JP3763737B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化合物半導体材料を用いた半導体レーザ素子に係わり、特に、GaN,AlGaN,InGaN,InGaAlNなど窒素を含む化合物半導体からなる半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭電化製品,OA機器,通信機器,工業計測器などさまざまな分野で半導体レーザが用いられている。中でも多くの分野で用いられることになるであろうと予想される高密度光ディスク記録等への応用を目的として短波長の半導体レーザの開発が注力されている。現在は赤色半導体レーザが用いられており、それまでの赤外半導体レーザに比べ記録密度が向上した。
【0003】
更なる高密度化のためにZnSe系の半導体レーザが開発されているが次世代の光ディスク記録等への応用には欠陥の低減が困難で、動作電圧が高いなど材料的な問題が数多く存在する。波長が短いものでも460nm程度とシステムから要求される420nm台での発振は物性からいって困難である。
【0004】
一方、GaNを含む窒化物系半導体レーザは、350nm以下までの短波長が可能で、400nmでの発振動作が報告されている。かかる窒化物系半導体レーザは信頼性に関しても優れている。LED(Light Emitting Diode)の場合であるが、1万時間以上の信頼性が確認されている。このように窒化物系半導体は次世代の光ディスク記録用光源として必要な条件を満たす優れた特性を持つ材料である。
【0005】
かかる窒化物系半導体レーザは応用範囲が広くこれから多くの分野で使用されるものであると考えられるが、へき開性に乏しいサファイア上に作成されることが一般的であり、共振器を形成するミラーをへき開で作成することが難しい。即ち、サファイア基板がへき開を妨げミラーの平坦性及び平行性を悪化させていたため、へき開によりミラーを歩留まり良く作成することができなかった。へき開以外で共振器ミラーを作成する方法としてエッチングによる方法があるが、平滑なミラーを作成することは難しい。また、近年、レーザを多数個並べてアレー化する利用用途が増えてきているが、へき開による作製では歩留まりが悪く生産コストが高い。
【0006】
また、GaNを含む窒化物系半導体レーザを面発光型レーザとして作製する手法もある。図6は、従来の面発光型窒化物系半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。101はサファイア基板、101aはGaNバッファ層、102はn側多重積層型反射層、103はn側コンタクト層、104は活性層、105はp側コンタクト層、106はp側多重積層型反射層、107はn側電極、108はp側電極、109は高抵抗層である。この手法においては、GaNを含む窒化物系半導体から多層反射層を作成する場合には、平坦性が悪く反射率が高いミラーを作成できなかった。また、反射率を高くすべく各層の屈折率差を大きくするためにAl組成の大きなAlGaN層等を用いる必要が生じる。Al組成の大きなAlGaN層は電気伝導性が悪く、面発光型レーザの動作電圧が高くなるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、GaNを含む窒化物系半導体レーザはへき開性に乏しいサファイア上に作成されることが一般的であるが、共振器を形成するミラーをへき開で作成することが難しい。へき開以外で共振器ミラーを作成する方法としてエッチングによる方法があるが、平滑なミラーを作成することは難しい。また、近年、レーザを多数個並べてアレー化する利用用途が増えてきているが、へき開による作製では歩留まりが悪く生産コストが高い。
【0008】
さらにまた、GaNを含む窒化物系半導体レーザを面発光型レーザとして作製する場合には、GaNを含む窒化物系半導体から多層反射層を作成しても、平坦性が悪く反射率が高いミラーを作成できなかった。反射率を高くすべく各層の屈折率差を大きくするためにAl組成の大きなAlGaN層等を用いる場合、Al組成の大きなAlGaN層は電気伝導性が悪く、面発光型レーザの動作電圧が高くなるという問題点があった。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は反射率が高く動作電圧が低い窒化物系の半導体レーザを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(構成)
前述した課題を解決するために本発明は、基板上に形成されたIII−V族窒化物系半導体からなる発光層と、この発光層の上下のうち少なくとも一方の側に形成され、低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されてなるIII−V族窒化物系半導体からなる反射層と、前記発光層に対して電流を供給する電極とを備え、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなることを特徴とする半導体発光素子を提供する。
【0011】
かかる本発明において、以下の構成を備えることが望ましい。
【0012】
(1)前記発光層から発せられる光の波長をλ、前記低屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さをdi(iは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をni(iは自然数)、前記高屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さをej(jは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をmj(jは自然数)とした場合、Σdi×ni=λ/4及びΣej×mj=λ/4を満足すること。
【0013】
(2)前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層には、同じ組成のIII−V族窒化物系半導体層が前記低屈折率層と高屈折率層に共通して用いられ、前記低屈折率層と高屈折率層のそれぞれにおける前記III−V族窒化物系半導体層の厚みの割合が異なること。
【0014】
(3)前記III−V族窒化物系半導体は(AlxGa1-x)yIn1-yNであること。
【0015】
(4)前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層はすべて(AlxGa1-x)yIn1-yN(0<x<1)からなること。
【0016】
(5)前記低屈折率層及び高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さは10nm以下であること。
【0017】
(6)前記低屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さは3nm以上5nm以下であること。
【0018】
(7)前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のうち、少なくともバンドギャップが最大となる層に含まれる一導電型不純物の濃度は、当該層よりバンドギャップが小さい層に含まれる前記一導電型不純物の濃度よりも高いこと。この場合、前記反射層の側面に前記電極が設けられ、前記反射層の面内方向に沿って電流が流れること。
【0019】
(8)前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のうち、少なくともバンドギャップが最大となる層と当該層に隣接して形成され当該層よりバンドギャップが小さい層との界面に含まれる一導電型不純物の濃度は、前記界面以外の前記III−V族窒化物系半導体層の部分の前記一導電型不純物の濃度よりも高いこと。
【0020】
(9)前記反射層の低屈折率層と高屈折率層との界面部分の一導電型不純物の濃度は、前記界面以外の部分の前記一導電型不純物の濃度よりも高いこと。
【0021】
(10)(8)及び(9)の場合において、前記反射層の上下の位置に一対の前記電極が設けられ、前記反射層の積層方向に電流が流れること。
【0022】
(11)前記反射層の一部の構造の秩序が乱雑になっており、当該乱雑部分に対して前記電極が近接して設けられ、かつ前記乱雑部分は前記発光層の上下の位置を避けて形成されていること。ここで、前記乱雑部分とは結晶構造が前記反射層の積層構造の部分に比べて不規則になっている状態のものを指す。例えば、シンター工程等により電極の材料がその下層の積層構造中に拡散し、当該積層構造中の不純物も電極側へ相互拡散する場合や、積層構造にイオン注入等が行われることにより当該積層構造中の原子配列が乱れる場合の構造を指す。
【0023】
(作用)
本発明によれば、基板上の発光層の上下のうち少なくとも一方の側に反射層が形成され、この反射層は低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されて構成されており、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなるので、これらの組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層を波長に比べて十分短い周期で積層して前記反射層を形成することにより、高反射率と低動作電圧をともに達成した反射層を提供することが可能である。
【0024】
特に、前記発光層から発せられる光の波長をλ、前記低屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さをdi(iは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をni(iは自然数)、前記高屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さをej(jは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をmj(jは自然数)とした場合、Σdi×ni=λ/4及びΣej×mj=λ/4を満足することにより反射率が顕著に高いミラーを備えた半導体レーザ装置を作製することができる。
【0025】
また、前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のうち、少なくともバンドギャップが最大となる層に含まれる一導電型不純物の濃度を、当該層よりバンドギャップが小さい層に含まれる前記一導電型不純物の濃度よりも高くすることにより、前記反射層の抵抗率、特に前記反射層の面内方向に沿った抵抗率をさらに低減させることができ、前記反射層の側面に前記電極が設けられる場合、前記反射層の面内方向に沿って電流を有効に流すことが可能である。
【0026】
また、前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のうち、少なくともバンドギャップが最大となる層と当該層に隣接して形成され当該層よりバンドギャップが小さい層との界面に含まれる一導電型不純物の濃度を、前記界面以外の前記III−V族窒化物系半導体層の部分の前記一導電型不純物の濃度よりも高くすることにより、前記反射層の抵抗率、特に前記反射層の積層方向に沿った抵抗率をさらに低減させることができ、前記反射層の上下の位置に一対の前記電極が設けられる場合、前記反射層の積層方向に沿って電流を有効に流すことが可能である。さらにまた、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層との界面部分の一導電型不純物の濃度を、前記界面以外の部分の前記一導電型不純物の濃度よりも高くすることによっても、前記反射層の抵抗率、特に前記反射層の積層方向に沿った抵抗率を同様に低減させることができる。
【0027】
また、前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層には、同じ組成のIII−V族窒化物系半導体層を前記低屈折率層と高屈折率層に共通して用い、前記低屈折率層と高屈折率層のそれぞれにおける前記III−V族窒化物系半導体層の厚みの割合を異ならせた構成とすることにより、前記反射層の積層構造を少ない種類(組成の種類)のIII−V族窒化物系半導体層を用いて構成することができ、より簡便な方法で半導体発光素子を作製することが可能となる。
【0028】
前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さを10nm以下とした場合に、高反射率及び低動作電圧の反射層を得ることができ、特にこの効果は3nm以上5nm以下の場合に著しい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いつつ詳細に説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を示す断面図である。本実施形態では面発光型レーザをサファイア基板上にMOCVD法により作製する例を示す。
【0031】
図1において、11はサファイア基板、12はGaNバッファ層、13はn型AlGaN/GaN多重積層型反射層(厚み46nmのAlGaN層と厚み42nmのGaN層とを交互に積層,全積層数30ペア,Siドープ,Siドープ濃度5×1018cm-3)、14はIn0.02Ga0.98N位相整合層(Siドープ,Siドープ濃度3×1019cm-3,厚み0.1μm)、15は多重量子井戸型(MQW)In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層(アンドープ,厚み30nmのIn0.2Ga0.8N層と厚み80nmのIn0.03Ga0.97N層とを交互に積層,全積層数30ペア)16は第1のp型In0.02Ga0.98N位相整合層(Mgドープ,Mgドープ濃度5×1018cm-3,厚み0.1μm)、17はn型GaN電流狭窄層(Siドープ,Siドープ濃度3〜5×1018cm-3,厚み0.1μm)、18は第2のp型In0.02Ga0.98N位相整合層(Mgドープ,Mgドープ濃度5×1018cm-3,厚み0.2μm、19は発振波長に比べ短周期のp型AlGaN多重積層型反射層(Al組成40%,厚み40nmのAlGaN層(低屈折率層、屈折率2.28、ここでいう屈折率は低屈折率層の平均の屈折率を指す。)とAl組成約17%,厚み48nmのAlGaN層(高屈折率層、屈折率2.48、ここでいう屈折率は高屈折率層の平均の屈折率を指す。)とを交互に積層,全積層数40ペア,Mgドープ,Mgドープ濃度3×1019cm-3)、20はn側電極、21はp側電極、22はSiO2絶縁保護膜である。
【0032】
本発明のポイントであるp型AlGaN多重積層型反射層19の構成は以下の通りとなっている。即ち、多重積層型反射層19は上記した低屈折率層と高屈折率層とが交互に40ペア積層された構造となっている。このうち低屈折率層として、AlGaNのAl組成が10%と50%の組み合わせのものが用いられ、それぞれの厚さが2nmと6nmとなるように5層の繰り返しで積層構造が構成されている。このようにAl組成が10%と50%の膜が交互に積層されることにより、Al組成40%相当の低屈折率層が形成されている。また一方、高屈折率層として、AlGaNの同じ組成のものが用いられ、それぞれの厚さが10nmと2nmとなるように4層の繰り返しで積層構造が構成されている。このようにAl組成が10%と50%の膜が交互に積層されることにより、Al組成約17%相当の高屈折率層が形成されている。
【0033】
本実施形態の半導体レーザ装置によれば、p型AlGaN多重積層型反射層19の低屈折率層を構成するAl組成が10%のAlGaN(厚み2nm、屈折率2.43とAl組成が50%のAlGaN(厚み6nm、屈折率2.24)と多重量子井戸型In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層15から発せられる光の波長λ=400nmとの間には、かかる低屈折率層を構成する組成の異なるAlGaNのそれぞれの厚さをdi(iは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をni(iは自然数)とした場合に、Σdi×ni=λ/4を満足することが望ましい。さらに、p型AlGaN多重積層型反射層19の高屈折率層を構成するAl組成が10%のAlGaN(厚み10nm、屈折率2.43)とAl組成が50%のAlGaN(厚み2nm、屈折率2.24)と活性層15から発せられる光の波長λ=400nmとの間には、かかる高屈折率層を構成する組成の異なるAlGaNのそれぞれの厚さをej(jは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をmj(jは自然数)とした場合に、Σej×mj=λ/4を満足することが望ましい。したがって、以上の関係式を満たすことにより反射率が高いミラーを備えた半導体レーザ装置を作製することができる。
【0034】
次に、上記した青色半導体レーザ装置の製造方法について説明する。上記積層構造を形成するためにMOCVD法による結晶成長を行っている。まず、サファイア基板11に対して有機溶剤と酸で前処理を行った後に、処理済の基板11をMOCVD装置の成長室の中に導入した。この成長室内において基板温度が1300℃になるまで基板11を水素雰囲気中で昇温し、表面の酸化膜を除去した。次に、基板温度を成長温度である1030℃に下げてこの状態で原料ガス供給を行い、GaN層12の成長を開始した。原料ガスとしてはアンモニア(NH3)とトリメチルガリウム(TMG)を用い、ガス流量はそれぞれ10リットル/minと100cc/minとし、成長室内の圧力は1気圧とした。
【0035】
次に、通常のMOCVD成長法を用いてそれぞれ原料ガスの切り替えを行いn型AlGaN/GaN多重積層型反射層13の積層構造を形成した。即ち、Gaの原料ガスとしてTMG(AlGaN成長時ガス流量10cc/min、GaN成長時ガス流量100cc/min)を、Alの原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)(ガス流量300cc/min)を、窒素の原料ガスとしてNH3(ガス流量10リットル/min)を、Siの原料ガスとしてシラン(SiH4)(ガス流量(100)cc/min)を用い、基板温度を1100℃、成長室内の圧力は1気圧とした。
【0036】
次に、In0.02Ga0.98N位相整合層14、多重量子井戸型In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層15、第1のp型In0.02Ga0.98N位相整合層16、n型GaN電流狭窄層17を順次成長した。この時、Ga、Al、Si、窒素の原料ガスとしては上記した原料ガスを用い、さらにInの原料ガスとしてトリメチルインジウム(TMI)を、Mgの原料ガスとしてシクロペンタジマグネシウム(Cp2Mg)を用いた。
【0037】
以上の結晶成長時には、それぞれの層は成長時間で膜厚がコントロールでき再現性が良い。さらに使用する原料ガスが共通であるため切り替えが少なく、ガス切り替え時間が要らず効率的であり、ガス切り替えに伴う蒸発などがない。以上の効果は、特にn型AlGaN/GaN多重積層型反射層13の成長時に著しい。
【0038】
以上の結晶成長後に、MOCVD装置の成長室より基板を取り出してこの基板に対して加工工程を行った。即ち、活性層15上で電流を狭窄できるように、電流を流すための直径10μmの穴をパターニングとドライエッチングを用いて開ける。この穴は活性層15直上の位相整合層16まで達する。この後、再びMOCVD装置に基板を搬入し成長を行った。成長は第2のp型In0.02Ga0.98N位相整合層18から行った。
【0039】
位相整合層18の成長後、通常のMOCVD成長法を用いてそれぞれ原料ガスの切り替えを行いp型AlGaN多重積層型反射層19の成長を行った。Gaの原料ガスとしてTMGを、Alの原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)を、窒素の原料ガスとしてNH3(ガス流量10リットル/min)を、Mgの原料ガスとしてシクロペンタジマグネシウム(Cp2Mg)(ガス流量100cc/min)を用い、基板温度を1100℃、成長室内の圧力は1気圧とした。
【0040】
ここで、AlGaNのAl組成が10%の層を形成するときのTMGのガス流量を100cc/min、TMAのガス流量を100cc/minとした。また、AlGaNのAl組成が50%の層を形成するときのTMGのガス流量を50cc/min、TMAのガス流量を250cc/minとした。
【0041】
このp型AlGaN多重積層型反射層19の成長工程においては、上述したようにAl組成が10%と50%の膜をそれぞれ2nmと6nmとなるように5層の繰り返しで積層することにより低屈折率層を形成し、それぞれ10nmと2nmとなるように4層の繰り返しで積層することにより高屈折率層を形成した。このように低屈折率層と高屈折率層とを交互に40ペア積層して多重積層型反射層19を形成した。
【0042】
以上の結晶成長時においても、それぞれの層は成長時間で膜厚がコントロールでき再現性が良い。さらに使用する原料ガスが共通であるため切り替えが少なく、ガス切り替え時間が要らず効率的であり、ガス切り替えに伴う蒸発などがない。
【0043】
次に、MOCVD装置の成長室より基板を取り出してこの基板に対して加工工程を行った。即ち、p型AlGaN多重積層型反射層19、第1のp型In0.02Ga0.98N位相整合層18、n型GaN電流狭窄層17、第1のp型In0.02Ga0.98N位相整合層16、多重量子井戸型In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層15、In0.02Ga0.98N位相整合層14を順次エッチングして、n型AlGaN/GaN多重積層型反射層13の途中までエッチングを行った。
【0044】
次に、リーク電流を防止すること及び共振器側面からの光の漏れを防止することを目的として、SiO2絶縁保護膜(光閉じ込め層)22をCVDにより全面に形成した。このSiO2絶縁保護膜22に多重積層型反射層13に通ずる開口部を形成した。この開口部内にn側電極20を蒸着により形成した。
【0045】
さらに、SiO2絶縁保護膜22の一部を選択的にエッチングしてp型AlGaN多重積層型反射層19の一部を露出した後、この多重積層型反射層19の周辺部を当該反射層19の途中まで選択的にエッチングした。エッチングされた多重積層型反射層19の周辺部の表面にはp側電極21を形成した。
【0046】
この後、n側電極20及びp側電極21にそれぞれ接するn型AlGaN/GaN多重積層型反射層13及びp型AlGaN多重積層型反射層19の超格子部分を乱雑化するためにアニールを600℃で行った。これにより多重積層型反射層13及び多重積層型反射層19はコンタクト層として機能するようになる。
【0047】
なお、図1ではp側電極21はp型AlGaN多重積層型反射層19のエッチング露出底面にのみ形成されているが、多重積層型反射層19全体を覆う構造でもよい。このとき、多重積層型反射層19に対して横方向から電流が注入されることとなるのでコンタクト抵抗が下がる。
【0048】
この素子を動作させたところ、しきい値電流5mAで室温連続発振した。発振波長は400nm、動作電圧は3.1Vであった。遠視野像は単一モードで発振していることを示す単峰なものであった。本発明のような発振波長に比べ短周期の多層積層型反射層を用いていないλ/4の多層膜を用いたこれまでの面発光レーザでは、動作電圧は5V以上であり、発熱による発振停止や素子劣化が生じていた。本発明による面発光レーザは温度上昇が少なく素子劣化もなかった。また、本発明による面発光レーザの信頼性については、温度を70℃にしての加速試験において10万時間相当の信頼性試験を行っても劣化は見られなかった。
【0049】
次に、多重積層型反射層の不純物ドーピングプロファイルの最適条件について説明する。例えば、p型AlGaN多重積層型反射層19の不純物ドーピングプロファイルにはいくつかの最適条件がある。
【0050】
1つの手法として低屈折率層へ選択的に不純物をドーピングする方法がある。これは、発振波長に比べ短周期の多層積層型反射層の中でバンドギャップの大きな低屈折率層に対して不純物ドーピングの量を多くすることにより水平方向の抵抗を極端に小さくする方法である。電子が通る高屈折率層において不純物が少なく移動度が高いことを利用している。このように選択的に不純物をドーピングすることにより、水平方向に電流パスが長く薄い部分を持つ素子構造、例えばp型AlGaN多重積層型反射層19の厚さが100nm以下の場合には抵抗を下げるのに有効となる。
【0051】
もう1つの手法として高屈折率層と低屈折率層との界面へ局部的なドーピングを行う方法がある。バンドギャップの小さい高屈折率層の両端、即ちバンドギャップが小さい高屈折率層のうちバンドギャップが大きい低屈折率層との界面部分に対して局部的に不純物ドーピングを行って不純物濃度を大きくすることにより、水平、垂直方向ともに抵抗を小さくする方法である。この方法では歪み電界によりホールがキャリヤとして吐き出され易くなるためにキャリヤ濃度を向上させることが可能である。この場合、ドーピングされた不純物による散乱により移動度は下がるが、高屈折率層と低屈折率層との界面付近では不純物ドーピングによってバンドオフセットのエネルギー障壁が薄くなることにより、当該界面を越えて流れるキャリヤはスムーズに流れる。ただし、この場合は高屈折率層における不純物散乱等のために横方向の抵抗率は前者の手法に比べて大きい。
【0052】
図4は低屈折率層の不純物ドーピング濃度と抵抗率との関係を示す特性図である。この図に示されるようにドーピング濃度が高くなるにつれて抵抗率は下がり、低屈折率層全体に高濃度ドーピングを行う場合及び高屈折率層と低屈折率層との界面に高濃度ドーピングを行う場合ともに水平方向の抵抗率が垂直方向の抵抗率よりも小さくなった。また、水平方向の抵抗率は、低屈折率層に高濃度ドーピングを行う場合の方が界面に高濃度ドーピングを行う場合よりも小さくなった。一方、垂直方向の抵抗率は、界面に高濃度ドーピングを行う場合の方が低屈折率層に高濃度ドーピングを行う場合よりも小さくなった。
【0053】
したがって、水平方向に電流を流して電流を取り出す構造の発光素子では、低屈折率層全体に高濃度ドーピングを行うことが望ましく、特にドーピング濃度が9×1018cm-3以上の場合に抵抗率が1Ω・cm以下となって抵抗の低下及び動作電圧の低減の効果が著しい。また、垂直方向に電流を流して電流を取り出す構造の発光素子では、高屈折率層と低屈折率層との界面付近に高濃度ドーピングを行うことが望ましく、特にドーピング濃度が1×1019cm-3以上の場合に抵抗率が1Ω・cm以下となって抵抗の低下及び動作電圧の低減の効果が著しい。なお、実際には電極下では電極シンター工程において電極材料が層中に拡散し、この時に層中の不純物も相互拡散する可能性があるため、垂直方向に電圧が低くなるドーピングプロファイルに不純物のプロファイルを変えることが可能である。
【0054】
本実施形態では多層積層型反射層部分の各層の厚さをいろいろと変えて反射率と導電性の双方が両立できるように最適化することができる。
図5は低屈折率層の厚さと抵抗率との関係を示す特性図である。この図に示されるように抵抗率は低屈折率層の厚さにより変化するが、それぞれの組成において最適値はあるものの、概ね2nmから5nm厚さが好ましい。この範囲の上限より厚くなりすぎると、格子ひずみが緩和してしまい内部電場が発生しない。このような状態になるとキャリヤが吐き出されず抵抗は高い。一方、当該範囲の下限よりも薄くなりすぎると、歪が小さく歪み電界が十分に生じないためにホール吐き出しによるキャリヤ濃度の向上効果が不十分となるという問題がある。特に3nmから5nmが好ましい。
【0055】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態に係わる面発光青色半導体レーザ装置の概略構成を示す断面図である。本実施形態では面発光型レーザをMBE(Molecular Beam Epitaxy,分子線エピタキシャル成長)法により作製する例を示す。
【0056】
図2において、31はGaN基板、32は発振波長に比べ短周期のn型AlGaN多重積層型反射層(Al組成17%,厚み48nmのAlGaN層(高屈折率層、屈折率2.48、ここでいう屈折率は高屈折率層の平均の屈折率を指す。)とAl組成40%,厚み40nmのAlGaN層(低屈折率層、屈折率2.28、ここでいう屈折率は低屈折率層の平均の屈折率を指す。)とを交互に積層,全積層数40ペア,Siドープ,Siドープ濃度3〜5×1019cm-3)、33はIn0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層(アンドープ,厚み0.1μm)、34はIn0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層(アンドープ,厚み20nmのIn0.2Ga0.8N層と厚み60nmのIn0.03Ga0.97N層とを交互に積層,全積層数15ペア)、35はIn0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層(アンドープ,厚み0.1μm)、36は発振波長に比べ短周期のp型AlGaN多重積層型反射層(Al組成40%,厚み40nmのAlGaN層(低屈折率層、屈折率2.28、ここでいう屈折率は低屈折率層の平均の屈折率を指す。)とAl組成約17%,厚み48nmのAlGaN層(高屈折率層、屈折率2.48、ここでいう屈折率は高屈折率層の平均の屈折率を指す。)とを交互に積層,全積層数40ペア,Mgドープ,Mgドープ濃度2×1019cm-3)、37は酸素イオン打ち込みによる高抵抗層(酸素濃度1×1020cm-3)、38はSiO2/ZrO多層反射膜、39はp側電極、40はn側電極である。
【0057】
本発明のポイントであるn型AlGaN多重積層型反射層32及びp型AlGaN多重積層型反射層36の構成は以下の通りとなっている。即ち、n型AlGaN多重積層型反射層32は上記した低屈折率層と高屈折率層とが交互に40ペア積層された構造となっている。このうち低屈折率層として、AlGaNのAl組成が10%と50%の組み合わせのものが用いられ、それぞれの厚さが2nmと6nmとなるように5層の繰り返しで積層構造が構成されている。このようにAl組成が10%と50%の膜が交互に積層されることにより、Al組成40%相当の低屈折率層が形成されている。また一方、高屈折率層として、AlGaNの同じ組成のものが用いられ、それぞれの厚さが10nmと2nmとなるように4層の繰り返しで積層構造が構成されている。このようにAl組成が10%と50%の膜が交互に積層されることにより、Al組成17%相当の高屈折率層が形成されている。なお、p型AlGaN多重積層型反射層36の構成はp型AlGaN多重積層型反射層19の構成と同様である。
【0058】
本実施形態の半導体レーザ装置によれば、n型AlGaN多重積層型反射層32の低屈折率層を構成するAl組成が10%のAlGaN(厚み2nm、屈折率2.43)とAl組成が50%のAlGaN(厚み6nm、屈折率2.24)とIn0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層34から発せられる光の波長λ=400nmとの間には、かかる低屈折率層を構成する組成の異なるAlGaNのそれぞれの厚さをdi(iは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をni(iは自然数)とした場合に、Σdi×ni=λ/4を満足することが望ましい。さらに、n型AlGaN多重積層型反射層32の高屈折率層を構成するAl組成が10%のAlGaN(厚み10nm、屈折率2.43)とAl組成が50%のAlGaN(厚み2nm、屈折率2.24)と活性層34から発せられる光の波長λ=400nmとの間には、かかる高屈折率層を構成する組成の異なるAlGaNのそれぞれの厚さをej(jは自然数)、当該半導体層に対応する屈折率をmj(jは自然数)とした場合に、Σej×mj=λ/4を満足することが望ましい。なお、p型AlGaN多重積層型反射層36も同様に関係式を満たしている。したがって、以上の関係式を満たすことにより反射率が高いミラーを備えた半導体レーザ装置を作製することができる。
【0059】
次に、上記した青色半導体レーザ装置の製造方法について説明する。上記積層構造を形成するためにMBE法による結晶成長を行っている。窒素ガスをRF(高周波)によりラジカルとしたものを窒素ソースとして用いた。また、GaソースはGa単体、AlソースはAl単体、InソースはIn単体、SiソースはSi単体、MgソースはMg単体を用いた。
【0060】
まず、窒素ソース,Siソースのシャッターを開け、Gaソース,Alソースのシャッターの開閉を行って、n型AlGaN多重積層型反射層32を形成した。ここで、AlGaNのAl組成が10%の層を形成するときのGaの蒸気圧は1.5×10-5Pa、Alの蒸気圧は2×10-6Paとした。また、AlGaNのAl組成が50%の層を形成するときのGaの蒸気圧は8×10-6Pa、Alの蒸気圧は8×10-6Paとした。窒素の分圧は5×10-3Pa、Siの蒸気圧は2×10-7Pa、基板温度は1100℃、成長室内の圧力は1気圧とした。
【0061】
この多重積層型反射層32の成長工程においては、上述したようにAl組成が10%と50%の膜をそれぞれ2nmと6nmとなるように5層の繰り返しで積層することにより低屈折率層を形成し、それぞれ10nmと2nmとなるように4層の繰り返しで積層することにより高屈折率層を形成した。このように低屈折率層と高屈折率層とを交互に40ペア積層して多重積層型反射層32を形成した。
【0062】
以上の結晶成長時においても、第1の実施形態と同様にそれぞれの層は成長時間で膜厚がコントロールでき再現性が良い。さらに使用するソースが共通であるため切り替えが少なく、ソース切り替え時間が要らず効率的であり、ソース切り替えに伴う蒸発などがない。
【0063】
次に、In0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層33、In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層34、In0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層35を順次成長した。かかる結晶成長時においても、それぞれの層は成長時間で膜厚がコントロールでき再現性が良い。ソース切り替えも効率的であり、ソース切り替えに伴う蒸発などもない。
【0064】
次に、p型AlGaN多重積層型反射層36の形成を形成した。この多重積層型反射層36の形成条件はn型AlGaN多重積層型反射層32の形成条件と同様である。Mgの蒸気圧は2×10-7Paであった。
【0065】
その後、誘電体積層膜38をスパッタリングにより蒸着した。用いた材料は高屈折率材料としてZrO2、低屈折率材料としてSiO2である。スパッタリングによっても酸素の抜けによりストイキオメトリが保たれないことがあるので、蒸着装置内に適宜酸素を導入しストイキオメトリが保たれるように注意して蒸着を行った。ここで、厚さは発振波長がストップバンド内に十分入るようにして設計されている。高屈折率材料膜と低屈折率材料膜を10ペア積層した場合のストップバンド幅は100nmである。
【0066】
この後、MOCVD装置の成長室より基板を取り出してこの基板に対して加工工程を行った。即ち、誘電体積層膜38、p型AlGaN多重積層型反射層36、In0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層35、In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層34、In0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層33を順次エッチングして、n型AlGaN多重積層型反射層32の途中までエッチングを行った。さらに、誘電体積層膜38を発光部分に対応する部分が残るようにエッチング加工して誘電体ミラー層38を形成した。
【0067】
次に、エッチングしたn型AlGaN多重積層型反射層32の露出表面にn側電極40を、p型AlGaN多重積層型反射層36の露出表面にp側電極39をそれぞれ蒸着により形成した。さらに、n側電極40及びp側電極39にそれぞれ接するn型AlGaN多重積層型反射層32及びp型AlGaN多重積層型反射層36の超格子部分を乱雑化するためにアニールを600℃で行った。これにより多重積層型反射層32及び36はコンタクト層としても機能するようになる。
【0068】
なお、p側電極39直下の活性層34付近に酸素をイオン注入することによりイオン注入部分に高抵抗層37(酸素濃度1×1020cm-3)を形成し、電流が誘電体ミラー層38の直下にのみ流れるようにする。また、n側電極40及びp側電極39が形成されていない部分を保護し側面からの光の染み出しを防ぐためにSiO2膜を当該電極以外の部分に形成した。
【0069】
本実施形態による素子は、誘電体積層膜38の存在により第1の実施形態のものに比較してp側の反射率が高いので、発振閾値が低く、しきい値電流1mAで発振した。動作電圧は3.4Vであり、片側に誘電体を用いた素子としては電圧も低かった。
【0070】
図3は本実施形態の変形例を示す断面図である。図2と同一部分には同一符号を付して示す。図3に示すように、n型AlGaN多重積層型反射層32をその積層方向に対して斜め方向にエッチングし、エッチングによる露出表面にn側電極41を形成した。一方、p型AlGaN多重積層型反射層36についてもその積層方向に対して斜め方向にエッチングし、エッチングによる露出表面にp側電極42を形成した。このようにn側電極41及びp側電極42がそれぞれ多重積層型反射層32及び36に対して積層方向に対して斜めに接しているので、これらの電極からの電流注入がスムーズに行われて接触抵抗を下げることが可能となる。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、積層構造を形成するために使用する基板として上記実施形態ではサファイアやGaNを用いたが、他の基板でもよく具体的にはSiC,AlGaN,Si,Cu,Auなどがあげられる。また、多重積層型反射層は活性層に対して片側でもよく、その場合はレーザ発振はしないが高効率で高輝度なLEDを得ることが可能である。
【0072】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、反射率が高く動作電圧が低い窒化物系の半導体レーザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を示す断面図。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係わる面発光青色半導体レーザ装置の概略構成を示す断面図。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係わる面発光青色半導体レーザ装置の変形例の構成を示す断面図。
【図4】 低屈折率層のドーピング濃度と抵抗率との関係を示す特性図。
【図5】 低屈折率層の厚さと抵抗率との関係を示す特性図。
【図6】 従来の面発光型半導体レーザ装置の概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
11…サファイア基板
12…GaNバッファ層
13…n型AlGaN/GaN多重積層型反射層
14…In0.02Ga0.98N位相整合層
15…多重量子井戸型In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層
16…第1のp型In0.02Ga0.98N位相整合層
17…n型GaN電流狭窄層
18…第2のp型In0.02Ga0.98N位相整合層
19…p型AlGaN多重積層型反射層
20…n側電極
21…p側電極
22…SiO2絶縁保護膜
31…GaN基板
32…n型AlGaN多重積層型反射層
33…In0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層
34…In0.2Ga0.8N/In0.03Ga0.97N活性層
35…In0.02Al0.02Ga0.96N位相整合層
36…p型AlGaN多重積層型反射層
37…高抵抗層
38…SiO2/ZrO多層反射膜
39、42…p側電極
40、41…n側電極
101…サファイア基板
101a…GaNバッファ層
102…n側多重積層型反射層
103…n側コンタクト層
104…活性層
105…p側コンタクト層
106…p側多重積層型反射層
107…n側電極
108…p側電極
109…高抵抗層
Claims (10)
- 基板上に形成されたIII−V族窒化物系半導体からなる発光層と、この発光層の上下のうち少なくとも一方の側に形成され、低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されてなるIII−V族窒化物系半導体からなる反射層と、前記発光層に対して電流を供給する電極とを備え、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなり、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のうち、少なくともバンドギャップが最大となる層と当該層に隣接して形成され当該層よりバンドギャップが小さい層との界面に含まれる一導電型不純物の濃度は、前記界面以外の前記III−V族窒化物系半導体層の部分の前記一導電型不純物の濃度よりも高いことを特徴とする半導体発光素子。
- 基板上に形成されたIII−V族窒化物系半導体からなる発光層と、この発光層の上下のうち少なくとも一方の側に形成され、低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されてなるIII−V族窒化物系半導体からなる反射層と、前記発光層に対して電流を供給する電極とを備え、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなり、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層との界面部分の一導電型不純物の濃度は、前記界面以外の部分の前記一導電型不純物の濃度よりも高いことを特徴とする半導体発光素子。
- 前記反射層の上下の位置に一対の前記電極が設けられ、前記反射層の積層方向に電流が流れることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発光素子。
- 基板上に形成されたIII−V族窒化物系半導体からなる発光層と、この発光層の上下のうち少なくとも一方の側に形成され、低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されてなるIII−V族窒化物系半導体からなる反射層と、前記発光層に対して電流を供給する電極とを備え、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなり、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のうち、少なくともバンドギャップが最大となる層に含まれる一導電型不純物の濃度は、当該層よりバンドギャップが小さい層に含まれる前記一導電型不純物の濃度よりも高いことを特徴とする半導体発光素子。
- 前記反射層の側面に前記電極が設けられ、前記反射層の面内方向に沿って電流が流れることを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。
- 前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれには、同じ組成のIII−V族窒化物系半導体層が前記低屈折率層と高屈折率層に共通して用いられ、前記低屈折率層と高屈折率層のそれぞれにおける前記III−V族窒化物系半導体層の厚みの割合が異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子。
- 基板上に形成されたIII−V族窒化物系半導体からなる発光層と、この発光層の上下のうち少なくとも一方の側に形成され、低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されてなるIII−V族窒化物系半導体からなる反射層と、前記発光層に対して電流を供給する電極とを備え、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなり、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれには、同じ組成のIII−V族窒化物系半導体層が前記低屈折率層と高屈折率層に共通して用いられ、前記低屈折率層と高屈折率層のそれぞれにおける前記III−V族窒化物系半導体層の厚みの割合が異なることを特徴とする半導体発光素子。
- 前記低屈折率層及び高屈折率層のそれぞれを構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さは10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体発光素子。
- 前記低屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体 層のそれぞれの厚さは3nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項8記載の半導体発光素子。
- 基板上に形成されたIII−V族窒化物系半導体からなる発光層と、この発光層の上下のうち少なくとも一方の側に形成され、低屈折率層と高屈折率層とが交互に繰り返して積層されてなるIII−V族窒化物系半導体からなる反射層と、前記発光層に対して電流を供給する電極とを備え、前記反射層の低屈折率層と高屈折率層のそれぞれは、組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層が交互に繰り返して積層されてなり、前記高屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さは10nm以下であり、前記低屈折率層を構成する前記組成の異なるIII−V族窒化物系半導体層のそれぞれの厚さは3nm以上5nm以下であることを特徴とする半導体発光素子。
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