JP3762272B2 - 色分解合成光学系、画像表示光学系および投射型画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明光を複数の色光に分解して、これら複数の色光をそれぞれ画像表示素子に導き、これら画像表示素子により変調された各色光を合成する色分解合成光学系、これを用いた画像表示光学系および投射型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示素子と偏光ビームスプリッターとを組み合わせた投射型画像表示装置は、例えば米国特許6,183,091号に開示されている。この米国特許に係る投射型画像表示装置は、本願図6に示すように、4つの偏光ビームスプリッター118,120,124,128と3つの色選択性位相差板116,126,134とを有して構成されている。
【0003】
ここで、色選択性位相差板とは、可視光の波長領域において所定の波長領域の光の偏光方向を90度変換し、その他の波長の光の偏光方向は変化させない作用を有するものである。
【0004】
そして、図6に示した装置では、光源100からの直線偏光光(S偏光)のうち青(B)の光のみ第1の色選択性位相差板116によって偏光方向を90度回転させ(P偏光)、第1の偏光ビームスプリッター118に入射させてP偏光であるBの光を透過させ、S偏光であるB以外の緑(G)と赤(R)の光を反射させることで色分解を行う。Bの光(P偏光)は、第2の偏光ビームスプリッター120を透過して反射型液晶表示素子B122に至る。また、G,Rの光は第2の色選択性位相差板126に入射し、Gの偏光方向のみが90度変換され(P偏光)、第2の偏光ビームスプリッター120によりP偏光であるGの光が透過してS偏光であるRの光が反射されることで色分解される。
【0005】
分解されたG,Rの光はそれぞれ反射型液晶表示素子G132および反射型液晶表示素子R130に至る。
【0006】
反射型液晶表示素子B122で変調されたBの光のうちP偏光成分は、第2の偏光ビームスプリッター120を透過して光源100側に戻り、S偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター120で反射して投射光となる。また、反射型液晶表示素子R130で変調されたRの光のうちS偏光成分は第3の偏光ビームスプリッター128で反射して光源100側に戻り、P偏光成分は第3の偏光ビームスプリッター128を透過して投射光となる。さらに、反射型液晶表示素子G132で変調されたGの光のうちP偏光成分は第3の偏光ビームスプリッター128を透過して光源100側に戻り、S偏光成分は第3の偏光ビームスプリッター128で反射して投射光となる。
【0007】
GとRの投射光は第3の色選択性位相差板134に入射し、Gの偏光方向のみが90度回転することによってG,Rの光はP偏光にそろえられる。そして、G,Rの光は、第4の偏光ビームスプリッター124を透過し、S偏光であるBの光は第4の偏光ビームスプリッター124で反射する。これにより、R,G,Bの光は1つに合成され、カラー画像として投影される。
【0008】
また、特開2001−154152号公報にて提案されている投射型画像表示装置では、色分離合成手段としての偏光ビームスプリッターと照明光学系との間又は偏光ビームスプリッターと投射レンズとの間に偏光板を設けて高いコントラストの画像を得るようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、偏光ビームスプリッターは45度で入射する光に対しては図7に示すような理想的な偏光分離性能を示すが、45度からずれた角度で入射する光に対しては図8に示すような不完全な特性となってしまう。
【0010】
これは偏光ビームスプリッターに形成されている光学薄膜において、薄膜の屈折率をn、薄膜の厚さをd、光の入射角度をθとしたとき、光学薄膜は光学性能に対してndcosθで作用するために、入射する角度θにより光学性能が変化してしまうためである。
【0011】
上述したような投射型画像表示装置において、反射型液晶表示素子を照明する光はある程度の広がり角度2ω(2ωは照明系で決まる)を有する光束であるので、偏光ビームスプリッターに対しては45度±ωの広がりをもつ光が入射することになる。このため、偏光ビームスプリッターにおいて、P偏光成分とS偏光成分は完全には分離されず、液晶表示素子に入射する光は完全な直線偏光にならないことになる。このことによって、コントラストが低下し、投射画像の品位が低下するという問題が生ずる。
【0012】
さらに、照明系に用いられる偏光変換素子は、P偏光,S偏光の混在するランプの光を所定の偏光方向にそろえる素子であるが、その変換効率は100%ではなく、無視できない割合で、望まない偏光成分が残ってしまう。
【0013】
また、通常の偏光ビームスプリッターにおいては、例えばP偏光を反射させる割合と、S偏光を透過させる割合とのバランスがとられているために、例えばP偏光を反射させる偏光ビームスプリッターによって反射された光にはある程度のS偏光成分が存在することになる。
【0014】
反射型液晶表示素子が黒を表示しているときには、偏光ビームスプリッターに入射したP偏光光は、P偏光で反射されて偏光ビームスプリッターで反射されて光源に戻るが、偏光ビームスプリッターの特性により、反射型液晶表示素子の照明光に混在したS偏光光の一部はそのまま偏光ビームスプリッターを透過して投射レンズに向かうことになる。
【0015】
そこで、特開2001−154152号公報にて提案の構成を応用し、偏光ビームスプリッターの入射側と出射側とに偏光板を配置すれば、偏光ビームスプリッターの特性に起因する前述のコントラスト低下の問題は解決するが、偏光板の透過率が100%でないために、明るさが暗くなるという問題が生じる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、照明光を緑色光、青色光及び赤色光に分解して、これらの色光を色光ごとに設けられた第1から第3の画像表示素子に入射させ、これら画像表示素子により変調された各色光を合成する色分解合成光学系において、照明光を緑色光と青色光及び赤色光とに分解する色分解手段と、偏光分離作用によって緑色光が色分解手段から第1の画像表示素子に入射する光路と第1の画像表示素子から射出する光路とを異ならせる第1の偏光分離面と、偏光分離作用によって、色分解手段からの青色光及び赤色光を分解するとともに、これら青色光及び赤色光がそれぞれ第2および第3の画像表示素子に入射する光路と第2および第3の画像表示素子から射出する光路とを異ならせる第2の偏光分離面と、偏光分離作用によって、第1の偏光分離面からの緑色光と第2の偏光分離面からの青色光および赤色光を合成する第3の偏光分離面とを設け、第1の偏光分離面と第2の偏光分離面の偏光分離特性を互いに異ならせるようにしている。
【0017】
ここで、偏光分離特性とは、第1の偏光成分を反射し、この第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分を透過する特性を有する偏光分離面において、この偏光分離面における反射光中の第1の偏光成分の含有率や、偏光分離面における透過光中の第2の偏光成分の含有率(すなわち、請求項中にいう直線偏光度)のことである。つまり、偏光分離特性とは、偏光分離面から射出するこの偏光分離面での反射光および透過光の直線偏光度のことである。
【0018】
このように第1の偏光分離面および第2の偏光分離面の偏光分離特性を、それぞれの偏光分離面の役割や要求される透過率・反射率に応じて異ならせることにより、偏光ビームスプリッターの特性に起因したコントラスト低下等の問題を容易に解消することが可能となる。
【0019】
ここで、各色光に含まれる所望の偏光方向の成分の割合を直線偏光度とするとき、第1の偏光分離面から第1の画像表示素子に入射するときの緑色光の直線偏光度が、第2の偏光分離面から第2および第3の画像表示素子に入射する青色光及び赤色光の直線偏光度よりも高くなるように、第1の偏光分離面と前記第2の偏光分離面の偏光分離特性を互いに異ならせている。これにより、第1の画像表示素子に入射して変調され、カラー画像のコントラストに大きく影響する緑色光のコントラストを他の色光の比べて高くすることが可能となり、色合成されたカラー画像全体のコントラストを高くして、品位の高い表示(投射)画像を得ることが可能となる。
【0020】
この場合、第2の偏光分離面に、例えば第2の偏光分離面にて反射した青色光及び赤色光の直線偏光度と、この第2の偏光分離面を透過した青色光及び赤色光の直線偏光度とが略等しくなる偏光分離特性を持たせるようにして、高い色再現性を得るようにするとよい。
【0021】
また、第1の偏光分離面と色合成手段との間に偏光板を配置してもよい。さらに、第1の偏光分離面に、この第1の偏光分離面から第1の画像表示素子に入射する緑色光の直線偏光度が、第1の画像表示素子から第1の偏光分離面を経て第3の偏光分離面に向かって射出する緑色光の直線偏光度よりも高くなる偏光分離特性を持たせるようにしてもよい。
【0022】
これにより、第1の偏光分離面で反射又は透過する際や第1の画像表示素子によって変調を受ける際に、正しい方向に偏光している光に不要な作用を受けた光の成分が混ざったとしても、不要な方向の偏光で照明されていないために、例えば黒表示の際に、偏光ビームスプリッターの特性に依存して出射してきてしまう本来光源方向に戻るべき光を第1の偏光分離面の出射側に配置した偏光板によって検光することができるので、不要な作用を受けた光が悪影響を及ぼすにとどめることができ、高いコントラストを得ることが可能となる。
【0024】
この場合、第1の偏光分離面での角度依存性によって楕円偏光になって第1の画像表示素子に入射した緑色光が第1の画像表示素子によって変調された後、有効な成分のみが偏光板によって検光され、さらに第3の偏光分離面によって各色光が合成されるため、高いコントラストを得ることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。図1中、1は連続スペクトルで白色光を発光する光源、2は光源1からの光を所定の方向に集光するリフレクターである。
【0026】
3aは矩形のレンズをマトリックス状に配置した第1のフライアイレンズ、3bは第1のフライアイレンズの個々のレンズに対応したレンズアレイからなる第2のフライアイレンズ、4は無偏光光を所定の偏光光に揃える偏光変換素子である。5は集光光学系であり、5aはコンデンサーレンズ、5bはフィールドレンズで、5cはミラーである。以上により照明系が構成される。
【0027】
6は青(B)と赤(R)の波長領域の光を透過し、緑(G)の波長領域の光を反射するダイクロイックミラーである。
【0028】
なお、ここでは、ダイクロイックミラーを用いているが、ダイクロイックミラーに限るものではなく、偏光ビームスプリッターを用いても構わない。その際には、偏光ビームスプリッターの光源側に緑の波長領域の光の偏光方向を、青、赤の波長領域の光の偏光方向と90度異ならしめる手段が必要であるが、その手段の一つとして色選択性波長板を配置し、緑の波長領域の光の偏光方向のみを90度回転させても良いし、予めダイクロイックミラーで3色を分解した上で偏光方向を変え、再び3色の光路を合成するという公知の方法を用いても構わない。また、ここでのダイクロイックミラーとは、請求項中の「色分解手段」に相当するものである。つまり、「色分解手段」は、具体的にはダイクロイックミラーでもよいし、偏光ビームスプリッターであってもよい。後述の他の実施形態に関しても上記のことと同様のことが言える。
【0029】
7はGとRの中間の波長領域の光を一部カットするカラーフィルターである。
【0030】
8a,8bはBの光の偏光方向を90度変換し、Rの光の偏光方向は変換しない第1および第2の色選択性位相差板である。9a,9bは第1および第2の偏光板であり、10aは1/2波長板である。
【0031】
11a,11bはP偏光を透過し、S偏光を反射する第1および第2の偏光ビームスプリッターであり、それぞれ偏光分離面(第1および第2の偏光分離面)を有する。また、11cはP偏光を透過し、S偏光を反射する第3の偏光ビームスプリッター(色合成手段)であり、偏光分離面(第3の偏光分離面)を有する。
【0032】
12r,12g,12bはそれぞれ入射した光を反射するとともに画像変調する赤用の反射型液晶表示素子、緑用の反射型液晶表示素子、青用の反射型液晶表示素子である。13r,13g,13bはそれぞれ、赤用の1/4波長板、緑用の1/4波長板、青用の1/4波長板である。以上のダイクロイックミラー6から1/4波長板13r,13g,13bにより、色分解合成光学系が構成される。
【0033】
14は投射レンズであり、投射光学系を構成する。なお、上記照明系,色分解合成光学系および投射光学系により画像表示光学系が構成される。
【0034】
次に光学的な作用を説明する。光源1から発した光はリフレクター2により所定の方向に集光される。リフレクター2は放物面形状を有しており、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に平行な光束となる。
【0035】
ただし、光源1は理想的な点光源ではなく有限の大きさを有しているので、集光する光束には放物面の対称軸Oに平行でない光の成分も多く含まれている。
【0036】
これらの集光光束は、第1のフライアイレンズ3aに入射する。第1のフライアイレンズ3aは、外形が矩形である正の屈折力を有するレンズをマトリックス状に組み合わせて構成されており、入射した光束はそれぞれのレンズに応じた複数の光束に分割、集光され、第2のフライアイレンズ3bを経て、複数の光源像を偏光変換素子4の近傍にマトリックス状に形成する。
【0037】
偏光変換素子4は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、マトリックス状に集光される複数の光束は、その列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分の光と反射するS偏光成分の光に分割される。
【0038】
反射されたS偏光成分の光は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板4cを透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向(・)が揃った光として射出する公知の偏光変換素子である。
【0039】
偏光変換された複数の光束は、偏光変換素子4を射出した後、発散光束として集光光学系5に至る。なお、集光光学系5のうちミラー5cは屈折力を持たない。
【0040】
表1には、図2に示したフライアイレンズ3a,3bのレンズデータを、表2には、図3に示した集光光学系5のレンズデータを示す。これら表1,2において、rは各レンズ面の曲率半径を、dは面の間隔を、nは材質の屈折率を表す。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、面1〜2は第1のフライアイレンズ3aを、面3〜4は第2のフライアイレンズ3bを示している。
【0043】
【表2】
【0044】
なお、面1〜2はコンデンサーレンズ5aを、面3〜4はフィールドレンズ5bを示している。
【0045】
集光光学系5の合成の焦点距離fcは、
fc=82.4mm
であり、第2のフライアイレンズ3bの焦点距離ff2は、
ff2=29.5mm
である。このため、集光光学系5は、
β=fc/ff2=2.793
で決まる倍率βで第1のフライアイレンズ3aの矩形形状の像を形成する。
【0046】
これにより複数の光束は矩形形状の像ができる位置で重なり、矩形の均一な照明エリアを形成する。この照明エリアに反射型液晶表示素子12r,12g,12bを配置する。
【0047】
ここで、フィールドレンズ5bの焦点距離fc2は、
fc2=84mm
であるので、
fc/fc2=0.98
となり、フィールドレンズ5bから反射型液晶表示素子に至る光路において反射型液晶表示素子上に集光する光は集光光学系5の光軸O’に対してほぼテレセントリックになる。
【0048】
ダイクロイックミラー6および偏光ビームスプリッター11a,11b,11cは光学薄膜で構成されており、これらの光学薄膜に入射する角度によりその特性が変化する。このとき、反射型液晶表示素子に対する照明光束をテレセントリックに設定することにより、光学薄膜で発生する特性の変動が反射型液晶表示素子上で発生しない構成となっている。
【0049】
ダイクロイックミラー6は、図4の実線で示すような特性を有しており、B(430〜495nm)とR(590〜650nm)の光は透過し、G(505〜580nm)の光は反射する。ここで、GのS偏光成分の透過率は、Gの波長範囲の中心波長である550nmにおいて1%以下に設定されており,他の2つの色光の色純度の低下を防いでいる。
【0050】
図1においては、偏光変換素子4によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー6によって分解された後もS偏光(・)となっている。
【0051】
Gの光路において、ダイクロイックミラー6を反射した光はカラーフィルター7に入射する。カラーフィルター7は、図4に点線で示すような特性を有しており、GとRの中間の波長領域にあたる黄色の色光(575〜585nm)を反射するダイクロイックフィルターとして、黄色の光を除去する。緑の光に黄色の色成分が多いと、緑が黄緑になってしまうので、黄色の光を除去する方が色再現上望ましい。また、カラーフィルター7は黄色の光を吸収する特性のものでもよい。
【0052】
こうして色調整されたGの光は、第1の偏光ビームスプリッター11aに対してS偏光(・)として入射して偏光分離面で反射され、G用の反射型液晶表示素子12gへと至る。
【0053】
G用の反射型液晶表示素子12gにおいては、Gの光が画像変調されて反射される。画像変調されたGの反射光のうちS偏光成分(・)は、再び第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面で反射し、光源側に戻され、投射光から除去される。
【0054】
一方、画像変調されたGの反射光のうちP偏光成分(|)は、第1の偏光分離面を透過し、投射光として第3の偏光ビームスプリッター11cに向かう。
【0055】
このとき、すべての偏光成分をS偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1の偏光ビームスプリッター11aとG用の反射型液晶表示素子12gとの間に設けられた1/4波長板13gの遅相軸を所定の方向に調整することにより、第1の偏光ビームスプリッター11aとG用の反射型液晶表示素子12gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
【0056】
また、第1の偏光ビームスプリッタ11aの偏光分離面は、この偏光分離面で反射した光に含まれる主たる偏光成分であるS偏光の割合、すなわち直線偏光度が特に高い(例えば、ほぼ100%)とともに、透過したP偏光の純度は上記S偏光の純度に比べて若干劣る偏光分離特性を有している。
【0057】
このような特性の偏光ビームスプリッターを用いることにより、第1の反射型液晶表示素子12gを照明する照明光には不要な偏光成分が含まれないため、第1の偏光ビームスプリッター11aを透過する(出射する)光の少なくともP偏光成分は、画像を表示するために第1の反射型液晶表示素子12gと1/4波長板13gによって作用を受けた光と、反射型液晶表示素子や1/4波長板や偏光ビームスプリッタ−によって不要な作用を受けて発生する位相の狂った成分となる。また、第1の偏光ビームスプリッタ−11aで反射するS偏光成分(を出射するS偏光成分)は、第1の偏光ビームスプリッタ−11aの偏光分離面の特性によって透過してしまったS偏光成分であり、このS偏光成分の光は投影画像のコントラストを低下させる要因となるため、偏光板などによって除去する。
【0058】
第1の偏光ビームスプリッター11aから射出したGの光(|)は、P偏光のみを透過する第1の偏光板9aで検光される。これにより、第1の偏光ビームスプリッター11aとG用の反射型液晶表示素子12gを通ることによって生じた無効な成分がカットされた光となる。そして、次に偏光方向に対して遅相軸が45度で設定された第1の1/2波長板10aにより偏光方向を90度回転され、第3の偏光ビームスプリッター11cに対してS偏光(・)として入射し、第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面で反射されて投射レンズ14へと至る。
【0059】
ここで、第1の1/2波長板10aの遅相軸を回転調整できるようにしておくと、第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面に入射するGの光の偏光方向を微調整することができる。
【0060】
これにより、取り付け誤差などによって第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面と第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面との間に相対的な傾きがあるときなどは、この調整機構により第3の偏光ビームスプリッター11cにおける非投射光の漏れが最小となるようにすることができ、Gにおける黒表示の画像調整が可能となる。
【0061】
さらに、第1の偏光板9aと第1の1/2波長板10aを貼り付けて、一体的に調整することもできる。
【0062】
ダイクロイックミラー6を透過したRとBの光は、第1の色選択性位相差板8aに入射する。第1の色選択性位相差板は、Bの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりBの光はP偏光(|)として、Rの光はS偏光(・)として第2の偏光ビームスプリッター11bに入射する。S偏光(・)として第2の偏光ビームスプリッター11bに入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子12rへと至る。また、P偏光(|)として第2の偏光ビームスプリッター11bに入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子12bへと至る。
【0063】
ここで、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面は、この偏光分離面で反射した光に含まれる主たる偏光成分であるP偏光の割合、すなわち直線偏光度と、偏光分離面を透過した光に含まれる主たる偏光成分であるS偏光の純度とがほぼ等しくなる(ともにほぼ95%程度となる)ような偏光分離特性を有している。これにより、RとBのバランスが保たれ、色再現性が確保される。
【0064】
なお、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面は、この偏光分離面にて反射した光の直線偏光度が、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面にて反射および透過した光の直線偏光度よりも高くなるように偏光分離特性が設定されている。すなわち、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離面と第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面は、互いに異なる偏光分離特性を有する。
【0065】
R用の反射型液晶表示素子12rに入射したRの光は画像変調されて反射される。画像変調されたRの反射光のうちS偏光成分(・)は、再び第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。
【0066】
一方、画像変調されたRの反射光のうちP偏光成分(|)は第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過して投射光として第3の偏光ビームスプリッター11cに向かう。
【0067】
第2の偏光ビームスプリッター11bを出射したRの光は第2の色選択性位相板8bをそのまま透過し、さらに第2の偏光板9bで検光されて第3の偏光ビームスプリッター11cに入射する。そして、第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面を透過して投射レンズ14に至る。
【0068】
また、B用の反射型液晶表示素子12bに入射したBの光は画像変調されて反射される。画像変調されたBの反射光のうちP偏光成分(|)は、再び第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
【0069】
一方、画像変調されたBの反射光のうちS偏光成分(・)は第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射して投射光として第3の偏光ビームスプリッター11cに向かう。
【0070】
このとき、第2の偏光ビームスプリッター10bとR用,B用の反射型液晶表示素子11b,11rの間に設けられた1/4波長板12b,12rの遅相軸を調整することにより、Gの場合と同じようにR,Bそれぞれの黒の表示の調整を行う。
【0071】
こうして1つの光束に合成され、第2の偏光ビームスプリッター10bから射出したRとBの投射光のうちBの光は、第2の色選択性位相板8bによって偏光方向が90度回転されてP偏光成分(|)となり、さらに第2の偏光板9bで検光されて第3の偏光ビームスプリッター11cに入射する。Rの光は第2の色選択性位相板8bをそのまま透過し、さらに第2の偏光板9bで検光されて第3の偏光ビームスプリッター11cに入射する。第2の偏光板9bで検光されることにより、RとBの投射光は第2の偏光ビームスプリッタ11bとR用,B用の反射型液晶表示素子12b,12r、1/4波長板13b、13rを通ることによって生じた無効な成分をカットされた光となる。
【0072】
そして、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射したRとBの投射光は第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面を透過し、この偏光分離面にて反射したGの光と合成されて投射レンズ14に至る。
【0073】
ここで、第2の色選択性位相差板8bと第3の偏光ビームスプリッター11cとの間に第2の1/2波長板10b(不図示)を配置し、第2の1/2波長板10bの遅相軸を透過する偏光方向と同じ方向(偏光状態を変換しない方向)に設定し、Gのときと同じように、第2の1/2波長板10bの遅相軸の傾き調整を行うことで、R,Bの光の偏光方向が第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面に対して適切に入射するように調整し、第3の偏光ビームスプリッター11cにおける非投射光の漏れが最小となるようにすることができ、R,Bにおける黒表示の画像調整をすることもできる。
【0074】
合成されたR,G,Bの投射光は、投射レンズ14によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
【0075】
なお、上述した各光学素子の空気との境界面には反射防止コートが施されている。Gの光のみが透過する面には、最も反射率が低下する波長帯域を550nmの近傍に設定した反射防止コートが施され、Rの光のみが透過する面には最も反射率が低下する波長帯域を610nmの近傍に設定した反射防止コートが施されている。また、Bの光のみが透過する面には最も反射率が低下する波長帯域を450nmの近傍に設定した反射防止コートが施され、RとBの光が透過する面には反射率が低下する波長帯域を450nmの近傍と610nmの近傍に2つあるような反射防止コートが施されている。
【0076】
また、光源1から投射レンズ14に至る光束は、反射型液晶表示素子11g,11b,11rに到達する際に光束径が最も細くなるので、反射型液晶表示素子の近傍に配置した偏光ビームスプリッター11a,11bを投射レンズ14側に配置した偏光ビームスプリッター11cよりも小さく構成している。
【0077】
さらに、投射レンズ14のFnoは、反射型液晶表示素子における回折や取り付け誤差による投射レンズ14の光軸と集光光学系5の光軸のずれを考慮して、照明系のFnoよりも明るく設定している。
【0078】
(第2実施形態)
前述した第1実施形態においては、第1の反射型液晶表示素子12gに第1の偏光ビームスプリッター11gの偏光分離面で反射させた光を入射させていたが、第1の偏光ビームスプリッターの偏光分離面を透過した光を入射させることもできる。一般に、偏光ビームスプリッターの性能としては、偏光ビームスプリッターを透過するP偏光光にS偏光の光を入りにくくするほうが容易であり、これにより、投射画像のより高いコントラストを得ることができる。
【0079】
図5には、本発明の第2実施形態である投射型画像表示装置の構成を示している。図5中、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明に代える。
【0080】
図5において、40は偏光変換素子であり、ランプ1からの無偏光光をP偏光(|)に変換する。本実施形態において、第1の液晶表示素子12gと第1の1/4波長板13gは、第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面からP偏光光(|)が透過して射出してくる面の側に配置されている。
【0081】
第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面は、この偏光分離面を透過したP偏光(|)にS偏光光(・)がほとんど混ざらない、つまり直線偏光度がきわめて高い(例えは、ほぼ100%の)偏光分離特性を有する。なお、第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面は、この偏光分離面で反射したS偏光光の直線偏光度が、透過するP偏光の直線偏光度よりも若干劣る偏光分離特性をも有する
第1の偏光ビームスプリッター110aと第3の偏光ビームスプリッター11cとの間に配置された第1の偏光板90aは、S偏光(・)を透過して、P偏光(|)を吸収するものである。
【0082】
次に、本実施形態の光学的な作用を説明する。光源1から発した照明光は、偏光変換素子4によりP偏光に揃えられて、ダイクロイックミラー6に入射し、緑(G)の光と、赤(R)および青(B)の光とに分解される。
【0083】
ダイクロイックミラー6によって反射されたGの光は、カラーフィルター7を通過して第1の偏光ビームスプリッター110aに入射する。Gの光は偏光変換素子4により偏光変換されているために、その大部分を占めるP偏光光は第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面を透過し、第1の1/4波長板13gを通過して第1の反射型液晶表示素子12gに入射する。
【0084】
この際、偏光変換素子4の変換効率が有限の値であるために照明光にわずかに混在するS偏光光は、第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面にて反射され、主光路から除去される。
【0085】
例えば、黒表示の際には、第1の反射型液晶表示素子12gおよび第1の1/4波長板13gは入射した光に対して変調作用を及ぼさずに反射させ、このGの反射光は再度、第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面を透過して光源側に戻る。また、例えば白色表示を行なう際には、第1の反射型液晶表示素子12gは入射光の偏光方向を変えず、第1の1/4波長板の作用によって偏光方向を90度回転させるために、出射光はS偏光光となり、このS偏光光は第1の偏光ビームスプリッター110aの偏光分離面で反射して第1の偏光板90aで検光されて第3の偏光ビームスプリッター11cに入射し、第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面で反射して投射レンズ14に至る。
【0086】
この際、第1の反射型液晶表示素子12gの作用や、第1の偏光ビームスプリッター110aや第1の1/4波長板13gを通過する際に発生した位相誤差成分は、第1の偏光板90aで吸収される。
【0087】
また、ダイクロイックミラー6を透過したRとBの光は、第1の色選択性位相差板8aに入射し、Rの光の偏光方向のみがPからSに変換され、S偏光となったRの光とP偏光のBの光とが第2の偏光ビームスプリッター11bに入射する。
【0088】
第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面は、反射したS偏光の純度と、透過したP偏光の純度とが略一致する(例えば、いずれもほぼ95%となる)ような偏光分離特性を有する。すなわち、第1実施形態と同様に、第1の偏光ビームスプリッター11aの偏光分離特性と第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離特性とは互いに異なる。
【0089】
第2の偏光ビームスプリッター11bにS偏光として入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射し、第2の1/4波長板13rを介して第2の反射型液晶表示素子12rに入射する。そして、第2の反射型液晶表示素子12rで反射されて変調を受けてたRの光は、第2の1/4波長板13rを介してP偏光に変換され、第2の偏光ビームスプリッター11bに再度入射し、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過して第2の色選択性位相差板8bおよび第2の偏光板90bに入射する。
【0090】
第2の色選択性位相差板8bは、Bの光の偏光方向のみを90度回転させる作用を持ち、Rの光には作用を及ぼさない。また、第2の偏光板90bは、P偏光を透過させる構成となっており、第2の偏光ビームスプリッター11bから出射してくるRの光に含まれるS偏光成分を吸収する。
【0091】
第2の偏光板90bで検光されたP偏光であるRの光は、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射して、その偏光分離面を透過し、投射レンズ14に至る。
【0092】
また、第2の偏光ビームスプリッター11bにP偏光として入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面を透過し、第3の1/4波長板13bを介して第3の反射型液晶表示素子12bに入射する。そして、第3の液晶表示素子12bで反射されて変調を受けたBの光は、第3の1/4波長板13bを介してS偏光に変換され第2の偏光ビームスプリッター11bに再度入射し、第2の偏光ビームスプリッター11bの偏光分離面で反射され、第2の色選択性位相差板8bに入射する。
【0093】
第2の色選択性位相差板8bに入射したBの光は、その偏光方向が90度回転させられてP偏光に変換される。また、第2の色選択性位相差板8bから射出したP偏光であるBの光は、第2の偏光板90bによって、Bの光に含まれるS偏光成分が吸収される。
【0094】
こうして第2の偏光板90bで検光されたBの光は、第3の偏光ビームスプリッター11cに入射して、その偏光分離面を透過し、投射レンズ14に至る。
【0095】
以上のようにして第3の偏光ビームスプリッター11cの偏光分離面の作用により合成されたR,G,Bの光は、投射レンズ14によって不図示のスクリーン等の被投射面上に拡大投射される。
【0096】
本実施形態においては、第1実施形態においてGの光路中に設けられていた1/2波長板10aを使用する必要がないために、1/2波長板による光の吸収作用による透過率の影響を受けない。したがって、明るい投射像を得ることができる。
【0097】
以上、本願発明の実施形態について説明を行ったが、上記の第1実施形態(図1)および第2実施形態(図5)におけるダイクロイックミラー6の代わりに、偏光ビームスプリッターを用いても構わない。その際、色分解する3色の色光の光路を本願実施形態1及び2と同様にするためには、ダイクロイックミラー6の代わりに配置する偏光ビームスプリッターより光源側に、緑色の偏光成分を赤色及び青色の偏光成分と異ならせる特性を有する色選択性位相差板を配置することが必要である。
【0098】
また、本願発明の実施形態においては、ダイクロイックミラー6(或いはそれに代わる偏光ビームスプリッター)で赤色青色の色光の光路と、緑色の色光の光路とを分離したが、この限りではなく赤色の色光のみを分離しても良いし、青色の色光のみを分離しても構わない。
【0099】
また、本願発明の実施形態の偏光ビームスプリッターは、反射光の主たる偏光成分がS偏光であり、透過光の主たる偏光成分がP偏光であるような特性を有していたが、この逆の特性を有する偏光ビームスプリッターを用いても構わない。
【0100】
また、本願発明の実施形態においては、液晶表示素子は反射型のものを用いていたが、透過型でも構わないし、3板式(3つの色光それぞれに対して液晶表示素子がある)ではなく、単板式でも構わない。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1の偏光分離面および第2の偏光分離面の偏光分離特性を、それぞれの偏光分離面の役割や要求される透過率・反射率に応じて異ならせるようにしているので、偏光ビームスプリッターの特性に起因したコントラスト低下等の問題を容易に解消することができる。
【0102】
ここで、各色光に含まれる主たる偏光方向の成分の割合を直線偏光度とするとき、第1の偏光分離面から第1の画像表示素子に入射するときの緑色光の直線偏光度が、第2の偏光分離面から第2および第3の画像表示素子に入射する青色光及び赤色光の直線偏光度よりも高くなるように、第1の偏光分離面と前記第2の偏光分離面の偏光分離特性を互いに異ならせることで、第1の画像表示素子に入射して変調され、カラー画像のコントラストに大きく影響する緑色光のコントラストを他の色光の比べて高くすることができ、色合成されたカラー画像全体のコントラストを高くして、品位の高い表示(投射)画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図2】上記投射型画像表示装置に用いられているフライアイレンズを説明する図。
【図3】上記投射型画像表示装置の集光光学系を説明する図。
【図4】上記投射型画像表示装置に用いられているダイクロイックミラーとカラーフィルターの特性を説明する図。
【図5】本発明の第2実施形態である投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図6】従来の投射型画像表示装置の構成を示す図。
【図7】従来の投射型画像表示装置における偏光ビームスプリッターの特性(45度入射時)を説明する図。
【図8】従来の投射型画像表示装置における偏光ビームスプリッターの特性(45度外入射時)を説明する図。
【符号の説明】
1 光源
2 リフレクター
3a 第1のフライアイレンズ
3b 第2のフライアイレンズ
4 偏光変換素子
5 集光光学系
5a コンデンサーレンズ
5b フィールドレンズ
5c ミラー
6 ダイクロイックミラー
7 カラーフィルター
8a、8b 色選択性位相差板
9a、9b 偏光板
10a、10b 1/2波長板
11a、11b、11c 偏光ビームスプリッター
12r、12g、12b 反射型液晶表示素子
13r、13g、13b 1/4波長板
14 投射レンズ
Claims (7)
- 照明光を緑色光、青色光及び赤色光に分解して、これらの色光を色光ごとに設けられた第1から第3の画像表示素子に入射させ、これら画像表示素子により変調された各色光を合成する色分解合成光学系であって、
前記照明光を緑色光と青色光および赤色光とに分解する色分解手段と、
偏光分離作用によって前記緑色光が前記色分解手段から前記第1の画像表示素子に入射する光路と前記第1の画像表示素子から射出する光路とを異ならせる第1の偏光分離面と、
偏光分離作用によって、前記色分解手段からの前記青色光および赤色光を分解するとともに、これら青色光および赤色光がそれぞれ前記第2および第3の画像表示素子に入射する光路と前記第2および第3の画像表示素子から射出する光路とを異ならせる第2の偏光分離面と、
偏光分離作用によって、前記第1の偏光分離面からの緑色光と前記第2の偏光分離面からの青色光および赤色光を合成する第3の偏光分離面とを有し、
前記各色光に含まれる主たる偏光方向の成分の割合を直線偏光度とするとき、前記第1の偏光分離面から前記第1の画像表示素子に入射するときの緑色光の直線偏光度が、前記第2の偏光分離面から前記第2および第3の画像表示素子に入射する青色光および赤色光の直線偏光度よりも高くなるように、前記第1の偏光分離面と前記第2の偏光分離面の偏光分離特性を互いに異ならせたことを特徴とする色分解合成光学系。 - 前記第2の偏光分離面が、この第2の偏光分離面にて反射した青色光および赤色光の直線偏光度と、この第2の偏光分離面を透過した青色光および赤色光の直線偏光度とが略等しくなる偏光分離特性を有することを特徴とする請求項1に記載の色分解合成光学系。
- 前記第1の偏光分離面が、この第1の偏光分離面から第1の画像表示素子に入射する緑色光の直線偏光度が、前記第1の画像表示素子から前記第1の偏光分離面を経て前記第3の偏光分離面に向かって射出する緑色光の直線偏光度よりも高くなる偏光分離特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の色分解合成光学系。
- 前記第1の偏光分離面と前記第3の偏光分離面との間に偏光板を配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の色分解合成光学系。
- 前記画像表示素子は反射型の画像表示素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の色分解合成光学系。
- 請求項1から5のいずれかに記載の色分解合成光学系と、照明光を偏光方向を揃えた状態で前記色分解合成光学系に入射させる照明系と、前記色分解合成光学系から射出したカラー光を投射する投射光学系とを有することを特徴とする画像表示光学系。
- 請求項6に記載の画像表示光学系を有することを特徴とする投射型画像表示装置。
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