JP3759255B2 - 包装用箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、瓶入りの化粧品等の商品を個別に収容する包装用箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体の化粧品等に使用される化粧瓶で、化粧瓶の上部に、突没可能なノズルが突出して取り付けられているものがある。この化粧瓶は、ノズルを下に押し下げると化粧瓶の中の液体がノズルの先端から出るものである。この化粧瓶は、紙箱の包装用箱に収容され搬送されるが、ノズルが搬送中に押されて中の液体が出ることを防止するため、このノズル部分に保護用のプラスチックキャップ等が被せられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の場合、化粧瓶が包装用箱の中でがたついて、キャップが包装用箱の上蓋部の内側に擦れて、キャップや包装用箱に傷が付くことがあった。また、搬送中に外部から衝撃が加わると、キャップが割れたりすることもあった。このような問題を解決するため、キャップ上面と包装用箱の上蓋部との間に発砲ウレタン等のシート状パッキンを入れることがあるが、パッキンを入れる場合は、その工数とコストがかかるものであった。
【0004】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構造で緩衝効果を持ち、化粧瓶等の被収容物を確実に保護し、箱体としても取扱が容易な包装用箱を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片からなり、この箱体形成片に、互いに平行に連接された側面と、この側面端部に形成された蓋片と、他の側面の前記蓋片側の端部に折罫線を挟んで形成されたフラップと、このフラップの前記側面とは反対側の端縁部に折罫線を挟んで連接した折返部と、この折返部と前記フラップとの間の折罫線とは反対側の前記折返部端部に折罫線を介して形成された貼り付け部とを設け、前記フラップの両側の折罫線間の間隔と、前記折返部の両側の折罫線間の間隔は等しく形成され、前記貼り付け部を対面する側面に貼り付けた状態で、折り畳み状態では前記折返部が平坦であるとともに、前記フラップの前記側面との境界の折罫線を内側に折り曲げることにより前記折返部が内側に膨らんだ状態となる包装用箱である。
【0006】
前記フラップは互いに対向する一対の前記側面の端部に各々設けられ、前記折返部も一対の前記フラップに各々設けられ、前記フラップを前記側面端部の折罫線で互いに内側に折り曲げた状態で、前記フラップと折返部が互いに重なり合うものである。
【0007】
またこの発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片からなり、この箱体形成片には、平行に連接された各側面と、この側面端部に折罫線を挟んで連接して形成された折返部と、前記折返部に連設し前記側面とは反対側の折罫線を挟んで先端側に位置した貼り付け部とを設け、前記折返部が連接した前記側面の両側の折罫線間の間隔と、前記折返部の両側の折罫線間の間隔は等しく形成され、前記貼り付け部を対面する側面に貼り付けた状態で、折り畳み状態では平坦であるとともに、前記側面の各折罫線を折り曲げて箱体を形成すると前記折返部が内側に膨らんだ状態となる包装用箱である。
【0008】
この発明の包装用箱は、フラップ等を側面に対して直角に折り曲げたとき、折返部から連設した貼り付け部が側面の紙の厚み分側面より内側に位置し、その面方向に押されて包装用箱の内側に湾曲し、フラップ等に取り付けられた緩衝材として作用する。これによりこの湾曲された折返部が、化粧瓶等の被収容物に弾性的に当接し、被収容物のがたつきを無くし、また外部からの衝撃も吸収する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図4はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施の形態の包装用箱は、図2に示す箱体形成片10が、一枚の紙製のブランクシートを打ち抜いて形成されている。箱体形成片10は、側面12、14、16、18が一体に連接して形成されている。さらに組み立て状態で側面12の内側に糊付けされる糊付け片20が側面18の側方に連接して形成されている。側面12、14、16、18、糊付け片20は各々折罫線22、24、26、28で区切られている。
【0010】
側面14に連接して上蓋片30が形成され、上蓋片30は折罫線31で側面14の上端と区切られている。上蓋片30には、さらに差込み片32が折罫線34を介して形成され、差込み片32の折罫線34近くの両脇に、折罫線34に平行な凹凸部36が各一個設けられている。凹凸部36は、箱体形成片10の紙面表面側が凹となり、紙面裏側が凸になっている。
【0011】
側面12に連接してフラップ38が設けられ、フラップ38は折罫線40で箱側面12の上端と区切られ、上蓋片30と接する辺の端部付近が斜めに切り欠かれ、その反対側の辺の折罫線40に隣接する部分に側方に凸となった段部41が形成されている。フラップ38の端部には、さらに折返部42が折罫線44を介して形成されている。また、折返部42の端部には、さらに貼り付け部である糊付け部46が折罫線48を介して形成されている。ここで、フラップ38の折罫線40、44間の間隔と、折返部42の折罫線44、48間の間隔は等しく形成されている。また、糊付け部46は、折返部42の約半分の幅に形成され、折返部42の端部の図面上右側に設けられている。折罫線48の中央付近には、折罫線48に沿って切込み線が設けられている。
【0012】
側面16に連接してフラップ50が設けられ、フラップ50は折罫線52で箱側面16の上端と区切られ、上蓋辺30と接する辺の端部付近が斜めに切り欠かれ、その反対側の辺の折罫線52に隣接する部分にも側方に凸となった段部53が形成されている。フラップ50の端部には、さらに折返部54が折罫線56を介して形成されている。また、折返部54の端部には、さらに貼り付け部である糊付け部58が折罫線60を介して形成されている。折罫線60には、2カ所折罫線60に沿って切込み線が設けられている。ここで、フラップ50の折罫線52、56間の間隔と、折返部54の折罫線56、60間の間隔は等しく形成されている。
【0013】
側面18には底蓋片62が設けられ、折罫線64で側面18の下端と区切られている。底蓋片62には、さらに差込み片66が折罫線68を介して形成され、折罫線68の両端部には、折罫線68に沿って切込み線が入れられている。また、底フラップ70、72が、折罫線74、76で、側面12、16と区切られている。
【0014】
次にこの実施の形態の包装用箱の組み立て方法について、図面に基づいて説明する。なお、ここでは図2がこの包装用箱の箱体形成片10の紙面表面側を見たのもであり、図2において紙面表面側が凸になる折り方を正折り、そして紙面表面側が凹になる折り方を逆折りと称する。まず、箱体形成片10の糊付け部46の裏面に糊78を塗布し、折罫線44を正折りして糊付け部46の裏面を側面12の裏面に糊付けする。これと同様に糊付け部58の裏面に糊78を塗布し、折罫線56を正折りして糊付け部58の裏面を側面16の裏面に糊付けする。そして、糊付け片20の表面に糊78を塗布する。この状態で折罫線40、48及び折罫線52、60は、互いに対面して重なる。
【0015】
その後、折罫線22、26を正折りし、図3に示すように糊付け片20の表面を側面12の裏面に糊付けする。側面12の裏面には、すでに糊付け部46が糊付けされているが、糊付け部46は水平方向の幅は狭く形成され、側面12の図面上右側に糊付けされているため、糊付け片20、46は互いに重なることがない。
【0016】
次に商品を収容し包装する工場等において、図3に示す状態から折罫線22、24、26、28を各々90°に正折りして四角形の箱体にする。そして、折罫線74、76で底フラップ70、72を正折りし、その後折罫線64で底蓋片62を正折りし、さらに差込片66を側面14の内側に差し込む。この状態で、商品である化粧瓶80を箱体形成片10による箱体の中に入れる。化粧瓶80は、上面にノズルが取り付けられ、このノズルを保護するプラスチック製のキャップ82が取り付けられている。
【0017】
次に折罫線40でフラップ38を正折りし、同時に折返部42は折罫線48で逆折りされる。そして、折罫線52でフラップ50を正折りし、同時に折返部54は折罫線60で逆折りされる。このとき、フラップ38、50の折り曲げにより、折返部42、54は、側面12、16と糊付け部46、58間の間隔が、フラップ38、50より紙の厚さ分狭くなり、その紙の厚さ分面方向に押され、箱体形成片10の内側に湾曲される。そして、折罫線31で上蓋片30を正折りし、さらに差込片32を側面18の内側に差し込む。これにより、差込片32の凹凸部36、36の、紙面裏側に突出した部分が段部41、53の裏面に係合される。
【0018】
この実施形態の包装用箱によれば、組み立て状態で折返部42、54がバネのようになって、キャップ82の上面を適度に押圧し、化粧瓶80が包装用箱内でがたつくことを防ぎ、またキャップ82と上蓋片30の裏面と擦れて包装用箱やキャップ82が傷むことがない。また、折返部42、54は外部からの衝撃も吸収し、落下等の衝撃によってキャップ82が破損することがない。そして、この包装用箱は組み立てる前、つまり図3に示す糊付け工程が完了した状態では平坦であり、複数の包装用箱を互いに積層することができ、搬送や保管に場所を取らず便利である。また、箱体形成片10の一部である折返部42、54を折り返して側面12、16と糊付けするという簡単なもので、部品点数が少なく、そして従来のクッション材を入れる手間とコストを省くことができる。また、箱体形成片10の紙面表面にフィルム貼り等平滑性のある表面加工を施すことにより、キャップ82と折返部42、54とが互いに擦れて傷つくことを防止することができる。
【0019】
また、この実施形態の包装用箱の凹凸部36は、組み立て状態で適度な強度で段部41、53に係合し、確実に上蓋片30を閉じた状態に維持することができ、上蓋片30を開ける際は、比較的弱い力で円滑に開くことができる。さらに上蓋片30の開閉を繰り返しても差込み片32が破れたり曲がったりせず、耐久性があり、包装用箱の外観をきれいに維持することができる。
【0020】
なお、この発明の包装用箱は、図5に示すように、折返部80を、側面12に連設させて取り付けても良い。この場合、折返部80は側面12の端部に連接して形成され、この折返部80の、折り曲げ前の折返部80に連設した側面12とこの側面12に連設する他の側面14との境界の折罫線22と対面する位置の折返し片80にも折罫線84を形成し、この折罫線84から先端側に貼り付け部82を設けたものである。
【0021】
さらに、この発明の包装用箱は、上記実施の形態に限定されるものではなく、素材や、各差込片や切込線の形状など、適宜変更可能である。また折返部は、2枚あるフラップのうち、片方のフラップのみに取り付けても良い。さらに、凹凸部は、蓋片と差込片の間の折罫線に対して直角に設けられても良い。さらに、この包装用箱は、化粧瓶以外のあらゆる商品に適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
この発明の包装用箱は、簡単な構造で箱体形成片の一部が緩衝材となり、商品を保護しながら、確実に包装することができる。しかも、包装工数も削減することができ、部材数も少なく組立及び管理も容易なものである。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の包装用箱の斜視図である。
【図2】 この実施形態の包装用箱の展開図である。
【図3】 この実施形態の包装用箱の糊付け工程が完了した状態を示す正面図である。
【図4】 この実施形態の包装用箱の使用状態を示す部分破断正面図である。
【図5】 この発明の他の実施形態の包装用箱の展開図である。
【符号の説明】
10 箱体形成片
12、14、16、18 側面
20 糊付け片
30 上蓋片
32 差込片
36 凹凸部
38、50 上フラップ
42、54 折返片
46、58 糊付け部
62 底蓋片
70、72 底フラップ
Claims (3)
- 一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片からなり、この箱体形成片に、互いに平行に連接された側面と、この側面端部に形成された蓋片と、他の側面の前記蓋片側の端部に折罫線を挟んで形成されたフラップと、このフラップの前記側面とは反対側の端縁部に折罫線を挟んで連接した折返部と、この折返部と前記フラップとの間の折罫線とは反対側の前記折返部端部に折罫線を介して形成された貼り付け部とを設け、前記フラップの両側の折罫線間の間隔と、前記折返部の両側の折罫線間の間隔は等しく形成され、前記貼り付け部を対面する側面に貼り付けた状態で、折り畳み状態では前記折返部が平坦であるとともに、前記フラップの前記側面との境界の折罫線を内側に折り曲げることにより前記折返部が内側に膨らんだ状態となることを特徴とする包装用箱。
- 前記フラップは互いに対向する一対の前記側面の端部に各々設けられ、前記折返部も一対の前記フラップに各々設けられ、前記フラップを前記側面端部の折罫線で互いに内側に折り曲げた状態で、前記フラップと折返部が互いに重なり合うことを特徴とする請求項1記載の包装用箱。
- 一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片からなり、この箱体形成片には、平行に連接された各側面と、この側面端部に折罫線を挟んで連接して形成された折返部と、前記折返部に連設し前記側面とは反対側の折罫線を挟んで先端側に位置した貼り付け部とを設け、前記折返部が連接した前記側面の両側の折罫線間の間隔と、前記折返部の両側の折罫線間の間隔は等しく形成され、前記貼り付け部を対面する側面に貼り付けた状態で、折り畳み状態では平坦であるとともに、前記側面の各折罫線を折り曲げて箱体を形成すると前記折返部が内側に膨らんだ状態となることを特徴とする包装用箱。
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