JP3759273B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に関し、さらに詳しくは、特定のジアミン化合物を正孔輸送層等に含有し、製造時の高温、特に100℃以上の熱処理に耐え、かつ半減寿命の長い有機電界発光素子、および特にこの有機電界発光素子に有効に用いられるジアミン化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界発光を利用した電界発光素子は、自己発光のため視認性が高く、かつ完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れるなどの特徴を有することから、各種表示装置における発光素子としての利用が注目されている。
この電界発光素子には、発光材料に無機化合物を用いてなる無機電界発光素子と有機化合物を用いてなる有機電界発光素子とがあり、このうち、有機電界発光素子は、印加電圧を大幅に低くしうる小型化が容易である上、消費電力が低く、面発光が可能であり、かつ三原色の発光も容易であるなどの特徴を有することから、次世代の表示素子として、ディスプレイ、テレビ、カーナビゲーション、電子写真感光体などに適用するべく積極的に開発が進められている。
【0003】
この有機電界発光素子の構成については、陽極/有機発光層/陰極の構成を基本とし、これに正孔輸送層や電子注入層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔輸送層/有機発光層/陰極や、陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極などの構成のものが知られている。該正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、また、電子注入層は陰極より注入された電子を有機発光層に伝達する機能を有している。そして、該正孔輸送層を有機発光層と陽極との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が有機発光層に注入され、さらに、有機発光層に陰極または電子注入層より注入された電子は、正孔輸送層が電子を輸送しないので、正孔輸送層と有機発光層との界面に蓄積され発光効率が上がることが知られている。
【0004】
ところで、このような有機電界発光素子を車載用途に用いたり、封止工程を行ったりする際には、短時間ではあるが、有機電界発光素子は100℃以上の高温に耐える必要がある。
そこで、このような欠点を克服するため、例えば次のような構造を有するジアミン誘導体(ガラス転移温度Tg=100℃)を用いた場合、この有機電界発光素子は、半減寿命が長く発光の安定性には優れているが、100℃の熱処理を行うと発光効率が低下するという問題があった。
【0005】
【化3】
Figure 0003759273
【0006】
また、例えば次のような構造を有するポリ芳香族アミン誘導体(ガラス転移温度Tg=128℃)を用いた場合、この有機電界発光素子は、100℃の熱処理後においても発光効率の変化は認められないが、半減寿命が短く、発光の安定性の面で実用的ではなかった。
【0007】
【化4】
Figure 0003759273
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、100℃以上の熱処理に耐え、しかも半減寿命が長い有機電界発光素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、100℃以上の熱処理に耐え、しかも半減寿命が長い有機電界発光素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するジアミン化合物を有機電界発光素子の有機化合物層に含有させることにより、特に該素子の正孔輸送層材料として用いることにより、就中、正孔注入層材料として用いることにより、前記目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 少なくとも有機発光層を有する有機化合物層を一対の電極で挾持してなる有機電界発光素子において、上記有機化合物層中に、一般式(I)
【0011】
【化5】
Figure 0003759273
【0012】
〔式中、Ar1 、Ar2 は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基であり、Rは炭素数4〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基もしくはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基である。Xは単結合を示し、あっても、なくてもよい。ただし、Ar 1 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 2 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にアルキル基で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にナフチル基となる場合はない。〕で表されるジアミン化合物を含有させたことを特徴とする有機電界発光素子。
【0013】
(2) 陽極と有機発光層との間に介在する有機化合物層中に、前記一般式(I)で表されるジアミン化合物を含有させてなる前記(1)に記載の有機電界発光素子。
(3) 前記一般式(I)で表されるジアミン化合物を、正孔注入材料また正孔輸送材料として有機化合物層中に含有させてなる前記(1)または前記(2)に記載の有機電界発光素子。
【0014】
(4) 一般式(I)
【0015】
【化6】
Figure 0003759273
【0016】
〔式中、Ar1 、Ar2 は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基であり、Rは炭素数4〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基もしくはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基である。Xは単結合を示し、あっても、なくてもよい。ただし、Ar 1 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 2 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にアルキル基で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にナフチル基となる場合はない。〕で表されるジアミン化合物。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のジアミン化合物は、上記一般式(I)
【0018】
【化7】
Figure 0003759273
【0019】
で表される構造を有する化合物である。上記一般式(I)において、Ar1 、Ar2 は、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基である。ただし、Ar 1 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 2 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にアルキル基で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にナフチル基となる場合はない。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、c−プロピル基、c−ブチル基、c−ペンチル基、c−ヘキシル基などが挙げられる。
【0020】
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、c−プロポキシ基、c−ブトキシ基、c−ペントキシ基、c−ヘキソキシ基などが挙げられる。
核炭素数6〜18のアリール基の例としては、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基,ターフェニル基,アントラニル基,フェナントリル基,ピレニル基などが挙げられる。
【0021】
式中、Rは炭素数4〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基または核炭素数6〜18のアリール基である。特に好ましくは、核炭素数6〜18のアリール基である。このアリール基は、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。この炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基の定義は上述したものと同様である。
【0022】
炭素数4〜6のアルキル基の例としては、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基、n−ペンチル基、c−ペンチル基、n−ヘキシル基、c−ヘキシル基などが挙げられる。
炭素数4〜6のアルコキシ基の例としては、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、c−ブトキシ基、c−ペントキシ基、c−ヘキソキシ基などが挙げられる。
【0023】
核炭素数6〜18のアリール基の定義は、上述したものと同様である。特に好ましくは、フェニル基である。一方、Xは単結合を示し、あっても、なくてもよい。
この一般式(I)のジアミン化合物の例としては、
【0024】
【化8】
Figure 0003759273
【0025】
【化9】
Figure 0003759273
【0026】
【化10】
Figure 0003759273
【0027】
【化11】
Figure 0003759273
【0028】
【化12】
Figure 0003759273
【0029】
【化13】
Figure 0003759273
【0030】
【化14】
Figure 0003759273
【0031】
【化15】
Figure 0003759273
【0032】
【化16】
Figure 0003759273
【0033】
【化17】
Figure 0003759273
【0034】
【化18】
Figure 0003759273
【0035】
【化19】
Figure 0003759273
【0036】
【化20】
Figure 0003759273
【0037】
などを挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも有機発光層を有する有機化合物層を一対の電極で挾持してなるものであって、その構造としては、▲1▼陽極/有機発光層/陰極、▲2▼陽極/正孔輸送層/有機発光層/陰極、▲3▼陽極/有機発光層/電子注入層/陰極、▲4▼陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極などがあるが、一対の電極(陽極と陰極)により挾持された有機化合物層(上記▲1▼の構成の素子においては有機発光層、▲2▼の構成の素子においては正孔輸送層及び有機発光層、▲3▼の構成の素子においては有機発光層及び電子注入層、▲4▼の構成の素子においては正孔輸送層,有機発光層及び電子注入層)の少なくとも一層が、上記一般式(I)で表されるジアミン化合物を含んでいれば、上記▲1▼〜▲4▼のいずれの構成であってもよい。なお、これらの構成の有機電界発光素子は、いずれも基板により支持されることが好ましい。この基板については特に制限はなく、従来の有機電界発光素子に慣用されているもの、例えばガラス、透明プラスチック、石英などからなるものを用いることができる。また、上記一般式(I)で表されるジアミン化合物は一種含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。
【0038】
本発明の有機電界発光素子においては、上記ジアミン化合物は、有機発光層や陽極と有機発光層との間に介在する有機化合物層に含有させるのが好ましく、特に正孔輸送材料として正孔輸送層に含有させるのが有利である。
上記ジアミン化合物を含む正孔輸送層は、該ジアミン化合物のみからなる単層構造でもよいし、該ジアミン化合物と、有機電界発光素子の正孔輸送層材料として従来より使用されている物質の層との複層構造であってもよい。さらには、該ジアミン化合物と有機電界発光素子の正孔輸送層材料として従来より使用されている物質との混合物からなる層を含む単層構造または複層構造であってもよい。
【0039】
本発明のジアミン化合物を含む正孔輸送層は、該ジアミン化合物と、必要に応じて他の正孔輸送層材料とを用いて、真空蒸着法、キャスト法、塗布法スピンコート法などにより形成することができる。さらには、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリエステルなどの透明ポリマーに、該ジアミン化合物を分散させた溶液を用いたキャスト法、塗布法あるいはスピンコート法などや、透明ポリマーとの同時蒸着などによっても形成することができる。
【0040】
また、本発明のジアミン化合物を含む有機発光層は、該ジアミン化合物のみからなる単層構造であってもよく、該ジアミン化合物と、有機電界発光素子の有機発光層材料として従来より使用されている物質の層との複層構造であっもよい。さらには、該ジアミン化合物と有機電界発光素子の有機発光層材料として従来より使用されている物質との混合物からなる層を含む単層構造または複層構造であってもよい。該ジアミン化合物を含む有機発光層は、該ジアミン化合物と、必要に応じて他の有機発光層材料とを用いて、真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法などにより形成することができる。
【0041】
本発明の有機電界発光素子において、本発明のジアミン化合物を含む層以外は、従来の有機電界発光素子と同様の材料を用いて形成することができる。
例えば、陽極の材料としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物が好ましく用いられる。具体例としては、Auなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2 、ZnOなどの誘電性透明材料が挙げられる。この陽極は、例えば蒸着法やスパッタリング法などの方法で、上記材料の薄膜を形成することにより作製することができる。有機発光層からの発光を陽極より取り出す場合、該陽極の透過率は10%より大きいことが望ましい。また、陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。この陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
【0042】
一方、陰極の材料としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物が好ましく用いられる。該陰極材料の具体例としては、ナトリウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、Al/Al2 3 、Al−Li−Inなどが挙げられる。この陰極は、蒸着法やスパッタリング法などの方法で、上記材料の薄膜を形成することにより作製することができる。有機発光層からの発光を陰極より取り出す場合、該陰極の透過率は10%より大きいことが望ましい。また、この陰極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。該陰極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選択される。
【0043】
なお、有機発光層からの発光を効率よく取り出す観点からは、上記陽極及び陰極の少なくとも一方を透明または半透明物質により形成するのが好ましい。
また、本発明の有機電界発光素子における有機発光層を、本発明のジアミン化合物と他の物質とにより形成する場合、ジアミン化合物以外の他の有機発光層材料としては、例えば多環縮合芳香族化合物や、ベンゾオキサゾール系、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキサノイド化合物、ジスチリルベンゼン系化合物などの薄膜形成性のよい化合物を用いることができる。
【0044】
ここで、上記多環縮合芳香族化合物の具体例としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン骨格などを含む縮合環発光物質や、8〜20個、好ましくは8個の縮合環を含む他の縮合環発光物質などが挙げられる。
また、上記ベンゾオキサゾール系、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系などの蛍光増白剤としては、例えば、特開昭59−194393号公報に開示されているものが挙げられる。その代表例としては、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール;4,4’−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン;4,4’−ビス(5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン;2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン;2,5−ビス(5−(α,α−ジメチルベンジル)−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン;2,5−ビス(5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル)−3,4−ジフェニルチオフェン;2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン;4,4’−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ビフェニル;5−メチル−2−(2−(4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル)ビニル)ベンゾオキサゾール;2−(2−(4−クロロフェニル)ビニル)ナフト(1,2−d)オキサゾールなどのベンゾオキサゾール系、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系、2−(2−(4−カルボキシフェニル)ビニル)ベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系などの蛍光増白剤が挙げられる。
【0045】
上記金属キレート化オキサノイド化合物としては、例えば特開昭63−295695号公報に開示されているものを用いることができる。その代表例としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム,ビス(ベンゾ(f)−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、ポリ(亜鉛(II) −ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン)などの8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオンなどが挙げられる。
【0046】
また、上記ジスチリルベンゼン系化合物としては、例えば欧州特許第0373582号明細書に開示されているものを用いることができる。その代表例としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン;1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン;1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン;ジスチリルベンゼン;1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン;1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン;1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン;1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼンなどが挙げられる。
【0047】
また、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体も有機発光層の材料として用いることができる。その代表例としては、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン;2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン;2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジン;2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン;2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジン;2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラジンなどが挙げられる。
【0048】
その他、欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示されているジメチリデン誘導体を有機発光層の材料として用いることもできる。その代表例としては、1,4−フェニレンジメチリディン;4,4’−ビフェニレンジメチリディン;2,5−キシリレンジメチリディン;2,6−ナフチレンジメチリディン;1,4−ビフェニレンジメチリディン;1,4−p−テレフェニレンジメチリディン;9,10−アントラセンジイルジメチリディン;4,4’−(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル;4,4’−(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルなど、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0049】
さらには、特開平2−191694号公報に開示されているクマリン誘導体、特開平2−196885号公報に開示されているペリレン誘導体、特開平2−255789公報に開示されているナフタレン誘導体、特開平2−289676号公報及び同2−88689号公報に開示されているフタロペリノン誘導体、特開平2−250292号公報に開示されているスチリルアミン誘導体も、有機発光層の材料として用いることができる。
【0050】
これらの有機発光層材料は、所望の発光色や性能などに応じて適宜選ばれる。なお、本発明の有機電界発光素子における有機発光層は、米国特許第4,769,292号明細書に開示されているように、蛍光物質を加えて形成してもよい。この場合のベースとなる物質は、該アミン化合物であってもよいし、該アミン化合物以外の有機発光層材料であってもよい。さらには、該アミン化合物と有機発光層材料との混合物であってもよい。蛍光物質を加えて有機発光層を形成する場合、蛍光物質の添加量は数モル%以下が好ましい。該蛍光物質は電子と正孔との再結合に応答して発光するため、発光機能の一部を担うことになる。
【0051】
また、有機発光層材料としては、薄膜形成性を有していない化合物を用いることもできる。具体例としては、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン;テトラフェニルシクロペンタジエンなどが挙げられる。しかし、薄膜形成性を有しないこれらの材料を用いた有機電界発光素子は、素子の寿命が短いという欠点を有する。
【0052】
本発明の有機電界発光素子における正孔輸送層は、有機発光層が本発明のジアミン化合物を含んでいれば、該ジアミン化合物を含む層であってもよいし、該ジアミン化合物を含まない層であってもよい。本発明のジアミン化合物以外の正孔輸送層材料としては、有機電界発光素子の正孔輸送層材料として従来より使用されている種々の物質を用いることができる。
【0053】
また、正孔輸送層として、本発明のジアミン化合物を含む層を設ける場合、この正孔輸送層は、前記したように該ジアミン化合物のみからなる単層構造、該ジアミン化合物と有機電界発光素子の正孔輸送層材料として従来より使用されている物質の層との複層構造、あるいは該ジアミン化合物と有機電界発光素子の正孔輸送層材料として従来より使用されている物質との混合物からなる層を含む単層構造または複層構造のいずれであってもよい。この場合の好ましい層構造は、該ジアミン化合物のみからなる単層構造または該ジアミン化合物層と、ポルフィリン化合物(特開昭63−295695号公報などに開示されているもの)の層または有機半導体性オリゴマーの層との複層構造である。
【0054】
上記ポリフィリン化合物の代表例としては、ポリフィン,5,10,15,20−テトラフェニル−21H−,23H−ポルフィン銅(II) ;5,10,15,20−テトラフェニル−21H−,23H−ポルフィン亜鉛(II) ;5,10,15,20−テトラキス(ペルフルオロフェニル)−21H−,23H−ポルフィン;シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウムフタロシアニンクロリド;フタロシアニン(無金属);ジリチウムフタロシアニン;銅テトラメチルフタロシアニン;銅フタロシアニン;クロムフタロシアニン;亜鉛フタロシアニン;鉛フタロシアニン;チタニウムフタロシアニンオキシド;マグネシウムフタロシアニン;銅オクタメチルフタロシアニンンなどが挙げられる。
【0055】
また、上記有機半導体性オリゴマーとしては、特に一般式(II)
【0056】
【化21】
Figure 0003759273
【0057】
(式中、R1 〜R5 はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基またはフェニル基であり、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物が好適である。
本発明の有機電界発光素子において必要に応じて設けられる電子注入層(電子注入輸送層)は、陰極より注入された電子を有機発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては、従来公知の電子伝達化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
【0058】
この電子伝達化合物の好ましいものとしては、例えば、
【0059】
【化22】
Figure 0003759273
【0060】
で表される化合物が挙げられる。
なお、電子注入層は電子の注入性、輸送性、障害性のいずれかを有する層であり、上記の化合物の他に、Si系、SiC系、CdS系などの結晶性ないし非結晶性材料を用いることもできる。
本発明の有機電界発光素子は、前記の陽極、陰極、有機発光層、必要に応じて設けられる正孔輸送層及び電子注入層以外に、層間の付着性を改善するための層を有していてもよい。このような層、例えば有機発光層と陰極との付着性を改善するための層の材料の具体例としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、トリス(8−キノリノール)インジウムなどのキノリノール金属錯体系化合物を挙げることができる。
【0061】
以上説明した本発明の有機電界発光素子は、その構成に応じて、例えば以下のようにして製造することができる。
(a)陽極/有機発光層(本発明のジアミン化合物を含む)/陰極の構成を有する有機電界発光素子の製造−1−
まず、適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成して陽極を作製する。次に、この陽極上に本発明のアミン化合物の薄膜を形成することにより、有機発光層を設ける。このジアミン化合物の薄膜化は真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法などの方法により行うことができるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。
【0062】
該ジアミン化合物を薄膜化するに当たって真空蒸着法を適用する場合、その蒸着条件は、使用するジアミン化合物の種類、目的とする有機発光層の結晶構造や会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜400℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/sec、基板温度−50〜+300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
【0063】
このようにして有機発光層を形成したのち、この有機発光層上に陰極物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成して陰極を作製する。これにより目的とする有機電界発光素子が得られる。なお、この有機電界発光素子の製造においては、製造順を逆にして、基板上に陰極/有機発光層/陽極の順に作製することも可能である。
(b)陽極/有機発光層(本発明のジアミン化合物を含む)/陰極の構成を有する有機電界発光素子の製造−2−
まず、適当な基板上に、上記(a)の場合と同様にして陽極を作製する。次いで、この陽極上に正孔輸送層材料、有機発光層材料、電子注入層材料、結着剤(ポリビニルカルバゾールなど)などを含む溶液を塗布することにより、有機発光層を設ける。
【0064】
次に、陰極物質からなる薄膜を、上記(a)の場合と同様にして有機発光層上に形成して陰極を作製する。これにより、目的とする有機電界発光素子が得られる。
なお、有機発光層は、上記のようにして形成した層の上に、所望の有機発光層材料の薄膜を真空蒸着法などにより形成して複層構造としてもよい。あるいは、正孔輸送層材料や電子注入層材料と共に、有機発光層材料を同時蒸着させることにより、有機発光層を形成してもよい。
(c)陽極/正孔輸送層(本発明のジアミン化合物を含む)/有機発光層/陰極の構成を有する有機電界発光素子の製造
まず、適当な基板上に、上記(a)の場合と同様にして陽極を作製する。次いで、この陽極上に本発明のジアミン化合物の薄膜を形成することにより正孔輸送層を設ける。この正孔輸送層の形成は、上記(a)における有機発光層(本発明のジアミン化合物を含む)の形成と同様にして行うことができる。
【0065】
次に、正孔輸送層上に、所望の有機発光層材料を用いて有機発光層を設ける。有機発光層は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法などの方法により有機発光層材料を薄膜化することにより形成することができるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。この後、陰極物質からなる薄膜を上記(a)の場合と同様にして有機発光層上に形成して陰極を作製する。これにより目的とする有機電界発光素子が得られる。なお、この有機電界発光素子の製造においても、製造順を逆にして、基板上に陰極/有機発光層/正孔輸送層/陰極の順に作製することが可能である。
(d)陽極/正孔輸送層(本発明のアミン化合物を含む)/有機発光層/電子注入層/陰極の構成を有する有機電界発光素子の製造
まず、適当な基板上に、上記(c)の場合と同様にして陽極,正孔輸送層(本発明のジアミン化合物を含む)及び有機発光層を形成する。
【0066】
有機発光層の形成後、この有機発光層上に電子伝達化合物からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは5〜100nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成して、電子注入層を形成する。この後、陰極物質からなる薄膜を上記(c)の場合と同様にして電子注入層上に形成して、陰極を作成する。これにより目的とする有機電界発光素子が得られる。なお、この有機電界発光素子の製造においても、製造順を逆にして、基極上に陰極/電子注入層/有機発光層/正孔輸送層/陽極の順に作成することが可能である。
【0067】
このようにして製造することができる本発明の有機電界発光素子は、陽極を+、陰極を−の極性にして5〜40Vの直流電圧を印加することにより、発光を生じる。逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず、発光は全く生じない。また、交流電圧を印加した場合には、陽極が+、陰極が−の極性になったときにのみ発光が生じる。なお、交流電圧を印加する場合、交流の波形は任意でよい。
【0068】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
25mm×75mm×1.1mmのサイズのガラス基板上にITO電極を100nmの厚さで成膜したものを透明支持基板とした。これをイソプロピルアルコールで5分間超音波洗浄した後、純水で5分間洗浄し最後に再びイソプロピルアルコールで5分間超音波洗浄した。この透明支持基板を真空蒸着装置(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定し、モリブデン製の抵抗加熱ボート3つを用意してそれぞれに4,4’,4" −トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)を500mg、MA−1(ガラス転移温度Tg=107℃)を200mg、最後にトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を1×10-4Paまで減圧した。
【0069】
そして、まずMTDATA入りのボートを加熱してMTDATAを基板上に堆積させ、膜厚60nmの正孔注入層を成膜した。次いでMA−1入りの前記ボートを加熱しMA−1を蒸発させて、膜厚20nmの正孔輸送層を成膜した。さらに最後のボートからAlq(発光層)を60nm堆積させた。
次に、これを真空槽から取り出して、上記発光層の上にステンレススチール製マスクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。さらに、タングステン製バスケットにAgワイヤー0.5g入れ、また別のモリブリデン製ボートにMgリボン1gを入れた。真空槽内を1×10-4Paまで減圧して、Mgを1.8nm/s、同時にAgを1.1nm/sの蒸発速度で蒸着して陰電極を作製・評価した。
【0070】
得られた素子に、ITOを陽極、Mg:Agを陰極として6Vの電圧を印加すると、緑色に均一発光した。初期性能は6Vで電流密度3.5mA/cm2 、輝度127cd/m2 、効率1.9ルーメン/Wであった。初期300cd/m2 で乾燥窒素中で定電流連続駆動すると半減寿命(輝度が半分になる時間)は4200時間であった。
【0071】
この素子を100℃の恒温槽中で20時間保存しても効率の変化は認められなかった。
〔実施例2〕
実施例1のMA−1に代えて、MA−2(ガラス転移温度Tg=113℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製・評価した。
【0072】
得られた素子に、ITOを陽極、Mg:Agを陰極として6Vの電圧を印加すると、緑色に均一発光した。初期性能は6Vで電流密度3.8mA/cm2 、輝度138cd/m2 、効率1.9ルーメン/Wであった。初期300cd/m2 で乾燥窒素中で定電流連続駆動すると半減寿命(輝度が半分になる時間)が4800時間であった。
【0073】
この素子を100℃の恒温槽中で20時間保存しても効率の変化は認められなかった。
〔比較例1〕 実施例1のMA−1に代えて、次の構造を有するジアミン誘導体(ガラス転移温度Tg=100℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製・評価した。
【0074】
【化23】
Figure 0003759273
【0075】
得られた素子に、ITOを陽極、Mg:Agを陰極として6Vの電圧を印加すると、緑色に均一発光した。初期性能は6Vで電流密度3.4mA/cm2 、輝度136cd/m2 、効率2.1ルーメン/Wであった。初期300cd/m2 で乾燥窒素中で定電流連続駆動すると半減寿命(輝度が半分になる時間)が4600時間であった。
【0076】
この素子を100℃の恒温槽中で20時間保存すると、効率は0.9ルーメン/Wまで低下した。
〔比較例2〕 実施例1のMA−1に代えて、次の構造を有するポリ芳香族アミン誘導体(ガラス転移温度Tg=128℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製・評価した。
【0077】
【化24】
Figure 0003759273
【0078】
得られた素子に、ITOを陽極、Mg:Agを陰極として6Vの電圧を印加すると、緑色に均一発光した。初期性能は6Vで電流密度3.6mA/cm2 、輝度138cd/m2 、効率2.0ルーメン/Wであった。初期300cd/m2 で乾燥窒素中で定電流連続駆動すると半減寿命(輝度が半分になる時間)が850時間であった。
【0079】
この素子を100℃の恒温槽中で20時間保存しても効率の変化は認められなかった。
以上の結果から理解されるように、本発明に用いられるジアミン化合物は、いずれもガラス転移温度が100℃を超えているので、高温での熱処理を行っても発光効率が低下しない。また、半減寿命も長いため、実用化にも適している。
【0080】
次に、実施例1、2で使用したジアミン化合物の製造例を示す。
〔参考例1〕 MA−1の合成
1,3,5−トリフェニル−ベンゼン10g(アルドリッチ社製)と過ヨウ素酸・2水和物4.5gとヨウ素15gと酢酸200ミリリットルと濃硫酸5ミリリットルを300ミリリットルの三つ口フラスコに入れ、70〜75℃で2時間攪拌した。
【0081】
室温まで放冷した後、反応液を1リットルのメタノール中に注ぎ、析出した結晶を濾取し、アセトニトリルで再結晶を行い、1,3,5−トリス−(4−ヨードフェニル)−ベンゼンを9g得た。これを、200ミリリットルのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−10〜+20℃に保ち、0.15gのリチウムアルミニウムハイドライドを50ミリリットルのTHFに分散させた溶液を1時間かけて滴下し、その後さらに1時間攪拌した後、室温に戻した。
【0082】
反応液に20ミリリットルの酢酸エチルを滴下し、続いて10ミリリットルの希塩酸を加えた。これをエーテルで抽出し、乾燥後、溶媒をロータリー・エバポレーターで留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
さらに、アセトニトリルで再結晶を行い、1,3−ビス−(4−ヨードフェニル)−5−フェニルベンゼンを2.5g得た。
【0083】
この1,3−ビス−(4−ヨードフェニル)−5−フェニルベンゼン1.0gと、ジフェニルアミン1.0g、および炭酸カリウム1g、銅粉1g、ニトロベンゼン100ミリリットルを300ミリリットルの三つ口のフラスコに入れ、200℃で36時間攪拌した。
無機物を濾別し、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製したところ、0.4gの白色粉末が得られた。
【0084】
この白色粉末をFD−MS(フィールドディフージョンマススペクトル)により分析したところ、MA−1の分子量(C48362 )に対し、m/z=640というピークのみが観測されたため、MA−1と同定した。また、このものの赤外線吸収スペクトル(単位cm-1)の吸収は、3480,3050,1590,1490,1330,1280,830,750,700,630,530,520,510に現れた。
【0085】
〔参考例2〕 MA−2の合成
参考例1で合成した1,3−ビス−(4−ヨードフェニル)−5−フェニルベンゼン1.0gと、N−フェニル−1−ナフチルアミン1.0g、および炭酸カリウム1g、銅粉1g、ニトロベンゼン100ミリリットルを300ミリリットルの三つ口フラスコに入れ、200℃で36時間攪拌した。
【0086】
無機物を濾別し、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製したところ、0.3gの淡黄色粉末が得られた。
この淡黄色粉末をFD−MS(フィールドディフージョンマススペクトル)により分析したところ、MA−2の分子量(C56402 )に対し、m/z=740というピークのみが観測されたため、MA−2と同定した。また、このものの赤外線吸収スペクトル(単位cm-1)の吸収は、3480,2950,1600,1500,1400,1300,830,810,780,760,700,520に現れた。
【0087】
【発明の効果】
本発明の有機電界発光素子は、有機化合物層、特に正孔輸送層に、特定のジアミン化合物を含有させたものであって、製造工程における100℃以上の熱処理にも耐え、しかも半減寿命が長いという特徴を有し、ディスプレイ、テレビ、カーナビゲーションなどの各種表示装置における発光素子として好適に用いられる。また、本発明のジアミン化合物は有機電界発光素子や電子写真感光体に用いた場合極めて長寿命かつ耐熱性に優れる素子あるいは電子写真感光体を与えることができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも有機発光層を有する有機化合物層を一対の電極で挾持してなる有機電界発光素子において、上記有機化合物層中に、一般式(I)
    Figure 0003759273
    〔式中、Ar1 、Ar2 は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基であり、Rは炭素数4〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基もしくはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基である。Xは単結合を示し、あっても、なくてもよい。ただし、Ar 1 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 2 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にアルキル基で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にナフチル基となる場合はない。〕で表されるジアミン化合物を含有させたことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 陽極と有機発光層との間に介在する有機化合物層中に、前記一般式(I)で表されるジアミン化合物を含有させてなる請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記一般式(I)で表されるジアミン化合物を、正孔注入材料また正孔輸送材料として有機化合物層中に含有させてなる請求項1または請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 一般式(I)
    Figure 0003759273
    〔式中、Ar1 、Ar2 は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基であり、Rは炭素数4〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基もしくはフェニル基によって置換されていてもよい核炭素数6〜18のアリール基である。Xは単結合を示し、あっても、なくてもよい。ただし、Ar 1 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 2 がアルキル基とアルコキシ基の両方で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にアルキル基で置換されている場合はなく、Ar 1 とAr 2 が共にナフチル基となる場合はない。〕で表されるジアミン化合物。
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