JP3762901B2 - ヘッドボックス昇降型ブラインド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドボックス昇降型ブラインドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のヘッドボックス昇降型ブラインドとしては、例えば特開平9−217566号公報に示されるものがある。これによれば、窓枠に固定される上枠内に第1モータを設け、第1モータの駆動力によってヘッドボックスを昇降させ、ヘッドボックス内に設けた第2モータによってスラットを回転させるようにしている。また、ヘッドボックスの両端部には、ガイドワイヤが緊張状態で配置されており、ガイドワイヤの一端は上枠に連結され、他端はヘッドボックス、スラット列及びボトムレールの側端部をそれぞれ挿通して、窓枠の下端縁に連結されている。そして、ヘッドボックスが昇降する際には、ヘッドボックス及びスラットがこの緊張したガイドワイヤに案内されて上下方向に移動するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ヘッドボックスの横断面形状が前後でほぼ対称的な形状であり、前後の重量バランスが取れていれば、ヘッドボックスは前後に傾くことなく正しい姿勢でガイドワイヤに案内されて昇降することができるが、ヘッドボックスの横断面形状が対称的でなく、前後の重量バランスが取れていない場合には、ヘッドボックスが前後に傾き、ガイドワイヤではその傾きを防ぐことができない。そのため、ヘッドボックスに下方に突出する光漏れ防止用のリブを形成した場合には、その前後の重量バランスが崩れて、ヘッドボックスが後側に傾いた状態となり、傾いた状態のままで昇降されて、耐久性・意匠性の面で好ましくないという問題がある。
【0004】
ヘッドボックスの前後の重量バランスを取るために、ヘッドボックスのリブが形成された側と反対側の壁面の肉厚を大きくすることも考えられるが、結果的にヘッドボックスの材料量が増えて、製造コストが高くなるという問題がある。また、肉厚の差異だけで重量バランスを取るには限界がある場合もある。
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、ヘッドボックスにリブが形成されている場合であっても、ヘッドボックスが傾斜することなく昇降することができるヘッドボックス昇降型ブラインドを提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、窓枠等に固定された駆動手段によって昇降可能なヘッドボックスと、ヘッドボックスから垂下するラダーテープによって整列状態に支持される複数のスラットと、を有するヘッドボックス昇降型ブラインドにおいて、ヘッドボックスにその正面側または背面側から突出するリブが形成され、リブが形成された側と反対側のヘッドボックス内にウエイト材を保持する保持部が設けられて、ウエイト材がヘッドボックス内で保持部によって保持されることを特徴とする。
【0007】
リブが形成された側と反対側でヘッドボックス内に設けられた保持部にウエイト材を保持させることにより、リブが形成されていても、ヘッドボックスの前後の重量バランスを取ることができる。このため、ヘッドボックスが傾斜することなくスムーズに昇降することができ、耐久性及び意匠性を良好に保持することができる。ウエイト材は、その材料、形状、寸法または個数において大きな自由度を持つために、安価に製造することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、前記保持部が、ヘッドボックス内で他の構成要素の収容される空間と区画された空間であることを特徴とする。これにより、ヘッドボックス内で収容される他の構成要素と干渉することなく、ウエイト材をヘッドボックス内に保持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図において、開口枠である窓枠10にヘッドボックス昇降型ブラインド20が設置されており、窓枠10内をヘッドボックス昇降型ブラインド20のヘッドボックス22が上下方向に昇降可能となっている。
【0011】
詳細には、窓枠10の上端部に固定される上枠12内に、駆動手段であるモータ24が内蔵されており、モータ24の出力軸は、上枠12内に回転可能に軸支される昇降軸26に連結されている。昇降軸26の両端部には、昇降軸26と一体回転する巻取ドラム28、28が連結されており、巻取ドラム28、28には、昇降コード30、30の一端が固着されており、昇降コード30、30は巻取ドラム28、28に巻取り及び巻解き可能となっている。
【0012】
図3に示すように、昇降コード30、30の他端側は、上枠12から垂下されてヘッドボックス22内に導入され、ヘッドボックス22内の両端部に配置されたプーリ34、34に巻き掛けられた後、再びヘッドボックス22から上方に導出され、その他端は上枠12に固定されている。
【0013】
また、上枠12の両端部には、ガイドコード32、32の上端が固着されており、ガイドコード32、32の下端は、ヘッドボックス22内及びスラット44列を挿通して、窓枠10の床面14に固着される。
【0014】
ヘッドボックス22内の両端部に配置されたプーリ34には、ヘッドボックス22内を長手方向に伸びる回転軸38が連結されており、回転軸38の適所には、回転軸38と所定角度範囲で一体回転する回転ドラム40、40、…が連結されており、回転ドラム40には、ラダーテープ42の上端が固着されている。回転ドラム40の回転に併せて、ラダーテープ42が傾動し、ラダーテープ42の前側と後側とが相対的に上下にずれて、ラダーテープ42の前側と後側を連結する複数の梯子段部が傾斜するようになっている。ラダーテープ42の各梯子段部には、スラット44が載置されて、複数のスラット44がラダーテープ42によって整列状態に支持される。ラダーテープ42の下端は、ボトムレール46に連結される。
【0015】
ヘッドボックス22には、図4に示すように、その背面壁22aから連続的に形成され下方に突出するリブ22cが形成されている。このリブ22cは、スラット44が略垂直になるよう回転された遮光状態において、最上スラット44とヘッドボックス22との間の隙間を覆って光漏れ防止を行うためのものであり、最上スラット44とヘッドボックス22との間の隙間を完全に防ぐためには、ある程度の長さで下方に突出していることが望ましく、また、ヘッドボックス22の長手方向全体に亘り形成されていることが望ましい。
【0016】
そして、リブ22cが形成されているためにヘッドボックス22の前後の重量バランスを保つべく、ヘッドボックス22の正面壁22bは、背面壁22aに比較して、若干肉厚に形成されている。この肉厚にすることに加えて、さらにヘッドボックス22の正面壁22bの裏面側には、保持部22dが形成されている。保持部22dは、ヘッドボックス22の正面壁22bの裏面から伸びる横L字状のリブ22eによって形成される。この横L字状のリブによって、保持部22dの空間は、ヘッドボックス22のプーリー34、回転軸38、回転ドラム44等の構成要素が収容される内部空間から区画され、互いに干渉することが防止される。そして、保持部22d内に、ウエイト材50が挿入されて保持される。ヘッドボックス22は、例えばアルミの押出し成型によって形成することができ、リブ22c及び保持部22dもヘッドボックス本体と共に一体に成型することができる。一方のウエイト材50は、例えばスチール等の比較的安価な材料で構成することができ、保持部22dの空間内に嵌合することができる範囲で、任意の形状に形成することができる。また、ウエイト材50の材料、長さを適当に設定することにより、ヘッドボックス22の前後の重量バランスの調整を行うことができる。また、保持部22dがウエイト材50と嵌合する空間を形成しているために、ウエイト材50は保持部22dに挿入するだけでよく(図5)、その組立作業は簡単となっている。
【0017】
窓枠10の床面14からは、畳み込まれたスラット44を保持する複数のスラット保持板48がヘッドボックス昇降型ブラインド20の前側と後側に立設されている。
【0018】
以上のように構成されるヘッドボックス昇降型ブラインド20において、ヘッドボックス22の昇降は、従来と同様に、駆動部であるモータ24を駆動することにより行う。モータ24を駆動して昇降軸26を回転させると、巻取ドラム28、28が回転して、モータ24の回転方向に応じて、昇降コード30を巻取ドラム28から巻解くか、または昇降コード30を巻取ドラム28に巻取る。これにより、昇降コード30の上枠12から導出する部分の長さが変化し、プーリ34を介して昇降コード30に連結されたヘッドボックス22が、ガイドコード32に案内されつつ昇降する。
【0019】
また、昇降コード30の巻解きまたは巻取りに応じてヘッドボックス22内のプーリ34、34がいずれかの方向に回転するので、回転軸38が回転し、回転ドラム40にその回転が所定角度の範囲で伝達される。この回転ドラム40の回転に応じて、ラダーテープ42が傾動し、このラダーテープ42の傾動に応じてスラット44が回転するようになっている。従って、スラット44を所望の角度だけ回転にしたい場合には、ヘッドボックス22が停止した状態から若干、その角度の方向に応じて、モータ24を駆動して、ヘッドボックス22を昇降させることにより、スラットを所望の角度に調整することができる。
【0020】
以上のような動作において、ヘッドボックス22は、ウエイト材50によって、前後の重量バランスがとれているために、傾くことなくスムーズな昇降及び停止を行うことができる。
【0021】
また、スラット44が略垂直になるまで回転した遮光状態になったときには、ヘッドボックス22のリブ22cによって、最上スラット44とヘッドボックス22との間の隙間が覆われるために、光漏れを防止することができる。
【0022】
ヘッドボックス22の保持部22dはヘッドボックス22に一体であり保持部22dを構成する横L字状のリブ22eの長さは短くてすむのでヘッドボックス22の材料費の上昇を抑えることができる。但し、保持部22dは、ヘッドボックス22と一体としたが、これに限るものではなく、ヘッドボックス22と別体の部品であってもよい。また、この実施形態では、ヘッドボックス22の正面壁22bを背面壁22aに比較して若干肉厚としているが、これに限るものではなく、正面壁22bと背面壁22aとを全く同じ肉厚として、保持部22d及びウエイト材50のみによって、前後の重量バランスを取るようにしてもよい(図6)。また、この実施形態では、保持部22dは、正面壁22bの裏面の下部に形成されているが、これに限るものではなく、ヘッドボックス22内の正面側にあり、且つヘッドボックス22内で他の構成要素と干渉しない位置であれば任意の位置に設けることができる。また、ウエイト材50は複数用いることができ、短い長さの複数のウエイト材50を直列に保持部22dに挿入するようにして任意の数のウエイト材50を保持部22dに保持させることもでき、さらには、ウエイト材50の本数を調整することにより、ヘッドボックス22の重量バランスの調整をすることもできる。
【0023】
尚、以上の実施形態において、ヘッドボックス22を昇降させるための昇降手段については一例であり、また、昇降コード30の配回しも一例であり、これに限るものではない。同様に、ガイドコード32の配回しも一例であり、これに限るものではない。また、ヘッドボックスの昇降は、モータを用いた電動式で説明を行ったが、手動式であっても勿論よい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、リブが形成された側と反対側でヘッドボックス内に設けられた保持部でウエイト材を保持させることにより、リブが形成されていても、ヘッドボックスの前後の重量バランスを取ることができ、ヘッドボックスが傾斜することなくスムーズに昇降することができ、耐久性及び意匠性を良好に保持することができる。ウエイト材は、その材料、形状、寸法または個数において大きな自由度を持つために、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッドボックス昇降型ブラインドの実施形態を表す正面図(但し、上枠とヘッドボックスについては内部構造を示す)であり、ヘッドボックスが中間位置にある状態を表す。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】本発明のヘッドボックス昇降型ブラインドのヘッドボックス及びウエイト材の横断面図である。
【図5】本発明のヘッドボックス昇降型ブラインドのヘッドボックス及びウエイト材の分解斜視図である。
【図6】本発明のヘッドボックス昇降型ブラインドのヘッドボックス及びウエイト材の横断面図である。
【符号の説明】
22 ヘッドボックス
22c リブ
22d 保持部
42 ラダーテープ
44 スラット
50 ウエイト材
Claims (2)
- 窓枠等に固定された駆動手段によって昇降可能なヘッドボックス(22)と、ヘッドボックス(22)から垂下するラダーテープ(42)によって整列状態に支持される複数のスラット(44)と、を有するヘッドボックス昇降型ブラインドにおいて、
ヘッドボックス(22)にその正面側または背面側から突出するリブ(22c)が形成され、リブ(22c)が形成された側と反対側のヘッドボックス内にウエイト材(50)を保持する保持部(22d)が設けられて、ウエイト材(50)がヘッドボックス(22)内で保持部(22d)によって保持されることを特徴とするヘッドボックス昇降型ブラインド。 - 前記保持部(22d)は、ヘッドボックス(22)内で他の構成要素の収容される空間と区画された空間であることを特徴とする請求項1記載のヘッドボックス昇降型ブラインド。
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