JP2000128828A - アルコール及び/又はアルデヒドの製造法、該アルコールを用いたエステルの製造法、該エステルを含む可塑剤、及び可塑剤を用いた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

アルコール及び/又はアルデヒドの製造法、該アルコールを用いたエステルの製造法、該エステルを含む可塑剤、及び可塑剤を用いた熱可塑性樹脂組成物

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JP2000128828A
JP2000128828A JP29937098A JP29937098A JP2000128828A JP 2000128828 A JP2000128828 A JP 2000128828A JP 29937098 A JP29937098 A JP 29937098A JP 29937098 A JP29937098 A JP 29937098A JP 2000128828 A JP2000128828 A JP 2000128828A
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alcohol
olefin
olefinic
aldehyde
mixed
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JP29937098A
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English (en)
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陽子 ▲せ▼藤
Yoko Seto
Hisao Takeuchi
久雄 竹内
Masatomo Asai
政知 浅井
Iwao Nakajima
巌 中嶋
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の可塑剤性能が直接又は簡便な方法で得
られるような可塑剤原料としてのアルコール又はアルデ
ヒドの製造方法を提供する。また、得られる可塑剤の性
能を所望の方向へ改良する原料となるアルコール又はア
ルデヒドを提供するための方法。さらに従来から知られ
ているヒドロホルミル化反応手法を変える方法と組み合
わせて使用することにより、耐寒性、電気絶縁性、耐寒
性、相溶性等、種々ある可塑剤性能をあまり変化させず
に、他の性質をそれよりも大きく変化させる、というよ
うな要望に対しても応えうる手法となる。 【解決手段】 少なくとも直鎖α−オレフィン以外のオ
レフィン性化合物の骨格異性体を含有している混合オレ
フィン性化合物のヒドロホルミル化反応において、該混
合オレフィン性化合物の各骨格異性体に於けるオレフィ
ン性二重結合の位置分布が、ヒドロホルミル化反応温度
における熱力学的平衡組成のオレフィン性二重結合の位
置分布とは異なることを特徴とするアルデヒド及び/ま
たはアルコ−ルの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン性化合
物のヒドロホルミル化反応により、アルデヒド類または
アルコ−ル類を製造する方法、ならびにそれらから誘導
されるエステル、それを用いた可塑剤、さらには該可塑
剤を使用した熱可塑性樹脂に関するものである。本発明
によれば、原料となるオレフィンのオレフィン位置分布
の制御されたものを用いるか、あるいはオレフィン位置
分布を制御することにより、所望の性能の可塑剤を得る
ことが出来るというものである。
【0002】
【従来の技術】第VIII族金属触媒を用いて、オレフィン
性化合物を水素および一酸化炭素と反応させてアルデヒ
ド及び/またはアルコ−ルを製造する方法は、ヒドロホ
ルミル化反応として知られており、得られるこれらの化
合物の主用途の一つに、フタル酸エステル等のエステル
に誘導して、熱可塑性樹脂、例えば塩化ビニル樹脂用の
可塑剤としての用途があることが知られている。しかし
ながら従来は、可塑剤性能は、ヒドロホルミル化の触媒
系の種類等を変えることにより、生成するアルコールの
枝分かれの種類や率が変わるので、それによって可塑剤
性能を制御することが可能であることは知られている
が、原料オレフィン性化合物のオレフィン二重結合の位
置の分布、特には該オレフィン性化合物が混合物である
場合に、そのオレフィン二重結合の位置分布により、可
塑剤性能が制御可能であるという知見は全く存在してい
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、その目的は、ヒドロホルミル化反
応に使用する原料オレフィン性化合物の混合物のオレフ
ィン二重結合位置の分布を制御するという新たな手段に
より、所望可塑剤性能が得られ、また得られる可塑剤の
性能を所望の方向へ改良することも出来ることを見出し
たもので、このことは、従来から知られているヒドロホ
ルミル化反応手法を変える方法と組み合わせて使用する
ことにより、さらに、耐寒性、電気絶縁性、耐寒性、相
溶性等、種々ある可塑剤性能をあまり変化させずに、他
の性質をそれよりも大きく変化させる、というような要
望に対しても応えうる手法となるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(6): (1)少なくとも直鎖α−オレフィン以外のオレフィン
性化合物の骨格異性体を含有している混合オレフィン性
化合物のヒドロホルミル化反応において、該混合オレフ
ィン性化合物の各骨格異性体に於けるオレフィン二重結
合位置分布が、ヒドロホルミル化反応温度における熱力
学的平衡組成のオレフィン二重結合位置分布とは異なる
オレフィン位置分布を持つ混合オレフィン性化合物であ
ることを特徴とする、アルデヒド及び/またはアルコ−
ルの製造法。
【0005】(2)少なくとも直鎖α−オレフィン以外
のオレフィン性化合物の骨格異性体を含有している混合
オレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応において、
該原料混合オレフィン性化合物の各骨格オレフィン性化
合物に於けるオレフィン二重結合位置分布が、ヒドロホ
ルミル化反応の転化率の変化に伴って変化するようなヒ
ドロホルミル化触媒を用いることを特徴とする、アルデ
ヒド及び/またはアルコ−ルの製造法。
【0006】(3)上記(1)及び(2)のいずれかの
方法によって製造されたアルデヒド及び/またはアルコ
−ルを、必要に応じて水素化して得られる混合アルコ−
ル組成物。 (4)上記(1)及び(2)のいずれかによって製造さ
れたアルコ−ルを用いて製造されるエステル組成物。 (5)熱可塑性樹脂の可塑剤用途に供される上記(4)
のエステル化合物。 (6)該エステル組成物を含有する熱可塑性樹脂組成
物。の発明を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明方法で使用する混合オレフィン性化合物としては、
少なくとも、直鎖α−オレフィン以外のオレフィン性化
合物の骨格異性体を複数含有しているものである。この
直鎖α−オレフィン以外のオレフィン性化合物として
は、炭素数3から40のオレフィン性二重結合を、単数
もしくは複数有する化合物を使用することができる。こ
れらのオレフィン性化合物は、本質的にヒドロホルミル
化反応に悪影響を与えない置換基、例えばカルボニル
基、カルボニルオキシ基、オキシ基、ヒドロキシル基、
オキシカルボニル基、ハロゲン、アルコキシル基、アリ
−ル基、ハロアルキル基を有していてもよい。
【0008】該混合オレフィン性化合物としては、少な
くとも、直鎖α−オレフィン以外のオレフィン性化合物
を一種又は複数含有するものであり、直鎖α−オレフィ
ンは含んでいてもいなくても良い。オレフィン性化合物
を複数含む場合は、それらのオレフィン性化合物の炭素
数は同一でも異なっていても良い。これらのオレフィン
化合物のうち、可塑剤用のエステル原料として好ましい
という観点から、炭素数4から13の直鎖骨格または分
岐鎖骨格の、オレフィン性二重結合を単数有する炭化水
素化合物が用いられる。これらの可塑剤原料に適した炭
化水素としては、より炭素数の小さいオレフィン性炭化
水素のオリゴメリゼ−ションによって得られた混合オレ
フィン性化合物を使用することも出来る。
【0009】具体的なオレフィン性化合物のいくつかを
例示すると、直鎖骨格並びに分岐鎖骨格を共に含むブテ
ン類混合物、直鎖骨格並びに分岐鎖骨格を共に含むペン
点類混合物、直鎖骨格並びに分岐鎖骨格のいずれかを複
数含むヘキセン類混合物、直鎖骨格並びに分岐鎖骨格の
いずれかを複数含むオクテン類混合物、直鎖骨格並びに
分岐鎖骨格のいずれかを複数含むノネン類混合物、直鎖
骨格並びに分岐鎖骨格のいずれかを複数含むデセン類混
合物、プロピレンのオリゴメリゼ−ションによって得ら
れる混合オレフィン、ブテンのオリゴメリゼ−ションに
よって得られる混合オレフィン、低炭素数の混合オレフ
ィンのコオリゴメリゼ−ションによって得られる混合オ
レフィン等が挙げられる。
【0010】このような混合オレフィン性化合物として
は、炭素数ごとならびに骨格ごとに、オレフィン性二重
結合の位置分布に関して、熱力学的な平衡組成というも
のが存在する。ここで言うオレフィン性二重結合の位置
の熱力学的平衡組成は、例えば半経験的分子軌道計算を
用いた構造最適化計算により、各異性体の与えられた温
度における自由エネルギ−を求め、その異性体間の自由
エネルギ−の差異より平衡組成分布を求めることが出来
る(この求め方に関しては、「化学工学便覧、改訂第5
版(丸善(株)発行)第69頁乃至第80頁の「化学平
衡/反応熱」の項目を参照)。また、半経験的分子軌道
計算のプログラムとして、代表的な物は、「MOPA
C」が挙げられる(「MOPAC」に関しては、J.J.P
Stewart,Journal of Computer-Aided Molecular Desig
n,4,1(1990)ならびにその中の引用文献を参照)。
【0011】本発明では、混合オレフィン性化合物をヒ
ドロホルミル化反応するに際し、該混合オレフィン性化
合物として、反応温度における熱力学的な平衡組成の二
重結合の位置分布とは異なる組成のものを使用すること
によって、後で説明するような、生成したアルデヒドや
アルコールを使用して製造したエステル化合物が、熱可
塑性樹脂の可塑剤として好適であるような製造方法を提
供するものである。
【0012】本発明の第1の方法では、使用する混合オ
レフィン性化合物が、オレフィン性化合物のオレフィン
性二重結合の位置が異なる複数のオレフィン性化合物の
混合物であって、該複数の化合物の組成は、ヒドロホル
ミル化反応において、該反応温度における上記オレフィ
ン性二重結合の位置の熱力学的平衡組成とは異なるもの
を使用するというものである。
【0013】本発明では、「該オレフィン性二重結合の
位置分布が熱力学的平衡組成とは異なる」混合オレフィ
ン性化合物の組成としては、好ましくは炭素数6以上の
オレフィンの混合物であって、直鎖オレフィンを含有
し、該直鎖オレフィンにおいて、2−オレフィンの量が
3−オレフィンの量の1.6倍以上であるものである。
また該混合オレフィン性化合物の組成としては、他に、
炭素数6以上のオレフィンであって、1ケ所の分岐骨格
を持つ分岐オレフィンを含有し、該分岐オレフィンにお
いて、2つのSP2炭素に対して2つの水素と2つのS
3炭素が結合したオレフィンの量が、2つのSP2炭素
に対して1つの水素と3つのSP3炭素が結合したオレ
フィンの量の0.55倍以上であるであるものも好まし
い。
【0014】更に他の該混合オレフィン性化合物の組成
としては、炭素数7以上のオレフィンであって、隣接し
た2ケ所の分岐を持つ骨格のオレフィンを含有し、当該
骨格のオレフィンにおいて、2つのSP2炭素に対して
1つの水素と3つのSP3炭素が結合したオレフィンの
量が、2つのSP2炭素に対して4つのSP3炭素が結合
したオレフィンの量の4.5倍以上であるものも好まし
い。
【0015】また本発明では、たとえばヒドロホルミル
化反応において、オレフィン位置異性化能を持つ触媒の
存在下で反応を行う場合、特に好ましくは原料混合オレ
フィン性化合物の転化率の変化に伴い、各骨格異性体に
於けるオレフィン性二重結合の位置分布が変化するよう
なヒドロホルミル化触媒を用いる場合も、本発明の「熱
力学的平行組成とは異なる」場合に相当する場合があ
る。
【0016】すなわち、そのような触媒を使用する反応
によってオレフィン性二重結合の位置が移動し、最終的
にはそれぞれの異性体分子の分子構造の安定性の高いも
のに多く分布した組成に変化することにより、その組成
は、反応に使用する混合オレフィン性化合物の熱力学的
平衡組成とは異なるものになる場合があるということで
ある。これは例えば該ヒドロホルミル化反応において、
オレフィン性二重結合の位置異性化が起こり、かつ異性
化速度がヒドロホルミル化反応速度よりも小さい場合に
顕著となる。本発明ではそのような触媒及び反応条件を
選択するのが好ましい。本発明ではこのようなオレフィ
ン性化合物において、オレフィン性二重結合の位置分布
の変化Dを規定する方式の一つとして、次のような式
(1)を用いた。
【0017】
【数2】 D={〔(x2/X2−x1/X1)−1〕の最大値/(Conv2/Conv1) }・・・式(1) (式中、x1はt1時間後のオレフィン性化合物(いずれ
か一種)の量、x2は(t2)時間後の該オレフィン性化
合物の量、X1は該オレフィン化合物とオレフィン二重
結合の位置が異なるが、骨格構造は同一の異性体のt1
時間後の量、X2は該異性体の(t2)時間後の量、Co
nv1はt1時間後、Conv2は(t2)時間後のオレフ
ィンからアルコール及び/又はアルデヒドへの転化率を
表す。なお、t1、t2は反応時間で0時間以上、かつt
2>t1であれば良い。)
【0018】本発明において、上記のようなオレフィン
性二重結合の位置異性化能を持つヒドロホルミル化触媒
として用いられる触媒としては、具体的には第VIII族金
属触媒が挙げられ、例えばRu3(CO)12、RuC
3、Ru(AcAc)3(Acはアセチル基を表わす)
等のルテニウム化合物、Pd(OAc)2、PdCl2
のパラジウム化合物、PtCl2等の白金化合物、Co2
(CO)8等のコバルト化合物、RhCl3、Rh(OA
c)3、Rh(AcAc)(CO)2等のロジウム化合物
が挙げられる。また、これら第VIII族金属を担体に担持
させたものや、これらの第VIII族金属を複数組み合わせ
たものが挙げられる。なお、本発明においては、該第VI
II族金属としては、ロジウムであるのが好ましい。
【0019】使用される第VII族金属の使用量は広範囲
に変化させ得るが、通常ヒドロホルミル化反応帯域にお
ける濃度が金属原子換算で、1−10000ppm、好
ましくは10−5000ppmの範囲内である。本発明
で使用する上記特徴を有するヒドロホルミル化触媒とし
ては、上記第VIII族金属のみで使用することも可能であ
るが、配位子類を共存させることも可能である。配位子
としては、単座ならびに複座の、窒素化合物ならびにリ
ン化合物が多くの場合使用される。具体的な配位子とし
ては、ピリジン、インド−ル等の芳香族窒素化合物類、
トリエチルアミン等のアルキルアミン類、フェナントロ
リン等の2官能性化合物、トリフェニルホスフィンやト
リオクチルホスフィンといった3級ホスフィン、その類
似構造のホスフィナイト類、ホスホナイト類、ホスファ
イト類、ホスフィンオキサイド類、及びそれらの多座型
のものが挙げられる。
【0020】これらの、配位子の使用量としては、第VI
II族金属原子に対して配位子/金属モル比が0倍から1
000倍以下、好ましくは0倍から500倍以下の条件
で用いるのが好ましい。本発明のヒドロホルミル化方法
に於いては、必ずしも溶媒を必要としないが、一般に反
応条件下で不活性な溶媒を使用することが出来る。使用
する溶媒の量は任意であり、例えば反応媒体中に第VIII
族金属の必要量を溶解するのに十分な量を用いれば良
い。使用できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、ジエチルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、エチル−n−ブチルケトン等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノー
ル、n−アルカノール等のアルコール類等、また反応中
で生成する液体アルデヒドと同一または異なる液体アル
デヒド、またはその縮合生成物、さらには出発物質のオ
レフィン性化合物の過剰量を用いることが出来る。また
これらの化合物の混合物も使用することが出来る。
【0021】本発明のヒドロホルミル化反応の、反応温
度は、室温から300℃程度の範囲から選択することが
できるが、50℃以上程の温度範囲を選ぶのが反応速度
の面からみて一般的である。水素と一酸化炭素の混合ガ
ス(水性ガス)の合計圧力は常圧から300kg/cm
2程度の範囲から選択され、好ましくは5kg/cm2
上の範囲が好ましい。水性ガスの他に窒素、ヘリウム、
アルゴン等の反応に不活性な気体を共存させることも可
能である。水素と一酸化炭素のモル比は通常1:10−
100:1、好ましくは1:2から10:1の範囲内で
ある。
【0022】本発明のヒドロホルミル化工程の反応方法
は、攪拌型反応槽や気泡塔型反応槽など一般に使用され
る任意の装置を用いて行うことができ、反応方式も連続
式、半連続式、および回分式操作を含む周知の技術を用
いて実施し得る。本発明で使用される触媒は、触媒成分
とヒドロホルミル化反応生成物を公知の方法により分離
し、該分離された一部または全部の触媒成分をヒドロホ
ルミル化反応帯域へ循環させて触媒として再使用するこ
とも出来る。
【0023】また、本発明の方法により得られたカルボ
ニル化化合物は、触媒の種類によっても異なり、例えば
コバルト触媒や一部のロジウム触媒を使用した場合はア
ルコールを含むが、それらの場合を除き、主たる組成が
構造異性体混合アルデヒドであることが多い。このよう
な構造異性体混合アルデヒドは、通常の水素化反応によ
り、構造異性体混合アルコ−ルに誘導される。水素化反
応はニッケル、クロム、銅等の通常の水素化触媒を用
い、通常常圧以上、好ましくは30−300Kg/cm
2、および通常室温以上、好ましくは100−200℃
条件下で行われる。
【0024】以上のような本発明の方法によって得られ
たアルコ−ルは、カルボン酸やその無水物のカルボン酸
類と通常の方法で反応させることにより、容易に有用な
エステル化合物へと導くことができる。本発明のエステ
ル化合物を製造するには、従来から知られているエステ
ルの製造方法を採用することができる。例えば、本発明
で得られるエステル化合物として、可塑剤用途等に好ま
しいものであるフタル酸エステルを製造するには、フタ
ル酸もしくはフタル酸無水物と、上記のアルコールとの
混合物を、好ましくは硫酸等の酸触媒或いはテトライソ
プロピルチタネート、ジブチルチンオキサイド等の金属
系触媒に代表される様な各種エステル化反応触媒の存在
下、または不在下、要すれば窒素雰囲気中において加熱
し、反応により生成する水を除去しながら、エステル生
成物の沸点以下の温度で反応を行う。その際の反応温度
としては、使用する触媒によって異なるが、概ね100
〜250℃、好ましくは120〜230℃の範囲で行う
ことが、エステルの安定性及び脱水効率等の面から望ま
しい。反応終了後は、真空蒸留(ストリッピング)、水
蒸気蒸留、アルカリ中和、吸着剤添加、水洗浄、アルカ
リ洗浄、濾過等の精製処方を用いて、系内に残存する過
剰分のアルコール、触媒、未反応カルボン酸分を除去、
精製することにより、目的とする可塑剤を得ることがで
きる。その際、脱色剤、脱臭剤、吸着剤、濾過助剤等の
品質改良剤を添加しても良い。
【0025】本発明のエステル化合物の製造に用いられ
るカルボン酸類としては、芳香族系或いは脂肪族系カル
ボン酸であれば何でも良く、例えば芳香族系カルボン酸
として、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等が、脂
肪族カルボン酸として、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、フマル酸、ステアリン酸、オクチル酸等が挙
げられる。これらのカルボン酸は単独で使用しても、或
いはその他のカルボン酸と混合して用いても良い。ま
た、本発明によるエステル化合物は、本発明によるアル
コール成分を必須成分として含むものであれば、これを
単独で使用しても、或いはその他のアルコールを混合し
て使用しても良い。
【0026】更に本発明により得られるエステル化合物
の組成物は、例えば塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂に
可塑剤組成物として配合することにより、その樹脂に対
して所望の硬度を付与することができるものである。該
可塑剤組成物の樹脂への配合量は、所望の硬度、或いは
所望の加工性により異なるが、例えば塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して通常1〜200重量部、好ましく
は10〜150重量部の範囲で配合されることが一般的
である。
【0027】該塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの単
独重合体のほか、塩化ビニルを主成分とする、他の共重
合可能なコモノマーとの共重合体等の塩化ビニルを主な
構成単位とする樹脂をいう。該共重合可能なコモノマー
としては、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、
酢酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アクリル
酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステ
ル等が挙げられる。
【0028】本発明の可塑剤組成物を塩化ビニル系樹脂
に配合して塩化ビニル系樹脂組成物及び軟質樹脂製品を
製造する際は、本発明の目的を損なわない範囲で、本発
明の可塑剤組成物以外の可塑剤を併用してもよく、また
塩化ビニル系樹脂に通常添加される添加剤、例えば安定
剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収
剤、着色剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加してもよ
い。該本発明の可塑剤等を添加した塩化ビニル系樹脂組
成物は、目的に応じた加工法を用いて、加熱、混合する
ことにより得ることができる。混合機としては、塩化ビ
ニル系樹脂の加工に通常使用される、ブレンダー、スー
パーミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、カレ
ンダーロール、各種押出成型機等が用いられる。
【0029】更に本発明により製造されるエステル化合
物の組成物は、塩化ビニル樹脂のみならず、例えばNB
R,SBR,CR等のゴム組成物,ウレタン等エラスト
マー組成物,酢酸ビニル、塩素化ポリエチレン,セルロ
ール,アクリル,スチロール,ブチラール等樹脂組成物
等各種ポリマーに対して、塩化ビニル樹脂組成物の場合
と同様に可塑剤組成物として好ましく使用することがで
きる。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明の具体的態様をさら
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り
以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 (アルデヒドとアルコールの調製例)内容積200ml
の上下撹拌方式ステンレス製オートクレーブに、窒素ガ
ス雰囲気下で0.054ミリモルのRh(AcAc)
(CO)2、0.54ミリモルのトリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、下記表−1に組成
を示した100mlの混合オクテン、及びガスクロマト
グラフィ分析のための内部標準物質として10.0ml
のm−キシレンを仕込んだ。H2/COモル比=1で、
圧力が50kg/cm2の一定圧力を維持するような水
性ガスを供給しながら、130℃で5時間反応を継続し
たのち、ガスクロマトグラフィで反応液を分析した結
果、下記表−1に示したような転換率(Conv)なら
びに各アルコール成分の選択性でノナナ−ル異性体混合
物(C9アルデヒド混合物)が得られた。更に、当該生
成物を水素化して、ノナノ−ル異性体混合物(C9アル
コール混合物)を得た。
【0031】(エステル化合物の調製例)次に得られた
ノナノ−ル異性体混合物を以下に示す手法を用いて当該
エステル化合物へと導いた。すなわちノナノ−ル異性体
混合物360g(2.5モル)と無水フタル酸148g
(1.0モル)及び テトライソプロピルチタネート
0.2gを撹拌機及び冷却管付き油水分離装置を装着し
たフラスコに仕込み、反応温度を220℃まで上げなが
ら反応を進行させた。昇温途上から反応生成水を系外に
除去し、その後還流状態を保持するため、必要に応じて
系を減圧にしながら反応を進め、系中酸価が0.10m
gKOH/gになったところで反応を停止させた。その
後加熱を停止して、減圧度を10mmHgまで高めなが
ら過剰分のアルコールを除去した。この反応液を5%炭
酸水素ナトリウム水溶液100ccで洗浄した後油水分
離を行い、油層を回収した。更に同様の操作でエステル
を水洗した後に油層を回収し、脱水後濾過して製品とし
た。
【0032】合成したフタル酸ジエステルの性状は次に
示す通りである。 酸価 0.01mgKOH/g (JIS K−6751に準拠) 色相 20APHA (JIS K−6751に準拠) なお、この実施例において、アルコールと生成したフタ
ル酸ジエステルの各異性体の組成は、アルデヒドの異性
体組成と殆ど同じであるので、それらの記載は省略す
る。
【0033】(可塑剤としての使用例及びそれを用いた
樹脂組成物の例)かかる当該フタル酸ジエステルを可塑
剤として使用して、以下の配合条件で塩化ビニル系樹脂
組成物を調製した。なお、「部」は「重量部」を表す。 <配合1> 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化学(株)製品、商品名:ビニカ(登録商標)SG−1300、 平均重合度1300) 上記で得られたC9アルコールフタル酸ジエステル 50部 炭酸カルシウム 10部 (備北粉化(株)製品、商品名:ソフトン1200) ステアリン酸バリウム(日東化成工業(株)製品) 0.5部 鉛系安定剤(品川化工(株)製品、商品名:TS−GM) 5部
【0034】上記の配合物を、ビーカー中で予備混合し
た後、常法により160℃に温度調節した二本ミルロー
ル上で十分に混合し(7分間)、しかる後所定の厚さと
なるようプレス加工[温度160℃、予熱1.96MP
a(20kg/cm2)で2分間、プレス19.6MP
a(200kg/cm2)で3分間]した。
【0035】 <配合2> 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化学(株)製品、商品名:ビニカ(登録商標)SG−1100、 平均重合度1100) 上記で得られたC9アルコールフタル酸ジエステル 67部 カドミウム系安定剤 1部 (栄伸化成(株)製品、商品名:L−500)
【0036】上記の配合物を、ビーカー中で予備混合し
た後、常法により160℃に温度調節した二本ミルロー
ル上で十分に混合し(5分間)、しかる後所定の厚さと
なるようプレス加工[温度160℃、予熱1.96MP
a(20kg/cm2)で2分間、プレス19.6MP
a(200kg/cm2)で3分間]した。
【0037】得られたシートを用いて、以下の方法で物
性を測定し、可塑剤としての性能を評価した。尚、下記
評価試験について(1)〜(3)までは上記<配合2>
に示した処方にて得られたシートサンプルを、(4)に
ついては上記<配合1>に示した処方にて得られたシー
トサンプルをそれぞれ用いて行った。
【0038】 (1)引張試験 JIS K6723 引張試験に準拠した。 (2)揮発性試験 ASTM D−1203 に準拠した。 (3)耐寒性試験 ASTM D−1048 に準拠した。 (4)電気的特性 JIS K6723 体積抵抗率試験に準拠した。 以上の結果を下記表−4に示した。
【0039】比較例1 実施例1に於いて、水性ガス50KGを供給することに
よるヒドロホルミル化反応の開始前に、オートクレーブ
内に水性ガスを2KGとなるように供給して密閉し、そ
の状態で130℃で前処理を30分行い、オクテンのオ
レフィン位置異性化反応を行って、平衡組成に変換した
のち、水性ガス50KGを供給することにより反応を開
始して実施例1と同様の実験を行った。
【0040】ヒドロホルミル化反応開始直前のオレフィ
ン位置分布ならびに転換率、得られたノナナ−ル異性体
混合物選択性の結果を表−1に示し、該混合物を用いて
エステル化合物を調製し、該エステル化合物を実施例1
と同様にして可塑剤性能を評価した結果を表−4に示
す。
【0041】
【表1】 表−1 実施例1 比較例1 原料としたオレフィン (非平衡組成) (平衡組成) の異性体分布(%) N−1 0.02 0.06 N−2 5.82 3.90 N−3 1.53 2.41 N−4 1.47 2.47 M−1 0.36 0.02 M−2 32.10 32.31 M−e 3.67 0.32 M−3 5.98 25.68 M−4 2.96 0.73 M−5 14.82 1.00 M−6 0.18 0.01 D−1 0.00 0.00 D−2 28.57 1.77 D−e 1.43 0.02 D−3 1.09 29.31 Conv.(%) 96.70 89.76
【0042】
【表2】 なお、表中の記号の意味は、以下の表−2の通りであ
る。
【0043】
【表3】
【0044】実施例2 実施例1において用いたオクテンの代わりに別組成のオ
クテンを用いて反応を行ったが、途中反応時間2時間目
と3時間目にて少量の抜き出しサンプリングを行い、オ
クテン異性体組成の変化を調べた。この反応成績結果を
下記表−3に示す。この組成の変化Dを前記一般式
(1)に従い、以下の計算式で求めた。
【0045】
【数3】D=(35.46/30.61−1)/(9
6.61−91.92)=0.0338
【0046】また最終的に反応は5時間行い、生成した
ノナナ−ル異性体混合物は、実施例1と同様にしてエス
テル化合物を調製し、該化合物の可塑剤としての評価を
行った。可塑剤評価結果を表−4に示す。
【0047】比較例2 実施例2に於いて、実施例1や2とも別組成のオクテン
を用い、同様の実験を行い、この結果を表−3に示し
た。この比較例2におけるオクテン組成の変化Dを実施
例2と同様にして以下の計算式で求めた。
【0048】
【数4】D=(47.32/46.15−1)/(6
7.03−53.92)=0.00193
【0049】また最終的に反応は5時間行い、生成した
ノナナ−ル異性体混合物は、実施例1と同様にしてエス
テル化合物を調製し、該化合物の可塑剤としての評価を
行った。反応成績結果を表−4に示す。表−3の結果か
ら明らかなように、原料オレフィンの組成分布は、反応
の進行に伴い変化している。これは、ヒドロホルミル化
反応のみならず、オレフィン性二重結合の位置が変化し
ていることを表しており、ヒドロホルミル化温度におけ
る安定な熱力学組成とは異なる組成を推移していること
を示している。
【0050】
【表4】 表−3 実施例2 比較例2 原料としたオレフィン の異性体分布(%) 2Hr後 3Hr後 2Hr後 3Hr後 N−1/全N 0.33 0.33 0.33 0.33 N−2/全N 29.17 29.17 29.17 29.17 N−3/全N 39.58 39.58 39.58 39.58 N−4/全N 30.92 30.92 30.92 30.92 M−1/全M 2.33 2.37 2.39 2.39 M−2/全M 45.49 46.21 46.61 46.62 M−e/全M 1.28 1.28 1.28 1.28 M−3/全M 41.43 40.83 40.49 40.49 M−4/全M 5.22 5.14 5.09 5.09 M−5/全M 4.01 3.94 3.91 3.91 M−6/全M 0.23 0.23 0.23 0.23 D−1/全D 0.72 0.67 0.55 0.54 D−2/全D 67.18 62.29 51.51 50.33 D−e/全D 1.50 1.58 1.79 1.81 D−3/全D 30.61 35.46 46.15 47.32 Conv.(2hr後)(%) 91.92 53.92 Conv.(3hr後) 96.61 67.03 Conv.(5hr後) 98.96 82.58
【0051】
【表5】 表−3(つづき) 実施例2 比較例2 生成したアルコールの 異性体分布(%) AN−1 selec. 2.72 0.02 AN−2 selec. 5.53 0.05 AN−3 selec. 3.51 0.04 AN−4 selec. 3.24 0.04 AM−1 selec. 17.62 3.72 AM−2 selec. 7.20 1.52 AM−e selec. 7.37 0.99 AM−4 selec. 3.45 0.54 AM−5 selec. 9.74 1.36 AM−6 selec. 22.24 2.67 AM−7 selec. 10.38 1.25 AD−1 selec. 5.06 63.90 AD−2 selec. 0.85 10.75 AD−e selec. 1.10 13.18
【0052】
【表6】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ヒドロホルミル化反応
の原料オレフィン性化合物の混合物のオレフィン二重結
合位置の分布を制御するという従来とは異なる新たな手
段により、所望の可塑剤性能が得られ、また得られる可
塑剤の性能を所望の方向へ改良することがも出来るもの
である。さらに、従来から知られているヒドロホルミル
化反応の手法を変える方法と組み合わせて使用すること
により、さらに、耐寒性、電気絶縁性、耐寒性、相溶性
等、種々ある可塑剤性能の一部の性質をあまり変化させ
ずに、他の一部の性質をそれよりも大きく変化させる、
というような所要望に対しても応えうる手法となるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/80 C07C 69/80 (72)発明者 浅井 政知 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 中嶋 巌 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA03 AB50 AC41 AC45 AC48 BA20 BA23 BA24 BA25 BA26 BA32 BA37 BA40 BE20 BJ50 BS30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも直鎖α−オレフィン以外のオ
    レフィン性化合物の骨格異性体を含有している混合オレ
    フィン性化合物のヒドロホルミル化反応において、該混
    合オレフィン性化合物の各骨格異性体に於けるオレフィ
    ン性二重結合の位置分布が、ヒドロホルミル化反応温度
    における熱力学的平衡組成のオレフィン性二重結合の位
    置分布とは異なることを特徴とするアルデヒド及び/ま
    たはアルコ−ルの製造法。
  2. 【請求項2】 混合オレフィン性化合物が、炭素数6以
    上のオレフィンの骨格異性体の混合物であって、直鎖オ
    レフィンを含有し、該直鎖オレフィンにおいて、2−オ
    レフィンの量が3−オレフィンの量の1.6倍以上であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のアルデヒド及び
    /またはアルコールの製造法。
  3. 【請求項3】 混合オレフィン性化合物が、炭素数6以
    上のオレフィンの骨格異性体の混合物であって、1ケ所
    の分岐を持つ骨格のオレフィンを含有し、該分岐オレフ
    ィンにおいて、2つのSP2炭素に対して2つの水素と
    2つのSP3炭素が結合したオレフィンの量が、2つの
    SP2炭素に対して1つの水素と3つのSP3炭素が結合
    したオレフィンの量の0.55倍以上であることを特徴
    とする、請求項1に記載のアルデヒド及び/またはアル
    コールの製造法。
  4. 【請求項4】 混合オレフィン性化合物が、炭素数7以
    上のオレフィンの骨格異性体の混合物であって、隣接し
    た2ケ所の分岐を持つ骨格のオレフィンを含有し、該オ
    レフィンにおいて、2つのSP2炭素に対して1つの水
    素と3つのSP3炭素が結合したオレフィンの量が、2
    つのSP2炭素に対して4つのSP3炭素が結合したオレ
    フィンの量の4.5倍以上であることを特徴とする、請
    求項1に記載のアルデヒド及び/またはアルコールの製
    造法。
  5. 【請求項5】 オレフィン性化合物の骨格異性体を含有
    しており、該異性体が直鎖α−オレフィンを含有してい
    ない混合オレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応に
    おいて、該混合オレフィン性化合物の各骨格異性体に於
    けるオレフィン性二重結合の位置分布が、ヒドロホルミ
    ル化反応の転化率の変化に伴って変化するようなヒドロ
    ホルミル化触媒を用いることを特徴とする、請求項1な
    いし4のいずれかに記載のアルデヒド及び/またはアル
    コ−ルの製造法。
  6. 【請求項6】 オレフィン性二重結合の位置分布の変化
    Dを、下記一般式(1)により表される数値の絶対値で
    表した場合に、該Dの値が0.002よりも大きいこと
    を特徴とする、請求項5に記載のアルデヒド及び/また
    はアルコ−ルの製造法。 【数1】 D={〔(x2/X2−x1/X1)−1〕の最大値/(Conv2/Conv1)} ・・・式(1) (式中、x1はt1時間後のオレフィン性化合物(いずれ
    か一種)の量、x2は(t2)時間後の該オレフィン性化
    合物の量、X1は該オレフィン化合物とオレフィン二重
    結合の位置が異なるが、骨格構造は同一の異性体のt1
    時間後の量、X2は該異性体の(t2)時間後の量、Co
    nv1はt1時間後、Conv2は(t1+t2)時間後の
    オレフィンからアルコール及び/又はアルデヒドへの転
    化率を表す。なお、t1、t2は反応時間で0時間以上、
    かつt2>t1であれば良い。)
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかの方
    法によって製造されたアルデヒド及び/またはアルコ−
    ルを、必要に応じて水素化して得られる混合アルコ−ル
    組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかの方
    法によって製造されたアルコ−ルを用いて製造されるエ
    ステル組成物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂の可塑剤用途に供される請
    求項8のエステル組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9のエステル組成物を含有する
    熱可塑性樹脂組成物。
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