JP2001322959A - 可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法 - Google Patents

可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法

Info

Publication number
JP2001322959A
JP2001322959A JP2000139950A JP2000139950A JP2001322959A JP 2001322959 A JP2001322959 A JP 2001322959A JP 2000139950 A JP2000139950 A JP 2000139950A JP 2000139950 A JP2000139950 A JP 2000139950A JP 2001322959 A JP2001322959 A JP 2001322959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasticizer
weight
producing
ethyl
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000139950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3919422B2 (ja
Inventor
Masaki Takai
正樹 高井
Koichi Fujita
幸一 藤田
Hiroki Emoto
浩樹 江本
Akio Nakanishi
章夫 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000139950A priority Critical patent/JP3919422B2/ja
Publication of JP2001322959A publication Critical patent/JP2001322959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3919422B2 publication Critical patent/JP3919422B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等の汎用
の可塑剤と同等の可塑剤性能を有すると共に、プラスチ
ゾルとしての長期保管時の粘度安定性にも優れる樹脂組
成物等を得ることができる、可塑剤製造用混合アルコー
ル、及びそれを用いた可塑剤の製造方法を提供する。 【構成】 2−エチルヘキサノール80〜99.4重量
%と2−エチル−4−メチルペンタノール20〜0.6
重量%との混合アルコールからなる可塑剤製造用混合ア
ルコール、及び、カルボン酸又はカルボン酸無水物と該
混合アルコールとをエステル化反応させる可塑剤の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑剤製造用混合
アルコール、及びそれを用いた可塑剤の製造方法に関
し、更に詳しくは、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)
等の汎用の可塑剤と同等の可塑剤性能を有すると共に、
プラスチゾルとしての長期保管時の粘度安定性にも優れ
る樹脂組成物等を得ることができる、可塑剤製造用混合
アルコール、及びそれを用いた可塑剤の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩化
ビニル系樹脂等は、可塑剤を含有させることにより軟質
化して、農業用フィルム、電線被覆材、建材、自動車部
品等の幅広い用途に用いられている。そして、その可塑
剤としては、フタル酸エステル系、脂肪族モノ又はジカ
ルボン酸エステル系、燐酸エステル系、ポリエステル系
等の各種のものが用いられ、中で、フタル酸ジエステル
系、特にフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)が、柔軟
性、耐熱性、耐寒性等に比較的バランスのとれた樹脂組
成物等を与えることから多用されている。
【0003】しかしながら、フタル酸ジ(2−エチルヘ
キシル)と言えども、プラスチゾルとしての長期保管時
にゾル粘度が経時により著しく増加し、取り扱い性が低
下したり、更にはゾルとしての使用ができなくなる等、
粘度安定性に劣るという欠点を有しており、樹脂組成物
等として用いられるいずれの用途においても市場の要求
を満足し得る軟質の樹脂組成物等が得られていることと
はなっていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の従来技
術に鑑みてなされたものであって、フタル酸ジ(2−エ
チルヘキシル)等の汎用の可塑剤と同等の可塑剤性能を
有すると共に、プラスチゾルとしての長期保管時の粘度
安定性にも優れる樹脂組成物等を得ることができる、可
塑剤製造用混合アルコール、及びそれを用いた可塑剤の
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、フタル酸
エステル系可塑剤についてプラスチゾルとしての長期保
管時の粘度安定性にも優れる樹脂組成物等を与えること
ができる可塑剤を種々検討した結果、フタル酸ジ(2−
エチルヘキシル)60〜99重量%、フタル酸(2−エ
チルヘキシル)−(2−エチル−4−メチルペンチル)
40〜1重量%、及びフタル酸ジ(2−エチル−4−メ
チルペンチル)7〜0重量%〔但し、各重量%はこの三
種の合計100重量%に対するものである。〕からなる
可塑剤が、その目的を達成することができ、そして、そ
の可塑剤は、カルボン酸エステルのアルコール成分とし
て2−エチルヘキサノールと2−エチル−4−メチルペ
ンタノールとの混合アルコールを用いることにより製造
することができることを見い出し、本発明を完成したも
ので、即ち、本発明は、2−エチルヘキサノール80〜
99.4重量%と2−エチル−4−メチルペンタノール
20〜0.6重量%との混合アルコールからなる可塑剤
製造用混合アルコール、及び、カルボン酸又はカルボン
酸無水物と該混合アルコールとをエステル化反応させる
可塑剤の製造方法、を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の可塑剤製造用混合アルコ
ールは、2−エチルヘキサノール80〜99.4重量%
と2−エチル−4−メチルペンタノール20〜0.6重
量%との混合アルコールからなることを必須とし、2−
エチルヘキサノール90〜99重量%、2−エチル−4
−メチルペンタノール10〜1重量%であるのが好まし
く、2−エチルヘキサノール95〜98重量%、2−エ
チル−4−メチルペンタノール5〜2重量%であるのが
更に好ましい。
【0007】ここで、混合アルコールとしての2−エチ
ルヘキサノールと2−エチル−4−メチルペンタノール
との混合割合において、2−エチルヘキサノールが前記
範囲超過で2−エチル−4−メチルペンタノールが前記
範囲未満では、プラスチゾルとしての粘度安定性の優れ
た可塑剤を得ることが困難となり、一方、2−エチルヘ
キサノールが前記範囲未満で2−エチル−4−メチルペ
ンタノールが前記範囲超過では、得られる可塑剤を用い
た樹脂組成物の耐熱性、耐寒性等が低下することとな
る。
【0008】本発明において、前記の混合アルコール
は、それぞれ別途に製造された2−エチルヘキサノール
と2−エチル−4−メチルペンタノールを、前記混合割
合となるように混合したものであってもよいが、プロピ
レンをヒドロホルミル化反応して得られるn−ブチルア
ルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの混合アルデヒド
を、両アルデヒドの分離工程を経ずに、アルドール縮合
反応及び水添反応することにより得られたものであるの
が最も効率的であり、好ましい。
【0009】又、その混合アルデヒドにおけるn−ブチ
ルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの混合割合は、
n−ブチルアルデヒド85〜99.6重量%、i−ブチ
ルアルデヒド15〜0.4重量%であるのが好ましく、
n−ブチルアルデヒド96〜99重量%、i−ブチルア
ルデヒドが4〜1重量%であるのが更に好ましい。
【0010】尚、そのヒドロホルミル化反応における触
媒としては、例えば、本願出願人による先願(特願平1
0−354248号)に記載されている、トリアルキル
ホスフィン、トリアリールホスフィン、(モノ又はジ)
アルキル(ジ又はモノ)アリールホスフィン等の有機ホ
スフィン、又は、トリアルキルホスファイト、トリアリ
ールホスファイト、(モノ又はジ)アルキル(ジ又はモ
ノ)アリールホスファイト等のモノホスファイト、及び
それらのビスホスファイト、ポリホスファイト等の環状
又は非環状の有機ホスファイト等を配位子とするロジウ
ム等第VIII族遷移金属の錯体触媒等が挙げられ、又、同
先願にあるように、それらの錯体触媒と共に、有機ホス
フェートを一定量存在させることとしてもよい。
【0011】ヒドロホルミル化反応は、常法に従って溶
媒を用いて液相で行うことができ、通常、15〜200
℃の温度、0.1〜300kg/cm2 の圧力下、水素
と一酸化炭素のモル比(H2 /CO)を10/1〜1/
10の範囲とし、0.01〜20時間の反応時間でなさ
れる。又、ロジウム錯体触媒の使用量はロジウム原子と
して1〜100000ppm、配位子の有機燐化合物の
使用量はロジウムに対する燐の原子比で1〜10000
モル倍とし、錯体触媒の調製は、ロジウム源化合物と有
機燐化合物を反応系内にそれぞれ供給して反応系内で錯
体を形成することとしても、或いは、反応系外でロジウ
ム源化合物と有機燐化合物から予め錯体を形成してその
錯体を反応系に添加することとしてもよい。
【0012】又、前記混合アルデヒドのアルドール縮合
反応も、常法に従って液相又は気相で行うことができ、
例えば液相の場合、通常、苛性ソーダ等のアルカリ水溶
液中で、60〜120℃の温度、該温度での液の飽和圧
力以上、例えば常圧〜10kg/cm2 の圧力下でなさ
れる。
【0013】更に、前記アルドール縮合反応で得られた
縮合混合アルデヒドの水添反応も、常法に従って液相又
は気相で行うことができ、通常、例えばニッケル、パラ
ジウム、白金等の第VIII族金属含有触媒、酸化銅と酸化
亜鉛還元混合物含有固体触媒、銅−クロム系触媒又は銅
−クロム−マンガン−バリウム系触媒等の触媒の存在下
に、通常、50〜300℃の温度、常圧〜200kg/
cm2 の水素圧力下でなされ、水添反応により得られた
反応生成物は、例えば蒸留等により分離精製される。
【0014】本発明の可塑剤の製造方法は、前記の2−
エチルヘキサノールと2−エチル−4−メチルペンタノ
ールとの混合アルコールを、カルボン酸又はカルボン酸
無水物とエステル化反応させる。
【0015】ここで、そのカルボン酸又はカルボン酸無
水物としては、具体的には、例えば、オレイン酸、安息
香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモ
ノカルボン酸類、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカル
ボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボン酸等のジカルボン酸類又はそれ
らの無水物、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリ
メシン酸、ピロメリット酸等のトリ及びテトラカルボン
酸又はそれらの無水物等が挙げられるが、中で、フタル
酸又はフタル酸無水物が特に好ましい。
【0016】エステル化反応は、前記カルボン酸又はカ
ルボン酸無水物と、前記2−エチルヘキサノール及び2
−エチル−4−メチルペンタノールの混合アルコールと
を、好ましくは硫酸等の酸触媒、或いは有機チタン化合
物、有機錫化合物等の金属系触媒等のエステル化触媒の
存在下に、要すれば窒素雰囲気中で、エステル生成物の
沸点以下の温度に加熱し、反応により生成する水を除去
しながら反応させるという、常法に従って行うことがで
きる。
【0017】その際の反応温度は、使用する触媒等の条
件にもよるが、エステル生成物の安定性及び脱水効率等
の面から、通常100〜250℃、好ましくは120〜
230℃とする。反応終了後、真空蒸留(ストリッピン
グ)、水蒸気蒸留、アルカリ中和、水洗浄、濾過等の精
製処方を用いて、系内に残存する未反応カルボン酸、未
反応アルコール、触媒を除去、精製することにより、目
的とするエステル化反応物としての可塑剤が得られる。
尚、その際、脱色剤、脱臭剤、吸着剤、濾過助剤等の品
質改良助剤が添加されてもよい。
【0018】本発明の製造方法によって得られる可塑剤
は、カルボン酸又はカルボン酸無水物としてフタル酸又
はフタル酸無水物を用いる場合、フタル酸ジ(2−エチ
ルヘキシル)60〜99重量%、フタル酸(2−エチル
ヘキシル)−(2−エチル−4−メチルペンチル)40
〜1重量%、及びフタル酸ジ(2−エチル−4−メチル
ペンチル)7〜0重量%〔但し、各重量%はこの三種の
合計100重量%に対するものである。〕の混合可塑剤
である。
【0019】又、本発明の製造方法によって得られる可
塑剤を含有させ組成物を構成する被可塑化物としては、
特に限定されず、従来より可塑剤が用いられている樹脂
やゴム、例えば、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、
セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、塩素化ポリエチレ
ン等のビニル系樹脂、クロロプレンゴム、スチレンブタ
ジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタ
ンゴム等のゴムや各種熱可塑性エラストマー等が挙げら
れる。これらの中で、塩化ビニル系樹脂が特に好まし
い。
【0020】その塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニ
ルの単独重合体、塩化ビニルと、エチレン、プロピレ
ン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイン
酸又はそのエステル、アクリロニトリル、アクリル酸又
はそのエステル、メタクリル酸又はそのエステル等との
共重合体等が挙げられる。
【0021】又、前記被可塑化物に対する可塑剤の含有
量としては、被可塑化物100重量部に対して1〜20
0重量部とするのが好ましく、10〜150重量部とす
るのが更に好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲未満で
は、組成物に十分な可塑性を付与することが困難な傾向
となり、一方、前記範囲超過では、機械的強度等の諸物
性の低下やブリードアウトが生じる傾向となる。
【0022】尚、前記組成物には、必要に応じて、被可
塑化物に通常用いられる添加剤、例えば、安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、離
型剤、難燃剤、着色剤、充填材等が添加されてもよい。
【0023】本発明により得られる可塑剤を含有する組
成物を調製し、成形加工して成形体とする方法として
は、その成形加工法によって二つに大別できる。その一
つは、懸濁重合により得られた例えば塩化ビニル系樹脂
等の被可塑化物を、可塑剤及びその他の配合剤と混合
し、ミルロール、カレンダーロール、バンバリーミキサ
ー、ブラベンダー、押出機等の混練機で溶融混練した
後、押出成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等により
所望の形状に成形して成形体とする方法であり、又、他
の一つは、乳化重合若しくは微細懸濁重合により得られ
た例えば塩化ビニル系樹脂等の被可塑化物を、可塑剤及
びその他の配合剤と混合して粘稠なプラスチゾルとなし
た後、ディップ成形、スラッシュ成形、回転成形等によ
り所望の形状に成形した後、高温でゲル化させて成形体
とする方法である。
【0024】本発明により得られる可塑剤を含有する組
成物は、可塑剤がフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等
の汎用の可塑剤と同等の可塑剤性能を有することから、
各種包装用資材、建築用資材、農業用資材、産業用資
材、自動車部品、家電部品等の素材として用いられるの
は勿論のこと、プラスチゾルとしての長期保管時の粘度
安定性にも優れることから、床材、壁紙、天井被覆材、
レザー、シーリング材、鋼板被覆材等の素材としても、
好適に用いられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。
【0026】実施例1 n−ブチルアルデヒド98.3重量%とi−ブチルアル
デヒド1.7重量%とからなる混合アルデヒドを1.6
kg/時間の量、及び、2重量%の苛性ソーダ水溶液を
2.8kg/時間の量で、それぞれ、内容量2lのセパ
ラブルフラスコの2段流通反応器内に供給し、第1反応
器で90℃の温度で20分間縮合反応させ、更に第2反
応器で同条件で縮合反応させた後、反応生成物を冷却、
相分離して、縮合反応物を得た。引き続いて、径5m
m、長さ5mmの円柱状の銅−クロム系水添触媒(予め
窒素を希釈流として含有する希薄水素流で200℃で還
元したもの)を10cc充填した径1インチ、長さ60
cmのSUS製単管反応器に、蒸気化させた前記縮合反
応物を16cc/時間の量、及び、水素を2.4モル/
時間の量で、それぞれ供給し、180℃の温度、4.6
kg/cm2 Gの圧力下で気相水添反応させることによ
り、混合アルコールを製造した。得られた混合アルコー
ルの混合割合は、ガスクロマトグラフィーにより分析し
た結果、2−エチルヘキサノール97.8重量%、2−
エチル−4−メチルペンタノール2.2重量%であっ
た。
【0027】無水フタル酸148g(1.0モル)、及
び、前記で得られた2−エチルヘキサノール318g
(2.45モル)と2−エチル−4−メチルペンタノー
ル7g(0.05モル)からなる混合アルコール325
gを攪拌機及び冷却管付き油水分離装置を装着したフラ
スコに仕込み、エステル化反応触媒としてのテトライソ
プロピルチタネート0.2gを添加し、温度を220℃
まで上げ、その昇温途上で反応生成水を系外に除去し、
還流状態を維持するため必要に応じて系内を減圧にしな
がら反応させ、系内反応液の酸価が0.10mgKOH
/gになったところで加熱を停止して、減圧度を1.3
kPaまで高めながら過剰のアルコール分を除去し、反
応液を5%炭酸ナトリウム水溶液100gで洗浄し油水
分離を行った後、更に水で2回洗浄した。その後、14
0℃、5.3kPaの条件下で2時間水蒸気蒸留を行
い、減圧脱水後、濾過することによりエステル化反応物
としての可塑剤を得た。得られた可塑剤をガスクロマト
グラフィーにより分析した結果、フタル酸ジ(2−エチ
ルヘキシル)が97.03重量%、フタル酸(2−エチ
ルヘキシル)−(2−エチル−4−メチルペンチル)が
2.97重量%の混合可塑剤であった。又、JIS K
6751に準拠して測定した酸価は0.01mgKOH
/gであり、同じくJIS K6751に準拠して測定
した色相は、20APHAであった。
【0028】得られた可塑剤を用いて、塩化ビニル系樹
脂としての塩化ビニル単独重合体樹脂(平均重合度13
00、三菱化学社製「ビニカSG−1300」)100
重量部、前記可塑剤67重量部、及びカドミウム系安定
剤(栄伸化成社製「L−500」)1重量部とを、予備
混合した後、160℃に温調した2本ミルロールで5分
間混合し、しかる後、所定の厚さとなるように、温度1
60℃で、1.96MPaの加圧下で2分間予熱した
後、19.6MPaの加圧下で3分間保持することによ
り、プレスシートを作製した。
【0029】得られたプレスシートを用いて、以下に示
す方法で、揮発性、引張特性、耐熱特性、及び耐寒特性
を評価し、結果を表1に示した。揮発性 ASTM D1203に準拠して、87℃で1日及び6
日放置後の可塑剤重量の初期重量に対する減量率を測定
した。引張特性 JIS K6723に準拠して、100%引張応力、破
壊強さ、及び破壊伸びを測定した。
【0030】耐熱特性 JIS K6723に準拠して、100℃で120時間
放置後の100%引張応力、破壊強さの残率、破壊伸び
の残率、及び重量損失を測定した。耐寒特性 ASTM D1043に準拠して、捩り剛性が310M
Paを示すときの温度、並びに、JIS K6723に
準拠して脆化温度を測定した。
【0031】一方、塩化ビニル系樹脂としての塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂(平均重合度1100、三
菱化学社製「ビニカP−500」)100重量部、及び
前記で得られた可塑剤60重量部を、ケミスターラーを
用いて1740rpmの回転数で2分間攪拌した後に、
粗引き脱泡し、2.7kPaで1分間真空引きしてプラ
スチゾルを作製した。
【0032】得られたプラスチゾルについて、以下に示
す方法で、プラスチゾルとしての粘度安定性を評価し、
結果を表1に示した。粘度安定性 プラスチゾルを23℃、50%RH下で2時間放置した
後、東京計器製作所社製のB8H型粘度計(Brook
field Viscometer)を用いて、5rp
mの回転数にて粘度を測定してこれを初期粘度とし、そ
の後23℃、50%RH下で14日間保管した後に同様
にして粘度を測定し、それの初期粘度に対する変化率を
算出した。
【0033】実施例2 混合アルコールとして、2−エチルヘキサノール309
g(2.38モル)(95.1重量%)と2−エチル−
4−メチルペンタノール16g(0.12モル)(4.
9重量%)の混合割合のものを用いた外は、実施例1と
同様にして可塑剤を製造した。得られた可塑剤は、フタ
ル酸ジ(2−エチルヘキシル)が92.45重量%、フ
タル酸(2−エチルヘキシル)−(2−エチル−4−メ
チルペンチル)が7.55重量%の混合可塑剤であっ
た。得られた可塑剤について、実施例1と同様にして、
プレスシートを作製して、揮発性、引張特性、耐熱特
性、及び耐寒特性を評価し、又、プラスチゾルを作製し
て、粘度安定性を評価し、結果を表1に示した。
【0034】実施例3 混合アルコールとして、2−エチルヘキサノール293
g(2.25モル)(90.2重量%)と2−エチル−
4−メチルペンタノール32g(0.25モル)(9.
8重量%)の混合割合のものを用いた外は、実施例1と
同様にして可塑剤を製造した。得られた可塑剤は、フタ
ル酸ジ(2−エチルヘキシル)が83.53重量%、フ
タル酸(2−エチルヘキシル)−(2−エチル−4−メ
チルペンチル)が15.94重量%、フタル酸ジ(2−
エチル−4−メチルペンチル)が0.53重量%の混合
可塑剤であった。得られた可塑剤について、実施例1と
同様にして、プレスシートを作製して、揮発性、引張特
性、耐熱特性、及び耐寒特性を評価し、又、プラスチゾ
ルを作製して、粘度安定性を評価し、結果を表1に示し
た。
【0035】実施例4 混合アルコールとして、2−エチルヘキサノール260
g(2.00モル)(80.0重量%)と2−エチル−
4−メチルペンタノール65g(0.50モル)(2
0.0重量%)の混合割合のものを用いた外は、実施例
1と同様にして可塑剤を製造した。得られた可塑剤は、
フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)が66.05重量
%、フタル酸(2−エチルヘキシル)−(2−エチル−
4−メチルペンチル)が29.74重量%、フタル酸ジ
(2−エチル−4−メチルペンチル)が4.21重量%
の混合可塑剤であった。得られた可塑剤について、実施
例1と同様にして、プレスシートを作製して、揮発性、
引張特性、耐熱特性、及び耐寒特性を評価し、又、プラ
スチゾルを作製して、粘度安定性を評価し、結果を表1
に示した。
【0036】比較例1 n−ブチルアルデヒド60.0重量%とi−ブチルアル
デヒド40.0重量%とからなる混合アルデヒドを1.
0kg/時間の量で供給し、第1反応器で82℃の温度
で12分間縮合反応させ、更に第2反応器で同条件で縮
合反応させた外は、実施例1と同様にして混合アルコー
ルを製造した。得られた混合アルコールの混合割合は、
2−エチルヘキサノール50.0重量%、2−エチル−
4−メチルペンタノール50.0重量%であった。
【0037】その混合アルコール、2−エチルヘキサノ
ール163g(1.25モル)と2−エチル−4−メチ
ルペンタノール163g(1.25モル)の混合割合の
ものを用いた外は、実施例1と同様にして可塑剤を製造
した。得られた可塑剤は、フタル酸ジ(2−エチルヘキ
シル)が28.03重量%、フタル酸(2−エチルヘキ
シル)−(2−エチル−4−メチルペンチル)が49.
28重量%、フタル酸ジ(2−エチル−4−メチルペン
チル)が22.69重量%の混合可塑剤であった。得ら
れた可塑剤について、実施例1と同様にして、プレスシ
ートを作製して、揮発性、引張特性、耐熱特性、及び耐
寒特性を評価し、又、プラスチゾルを作製して、粘度安
定性を評価し、結果を表1に示した。
【0038】比較例2 アルコールとして2−エチル−4−メチルペンタノール
のみを325g(2.50モル)用いた外は、実施例1
と同様にしてエステル化反応させることにより、フタル
酸ジ(2−エチル−4−メチルペンチル)100重量%
の可塑剤を製造した。得られた可塑剤について、実施例
1と同様にして、プレスシートを作製して、揮発性、引
張特性、耐熱特性、及び耐寒特性を評価し、又、プラス
チゾルを作製して、粘度安定性を評価し、結果を表1に
示した。
【0039】比較例3 アルコールとして2−エチルヘキサノールのみを325
g(2.50モル)用いて製造された可塑剤、フタル酸
ジ(2−エチルヘキシル)(三菱化学社製「ダイヤサイ
ザーDOP」)を用いた外は、実施例1と同様にして、
プレスシートを作製して、揮発性、引張特性、耐熱特
性、及び耐寒特性を評価し、又、プラスチゾルを作製し
て、粘度安定性を評価し、結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】尚、表1中の可塑剤組成において、DOP
はフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、EMPはフタル
酸(2−エチルヘキシル)−(2−エチル−4−メチル
ペンチル)、DPPはフタル酸(2−エチル−4−メチ
ルペンチル)をそれぞれ示す。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、フタル酸ジ(2−エチ
ルヘキシル)等の汎用の可塑剤と同等の可塑剤性能を有
すると共に、プラスチゾルとしての長期保管時の粘度安
定性にも優れる樹脂組成物等を得ることができる、可塑
剤製造用混合アルコール、及び、それを用いた可塑剤の
製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 (72)発明者 江本 浩樹 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 (72)発明者 中西 章夫 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC48 BN10 FE11 KA06 4J002 AA001 AB011 AC071 AC081 AC091 BB241 BC021 BD031 BD081 BG001 CK021 EH096 EH136 EH146 FD026 GA00 GG02 GL00 GM00 GN00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−エチルヘキサノール80〜99.4
    重量%と2−エチル−4−メチルペンタノール20〜
    0.6重量%との混合アルコールからなることを特徴と
    する可塑剤製造用混合アルコール。
  2. 【請求項2】 混合アルコールが、n−ブチルアルデヒ
    ド85〜99.6重量%とi−ブチルアルデヒド15〜
    0.4重量%との混合アルデヒドのアルドール縮合反応
    及び水添反応により得られたものである請求項1に記載
    の可塑剤製造用混合アルコール。
  3. 【請求項3】 カルボン酸又はカルボン酸無水物と、請
    求項1又は2に記載の混合アルコールとを、エステル化
    反応させることを特徴とする可塑剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸又はカルボン酸無水物が、フ
    タル酸又はフタル酸無水物である請求項3に記載の可塑
    剤の製造方法。
JP2000139950A 2000-05-12 2000-05-12 可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法 Expired - Fee Related JP3919422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000139950A JP3919422B2 (ja) 2000-05-12 2000-05-12 可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000139950A JP3919422B2 (ja) 2000-05-12 2000-05-12 可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001322959A true JP2001322959A (ja) 2001-11-20
JP3919422B2 JP3919422B2 (ja) 2007-05-23

Family

ID=18647314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000139950A Expired - Fee Related JP3919422B2 (ja) 2000-05-12 2000-05-12 可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3919422B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238795A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Arakawa Chem Ind Co Ltd 印刷インキ用樹脂組成物およびその製造方法
WO2011054781A1 (de) 2009-11-03 2011-05-12 Basf Se THERMOPLASTISCHE ZUSAMMENSETZUNGEN MIT VERBESSERTER FLIEßFÄHIGKEIT
EP2377844A2 (de) 2004-06-21 2011-10-19 Basf Se Hilfsmittel enthaltend Cyclohexanpolycarbonsäurederivate
WO2011151301A1 (de) 2010-06-01 2011-12-08 Basf Se Verfahren zur herstellung von expandierbaren styrolpolymer-zusammensetzungen

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2377844A2 (de) 2004-06-21 2011-10-19 Basf Se Hilfsmittel enthaltend Cyclohexanpolycarbonsäurederivate
JP2007238795A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Arakawa Chem Ind Co Ltd 印刷インキ用樹脂組成物およびその製造方法
WO2011054781A1 (de) 2009-11-03 2011-05-12 Basf Se THERMOPLASTISCHE ZUSAMMENSETZUNGEN MIT VERBESSERTER FLIEßFÄHIGKEIT
WO2011151301A1 (de) 2010-06-01 2011-12-08 Basf Se Verfahren zur herstellung von expandierbaren styrolpolymer-zusammensetzungen

Also Published As

Publication number Publication date
JP3919422B2 (ja) 2007-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3398987B1 (en) Plasticizer composition and resin composition comprising same
TWI715761B (zh) 塑化劑組成物及含彼之樹脂組成物
CN109153813B (zh) 增塑剂组合物和包含其的树脂组合物
TWI725196B (zh) 塑化劑組成物、樹脂組成物及製備彼等之方法
JP5860977B2 (ja) 可塑剤、可塑剤組成物、耐熱樹脂組成物及びそれらの製造方法
TWI826398B (zh) 塑化劑組成物及含彼之樹脂組成物
TWI746575B (zh) 塑化劑組成物、樹脂組成物及彼等之製法
JPWO2016088841A1 (ja) 絶縁材
JP2001322959A (ja) 可塑剤製造用混合アルコール及びそれを用いた可塑剤の製造方法
JP7235112B2 (ja) フタル酸エステル組成物
EP3530690A1 (en) Plasticizer composition comprising cyclohexane 1,4-diester-based compound, and resin composition comprising same
US7211140B1 (en) Low temperature plasticizers for flexible polyvinyl chloride resin applications
JP2008133372A (ja) ポリエステル系可塑剤、及びそれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0931172A (ja) 可塑剤用ポリエステル組成物
JP2001123010A (ja) 可塑剤及びそれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
JP2001123009A (ja) 可塑剤及びそれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
MXPA00010266A (en) High performance plasticizers from branched oxo alcohols

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3919422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees