JP2002301579A - 摩擦溶接法及びその装置 - Google Patents

摩擦溶接法及びその装置

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JP2002301579A JP2002051857A JP2002051857A JP2002301579A JP 2002301579 A JP2002301579 A JP 2002301579A JP 2002051857 A JP2002051857 A JP 2002051857A JP 2002051857 A JP2002051857 A JP 2002051857A JP 2002301579 A JP2002301579 A JP 2002301579A
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征彦 坂本
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欣也 青田
Masao Funyu
征夫 舟生
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幸一 渡部
Akihiro Sato
章弘 佐藤
Akikuni Esumi
晶邦 江角
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、摩擦溶接に際し溶接部に欠陥
が発生する頻度を低減し、溶接部の信頼性を向上させた
摩擦溶接装置及び溶接構造物を提供するにある。 【解決手段】本発明は、被加工物2の表面2Sまでの距
離を検出器6で検出し、検出された距離の変動を信号処
理装置8により求め、求められた変動を抑制するように
制御装置9により前記上下駆動装置5を制御した状態
で、回転駆動装置4でツール1を回転させて被加工物2
を塑性流動させつつ、溶接線方向13にツール1を移動
させて溶接する摩擦溶接装置及びその装置によって接合
された溶接構造物にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な摩擦溶接装
置及びその溶接構造物に係り、特に、接合部に発生する
空洞や割れ等などの溶接欠陥を防止することに好適な摩
擦溶接装置及びその溶接構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】実質的に加工物の材質よりも硬い材質の
金属棒を被加工物の溶接部に挿入し、この金属棒を回転
させながら移動することによって、前記金属棒と前記加
工物との間で発生する摩擦熱により溶接する摩擦溶接方
法が、例えば、特表平7ー505090号公報(EPO
615480B1)に記載されている。この摩擦溶接方
法は、金属棒と加工物との摩擦熱による塑性流動現象を
利用したものであって、加工物を溶かして溶接する方法
(例えば、アーク溶接など)とは異なる原理に基づいて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討によ
れば、特表平7ー505090号公報に記載される摩擦
溶接方法を実行するためには、前記金属棒と被加工物表
面との相対位置関係が重要となる。塑性流動状態の金属
が、溶接部から、被加工物の表面に溢れ出ることを防止
することが要求される。すなわち、溶接部から金属が流
出することによって溶接部に欠陥が発生する頻度が大き
くなり、溶接部の信頼性を低下させる原因となる。この
ためには、この摩擦溶接方法の実行に際し、回転するツ
ールを被加工物の表面から一定の深さに挿入し、溶接中
もこの深さを維持管理することが要求される。
【0004】ところが、一般には、被加工物の表面に凹
凸があれば、被加工物の送りに伴い被加工物表面の高さ
が変化する。また、溶接に伴い被加工物が加熱されるこ
とにより被加工物表面の高さが変化することもある。こ
のような場合には、ツールと被加工物との相対距離が変
動し、ツールのショルダー部が被加工物表面から挿入さ
れる挿入深さも変動してしまう。
【0005】また、被加工物の表面が平坦でなかった
り、2つの被加工物の高さが相異なる場合には、ツール
と被加工物表面との相対姿勢が変動することもある。
【0006】本発明の目的は、ツールと被加工物との相
対位置関係を管理することに好適な摩擦溶接装置及びそ
の溶接構造物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ショルダー部
が形成されたツールと、前記ツールを回転させるための
ツール回転機構と、前記ツールが回転される回転軸の姿
勢、及び、前記回転軸に沿う方向におけるツールの位置
のうち少なくとも一方を変更可能に、前記ツール回転機
構を固定支持するための支持機構とを有することを特徴
とする摩擦溶接装置にある。
【0008】又、本発明は、ショルダー部が形成された
ツールと、前記ツールを回転させて被加工物を摩擦する
ためのツール回転機構と、前記ツール及び被加工面表面
の相対位置関係を変更可能に、前記ツール回転機構及び
被加工物を固定支持するための支持機構とを有すること
を特徴とする摩擦溶接装置にある。
【0009】更に、本発明は、ショルダー部が形成され
たツールと、前記ツールを回転させて被加工物を摩擦す
るためのツール回転機構と、前記ツール及び被加工物表
面の相対位置関係を変更可能に、前記ツール回転機構及
び被加工物を支持するための支持機構と、前記ツール及
び被加工物表面の相対位置関係を検出するための検出部
と、前記検出部によって検出された相対位置関係が予め
定められた相対位置関係に近づくように、前記支持機構
を制御するための制御部とを備えることを特徴とする摩
擦溶接装置にある。
【0010】又、本発明は、ショルダー部が形成された
ツールと、前記ツールを回転させて被加工物を摩擦する
ためのツール回転機構と、前記ツール及び被加工物表面
の相対位置関係を変更可能に、前記ツール回転機構及び
被加工物を支持するための支持機構と、前記ツール及び
被加工物表面の相対位置関係を検出するための検出部
と、前記検出部によって検出された相対位置関係の変動
が小さくなるように、前記支持機構を制御するための制
御部とを備えることを特徴とする摩擦溶接装置にある。
【0011】本発明は、前述の摩擦溶接装置を用いて溶
接加工されたことを特徴とする溶接構造物にある。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は、本実施の形
態における摩擦溶接装置の斜視図である。本実施の形態
では、ツールが被加工物に挿入される深さを制御するこ
とに好適に構成される摩擦溶接装置について説明する。
図1において、本実施の形態における摩擦溶接装置10
0は、被加工物2を摩擦するためのツール1と、ツール
1を回転させるための回転駆動装置4と、ツール1を回
転の軸方向に沿って移動させるための上下駆動装置5
と、被加工物2の表面2Sまでの距離を検出するための
検出器6と、検出された距離の変動を求めるための信号
処理装置8と、求められた変動を抑制するように前記上
下駆動装置5を制御するための制御装置9とを有して構
成される。
【0013】前記ツール1は、被加工物(溶接すべき部
材)の材質より、実質的に硬い材質で形成される。この
ようなツール1の材質としては、代表的には金属を用い
ることができる。なお、硬度に加えて、靱性、耐熱性な
どの要求を満たせば、セラミックス、表面焼き入れ部材
などを用いてもよい。
【0014】前記回転駆動装置4及び上下駆動装置5
は、溶接線方向13に、被加工物2と相対的に移動する
ための移動架台(図示せず)に取り付けられている。前
記検出器6は、溶接線方向13に対してツール1の前方
に、ツール1の端面に対して予め定められた高さで配置
され、ツール1と同一方向に、かつ、ツール1と連動し
て移動する。
【0015】図2は、回転ツールの、回転軸を含む断面
における形状を示すものである。図2において、ツール
1は、基部1aと、基部1aの端面1Sに設けられた先
端部1bとを有する形状に形成される。好ましくは、前
記基部1a及び先端部1bは、軸を共有する回転対象形
状に形成される。より具体的には、前記基部1aは、円
柱形状に形成され、前記先端部1bは、その先端1cに
近づくほど細くなる形状に形成される。基部1a及び先
端部1bは、共通の部材から一体に形成されてもよい
し、別々に形成された基部1aと先端部1bとを組み合
わせて構成されてもよい。
【0016】次に、図1を参照して、本実施の形態の摩
擦溶接装置が、2つの加工物2を相互に突き合わせ溶接
に用いられる場合の動作について説明する。まず、溶接
開始に際し、前記検出器6によって被加工物2の表面2
Sの溶接開始前までの距離(d0)を検出する。そし
て、当該検出された距離(d0)を前記信号処理装置8
において格納する。
【0017】次に、ツール1を溶接開先部3に挿入し、
ツール1を回転させながら、ツール1と被加工物2とを
溶接線方向13に相対移動させ溶接過程を実行する。こ
の状態で、前記検出器6により検出される、溶接過程の
被加工物表面2Sまでの溶接過程の距離(d)は、前記
信号処理装置8に送られる。信号処理装置8において、
前記格納している溶接開始前の距離(d0)と、前記溶
接過程の距離(d)とを比較し、少なくともこれらの大
小関係を前記制御装置9に送る。
【0018】前記制御装置9は、前記大小関係に基づい
て、溶接開始前の距離(d0)と、前記溶接過程の高さ
(d)とが一致するようにツール1を上下方向12に駆
動する指令を前記上下駆動装置5に与える。すなわち、
溶接過程の距離が溶接開始前よりも大きければ、ツール
1を上方に予め定められた距離だけ駆動する指令を与
え、また、溶接過程の高さが溶接開始前よりも小さけれ
ば、ツール1を下方に予め定められた距離だけ駆動する
指令を与える。そして、溶接過程の高さが溶接開始前と
一致するときは、ツール1を固定支持する指令を与え
る。
【0019】前記駆動する指令における予め定められた
距離は、制御が行われる時間間隔、上下駆動装置5の駆
動速度、予想される被加工物2の表面2Sの高さの変化
の速さなどから定められる。この被加工物2の表面2S
の高さの変化の速さは、表面2Sの高さの溶接線方向1
3の変化率と、ツール1及び被加工物2が溶接線方向1
3に相対移動される速度とから求められる。
【0020】このようにして、被加工物2の表面2Sと
検出器6とにおける溶接過程の距離が、溶接開始前の距
離に一致するように制御される。ここで、上述したよう
に、検出器6は、ツール1と連動して移動するから、ツ
ール1が被加工物2に挿入される深さ(表面2Sから端
面までの深さ)を一定に制御することができる。
【0021】ここでは、大小関係に基づいて制御する例
について述べたが、溶接過程と溶接開始前とにおける被
加工物表面2Sまでの距離の差分を求め、当該差分に応
じた距離だけツール1を上下に駆動してもよい。すなわ
ち、前記信号処理装置8において、前記溶接過程の距離
(d)と溶接開始前の距離(d0)との差分(d−d
0)を求め、前記制御装置9において、当該求められた
差分(d−d0)に応じた距離ツール1を下方に駆動す
る指令を前記上下駆動装置5に与える。なお、前記差分
と駆動する指令における距離との関係は、例えば、帰還
制御における収束の速さ、安定性を考慮して定めること
ができる。
【0022】次に、図3を参照して、2つの被加工物相
互に高さが異なる場合、すなわち、検出器から被加工物
表面までの距離が被加工物2相互に異なる場合に好適な
動作について説明する図3において、2つの被加工物2
a,2bは、互いに高さが異なる。このような場合、ツ
ール1の端面1Sが、被加工物2a,2bの表面2a
S,2bSから挿入される深さla,lbが相違する。
従って、高さが高い方の被加工物2aに対して、予め定
められた深さ(例えば、0.1〜0.5mm)にツール
1を挿入したとしても、他方の被加工物2bに対して挿
入される深さは、前記予め定められた深さより小さくな
ってしまう。このため、高さが低い方の被加工物2bの
表面2bSとツール1とが接する部分から、塑性流動状
態にある金属が十分に閉じ込められず、溢れ出てしまう
ことがある。
【0023】本発明を適用した摩擦溶接装置では、この
ような場合には、溶接開始に際し、前記検出器6におい
て、一方の被加工物2aまでの距離(da)と、他方の
被加工物2bまでの距離(db)とをそれぞれを検出す
る。そして、両者のいずれか大きい方の距離を基準にツ
ール1の挿入深さを制御する。
【0024】より具体的には、例えば、前記検出器6に
おいて、溶接開始前の距離(da0,db0)をそれぞ
れ検出し、これらのいずれか大きい方を前記信号処理装
置8に格納する(以下、格納された距離をd0とす
る)。前記信号処理装置8において、溶接過程において
検出器6により検出される2つの被加工物2a,2bま
での距離(da,db)のいずれか大きい方と、格納し
てある溶接開始前の距離(d0)とを比較する。この比
較の結果を用いた制御は、上述した、それぞれの表面の
高さを区別せずに制御する場合と同様にして行うことが
できる。
【0025】また、溶接開始前及び溶接過程における被
加工物表面2aS,2bSまでの距離の差分を求め、当
該差分に応じた距離だけツール1を上下に駆動してもよ
い。この場合には、前記信号処理装置8において、前記
2つの被加工物2a,2bそれぞれの溶接過程の距離
(da,db)のうち大きい方の距離と、溶接開始前の
距離(d0)との差分を求める。そして、求めた差分に
応じてツール1を駆動する指令を前記上下駆動装置5に
与える。なお、前記差分と駆動する指令における距離と
の関係は、例えば、帰還制御における収束の速さ、安定
性を考慮して定めることができることは、上述の場合と
同様である。
【0026】このようにして、2つの被加工物2a,2
b相互に高さが異なる場合であっても、高さが低い方の
表面2bSを基準として、ツール1が被加工物2a,2
bに挿入される深さ(表面2Sから端面までの深さ)を
一定に制御することができる。すなわち、2つの被加工
物2a,2bに挿入される深さうちの小さい方l1を、
溶接開始に際して定められる深さに制御して、溶接を実
行することができる。従って、ツール1の端面1Sか
ら、塑性流動状態にある金属が溢れ出ることを避けるこ
とが可能となる。
【0027】(実施例2)図4は、上述した実施例1に
おける摩擦溶接装置の具体的構成例であって、駆動源と
してモータを、また、検出器としてレーザ変位計を用い
て構成されている。図4において、本実施の形態におけ
る摩擦溶接装置100は、被加工物2を摩擦するための
ツール1と、ツール1を取り付けるための取付部材20
aが設けられた回転軸20と、回転軸20を回転可能に
支持するための回転ベアリング22が設けられたボック
ス23と、回転軸20のエンドプレイを吸収するための
カップリング21と、回転軸20を回転させるための回
転モータ4と、ボックス23を回転軸20の軸方向に沿
って移動するための駆動軸24と、駆動軸24のエンド
プレイを吸収するためのカップリング25と、駆動軸2
4を回転させるための上下駆動モータ5と、被加工物2
の表面2Sまでの距離を検出するための検出器6と、検
出された距離の変動を求めるための信号処理装置8と、
求められた変動を抑制するように前記上下駆動モータ5
を制御するための制御装置9と、前記回転モータ4及び
上下駆動モータ5を支持するための移動架台15と、被
加工物2を固定支持し、かつ、移動架台15を溶接線方
向13に移動可能に支持するための溶接架台16とを有
して構成される。
【0028】前記ツール1は、回転軸20とカップリン
グ21とを介して回転モータ4に連結されている。ま
た、回転軸20は、回転ベアリング22を介してボック
ス内23に収められている。前記ボックス23は、上下
方向に駆動するための駆動軸24にも連結されている。
前記駆動軸24は、カップリング25を通してツール1
を上下方向に駆動するための駆動モータ5に連結されて
いる。
【0029】前記回転モータ4及び上下駆動モータ5
は、移動架台15に取り付けられている。前記移動架台
15は、溶接架台16に取り付けられ、当該溶接架台1
6上を溶接線方向13に移動する。検出器6は、被加工
物表面2Sの高さの変化を検出するためのものである。
検出器6は、溶接線方向13に対してツール1の前方に
取り付けられる。本実施の形態では、検出器6としてレ
ーザ変位計を用い、これをツール1から溶接線方向13
に前方30mmの位置に配置している。
【0030】ここで、溶接直前及び溶接過程における加
工物表面2Sの高さの変化に応じて、ツール1の上下方
向の駆動は次の順序で行われる。
【0031】行程1:ツール1は、被加工物2の表面か
ら予め指定された深さに挿入される。指定の深さが挿入
されたこの時点、つまり、溶接開始直前での検出器6か
ら被加工物表面2Sまでの距離d0を前記検出器6によ
り検出する。この距離d0が健全な溶接ができるツール
1の適性な深さの基準となる。従って、この距離d0を
溶接過程における距離との差を比較する基準信号とす
る。なお、2つの被加工物表面までの距離が相違する場
合には、これらのうち大きい方の距離を表す基準信号を
生成する。
【0032】行程2:次に、溶接過程における被加工物
表面2Sまでの距離dを連続的または周期的に検出す
る。
【0033】行程3:前記行程1で検出した距離の検出
信号d0、及び前記行程2で検出した距離dを表す検出
信号は、信号処理装置8に入力される。そして、信号処
理装置8において、距離d0及びdを比較して、これら
の差分、つまり、被加工物2の高さの、溶接開始直前及
び溶接過程における差を求める。そして、この差分を表
す比較信号を生成する。
【0034】行程4:前記行程3で生成された比較信号
は、制御装置9に入力される。制御装置9は、当該入力
された信号に応じて、ツール1を上下方向に駆動させる
ように、上下駆動モータ5を制御する。
【0035】ここで、前記行程2で検出した距離dが前
記1で検出した距離d0に比べて同じ(距離の差分が
零)場合は、被加工物表面2Sの高さが溶接開始直前と
同じで変化していない現象である。このため、ツール1
を上下方向に駆動する必要がない。従って、上下駆動モ
ータ5は駆動せず、ツール1の位置は一定である。
【0036】一方、前記行程2で検出した距離dが前記
1で検出した距離d0に比べて小さい(距離の差分がマ
イナス)場合は、被加工物表面2Sの高さが溶接開始直
前に比べて高くなっている現象である。このため、ツー
ル1を上下駆動モータ5により前記行程3で求められた
比較した差分の距離(ΔX)だけ上向き方向に上げる必
要がある。
【0037】また、前記行程2で検出した距離dが前記
行程1で検出した距離d0に比べ大きい(距離の差分が
プラス)場合は、被加工物表面2Sの高さが溶接開始直
前に比べて低くなっている現象である。このため、ツー
ル1を上下駆動モータ5により前記行程3で求められた
差分の距離(ΔY)だけ下向き方向に下げる必要があ
る。
【0038】上述のように、被加工物2の表面2Sにお
ける高さの変化の信号に応じて加工物表面2Sからのツ
ール1の挿入深さが溶接過程で常に一定になるように制
御される。従って、溶接長さが20mクラスと長い場合
でも溶接欠陥のない溶接構造物が得られる。このような
溶接構造物としては、例えば、鉄道用の車両構造体が挙
げられる。特に、高速車両においては、車両の長さが長
くなる傾向にあり、これに伴い溶接長さも長くなってい
る。
【0039】(実施例3)図5は、上述した実施例1に
おける摩擦溶接装置の具体的構成例であって、上下方向
の駆動源として油圧駆動装置を、また、検出器として接
触式の差動トランスを用いて構成されている。図5にお
いて、本実施の形態における摩擦溶接装置100は、被
加工物2を摩擦するためのツール1と、ツール1を取り
付けるための取付部材20aが設けられた回転軸20
と、回転軸20を回転可能に支持するための回転ベアリ
ング22が設けられたボックス23と、回転軸20のエ
ンドプレイを吸収するためのカップリング21と、回転
軸20を回転させるための回転モータ4と、ボックス2
3を回転軸20の軸方向に沿って駆動するための油圧駆
動装置31と、前記油圧駆動装置31に対して上下方向
に移動可能に前記ボックス23を支持するための上下方
向のベアリング30と、被加工物2の表面2Sまでの距
離を検出するための検出器6と、検出された距離の変動
を求めるための信号処理装置8と、求められた変動を抑
制するように前記油圧駆動装置31を制御するための制
御装置9と、前記回転モータ4及び油圧駆動装置31を
支持するための移動架台15と、被加工物2を固定支持
し、かつ、移動架台15を溶接線方向13に移動可能に
支持するための溶接架台16とを有して構成される。
【0040】前記ツール1は、回転軸20とカップリン
グ21とを介して回転モータ4に連結されている。前記
回転軸20は、回転ベアリング22を介してボックス2
3に支持されている。前記ボックス23は、上下方向の
ベアリング30を介して油圧駆動装置31に連結されて
いる。さらに、油圧駆動装置31及び回転モータ4は、
溶接線方向13に移動する移動架台15に連結されてい
る。このように構成することによって、ツール1を回転
させながら、かつ、被加工物表面までの距離を一定に制
御した状態で溶接線方向13に移動することができる。
【0041】検出器6は、被加工物表面2Sの高さの変
化を検出するためのものである。検出器6は、溶接進行
方向13に対してツール1の前方に取り付けられる。本
実施の形態では前記検出器6として接触式の差動トラン
スを用い、これをツール1から溶接線方向前方30mm
の位置に配置している。
【0042】ここで、溶接直前及び溶接過程における加
工物表面2Sの高さの変化に応じてなされる、ツール1
の上下方向の駆動は、実施例1と同様である。つまり、
検出器6により、溶接開始直前に検出される、被加工物
表面2Sからの距離d0と、溶接過程において検出され
る、加工物表面2Sからの距離を距離dとについて、2
つの距離d0,dの大小を信号処理装置8により比較
し、この信号を制御装置9に入力して油圧駆動装置31
を駆動制御する。なお、予め指定された信号10を前記
信号処理装置8に予め入力し、この信号10と前記溶接
過程における高さ(前記距離d)を示す信号とを比較す
ることによってツール1を上下に駆動制御してもよい。
【0043】なお、突き合わせ溶接する2つの加工物2
の表面高さがほぼ同じ場合は、特に問題ないが、高さが
異なる場合は、両者のいずれか低い方の表面高さを基準
にツール1の挿入深さを制御する。このような摩擦溶接
装置100によって、加工物2の表面高さの変化に応じ
て加工物表面からのツール1の挿入深さが溶接過程で常
に一定になるように制御される。従って、溶接長さが2
0mクラスの長い場合でも溶接欠陥のない溶接構造物が
得られる。
【0044】(実施例4)図6及び図7は、ツールの溶
接線方向荷重を用いて、ツールの挿入深さを検出する点
において、上述した実施例1〜3と相違する。他の基本
的な構成は実施例1〜3と同様であるので、以下に、相
違点を中心に説明する。まず、図6を参照して、本実施
の形態における溶接架台及び荷重検出部について説明す
る。図6において、本実施の形態における溶接架台16
は、被加工物2を係止するための係止突起16bが、溶
接線方向について設けられる。前記係止突起16bに
は、荷重検出部40が設けられている。前記荷重検出部
40で検出された荷重は、変換部42を介して信号処理
装置8(図1参照)に送られる。
【0045】前記荷重検出部40は、被加工物2に、溶
接線方向に働く荷重を検出するためのものである。荷重
検出部40は、例えば、圧力センサを用いて構成するこ
とができる。前記変換部42は、前記荷重検出部40で
検出された溶接線方向の荷重を、ツール挿入深さに変換
するためのものである。変換部42は、例えば、演算回
路、または、マッピングテーブルを備えたマッパー回路
を用いて構成することができる。
【0046】次に、図7を参照して、ツールの溶接線方
向荷重と、ツールの挿入深さとの関係について説明す
る。図7において、横軸は、ツールのショルダー部の端
面が、被加工物表面から挿入される挿入深さ(l)mm
をとり、縦軸は、ツールが溶接線方向に受ける荷重
(P)kgをとっている。ツールが溶接線方向に受ける
荷重は、ツールの送り(ツールと被加工物との溶接線方
向の相対移動)に伴って、ツールに働く反力に相当す
る。図7に示されるように、ツールが溶接線方向に受け
る荷重(反力P)は、被加工物へのツールの挿入深さ
(l)とほぼ比例して増加する。
【0047】従って、ツールの溶接線方向荷重(P)を
検出して、この検出信号を基にツールの上下制御、つま
り、溶接部材中への挿入深さを制御することができる。
前記ツールの溶接線方向荷重(P)は、被加工物を固定
する際に、溶接線方向(溶接が進行方向)に、荷重検出
部を介して被加工物を係止し、荷重検出部からの出力を
用いて検出する。
【0048】変換部42は、荷重(P)を挿入深さ
(l)に変換するための演算を行う演算回路、または、
想定される荷重について、荷重(P)に対応する挿入深
さ(l)をマッピングしたマッピングテーブルを備える
マッパー回路を用いて構成することができる。荷重検出
部で検出された荷重(P)から求められた挿入深さ
(l)を、信号処理装置8(図1参照)に送り、溶接過
程における挿入深さとして与えることによって、溶接過
程における挿入深さの制御を行うことができる。制御の
詳細については、実施例1〜3と同様にして行うことが
できるので、ここで重ねて説明することは省略する。
【0049】一方、実施例3において述べたように、な
お、予め指定された信号10(図5参照)を前記信号処
理装置8(図5参照)に予め入力する場合にあっては、
予め指定された信号として、予め定められた荷重(P
0)を示す信号を溶接開始前に予め入力しておき、溶接
過程において、荷重検出部で検出された荷重(P)を示
す信号を信号処理装置8(図5参照)に入力してもよ
い。これにより、溶接過程における、ツールに加わる溶
接線方向荷重Pが、予め定められた荷重(P0)となる
ように制御することができる。従って、溶接過程におい
て、ツールの挿入深さlが予め定めた深さとなるように
制御することができる。このような制御を行う場合に
は、前記変換部を省略し、構成を簡略化することができ
る。例えば、挿入深さ(l)を0.1〜0.5mmとす
べき場合には、荷重検出部で検出される荷重(P)が、
130〜260kgとなるように、ツールを上下に駆動
制御すればよい。
【0050】(実施例5)図8は、本発明のツールの端
面が被加工物に挿入される深さ、及び、ツールが回転さ
れる回転軸と加工物表面との相対姿勢の制御することに
好適に構成される摩擦溶接装置について説明する斜視図
である。図8において、2つの被加工物2a,2bが突
き合わせられた溶接開先部3に、回転軸aの廻りに回転
するツール1が挿入されている。はじめに、2つの被加
工物2a,2bの表面2aS,2bSが、共に平坦で、
かつ、それらの高さが相等しい場合について説明する。
この場合は、表面2aS,2bSを共に含む平面(以
下、平面Sという)に、ツール1が挿入されることにな
る。この場合には、ツール1と、被加工物2a,2bと
の相対姿勢の制御は、平面Sの法線nと、回転軸aとが
一致するように行えばよい。例えば、ツール1の回転軸
aと平面Sにおける溶接開先部3との交点の廻りに、回
転軸aの傾きを変更し、法線nと、回転軸aとが一致す
る状態で、ツール1の姿勢を固定支持することができ
る。
【0051】また、ツール1の端面が被加工物2a,2
bに挿入される深さ(挿入深さ)の制御は、ツール1の
端面の周縁fが、平面Sから予め定められた深さだけ挿
入されるように、行えばよい。なお、この場合には、ツ
ール1の端面は、平面Sと平行であることから、周縁f
の任意の点における平面Sまでの距離(深さ)を基準に
して制御を行うことができる。
【0052】ここで、溶接線方向13及び法線nを含む
面内において、法線nに対して溶接線方向13後方に予
め定められた角θ0(以下、後傾角という)だけ、回転
軸aを傾けてもよい。このように後傾角を設けた状態で
ツール1を支持することによって、塑性流動状態の金属
が溢れ出ることを避ける効果をより向上することができ
る。この後傾角θ0は、例えば、3〜10度とすること
ができる。
【0053】このように、後傾角を設けてツール1を支
持するためには、例えば、ツール1の回転軸aと加工物
表面2aS,2bSの法線nとが成す角の、溶接線方向
13を含む面における第1の成分θと、前記回転軸aと
法線nとが成す角の、溶接線方向13に直交する面にお
ける第2の成分φとを検出する。そして、第1の成分θ
が後傾角θ0に近づくように、また、第2の成分φが小
さく(零に近づく)ように、ツール1と、被加工物2
a,2bとの相対姿勢を制御すればよい。なお、この場
合には、ツール1の端面は、平面Sに対して傾いてい
る。ことのため、挿入深さの基準は、例えば、周縁fに
おける溶接線方向13後端での、平面Sまでの距離(深
さ)を基準にして制御を行う。
【0054】次に、2つの被加工物2a,2bの表面2
aS,2bSに凹凸がある場合、または、それらの高さ
が相異なる場合について説明する。この場合は、ツール
1が挿入される部位、または、これに加えて、その周辺
近傍を含む部位における平均的な平面(以下、平面S’
という)を考え、その法線をnと見なす。このような平
面S’は、例えば、ツール1の周辺の複数の点におい
て、被加工物表面2aS,2bSの高さを検出し、これ
らの点をフィットする平面として求めることができる。
より具体的には、ツール1の溶接線方向13の前方と後
方とで、被加工物2a,2bのそれぞれの高さを検出す
る。
【0055】4点で検出を行う例としては、ツール1の
溶接線方向13前方において、被加工物2a,2b上の
点7a,7bの高さを、ツール1の溶接線方向13後方
において、被加工物2a,2b上の点7c,7dの高さ
を検出することができる。このとき、点7c,7dにつ
いては、溶接開先部3からツール1の半径rよりも離れ
た部位とすることが好ましい。これにより、ツール1の
溶接線方向13後方では、ツール1の加工痕を避けて検
出を行うことができる。従って、加工痕上での検出に伴
う誤差要因を排除することができる。
【0056】なお、点7a,7bについては、溶接開先
部3からツール1の半径rよりも近い部位とすることが
好ましい。これは、実際に加工が行われる部位の面の状
態を検出することができるからである。例えば、ツール
1の半径がφ15mmである場合には、点7a,7b
は、ツール1から溶接線方向13に30mm前方であっ
て溶接開先部3から8mm離れた部位とし、点7c,7
dは、ツール1から溶接線方向13に30mm後方であ
って溶接開先部3から20mm離れた部位とすることが
できる。このようにして検出された各点の高さからフィ
ッティングして平面S’を求めることができる。
【0057】なお、点7a,7bで検出された高さの平
均と7c,7dで検出された高さの平均との差分から、
回転軸aと法線nとのθ方向の偏差を求め、点7a,7
cで検出された高さの平均と7b,7dで検出された高
さの平均との差分から、回転軸aと法線nとのφ方向の
偏差を求めてもよい。
【0058】ツール1と被加工物2a,2bとの相対姿
勢の制御は、上述の場合と同様に、法線nと回転軸aが
一致するように、または、法線nに対して予め定められ
た後傾角θ0となる相対姿勢となるように行えばよい。
一方、ツール1の端面が被加工物2a,2bに挿入され
る深さ(挿入深さ)の制御は、ツール1の端面の周縁f
が、前記求めた平面S’から挿入される深さが予め定め
られた値となるように行えばよい。この深さについて予
め定められる値は、例えば、0.1〜0.5mmと定め
ることができる。
【0059】また、ツール1の溶接線方向13前方にお
いて、被加工物表面2aS,2bSのプロファイルが計
測される場合には、ツール1の端面の周縁fが、被加工
物表面2aS,2bSから挿入される深さの最小値を基
準として挿入深さの制御を行うことが好ましい。これに
より、被加工物表面2aS,2bSのプロファイルに凹
凸がある場合であっても、被加工物もっとも低い部分に
合わせて挿入深さを制御することができる。このとき、
ツール1が後傾角θ0を設けて支持される場合には、前
記周縁fにおける溶接線方向13後方の半弧における最
小値を基準とすればよい。
【0060】図9は、本発明のツールと被加工物表面と
の相対位置関係を表示するための表示部について説明す
る図である。まず、図9の(a)を参照して、ツールと
被加工物表面との相対姿勢を表示するため表示部につい
て説明する。この表示部では、ツールと被加工物表面と
の相対姿勢を、被加工物表面の法線及びツール回転軸の
関係で表している。図9の(a)において、表示部80
は、被加工物表面の法線及びツールの回転軸の相対偏差
を示すための指標81と、被加工物表面の法線及びツー
ルの回転軸との成す角における溶接線方向を含む面内の
成分θを示す目盛り83と、溶接線方向に垂直な方向を
含む面内の成分φを示す目盛り82とを有している。こ
れらの目盛りは、図9の(a)に示すように、被加工物
表面の法線及びツールの回転軸が一致する状態を基準と
し、これを表示部の中央に設定することができる。図示
される状態は、指標81が原点(θ軸目盛り83とφ軸
82との交点)に位置し、被加工物表面の法線及びツー
ルの回転軸が一致する状態であることが表示されてい
る。表示されるθ、φは、上述のようにして求められ
た、平均的な平面S’の法線n(図8参照)と、ツール
の回転軸a(図8参照)とから求めることができる。
【0061】次に、図9の(b)を参照して、被加工物
表面に対して予め定められた、ツールの回転軸を管理す
べき方向と、回転軸の実際の方向との関係を表すための
表示部について説明する。これは、上述した、ツールの
回転軸を予め定められた後傾角θ0だけ後傾すべき場合
に好適な表示部である。図9の(b)において、表示部
80は、被加工物表面の法線及びツールの回転軸の相対
偏差を示すための指標81と、被加工物表面の法線及び
ツールの回転軸との成す角における溶接線方向を含む面
内の成分θを示す目盛り83と、溶接線方向に垂直な方
向を含む面内の成分φを示す目盛り82'とを有してい
る。これらの目盛りは、図9の(a)に示した例と、θ
軸目盛り83が予め定められた後傾角θ0だけオフセッ
トされていること、φ軸目盛り82'が球体の子午線状
に湾曲していることにおいて相違する。すなわち、予め
定められた後傾角θ0だけ相対変位した相対姿勢に、被
加工物表面の法線及びツールの回転軸が一致する状態を
基準とし、これを表示部の中央に設定することができ
る。
【0062】次に、図9の(c)を参照して、ツールの
ショルダー部の周縁の挿入深さを表す表示部について説
明する。図9の(c)において、表示部90は、挿入深
さを示すための目盛り92と、ツールのショルダー部が
挿入されている深さを示すための指標91とを有してい
る。上述のような表示部を用いて、ツールと被加工物表
面との相対位置関係を表示することによって、ツールと
被加工物表面との相対位置関係を認識しやすく表示する
ことができる。
【0063】従って、ツールのショルダー部が被加工物
表面に挿入される挿入深さ、すなわち、ツールを支持、
または、これに加えて回転駆動するためのツール回転機
構と、被加工物との相対距離の操作の基準を認知するこ
と、前記ツール回転機構と被加工物との相対姿勢の操作
の基準を認知することが、容易かつ確実となる。従っ
て、これらの相対位置関係を管理して、変動を抑え、か
つ、予め定められた相対位置関係とすることが可能とな
る。特に、相対位置関係の成分となる、相対距離、相対
姿勢のうちの溶接線方向面内の成分、これに直交する成
分のそれぞれを、どのように操作すればよいかを分かり
やすく表示することができる。
【0064】(実施例6)図10は、本発明のツールと
被加工物との相対姿勢を操作することに好適な摩擦溶接
装置の断面図である。本図では、駆動機構の一部、検出
部は、省略して描かれているがこれは、上述した実施例
2、3と同様に構成することができる。この摩擦溶接装
置は、ツール1の回転軸が揺動可能に支持されているこ
とにおいて、これらの実施の形態と相違する。以下に、
相違点を中心に説明する。図10において、摩擦溶接装
置は、本実施の形態における摩擦溶接装置は、被加工物
2を摩擦するためのツール1と、ツール1を取り付ける
ための取付部材20aが設けられた回転軸20と、回転
軸20を回転可能に支持するための回転ベアリング22
が設けられたボックス23と、回転軸20を回転させる
ための回転モータ4と、上下方向に移動可能に前記ボッ
クス23を支持するための上下方向のベアリング30
と、ベアリング30を支持するための支持枠18と、支
持枠18を摺動可能に湾曲レール湾曲レール19a,b
に支持するためのベアリング19cと、被加工物2を固
定支持し、かつ、移動架台15を溶接線方向13に移動
可能に支持するための溶接架台16とを有して構成され
る。
【0065】本摩擦溶接装置は、支持枠18が、湾曲レ
ール19a,bにガイドされる状態で、ベアリング19
cに支持されるため、ツール1の回転軸を揺動させるこ
とができる。このとき、湾曲レール19a,bの曲率中
心をツール1のショルダー部と一致させることにより、
溶接過程においても、ツール1の揺動をより円滑に行う
ことができる。本実施の形態によれば、ツールと被加工
物の相対位置関係を管理することが容易に、かつ、適切
に行うことが可能となる。
【0066】従って、被加工物の凹凸、2つの被加工物
相互の段差が生じている場合であっても、これらの状態
に応じて、ツールと被加工部材との、相対姿勢及び挿入
深さを制御することが可能となる。よって、ツールのシ
ョルダー部から、塑性流動状態の金属が溢れ出ることを
抑制することができる。このため、溶接構造体の溶接部
における欠陥の発生を抑止し、信頼性を向上させること
ができる。また、直線状の溶接のみならず、溶接部の表
面が湾曲、傾斜する状態であっても、信頼性の高い溶接
を行うことができる。
【0067】例えば、鉄道車両の車両構造体の製作に前
述した実施例1〜6の形態を適用することにより、溶接
長さが長くなっても、より具体的には、例えば、20m
クラスの溶接長さであっても、溶接欠陥の発生を防止
し、信頼性を向上させることことができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、溶接過程における、被
加工物表面に対するツールの挿入深さが常に一定となる
ように、また、被加工物表面に対するツールの挿入角が
常に一定となるように制御することが可能となる。この
ため、溶接長さが長い溶接構造物であっても、溶接欠陥
の発生を防止し、信頼性の高い溶接構造物を製作するこ
とが可能となる。例えば、溶接長さが20mクラスに及
ぶような溶接構造体、より具体的には、車両構造体、特
に、高速車両構造体を。溶接欠陥の発生を防止して製作
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の摩擦溶接装置を示す斜視図である。
【図2】 ツールの断面形状を示す断面図である。
【図3】 高さが相違する2つの被加工物と溶接開先部
に挿入されたツールとの関係を示す断面図である。
【図4】 本発明の摩擦溶接装置を示す断面図である。
【図5】 本発明の摩擦溶接装置を示す断面図である。
【図6】 本発明の溶接架台及び荷重検出部を示す断面
図である。
【図7】 ツールの溶接線方向荷重とツールの挿入深さ
との関係を示す図である。
【図8】 本発明の被加工物とツールとの相対位置関係
を示す斜視図である。
【図9】 ツールと被加工物表面との相対位置関係を表
示するための表示部を示す説明図であって、(a)ツー
ルと被加工物表面との相対姿勢を被加工物表面の法線及
びツール回転軸の関係を表す表示部、(b)被加工物表
面の法線から予め定められた後傾角傾いた方向及びツー
ル回転軸の関係を表す表示部、(c)ツールのショルダ
ー部周縁の挿入深さを表す表示部である。
【図10】 本発明の摩擦溶接装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…ツール、2…加工物、3…溶接開先部、4…ツール
の回転駆動装置、5…回転棒の上下方向駆動装置、6…
高さ検出器、7a,7b,7c,7d…高さが検出され
る点、8…信号処理装置、9…ツール上下方向駆動用の
制御装置、11…ツールの回転方向、13…溶接線方
向、15…移動架台、16…溶接固定台、20…ツール
の回転方向の回転軸、21…カップリング、22…カッ
プリング、23…ボックス、24…ツールの上下方向駆
動軸。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月27日(2002.3.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 摩擦溶接法及びその
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項1】ショルダーが形成された回転ツールの挿入
によって被加工物同士を接合する摩擦溶接法において、
前記回転ツールの溶接中における溶接進行方向に対する
荷重を検出し、該検出された荷重に基づいて算出される
前記回転ツールの前記被接合部材への挿入深さを調整し
ながら前記接合することを特徴とする摩擦溶接法。
請求項2】ショルダーが形成された回転ツールと、該
ツールを回転させるための回転駆動装置と、前記ツール
を回転の軸方向に沿って移動させるための上下駆動装置
と、前記ツールと被加工物との少なくとも一方を溶接線
方向に対して相対的に移動させる駆動装置と、前記ツー
ルの前記被加工物に対する溶接線進行方向に係る荷重を
検出する荷重検出器と、該荷重検出器によって検出され
た値に基づいて溶接中における前記被加工物への前記ツ
ールの挿入深さを演算し該演算された値に基づいて前記
上下駆動装置を制御する制御装置とを具備することを特
徴とする摩擦溶接装置。
請求項3】請求項2において、前記ツールと被加工物
表面との相対位置関係を検出する検出器と、該検出器に
よって検出された相対位置関係を制御する制御部と、前
記相対位置関係を表示する表示部とを有することを特徴
とする摩擦溶接装置。
請求項4】請求項3において、前記制御部は、溶接開
始に際して検出された相対位置関係を記憶する記憶部
と、溶接過程において検出される相対位置関係と前記記
憶されている相対位置関係との差を求める比較部と、前
記差に基づいて操作量を指令する司令部とを有すること
を特徴とする摩擦溶接装置。
請求項5】請求項3又は4において、前記相対位置関
係は、前記ツールと被加工物表面との距離と、前記ショ
ルダー部の溶接線方向後方の端部が前記被加工物表面に
挿入される深さと、前記ツールの回転軸と被加工物表面
の法線とが成す角の溶接線方向における成分と、前記回
転軸と被加工物表面の法線とが成す角の溶接線方向に直
交する方向における成分の少なくとも1つであることを
特徴とする摩擦溶接装置。
請求項6】請求項3〜5のいずれかにおいて、前記検
出器は、前記ツールと被加工物表面との距離を検出する
レーザ変位計であり、前記ツールの溶接線方向前方に設
けられることを特徴とする摩擦溶接装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な摩擦溶接
及びその置に係り、特に、接合部に発生する空洞や割
れなどの溶接欠陥を防止することに好適な摩擦溶接法及
びその置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明の目的は、ツールと被加工物との相
対位置関係を管理し、被加工物表面に対するツールの挿
入深さが常に一定となるように制御することにより、溶
接長さが長い溶接構造物であっても、溶接欠陥の発生を
防止し、信頼性の高い溶接構造物を製作するすることの
できる摩擦溶接法及びその置を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ショルダーが
形成された回転ツールの挿入によって被加工物同士を接
合する摩擦溶接法において、前記回転ツールの溶接中に
おける溶接進行方向に対する荷重を検出し、該検出され
た荷重に基づいて算出される前記回転ツールの前記被接
合部材への挿入深さを調整しながら前記接合することを
特徴とする。又、本発明は、ショルダーが形成された回
転ツールと、該ツールを回転させるための回転駆動装置
と、前記ツールを回転の軸方向に沿って移動させるため
の上下駆動装置と、前記ツールと被加工物との少なくと
も一方を溶接線方向に対して相対的に移動させる駆動装
置と、前記ツールの溶接中における溶接線進行方向に係
る荷重を検出する荷重検出器と、該荷重検出器によって
検出された値に基づいて溶接中における前記被加工物へ
の前記ツールの挿入深さを演算し該演算された値に基づ
いて前記上下駆動装置を制御する制御装置とを具備する
ことを特徴とする摩擦溶接装置にある。又、本発明は
記ツールが回転される回転軸の姿勢、及び、前記回転
軸に沿う方向におけるツールの位置のうち少なくとも一
方を変更可能に、前記ツール回転機構を固定支持するた
めの支持機構とを有することが好ましい
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】又、本発明は、前記ツール及び被加工面表
面の相対位置関係を変更可能に、前記ツール回転機構及
び被加工物を固定支持するための前記支持機構を有する
ことが好ましい
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】更に、本発明は、前記ツール及び被加工物
表面の相対位置関係を検出するための検出部と、前記検
出部によって検出された相対位置関係が予め定められた
相対位置関係に近づくように、前記支持機構を制御する
ための制御部とを備えることが好ましい
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】又、本発明は、前記検出部によって検出さ
れた相対位置関係の変動が小さくなるように、前記支持
機構を制御するための制御部とを備えることが好まし
前記相対位置関係は、前記ツールと被加工物表面と
の距離と、前記ショルダー部の溶接線方向後方の端部が
前記被加工物表面に挿入される深さと、前記ツールの回
転軸と被加工物表面の法線とが成す角の溶接線方向にお
ける成分と、前記回転軸と被加工物表面の法線とが成す
角の溶接線方向に直交する方向における成分の少なくと
も1つであることが好ましい。前記ツールと被加工物表
面との距離を検出するレーザ変位計であり、前記ツール
の溶接線方向前方に設けられることが好ましい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明は、前述の摩擦溶接法又はその装置
を用いて溶接加工されたことを特徴とする溶接構造物に
ある。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】1は、本実施の形態における摩
擦溶接装置の斜視図である。本実施の形態では、ツール
が被加工物に挿入される深さを制御することに好適に構
成される摩擦溶接装置について説明する。図1におい
て、本実施の形態における摩擦溶接装置100は、被加
工物2を摩擦するためのツール1と、ツール1を回転さ
せるための回転駆動装置4と、ツール1を回転の軸方向
に沿って移動させるための上下駆動装置5と、被加工物
2の表面2Sまでの距離を検出するための検出器6と、
検出された距離の変動を求めるための信号処理装置8
と、求められた変動を抑制するように前記上下駆動装置
5を制御するための制御装置9とを有して構成される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】4は、上述した図1における摩擦溶接装
置の具体的構成例であって、駆動源としてモータを、ま
た、検出器としてレーザ変位計を用いて構成されてい
る。図4において、本実施の形態における摩擦溶接装置
100は、被加工物2を摩擦するためのツール1と、ツ
ール1を取り付けるための取付部材20aが設けられた
回転軸20と、回転軸20を回転可能に支持するための
回転ベアリング22が設けられたボックス23と、回転
軸20のエンドプレイを吸収するためのカップリング2
1と、回転軸20を回転させるための回転モータ4と、
ボックス23を回転軸20の軸方向に沿って移動するた
めの駆動軸24と、駆動軸24のエンドプレイを吸収す
るためのカップリング25と、駆動軸24を回転させる
ための上下駆動モータ5と、被加工物2の表面2Sまで
の距離を検出するための検出器6と、検出された距離の
変動を求めるための信号処理装置8と、求められた変動
を抑制するように前記上下駆動モータ5を制御するため
の制御装置9と、前記回転モータ4及び上下駆動モータ
5を支持するための移動架台15と、被加工物2を固定
支持し、かつ、移動架台15を溶接線方向13に移動可
能に支持するための溶接架台16とを有して構成され
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】5は、上述した図1における摩擦溶接装
置の具体的構成例であって、上下方向の駆動源として油
圧駆動装置を、また、検出器として接触式の差動トラン
スを用いて構成されている。図5において、本実施の形
態における摩擦溶接装置100は、被加工物2を摩擦す
るためのツール1と、ツール1を取り付けるための取付
部材20aが設けられた回転軸20と、回転軸20を回
転可能に支持するための回転ベアリング22が設けられ
たボックス23と、回転軸20のエンドプレイを吸収す
るためのカップリング21と、回転軸20を回転させる
ための回転モータ4と、ボックス23を回転軸20の軸
方向に沿って駆動するための油圧駆動装置31と、前記
油圧駆動装置31に対して上下方向に移動可能に前記ボ
ックス23を支持するための上下方向のベアリング30
と、被加工物2の表面2Sまでの距離を検出するための
検出器6と、検出された距離の変動を求めるための信号
処理装置8と、求められた変動を抑制するように前記油
圧駆動装置31を制御するための制御装置9と、前記回
転モータ4及び油圧駆動装置31を支持するための移動
架台15と、被加工物2を固定支持し、かつ、移動架台
15を溶接線方向13に移動可能に支持するための溶接
架台16とを有して構成される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】6及び図7は、ツールの溶接線方向荷重
を用いて、ツールの挿入深さを検出する点において、上
述した摩擦溶接装置と相違する。他の基本的な構成は
1、4及び5と同様であるので、以下に、相違点を中心
に説明する。まず、図6を参照して、本実施の形態にお
ける溶接架台及び荷重検出部について説明する。図6に
おいて、本実施の形態における溶接架台16は、被加工
物2を係止するための係止突起16bが、溶接線方向に
ついて設けられる。前記係止突起16bには、荷重検出
部40が設けられている。前記荷重検出部40で検出さ
れた荷重は、変換部42を介して信号処理装置8(図1
参照)に送られる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】変換部42は、荷重(P)を挿入深さ
(l)に変換するための演算を行う演算回路、または、
想定される荷重について、荷重(P)に対応する挿入深
さ(l)をマッピングしたマッピングテーブルを備える
マッパー回路を用いて構成することができる。荷重検出
部で検出された荷重(P)から求められた挿入深さ
(l)を、信号処理装置8(図1参照)に送り、溶接過
程における挿入深さとして与えることによって、溶接過
程における挿入深さの制御を行うことができる。制御の
詳細については、図1、4及び5と同様にして行うこと
ができるので、ここで重ねて説明することは省略する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】一方、図5において述べたように、なお、
予め指定された信号10(図5参照)を前記信号処理装
置8(図5参照)に予め入力する場合にあっては、予め
指定された信号として、予め定められた荷重(P0)を
示す信号を溶接開始前に予め入力しておき、溶接過程に
おいて、荷重検出部で検出された荷重(P)を示す信号
を信号処理装置8(図5参照)に入力してもよい。これ
により、溶接過程における、ツールに加わる溶接線方向
荷重Pが、予め定められた荷重(P0)となるように制
御することができる。従って、溶接過程において、ツー
ルの挿入深さlが予め定めた深さとなるように制御する
ことができる。このような制御を行う場合には、前記変
換部を省略し、構成を簡略化することができる。例え
ば、挿入深さ(l)を0.1〜0.5mmとすべき場合
には、荷重検出部で検出される荷重(P)が、130〜
260kgとなるように、ツールを上下に駆動制御すれ
ばよい。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】8は、本発明のツールの端面が被加工物
に挿入される深さ、及び、ツールが回転される回転軸と
加工物表面との相対姿勢の制御することに好適に構成さ
れる摩擦溶接装置について説明する斜視図である。図8
において、2つの被加工物2a,2bが突き合わせられ
た溶接開先部3に、回転軸aの廻りに回転するツール1
が挿入されている。はじめに、2つの被加工物2a,2
bの表面2aS,2bSが、共に平坦で、かつ、それら
の高さが相等しい場合について説明する。この場合は、
表面2aS,2bSを共に含む平面(以下、平面Sとい
う)に、ツール1が挿入されることになる。この場合に
は、ツール1と、被加工物2a,2bとの相対姿勢の制
御は、平面Sの法線nと、回転軸aとが一致するように
行えばよい。例えば、ツール1の回転軸aと平面Sにお
ける溶接開先部3との交点の廻りに、回転軸aの傾きを
変更し、法線nと、回転軸aとが一致する状態で、ツー
ル1の姿勢を固定支持することができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】10は、本発明のツールと被加工物との
相対姿勢を操作することに好適な摩擦溶接装置の断面図
である。本図では、駆動機構の一部、検出部は、省略し
て描かれているがこれは、上述した図4、5と同様に構
成することができる。この摩擦溶接装置は、ツール1の
回転軸が揺動可能に支持されていることにおいて、これ
らの実施の形態と相違する。以下に、相違点を中心に説
明する。図10において、摩擦溶接装置は、本実施の形
態における摩擦溶接装置は、被加工物2を摩擦するため
のツール1と、ツール1を取り付けるための取付部材2
0aが設けられた回転軸20と、回転軸20を回転可能
に支持するための回転ベアリング22が設けられたボッ
クス23と、回転軸20を回転させるための回転モータ
4と、上下方向に移動可能に前記ボックス23を支持す
るための上下方向のベアリング30と、ベアリング30
を支持するための支持枠18と、支持枠18を摺動可能
に湾曲レール19a,bに支持するためのベアリング1
9cと、被加工物2を固定支持し、かつ、移動架台15
を溶接線方向13に移動可能に支持するための溶接架台
16とを有して構成される。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】例えば、鉄道車両の車両構造体の製作に前
述した摩擦溶接装置を適用することにより、溶接長さが
長くなっても、より具体的には、例えば、20mクラス
の溶接長さであっても、溶接欠陥の発生を防止し、信頼
性を向上させることができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の摩擦溶接装置を示す斜視図である。
【図2】 ツールの断面形状を示す断面図である。
【図3】 高さが相違する2つの被加工物と溶接開先部
に挿入されたツールとの関係を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る摩擦溶接装置を示す断面図であ
る。
【図5】 本発明に係る摩擦溶接装置を示す断面図であ
る。
【図6】 本発明の摩擦溶接装置の溶接架台及び荷重検
出部を示す断面図である。
【図7】 ツールの溶接線方向荷重とツールの挿入深さ
との関係を示す図である。
【図8】 本発明の被加工物とツールとの相対位置関係
を示す斜視図である。
【図9】 ツールと被加工物表面との相対位置関係を表
示するための表示部を示す説明図であって、(a)ツー
ルと被加工物表面との相対姿勢を被加工物表面の法線及
びツール回転軸の関係を表す表示部、(b)被加工物表
面の法線から予め定められた後傾角傾いた方向及びツー
ル回転軸の関係を表す表示部、(c)ツールのショルダ
ー部周縁の挿入深さを表す表示部である。
【図10】 本発明に係る摩擦溶接装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 1…ツール、2…加工物、3…溶接開先部、4…ツール
の回転駆動装置、5…回転棒の上下方向駆動装置、6…
高さ検出器、7a,7b,7c,7d…高さが検出され
る点、8…信号処理装置、9…ツール上下方向駆動用の
制御装置、11…ツールの回転方向、13…溶接線方
向、15…移動架台、16…溶接固定台、20…ツール
の回転方向の回転軸、21…カップリング、22…カッ
プリング、23…ボックス、24…ツールの上下方向駆
動軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青田 欣也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 舟生 征夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 渡部 幸一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 章弘 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 江角 晶邦 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 石丸 靖男 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 Fターム(参考) 4E067 CA01 CA04 CA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ショルダー部が形成されたツールと、前記
    ツールを回転させるためのツール回転機構と、前記ツー
    ルが回転される回転軸の姿勢及び前記回転軸に沿う方向
    におけるツールの位置のうち少なくとも一方を変更可能
    に前記ツール回転機構を固定支持する支持機構とを有す
    ることを特徴とする摩擦溶接装置。
  2. 【請求項2】ショルダー部が形成されたツールと、前記
    ツールを回転させるツール回転機構と、前記ツールと被
    加工面表面との相対位置関係を変更可能に前記ツール回
    転機構及び被加工物を固定支持する支持機構とを有する
    ことを特徴とする摩擦溶接装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記ツールと被加工物
    表面との相対位置関係を検出する検出器と、前記検出器
    によって検出された相対位置関係を表示する表示部とを
    有することを特徴とする摩擦溶接装置。
  4. 【請求項4】ショルダー部が形成されたツールと、前記
    ツールを回転させるツール回転機構と、前記ツールと被
    加工物表面との相対位置関係を変更可能に前記ツール回
    転機構及び被加工物を支持する支持機構と、前記ツール
    及び被加工物表面の相対位置関係を検出する検出器と、
    前記検出器によって検出された相対位置関係が予め定め
    られた相対位置関係に近づくように前記支持機構を制御
    する制御部とを備えることを特徴とする摩擦溶接装置。
  5. 【請求項5】ショルダー部が形成されたツールと、前記
    ツールを回転させるツール回転機構と、前記ツール及び
    被加工物表面の相対位置関係を変更可能に、前記ツール
    回転機構及び被加工物を支持する支持機構と、前記ツー
    ル及び被加工物表面の相対位置関係を検出する検出器
    と、前記検出器によって検出された相対位置関係の変動
    が小さくなるように前記支持機構を制御するための制御
    部とを備えることを特徴とする摩擦溶接装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記制御部は、溶接開
    始に際して検出された相対位置関係を記憶する記憶部
    と、溶接過程において検出される相対位置関係と前記記
    憶部に記憶されている相対位置関係との差分を求める比
    較部と、前記求められた差分が小さくなるように操作量
    を求め該操作量を前記支持機構に指令する司令部とを有
    することを特徴とする摩擦溶接装置。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれかにおいて、前記相
    対位置関係は、前記ツールのショルダー部の溶接線方向
    後方の端部が被加工物表面に挿入される深さと、前記ツ
    ールの回転軸と加工物表面の法線とが成す角の溶接線方
    向における成分と、前記ツールが回転される回転軸と加
    工物表面の法線とが成す角の、溶接線方向に直交する方
    向における成分との少なくとも1つを検出器によって検
    出することにより調整されることを特徴とする摩擦溶接
    装置。
  8. 【請求項8】請求項3〜6のいずれかにおいて、前記相
    対位置関係は、前記ツールに形成されたショルダー部の
    周縁が、被加工物表面から挿入される深さのうち、前記
    周縁における溶接線方向後方を半周する弧における最小
    値と、前記ツールが回転される回転軸と加工物表面の法
    線とが成す角の、溶接線方向を含む面における成分と、
    前記ツールが回転される回転軸と加工物表面の法線とが
    成す角の、溶接線方向に直交する面における成分とのう
    ち少なくとも1つが、前記変更又は固定支持され、か
    つ、検出されることを特徴とする摩擦溶接装置。
  9. 【請求項9】請求項3〜6のいずれかにおいて、前記検
    出器は、前記ツール回転機構に設けられ、前記ツールと
    被加工物表面との距離を検出するセンサであり、前記ツ
    ールの溶接線方向前方に少なくとも設けられることを特
    徴とする摩擦溶接装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記センサは、レー
    ザ変位計を用いて構成されることを特徴とする摩擦溶接
    装置。
  11. 【請求項11】ショルダー部が形成されたツールと、該
    ツールを回転さるツール回転機構と、前記ツールの移
    動方向に対する荷重を検出する溶接方向荷重検出器とを
    有することを特徴とする摩擦溶接装置。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の摩擦
    溶接装置を用いて溶接加工されたことを特徴とする溶接
    構造物。
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