JP3759767B2 - ピペリジン誘導体およびそれを含有する医薬製剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規なピペリジン誘導体、およびそれを含有する医薬製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
血小板の凝集は血栓形成および血液凝固に重要な役割をしている。血小板の凝集過程の最終段階に、血小板表面上のGPIIb/IIIa受容体が活性化され、ついでその受容体がフィブリノーゲンと結合する過程がある。従って、GPIIb/IIIaとフィブリノーゲンのような接着蛋白質との結合を防止する阻害剤は、血栓形成および血液凝固を防止する上で有用であると考えられている。GPIIb/IIIaにフィブリノーゲンが結合する時に、フィブリノーゲン上のArg−Gly−Asp−Ser(RGDS)がその活性部位であるとされている(フィリップス[Phillips]ら,ブラッド[Blood] 1988,71,831-843)。そのために、RGDS類縁体がGPIIb/IIIa受容体拮抗薬として開発されている(特許公報;EP512831、EP445796、EP372486、EP513675)が、経口投与時においても有効である高活性な拮抗薬が望まれている。また、先行技術としてピペリジン誘導体(特願平6−310965)がある。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的はGPIIb/IIIa受容体拮抗作用を有し、血小板凝集阻害作用並びに抗血栓作用を有する新規ピペリジン誘導体またはその生理学的無毒な塩類及びそれらの化合物を有効成分として含有する経口投与で有効な抗血栓剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、新規ピペリジン誘導体を見いだし、上記目的に沿う本発明を完成させた。本発明は、下記に示す式1で示されるピペリジン誘導体である。なお、本発明のピペリジン誘導体は場合によりその塩類として用いても良い。
【0005】
【化3】
【0006】
(式1中、B及びGは独立して下記置換基で置換されていてもよい(C;0〜10)アルキレンを示し、
当該置換基とは(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキル、(C;0〜10)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、ヒドロキシ、またはハロゲノを示す。
Eは、下記置換基で置換されていてもよいオルト−、メタ−、またはパラ−フェニレン基を示し、
当該置換基とは、(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキル、(C;0〜10)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、ヒドロキシ、またはハロゲノを示す。
Lはヒドロキシ、(C;0〜10)アルキルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、(C;1〜10)アルキルカルボニルオキシ(C;1〜10)アルキルオキシ、またはアリール(C;1〜10)アルキルカルボニルオキシ(C;1〜10)アルキルオキシを示す。
Aは式2に示す置換基を示す。また、Cは炭素を示す。)
【0007】
【化4】
【0008】
(式2中、R1、R2、及びR3は独立して水素、(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキルを示し、
Qは水素、(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキル、(C;0〜10)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、ヒドロキシ、またはハロゲノ示す。また、Cは炭素を示す。)
【0009】
また本発明は、上記のピペリジン誘導体を含有する血小板凝集阻害剤である。
【0010】
本発明の式1の化合物は以下に示す方法によって製造することができる。すなわち、下記式3に示す化合物と、式4に示す化合物とを縮合剤を用いて縮合するか、または、式3に示した化合物を酸ハライドや活性エステル等のカルボン酸誘導体に変換し、ついで塩基等を用いて縮合させた後、必要ならばピペリジンの窒素原子上の保護基を脱離させる。ついで、ピペリジンの窒素原子上にアシルオキシアルキルオキシカルボニル誘導体を反応させることによって(フォルクマンら、シンセシス、1159(1990))、または1−ハロゲノアルキルオキシカルボニルハライドを反応させた後にカルボン酸塩を反応させること(アレキサンダーら、ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー,34巻,78-81,(1991))によって本発明の式1を製造することができる。
【0011】
【化5】
【0012】
(式3中、Mは水素、(C;1〜10)アルキル、(C;1〜10)アルキルオキシカルボニル、またはアリール(C;0〜8)アルキルオキシカルボニルを示し、Bは式1と同義であり、またQは式2と同義である。)
【0013】
【化6】
【0014】
(式4中、E、G、Lは式1と同義である。)
【0015】
ここで、式3に示した化合物は、下記式5に示す化合物と、式6に示す化合物とを塩基を用いて縮合させて、下記式7に示す化合物を得た後、必要ならば、酸または塩基を用いて加水分解することにより、もしくは水素等により還元的に脱離を行なうことにより製造することができる。式5に示した化合物の製造例として、1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン(H.C.ブラウンら、ジャーナル オブ オルガニック ケミストリー,50巻,1582-9,(1985))が挙げられる。また、式5に示した化合物と式6に示した化合物との縮合例として、式6に示した化合物のTが臭素の場合は、H.H.フリードマンらの方法(テトラヘドロン レターズ No.38,3251(1975))が挙げられる。
【0016】
【化7】
【0017】
(式5中、Mは式3と同義であり、Qは式2と同義である。)
【0018】
【化8】
【0019】
(式6中、Bは式1と同義であり、Tはハロゲノ、アルキルスルフォネート、またはアリールスルフォネートを示し、Uはヒドロキシ、(C;0〜10)アルキルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、またはアリール(C;0〜8)アルキルオキシを示す。また、Cは炭素を示す。)
【0020】
【化9】
【0021】
(式7中、Mは式3と同義であり、Qは式2と同義であり、Bは式1と同義であり、またUは式6と同義である。)
【0022】
また、ここで、式4に示した化合物は、下記式8に示す化合物と、式9に示す化合物とを縮合剤を用いて縮合するか、または、式8に示した化合物の酸ハライド、あるいは活性エステル等のカルボン酸誘導体と塩基等を用いて縮合させることにより、式4に示した化合物のアミノ保護体を得ることができ、ついで、式8に示した化合物のVがニトロの場合は、還元することにより、その他の場合はアミノ保護基を脱離させることにより製造することができる。
【0023】
【化10】
【0024】
(式8中、Eは式1と同義であり、Vはニトロ、(C;1〜10)アルキルオキシカルボニルアミノ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシカルボニルアミノ、(C;1〜10)アルキルアミド、スクシニルイミド、またはフタロイルイミド等の保護されたアミノ基を示す。また、Cは炭素を示す。)
【0025】
【化11】
【0026】
(式9中、G、Lは式1と同義である。)
【0027】
本発明の新規ピペリジン誘導体は、GPIIb/IIIa受容体拮抗剤、およびGPIIb/IIIaとフィブリノーゲン等の接着蛋白質が結合することによって起こる血栓の形成を阻止する薬剤、すなわち血小板凝集阻害剤、抗血栓剤として使用される。本発明の化合物は、心筋梗塞、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢動脈閉塞症等の血栓形成が要因となる疾患の治療、再発予防に用いる。さらに本発明の化合物は、人工心肺使用や血液透析等の体外循環時の人工表面との相互作用による血小板活性化防止において有用である。また、冠動脈バイパス術、末梢動脈閉塞症の血行再建術、透析患者のシャント設置時のグラフト閉塞予防にも用い得る。
【0028】
投与量は症状により異なるが、一般に成人一日量0.10〜600mg、好ましくは1〜200mgであり、症状に応じて必要により1〜3回に分けて投与するのがよい。投与方法は投与に適した任意の形態をとることができ、特に経口投与が望ましいが静脈内投与も可能である。
本発明の化合物は有効成分もしくは有効成分の1つとして単独または製剤担体と共に公知の製剤技術によって錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、水剤、懸濁剤、注射剤、点眼剤、もしくは座剤等の投与に適した任意の製剤形態をとることができる。
【0029】
具体的な製剤担体としては、でんぷん類、ショ糖、乳糖、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、および合成ケイ酸アルミニウム等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチンおよびポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび架橋ポリビニルピロリドン等の崩解剤、ステアリン酸マグネシウムおよびタルク等の滑沢剤、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸およびメタアクリル酸メチルコーポリマー等の被覆剤、ポリエチレングリコール等の溶解補助剤、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびグリセリルモノステアレート等の乳化剤、EDTAなどのキレート剤、緩衝剤、保湿剤、防腐剤、カカオ脂およびウイテブゾールW35等の基剤を挙げることが出来る。
【0030】
【実施例】
次に実施例および試験例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0031】
(参考例1)
(1−1) 氷冷下、β−アラニン エチルエステル 塩酸塩 11.0gとトリエチルアミン 18.2gのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(50ml)に、メタ-ニトロ安息香酸クロライドのDMF溶液(40ml)を滴下し、室温で一夜撹拌した。水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を順に希酸、水、希アルカリ、水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、N−(メタ−ニトロベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 16.8gを得た(収率88%、油状物質)。
【0032】
(1−2) 水素雰囲気下、N−(メタ−ニトロベンゾイル)−β−アラニンエチルエステル 16.8g、10%パラジウム炭素 0.50gの酢酸エチル懸濁液を1日撹拌した。反応後、触媒を濾過をして得た濾液を減圧濃縮して、N−(メタ−アミノベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 14.6gを得た(収率98%、油状物質)。
【0033】
(1−3) 1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジンとブロモ酢酸から得た1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(カルボキシメトキシ)ピペリジン 5.00g、N−(メタ−アミノベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 4.04gとベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート 7.54gのDMF溶液(50ml)に、氷冷下、トリエチルアミン 5.18gを加え、室温で一夜撹拌した。水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を順に希酸、水、希アルカリ、水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレン−メタノール溶出画分よりN−(メタ−(1−(ベンジルオキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−オキシ−アセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 8.26gを得た(収率95%、油状物質)。
【0034】
(1−4) N−(メタ−(1−(ベンジルオキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−オキシ−アセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 8.26gのメタノール溶液(100ml)に炭酸カリウム 4.69gの水溶液(8ml)を加え、加熱還流した。反応後、反応液を酸性にし目的物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、N−(メタ−(1−(ベンジルオキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−オキシ−アセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン 6.69gを得た(収率86%、油状物質)。
【0035】
(1−5) 水素雰囲気下、N−(メタ−(1−(ベンジルオキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−オキシ−アセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン 4.69g、10%パラジウム炭素 0.50gのメタノール懸濁液(70ml)を一夜撹拌した。触媒を濾過後、濾液を減圧濃縮した。残渣を水性エタノールから再結晶化して、N−(メタ−(ピペリジン−4−イル−オキシ−アセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン 2.33gを得た(収率72%、無色結晶、融点206℃)。このものの機器分析データは、下記の式10の構造式を支持する。
【0036】
1H NMR(D2O)δ(ppm):7.67(s,1H),7.54−7.41(m,3H),4.16(s,2H),3.82−3.75(m,1H),3.52(t,2H,J=6.96Hz),3.41−3.35(m,2H),3.13−3.07(m,2H),2.46(t,2H,J=6.96Hz),2.15−2.05(m,2H),1.95−1.85(m,2H)
IR (1/cm):3600−3200,1700,1640,1550
MS(M+H):350
【0037】
【化12】
【0038】
(参考例2)
水素雰囲気下、N−(メタ−(1−(ベンジルオキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−オキシ−アセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 1.32g、10%パラジウム炭素 0.50gのエタノール懸濁液を1日撹拌した。反応後、触媒を濾過をして、濾液を減圧濃縮して、N−(メタ−(ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.87gを得た(収率89%、油状物質)。このものの機器分析データは、下記の式11の構造式を支持する。
【0039】
1H NMR(CDCl3-CD3OD)δ(ppm):8.00−7.40(m,4H),4.17(q,2H,J=6.9Hz),4.14(s,2H),3.90−3.80(m,1H),3.69(t,2H,J=6.3Hz),3.4−2.8(m,4H),2.67(t,2H,J=6.3Hz),2.2−1.7(m,4H),1.27(t,3H,J=6.9Hz)
IR (1/cm):3600−3200,1690,1640,1550
【0040】
【化13】
【0041】
(実施例1)
N−(メタ−(ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.60gと(アセトキシ)メチル 4−ニトロフェニル カーボネート 0.42gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を1夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を希アルカリで洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレン−メタノール溶出画分より N−(メタ−(1−(アセトキシメトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.51gを得た(収率65%、油状物質)。このものの機器分析データは、下記の式12の構造式を支持する。
【0042】
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):8.45(s,1H),7.88(S,1H),7.86(d,J=7.5Hz,1H),7.50(d,J=7.9Hz,1H),7.36(dd,1H),7.18(t,J=6.0Hz,1H),5.75(s,2H),4.15(q,J=7.1Hz,2H),4.09(s,2H),3.90−3.79(m,2H),3.73−3.63(m,3H),3.27−3.20(m,2H),2.62(t,J=6.2Hz,2H),2.10(s,3H),2.00−1.89(m,2H),1.72−1.60(m,2H),1.25(t,J=7.1Hz,3H)
【0043】
【化14】
【0044】
(実施例2)
N−(メタ−(ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.60gと1−(アセトキシ)エチル 4−ニトロフェニル カーボネート 0.43gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を1夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を希アルカリで洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレン−メタノール溶出画分より N−(メタ−(1−(1−(アセトキシ)エトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.51gを得た(収率40%、油状物質)。このものの機器分析データは、下記の式13の構造式を支持する。
【0045】
1H NMR(CD3OD)d(ppm):8.35(s,1H),7.88(d,J=7.5Hz,1H),7.87(s,1H),7.50(d,J=7.9Hz,1H),7.36(dd,1H),7.26(t,J=6.0Hz,1H),6.80(q,J=5.2Hz,1H),4.14(q,J=7.1Hz,2H),4.09(s,2H),3.84−3.82(m,2H),3.71−3.67(m,2H),3.70−3.65(m,1H),3.23−3.18(m,2H),2.64(t,J=6.2Hz,2H),2.06(s,3H),1.94−1.91(m,2H),1.66−1.62(m,2H),1.49(d,J=5.5Hz,3H),1.25(t,J=7.1Hz,3H)
【0046】
【化15】
【0047】
(実施例3)
N−(メタ−(ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.65gと(ピバロイルオキシ)メチル 4−ニトロフェニル カーボネート 0.51gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を1夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を希アルカリで洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレン−メタノール溶出画分より N−(メタ−(1−(ピバロイルオキシメトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン エチルエステル 0.51gを得た(収率45%、油状物質)。このものの機器分析データは、下記の式14の構造式を支持する。
【0048】
1H NMR(CD3OD)d(ppm):8.42(s,1H),7.91−7.85(m,2H),7.50−7.36(m,2H),7.04(t,J=6.0Hz,1H),5.78(s,2H),4.16(q,J=7.2Hz,2H),4.10(s,2H),3.92−3.80(m,2H),3.72(t,J=6.0Hz,2H),3.73−3.65(m,1H),3.27−3.21(m,2H),2.64(t,J=6.0Hz,2H),2.01−1.88(m,2H),1.72−1.58(m,2H),1.27(t,J=7.2Hz,3H),1.23(s,9H)
【0049】
【化16】
【0050】
(実施例4)
N−(メタ−(ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン 0.20gと(アセトキシ)メチル 4−ニトロフェニル カーボネート 0.15gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を1夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレン−メタノール溶出画分より N−(メタ−(1−(アセトキシメトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルオキシアセチルアミノ)ベンゾイル)−β−アラニン 0.16gを得た(収率60%、油状物質)。このものの機器分析データは、下記の式15の構造式を支持する。
【0051】
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):8.55(s,1H),8.00−7.20(m,4H),5.75(s,2H),4.05(s,2H),3.90−3.13(m,7H),2.50(t,J=6.2Hz,2H),2.08(s,3H),1.95−1.50(m,4H)
【0052】
【化17】
【0053】
(試験例)
ヒト洗浄血小板を用いたADP(アデノシン2リン酸)、トロンビンおよびフィブリノーゲン凝集抑制作用の測定
(1)多血小板血漿、洗浄血小板及びα−キモトリプシン処理血小板の調製
3.8%クエン酸ナトリウムを10%添加したヒト全血(ヒトの肘静脈から採血)を135×g(1100rpm)で10分間遠心分離した後、上清を多血小板血漿(PRP)として分取し、下層をさらに1600×g(3000rpm)で10分間遠心分離して、上清に乏血小板血漿(PPP)を得て、PRPとPPPをADP凝集測定に用いた。
【0054】
一方、0.5%BSA,5.5mMグルコース含有HEPESバッファー(pH7.4)で平衡化したセファロース CL−2B カラム(ファルマシア社製)にPRPを添加し、ボイド ボリウム(void volume)に溶離される分画を血小板浮遊液としてトロンビン凝集測定に用いた。さらに、洗浄血小板にα―キモトリプシンを終濃度10U/mlとなるよう加えて室温で30分間反応させた。その後、トリプシン―キモトリプシン インヒビター(0.5mg/ml)を加えてプロテアーゼ活性を止め、α−キモトリプシン処理血小板浮遊液としてフィブリノーゲン凝集に用いた。
【0055】
(2)ADP凝集測定
PRPをPPPで希釈し、血小板数を20−30×1e4/μlに調製し、ADPによる凝集反応をアグリゴメーター(NBS製 HEMATRACER VI)で測定した。まずPRP 0.2mlをアグリゴメーター用のキュベットに入れ、25μlの被験薬物溶液または生理食塩液(コントロール)を加えて37℃で5分間撹拌(1000rpm)しながらインキュベーションした。その後、ADP溶液25μlを添加し、凝集により生じた透過光度の変化を経時的に記録した。PRPおよびPPPの透過光度をそれぞれ 0および100%として凝集惹起物質添加時の最大透過光度を最大凝集率とした。生理食塩液添加時の最大凝集率に対する薬物添加時の最大凝集率をパーセントで表わし、凝集の50%阻害濃度(IC50)を算出した。結果を表1に示す。
【0056】
(3)トロンビン凝集測定
血小板浮遊液をHEPESバッファー(pH7.4)で希釈して、血小板数を20−30×1e4/μlに調製し、さらに塩化カルシウム、塩化マグネシウムを各々2mM(終濃度)となるように添加した。この血小板浮遊液を用い、HEPESバッファーを対照液としてADP凝集測定と同じ方法でトロンビン添加による凝集を測定した。生理食塩液添加時の最大凝集率に対する薬物添加時の最大凝集率をパーセントで表わし、凝集の50%阻害濃度(IC50)を算出した。結果を表1に示す。
【0057】
(4)フィブリノーゲン凝集測定
α−キモトリプシン処理血小板浮遊液をHEPESバッファー(pH7.4)で希釈して、血小板数を20−30×1e4/μlに調製し、さらに塩化カルシウム、塩化マグネシウムを各々2mM(終濃度)、PGE1を1μM(終濃度)となるよう加えた後、HEPESバッファーを対照液として、フィブリノーゲン(0.4mg/ml)による凝集反応を測定した。生理食塩液添加時の最大凝集率に対する薬物添加時の最大凝集率をパーセントで表わし、凝集の50%阻害濃度(IC50)を算出した。結果を表1に示す。
【0058】
(5)生物学的利用率(BA)の測定
実施例記載の化合物のラットへの経口投与(実施例1の化合物の10mg/Kg当量を投与)の後、実施例1の化合物のAUC(0−8時間)と、実施例1の化合物の静脈内投与後のAUCとの比較から計算した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
(急性毒性)
ICR系雄性マウス(5週齢)を用いて、経口投与による急性毒性試験を行なった。本発明のピペリジン誘導体のLD50値はいずれも300mg以上であり、高い安全性が確認された。
【0061】
【発明の効果】
上述した通り、本発明により新規なピペリジン誘導体が提供される。本発明のピペリジン誘導体は試験例に示されるように、フィブリノーゲン凝集抑制作用を有するため、フィブリノーゲン等の粘着蛋白質がGPIIb/IIIa受容体に結合することによって起こる血小板の凝集が関与する疾患の予防剤および治療薬として有効である。特に、抗血栓剤として有効である。
Claims (2)
- 下記に示す式1で示されるピペリジン誘導体。
当該置換基とは、(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキル、(C;0〜10)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、ヒドロキシ、またはハロゲノを示す。Eは、下記置換基で置換されていてもよいオルト−、メタ−、またはパラ−フェニレン基を示し、
当該置換基とは、(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキル、(C;0〜10)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、ヒドロキシ、またはハロゲノを示す。Lはヒドロキシ、(C;0〜10)アルキルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、(C;1〜10)アルキルカルボニルオキシ(C;1〜10)アルキルオキシ、またはアリール(C;1〜10)アルキルカルボニルオキシ(C;1〜10)アルキルオキシを示す。Aは式2に示す置換基を示す。また、Cは炭素を示す。)
Qは水素、(C;1〜10)アルキル、アリール(C;0〜8)アルキル、(C;0〜10)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C;1〜10)アルキルオキシ、アリール(C;0〜8)アルキルオキシ、ヒドロキシ、またはハロゲノ示す。また、Cは炭素を示す。) - 請求項1に記載のピペリジン誘導体を含有する血小板凝集阻害剤。
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