JP3763281B2 - 摩擦溶接法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な摩擦溶接法及びその装置に係り、特に、接合部に発生する空洞や割れなどの溶接欠陥を防止することに好適な摩擦溶接法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実質的に加工物の材質よりも硬い材質の金属棒を被加工物の溶接部に挿入し、この金属棒を回転させながら移動することによって、前記金属棒と前記加工物との間で発生する摩擦熱により溶接する摩擦溶接方法が、例えば、特表平7ー505090号公報(EPO615480B1)に記載されている。この摩擦溶接方法は、金属棒と加工物との摩擦熱による塑性流動現象を利用したものであって、加工物を溶かして溶接する方法(例えば、アーク溶接など)とは異なる原理に基づいている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らの検討によれば、特表平7ー505090号公報に記載される摩擦溶接方法を実行するためには、前記金属棒と被加工物表面との相対位置関係が重要となる。塑性流動状態の金属が、溶接部から、被加工物の表面に溢れ出ることを防止することが要求される。すなわち、溶接部から金属が流出することによって溶接部に欠陥が発生する頻度が大きくなり、溶接部の信頼性を低下させる原因となる。このためには、この摩擦溶接方法の実行に際し、回転するツールを被加工物の表面から一定の深さに挿入し、溶接中もこの深さを維持管理することが要求される。
【0004】
ところが、一般には、被加工物の表面に凹凸があれば、被加工物の送りに伴い被加工物表面の高さが変化する。また、溶接に伴い被加工物が加熱されることにより被加工物表面の高さが変化することもある。このような場合には、ツールと被加工物との相対距離が変動し、ツールのショルダー部が被加工物表面から挿入される挿入深さも変動してしまう。
【0005】
また、被加工物の表面が平坦でなかったり、2つの被加工物の高さが相異なる場合には、ツールと被加工物表面との相対姿勢が変動することもある。
【0006】
本発明の目的は、ツールと被加工物との相対位置関係を管理し、被加工物表面に対するツールの挿入深さが常に一定となるように制御することにより、溶接長さが長い溶接構造物であっても、溶接欠陥の発生を防止し、信頼性の高い溶接構造物を製作するすることのできる摩擦溶接法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ショルダーが形成された回転ツールの挿入によって被加工物同士を接合する摩擦溶接法において、前記回転ツールの溶接中における溶接進行方向に対する荷重を検出し、該検出された荷重に基づいて算出される前記回転ツールの前記被接合部材への挿入深さを調整しながら前記接合することを特徴とする。
又、本発明は、ショルダーが形成された回転ツールと、該ツールを回転させるための回転駆動装置と、前記ツールを回転の軸方向に沿って移動させるための上下駆動装置と、前記ツールと被加工物との少なくとも一方を溶接線方向に対して相対的に移動させる駆動装置と、前記ツールの溶接中における溶接線進行方向に係る荷重を検出する荷重検出器と、該荷重検出器によって検出された値に基づいて溶接中における前記被加工物への前記ツールの挿入深さを演算し該演算された値に基づいて前記上下駆動装置を制御する制御装置とを具備することを特徴とする摩擦溶接装置にある。
又、本発明は、前記ツールが回転される回転軸の姿勢、及び、前記回転軸に沿う方向におけるツールの位置のうち少なくとも一方を変更可能に、前記ツール回転機構を固定支持するための支持機構とを有することが好ましい。
【0008】
又、本発明は、前記ツール及び被加工面表面の相対位置関係を変更可能に、前記ツール回転機構及び被加工物を固定支持するための前記支持機構を有することが好ましい。
【0009】
更に、本発明は、前記ツール及び被加工物表面の相対位置関係を検出するための検出部と、前記検出部によって検出された相対位置関係が予め定められた相対位置関係に近づくように、前記支持機構を制御するための制御部とを備えることが好ましい。
【0010】
又、本発明は、前記検出部によって検出された相対位置関係の変動が小さくなるように、前記支持機構を制御するための制御部とを備えることが好ましい。前記相対位置関係は、前記ツールと被加工物表面との距離と、前記ショルダー部の溶接線方向後方の端部が前記被加工物表面に挿入される深さと、前記ツールの回転軸と被加工物表面の法線とが成す角の溶接線方向における成分と、前記回転軸と被加工物表面の法線とが成す角の溶接線方向に直交する方向における成分の少なくとも1つであることが好ましい。前記ツールと被加工物表面との距離を検出するレーザ変位計であり、前記ツールの溶接線方向前方に設けられることが好ましい。
【0011】
本発明は、前述の摩擦溶接法又はその装置を用いて溶接加工されたことを特徴とする溶接構造物にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施の形態における摩擦溶接装置の斜視図である。本実施の形態では、ツールが被加工物に挿入される深さを制御することに好適に構成される摩擦溶接装置について説明する。図1において、本実施の形態における摩擦溶接装置100は、被加工物2を摩擦するためのツール1と、ツール1を回転させるための回転駆動装置4と、ツール1を回転の軸方向に沿って移動させるための上下駆動装置5と、被加工物2の表面2Sまでの距離を検出するための検出器6と、検出された距離の変動を求めるための信号処理装置8と、求められた変動を抑制するように前記上下駆動装置5を制御するための制御装置9とを有して構成される。
【0013】
前記ツール1は、被加工物(溶接すべき部材)の材質より、実質的に硬い材質で形成される。このようなツール1の材質としては、代表的には金属を用いることができる。なお、硬度に加えて、靱性、耐熱性などの要求を満たせば、セラミックス、表面焼き入れ部材などを用いてもよい。
【0014】
前記回転駆動装置4及び上下駆動装置5は、溶接線方向13に、被加工物2と相対的に移動するための移動架台(図示せず)に取り付けられている。前記検出器6は、溶接線方向13に対してツール1の前方に、ツール1の端面に対して予め定められた高さで配置され、ツール1と同一方向に、かつ、ツール1と連動して移動する。
【0015】
図2は、回転ツールの、回転軸を含む断面における形状を示すものである。図2において、ツール1は、基部1aと、基部1aの端面1Sに設けられた先端部1bとを有する形状に形成される。好ましくは、前記基部1a及び先端部1bは、軸を共有する回転対象形状に形成される。より具体的には、前記基部1aは、円柱形状に形成され、前記先端部1bは、その先端1cに近づくほど細くなる形状に形成される。基部1a及び先端部1bは、共通の部材から一体に形成されてもよいし、別々に形成された基部1aと先端部1bとを組み合わせて構成されてもよい。
【0016】
次に、図1を参照して、本実施の形態の摩擦溶接装置が、2つの加工物2を相互に突き合わせ溶接に用いられる場合の動作について説明する。まず、溶接開始に際し、前記検出器6によって被加工物2の表面2Sの溶接開始前までの距離(d0)を検出する。そして、当該検出された距離(d0)を前記信号処理装置8において格納する。
【0017】
次に、ツール1を溶接開先部3に挿入し、ツール1を回転させながら、ツール1と被加工物2とを溶接線方向13に相対移動させ溶接過程を実行する。この状態で、前記検出器6により検出される、溶接過程の被加工物表面2Sまでの溶接過程の距離(d)は、前記信号処理装置8に送られる。信号処理装置8において、前記格納している溶接開始前の距離(d0)と、前記溶接過程の距離(d)とを比較し、少なくともこれらの大小関係を前記制御装置9に送る。
【0018】
前記制御装置9は、前記大小関係に基づいて、溶接開始前の距離(d0)と、前記溶接過程の高さ(d)とが一致するようにツール1を上下方向12に駆動する指令を前記上下駆動装置5に与える。すなわち、溶接過程の距離が溶接開始前よりも大きければ、ツール1を上方に予め定められた距離だけ駆動する指令を与え、また、溶接過程の高さが溶接開始前よりも小さければ、ツール1を下方に予め定められた距離だけ駆動する指令を与える。そして、溶接過程の高さが溶接開始前と一致するときは、ツール1を固定支持する指令を与える。
【0019】
前記駆動する指令における予め定められた距離は、制御が行われる時間間隔、上下駆動装置5の駆動速度、予想される被加工物2の表面2Sの高さの変化の速さなどから定められる。この被加工物2の表面2Sの高さの変化の速さは、表面2Sの高さの溶接線方向13の変化率と、ツール1及び被加工物2が溶接線方向13に相対移動される速度とから求められる。
【0020】
このようにして、被加工物2の表面2Sと検出器6とにおける溶接過程の距離が、溶接開始前の距離に一致するように制御される。ここで、上述したように、検出器6は、ツール1と連動して移動するから、ツール1が被加工物2に挿入される深さ(表面2Sから端面までの深さ)を一定に制御することができる。
【0021】
ここでは、大小関係に基づいて制御する例について述べたが、溶接過程と溶接開始前とにおける被加工物表面2Sまでの距離の差分を求め、当該差分に応じた距離だけツール1を上下に駆動してもよい。すなわち、前記信号処理装置8において、前記溶接過程の距離(d)と溶接開始前の距離(d0)との差分(d−d0)を求め、前記制御装置9において、当該求められた差分(d−d0)に応じた距離ツール1を下方に駆動する指令を前記上下駆動装置5に与える。なお、前記差分と駆動する指令における距離との関係は、例えば、帰還制御における収束の速さ、安定性を考慮して定めることができる。
【0022】
次に、図3を参照して、2つの被加工物相互に高さが異なる場合、すなわち、検出器から被加工物表面までの距離が被加工物2相互に異なる場合に好適な動作について説明する図3において、2つの被加工物2a,2bは、互いに高さが異なる。このような場合、ツール1の端面1Sが、被加工物2a,2bの表面2aS,2bSから挿入される深さla,lbが相違する。従って、高さが高い方の被加工物2aに対して、予め定められた深さ(例えば、0.1〜0.5mm)にツール1を挿入したとしても、他方の被加工物2bに対して挿入される深さは、前記予め定められた深さより小さくなってしまう。このため、高さが低い方の被加工物2bの表面2bSとツール1とが接する部分から、塑性流動状態にある金属が十分に閉じ込められず、溢れ出てしまうことがある。
【0023】
本発明を適用した摩擦溶接装置では、このような場合には、溶接開始に際し、前記検出器6において、一方の被加工物2aまでの距離(da)と、他方の被加工物2bまでの距離(db)とをそれぞれを検出する。そして、両者のいずれか大きい方の距離を基準にツール1の挿入深さを制御する。
【0024】
より具体的には、例えば、前記検出器6において、溶接開始前の距離(da0,db0)をそれぞれ検出し、これらのいずれか大きい方を前記信号処理装置8に格納する(以下、格納された距離をd0とする)。前記信号処理装置8において、溶接過程において検出器6により検出される2つの被加工物2a,2bまでの距離(da,db)のいずれか大きい方と、格納してある溶接開始前の距離(d0)とを比較する。この比較の結果を用いた制御は、上述した、それぞれの表面の高さを区別せずに制御する場合と同様にして行うことができる。
【0025】
また、溶接開始前及び溶接過程における被加工物表面2aS,2bSまでの距離の差分を求め、当該差分に応じた距離だけツール1を上下に駆動してもよい。この場合には、前記信号処理装置8において、前記2つの被加工物2a,2bそれぞれの溶接過程の距離(da,db)のうち大きい方の距離と、溶接開始前の距離(d0)との差分を求める。そして、求めた差分に応じてツール1を駆動する指令を前記上下駆動装置5に与える。なお、前記差分と駆動する指令における距離との関係は、例えば、帰還制御における収束の速さ、安定性を考慮して定めることができることは、上述の場合と同様である。
【0026】
このようにして、2つの被加工物2a,2b相互に高さが異なる場合であっても、高さが低い方の表面2bSを基準として、ツール1が被加工物2a,2bに挿入される深さ(表面2Sから端面までの深さ)を一定に制御することができる。すなわち、2つの被加工物2a,2bに挿入される深さうちの小さい方l1を、溶接開始に際して定められる深さに制御して、溶接を実行することができる。従って、ツール1の端面1Sから、塑性流動状態にある金属が溢れ出ることを避けることが可能となる。
【0027】
図4は、上述した図1における摩擦溶接装置の具体的構成例であって、駆動源としてモータを、また、検出器としてレーザ変位計を用いて構成されている。図4において、本実施の形態における摩擦溶接装置100は、被加工物2を摩擦するためのツール1と、ツール1を取り付けるための取付部材20aが設けられた回転軸20と、回転軸20を回転可能に支持するための回転ベアリング22が設けられたボックス23と、回転軸20のエンドプレイを吸収するためのカップリング21と、回転軸20を回転させるための回転モータ4と、ボックス23を回転軸20の軸方向に沿って移動するための駆動軸24と、駆動軸24のエンドプレイを吸収するためのカップリング25と、駆動軸24を回転させるための上下駆動モータ5と、被加工物2の表面2Sまでの距離を検出するための検出器6と、検出された距離の変動を求めるための信号処理装置8と、求められた変動を抑制するように前記上下駆動モータ5を制御するための制御装置9と、前記回転モータ4及び上下駆動モータ5を支持するための移動架台15と、被加工物2を固定支持し、かつ、移動架台15を溶接線方向13に移動可能に支持するための溶接架台16とを有して構成される。
【0028】
前記ツール1は、回転軸20とカップリング21とを介して回転モータ4に連結されている。また、回転軸20は、回転ベアリング22を介してボックス内23に収められている。前記ボックス23は、上下方向に駆動するための駆動軸24にも連結されている。前記駆動軸24は、カップリング25を通してツール1を上下方向に駆動するための駆動モータ5に連結されている。
【0029】
前記回転モータ4及び上下駆動モータ5は、移動架台15に取り付けられている。前記移動架台15は、溶接架台16に取り付けられ、当該溶接架台16上を溶接線方向13に移動する。検出器6は、被加工物表面2Sの高さの変化を検出するためのものである。検出器6は、溶接線方向13に対してツール1の前方に取り付けられる。本実施の形態では、検出器6としてレーザ変位計を用い、これをツール1から溶接線方向13に前方30mmの位置に配置している。
【0030】
ここで、溶接直前及び溶接過程における加工物表面2Sの高さの変化に応じて、ツール1の上下方向の駆動は次の順序で行われる。
【0031】
行程1:ツール1は、被加工物2の表面から予め指定された深さに挿入される。指定の深さが挿入されたこの時点、つまり、溶接開始直前での検出器6から被加工物表面2Sまでの距離d0を前記検出器6により検出する。この距離d0が健全な溶接ができるツール1の適性な深さの基準となる。従って、この距離d0を溶接過程における距離との差を比較する基準信号とする。なお、2つの被加工物表面までの距離が相違する場合には、これらのうち大きい方の距離を表す基準信号を生成する。
【0032】
行程2:次に、溶接過程における被加工物表面2Sまでの距離dを連続的または周期的に検出する。
【0033】
行程3:前記行程1で検出した距離の検出信号d0、及び前記行程2で検出した距離dを表す検出信号は、信号処理装置8に入力される。そして、信号処理装置8において、距離d0及びdを比較して、これらの差分、つまり、被加工物2の高さの、溶接開始直前及び溶接過程における差を求める。そして、この差分を表す比較信号を生成する。
【0034】
行程4:前記行程3で生成された比較信号は、制御装置9に入力される。制御装置9は、当該入力された信号に応じて、ツール1を上下方向に駆動させるように、上下駆動モータ5を制御する。
【0035】
ここで、前記行程2で検出した距離dが前記1で検出した距離d0に比べて同じ(距離の差分が零)場合は、被加工物表面2Sの高さが溶接開始直前と同じで変化していない現象である。このため、ツール1を上下方向に駆動する必要がない。従って、上下駆動モータ5は駆動せず、ツール1の位置は一定である。
【0036】
一方、前記行程2で検出した距離dが前記1で検出した距離d0に比べて小さい(距離の差分がマイナス)場合は、被加工物表面2Sの高さが溶接開始直前に比べて高くなっている現象である。このため、ツール1を上下駆動モータ5により前記行程3で求められた比較した差分の距離(ΔX)だけ上向き方向に上げる必要がある。
【0037】
また、前記行程2で検出した距離dが前記行程1で検出した距離d0に比べ大きい(距離の差分がプラス)場合は、被加工物表面2Sの高さが溶接開始直前に比べて低くなっている現象である。このため、ツール1を上下駆動モータ5により前記行程3で求められた差分の距離(ΔY)だけ下向き方向に下げる必要がある。
【0038】
上述のように、被加工物2の表面2Sにおける高さの変化の信号に応じて加工物表面2Sからのツール1の挿入深さが溶接過程で常に一定になるように制御される。従って、溶接長さが20mクラスと長い場合でも溶接欠陥のない溶接構造物が得られる。このような溶接構造物としては、例えば、鉄道用の車両構造体が挙げられる。特に、高速車両においては、車両の長さが長くなる傾向にあり、これに伴い溶接長さも長くなっている。
【0039】
図5は、上述した図1における摩擦溶接装置の具体的構成例であって、上下方向の駆動源として油圧駆動装置を、また、検出器として接触式の差動トランスを用いて構成されている。図5において、本実施の形態における摩擦溶接装置100は、被加工物2を摩擦するためのツール1と、ツール1を取り付けるための取付部材20aが設けられた回転軸20と、回転軸20を回転可能に支持するための回転ベアリング22が設けられたボックス23と、回転軸20のエンドプレイを吸収するためのカップリング21と、回転軸20を回転させるための回転モータ4と、ボックス23を回転軸20の軸方向に沿って駆動するための油圧駆動装置31と、前記油圧駆動装置31に対して上下方向に移動可能に前記ボックス23を支持するための上下方向のベアリング30と、被加工物2の表面2Sまでの距離を検出するための検出器6と、検出された距離の変動を求めるための信号処理装置8と、求められた変動を抑制するように前記油圧駆動装置31を制御するための制御装置9と、前記回転モータ4及び油圧駆動装置31を支持するための移動架台15と、被加工物2を固定支持し、かつ、移動架台15を溶接線方向13に移動可能に支持するための溶接架台16とを有して構成される。
【0040】
前記ツール1は、回転軸20とカップリング21とを介して回転モータ4に連結されている。前記回転軸20は、回転ベアリング22を介してボックス23に支持されている。前記ボックス23は、上下方向のベアリング30を介して油圧駆動装置31に連結されている。さらに、油圧駆動装置31及び回転モータ4は、溶接線方向13に移動する移動架台15に連結されている。このように構成することによって、ツール1を回転させながら、かつ、被加工物表面までの距離を一定に制御した状態で溶接線方向13に移動することができる。
【0041】
検出器6は、被加工物表面2Sの高さの変化を検出するためのものである。検出器6は、溶接進行方向13に対してツール1の前方に取り付けられる。本実施の形態では前記検出器6として接触式の差動トランスを用い、これをツール1から溶接線方向前方30mmの位置に配置している。
【0042】
ここで、溶接直前及び溶接過程における加工物表面2Sの高さの変化に応じてなされる、ツール1の上下方向の駆動は、実施例1と同様である。つまり、検出器6により、溶接開始直前に検出される、被加工物表面2Sからの距離d0と、溶接過程において検出される、加工物表面2Sからの距離を距離dとについて、2つの距離d0,dの大小を信号処理装置8により比較し、この信号を制御装置9に入力して油圧駆動装置31を駆動制御する。なお、予め指定された信号10を前記信号処理装置8に予め入力し、この信号10と前記溶接過程における高さ(前記距離d)を示す信号とを比較することによってツール1を上下に駆動制御してもよい。
【0043】
なお、突き合わせ溶接する2つの加工物2の表面高さがほぼ同じ場合は、特に問題ないが、高さが異なる場合は、両者のいずれか低い方の表面高さを基準にツール1の挿入深さを制御する。このような摩擦溶接装置100によって、加工物2の表面高さの変化に応じて加工物表面からのツール1の挿入深さが溶接過程で常に一定になるように制御される。従って、溶接長さが20mクラスの長い場合でも溶接欠陥のない溶接構造物が得られる。
【0044】
図6及び図7は、ツールの溶接線方向荷重を用いて、ツールの挿入深さを検出する点において、上述した摩擦溶接装置と相違する。他の基本的な構成は図1、4及び5と同様であるので、以下に、相違点を中心に説明する。まず、図6を参照して、本実施の形態における溶接架台及び荷重検出部について説明する。図6において、本実施の形態における溶接架台16は、被加工物2を係止するための係止突起16bが、溶接線方向について設けられる。前記係止突起16bには、荷重検出部40が設けられている。前記荷重検出部40で検出された荷重は、変換部42を介して信号処理装置8(図1参照)に送られる。
【0045】
前記荷重検出部40は、被加工物2に、溶接線方向に働く荷重を検出するためのものである。荷重検出部40は、例えば、圧力センサを用いて構成することができる。前記変換部42は、前記荷重検出部40で検出された溶接線方向の荷重を、ツール挿入深さに変換するためのものである。変換部42は、例えば、演算回路、または、マッピングテーブルを備えたマッパー回路を用いて構成することができる。
【0046】
次に、図7を参照して、ツールの溶接線方向荷重と、ツールの挿入深さとの関係について説明する。図7において、横軸は、ツールのショルダー部の端面が、被加工物表面から挿入される挿入深さ(l)mmをとり、縦軸は、ツールが溶接線方向に受ける荷重(P)kgをとっている。ツールが溶接線方向に受ける荷重は、ツールの送り(ツールと被加工物との溶接線方向の相対移動)に伴って、ツールに働く反力に相当する。図7に示されるように、ツールが溶接線方向に受ける荷重(反力P)は、被加工物へのツールの挿入深さ(l)とほぼ比例して増加する。
【0047】
従って、ツールの溶接線方向荷重(P)を検出して、この検出信号を基にツールの上下制御、つまり、溶接部材中への挿入深さを制御することができる。前記ツールの溶接線方向荷重(P)は、被加工物を固定する際に、溶接線方向(溶接が進行方向)に、荷重検出部を介して被加工物を係止し、荷重検出部からの出力を用いて検出する。
【0048】
変換部42は、荷重(P)を挿入深さ(l)に変換するための演算を行う演算回路、または、想定される荷重について、荷重(P)に対応する挿入深さ(l)をマッピングしたマッピングテーブルを備えるマッパー回路を用いて構成することができる。荷重検出部で検出された荷重(P)から求められた挿入深さ(l)を、信号処理装置8(図1参照)に送り、溶接過程における挿入深さとして与えることによって、溶接過程における挿入深さの制御を行うことができる。制御の詳細については、図1、4及び5と同様にして行うことができるので、ここで重ねて説明することは省略する。
【0049】
一方、図5において述べたように、なお、予め指定された信号10(図5参照)を前記信号処理装置8(図5参照)に予め入力する場合にあっては、予め指定された信号として、予め定められた荷重(P0)を示す信号を溶接開始前に予め入力しておき、溶接過程において、荷重検出部で検出された荷重(P)を示す信号を信号処理装置8(図5参照)に入力してもよい。これにより、溶接過程における、ツールに加わる溶接線方向荷重Pが、予め定められた荷重(P0)となるように制御することができる。従って、溶接過程において、ツールの挿入深さlが予め定めた深さとなるように制御することができる。このような制御を行う場合には、前記変換部を省略し、構成を簡略化することができる。例えば、挿入深さ(l)を0.1〜0.5mmとすべき場合には、荷重検出部で検出される荷重(P)が、130〜260kgとなるように、ツールを上下に駆動制御すればよい。
【0050】
図8は、本発明のツールの端面が被加工物に挿入される深さ、及び、ツールが回転される回転軸と加工物表面との相対姿勢の制御することに好適に構成される摩擦溶接装置について説明する斜視図である。図8において、2つの被加工物2a,2bが突き合わせられた溶接開先部3に、回転軸aの廻りに回転するツール1が挿入されている。はじめに、2つの被加工物2a,2bの表面2aS,2bSが、共に平坦で、かつ、それらの高さが相等しい場合について説明する。この場合は、表面2aS,2bSを共に含む平面(以下、平面Sという)に、ツール1が挿入されることになる。この場合には、ツール1と、被加工物2a,2bとの相対姿勢の制御は、平面Sの法線nと、回転軸aとが一致するように行えばよい。例えば、ツール1の回転軸aと平面Sにおける溶接開先部3との交点の廻りに、回転軸aの傾きを変更し、法線nと、回転軸aとが一致する状態で、ツール1の姿勢を固定支持することができる。
【0051】
また、ツール1の端面が被加工物2a,2bに挿入される深さ(挿入深さ)の制御は、ツール1の端面の周縁fが、平面Sから予め定められた深さだけ挿入されるように、行えばよい。なお、この場合には、ツール1の端面は、平面Sと平行であることから、周縁fの任意の点における平面Sまでの距離(深さ)を基準にして制御を行うことができる。
【0052】
ここで、溶接線方向13及び法線nを含む面内において、法線nに対して溶接線方向13後方に予め定められた角θ0(以下、後傾角という)だけ、回転軸aを傾けてもよい。このように後傾角を設けた状態でツール1を支持することによって、塑性流動状態の金属が溢れ出ることを避ける効果をより向上することができる。この後傾角θ0は、例えば、3〜10度とすることができる。
【0053】
このように、後傾角を設けてツール1を支持するためには、例えば、ツール1の回転軸aと加工物表面2aS,2bSの法線nとが成す角の、溶接線方向13を含む面における第1の成分θと、前記回転軸aと法線nとが成す角の、溶接線方向13に直交する面における第2の成分φとを検出する。そして、第1の成分θが後傾角θ0に近づくように、また、第2の成分φが小さく(零に近づく)ように、ツール1と、被加工物2a,2bとの相対姿勢を制御すればよい。なお、この場合には、ツール1の端面は、平面Sに対して傾いている。ことのため、挿入深さの基準は、例えば、周縁fにおける溶接線方向13後端での、平面Sまでの距離(深さ)を基準にして制御を行う。
【0054】
次に、2つの被加工物2a,2bの表面2aS,2bSに凹凸がある場合、または、それらの高さが相異なる場合について説明する。この場合は、ツール1が挿入される部位、または、これに加えて、その周辺近傍を含む部位における平均的な平面(以下、平面S’という)を考え、その法線をnと見なす。このような平面S’は、例えば、ツール1の周辺の複数の点において、被加工物表面2aS,2bSの高さを検出し、これらの点をフィットする平面として求めることができる。より具体的には、ツール1の溶接線方向13の前方と後方とで、被加工物2a,2bのそれぞれの高さを検出する。
【0055】
4点で検出を行う例としては、ツール1の溶接線方向13前方において、被加工物2a,2b上の点7a,7bの高さを、ツール1の溶接線方向13後方において、被加工物2a,2b上の点7c,7dの高さを検出することができる。このとき、点7c,7dについては、溶接開先部3からツール1の半径rよりも離れた部位とすることが好ましい。これにより、ツール1の溶接線方向13後方では、ツール1の加工痕を避けて検出を行うことができる。従って、加工痕上での検出に伴う誤差要因を排除することができる。
【0056】
なお、点7a,7bについては、溶接開先部3からツール1の半径rよりも近い部位とすることが好ましい。これは、実際に加工が行われる部位の面の状態を検出することができるからである。例えば、ツール1の半径がφ15mmである場合には、点7a,7bは、ツール1から溶接線方向13に30mm前方であって溶接開先部3から8mm離れた部位とし、点7c,7dは、ツール1から溶接線方向13に30mm後方であって溶接開先部3から20mm離れた部位とすることができる。このようにして検出された各点の高さからフィッティングして平面S’を求めることができる。
【0057】
なお、点7a,7bで検出された高さの平均と7c,7dで検出された高さの平均との差分から、回転軸aと法線nとのθ方向の偏差を求め、点7a,7cで検出された高さの平均と7b,7dで検出された高さの平均との差分から、回転軸aと法線nとのφ方向の偏差を求めてもよい。
【0058】
ツール1と被加工物2a,2bとの相対姿勢の制御は、上述の場合と同様に、法線nと回転軸aが一致するように、または、法線nに対して予め定められた後傾角θ0となる相対姿勢となるように行えばよい。一方、ツール1の端面が被加工物2a,2bに挿入される深さ(挿入深さ)の制御は、ツール1の端面の周縁fが、前記求めた平面S’から挿入される深さが予め定められた値となるように行えばよい。この深さについて予め定められる値は、例えば、0.1〜0.5mmと定めることができる。
【0059】
また、ツール1の溶接線方向13前方において、被加工物表面2aS,2bSのプロファイルが計測される場合には、ツール1の端面の周縁fが、被加工物表面2aS,2bSから挿入される深さの最小値を基準として挿入深さの制御を行うことが好ましい。これにより、被加工物表面2aS,2bSのプロファイルに凹凸がある場合であっても、被加工物もっとも低い部分に合わせて挿入深さを制御することができる。このとき、ツール1が後傾角θ0を設けて支持される場合には、前記周縁fにおける溶接線方向13後方の半弧における最小値を基準とすればよい。
【0060】
図9は、本発明のツールと被加工物表面との相対位置関係を表示するための表示部について説明する図である。まず、図9の(a)を参照して、ツールと被加工物表面との相対姿勢を表示するため表示部について説明する。この表示部では、ツールと被加工物表面との相対姿勢を、被加工物表面の法線及びツール回転軸の関係で表している。図9の(a)において、表示部80は、被加工物表面の法線及びツールの回転軸の相対偏差を示すための指標81と、被加工物表面の法線及びツールの回転軸との成す角における溶接線方向を含む面内の成分θを示す目盛り83と、溶接線方向に垂直な方向を含む面内の成分φを示す目盛り82とを有している。これらの目盛りは、図9の(a)に示すように、被加工物表面の法線及びツールの回転軸が一致する状態を基準とし、これを表示部の中央に設定することができる。図示される状態は、指標81が原点(θ軸目盛り83とφ軸82との交点)に位置し、被加工物表面の法線及びツールの回転軸が一致する状態であることが表示されている。表示されるθ、φは、上述のようにして求められた、平均的な平面S’の法線n(図8参照)と、ツールの回転軸a(図8参照)とから求めることができる。
【0061】
次に、図9の(b)を参照して、被加工物表面に対して予め定められた、ツールの回転軸を管理すべき方向と、回転軸の実際の方向との関係を表すための表示部について説明する。これは、上述した、ツールの回転軸を予め定められた後傾角θ0だけ後傾すべき場合に好適な表示部である。図9の(b)において、表示部80は、被加工物表面の法線及びツールの回転軸の相対偏差を示すための指標81と、被加工物表面の法線及びツールの回転軸との成す角における溶接線方向を含む面内の成分θを示す目盛り83と、溶接線方向に垂直な方向を含む面内の成分φを示す目盛り82'とを有している。これらの目盛りは、図9の(a)に示した例と、θ軸目盛り83が予め定められた後傾角θ0だけオフセットされていること、φ軸目盛り82'が球体の子午線状に湾曲していることにおいて相違する。すなわち、予め定められた後傾角θ0だけ相対変位した相対姿勢に、被加工物表面の法線及びツールの回転軸が一致する状態を基準とし、これを表示部の中央に設定することができる。
【0062】
次に、図9の(c)を参照して、ツールのショルダー部の周縁の挿入深さを表す表示部について説明する。図9の(c)において、表示部90は、挿入深さを示すための目盛り92と、ツールのショルダー部が挿入されている深さを示すための指標91とを有している。上述のような表示部を用いて、ツールと被加工物表面との相対位置関係を表示することによって、ツールと被加工物表面との相対位置関係を認識しやすく表示することができる。
【0063】
従って、ツールのショルダー部が被加工物表面に挿入される挿入深さ、すなわち、ツールを支持、または、これに加えて回転駆動するためのツール回転機構と、被加工物との相対距離の操作の基準を認知すること、前記ツール回転機構と被加工物との相対姿勢の操作の基準を認知することが、容易かつ確実となる。従って、これらの相対位置関係を管理して、変動を抑え、かつ、予め定められた相対位置関係とすることが可能となる。特に、相対位置関係の成分となる、相対距離、相対姿勢のうちの溶接線方向面内の成分、これに直交する成分のそれぞれを、どのように操作すればよいかを分かりやすく表示することができる。
【0064】
図10は、本発明のツールと被加工物との相対姿勢を操作することに好適な摩擦溶接装置の断面図である。本図では、駆動機構の一部、検出部は、省略して描かれているがこれは、上述した図4、5と同様に構成することができる。この摩擦溶接装置は、ツール1の回転軸が揺動可能に支持されていることにおいて、これらの実施の形態と相違する。以下に、相違点を中心に説明する。図10において、摩擦溶接装置は、本実施の形態における摩擦溶接装置は、被加工物2を摩擦するためのツール1と、ツール1を取り付けるための取付部材20aが設けられた回転軸20と、回転軸20を回転可能に支持するための回転ベアリング22が設けられたボックス23と、回転軸20を回転させるための回転モータ4と、上下方向に移動可能に前記ボックス23を支持するための上下方向のベアリング30と、ベアリング30を支持するための支持枠18と、支持枠18を摺動可能に湾曲レール19a,bに支持するためのベアリング19cと、被加工物2を固定支持し、かつ、移動架台15を溶接線方向13に移動可能に支持するための溶接架台16とを有して構成される。
【0065】
本摩擦溶接装置は、支持枠18が、湾曲レール19a,bにガイドされる状態で、ベアリング19cに支持されるため、ツール1の回転軸を揺動させることができる。このとき、湾曲レール19a,bの曲率中心をツール1のショルダー部と一致させることにより、溶接過程においても、ツール1の揺動をより円滑に行うことができる。本実施の形態によれば、ツールと被加工物の相対位置関係を管理することが容易に、かつ、適切に行うことが可能となる。
【0066】
従って、被加工物の凹凸、2つの被加工物相互の段差が生じている場合であっても、これらの状態に応じて、ツールと被加工部材との、相対姿勢及び挿入深さを制御することが可能となる。よって、ツールのショルダー部から、塑性流動状態の金属が溢れ出ることを抑制することができる。このため、溶接構造体の溶接部における欠陥の発生を抑止し、信頼性を向上させることができる。また、直線状の溶接のみならず、溶接部の表面が湾曲、傾斜する状態であっても、信頼性の高い溶接を行うことができる。
【0067】
例えば、鉄道車両の車両構造体の製作に前述した摩擦溶接装置を適用することにより、溶接長さが長くなっても、より具体的には、例えば、20mクラスの溶接長さであっても、溶接欠陥の発生を防止し、信頼性を向上させることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、溶接過程における、被加工物表面に対するツールの挿入深さが常に一定となるように、また、被加工物表面に対するツールの挿入角が常に一定となるように制御することが可能となる。このため、溶接長さが長い溶接構造物であっても、溶接欠陥の発生を防止し、信頼性の高い溶接構造物を製作することが可能となる。例えば、溶接長さが20mクラスに及ぶような溶接構造体、より具体的には、車両構造体、特に、高速車両構造体を。溶接欠陥の発生を防止して製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の摩擦溶接装置を示す斜視図である。
【図2】 ツールの断面形状を示す断面図である。
【図3】 高さが相違する2つの被加工物と溶接開先部に挿入されたツールとの関係を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る摩擦溶接装置を示す断面図である。
【図5】 本発明に係る摩擦溶接装置を示す断面図である。
【図6】 本発明の摩擦溶接装置の溶接架台及び荷重検出部を示す断面図である。
【図7】 ツールの溶接線方向荷重とツールの挿入深さとの関係を示す図である。
【図8】 本発明の被加工物とツールとの相対位置関係を示す斜視図である。
【図9】 ツールと被加工物表面との相対位置関係を表示するための表示部を示す説明図であって、(a)ツールと被加工物表面との相対姿勢を被加工物表面の法線及びツール回転軸の関係を表す表示部、(b)被加工物表面の法線から予め定められた後傾角傾いた方向及びツール回転軸の関係を表す表示部、(c)ツールのショルダー部周縁の挿入深さを表す表示部である。
【図10】 本発明に係る摩擦溶接装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ツール、2…加工物、3…溶接開先部、4…ツールの回転駆動装置、5…回転棒の上下方向駆動装置、6…高さ検出器、7a,7b,7c,7d…高さが検出される点、8…信号処理装置、9…ツール上下方向駆動用の制御装置、11…ツールの回転方向、13…溶接線方向、15…移動架台、16…溶接固定台、20…ツールの回転方向の回転軸、21…カップリング、22…カップリング、23…ボックス、24…ツールの上下方向駆動軸。
Claims (6)
- ショルダーが形成された回転ツールの挿入によって被加工物同士を接合する摩擦溶接法において、前記回転ツールの溶接中における溶接進行方向に対する荷重を検出し、該検出された荷重に基づいて算出される前記回転ツールの前記被接合部材への挿入深さを調整しながら前記接合することを特徴とする摩擦溶接法。
- ショルダーが形成された回転ツールと、該ツールを回転させるための回転駆動装置と、前記ツールを回転の軸方向に沿って移動させるための上下駆動装置と、前記ツールと被加工物との少なくとも一方を溶接線方向に対して相対的に移動させる駆動装置と、前記ツールの前記被加工物に対する溶接線進行方向に係る荷重を検出する荷重検出器と、該荷重検出器によって検出された値に基づいて溶接中における前記被加工物への前記ツールの挿入深さを演算し該演算された値に基づいて前記上下駆動装置を制御する制御装置とを具備することを特徴とする摩擦溶接装置。
- 請求項2において、前記ツールと被加工物表面との相対位置関係を検出する検出器と、該検出器によって検出された相対位置関係を制御する制御部と、前記相対位置関係を表示する表示部とを有することを特徴とする摩擦溶接装置。
- 請求項3において、前記制御部は、溶接開始に際して検出された相対位置関係を記憶する記憶部と、溶接過程において検出される相対位置関係と前記記憶されている相対位置関係との差を求める比較部と、前記差に基づいて操作量を指令する司令部とを有することを特徴とする摩擦溶接装置。
- 請求項3又は4において、前記相対位置関係は、前記ツールと被加工物表面との距離と、前記ショルダー部の溶接線方向後方の端部が前記被加工物表面に挿入される深さと、前記ツールの回転軸と被加工物表面の法線とが成す角の溶接線方向における成分と、前記回転軸と被加工物表面の法線とが成す角の溶接線方向に直交する方向における成分の少なくとも1つであることを特徴とする摩擦溶接装置。
- 請求項3〜5のいずれかにおいて、前記検出器は、前記ツールと被加工物表面との距離を検出するレーザ変位計であり、前記ツールの溶接線方向前方に設けられることを特徴とする摩擦溶接装置。
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