JP3764221B2 - コンバインの刈取部 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの刈取部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンバインの刈取部には、前方の植立穀稈を掻込むスターホイルと、スターホイルが掻込んだ植立穀稈を後方に移送する掻込みベルトと、刈刃機構で根元を切断した穀稈を、ガイド棒との間に把持して後方に移送する下部搬送チエンとを装備しており、穀稈への把持力を保持するために下部搬送チエンの背後に下部搬送チエンガイドを配設している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述したスターホイル、掻込みベルト、下部搬送チエン及び下部搬送チエンガイドが、それぞれ別個に刈取部フレームに支持されているために、これらの支持構造が複雑になり、部品点数と刈取部の重量とが増加し、更に、上記各部材の相対位置の調整が面倒であるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、右側条と中央条と左側条の刈取穀稈をそれぞれフィードチエンに搬送するために、右側条の刈取穀稈と、中央に設けた回動体の右回転によって移送された中央条の刈取穀稈を搬送する右下部搬送チエンと、左側条の刈取穀稈を搬送する左下部搬送チエンを設け、右側条と中央条の刈取穀稈は、右下部搬送チエンの中途部前方寄りの位置で合流し、左側条の刈取穀稈は右下部搬送チエンの後端部で合流して後続のフィードチエンに引渡すように構成したコンバインの刈取部であって、刈取部内部の右前側下部から斜め左後上方向に配置したパイプフレームには、右下部搬送チエンの前スプロケットと、掻込みベルトプーリと、スターホイルとを吊支するとともに、パイプフレームの後部を、右下部搬送チエンの内側に近接かつ平行に配置し、同後部の外周面に、右下部搬送チエンの後端部から中央条との合流点まで伸延した下部搬送チエンガイドを一体的に固設し、同下部搬送チエンガイドの外側面を右下部搬送チエンの内側面に摺接させて、右側条と中央条とが合流して搬送量が増加した刈取穀稈を確実に保持させるように構成し、さらに、右下部搬送チエンの左側終端部には、左下部搬送チエンの左テンション機構によって、この左テンション機構のテンションローラと左駆動スプロケットとの間の左下部搬送チエンを略平行に配置して穀稈搬送路を形成したコンバインの刈取部を提供せんとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、刈取部の一方側下方と中央部上方との間に、中途部を段違い状に屈折させたパイプフレームを架設して、同パイプフレームの前部を、前記掻込みベルトプーリ及びスターホイルの上方に配置して、スターホイルと掻込みベルトプーリとの軸受部を支持させ、同パイプフレームの後部を、下部搬送チエンの内側において同下部搬送チエンと平行に配置する。
【0008】
そして、パイプフレームの下部搬送チエン側の外周面に下部搬送チエンガイドを溶接等の手段で一体的に固設する。
【0009】
かかる構成により、掻込みベルトプーリ、スターホイル及び下部搬送チエンガイドが一本のパイプフレームで支持されることになり、これらの相対位置の調整が不要となり、構造が簡単になり部品点数及び重量を減少させることができる。
【0010】
【実施例】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る下部搬送チエンガイド72を具備した3条刈りのコンバインAを示しており、図中、1は左右一対のクローラ式走行装置2を装備したトラックフレーム、3は上記トラックフレーム1上に架設した機台、4はフィードチエン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵した脱穀部、8は刈刃穀稈搬送機構等を装備した刈取部、9は排藁チエン10及び排藁カッタ11を具備した排藁処理部、12は運転席13及び運転操作部14を具備した運転部、15はエンジン16を内蔵した原動機部、17は穀粒タンク、18は揚穀筒、19はブロア20を具備した揺動選別部であって、運転操作部14での操作により圃場を走行しながら、刈取部8で刈取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、排藁を排藁処理部9の排藁チエン10と排藁カッタ11とを介して機外に排出し、脱穀物は揺動選別部19で穀粒と細塵とに分離して、穀粒を揚穀筒18を介して穀粒タンク17に貯溜し、細塵をブロア20を介して外部に排出するようにしている。
【0012】
刈取部8は、図2及び図3で示すように、略矩形枠状に形成した下部フレーム30の後端部に左右縦フレームを兼ねる左右駆動軸ケース31L,31R を前高後低に傾斜させて立設して刈取部フレーム32を形成している。
【0013】
そして、下部フレーム30の前端に4本の下部支持杆33を所定間隔を保持して前方に突設し、各下部支持杆33の先端にそれぞれ分草体34を取付けて、3条の植立穀稈導入路35を形成している。
【0014】
上記分草体34後方の各下部支持杆33上面に、それぞれ引起し部支持杆36を立設して、各引起し部支持杆36の上端と前記左右駆動軸ケース31L,31R の上端部との間に、多数の引起しタイン37を突設した引起しベルト38を具備した引起し部39を前低後高に傾斜させて架設して、引起しベルト38の回動により引起しタイン37で倒伏した穀稈を掻揚げて引起すようにしている。
【0015】
また、上記下部支持杆33の後端部下面に刈刃装置40を配置して、植立穀稈導入路35を後方に移動してきた植立穀稈の株元を切断するようにしている。
【0016】
引起し部39の後方には、刈刃装置40で刈取った穀稈を後続のフィードチエン5に搬送するための左右下部搬送チエン60L,60R を配設している。
【0017】
左下部搬送チエン60L は次のように構成されている。即ち、下部フレーム30の左側上面に左縦フレーム61L を立設し、同左縦フレーム61L の中途部と、左側の下部支持杆33との間に略L字形状に屈折した左側の回動体支持杆62L を架設し、同左側の回動体支持杆62L の中途部に回動体63を吊下状態に軸支しており、回動体63の外周下部に左前スプロケット64L を形成して、同左前スプロケット64L と、左駆動スプロケット65L と、テンションローラ66との間に左下部搬送チエン60L を巻回して、同左下部搬送チエン60L の右回転により、刈取穀稈を斜め右上方向に移送するようにしている。
【0018】
右下部搬送チエン60R は次のように構成されている。即ち、パイプフレーム67を刈取部8内部の右前側下部から斜め左後上方向に配置して、同パイプフレーム67の前端部を右側の下部支持杆33の上部で支持し、同パイプフレーム67の中途部を前記左駆動軸ケース31R の中途部で支持している。
【0019】
パイプフレーム67は、側面視では前部67F を上段とし後部67R を下段とした段違い状に屈折し、平面視では前部を外側に後部を内側にして段違い状に屈折しており、パイプフレーム67の前部67F に外周に右前スプロケット64R を形成した右側の回動体63を吊下状態に軸支して、上記右前スプロケット64R と、パイプフレーム67後端に軸支した後スプロケット68と、右駆動スプロケット69と、テンショナ70との間に右下部搬送チエン60R を巻回し、同右下部搬送チエン60R の左回転により、刈取穀稈を斜め左後上方向に移送するようにしている。
【0020】
また、中央の穀稈導入路35の後方にも回動体63を配設しており、同中央の回動体63の右回転により、刈取穀稈を右下部搬送チエン60R 方向に移送するようにしている。
【0021】
従って、右側条と中央条の刈取穀稈は、右下部搬送チエン60R の中途部前方寄りの位置で合流し、左側条の刈取穀稈は右下部搬送チエン60R の後端部で合流して、後続のフィードチエン5に引渡されることになる。
【0022】
かかる右下部搬送チエン60R において、本発明では、前記パイプフレーム67の後部67R を、右下部搬送チエン60R の内側に近接かつ平行に配置し、同後部67R の外周面に、右下部搬送チエン60R の後端部から中央条との合流点71まで伸延した下部搬送チエンガイド72を溶接等の手段で固設し、同下部搬送チエンガイド72の外側面を右下部搬送チエン60R の内側面に摺接させて、右側条と中央条とが合流して搬送量が増加した刈取穀稈を確実に保持させるようにしている。
【0023】
このように、パイプフレーム67の一部に下部搬送チエンガイド72を直接固定することにより、下部搬送チエンガイド72支持のための部材を要せず部品点数が減少し、刈取部8の軽量化することができる。
【0024】
また、前記各回動体63の外周上部に後掻込みベルトプーリ73を形成し、各掻込みベルトプーリ73の斜め前方に軸支した前掻込みベルトプーリ74との間に、外周に多数の掻込みタインを突設した掻込みベルト76を巻回し、各回動体63の下端部外周に、それぞれスターホイル77を形成している。従って、右側の掻込みベルト76とスターホイル77とは、各回動体63を介してパイプフレーム67で支持されていることになる。
【0025】
図中、78L,78R は左右テンション機構であって、それぞれ左右テンションアーム79,80 と、テンションスプリング81と、調整ネジ82とで構成されており、特に、左テンション機構78L は、前記左駆動スプロケット65L とテンションローラ66との間の左下部搬送チエン60L を、右下部搬送チエン60R の左側終端部に略平行に配置して穀稈搬送路Rを形成すると共に、左縦フレーム61L の外周面にアーム支持体83を固設し、同アーム支持体83に設けた枢軸84に左テンションアーム79の基端を回動自在に枢着しており、特に、上記枢軸84の位置を、右下部搬送チエン60R の左側終端部の仮想延長線85に下ろした垂線86の近接位置に設定して、左テンションアーム79の先端に軸支したテンションローラ66の回動軌跡が、左下部搬送チエン60L の正常な装着時において、前記仮想延長線85と略平行になるようしている。従って、テンションローラ66がテンション作動のために移動しても、左駆動スプロケット65L とテンションローラ66との間の左下部搬送チエン60L と、この部分に対向した右下部搬送チエン60R との略平行状態が保持されることになり、左右下部搬送チエン60L,60R 間の間隔が略一定に保持されて、刈取穀稈を確実に挟持するすることができる。
【0026】
また、左テンション機構78L には、先端部を略L字形状に屈折させて係止部87を形成した規制体88を付設して、上記係止部87と左テンションアーム79との当接により、テンションローラ66の緩み側作動を規制して、テンションスプリング81や調整ネジ82に異常が発生した際に、左下部搬送チエン60L の緩み過ぎを防止している。
【0027】
図中、89は左側下部搬送チエンガイド、90は左テンショナ、91は中央引起し駆動軸ケース、92は穂先タイン、93はチエンケース、94は上部搬送装置、95は巻付き防止筒である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果を得ることができる。
【0029】
請求項1記載の発明では、コンバインの刈取部において、下部搬送チエンの前スプロケットと、掻込みベルトプーリと、スターホイルとを吊支するパイプフレームの一部に、下部搬送チエンを案内する下部搬送チエンガイドを一体的に固設したことによって、掻込みベルトプーリ、スターホイル及び下部搬送チエンガイドが一本のパイプフレームで支持されることになり、これらの相対位置の調整が不要となり、構造が簡単になり部品点数及び重量を減少させることができる。
【0030】
しかも、右側条と中央条とが合流して搬送量が増加した刈取穀稈を確実に保持することができる。特に、右下部搬送チエンの左側終端部には、左下部搬送チエンの左テンション機構によって、この左テンション機構のテンションローラと左駆動スプロケットとの間の左下部搬送チエンを略平行に配置して穀稈搬送路を形成したことによって、テンションローラがテンション作動のために移動しても、左駆動スプロケットとテンションローラとの間の左下部搬送チエンと、この部分に対向した右下部搬送チエンとを略平行状態に保持でき、左右下部搬送チエン間の間隔を略一定に保持して、刈取穀稈を確実に挟持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下部搬送チエンガイドを具備したコンバインの側面図。
【図2】刈取部の一部切欠側面図。
【図3】刈取部の一部切欠平面図。
【符号の説明】
A コンバイン
8 刈取部
60R 下部搬送チエン
72 下部搬送チエンガイド
73 掻込みベルトプーリ
77 スターホイル
67 パイプフレーム
67F 前部
67R 後部
Claims (1)
- 右側条と中央条と左側条の刈取穀稈をそれぞれフィードチエン(5)に搬送するために、右側条の刈取穀稈と、中央に設けた回動体(63)の右回転によって移送された中央条の刈取穀稈を搬送する右下部搬送チエン(60R)と、左側条の刈取穀稈を搬送する左下部搬送チエン(60L)を設け、右側条と中央条の刈取穀稈は、右下部搬送チエン(60R)の中途部前方寄りの位置で合流し、左側条の刈取穀稈は右下部搬送チエン(60R)の後端部で合流して後続のフィードチエン(5)に引渡すように構成したコンバインの刈取部(8)であって、
刈取部(8)内部の右前側下部から斜め左後上方向に配置したパイプフレーム(67)には、右下部搬送チエン(60R)の前スプロケット(64R)と、掻込みベルトプーリ(73)と、スターホイル(77)とを吊支するとともに、
パイプフレーム(67)の後部(67R)を、右下部搬送チエン(60R)の内側に近接かつ平行に配置し、同後部(67R)の外周面に、右下部搬送チエン(60R)の後端部から中央条との合流点(71)まで伸延した下部搬送チエンガイド(72)を一体的に固設し、同下部搬送チエンガイド(72)の外側面を右下部搬送チエン(60R)の内側面に摺接させて、右側条と中央条とが合流して搬送量が増加した刈取穀稈を確実に保持させるように構成し、
さらに、右下部搬送チエン (60R) の左側終端部には、左下部搬送チエン (60L) の左テンション機構 (78L) によって、この左テンション機構 (78L) のテンションローラ (66) と左駆動スプロケット (65L) との間の左下部搬送チエン (60L) を略平行に配置して穀稈搬送路 (R) を形成したコンバインの刈取部。
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JPH10136752A JPH10136752A (ja) | 1998-05-26 |
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