JP5998187B2 - 包装箱 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1〜6では、差込みフラップの蓋部との折り込み線近傍に切込み部を設けて、この切込み部とサイドフラップとを係合させるロック機能を箱に付与している。
しかしながら、これらの箱はロック強度が強過ぎてしまい、開蓋時にフラップ部分が破損する場合がある。特に、化粧品等の箱は意匠性が高いものが多く、その意匠性を維持させるために開蓋時に箱を破損させないようにすることが望まれている。
これに対し、特許文献7は、差込みフラップの蓋部との折り込み線近傍に凸部又は凹部を設けることによりロック強度を軽減したロック機構を設けることを提案している。しかし、このような箱を組み立てるとき、自動組立機(又は人手)により差込みフラップ部分を折り曲げていくと、蓋部と差込みフラップとの折り込み線で折り曲げられずに、差込みフラップ内の凸部又は凹部で折り曲げられてしまうことがあり、箱を正確に且つ確実に成形することが難しかった。
すなわち、本発明は、正面板、側面板、背面板、蓋部、該側面板の端部に形成されるサイドフラップ及び蓋部の端部に形成される差込みフラップを有する包装箱であって、該サイドフラップの側部に係止部を有し、該差込みフラップに押圧部を有し、該押圧部は、該係止部と係合可能な部位に配置され、該差込みフラップ表面側の凹部と該差込みフラップ裏面側の凸部とからなり、且つ該蓋部と該差込みフラップとの折り込み線と平行となる部分と該折り込み線と平行とはならない部分との組合せからなることを特徴とする包装箱である。
本発明において、「折り込み線と平行となる」とは、折り込み線と交わる角度の鋭角側が0〜5°であることをいい、以下「折り込み線と平行となる部分」を平行押圧部と言う。また、「折り込み線と平行とはならない」とは、折り込み線と交わる角度の鋭角側が5°を超え90°以下であることをいい、好ましくは10〜90°であり、更に好ましくは20〜90°であり、特に好ましくは30〜90°である。以下「折り込み線と平行とはならない部分」を非平行押圧部と言う。
図1(a)に示す包装箱10は、正面板11、側面板12、背面板13、蓋部14、側面板12の端部に形成されるサイドフラップ16及び蓋部14の端部に形成される差込みフラップ15を有する包装箱であって、サイドフラップ16の側端部に係止部16aを有し、差込みフラップ15に押圧部20を2箇所有し、2箇所の押圧部20はそれぞれ蓋部14と差込みフラップ15との折り込み線30と平行な1本の平行押圧部20aと、平行押圧部20aと直交し平行押圧部20aから折り込み線30と反対側に延びる2本の非平行押圧部20bとから構成されている。押圧部20がこのような構成であることにより折り込み線30と平行となる1本の平行押圧部20aがサイドフラップ16の係止部16aと好適に係合し、開蓋し易い適度なロック機能を発揮すると共に、1本の平行押圧部20aと2本の非平行押圧部20bとの組合せにより双方の剛性が同時に高まり、折り込み線30と平行な方向に折れ曲がり難くなるので、自動組立機(又は人手)により差込みフラップ部分を折り曲げる工程において、差込みフラップ15内の押圧部20で誤って折り曲げられてしまうことがなく、折り込み線30で正確に且つ確実に折り曲げ成形されることとなる。同時に、上記の剛性が高くなることにより、押圧部20の形状が安定して維持されるので、開蓋を繰り返しても、開蓋し易さが持続する適度なロック機能を安定して維持することができる。
図1(a)においては、押圧部20の平行押圧部20aは1本、非平行押圧部20bは2本であるが、平行押圧部20a及び非平行押圧部20bはそれぞれ1本のみでもよく、それらの一方又は双方が複数本あってもよく、3本以上の多数本でも良い。
また、差込みフラップ15の表面側に形成される凹部は、包装箱10を開蓋した時の意匠性を高める効果を奏する。
また、本発明における押圧部の平行押圧部20aは直線のみならず、折れ線及び/又は波状曲線であって、その中心線が折り込み線30と平行となるものも平行押圧部20aに包含される。折れ線及び/又は波状曲線の振幅が、折れ線及び/又は波状曲線の線幅の3倍以下であることが好ましく、2倍以下であることがより好ましく、1.5倍以下であることが特に好ましい。なお、振幅が線幅と等しい場合は直線となる。
図2に示すように、包装箱10において、蓋部14の端部(差込みフラップ16側の端部)に開閉フラップ40を設けると、開閉フラップ40を指で持ち上げることにより簡単に開蓋でき、開蓋が一動作で簡便となるので、本発明の簡便なロック機構の利便性がさらに高まることとなる。
開閉フラップ40は、図2に示すように差込みフラップ15に切り込みを入れるだけで簡単に作製できる。
図4(b)においては、正面板11と側面板12との境界部位から離隔部16bまでの部位に、正面板11と一定の距離(差込みフラップ16の厚み程度)を保って係止部16aが形成されている。
図4(c)においては、正面板11と側面板12との境界部位と係止部16aとの間に、さらに第2離隔部16b’が形成されている。
いずれの場合も、差込みフラップが容易に包装箱10内に差し込まれ、且つ押圧部20の凸部と係合し得る程度に、正面板11と係止部16aとが離隔していれば良い。
また、必要に応じて、背面板13と、サイドフラップ16の背面板側の側端部とが1〜10°程度の鋭角で除々に離隔していても良い。
平行押圧部20aと係止部16aとの係合を好適にする観点から、非平行押圧部20bは離隔部16b又は第2離隔部16b’の位置に存在することが望ましく、又は平行押圧部20aが係止部16aと係合する範囲において非平行押圧部20bが平行押圧部20aよりも折り込み線30に近い側まで伸びていない方が望ましい。これは係止部16aと非平行押圧部20bが接触することにより平行押圧部20aと係止部16aの係合が阻害されることになるからである。また確実な箱の形成の観点からすると、非平行押圧部20bは平行押圧部20aよりも折り込み線30に近い側を始点とし、平行押圧部20aを越えた長さを有する事が望ましい。これは非平行押圧部20bが平行押圧部20aを横切ることにより、折り込み線30の平行とはならない方向の剛性が増すためである。これら2つの観点を満足するために後述する図5〜7、15の様に非平行押圧部20bが箱の内側(離隔部16bに対応する位置)に形成され、且つ非平行押圧部20bが平行押圧部20aよりも折り込み線30に近い側まで伸びた押圧部20が形成されていることが好ましい。一方、後述する図10〜14、16の様に差込みフラップの側端部側に平行押圧部20aよりも折り込み線30側まで延びた非平行押圧部20bを有する場合には、非平行押圧部20bに対応する位置に第2離隔部16b’を設ければ良い。
図11に示す押圧部20は、差込みフラップ15の側端部の少し内側の始点から延びる1本の平行押圧部20aと、その平行押圧部20aと直交し且つ平行押圧部20aの始点を通る1本の非平行押圧部20bとの組合せからなる。
図12に示す押圧部20は、差込みフラップ15の側端部の少し内側の始点から延びる1本の平行押圧部20aと、その平行押圧部20aと直交し且つ平行押圧部20aの始点を通る直線及び平行押圧部20aと直交し且つ平行押圧部20aの終点を通る直線の2本の非平行押圧部20bとの組合せからなる。
図14に示す押圧部20は、差込みフラップ15の側端部の少し内側の始点から延びる1本の平行押圧部20aと、折り込み線30と約60°の角度をなして平行押圧部20aと交差する2本の非平行押圧部20bとの組合せからなる。
図16に示す押圧部20は、図11に示す押圧部20の変形例であり、同様に平行押圧部20aと非平行押圧部20bとが離隔している。
W/L ≦1 ・・・(1)
W/L ≦1/2 ・・・(2)
W/L ≦1/3 ・・(3)
(L/W)が1以下であれば、折り込み線30に比べ同等か短くなるため成形不具合のリスクが低減するので好ましく、(L/W)が1/2以下であれば、同様な理由でより好ましい。
また、図1〜3及び5〜16に示す押圧部20は、いずれも、構成する直線又はその端部が折り込み線30からサイドフラップ16の厚み程度又はそれ以上離隔しているので、ロック機構が確実に機能し、好ましい。
また、包装箱の美感を高めるため、金属、金属酸化物、酸化ケイ素等による表面蒸着、金属箔等の積層、樹脂等の表面コーテイングなどにより包装箱表面を加飾することが好ましい。
11 正面板
12 側面板
13 背面板
14 蓋部
15 差込みフラップ
16 サイドフラップ
16a 係止部
16b 離隔部
16b’ 第2離隔部
20 押圧部
20a 平行押圧部
20b 非平行押圧部
30 蓋部と差込みフラップとの折り込み線
40 開閉フラップ
50 比較例の包装箱
51 正面板
52 側面板
54 蓋部
55 差込みフラップ
56 サイドフラップ
56a 係止部
60 切り欠き部
Claims (5)
- 正面板、側面板、背面板、蓋部、該側面板の端部に形成されるサイドフラップ及び蓋部の端部に形成される差込みフラップを有する包装箱であって、
該サイドフラップの側部に係止部及び隔離部を有し、
該差込みフラップに押圧部を有し、
該押圧部は、該差込みフラップ表面側の凹部と該差込みフラップ裏面側の凸部とからなり、且つ該蓋部と該差込みフラップとの折り込み線と平行となる部分と該折り込み線と平行とはならない部分との組合せからなり、該押圧部の該折り込み線と平行となる部分が、該係止部と係合可能な部位に配置され、該押圧部の該折り込み線と平行とはならない部分が、該係止部と係合可能な部位に配置された該押圧部の該折り込み線と平行となる部分よりも該折り込み線側に延伸しており、
該押圧部の該折り込み線と平行とはならない部分は、該隔離部の位置に存在し、
該押圧部の該折り込み線と平行となる部分と該押圧部の該折り込み線と平行とはならない部分とが一体化した組合せからなることを特徴とする包装箱。 - 前記押圧部の前記折り込み線と平行となる部分の合計長さWと前記差込みフラップの該折り込み線方向の長さLとが式(1)の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
W/L ≦1 ・・・(1) - 前記蓋部の端部に開閉フラップを有する請求項1又は2に記載の包装箱。
- 前記押圧部の前記折り込み線と平行とはならない部分は、前記押圧部の前記折り込み線と平行となる部分の前記差込みフラップの中心側の端部と接している請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装箱。
- 前記サイドフラップの側部に第2隔離部をさらに有し、
前記押圧部の該折り込み線と平行とはならない部分は、前記隔離部又は前記第2隔離部の位置に存在する請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装箱。
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