転することが可能となる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した電気溶融炉の電気回路の概要図である。
【図2】従前の電気溶融炉の電気回路の概要図である。
【図3】従前の電気溶融炉の他の電気回路の概要図である。
【図4】図3の電気溶融炉の電気的な等価回路図である。
【図5】従前の電気溶融炉の全体系統図である。
【符号の説明】
Aは被溶融物、Bは溶融スラグ、Rは接地抵抗、Nは抵抗値の中央点、L1 ・L2 は接地線、Igは地絡電流、3は溶融炉本体、3aは炉材、3bは鉄皮、4は黒鉛主電極、5は黒鉛スタート電極、6は炉底電極、8は直流電源装置、8aは電源トランス、8bは整流器、24は絶縁体。
Claims (4)
- 電気絶縁性の炉材と炉材を覆う鉄皮とから成る溶融炉本体と、当該溶融炉本体へ電気エネルギーを供給する直流電源装置とを備えた電気溶融炉に於いて、前記溶融炉本体の鉄皮を接地すると共に、前記直流電源装置の出力側端子間に接地抵抗を介挿してその中間部を接地し、溶融炉本体の運転中前記鉄皮側の接地線又は接地抵抗側の接地線に流れる地絡電流を連続的に検出して、当該地絡電流の検出値から炉材の電気絶縁性能の劣化を検知して運転・停止を制御するようにしたことを特徴とする電気溶融炉の運転方法。
- 接地抵抗の大きさを1400〜1600(Ω)とすると共に、抵抗値の中間点を接地するようにした請求項1に記載の電気溶融炉の運転方法。
- 溶融炉本体を鉄皮と電極との間に絶縁材を配設した構成とした請求項1に記載の電気溶融炉の運転方法。
- 地絡電流の検出値が定常運転時の検出値の約10倍を越えたとき、炉材の電気絶縁性能が劣化したと判断して運転を停止するようにした請求項1に記載の電気溶融炉の運転方法。
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