JP3761345B2 - ピンチトリミング工法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、プレス加工の絞り成形、もしくは張り出し成形による筒状容器(有底、無底を含む)の縁切り加工であるピンチトリミング工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒状容器をプレス加工で成形する場合、成形時の余った材料が縁部に発生するため、縁切り加工を行って、形状を整えることがしばしば行われる。その加工方法のなかでも、ピンチトリミングと呼ばれる工法は、加工速度が速く、金型構造も比較的簡単で、しかも切断位置の精度が高くて安定しているという長所があるために、よく用いられている。
【0003】
以下に従来のピンチトリミング工法について図3、図4を用いて説明する。ここで、図3は従来のピンチトリミング工法を用いた各工程における材料の断面状態の一例を示すものであり、形状はすべて中心線に対して回転体であり、片側の断面のみを表示している。
【0004】
図3(a)は加工対象となる筒状容器の材料1の絞り成形後の形状を示し、この材料1は、ピンチトリミング加工を行う前に、図3(b)に示すように、材料1をピンチトリム加工するため、後述するピンチトリム加工を行うピンチトリムパンチ3の切刃部3aの形状に合うように窪み部1aが成形される。そして、図3(c)に示すように、ピンチトリミング加工が行われて、ピンチトリム後の材料(製品)1からスクラップ2が切断される。
【0005】
図4(a)〜(e)は、従来のピンチトリミング工法の各切断工程を概略的に示すものである。
ピンチトリミング加工は、図4(a)〜(f)に示すように、ピンチトリムパンチ3の所定位置に材料1を載せた状態でピンチトリムダイ4を下降させて切断することにより行う。ピンチトリムダイ4には135゜の角度の斜面の上部コーナーに切刃部4aが形成されており、この切刃部4aには、製品となる材料1を加工する時に材料1の製品となる部分を削らないようにするために、曲率半径が0.3mm程度の小さな湾曲面(R部)が形成されている。また、ピンチトリムパンチ3には肩部先端に切刃部3aが形成されており、エッジになっている。また、ピンチトリムパンチ3の切刃部3aの寸法は、ピンチトリムダイ4の内径寸法より小さく作られており、クリアランスが設定されている。
【0006】
図4(a)に示す加工前の状態から、図4(b)に示すように、ピンチトリムダイ4がさらに下降されて、ピンチトリムダイ4の切刃部4aが材料1のこれから切断する部分に当たり、切断が始まる。図4(c)は切断中期を示すものであり、ピンチトリムダイ4とピンチトリムパンチ3の肩部先端で材料1が押しつぶされ、材料1の一部はピンチトリムパンチ3の凹み3bや下方に逃げる。次に、図4(d)に示すように、さらに切断行程が進むと、ついに材料1にクラックが発生し、その後、図4(e)に示すように、材料1とスクラップ2が完全に分離されてピンチトリミング加工が終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来工法では、ピンチトリムダイ4の切刃部4aの角度は135゜程度の大きな鈍角であり、しかもピンチトリムパンチ3とピンチトリムダイ4との間の材料1をつぶしながら切断するため、破断のクラック7の発生位置はピンチトリムパンチ3の切刃部4a先端より下になりやすい。そのため、切断部端面に通常の打ち抜きの場合と比較にならないほどの大きなバリ5(図4(e)および図3(c)参照)が発生する場合がある。この対策として、クリアランスの縮小や、ピンチトリム用成形の形状の調整によりある程度改善される場合もあるが、材料、製品精度、金型精度、加工条件などの制約条件により十分に対策が行えない場合もあるという問題を有していた。
【0008】
本発明は上記従来の問題を解決するもので、バリの発生しない縁切りをすることのできるピンチトリミング工法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明は、ピンチトリムダイの切刃部とピンチトリムパンチの切刃部とで容器材料の縁切り加工を行うピンチトリミング工法であって、加工材料にピンチトリミング加工用の窪み部を形成し、前記窪み部のピンチトリムパンチの切刃部に臨む箇所に、ピンチトリムダイの打抜き方向に対して略逆方向に凹溝を形成し、前記加工材料をピンチトリムダイとピンチトリムパンチとで打ち抜くことを特徴とするものである。
【0010】
この工法によれば、バリの発生しない縁切りをすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、ピンチトリムダイの切刃部とピンチトリムパンチの切刃部とで容器材料の縁切り加工を行うピンチトリミング工法であって、加工材料にピンチトリミング加工用の窪み部を形成し、前記窪み部のピンチトリムパンチの切刃部に臨む箇所に、ピンチトリムダイの打抜き方向に対して略逆方向に凹溝を形成し、前記加工材料をピンチトリムダイとピンチトリムパンチとで打ち抜くことを特徴とするものであり、この工法により、打ち抜き時に凹溝の底部からピンチトリムダイの切刃部までの距離が最短距離となるため、せん断応力がその部分に集中し、その結果、クラックがこの凹溝の底部より発生し、切断部にバリが全く発生しなくなる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図1、図2を参照しながら説明する。なお、従来と同機能のものには同符号を付して、その説明は省略する。
本発明のピンチトリミング工法においては、図1(a)に示すように、加工対象となる筒状容器の材料1を絞り成形(もしくは張り出し成形)し、ピンチトリミング加工を行うために、図1(b)に示すように、材料1をピンチトリム加工用に(ピンチトリム加工を行うピンチトリムパンチ3の切刃部3aの形状に合うように)窪み部1aを成形した後に、図1(c)に示すように、加工対象となる材料1におけるピンチトリムパンチ3の切刃部3aに臨む箇所に、縁切り加工する輪郭形状に沿ってピンチトリムダイ4の打抜き方向に対して略逆方向(本実施の形態では上方)に向かって窪む凹溝6を形成する。そして、この後にピンチトリミング加工を行って、図1(d)に示すように、材料1とスクラップ2とを分離する。
【0013】
このピンチトリミング加工の際には、材料1におけるピンチトリムパンチ3の切刃部3aに臨む箇所に、上方に向かって窪む凹溝6が形成されており、図2(a)〜(d)に示すように、打ち抜き時に凹溝6の底部からピンチトリムダイ4の切刃部4aまでの距離が最短距離となるため、せん断応力がその部分に集中し、その結果、図2(e)に示すように、クラック7がこの凹溝6の底部より発生し、図2(f)に示すように、切断部にバリが全く発生しなくなる。
【0014】
なお、本実施の形態では材料1における窪み部1aと凹溝6との成形を2工程(図1の(b)と(c)に示す工程)に分けて行っているが、1工程で成形してもその効果に何ら影響はない。また、凹溝6の形状も実施の形態にかかる図面ではV形状であるが、U形状、R形状等であってもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、加工材料にピンチトリミング加工用の窪み部を形成し、前記窪み部のピンチトリムパンチの切刃部に臨む箇所に、ピンチトリムダイの打抜き方向に対して略逆方向に凹溝を形成し、前記加工材料をピンチトリムダイとピンチトリムパンチとで打ち抜くことにより、筒状容器の縁切りにおいて、切断部のバリの発生を無くすことができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の実施の形態にかかるピンチトリミング工法を用いた各工程における材料の断面状態を示す図である。
【図2】(a)〜(f)はそれぞれ同実施の形態にかかるピンチトリミング工法の各切断行程を概略的に示すもので、(d)〜(f)にはさらにその一部を拡大した図面を付している。
【図3】(a)〜(c)はそれぞれ従来のピンチトリミング工法を用いた各工程における材料の断面状態を示す図である。
【図4】(a)〜(e)はそれぞれ従来のピンチトリミング工法の各切断行程を概略的に示すもので、(d)〜(e)にはさらにその一部を拡大した図面を付している。
【符号の説明】
1 材料
3 ピンチトリムパンチ
3a、4a 切刃部
4 ピンチトリムダイ
6 凹溝
Claims (1)
- ピンチトリムダイの切刃部とピンチトリムパンチの切刃部とで容器材料の縁切り加工を行うピンチトリミング工法であって、
加工材料にピンチトリミング加工用の窪み部を形成し、
前記窪み部のピンチトリムパンチの切刃部に臨む箇所に、ピンチトリムダイの打抜き方向に対して略逆方向に凹溝を形成し、
前記加工材料をピンチトリムダイとピンチトリムパンチとで打ち抜くことを特徴とするピンチトリミング工法。
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JP34224998A JP3761345B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | ピンチトリミング工法 |
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Country | Link |
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WO2015163418A1 (ja) * | 2014-04-25 | 2015-10-29 | 本田技研工業株式会社 | 板材加工装置及び板材加工方法 |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP34224998A patent/JP3761345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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