JP2001049029A - 可塑剤用c8アルコール組成物及びそれを用いたフタル酸ジエステル可塑剤組成物 - Google Patents

可塑剤用c8アルコール組成物及びそれを用いたフタル酸ジエステル可塑剤組成物

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JP2001049029A
JP2001049029A JP11228270A JP22827099A JP2001049029A JP 2001049029 A JP2001049029 A JP 2001049029A JP 11228270 A JP11228270 A JP 11228270A JP 22827099 A JP22827099 A JP 22827099A JP 2001049029 A JP2001049029 A JP 2001049029A
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JP
Japan
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composition
alcohol
plasticizer
phthalic acid
atom
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JP11228270A
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English (en)
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Masatomo Asai
政知 浅井
Hisao Takeuchi
久雄 竹内
陽子 ▲勢▼藤
Yoko Seto
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐寒性、耐熱性及び/または電気絶縁性の良
好なC8アルコール組成物及びそのフタル酸ジエステル
可塑剤組成物を提供する。 【解決手段】 C8の脂肪族アルコール組成物(C8ア
ルコール組成物)であって、各C8アルコール成分につ
いて水素を省略した化学構造式における全ての2原子の
組み合わせの各々に関して、一原子から他方の原子に至
る最少の化学結合数の総和(WI)を算出し、WIの各
C8アルコール成分の重量組成に基づいく加重平均値
(WA)と、各C8アルコール成分のフタル酸ジエステ
ルについて、水素を省略した化学構造式における全ての
2原子の組み合わせの各々に関して、一原子から他方の
原子に至る最少の化学結合数の総和(WI)を算出し、
WIの各C8アルコール成分の重量組成に基づく加重平
均値(WP)が、式1及び2を満たす。 95≦WA≦115
(1) 8.33WA+1500<WP<8.33WA+175
0 (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な可塑剤用ア
ルコールに関する。詳しくは、本発明は、塩化ビニル系
樹脂の可塑剤用アルコールとして、用途に応じた優れた
可塑剤性能を提供する炭素原子数が8の脂肪族アルコー
ル組成物およびそれを用いるフタル酸ジエステル可塑剤
組成物並びに塩化ビニル系樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】炭素原子数が8の脂肪族アルコール組成
物(以下、「C8アルコール組成物」とする)が、塩化
ビニル系樹脂の可塑剤の原料として好適に使用されてい
ることは既に知られている。このC8アルコールとして
は、ナフサの熱分解又は重軽質油の接触分解によって得
られるプロピレン並びにブテンを主体とする留分から得
られた炭素数7のオレフィンを、更にヒドロホルミル化
反応及び水素化反応させて得られる異性体混合物、或い
は同様にナフサの熱分解又は重軽質油の接触分解によっ
て得られる原料から合成される単一構造物がよく用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】可塑剤の性能はこれら
組成物の構造或いは異性体の組成によって大きく異なる
ため、塩化ビニル系樹脂の重要な性能である、耐寒性、
耐熱性ならびに電気絶縁性等もC8アルコールの種々の
組成物の構造或いは異性体の組成により大きな差異がみ
られる。また、可塑剤用アルコールとして要求される性
能は樹脂組成物の用途によっても異なっている。C8ア
ルコール組成物を用いた可塑剤の性能を用途に応じて向
上させることは最も重要な課題の一つではあるが、その
構造及び組成の組み合わせが複雑なために、どのような
C8アルコール組成物であれば、要求される用途に適し
た可塑剤性能を提供することができるのかについては、
従来知られていなかった。特に、用途に応じて耐寒性、
耐熱性及び電気絶縁性のいずれか、もしくは複数が優れ
た可塑剤用のC8アルコール組成物及び、それを選定す
る方法は知られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術の状況に鑑み、種々の用途に応じて高性能
な可塑剤用C8アルコール組成物を見いだすべく鋭意検
討を重ねたところ、C8アルコールの分子構造のトポロ
ジー的特徴を表すパラメーターと、該C8アルコールか
らなるフタル酸ジエステルの分子構造のトポロジー的特
徴を表すパラメーターが特定の範囲内であるC8アルコ
ール組成物が、これを可塑剤用に用いた場合、用途に応
じて耐寒性、耐熱性及び電気絶縁性のいずれか、もしく
は複数が良好な性能を示すことを見いだして本発明を完
成した。
【0005】即ち、本発明の要旨は、炭素原子数が8の
脂肪族アルコール組成物(以下「C8アルコール組成
物」と記す)であって、該組成物に含まれる各C8アル
コール成分について、その水素原子を省略した化学構造
式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関し
て、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結
合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、こ
のWIをそれぞれのC8アルコール成分の重量組成に基
づいて平均した加重平均値(WA)と、該組成物に含ま
れる各C8アルコール成分のフタル酸ジエステルについ
て、その水素原子を省略した化学構造式における、全て
の2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子から
もう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学
結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれの
C8アルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重
平均値(WP)が、下記式(1)及び(2)を満たすこ
とを特徴とする可塑剤用C8アルコール組成物、に存す
る。
【数7】 95≦WA≦115 (1) 8.33WA+1500<WP<8.33WA+1750 (2)
【0006】
【発明の実施の態様】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明は、炭素数が8の脂肪族アルコール組成物に
関するものである。本発明のC8アルコール組成物は、
直鎖又は分岐のアルコールであり、飽和、不飽和いずれ
のアルコールであってもよいが、通常は飽和の一価アル
コール、中でもアルキルアルコールが好ましく用いられ
る。また、本発明のC8アルコール組成物は、単一のア
ルコールのみからなるものであってもよく、或いは複数
のC8アルコールの混合物であってもよい。
【0007】本発明において、C8アルコール組成物を
特定するために使用したパラメータ(以下、「WI」と
記す)は、ある化合物に対して、その水素原子を省略し
た化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各
々について、一つの原子からもう一方の原子に至る最短
の化学結合数を求め、該化学結合数の総和を表す。この
WIは、炭化水素化合物異性体の沸点等の推算のために
提案された既知のものであり(H. Wiener, J. Am. Che
m. Soc. 69, 17, (1947) ;69, 2636, (1947))、分子
構造のトポロジー的な特徴を表すパラメータである。
【0008】WIは、図1〜4に示すように化学構造式
から容易に計算することができ、例えば、図1に示すよ
うに2−メチルヘプタノールで110を与える。このW
Iは原子番号の付け方にかかわらず一定の値が得られる
ものである。また、図1の2−メチルヘプタノール及び
図3の5−メチルヘプタノールの場合のように、異性体
の構造が異なっていても同じWI値(110)を与える
こともある。また、図2及び図4の例のように、アルコ
ールが同じWI値を有する場合でも、そのフタル酸ジエ
ステルのWIが異なる場合もある。
【0009】本発明で規定するWA値は、C8アルコー
ル組成物に含まれる各アルコール成分のWIを、それぞ
れのC8アルコール成分の重量組成に基づいて平均した
加重平均値であり、あるC8アルコール成分(成分i)
のWIをWI(i)、この成分(i)の全C8アルコー
ル組成物中の組成比率(重量%)をp(i)とした場
合、WA=Σ(p(i)×WI(i))/100として
与えられる。例えば、2−メチルヘプタノール40%及
び3−メチルヘプタノール60%を含むC8アルコール
組成物では、WA=110×0.4+108×0.6=
108.8となる。
【0010】また、本発明で規定するWP値は、各C8
アルコールがフタル酸の単独ジエステルとなったと仮定
した時のフタル酸ジエステルについて、WIを算出し、
このWIをそれぞれのC8アルコール成分の重量組成に
基づいて平均した加重平均値である。ここで、フタル酸
の単独ジエステルとは、フタル酸ジエステル分子中の2
つのアルコール成分として、単一のアルコール成分が結
合したものを指すこととする。即ち、あるC8アルコー
ル成分(成分i)がフタル酸の単独ジエステルとなった
と仮定した時のフタル酸ジエステル(i’)のWIをW
I(i’)、このアルコール成分(i)の全C8アルコ
ール組成物中の組成比率(重量%)をp(i)とした場
合、WP=Σ(p(i)×WI(i’))/100とし
て与えられる。
【0011】例えば、2−メチルヘプタノール40%及
び3−メチルヘプタノール60%を含むC8アルコール
組成物では、2−メチルヘプタノールのフタル酸ジエス
テルのWI=2514と、3−メチルヘプタノールのフ
タル酸ジエステルのWI=2548から、WP=251
4×0.4+2548×0.6=2534.4となる。
【0012】一方、本発明においては、C8アルコール
組成物から実際に得られたフタル酸ジエステル可塑剤組
成物に含まれる各フタル酸ジエステル成分について、そ
の水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原
子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一
方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数
の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのフタル
酸ジエステル成分の重量組成に基づいて平均した加重平
均値を、「WP’」と規定する。また、実際に得られた
各フタル酸ジエテル成分を、100%加水分解させた場
合に得られるC8アルコール組成物に含まれる各C8ア
ルコール成分について、その水素原子を省略した化学構
造式における、全ての2原子の組み合わせの各々に関し
て、一つの原子からもう一方の原子に至る最少の化学結
合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算出し、こ
のWIをそれぞれのC8アルコール成分の重量組成に基
づいて平均した加重平均値を、「WA’」と規定する。
【0013】ここで規定する「100%加水分解させた
場合」とは、既知の一般的な加水分解条件、例えば水/
エタノール混合溶液中において水酸化カリウム等の強塩
基性水酸化物を使用する条件下で100%加水分解させ
た場合を指し、100%加水分解させる通常の方法であ
ればどのような方法を採用しても構わない。このような
加水分解により得られた溶液を酸性条件にした後、ガス
クロ分析等で重量組成を求めることにより、WA’を算
出することができる。WA値及びWP値が、C8アルコ
ール組成物の構造と組成比率から導き出せるパラメータ
ーであるのに対して、WA’値及びWP’値は得られた
フタル酸ジエステル可塑剤組成物の構造と組成比率から
に導き出せるパラメーターである。このWP’値及びW
A’値は、フタル酸ジエステル可塑剤組成物が、後述す
るような通常のエステル化条件を用い、未反応アルコー
ルをリサイクルして使用する方法により製造された場合
には、各々前述したWP値及びWA値とほぼ一致した値
となる。以下WP値及びWA値の好ましい範囲に関する
説明はWP’値及びWA’値についても同様にあてはま
るものである。本発明で規定するWA、WP、WA’、
WP’値は、通常GC、MS、NMR分析を行うことに
より算出することができる。
【0014】WIは上記のように既知のものであり、一
般に、C8アルコール組成物に含まれる各異性体の個々
の成分に着目した場合、WIが小さくなるにつれ化学構
造のトポロジー的な特徴が、最も直鎖性の高いノルマル
体から離れていく。また、分岐の多いアルキル鎖を有す
るアルコールを原料として製造される可塑剤が、耐寒性
の点で劣る傾向を有することは従来から知られているこ
とである。しかしながら、それら性能の低下する度合い
と可塑剤の構造を何らかの指標を用いて定量的に結びつ
ける試みは今まで成されたことがなかった。また多くの
C8アルコール組成物のように複雑な多くの異性体を有
する場合には、異性体間の化学構造の差異が複雑になる
ため、それらの化学構造の差異から性能を概ね予測し、
可塑剤として好適な異性体混合物を推定することは、従
来は知られていなかった。この様な観点においてWIが
アルコールと可塑剤性能との相関を示すことは全く予想
もされていなかった。
【0015】本発明者らは、このWIをあえてC8アル
コールとそのフタル酸ジエステルという特定の化合物に
適用したところ、驚くべきことに、WAとWPがそれぞ
れ式(1)及び式(2)を満たす範囲内(以下、範囲1
という)となるC8アルコール組成物を選定すれば、用
途に応じて要求される可塑剤性能である、耐寒性、耐熱
性、電気絶縁性のいずれか、もしくは複数に優れた可塑
剤用エステルが得られることを見いだした。
【0016】
【数8】 95≦WA≦115 (1) 8.33WA+1500<WP<8.33WA+1750 (2)
【0017】本発明者らは、上述した範囲1の範囲内で
も、更に下記式(3)を満たす範囲内(以下、範囲2と
いう)となるC8アルコール組成物を選定すれば、用途
に応じて要求される可塑剤性能である、耐寒性、耐熱性
に優れた可塑剤用組成物が得られることを見いだした。
【0018】
【数9】 WP>8.33WA+1540 (3)
【0019】範囲2においては、好ましくはWP>8.
33WA+1560、更に好ましくはWP>8.33W
A+1580となる範囲内のC8アルコール組成物を選
定するのが耐寒性、耐熱性に優れた可塑剤用組成物を得
る上で好ましい。
【0020】また、本発明者らは、上述した範囲1の範
囲内でも、特に下記式(4)を満たす範囲内(以下、範
囲3という)となるC8アルコール組成物を選定すれ
ば、用途に応じて要求される可塑剤性能である、電気絶
縁性に優れた可塑剤用組成物が得られることを見いだし
た。
【0021】
【数10】 WP<8.33WA+1650 (4)
【0022】範囲3においては、好ましくはWP<8.
33WA+1645、更に好ましくはWP<8.33W
A+1640となる範囲内のC8アルコール組成物を選
定するのが好適なバランスを得る上で好ましい。本発明
では特に、上述した範囲2であり、且つ、範囲3の領域
となる下記式(5)を満たすC8アルコール組成物を選
択するのが、耐寒性、耐熱性及び電気絶縁性の可塑剤性
能のバランスに最も優れるという点で好ましい。
【0023】
【数11】 8.33WA+1540<WP<8.33WA+1650 (5)
【0024】本発明では、C8アルコール及びそのフタ
ル酸エステルのWIに着目したが、他の炭素原子数のア
ルコール、並びに他のエステル、例えば、アジピン酸等
の脂肪族カルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット
酸等の芳香族カルボン酸のエステルについても、同じよ
うに好適な可塑剤性能を与えるWIを求めることができ
る。
【0025】本発明のC8アルコール組成物を製造する
方法は特に制限されるものではなく、例えば、一般的な
ナフサの熱分解又は重軽質油の接触分解によって多量に
得られるような炭素数2〜4の低級オレフィン留分をオ
リゴマー化して得られる炭素数7のオレフィンを原料と
して、第8族金属、例えば、ロジウム系またはコバルト
系等の触媒によりヒドロホルミル化反応、次いで、水素
化反応をする方法等により製造することができる。ロジ
ウム系触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行う場合に
は、通常ロジウム濃度がRh原子として0.1〜100
0ppm、温度が80〜200℃、圧力が常圧〜500
kg/cm2G、水素/一酸化炭素比(容量比)が0.
5〜4の反応条件で行われる。更に該ロジウム触媒をホ
スフィン系、ホスファイト系、ホスフィンオキサイド系
等の配位子により修飾して用いることもできる。
【0026】コバルト系触媒を用いてヒドロホルミル化
反応を行う場合には、通常コバルト濃度がCo原子とし
て0.05〜10wt%、温度が80〜180℃、圧力
が50〜300kg/cm2G、水素/一酸化炭素比
(容量比)が0.5〜4の反応条件で行われる。更に該
コバルト触媒をホスフィン系、ホスファイト系、ホスフ
ィンオキサイド系等の配位子により修飾して用いること
もできる。中でも、ロジウム系触媒を使用してヒドロホ
ルミル化反応を行い、次いで、水素化反応を行った場合
には、上述した範囲3の領域のC8アルコール組成物を
得ることができるという点で好ましい。
【0027】ヒドロホルミル化反応では、溶媒は通常用
いる必要はないが、反応に不活性な有機溶媒を用いるこ
ともできる。水素化反応は、ニッケル、クロム、銅など
の通常の水素化触媒を用い、通常常圧以上、好ましくは
30〜300気圧及び通常、室温以上、好ましくは10
0〜200℃の条件下で行われる。こうして得られた粗
アルコールは、清留塔により蒸留精製される。粗アルコ
ールの蒸留精製は通常、理論段数3〜50段の蒸留塔を
用いて塔頂圧力が数mmHg〜760mmHg、塔頂温
度が50〜220℃の条件下で行われる。本発明の可塑
剤用C8アルコールは、本発明の組成となるように蒸留
精製時に留出液の取得量を調節する方法、あるいは留出
液を細分化して取得し、それらを適当に混合して調製す
る方法などにより容易に得ることができる。また、上述
したように得られたC8アルコール組成物に、本発明の
目的を損なわない範囲で、本発明のC8アルコール以外
の炭素原子数の異なるアルコールを併用してもよい。
【0028】本発明の可塑剤組成物を製造するには、従
来から知られているエステル系可塑剤の製造方法を採用
することができる。例えば、フタル酸もしくはフタル酸
無水物と、上記のC8アルコール組成物との混合物を、
好ましくは硫酸等酸触媒或いは Tetra iso-Propyl Tita
nate、Di Butyl Tin Oxide等金属系触媒に代表される様
な各種エステル化反応触媒の存在下、要すれば窒素雰囲
気中において加熱し、反応により生成する水を除去しな
がら、エステル生成物の沸点以下の温度で反応を行うこ
とにより製造することができる。
【0029】エステル化の反応温度としては、使用する
触媒等の条件によって異なるが、概ね 100〜 250℃、好
ましくは 120〜 230℃の範囲で行うことが、エステルの
安定性及び脱水効率等の面から望ましい。反応終了後
は、真空蒸留(ストリッピング)、水蒸気蒸留、アルカ
リ中和、吸着剤添加、水洗浄、アルカリ洗浄、濾過等の
精製処方を用いて、系内に残存する未反応のアルコー
ル、触媒、未反応カルボン酸を除去、精製することによ
り、目的とするエステル組成物が得られる。その際、脱
色剤、脱臭剤、吸着剤、濾過助剤等の品質改良助剤を添
加しても差し支えない。エステル化合物の一般的な工業
的製造方法は、回分法又は連続法のいずれかの方法であ
るが、経済的な面を考慮した場合、アルコールを量論よ
りも過剰に仕込んで反応速度を高め、過剰分の未反応ア
ルコールを回収し、エステル化工程に再循環する方法が
好ましく、この場合WP及びWA値とWP’及びWA’
値とがより一致する傾向にある。本発明のエステル組成
物は、上述したようなWP′値を満たすものであれば、
数種類のエステル組成物を混合して調製したものでもよ
い。
【0030】本発明による可塑剤組成物は、塩化ビニル
系樹脂に配合することによりその組成物に対し所望の硬
度を付与し、塩化ビニル系樹脂組成物として使用するこ
とができる。可塑剤組成物の配合量は、所望の硬度或い
は所望の加工性により規定されることとなるが、例え
ば、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、通常1〜
200重量部、好ましくは10〜150重量部配合され
る。一般に可塑剤の低配合領域では、その加工性の改良
に対しての効果が期待されるが、10重量部未満ではそ
の効果の発現が顕著ではない。また、高配合領域では、
その可塑化能力が期待されるところであるが、200重
量部以上の領域においては、その可塑化能力の付与に対
して製品成形後の物性変化が顕著となり、良好な製品が
得られないという欠点が生ずる。
【0031】上記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニ
ル系樹脂に、本発明の可塑剤組成物、又は必要に応じ、
本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の可塑剤組成
物以外の可塑剤を併用してもよく、また塩化ビニル系樹
脂に通常添加される添加剤、例えば安定剤、酸化防止
剤、難燃剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、着色剤、界
面活性剤、帯電防止剤等を添加・配合し、目的に応じた
加工法を用いて、加熱、混合することにより得ることが
できる。混合機としては、塩化ビニル系樹脂の加工に通
常使用される、ブレンダー、スーパーミキサー、ミルロ
ール、バンバリーミキサー、カレンダーロール、各種押
出成型機等が用いられる。
【0032】上記塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの
単独重合体のほか、塩化ビニルを主成分とする他の共重
合可能なコモノマーとの共重合体等、塩化ビニルを主な
構成単位とする樹脂をいう。共重合可能なコモノマーと
しては、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢
酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アクリル酸
またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル
等が挙げられる。
【0033】更に本発明による可塑剤組成物は、塩化ビ
ニル系樹脂に用いるのが好ましいが、塩化ビニル樹脂の
みならず、例えばNBR,SBR,CR等のゴム組成
物,ウレタン等エラストマー組成物,酢酸ビニル、塩素
化ポリエチレン,セルロール,アクリル,スチロール,
ブチラール等樹脂組成物等各種ポリマーに対して塩化ビ
ニル樹脂組成物の場合と同様にして使用することができ
る。
【0034】
【実施例】次に本発明の組成物を実施例にて詳述する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。 [実施例1]5−メチルヘプタノール(WI=110)
100%のC8アルコール325g(2.5モル)と無
水フタル酸148g(1.0モル)及び Tetra iso-Pro
pylTitanate0.2gを撹拌機及び冷却管付き油水分離
装置を装着したフラスコに仕込み、反応温度を220℃
まで上げながら反応を進行させた。昇温途上から反応生
成水を系外に除去し、その後還流状態を保持するため必
要に応じて系を減圧にしながら反応を進め、系中酸価が
0.10 KOHmg/g になったところで反応を停止させた。そ
の後加熱を停止して、減圧度を 10 mmHgまで高めながら
過剰分のアルコールを除去した。反応液を 5% Na2CO3
水溶液 100 gで洗浄し油水分離を行った後、更に水で2
回洗浄を行った。その後水蒸気蒸留を2時間行い(14
0℃、40mmHg)、脱水後濾過して製品とした。合
成したフタル酸ジエステルの性状は次に示す通りであ
る。
【0035】
【表1】 酸価 0.01mgKOH/g (JIS k−675
1に準拠) 色相 20 APHA (JIS k−6751に準
拠)
【0036】得られたエステルについてWIを計算した
ところ、WA=110、WP=2628であった。かか
るフタル酸ジエステルを可塑剤として使用して、下記の
配合で塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。
【0037】
【表2】 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化学(株)製、商品名ビニカ(商標登録)SG−1300、 平均重合度1300) C8アルコールフタル酸エステル 50部 炭酸カルシウム(備北粉化(株)製、商品名:ソフトン1200)10部 ステアリン酸バリウム(日東化成工業(株)製) 0.5部 鉛系安定剤(品川化工(株)製、商品名:TS−GM) 5部
【0038】上記の配合物を、ビーカー中で予備混合し
た後、常法により160℃に温度調節した二本ミルロー
ル上で十分に混合し(7分間)、しかる後、所定の厚さ
となるようプレス加工(温度160℃、予熱1.96M
Pa(20kg/cm2 )で2分間、プレス19.6M
Pa(200kg/cm2 )で3分間)した。得られた
シートを用いて、下記の方法で物性を測定し、可塑剤と
しての性能を評価した。結果を表−1に示す。
【0039】
【表3】 (1)引っ張り試験 JIS K6723に準拠
した。 (2)加熱後引っ張り試験 JIS K6723に準拠
した。 (3)耐寒性(脆化温度) JIS K6723に準拠
した。 (4)体積抵抗率 JIS K6723に準拠
した。
【0040】[実施例2]4−メチルヘプタノール(W
I=108)100%を用いた他は、実施例1と同様に
して可塑剤としての性能を評価した。WAはWA=10
8、WPはWP=2586であった。結果を表−1に示
す。
【0041】[実施例3]3−メチルヘプタノール(W
I=108)100%を用いた他は、実施例1と同様に
して可塑剤としての性能を評価した。WAはWA=10
8、WPはWP=2548であった。結果を表−1に示
す。
【0042】[実施例4]2−メチルヘプタノール(W
I=110)100%を用いた他は、実施例1と同様に
して可塑剤としての性能を評価した。WAはWA=11
0、WPはWP=2514であった。結果を表−1に示
す。
【0043】[実施例5]内容積200mlの上下攪拌
方式ステンレス製オートクレーブに、窒素ガス雰囲気下
で0.054ミリモルのRh(acac)(CO)2
0.54ミリモルのトリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト及び100mlのヘプテン異性体
混合物を仕込んだ。H2 /COモル比=1の水性ガス圧
力が50kg/cm2 の一定圧力を維持するようガスを
供給しながら、130℃で2時間反応を継続して反応を
押し切り、生成物を得た。この生成物を水素化して得ら
れるヘプタノ−ル異性体混合物を、ガスクロマトグラフ
ィ−で分析した結果、その組成は、以下の通りであっ
た。(小数点以下を四捨五入した。)
【0044】
【表4】 2、2−ジイソプロピル−エタノ−ル 2% 2、3、4−トリメチル−ペンタノ−ル 8% 2、4、4−トリメチル−ペンタノ−ル 1% 3−エチル−4−メチル−ペンタノ−ル 3% 2−エチル−4−メチル−ペンタノ−ル 1% 2、3−ジメチル−ヘキサノ−ル 1% 3、4−ジメチル−ヘキサノ−ル 18% 2、4−ジメチル−ヘキサノ−ル 3% 3−エチル−ヘキサノ−ル 2% 3、5−ジメチル−ヘキサノ−ル 29% 4、5−ジメチル−ヘキサノ−ル 16% 2−エチル−ヘキサノ−ル 1% 2、5−ジメチル−ヘキサノ−ル 4% 5、5−ジメチル−ヘキサノ−ル 1% 3−メチル−ヘプタノ−ル 2% 4−メチル−ヘプタノ−ル 2% 2−メチル−ヘプタノ−ル 1% 5−メチル−ヘプタノ−ル 2% 6−メチル−ヘプタノ−ル 2% n−オクタノ−ル 1%
【0045】この異性体混合物をC8アルコールとして
用いた以外は、実施例1と同様にして可塑剤としての性
能を評価した。各異性体のWIを重量組成について平均
することにより、WA=100.86,WP=250
1.99であった。結果を表−3に示す。
【0046】[実施例6]3,4−ジメチルヘキサノー
ル(WI=98、フタル酸ジエステルのWI=245
2)28%、3,5−ジメチルヘキサノール(WI=1
02、フタル酸ジエステルのWI=2498)42%、
4,5−ジメチルヘキサノール(WI=102、フタル
酸ジエステルのWI=2536)25%及び3−メチル
オクタノール(WI=108、フタル酸ジエステルのW
I=2548)5%が混合したC8アルコールを用いた
他は、実施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価
した。各異性体のWIの重量組成平均を計算したとこ
ろ、WAはWA=98×0.28+102×0.42+
102×0.25+108×0.05=101.18、
WPは、WP=2452×0.28+2498×0.4
2+2536×0.25+2548×0.05=249
7.12であった。結果を表−1に示す。
【0047】[比較例1]3−オクタノール(WI=1
10)100%を用いた他は、実施例1と同様にして可
塑剤としての性能を評価した。WAはWA=110、W
PはWP=2324であった。結果を表−1に示す。
【0048】[比較例2]4−オクタノール(WI=1
08)100%を用いた他は、実施例1と同様にして可
塑剤としての性能を評価した。WAはWA=108、W
PはWP=2244であった。結果を表−1に示す。
【0049】[比較例3]3,3−ジメチル−2−エチ
ルブタノール(WI=88)100%を用いた他は、実
施例1と同様にして可塑剤としての性能を評価した。W
AはWA=88、WPはWP=2242であった。結果
を表−1に示す。
【0050】[比較例4]n−オクタノール(WI=1
20、フタル酸ジエステルのWI=2724)80%、
2−メチルヘプタノール(WI=110、フタル酸ジエ
ステルのWI=2514)20%が混合したC8アルコ
ールを用いた他は、実施例1と同様にして可塑剤として
の性能を評価した。各異性体のWIの重量組成平均を計
算したところ、WAはWA=120×0.80+110
×0.20=118、WPは、WP=2724×0.8
0+2514×0.20=2682であった。結果を表
−1に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】上記実施例及び比較例より、本発明のC8
アルコール及びこれを用いて得られるフタル酸ジエステ
ル可塑剤組成物について、以下の諸点が認められる。実
施例と比較例とを比較すると、いずれの比較例において
も、耐熱性、耐寒性及び電気絶縁性のうち少なくとも一
つは工業的な要求を満たしていないのに対して、実施例
の可塑剤用アルコールは、可塑剤性能が総合的に優れた
エステルを提供していることが分かる。
【0054】塩化ビニル系樹脂は各種用途で使用されて
おり、それぞれの用途に応じて必要性能が異なる。従っ
て、電気絶縁性、耐寒性、耐熱性の値については、一概
に必要量を規定できるものではないが、実施例中の値を
もって、一つの基準と見なすことができる。自動車関連
部品、建設関連部材その他の樹脂製品を考えた場合、そ
の柔軟性、特に低温時の柔軟性を現す耐寒性は材料を検
討する際の重要な性能となる。これらの可塑剤性能の値
に関しては、その製品性状によって使用条件が異なって
おり、一概にその境界値を設定することは難しい。アル
コールの炭素数により要求される可塑剤性能は異なる
が、C8アルコール由来の可塑剤の場合には、脆化温度
が−25℃よりも低いものについては、一般的な可塑剤
として良好な性能を示すと見なすことができる。更に使
用時に於ける耐久性の指標として耐熱性も重要な性能と
なってくるが、これに関しても耐熱試験における重量損
失が4%以下のものは、一般的な可塑剤として良好に使
用できるものである。また、電線用途等の電気関係に使
用される場合には、電気絶縁性が重要な物性となり、
1.0E+13以上の抵抗値を有することが好ましい。
【0055】
【発明の効果】本発明の可塑剤用アルコールを用いるこ
とにより、用途に応じて要求される性能、即ち耐寒性、
耐熱性及び電気絶縁性のいずれか、もしくは複数が優れ
た可塑剤組成物を提供することができるため、工業的な
利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】2−メチルヘプタノールのWIを示す図であ
る。
【図2】2−メチルヘプタノールのフタル酸ジエステル
のWIを示す図である。
【図3】5−メチルヘプタノールのWIを示す図であ
る。
【図4】5−メチルヘプタノールのフタル酸ジエステル
のWIを示す図である。
【図5】本発明の実施例及び比較例のC8アルコール組
成物のWAとWPを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲勢▼藤 陽子 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA03 AB50 AC41 AC48 AD11 AD14 BA24 BC10 BD20 BE20 BE40 BT32 FC52 FE11 4J002 AB011 AC071 AC081 AC091 BB241 BC031 BD031 BE061 BF021 BG001 CK021 EH146 FD026

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原子数が8の脂肪族アルコール組成
    物(以下「C8アルコール組成物」と記す)であって、
    該組成物に含まれる各C8アルコール成分について、そ
    の水素原子を省略した化学構造式における、全ての2原
    子の組み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一
    方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数
    の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞれのC8ア
    ルコール成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値
    (WA)と、該組成物に含まれる各C8アルコール成分
    のフタル酸ジエステルについて、その水素原子を省略し
    た化学構造式における、全ての2原子の組み合わせの各
    々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る最少
    の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)を算
    出し、このWIをそれぞれのC8アルコール成分の重量
    組成に基づいて平均した加重平均値(WP)が、下記式
    (1)及び(2)を満たすことを特徴とする可塑剤用C
    8アルコール組成物。 【数1】 95≦WA≦115 (1) 8.33WA+1500<WP<8.33WA+1750 (2)
  2. 【請求項2】 加重平均値(WA)と加重平均値(W
    P)が、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項
    1に記載の可塑剤用C8アルコール組成物。 【数2】 WP>8.33WA+1540 (3)
  3. 【請求項3】 加重平均値(WA)と加重平均値(W
    P)が、下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の可塑剤用C8アルコール組成物。 【数3】 8.33WA+1540<WP<8.33WA+1650 (5)
  4. 【請求項4】 4種類以上のC8アルコールの混合物で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の可塑剤用C8アル
    コール組成物。
  5. 【請求項5】 該C8アルコール組成物が、炭素数7の
    オレフィンをRh系触媒を用いてヒドロホルミル化反応
    させ、次いで水素化することにより得られたものである
    請求項1〜4のいずれかに記載の可塑剤用C8アルコー
    ル組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の可塑剤
    用C8アルコール組成物を用いて製造されたフタル酸ジ
    エステル可塑剤組成物。
  7. 【請求項7】 C8アルコール組成物のフタル酸ジエス
    テル可塑剤組成物であって、該可塑剤組成物に含まれる
    各フタル酸ジエステル成分について、その水素原子を省
    略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わせ
    の各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至る
    最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(WI)
    を算出し、このWIをそれぞれのフタル酸ジエステル成
    分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下、
    「WP’」と記す)と、該各フタル酸ジエステル成分を
    加水分解した場合に得られるC8アルコール組成物に含
    まれる各C8アルコール成分について、その水素原子を
    省略した化学構造式における、全ての2原子の組み合わ
    せの各々に関して、一つの原子からもう一方の原子に至
    る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和(W
    I)を算出し、このWIをそれぞれのC8アルコール成
    分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(以下、
    「WA’」と記す)が、式(6)及び(7)を満たすこ
    とを特徴とするフタル酸ジエステル可塑剤組成物。 【数4】 95≦WA’≦115 (6) 8.33WA’+1500<WP’<8.33WA’+1750 (7)
  8. 【請求項8】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    請求項6又は7に記載の可塑剤組成物を1〜200重量
    部配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 C8アルコール組成物をフタル酸又はフ
    タル酸無水物と反応させて、フタル酸ジエステル可塑剤
    用組成物を製造する方法において、C8アルコール組成
    物として、該組成物に含まれる各C8アルコール成分に
    ついて、その水素原子を省略した化学構造式における、
    全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子
    からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該
    化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞ
    れのC8アルコール成分の重量組成に基づいて平均した
    加重平均値(WA)、及び該組成物に含まれる各C8ア
    ルコール成分のフタル酸ジエステルについて、その水素
    原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組
    み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原
    子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和
    (WI)を算出し、このWIをそれぞれのC8アルコー
    ル成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(W
    P)を考慮し、このWA及びWPが下記式(1)及び
    (2)を満たす範囲となるC8アルコール組成物を選定
    することを特徴とするフタル酸ジエステル可塑剤用組成
    物の製造方法。 【数5】 95≦WA≦115 (1) 8.33WA+1500<WP<8.33WA+1750 (2)
  10. 【請求項10】 フタル酸ジエステル可塑剤組成物が、
    該可塑剤組成物に含まれる各フタル酸ジエステル成分に
    ついて、その水素原子を省略した化学構造式における、
    全ての2原子の組み合わせの各々に関して、一つの原子
    からもう一方の原子に至る最少の化学結合数を求め、該
    化学結合数の総和(WI)を算出し、このWIをそれぞ
    れのフタル酸ジエステル成分の重量組成に基づいて平均
    した加重平均値(WP’)と、該各フタル酸ジエステル
    成分を加水分解した場合に得られるC8アルコール組成
    物に含まれる各C8アルコール成分について、その水素
    原子を省略した化学構造式における、全ての2原子の組
    み合わせの各々に関して、一つの原子からもう一方の原
    子に至る最少の化学結合数を求め、該化学結合数の総和
    (WI)を算出し、このWIをそれぞれのC8アルコー
    ル成分の重量組成に基づいて平均した加重平均値(W
    A’)が、下記式(6)及び(7)を満たすフタル酸ジ
    エステル可塑剤組成物である請求項9に記載のフタル酸
    ジエステル可塑剤組成物の製造方法。 【数6】 95≦WA’≦115 (6) 8.33WA’+1500<WP’<8.33WA’+1750(7)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011054781A1 (de) 2009-11-03 2011-05-12 Basf Se THERMOPLASTISCHE ZUSAMMENSETZUNGEN MIT VERBESSERTER FLIEßFÄHIGKEIT
EP2377844A2 (de) 2004-06-21 2011-10-19 Basf Se Hilfsmittel enthaltend Cyclohexanpolycarbonsäurederivate
WO2011151301A1 (de) 2010-06-01 2011-12-08 Basf Se Verfahren zur herstellung von expandierbaren styrolpolymer-zusammensetzungen
JP2022114599A (ja) * 2021-01-27 2022-08-08 矢崎総業株式会社 電線及びワイヤーハーネス

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WO2011054781A1 (de) 2009-11-03 2011-05-12 Basf Se THERMOPLASTISCHE ZUSAMMENSETZUNGEN MIT VERBESSERTER FLIEßFÄHIGKEIT
WO2011151301A1 (de) 2010-06-01 2011-12-08 Basf Se Verfahren zur herstellung von expandierbaren styrolpolymer-zusammensetzungen
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