JP3759418B2 - 端子および、端子と電線との接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線の被覆を剥がさず簡単な処理で電線を接続することができる端子、端子と電線との接続構造および端子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用ワイヤーハーネス等おいて、電線の被覆を剥がさず簡単な処理で電線を接続することができる端子として圧接端子が用いられている。
【0003】
図22は従来の圧接端子の一例を示し、この圧接端子1は、相手側端子との嵌合部1aとこれに連なる電線接続部を有し、電線接続部には、底壁1bの両側から立ち上がる両側壁1cの間に、この両側壁1cからそれぞれ内側に切り起こされて、対向する内端縁の間にスロット1dを有する圧接刃1eが形成され、図示の例では前後2対の圧接刃1eが形成されている。そして、図23に示すように、圧接端子1は、対向する圧接刃1eで電線3の被覆3aを切り裂き、電線内部の芯線3bを挟んで圧接することにより、端子1と電線3を接続するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧接端子では、電線内部の芯線を圧接刃で挟んで接触を取っているため、電線が細線(電線内部の芯線の素線数が少なくかつ各素線が細い線)の場合に接圧(圧接刃の芯線に対する接触荷重)により素線が切れて芯線が断線したり、太線(素線数が多い線)の場合に外側の素線に接圧が集中して外側の素線が切れて圧接刃の接圧が低下したりして、圧接刃と芯線の接触が不安定になり、接触信頼性が低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な処理で電線を接続することができ、かつ接触信頼性が優れた端子およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、底壁、および底壁の両側からほぼ平行に上方へ立ち上がる側壁が形成されて、その断面が略U字状の端子であって、前記底壁に、電線の被覆を突き破りながら、電線内部の芯線と接触するピンが形成され、前記側壁間の内寸は、前記電線の外径より若干小さく設定されて電線の被覆に荷重を加え、前記ピンと芯線が接触する部分を圧迫するように構成されていることを特徴とする端子である。
【0007】
この発明によれば、底壁に形成したピンに電線を突き刺して端子と電線を接続するため、従来の圧接端子のように圧接刃で芯線を挟む場合と比較して素線切れが発生しにくく、電線が細線や太線の場合の素線切れに起因する接触不良の発生を低減でき、かつ電線の被覆を剥がさず簡単な処理で端子と電線を確実に接続することができる。
【0009】
さらに、この発明によれば、被覆を剥がさずに電線を端子の両側壁の間へ挿入するだけで電線の接続処理を行うことができ、従来の圧接端子と同等な設備で接続処理を簡単に行うことができる。また、電線接続後に両側壁から電線に荷重を加えて圧迫することにより、電線内部の芯線とピンの間で適度な接圧を保ちつつ、電線がピンから脱着することを防止できる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の端子において、上記側壁の上部に、電線を覆うための折り曲げ可能なプレートが形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、側壁の上部に形成したプレートを折り曲げて電線の上部を覆うことにより、電線がピンから脱着することを確実に防止できる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の端子において、上記プレートに、上記ピンを挿通させるための穿孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、プレートを折り曲げて電線の上部を覆い、さらにピンの先端を穿孔に通すことにより、電線がピンから脱着することをさらに確実に防止できる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3のいずれかに記載の端子において、上記側壁または上記プレートが上方に拡がって開口していることを特徴とするものである。
【0015】
この発明によれば、上方に拡がった側壁またはプレートが電線の受け口となり、電線接続時の電線の位置ズレを防ぎ、電線を側壁の間にスムーズに挿入することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の端子において、上記底壁に複数本のピンが形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、底壁に複数本のピンを形成することにより、端子と電線間の接触面積が増えて接触信頼性が向上し、かつ電線がピンから脱着することを防ぐことができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、底壁、および底壁の両側からほぼ平行に上方へ立ち上がる側壁が形成されて、その断面が略U字状の端子において、前記端子の底壁にピンが形成され、該ピンが電線の被覆を突き破りながら、電線内部の芯線と接触した状態で、ピンの先端が折り曲げられており、前記側壁間の内寸は、電線の外径より若干小さく設定されて前記電線の被覆に荷重を加え、前記ピンと芯線が接触する部分を圧迫するように構成されていることを特徴とする端子と電線との接続構造である。
【0019】
この発明によれば、ピンの先端を折り曲げることにより電線が固定されて、電線がピンから脱着することを確実に防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の端子2の基本構造を示す斜視図であり、嵌合部等は省略した。
【0026】
上記端子2には、底壁2bとこの底壁2bの両側からほぼ平行に上方へ立ち上がる側壁2c1、2c2とが形成され、その底壁2bに、上方へ立ち上がるピン2dが形成されている。このピン2dの先端は三角状に尖らすことが望ましい。
【0027】
図2(a)に示すように、電線3を端子2の上方から側壁2c1、2c2の間に挿入しながら、矢印aで示すように、ピン2dに電線3を突き刺す。この結果、図2(b)に示すように、ピン2dは電線3の被覆3aを突き破り、内部の芯線3bと接触して端子2と電線3とが接続される。
【0028】
上記電線3はビニール等の軟性樹脂で被覆されており、上記ピン2dが電線内部の芯線3bに突き刺されると素線は外側に逃げることができるため、従来の圧接端子のように圧接刃で芯線を挟む場合と比較して素線切れが発生しにくく、電線3が細線や太線の場合の素線切れに起因する接触不良を大幅に低減することができる。
【0029】
また、上記端子2は、被覆を剥がさずに電線3を端子2の側壁2c1、2c2の間へ挿入することにより電線3の接続処理を行うことができ、従来の圧接端子と同等な設備で接続処理を行うことができる。
【0030】
ピン2dの形状は、図1では板状で先端部が三角状のものを示したが、電線3に対する貫通力(ピンが電線の被覆を突き破り、芯線を突き通す力)、芯線3bとの接触性等を考慮すると、画鋲の針のように軸部が細い円筒状で先端部が細く尖った円錐状の形状であってもよい。また、図21(a)、(b)に示すように電線素線との接触面積を大きくするために、先端を鋭利にした平板状あるいは三角形の板状であってもよい。
【0031】
また、ピン2dの形成位置は、芯線3bとの接触性等を考慮すると、図2(a)、(b)に示したように、底壁2bの幅方向の中心付近に形成することが望ましい。
【0032】
電線3の芯線3bは、複数本の素線が撚り合わされた撚線が最適であるが、後述するように単線でも接続可能な構造の端子もある。
【0033】
側壁2c1、2c2間の内寸Wは、電線3の外径より若干小さく設定することが好ましく、このようにすると図2(b)のように、電線3は側壁2c1、2c2に挟まれた状態となり、側壁2c1、2c2が電線3の被覆3aを圧迫して、ピン2dと芯線3bが適度な接圧で接触し、電線3がピン2dから脱着することを防止できる。
【0034】
上記端子2では、側壁を省略して、底壁2bとピン2dのみの構造も可能である。すなわち、図3に示すように、コネクタ4のキャビティ4aに底壁2bとピン2dのみの端子2´を装着し、キャビティ4aの両側壁4bの間に電線3を挿入して、ピン2dに電線3を突き刺して接続するようにしてもよい。
【0035】
次に、電線3がピン2dから脱着することを確実に防止することができる構造の端子について説明する。
【0036】
図4(a)は、側壁2c1の上部にプレート2eを形成した端子2の側面断面図、図4(b)は、電線接続前の端子2の断面図、図4(c)、(d)は、電線3を接続してプレート2eを折り曲げた状態の端子2の断面図である。図4(c)、(d)に示すように、プレート2eを下方(図4(b)の矢印b参照)に折り曲げて電線3の上部を覆うことにより、電線3がピン2dから脱着することを確実に防止できる。
【0037】
なお、プレート2eの先端は、図4(c)に示すように折り曲げ時に側壁2c2に重ならなくてもよいし、図4(d)に示すように重なってもよい。
【0038】
また、図4(a)に破線で示すように、ピン2dがプレート2eの位置から前後方向にずれて2d´の位置に存在し、プレート2eは、ピン2dを直接覆わず電線3の上部のみを覆う場合でも、電線3を端子2に固定して電線3がピン2dから脱着することを確実に防止でき、プレート2eとピン2dの位置関係は任意に設定できる。
【0039】
図5(a)は、両側壁2c1、2c2の上部にプレート2e1、2e2を形成した端子2の断面図、図5(b)は、電線3を接続してプレート2e1、2e2を折り曲げた状態の端子2の断面図である。図5(b)に示すように、両側壁2c1、2c2上部のプレート2e1,2e2を下方に互い違いに折り曲げて電線3の上部を二重に覆うことにより、電線3がピン2dから脱着することをさらに確実に防止できる。
【0040】
図6は、両側壁2c1、2c2にプレート2e1、2e2を形成する場合の配置例を示す。図6(a)は、プレート2e1、2e2を両側壁2c1、2c2に対向して配置した端子の平面図、図6(b)は、プレート2e1、2e2を両側壁2c1、2c2に前後方向に交互に配置した端子の平面図である。
【0041】
図6(a)のようにプレート2e1、2e2を配置して、対向するプレート2e1、2e2間にピン2dが存在する場合、電線3を挿入してプレート2e1、2e2を折り曲げた状態の端子2の断面は、図5(b)のようになる。
【0042】
図6(b)のようにプレート2e1、2e2を配置して、前後方向に交互に配置したプレート2e1、2e2のいずれかの位置にピン2dが存在する場合、電線3を挿入してプレート2e1、2e2を折り曲げた状態の端子2の断面は、図4(c)または(d)のようになる。
【0043】
また、図6(a)、(b)に破線で示すように、ピン2dがプレート2e1、2e2の位置から前後方向にずれてピン2d´の位置に存在し、プレート2e1、2e2は、ピン2dを直接覆わず電線3の上部のみを覆う場合でも、電線3を端子2に固定して電線3がピン2dから脱着することを防止することができ、プレート2e1、2e2とピン2dの位置関係は任意に設定できる。
【0044】
図7(a)は、側壁2c1の上部に形成したプレート2eに穿孔2fを形成した端子の断面図、図7(b)は、電線3を接続してプレート2eを折り曲げた状態の端子の断面図である。図7(b)に示すように、プレート2eを下方に折り曲げて電線3の上部を覆いながら、ピン2dの先端を穿孔2fに通すことにより、電線3がピン2dから脱着することをさらに確実に防止できる。
【0045】
図8は、ピン2dを折り曲げて電線3を端子2に固定する過程を示す。図8(a)は、端子2に電線3を接続した状態の断面図、図8(b)はピン折り曲げ前の側面図、図8(c)はピン折り曲げ後の側面図である。図8(b)、(c)に示すように電線3を貫通したピン2dの先端を水平方向へ折り曲げて、電線3を底壁2bとの間に挟み込むことにより、電線3がピン2dから脱着することを確実に防止できる。
【0046】
また、図7(b)のように、電線3を貫通し、さらにプレート2eの穿孔2fを通してプレート2e上に突出しているピン2dの先端を折り曲げてもよい。
【0047】
次に、電線3を側壁2c1,2c2の間へスムーズに挿入することができる構造の端子2について説明する。
【0048】
図9(a)、(b)は側壁2c1、2c2が上方開口側で拡がった形状の端子2の断面図である。図9(a)の端子2は、側壁2c1、2c2全体が上方に逆八の字状に拡がっており、図9(b)の端子2は、側壁2c1、2c2の上部2c11、2c21が上方に逆八の字状に拡がっているものである。いずれの端子2も上方に拡がった側壁2c1,2c2または側壁上部2c11,2c21が電線3の受け口となり、電線接続時の電線3の位置ズレを防ぎ、電線3を側壁2c1,2c2の間にスムーズに挿入することができる。
【0049】
また、図9(b)の構造の端子では、側壁上部2c11、2c21は側壁でなく、図5で説明したプレート2e1、2e2でも同等な効果を得ることができ、プレート2e1、2e2の配置は図6(a)、(b)いずれの場合でも電線の受け口として作用し、電線3を側壁2c1,2c2の間へスムーズに挿入することができる。
【0050】
次に、端子2の製造方法について説明する。
【0051】
端子2の製造方法としては、ピン2dを端子2の基材と別体とし、例えばレーザー溶接等により、ピン2dを端子2の基材に接合して形成することができる(製造方法1)。
【0052】
図1〜図9は、製造方法1により製造した端子2であり、各々別対のピン2dの下端を端子2の底壁2bにレーザー溶接等で接合している。
【0053】
製造方法1によれば、底壁2b上の所望する位置に、所望する強度、電気抵抗等を持つ材料でピン2dを形成することができ、高品質な端子2を製造することができる。
【0054】
端子2の他の製造方法としては、ピン2dを端子2の基材と一体とし、ピン2dを端子2の基材を切り起こして形成することができる(製造方法2)。
【0055】
図10は、製造方法2により製造した端子2の基本構造を示す斜視図であり、嵌合部等は省略した。図10の端子2には、底壁2bと側壁2c1、2c2とが形成され、底壁2bから上方に切り起こされたピン2dが一体形成されている。なお、2gは底壁2bよりピン2dを切り起こした時に生じるピン切り起こし穴である。
【0056】
製造方法2によれば、端子2の基材を切り起こしてピン2dを形成することにより、従来の圧接端子の圧接刃と同等な方法で形成することができ、従来の圧接端子の製造設備を流用でき、安価に端子を製造することができる。
【0057】
なお、端子2は、後述のように複数本のピンを形成する場合、以上の2種類の製造方法1、2を併用して製造することもできる。
【0058】
次に、底壁2bに複数本のピン2dを形成した端子2について説明する。
【0059】
図11(a)は、側壁2c1、2c2に平行な方向に2本のピン2d1、2d2を形成した端子の側面図、図11(b)〜(e)は各種配置パターンの平面図である。図11(a)〜(e)においてAの方向に嵌合部があるものとする。図11(b)〜(e)は、ピン2d1、2d2は底壁2b上で同一位置に存在するが、ピン切り起こし穴2g1、2g2の位置が異なる端子の平面図であり、ピン2d1、2d2およびピン切り起こし穴2g1,2g2の配置パターンを示す。
【0060】
図11(b)、(c)では、それぞれ、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して同じ方向に存在する。
【0061】
図11(d)では、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して異なる方向で、内側に存在する。
【0062】
図11(e)では、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して異なる方向で、外側に存在する。
【0063】
以上のように、複数本のピンを形成することにより、端子2と電線3の間の接触面積が増えて接触信頼性が向上し、ピン2dと電線3の芯線3bの間の摩擦抵抗が増えて電線3がピン2dから脱着することを防ぐことができる。
【0064】
上記の配置パターンのうち、図11(e)の配置パターンでは、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して外側に存在するため、ピン2d1と2d2の間隔を自由に設定でき、図12(a)、(b)に示すように、ピン2d1、2d2の間隔を基材の強度等が許す限り短く、近接して形成することができる。図12(a)はピン2d1、2d2を近接して形成した端子の側面図、(b)は平面図である。
【0065】
図12のようにピン2d1、2d2を近接して形成することにより、電線3の挿入時に2本のピン2d1、2d2の電線3に対する反発力を狭い範囲に集中して大きな力で電線3を突き刺すことができる。
【0066】
図13(a)は、側壁2c1、2c2に直交する方向に2本のピン2d1、2d2を形成した端子の断面図、図13(b)〜(d)は各種配置パターンの平面図である。図13(b)〜(d)においてAの方向に嵌合部があるものとする。図13(b)〜(d)は、ピン2d1、2d2は底壁2b上で同一位置に存在するが、ピン切り起こし穴2g1、2g2の位置が異なる端子の平面図であり、ピン2d1、2d2およびピン切り起こし穴2g1、2g2の配置パターンを示す。
【0067】
図13(b)、(c)では、それぞれ、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して同じ方向に存在する。
【0068】
図13(d)では、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して異なる方向に存在する。
【0069】
以上のように2本のピン2d1、2d2を形成することにより、図11の場合とほぼ同等な効果を得ることができる。
【0070】
また、図13のように側壁2c1、2c2に直交する方向に2本のピン2d1、2d2を形成した端子2は、特に電線3が太線(芯線の素線数が多い線)の場合や電線3の芯線が単線の場合に有効である。
【0071】
図14(a)は、太線の電線3を接続した端子2の断面図であり、電線内部の芯線3bに2本のピン2d1、2d2を突き刺し、芯線3b内の素線を挟み込むことにより、太線の場合にも電線3がピン2d1、2d2から脱着すること確実に防止することができる。
【0072】
図14(b)は、電線3の芯線3bが単線の場合であり、側壁2c1、2c2に直交する方向に形成した2本のピン2d1、2d2で芯線3bを両側から挟み込むことにより、電線3を端子2に接続することができる。
【0073】
図15(a)は、側壁に対して斜め方向(側壁に対して平行方向、直交方向以外の所定の角度を持った方向)に2本のピン2d1、2d2を形成した端子の側面図、図15(b)〜(e)は各種配置パターンの平面図である。図15(a)〜(e)においてAの方向に嵌合部があるものとする。図15(b)〜(e)は、ピン2d1、2d2は底壁2b上で同一位置に存在するが、ピン切り起こし穴2g1、2g2の位置が異なる端子の平面図であり、ピン2d1、2d2およびピン切り起こし穴2g1,2g2の配置パターンを示す。
【0074】
図15(b)、(c)では、それぞれ、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して同じ方向に存在する。
【0075】
図15(d)では、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して異なる方向で、外側に存在する。
【0076】
図15(e)では、ピン切り起こし穴2g1、2g2がピン2d1、2d2に対して異なる方向で、内側に存在する。
【0077】
以上のように2本のピン2d1、2d2を形成することにより、図11の場合とほぼ同等な効果を得ることができる。
【0078】
また、上記の配置パターンでは、ピン2d1,2d2が斜め方向にずれて配置されているため、図11(側壁に平行な方向に配置)、図13(側壁に直交する方向に配置)の場合と比較して、ピン2d1,2d2の長さや間隔の設定の自由度が高く、端子2の小型化に適している。例えば図16の端子2は、図15(e)の配置パターンの端子において、ピン2d1、2d2の間隔L2をピン2d1、2d2の高さL1に合わせて配置した端子であり、図16(a)は側面図、(b)は断面図である。この端子2では、図16(b)からわかるように、底壁2b上でほぼピンの高さL1の幅で2本のピンを切り起こすことができ、製造方法2(基材を切り起こしてピンを形成する製造方法)を用いて端子を製造する際に、端子を小型化することができる。
【0079】
また、端子2では、図11(b)〜(e)、図13(b)〜(d)および図15(b)〜(e)の配置パターンを組み合わせて複数本のピンを形成することができる。
【0080】
図17は、底壁2b上に4本のピン2d1〜2d4を配置し、ピン2d1、2d3をピン2d2、2d4に対してY方向(側壁に直交する方向)方向にずらして配置し、X軸(側壁に平行な軸)上で一方の列のピン2d1、2d3を他方の列のピン2d2、2d4の中間に配置し、ピン切り起こし穴2g1〜2g4を各ピン2d1〜2d4に対して同方向に配置した例である。
【0081】
図17のようにピンを配置することにより、X方向(側壁に平行な方向)に複数本のピン2d1〜2d4を高密度に配置できるため、端子2を小型化することができる。また、列間のY方向のズレを必要最小限に抑えれば、電線3の幅方向(Y方向)の中心近辺に各ピン2d1〜2d4を集中させて差し込むことができる。
【0082】
図18は、底壁2b上に4本のピン2d1〜2d4を図17と同様に配置し、ピン切り起こし穴2g1,2g3(2g2、2g4)をピン2d1、2d3(2d2、2d4)に対して互いに逆方向で外側に配置した例である。
【0083】
図18の配置でも、図17と同様に電線挿入圧を複数本のピン2d1〜2d4に分散して、ピン2d1〜2d4が電線挿入圧で倒れることを確実に防止することができる。図17と図18の配置上の相違点としては、図17の配置では、ピン間にピン切り起こし穴2g1〜2g4があるためピン2d1〜2d4の高さL1をピン間隔L2より大きくすることはできないが、図18のピン配置では、ピン切り起こし穴がピンに対して逆方向で外側に配置されているため、ピン2d1〜2d4の高さL1をピン間隔L2より大きくすることができる。
【0084】
図19は、底壁2b上に4本のピン2d1〜2d4を配置し、図12と同様にピン2d1、2d2およびピン2d3、2d4を近接して配置し、X方向(側壁に平行な方向)に配置した例である。
【0085】
図19のようにピン2d1、2d2およびピン2d3、2d4を近接して配置することにより、電線3に対する反発力を狭い範囲に集中して大きな力で電線3を突き刺すことができる。
【0086】
図20は、ピン2d1、2d2およびピン2d3、2d4を近接して配置し、ピン2d1、2d2をピン2d3、2d4に対してY方向(側壁に直交する方向)方向にずらして斜め方向に配置した例であり、図19と同様な効果を得ることができる。さらに図20の配置では、図19の配置と比較して、2d1、2d2が2d3,2d4に対してY方向にずれているため、ピン2d1、2d2とピン2d3、2d4の間隔L3を必要に応じて狭めることができ、端子2を小型化することができる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、電線が細線や太線の場合の素線切れに起因する接触不良の発生を低減でき、かつ、電線の被覆を剥がさず簡単な処理で端子と電線を確実に接続することができる。
【0088】
さらに、被覆を剥がさずに電線を端子の側壁の間へ挿入するだけで電線の接続処理を行うことができ、従来の圧接端子と同等な設備で接続処理を簡単に行うことができる。また、電線接続後に側壁より電線の被覆に荷重を加えて圧迫することにより、電線内部の芯線とピンの間で適度な接圧を保ち、電線がピンから脱着することを防止できる。
【0089】
請求項2記載の発明によれば、側壁の上部に形成したプレートを折り曲げて電線の上部を覆うことにより、電線がピンから脱着することを確実に防止できる。
【0090】
請求項3記載の発明によれば、プレートを折り曲げて電線の上部を覆い、さらにピンの先端を穿孔に通すことにより、電線がピンから脱着することをさらに確実に防止できる。
【0091】
請求項4記載の発明によれば、上方に拡がった側壁またはプレートが電線の受け口となり、電線接続時の電線の位置ズレを防ぎ、電線を側壁の間にスムーズに挿入することができる。
請求項5記載の発明によれば、底壁に複数本のピンを形成することにより、端子と電線間の接触面積が増えて接触信頼性が向上し、かつ電線がピンから脱着することを防ぐことができる。
【0092】
請求項6記載の発明によれば、ピンの先端を折り曲げることにより電線が固定されて、電線がピンから脱着することを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の端子の基本構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の端子であり、(a)は電線接続前の断面図、(b)は電線接続後の断面図である。
【図3】 底壁とピンのみの端子の断面図である。
【図4】 側壁の上部にプレートを形成した端子であり、(a)は側面図、(b)は電線接続前の断面図、(c)、(d)は電線接続後の断面図である。
【図5】 両方の側壁の上部にプレートを形成した端子であり、(a)は電線接続前の断面図、(b)は電線接続後の断面図である。
【図6】 (a)、(b)は、それぞれ両方の側壁の上部にプレートを形成した端子の平面図である。
【図7】 (a)、(b)は、それぞれ側壁の上部に形成したプレートに穿孔を形成した端子であり、(a)は電線接続前の断面図、(b)は電線接続後の断面図である。
【図8】 ピンを折り曲げて電線を端子に固定する過程を示す図であり、(a)は電線接続後の断面図、(b)はピン折り曲げ前の側面図、(c)はピン折り曲げ後の側面図である。
【図9】 (a)、(b)は、それぞれ電線を側壁の間へスムーズに挿入することが可能な構造の端子の断面図である。
【図10】 ピンを端子の基材を切り起こして形成した端子の斜視図である。
【図11】 側壁に平行な方向に2本のピンを形成した端子であり、(a)は側面図、(b)〜(e)は各配置パターンの平面図である。
【図12】 側壁に平行な方向に2本のピンを形成したあり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図13】 側壁に直交する方向に2本のピンを形成した端子であり、(a)は断面図、(b)〜(d)は各配置パターンの平面図である。
【図14】 側壁に直交する方向に2本のピンを形成した端子あり、(a)は太線の電線を接続した断面図、(b)は芯線が単線の電線を接続した断面図である。
【図15】 側壁に対して斜め方向に2本のピンを形成した端子であり、(a)は側面図、(b)〜(e)は各配置パターンの平面図である。
【図16】 側壁に対して斜め方向に2本のピンを設けた端子あり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図17】 底壁上に4本のピンを設けた端子であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図18】 底壁上に4本のピンを設けた端子であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図19】 底壁上に4本のピンを設けた端子であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図20】 底壁上に4本のピンを設けた端子であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図21】 (a)はピンを先端が鋭利な平板状にした端子の斜視図、(b)はピンを三角形の板状にした端子の斜視図である。
【図22】 従来の圧接端子であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図23】 図22(b)のB−B線拡大断面図である。
【符号の説明】
2 端子
2b 底壁
2c1、2c2 側壁
2d ピン
Claims (6)
- 底壁、および底壁の両側からほぼ平行に上方へ立ち上がる側壁が形成されて、その断面が略U字状の端子であって、前記底壁に、電線の被覆を突き破りながら、電線内部の芯線と接触するピンが形成され、前記側壁間の内寸は、前記電線の外径より若干小さく設定されて電線の被覆に荷重を加え、前記ピンと芯線が接触する部分を圧迫するように構成されていることを特徴とする端子。
- 上記側壁の上部に、電線を覆うための折り曲げ可能なプレートが形成されていることを特徴とする請求項1記載の端子。
- 上記プレートに、上記ピンを挿通させるための穿孔が形成されていることを特徴とする請求項2記載の端子。
- 上記側壁または上記プレートが上方に拡がって開口していることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の端子。
- 上記底壁に複数本のピンが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の端子。
- 底壁、および底壁の両側からほぼ平行に上方へ立ち上がる側壁が形成されて、その断面が略U字状の端子において、前記端子の底壁にピンが形成され、該ピンが電線の被覆を突き破りながら、電線内部の芯線と接触した状態で、ピンの先端が折り曲げられており、前記側壁間の内寸は、電線の外径より若干小さく設定されて前記電線の被覆に荷重を加え、前記ピンと芯線が接触する部分を圧迫するように構成されていることを特徴とする端子と電線との接続構造。
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