JPH0741539Y2

JPH0741539Y2 - 鍛造品のトリミング用金型

Info

Publication number: JPH0741539Y2
Application number: JP1989148146U
Authority: JP
Inventors: 正孝廣渡
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1989-12-21
Filing date: 1989-12-21
Publication date: 1995-09-27
Anticipated expiration: 2004-12-21
Also published as: JPH0385141U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、例えば、自動車部品としてのクランクシャ
フトやコネクティングロッドのような鍛造品（ワーク）
のバリ部を切断除去する鍛造品のトリミング用金型に関
する。

（従来の技術）一般に、上述例の自動車部品としてのクランクシャフト
やコネクティングロッドを鍛造するには、つかみ部成形
工程、伸ばし工程、荒地鍛造工程、仕上鍛造工程をこの
順に経て、ブランク（素材）から所定形状の鍛造品を得
る。

上述の仕上鍛造工程で用いる仕上型には型割面上にフラ
ッシュランド（flashland）およびガッタ（gutter）を
設け、仕上鍛造時に余肉をキャビティ外周の上述のフラ
ッシュランドおよびガッタに溢流させ、製品外周に形成
されたフラッシュ（flash、バリのこと）は次のトリミ
ング工程で除去される。

上述のトリミング工程で用いられる鍛造品のトリミング
用金型としては、例えば、実開昭60-160954号公報に記
載のようなトリミング用金型がある。

すなわち、第８図、第９図に示すように、断面が凹上で
ワーク81の外形と対応する凹部82のエッジに刃部83,83
を有し、かつ長手方向にほぼフラットな形状に形成され
たトリミング刃84を備えた鍛造品のトリミング用金型85
である。

この従来のトリミング用金型85を用いてワーク81のバリ
部86を除去するには、上述のトリミング用金型85上にワ
ーク81を配置して、トリミングパンチ87でワーク81を下
方へ加圧プレスすると、上述のトリミング刃84によりバ
リ部86をワーク81から切断除去することができる。

しかし、上述の従来金型においては、製品としてのワー
ク81外面と、第８図に仮想線で示す切断後のバリ88との
間のクリアランスが例えば0.93mm程度で極めて小さく、
このため、トリミング後のバリ88とワーク81との分離を
容易に行なうことができず、装置の一時停止や不良品が
多発する問題点があった。

（考案の目的）この考案は、トリミングが終了した後のバリの取除き性
を考慮し、切断後のバリ形状を断面略凹上に湾曲すべく
トリミング刃の刃部一方と中間部との高さを変えて、ト
リミング後のバリとワークとのクリアランスを充分大き
く確保し、切断されたバリがワークに挟み込まれないよ
うにすることで、バリとワークとの分離を確実かつ容易
に行なうことができる鍛造品のトリミング用金型の提供
を目的とする。

（考案の構成）この考案は、鍛造品（４）のバリ部（ｂ）をトリミング
するトリミング用金型であって、断面が凹状でワーク
（４）外形と対応する凹部（９）エッジに該ワーク
（４）外形と対応して長手方向に一対の刃部（10）（1
0）を有するトルミング刃（８）を備え、上記トリミン
グ刃（８）の一方の刃部（10a）と該トリミング刃
（８）の中間部（10c）とは長手方向に段差（Ｓ）形成
された鍛造品のトリミング用金型であることを特徴とす
る。

（考案の効果）この考案によれば、トリミングが終了した後のバリの取
除き性を考慮して、上述のトリミング刃の一方の刃部と
該トリミング刃の中間部との間に長手方向の段差を形成
したので、トリミング時においてバリ部には上述の段差
と凹部とにより引張り応力が作用して、切断後のバリは
その両端が上方に反り返った形状つまり断面略凹状に湾
曲する。

この結果、トリミング後のバリとワークとのクリアラン
スを充分大きく確保することができ、切断されたバリが
ワークに挟み込まれることがないので、バリとワークと
の分離を確実かつ容易に行なうことができる効果があ
る。

（実施例）この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面は鍛造品のトリミング用金型を示し、第１図乃至第
５図において、このトリミング用金型１は、複数のガイ
ドポスト取付け用の孔２…と、バリ除去用のエジェクタ
ピンを挿入する複数の孔３…と、鍛造品ワークとしての
クランクシャフト４の仕上げ形状に対応したワーク落込
み孔５とを備えている。

上述のワーク落込み孔５の上端開口部全周には、クラン
クシャフト４のバリ部６をトリミングする切刃７を取付
けている。

上述の切刃７のうちのクランクシャフト４におけるバラ
ンスウエイト4a,4a相互間のバリ部６をトリミングする
トリミング刃８は次のように構成している。

すなわち、断面が第６図に示す如く凹状で、クランクシ
ャフト４の外形と対応する凹部９のエッジに切刃として
の刃部10を有し、かつ第３図に示すように長手方向に段
差Ｓを形成している。

さらに詳細には、第７図に示すようにバランスウエイト
4a,4a間の外端側からクランクピン方向に向けて、下段
フラット部10a（トリミング刃８の一方の刃部に相
当）、上り勾配のスラント部10b、上段フラット部10c
（トリミング刃８の中間部に相当）、下り勾配のスラン
ト部10dをこの順に形成した刃部10とし、上述の下段フ
ラット部10aと上段フラット部10cとの間に長手方向に段
差Ｓを形成している。

上記構成のトリミング用金型１を用いてクランクシャフ
ト４のバリ部６を除去するには、第６図に示すように、
上述のトリミング用金型１の所定部にクランクシャフト
４を配置して、トリミングパンチ11でクランクシャフト
４を下方へ加圧プレスすると、上述のトリミング刃８を
含むワーク落込み孔５上端開口部全周の切刃７によりバ
リ部６をクランクシャフト４から切断除去することでき
る。

ここで、上述のトリミング刃８の長手方向には第３図、
第７図に示すように上記構成の段差Ｓを形成しているの
で、トリミング時においてバリ部６は段差切りされる。

すなわち、バリ部６には上述の段差Ｓと凹部９とにより
第７図に矢印で示す引張り応力F1,F2,F3が作用して、切
断後のバリ12は第６図に仮想線で示すように、その両端
が上方に反り返った形状つまり断面略凹状に湾曲する。

この結果、トリミング後のバリ12とクランクシャフト４
とのクリアランスを例えば6.31mm程度に充分大きく確保
することができて、切断されたバリ12がワークとしての
クランクシャフト４の挟み込まれることがないので、バ
リ12とクランクシャフト４との分離を確実かつ容易に行
なうことができる効果がある。

この考案の構成と、上述の実施例との対応において、この考案の鍛造品（ワーク）は、実施例のクランクシャ
フト４に対応し、以下同様に、トリミング刃の一方の刃部は、下段フラット部10aに対
応し、トリミング刃の中間部は、上段フラット部10cに対応す
るも、この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるもの
ではなく、コネクティングロッドその他の鍛造品のトリミングに適
用してもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は鍛造品のトリミング用金型を示す平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線矢視断面図、第４図は第１図のＣ−Ｃ線矢視断面図、第５図は第１図のＤ−Ｄ線矢視断面図、第６図はトリミング時の説明図、第７図はトリミング後のバリ形状を示す説明図、第８図は従来のトリミング用金型の説明図、第９図は第８図のＥ−Ｅ線矢視断面図である。１……トリミング用金型４……クランクシャフト６……バリ部８……トリミング刃９……凹部 10……刃部 10a……トリミング刃の一方の刃部 10c……トリミング刃の中間部Ｓ……段差

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】鍛造品（４）のバリ部（ｂ）をトリミング
するトリミング用金型であって、断面が凹状でワーク（４）外形と対応する凹部（９）エ
ッジに該ワーク（４）外形と対応して長手方向に一対の
刃部（10）（10）を有するトリミング刃（８）を備え、上記トリミング刃（８）の一方の刃部（10a）と該トリ
ミング刃（８）の中間部（10c）とは長手方向に段差
（Ｓ）形成された鍛造品のトリミング用金型。