JP3759823B2 - 環状部品の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、軸受軌道輪用素材やハブユニットにおける内輪素材等の環状部品の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、玉軸受の外輪あるいは内輪は、リング状の素材を旋削し、あるいは研削してボール溝を形成している。
【0003】
図4は、上記外輪や内輪を形成する軌道輪素材の成形方法の従来例を示す。この成形方法は、下記の第1工程乃至第3工程から成る。
【0004】
第1工程;柱状素材B0 を熱間により据込んで円弧状外周面30を有する円弧状の第1成形品B1 を形成する。
第2工程;第1成形品B1 をプレス成形装置により成形して、両端面に円形の窪み31を形成し、かつ外周に円筒面32を成形して、その円筒面32の外径が最終仕上げ寸法されたリング状の第2成形品B2 を形成する。
第3工程;第2成形品を抜き孔プレス装置により上記窪み間の薄肉厚部33を打抜き、リング状の第3成形品B3 を形成する。
【0005】
ここで、第3工程によって得られた上記第3成形品B3 は軸受軌道輪の素材とされ、その外周または内周にボール溝を旋削することにより軌道輪が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記軌道輪用素材の成形方法においては、第2工程でのプレス成形によって第2成形品B2 の外径寸法および内径寸法を最終仕上げ寸法に仕上げる構成であるため、軸方向長さが比較的長い柱状素材B0 を必要とし、材料コストの低減化を図るうえにおいて改善すべき点が残されている。
【0007】
この発明の課題は、軸受軌道輪用素材等の環状部品の製造において、材料コストの低減化を図ることを技術的課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、加熱された柱状素材を軸方向に据込み、円弧状外周面を有する円盤状の第1成形品を形成する第1工程と、その第1成形品をプレス成形して、両端面の中央に深さが異なるテーパ状の窪みを成形し、かつ外周に円筒形外周面を形成し、その円筒形外周面の外径が最終仕上げ寸法より小径とされた第2成形品を形成する第2工程と、上記第2成形品を孔抜き拡径プレス成形して上記窪み間の薄肉厚部を深さの浅いテーパ状窪みから挿入されるポンチによって打抜くと共に、そのポンチの外周に形成されたテーパ面によるしごき加工により抜き孔の内周を拡径して内・外に円筒面を形成し、リング状の第3成形品を形成する第3工程とから成る構成を採用している。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0010】
図1は、この発明に係る軸受軌道輪用素材の製造方法により成形される成形品を段階的に示すフロー図である。図1(I)に示す柱状素材A0 は第1工程において、熱間により軸方向に据込まれる。その軸方向への据込みによって、図1(II)に示すように、円弧状外周面1を有する円盤状の第1成形品A1 が形成される。
【0011】
第1成形品A1 は、第2工程においてプレス成形される。図2(I)はそのプレス成形装置10を示す。プレス成形装置10は、上型11と下型12とから成る。
【0012】
上型11はポンチ13を有し、ポンチ13の下端に窪み成形用のテーパ状突部14が設けられている。
【0013】
下型12は、リング状のダイ15と、そのダイ15の内側に先端部が挿入されたノックアウトスリーブ16と、そのノックアウトスリーブ16の内側に挿入されたポンチ17とを有する。
【0014】
ダイ15は円筒形内面15aを有し、その円筒形内面15aの内径は、形成しようとする製品の外径より小径とされている。ノックアウトスリーブ16は軸方向にスライド自在とされ、その下降位置においてポンチ17の上端面17aと同一高さに保持される。
【0015】
ポンチ17の上端面17aにはテーパ状突部18が設けられている。
【0016】
第1成形品A1 は、下型12のダイ15内に挿入され、ポンチ17のテーパ状突部18によって支持される。
【0017】
下型12にセットされた上記第1成形品A1 は、上型11の下降によりプレス成形される。図2(II)はそのプレス成形状態を示し、第1成形品A1 の両端面には上型側ポンチ13のテーパ状突部14と、下型側ポンチ17のテーパ状突部18とによってテーパ状の窪み2、3が成形される。また、窪み2、3の成形によって余肉が外径方向に逃げ、下型12のダイ15によって外周面4が円筒形に成形され、第2成形品A2 が形成される。
【0018】
第2成形品A2 は、上型11の上昇後、ノックアウトスリーブ16の上昇によって下型12から取り出される。
【0019】
図1(III )はプレス成形後の第2成形品A2 を示し、円筒形外周面4の外径は、最終仕上げ寸法より小径とされている。
【0020】
第2成形品A2 は、第3工程において、図3(I)に示し孔抜き拡径プレス成形装置20によりプレス成形される。
【0021】
孔抜き拡径プレス装置20は上型21と下型22とから成る。上型21は、ポンチ23を有し、そのポンチ23に下端面で開口する軸方向の孔24が設けられている。
【0022】
孔24の内周には、下端から大径円筒面24a、テーパ面24bおよび小径円筒面24cが順に形成され、大径円筒面24aの内径は、製品の大径側内径と略同寸法とされている。
【0023】
下型22は、リング状のダイ25と、そのダイ25内に上端部が挿入されたノックアウトスリーブ26と、そのノックアウトスリーブ26内に挿入されたポンチ27とを有する。
【0024】
ダイ25は円筒形内周面25aを有し、その内径は製品の外径と同寸法とされている。ノックアウトスリーブ26は軸方向にスライド自在とされ、上限停止位置では、その上端面がダイ25の上端面と略同一レベルに保持される。
【0025】
ポンチ27は、内径しごき用のテーパ面27aを外周に有し、そのテーパ面27aの上下に円筒面27b、27cが設けられ、上側円筒面27bの外径は第2成形品A2 の上側窪み2の最小内径と略同径とされている。また、下側円筒面27cの外径は製品の内径と同寸法とされている。
【0026】
上記ポンチ27には軸方向のピン挿入孔28が設けられ、そのピン挿入孔28内にノックアウトピン29がスライド自在に挿入されている。
【0027】
第2成形品A2 は、下型側ポンチ27の上端面上にセットされ、上型21の下降によって成形される。
【0028】
ここで、第2成形品A2 のセット後、上型21を下降すると、上型側ポンチ23が第2成形品A2 を押し下げるため、下型側ポンチ27によって第2成形品A2 の上下の窪み2、3間における薄肉厚部5が打ち抜かれ、抜き孔が形成される。
【0029】
上型側ポンチ23によって第2成形品A2 が押し下げられると、第2成形品A2 に形成された抜き孔が下型側ポンチ27のテーパ面27aによりしごき加工され、第2成形品A2 が拡径される。第2成形品A2 が図3(II)に示すように、下型側ポンチ27の下側円筒面27cの位置まで押し下げられると、その下側円筒面27cによって円筒形内周面6が形成されると共に、外周はダイ25により成形されて円筒形外周面7が形成され、図1(IV)に示す第3成形品A3 が形成される。この第3成形品A3 は、上型21の上昇後、ノックアウトスリーブ26の上昇によって下型22から取り出され、軸受軌道輪用素材として使用される。8は抜きかすを示す。
【0030】
ここで、抜き孔形成後の第2成形品A2 を下型側ポンチ27のテーパ面27aによって内径しごき加工するとき、第2成形品A2 の上側の窪み2が円筒形であると、しごき加工時の余肉の逃げによって第3成形品A3 の上端面側にバリが発生し、良好な製品を得ることができない。
【0031】
しかし、第2成形品A2 の上側の窪み2はテーパ状であるため、しごき成形時に軸方向に逃げる余肉は窪み2の大径部において吸収されることになり、バリの発生のきわめて少ない良好な製品を得ることができる。
【0032】
実施の形態においては、環状部品として軸受軌道輪素材を示したが、環状部品はこれに限定されない。例えば、ハブユニットの内輪素材であってもよく、ナット素材であってもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、両端面の中央に窪みが形成された第2成形品を孔抜き拡径プレス成形により窪み間の薄肉厚部を打抜き、その抜き孔をしごき加工して拡径し、円筒形外周面および円筒形内周面を形成するようにしたので、柱状素材の軸方向長さの短縮化を図り、材料コストの低減化を図ることができる。
【0034】
また、第2成形品の窪みをテーパ状としたことにより、抜き孔のしごき加工時に、軸方向に逃げる余肉は窪みの大径部において吸収されるため、バリの発生のきわめて少ない良好な環状部品を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(I)乃至(IV)は、この発明に係る成形方法によって成形される成形品を段階的に示すフロー図
【図2】(I)はプレス成形装置の断面図、(II)は成形状態の断面図
【図3】(I)孔抜き拡径プレス成形装置の断面図、(II)は成形状態の断面図
【図4】(I)乃至(IV)は従来の成形方法によって成形される成形品を段階的に示すフロー図
【符号の説明】
A0 柱状素材
A1 第1成形品
A2 第2成形品
A3 第3成形品
1 円弧状外周面
2 窪み
3 窪み
4 外周面
5 薄肉厚部
6 円筒形内周面
7 円筒形外周面
Claims (1)
- 加熱された柱状素材を軸方向に据込み、円弧状外周面を有する円盤状の第1成形品を形成する第1工程と、その第1成形品をプレス成形して、両端面の中央に深さが異なるテーパ状の窪みを成形し、かつ外周に円筒形外周面を形成し、その円筒形外周面の外径が最終仕上げ寸法より小径とされた第2成形品を形成する第2工程と、上記第2成形品を孔抜き拡径プレス成形して上記窪み間の薄肉厚部を深さの浅いテーパ状窪みから挿入されるポンチによって打抜くと共に、そのポンチの外周に形成されたテーパ面によるしごき加工により抜き孔の内周を拡径して内・外に円筒面を形成し、リング状の第3成形品を形成する第3工程とから成る環状部品の成形方法。
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