JP3760679B2 - 可塑剤用c9アルコール組成物及びそれを用いたフタル酸ジエステル可塑剤組成物 - Google Patents

可塑剤用c9アルコール組成物及びそれを用いたフタル酸ジエステル可塑剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な可塑剤用アルコールに関する。詳しくは、本発明は、塩化ビニル系樹脂の可塑剤用アルコールとして、用途に応じた優れた可塑剤性能を提供する炭素原子数が9の脂肪族アルコール組成物およびそれを用いるフタル酸ジエステル可塑剤組成物並びに塩化ビニル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素原子数が9の脂肪族アルコール組成物(以下、「C9アルコール組成物」とする)の異性体混合物が、塩化ビニル系樹脂の可塑剤の原料として好適に使用されていることは既に知られている。このC9アルコールとしては、ナフサの熱分解又は重軽質油の接触分解によって得られるブテンを主体とする留分を2量化し、得られた炭素数8のオレフィンを、更にヒドロホルミル化反応及び水素化反応させて得られる異性体混合物がよく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
可塑剤の性能はこれら異性体の組成によって大きく異なるため、塩化ビニル系樹脂の重要な性能である、耐寒性、耐熱性ならびに電気絶縁性等もC9アルコールの種々の異性体の組成により大きな差異がみられる。また、可塑剤用アルコールとして要求される性能は樹脂組成物の用途によっても異なっている。C9アルコール組成物を用いた可塑剤の性能を用途に応じて向上させることは最も重要な課題の一つではあるが、その組成の複雑さのために、どのようなC9アルコール組成物であれば、要求される用途に適した可塑剤性能を提供することができるのかについては、従来知られていなかった。特に、用途に応じて耐寒性、耐熱性及び電気絶縁性のいずれか、もしくは複数が優れた可塑剤用のC9アルコール組成物及び、それを選定する方法は知られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような従来技術の状況に鑑み、種々の用途に応じて高性能な可塑剤用C9アルコール組成物を見いだすべく鋭意検討を重ねたところ、C9アルコールの分子構造のトポロジー的特徴を表すパラメーターと、該C9アルコールからなるフタル酸ジエステルの分子構造のトポロジー的特徴を表すパラメーターが特定の範囲内であるC9アルコール組成物が、これを可塑剤用に用いた場合、用途に応じて耐寒性、耐熱性及び電気絶縁性のいずれか、もしくは複数が良好な性能を示すことを見いだして本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明の要旨は、炭素原子数が9の脂肪族アルコール組成物(以下「C9アルコール組成物」と記す)であって、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(以下「WI」と記す)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下「WA」と記す)が、134≦WA≦155であり、且つ、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下「WP」と記す)が、2900≦WP≦3400であることを特徴とする可塑剤用C9アルコール組成物、に存する。
【0006】
【発明の実施の態様】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明は、炭素数が9の脂肪族アルコール組成物に関するものである。本発明のC9アルコール組成物は、直鎖又は分岐のアルコールであり、飽和、不飽和いずれのアルコールであってもよいが、通常は飽和の一価アルコール、中でもアルキルアルコールが好ましく用いられる。
【0007】
また、本発明のC9アルコール組成物は、単一のアルコールのみからなるものであってもよく、複数のC9アルコールの混合物であってもよいが、中でも、2種類以上のアルコールの混合物であるのが好ましく、更には5種類以上の混合物であるのが好ましい。
【0008】
本発明において、C9アルコール組成物を特定するために使用したパラメータ(以下、「WI」と記す)は、ある化合物に対して、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々について、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和を表す。このWIは、炭化水素化合物異性体の沸点等の推算のために提案された既知のものであり(H. Wiener, J. Am. Chem. Soc. 69, 17, (1947) ;69, 2636, (1947))、分子構造のトポロジー的な特徴を表すパラメータである。
【0009】
WIは、図1〜5に示すように化学構造式から容易に計算することができ、C9アルコールの場合は、ノルマル体で最大となり、例えば、図1に示すようにノルマルノナノールで最大値165を与える。このWIは原子番号の付け方にかかわらず一定の値が得られるものである。また、図2の2−プロピル−3−メチルペンタノール及び図4の3−エチル−4−メチルヘキサノールの場合のように、異性体の構造が異なっていても同じWI値(129)を与えることもある。また、図3及び図5の例のように、アルコールが同じWI値を有する場合でも、そのフタル酸ジエステルのWIが異なる場合もある。
【0010】
本発明で規定するWA値は、C9アルコール組成物に含まれる各アルコール成分のWIを、それぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値であり、あるC9アルコール成分(成分i)のWIをWI(i)、この成分(i)の全C9アルコール組成物中の組成比率(重量%)をp(i)とした場合、WA=Σ(p(i)×WI(i))/100として与えられる。例えば、ノルマルノナノール40%及び2−プロピル−3−メチルペンタノール60%を含むC9アルコール組成物では、WA=165×0.4+129×0.6=143.4となる。
【0011】
また、本発明で規定するWP値は、各C9アルコールがフタル酸の単独ジエステルとなったと仮定した時のフタル酸ジエステルについて、WIを算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値である。ここで、フタル酸の単独ジエステルとは、フタル酸ジエステル分子中の2つのアルコール成分として、単一のアルコール成分が結合したものを指すこととする。即ち、あるC9アルコール成分(成分i)がフタル酸の単独ジエステルとなったと仮定した時のフタル酸ジエステル(i’)のWIをWI(i’)、このアルコール成分(i)の全C9アルコール組成物中の組成比率(重量%)をp(i)とした場合、WP=Σ(p(i)×WI(i’))/100として与えられる。
【0012】
例えば、ノルマルノナノール40%及び2−プロピル−3−メチルペンタノール60%を含むC9アルコール組成物では、ノルマルノナノールのフタル酸ジエステルのWI=3407と、2−プロピル−3−メチルペンタノールのフタル酸ジエステルのWI=2775から、WP=3407×0.4+2775×0.6=3027.8となる。
【0013】
一方、本発明においては、C9アルコールのフタル酸ジエステル可塑剤組成物に含まれる各フタル酸ジエステル成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのフタル酸ジエステル成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値を、「WP′」と規定する。このWP′値は、前述したWP値とほぼ一致した値となる。
【0014】
WIは上記のように既知のものであり、一般に、C9アルコール組成物に含まれる各異性体の個々の成分に着目した場合、WIが小さくなるにつれ化学構造のトポロジー的な特徴が、最も直鎖性の高いノルマル体から離れていく。また、分岐の多いアルキル鎖を有するアルコールを原料として製造される可塑剤が、耐寒性の点で劣る傾向を有することは従来から知られていることである。しかしながら、C9アルコール組成物のように複雑な多くの異性体を有する場合には、異性体間の化学構造の差異が複雑になるため、それらの化学構造の差異から性能を概ね予測し、可塑剤として好適な異性体混合物を推定することは、従来は知られておらず、WIがアルコールと可塑剤性能との相関を示すことは全く予想もされていなかった。
【0015】
本発明者らは、このWIをあえてC9アルコールとそのフタル酸ジエステルという特定の化合物に適用したところ、驚くべきことに、WAが134〜155となる範囲内(以下、範囲1という)であるか、或いは、WP又はWP′が2900〜3400となる範囲内(以下、範囲2という)となるC9アルコール組成物を選定すれば、用途に応じて要求される可塑剤性能である、耐寒性、耐熱性、電気絶縁性のいずれか、もしくは複数に優れた可塑剤用エステルが得られることを見いだした。
【0016】
範囲1においては、WAが、好ましくは136〜153、更に好ましくは139〜151となる範囲内のC9アルコール組成物を選定するのが好ましく、範囲2においては、WP又はWP′が、好ましくは2950〜3320、更に好ましくは2980〜3240となる範囲内のC9アルコール組成物を選定するのが好ましい。中でも、WAとWP又はWP′の両方が上記の範囲を満たすC9アルコールを選定するのが、可塑剤性能に総合的に優れたエステルを提供できる、という点で更に好ましい。
【0017】
本発明者らは、上述した範囲1及び範囲2の範囲内でも、特に、134≦WA≦149であり、且つ、2900≦WP又はWP′≦3115となる範囲内(範囲3)となるC9アルコール組成物を選定することにより、最も電気絶縁性に優れた性能を示す可塑剤用組成物が得られることを見い出した。範囲3の中では、好ましくは137≦WA≦147の範囲がよく、WP又はWP′値についても、2920≦WP又はWP′≦3100が好ましく、2950≦WP又はWP′≦3070となる範囲が更に好ましい。WP又はWP′値の下限値をあまり低くしすぎると耐熱性が低下するため好ましくない。また、上限は、電気絶縁性の向上する更に好ましい範囲である。
【0018】
本発明者らは、上述した範囲1及び範囲2の範囲内でも、特に、137≦WA≦151であり、且つ、3116≦WP又はWP′≦3144となる範囲内(範囲4)となるC9アルコール組成物を選定することにより、特に電気絶縁性重視の用途の要求を満たし、且つ、耐寒性、耐熱性とのバランスのとれた性能を示す可塑剤用組成物が得られることを見い出だした。範囲4の中では、更には、139≦WA≦149、又は、3116≦WP又はWP′≦3135となる範囲がより可塑剤性能のバランスのとれた領域であるという点で好ましい。
【0019】
本発明者らは、また、上述した範囲1及び範囲2の範囲内でも、特に、137≦WA≦153であり、且つ、3149≦WP又はWP′≦3186となる範囲内(範囲5)となるC9アルコール組成物を選定することにより、特に耐寒性、耐熱性重視の用途の要求を満たし、且つ、電気絶縁性とのバランスのとれた性能を示す可塑剤用組成物が得られることを見い出した。範囲5の中では、更には、139≦WA≦151、又は3157≦WP又はWP′≦3180となる範囲がより可塑剤性能のバランスのとれた領域であるという点で好ましい。
【0020】
本発明者らは、また、上述した範囲1及び範囲2の範囲内でも、特に、140≦WA≦155であり、且つ、3188≦WP又はWP′≦3400となる範囲内(範囲6)となるC9アルコール組成物を選定することにより、最も耐寒性、耐熱性に優れた性能を示す可塑剤用組成物が得られることを見い出した。範囲6の中では、好ましくは142≦WA≦153の範囲がよく、WP又はWP′値についても、3200≦WP又はWP′≦3380が好ましく、3230≦WP又はWP′≦3360となる範囲が更に好ましい。WP又はWP′値の上限があまり高いと電気絶縁性が低下するため好ましくない。また下限は耐水性、耐熱性の向上する好ましい範囲である。
【0021】
本発明では、C9アルコール及びそのフタル酸エステルのWIに着目したが、他の炭素原子数のアルコール、並びに他のエステル、例えば、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸のエステルについても、同じように好適な可塑剤性能を与えるWIを求めることができる。
【0022】
本発明のC9アルコール組成物を製造する方法は特に制限されるものではなく、例えば、一般的なナフサの熱分解又は重軽質油の接触分解によって多量に得られるような炭素数2〜6の低級オレフィン留分をオリゴマー化して得られる炭素数8のオレフィンを原料として、第8族金属、例えば、Rh系またはCo系等の触媒によりヒドロホルミル化反応、次いで、水素化反応をする方法により製造することができる。中でも、ブテンの2量化により得られる炭素数8のオレフィンを原料として得られたC9アルコール組成物が好ましい。
ロジウム系触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行う場合には、通常ロジウム濃度がRh原子として0.1〜1000ppm、温度が80〜200℃、圧力が常圧〜500kg/cm2 G、水素/一酸化炭素比(容量比)が0.5〜4の反応条件で行われる。更に該ロジウム触媒をホスフィン系、ホスファイト系、ホスフィンオキサイド系等の配位子により修飾して用いることもできる。
【0023】
コバルト系触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行う場合には、通常コバルト濃度がCo原子として0.05〜10wt%、温度が80〜180℃、圧力が50〜300kg/cm2 G、水素/一酸化炭素比(容量比)が0.5〜4の反応条件で行われる。更に該コバルト触媒をホスフィン系、ホスファイト系、ホスフィンオキサイド系等の配位子により修飾して用いることもできる。
中でも、ロジウム系触媒を使用してヒドロホルミル化反応を行い、次いで、水素化反応を行った場合には、上述した本発明の範囲の領域のC9アルコール組成物を効果的に得ることができるという点で好ましい。
ヒドロホルミル化反応では、溶媒は通常用いる必要はないが、反応に不活性な有機溶媒を用いることもできる。水素化反応は、ニッケル、クロム、銅などの通常の水素化触媒を用い、通常常圧以上、好ましくは30〜300気圧及び通常、室温以上、好ましくは100〜200℃の条件下で行われる。
【0024】
こうして得られた粗アルコールは、清留塔により蒸留精製される。粗アルコールの蒸留精製は通常、理論段数3〜50段の蒸留塔を用いて塔頂圧力が数mmHg〜760mmHg、塔頂温度が50〜220℃の条件下で行われる。
本発明の可塑剤用C9アルコールは、本発明の組成となるように蒸留精製時に留出液の取得量を調節する方法、あるいは留出液を細分化して取得し、それらを適当に混合して調製する方法などにより容易に得ることができる。
また、上述したように得られたC9アルコール組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明のC9アルコール以外の炭素原子数の異なるアルコールを併用してもよい。
【0025】
本発明の可塑剤組成物を製造するには、従来から知られているエステル系可塑剤の製造方法を採用することができる。例えば、フタル酸もしくはフタル酸無水物と、上記のC9アルコール組成物との混合物を、好ましくは硫酸等酸触媒或いは Tetra iso-Propyl Titanate、Di Butyl Tin Oxide等金属系触媒に代表される様な各種エステル化反応触媒の存在下、要すれば窒素雰囲気中において加熱し、反応により生成する水を除去しながら、エステル生成物の沸点以下の温度で反応を行うことにより製造することができる。
【0026】
エステル化の反応温度としては、使用する触媒によって異なるが、概ね 100〜 250℃、好ましくは 120〜 230℃の範囲で行うことが、エステルの安定性及び脱水効率等の面から望ましい。反応終了後は、真空蒸留(ストリッピング)、水蒸気蒸留、アルカリ中和、吸着剤添加、水洗浄、アルカリ洗浄、濾過等の精製処方を用いて、系内に残存する未反応のアルコール、触媒、未反応カルボン酸を除去、精製することにより、目的とするエステル組成物が得られる。その際、脱色剤、脱臭剤、吸着剤、濾過助剤等の品質改良助剤を添加しても差し支えない。本発明のエステル組成物は、上述したようなWP′値を満たすものであれば、数種類のエステル組成物を混合して調製したものでもよい。
【0027】
本発明による可塑剤組成物は、塩化ビニル系樹脂に配合することによりその組成物に対し所望の硬度を付与し、塩化ビニル系樹脂組成物として使用することができる。可塑剤組成物の配合量は、所望の硬度或いは所望の加工性により規定されることとなるが、例えば、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは10〜150重量部配合される。一般に可塑剤の低配合領域では、その加工性の改良に対しての効果が期待されるが、10重量部未満ではその効果の発現が顕著ではない。また、高配合領域では、その可塑化能力が期待されるところであるが、200重量部以上の領域においては、その可塑化能力の付与に対して製品成形後の物性変化が顕著となり、良好な製品が得られないという欠点が生ずる。
【0028】
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に、本発明の可塑剤組成物、又は必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の可塑剤組成物以外の可塑剤を併用してもよく、また塩化ビニル系樹脂に通常添加される添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加・配合し、目的に応じた加工法を用いて、加熱、混合することにより得ることができる。混合機としては、塩化ビニル系樹脂の加工に通常使用される、ブレンダー、スーパーミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、カレンダーロール、各種押出成型機等が用いられる。
【0029】
上記塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの単独重合体のほか、塩化ビニルを主成分とする他の共重合可能なコモノマーとの共重合体等、塩化ビニルを主な構成単位とする樹脂をいう。共重合可能なコモノマーとしては、エチレン、プロピレン、アクリトニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル等が挙げられる。
【0030】
更に本発明による可塑剤組成物は、塩化ビニル系樹脂に用いるのが好ましいが、塩化ビニル樹脂のみならず、例えばNBR,SBR,CR等のゴム組成物,ウレタン等エラストマー組成物,酢酸ビニル、塩素化ポリエチレン,セルロール,アクリル,スチロール,ブチラール等樹脂組成物等各種ポリマーに対して塩化ビニル樹脂組成物の場合と同様にして使用することができる。
【0031】
【実施例】
次に本発明の組成物を実施例にて詳述するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
2、3−ジメチルヘプタノール(WI=137、フタル酸ジエステルのWI=2951)41.0%、2−メチルオクタノール(WI=153、フタル酸ジエステルのWI=3143)23.0%、2−エチルヘプタノール(WI=145、フタル酸ジエステルのWI=2967)26.0%、2−プロピルヘキサノール(WI=141、フタル酸ジエステルのWI=2879)5.0%及び2、3、4−トリメチルヘキサノール(WI=125、フタル酸ジエステルのWI=2847)5.0%が混合したC9アルコール360g(2.5モル)と無水フタル酸148g(1.0モル)及びTetra iso-Propyl Titanate 0.2gを撹拌機及び冷却管付き油水分離装置を装着したフラスコに仕込み、反応温度を220℃まで上げながら反応を進行させた。昇温途上から反応生成水を系外に除去し、その後還流状態を保持するため必要に応じて系を減圧にしながら反応を進め、系中酸価が 0.10 mgKOH/g になったところで反応を停止させた。その後加熱を停止して、減圧度を 10 mmHgまで高めながら過剰分のアルコールを除去した。反応液を5%Na2CO3水溶液100gで洗浄し油水分離を行った後、更に水で2回洗浄を行った。その後水蒸気蒸留を2時間行い(140℃、40mmHg)、脱水後濾過して製品とした。合成したフタル酸ジエステルの性状は次に示す通りである。
酸価 0.01mgKOH/g (JIS k−6751に準拠)
色相 20 APHA (JIS k−6751に準拠)
かかるフタル酸ジエステルを可塑剤として使用して、表−1の配合で塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。
【0032】
【表1】
塩化ビニル樹脂 100部
(三菱化学(株)製、商品名ビニカ(商標登録)SG−1300、
平均重合度1300)
C9アルコールフタル酸エステル 50部
炭酸カルシウム(備北粉化(株)製、商品名ソフトン1200) 10部
ステアリン酸バリウム(日東化成工業(株)製) 0.5部
鉛系安定剤(品川化工(株)製、商品名TS−GM) 5部
【0033】
上記の配合物を、ビーカー中で予備混合した後、常法により160℃に温度調節した二本ミルロール上で十分に混合し(7分間)、しかる後、所定の厚さとなるようプレス加工(温度160℃、予熱1.96MPa(20kg/cm2 )で2分間、プレス19.6MPa(200kg/cm2 )で3分間)した。得られたシートを用いて、表−2の方法で物性を測定し、可塑剤としての性能を評価した。各異性体のWIの重量組成平均を計算したところ、WAはWA=137×0.41+153×0.23+145×0.26+141×0.05+125×0.05=142.36、WPは、WP=2951×0.41+3143×0.23+2967×0.26+2879×0.05+2847×0.05=2990.52であった。結果を表−3に示す。
【0034】
【表2】
(1)引っ張り試験 JIS K6723に準拠した。
(2)加熱後引っ張り試験 JIS K6723に準拠した。
(3)耐寒性(脆化温度) JIS K6723に準拠した。
(4)体積抵抗率 JIS K6723に準拠した。
【0035】
[実施例2]
2,5−ジメチルヘプタノール(WI=141、フタル酸ジエステルのWI=3039)92.0%、2−プロピル−3−メチルペンタノール(WI=129、フタル酸ジエステルのWI=2775)8.0%が混合したC9アルコールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAは、WA=141×0.92+129×0.08=140.04、WPは、WP=3039×0.92+2775×0.08=3017.88であった。結果を表−3に示す。
【0036】
[実施例3]
4,5−ジメチルヘプタノール(WI=137、フタル酸ジエステルのWI=3111)30.8%、4−メチルオクタノール(WI=149、フタル酸ジエステルのWI=3215)44.3%、2、3−ジメチルヘプタノール(WI=137、フタル酸ジエステルのWI=2951)10.3%、2−メチルオクタノール(WI=153、フタル酸ジエステルのWI=3143)7.8%、2−エチルヘプタノール(WI=145、フタル酸ジエステルのWI=2967)4.5%、2−プロピルヘキサノール(WI=141、フタル酸ジエステルのWI=2879)1.3%及び2、3、4−トリメチルヘキサノール(WI=125、フタル酸ジエステルのWI=2847)1.0%が混合したC9アルコールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAは、WA=137×0.308+149×0.443+137×0.103+153×0.078+145×0.045+141×0.013+125×0.010=143.856、WPは、WP=3111×0.308+3215×0.443+2951×0.103+3143×0.078+2967×0.045+2879×0.013+2847×0.010=3130.952であった。結果を表−3に示す。
【0037】
[実施例4]
4,5−ジメチルヘプタノール(WI=137、フタル酸ジエステルのWI=3111)41%及び4−メチルオクタノール(WI=149、フタル酸ジエステルのWI=3215)59%が混合したC9アルコールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAは、WA=137×0.41+149×0.59=144.08、WPは、WP=3111×0.41+3215×0.59=3172.36であった。結果を表−3に示す。
【0038】
[実施例5]
6−メチルオクタノール(WI=153、フタル酸ジエステルのWI=3303)96.0%及び2−メチルオクタノール(WI=153、フタル酸ジエステルのWI=3143)4.0%が混合したC9アルコールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAはWA=153×0.96+153×0.04=153、WPはWP=3303×0.96+3143×0.04=3296.6であった。結果を表−3に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0003760679
【0040】
[比較例1]
5−ノナノール(WI=149)100%を用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAはWA=149.00、WPはWP=2735.00であった。結果を表−4に示す。
[比較例2]
2−エチル−4−メチル−ヘキサノール(WI=133、フタル酸ジエステルのWI=2863)94.6%、2、3、4−トリメチルヘキサノール(WI=125、フタル酸ジエステルのWI=2847)5.4%が混合したC9アルコールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAは、WA=133×0.946+125×0.054=132.568、WPは、WP=2863×0.946+2847×0.054=2862.136であった。結果を表−4に示す。
【0041】
[比較例3]
3、5、5−トリメチルヘキサノール(WI=131、フタル酸ジエステルのWI=3019)100%を用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。1成分であるから、WA=131、WP=3019であった。結果を表−4に示す。
[比較例4]
2−ノナノール(WI=158)100%を用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAはWA=158.00、WPはWP=3113.00であった。結果を表−4に示す。
【0042】
[比較例5]
ノルマルノナノール(WI=165、フタル酸ジエステルのWI=3407)52.4%、2−メチルオクタノール(WI=153、フタル酸ジエステルのWI=3143)41.0%、2−エチルヘプタノール(WI=145、フタル酸ジエステルのWI=2967)4.4%及び、2−プロピルヘキサノール(WI=141、フタル酸ジエステルのWI=2879)2.2%が混合したC9アルコールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。WAは、WA=165×0.524+153×0.41+145×0.044+141×0.022=158.67、WPはWP=3407×0.524+3143×0.41+2967×0.044+2879×0.022=3267.78であった。結果を表−4に示す。
[比較例6]
ノルマルノナノール(WI=165、フタル酸ジエステルのWI=3407)100%を用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。1成分であるから、WA=165.00、WP=3407.00であった。結果を表−4に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0003760679
【0044】
上記実施例及び比較例より、本発明のC9アルコール及びこれを用いて得られるフタル酸ジエステル可塑剤組成物について、以下の諸点が認められる。
実施例と比較例とを比較すると、比較例1〜3では、耐熱性が工業的な要求を満たしておらず、また比較例4〜6は電気絶縁性の点で実用的でないのに対して、実施例の可塑剤用アルコールは、可塑剤性能が総合的に優れたエステルを提供していることが分かる。
【0045】
塩化ビニル系樹脂は各種用途で使用されており、それぞれの用途に応じて必要性能が異なる。従って、可塑剤性能の中でも、電気絶縁性、耐寒性、耐熱性の値については、一概に必要量を規定できるものではないが、実施例中の値をもって、一つの基準と見なすことができる。自動車関連部品、建設関連部材その他の樹脂製品を考えた場合、その柔軟性、特に低温時の柔軟性を現す耐寒性は材料を検討する際の重要な性能となる。これらの可塑剤性能の値に関しては、その製品性状によって使用条件が異なっており、一概にその境界値を設定することは難しい。アルコールの炭素数により要求される可塑剤性能は異なるが、C9アルコール組成物由来の可塑剤の場合には、脆化温度が−20℃よりも低いものについては、一般的な可塑剤として良好な性能を示すと見なすことができる。更に使用時に於ける耐久性の指標として耐熱性も重要な性能となってくるが、これに関しても耐熱試験(120℃)における重量損失が10%以下のものは、一般的な可塑剤として良好に使用できるものである。また、電線用途等の電気関係に使用される場合には、電気絶縁性が重要な物性となり、1.0E+13以上の抵抗値を有することが好ましい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の可塑剤用アルコールを用いることにより、用途に応じて要求される性能、即ち耐寒性、耐熱性及び電気絶縁性のいずれか、もしくは複数が優れた可塑剤組成物を提供することができるため、工業的な利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノルマルノナノールのWIを示す図である。
【図2】2−プロピル−3−メチルペンタノールのWIを示す図である。
【図3】2−プロピル−3−メチルペンタノールのフタル酸ジエステルのWIを示す図である。
【図4】3−エチル−4−メチルヘキサノールのWIを示す図である。
【図5】3−エチル−4−メチルヘキサノールのフタル酸ジエステルのWIを示す図である。
【図6】本発明の実施例及び比較例のC9アルコール組成物のWAとWPを示す図である。

Claims (11)

  1. 炭素原子数が9の脂肪族アルコール組成物(以下「C9アルコール組成物」と記す)であって、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(以下「WI」と記す)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下「WA」と記す)が、134≦WA≦155であり、且つ、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下「WP」と記す)が、2900≦WP≦3400であることを特徴とする可塑剤用C9アルコール組成物。
  2. C9アルコール組成物であって、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WA)と、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WP)が、134≦WA≦149、且つ、2900≦WP≦3115である請求項1に記載の可塑剤用C9アルコール組成物。
  3. C9アルコール組成物であって、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WA)と、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、1つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WP)が、137≦WA≦151、且つ、3116≦WP≦3144である請求項1に記載の可塑剤用C9アルコール組成物。
  4. C9アルコール組成物であって、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WA)と、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WP)が、137≦WA≦153、且つ、3149≦WP≦3186である請求項1〜3のいずれかに記載の可塑剤用C9アルコール組成物。
  5. C9アルコール組成物であって、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WA)と、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WP)が、140≦WA≦155、且つ、3188≦WP≦3400である請求項1に記載の可塑剤用C9アルコール組成物。
  6. 5種類以上のC9アルコールの混合物である請求項1〜5に記載の可塑剤用C9アルコール組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の可塑剤用C9アルコール組成物を用いて製造されたフタル酸ジエステル可塑剤組成物。
  8. C9アルコール組成物のフタル酸ジエステル可塑剤組成物であって、該可塑剤組成物に含まれる各フタル酸ジエステル成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのフタル酸ジエステル成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下、「WP′」と記す)が、2900≦WP′≦3400であることを特徴とするフタル酸ジエステル可塑剤組成物。
  9. 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、請求項又はに記載の可塑剤組成物を1〜200重量部配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  10. C9アルコール組成物をフタル酸又はフタル酸無水物と反応させて、フタル酸ジエステル可塑剤用組成物を製造する方法において、C9アルコール組成物として、該組成物に含まれる各C9アルコール成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WA)を考慮し、このWAの範囲が134≦WA≦155となり、且つ、該組成物に含まれる各C9アルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC9アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(WP)を考慮し、このWPの範囲が2900≦WP≦3400となるC9アルコール組成物を選定することを特徴とするフタル酸ジエステル可塑剤用組成物の製造方法。
  11. フタル酸ジエステル可塑剤組成物が、該可塑剤組成物に含まれる各フタル酸ジエステル成分について、その水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのフタル酸ジエステル成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下、「WP′」と記す)が、2900≦WP′≦3400となるフタル酸ジエステル可塑剤組成物である請求項10に記載のフタル酸ジエステル可塑剤組成物の製造方法。
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