JP3758789B2 - パンチプレス機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンチプレス機の制御置に関し、より詳しくは製品加工途中における異常発生による中断時にその中断の直前の状態に復帰させて加工を再開させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パンチプレス機においてNCプログラムを用いて製品加工を行う際には、次のいずれかの方法が採られている。
(a)予め自動プログラミング装置などを使用して作成される製品加工NCプログラムのすべてをパンチプレス機の制御装置内のメモリに記憶させておき、このメモリ内部のNCプログラムを逐次処理することにより、ワークを位置決めする移動テーブルとワークに打ち抜き加工を行うパンチおよびダイを備えるプレス部とを制御する方法(一般に、「メモリ運転」と呼ばれている。)。
(b)製品加工NCプログラムの一部をパンチプレス機のメモリに記憶した後に移動テーブルとプレス部とを制御し、制御し終えた部分のNCプログラムをメモリ内部から消去し、再度NCプログラムの次の一部をメモリに記憶しながら製品加工を行う方法(一般に、「テープ運転」と呼ばれている。)。
これらの方法のうち、テープ運転はメモリ運転に比べて少ないメモリ容量で運転できるという利点がある。
【0003】
ところで、前述のような製品加工NCプログラムの処理途中に何らかの異常が発生してそのNCプログラムの続行が不能になった場合には、オペレータは次に示すようないずれかの対応を採っていた。
▲1▼途中まで加工したワークを破棄し、新しいワークに変更して製品加工NCプログラムの先頭から加工をやり直す。
▲2▼途中まで加工したワークを移動テーブルに載置した状態でその移動テーブルを加工開始位置に位置決めし、製品加工NCプログラムを先頭位置から処理できる状態にした後、プレス機能を無効にしてNCプログラムを実行する。このとき、移動テーブルはNCプログラムの処理にしたがって位置決めがなされるが、プレスの動作は行われないため、途中まで加工されたワークに再度パンチ動作は行われない(ノーパンチ運転)。こうして、NCプログラムの処理が順次行われて移動テーブルの位置決めが順次行われる。オペレータは、NCプログラムの処理が先の加工途中で中断した箇所に到達する直前のプログラム箇所で、NCプログラムの処理を一時停止させて再度続行させることのできる「一時停止」釦を押して一時停止状態にし、その後NCプログラムの1ブロックずつの実行を可能にする「シングルブロック」釦を有効にして、中断したワークの位置にNCプログラムのブロックの位置が到達するまで1ブロックずつのノーパンチ運転を行う。そして、オペレータは途中まで加工したワークの最終加工位置とノーパンチ運転したNCプログラムの到達ブロックの位置が同じであることを確認した後、このノーパンチ運転を解除するためにプレス機能を有効に戻して「シングルブロック」釦を無効にする。このようにして、ノーパンチ運転で処理してきたNCプログラムを、連続的に移動テーブルを位置決めするとともにプレスの動作によってワークの打ち抜きが行える処理が可能な状態に戻した後、途中まで加工したワークの残りの加工を行うようにする。
▲3▼途中まで加工したワークを移動テーブルに載置した状態でワークの最終加工位置を見つけ出すとともに、製品加工NCプログラムにおいて中断したワークの最終パンチ加工位置の処理ブロックを見つけ出して、NCプログラムの先頭部分から中断した最終パンチ加工位置までの処理ブロックを削除し、中断した次のブロックを、途中まで加工したワークの残りのNCプログラムの先頭部分とする製品加工NCプログラムとして編集し直した後、移動テーブルを加工開始位置に位置決めし、途中まで加工したワークの残りの加工を行うようにする。
【0004】
また、本願発明に関連する先行技術として、特開昭63−257006号公報においては、パンチ指令後の動作完了信号等をカウンタによって積算記憶し、復帰のための自動運転をマシンロック状態で行うようにした運転再開方法が開示され、また特開平4−237306号公報においては、多数個製品取りのプログラムに基づいて加工されるパンチプレス機において、中断された製品の製品番号等に基づいて別の製品の素材位置からの加工指令を与えて運転を再開するようにした運転再開方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中断からの加工再開に際して採られる前記従来の方法のうち、前記▲1▼の方法においては、途中まで加工したワークを破棄してしまうので、材料の無駄が生じてしまうとともに、途中までの加工に要した時間も無駄にすることになる。なお、製品加工NCプログラムの作成の仕方によっては、途中まで加工したワークからいくつかの製品を取り出すことも考えられるが、このようにした場合には、当初の生産数量との間に差異が生じたり、組み合わせの必要な製品の場合には余分な製品作成が生じたり、生産計画に応じて中断が生じた箇所以降の製品加工NCプログラムを作り直す必要があるといった問題点がある。
【0006】
また、前記▲2▼の方法においては、▲1▼のように途中まで加工したワークと中断位置までの時間は無駄にすることはないが、「ノーパンチ運転」や「シングルブロック」の切り換え操作などが煩雑であったり、ノーパンチ運転で途中まで加工したワークの最終パンチ位置に近づいてからの「一時停止」操作の判断や、その後「シングルブロック」状態で最終パンチ位置に到達したか否かの確認操作をオペレータが行う必要があるために、オペレータはパンチプレス機から離れることができず、作業効率の低下およびパンチプレス機の稼働率の低下が避けられないといった問題点がある。
【0007】
また、前記▲3▼の方法においては、途中まで加工したワークの無駄とそこに到達するまでの時間および前記▲2▼の方法のような「ノーパンチ運転」により生じる時間の無駄を省くことはできるが、オペレータが、途中まで加工したワークの最終パンチ位置に対して製品加工NCプログラムのどのブロックまでの処理が完了しているかを判断する必要があるとともに、中断した次のブロックを残りの製品加工NCプログラムの先頭部分とするプログラムを編集し直すことが必要となる。すなわち、オペレータには、NCプログラムに記述する命令文を熟知している能力が要求される。また、たとえ、このような能力を有するオペレータがいたとしても、製品加工NCプログラムの編集に要する時間が無駄になってしまう。また、一般に、「メモリ運転」であればパンチプレス機本体にて製品加工NCプログラムの編集操作が可能であるが、「テープ運転」であればパンチプレス機での編集操作ができないために、他の装置を使用する必要がある。
【0008】
さらに、この▲3▼の方法は、製品加工NCプログラムの命令文の使われ方によっては適用できない場合がある。すなわち、1枚のワークに同一製品を複数個作成する場合に、NCプログラムを、製品を格子状に配列して加工する多数個取り機能を使用する命令文で作成する場合があり、この場合に、製品1個分のNCプログラムを記述し、その製品に基準点を付けたNCプログラムに対して、ワーク上に格子状に配列する位置情報を付加した命令文を記述した製品加工NCプログラムが作成される。このようなNCプログラムの場合、実際に製品加工する際には制御装置内部にある記憶装置に製品1個分のNCプログラムを記憶させておいて基準点を格子状に配列する位置情報にしたがって切り替える制御をするために、中断したワークの最終パンチ位置に対する製品加工NCプログラムの該当する箇所がなく、中断した次のブロックから加工させる手段がない。
【0009】
一方、本願発明に関連する技術としてして挙げた特開昭63−257006号公報のものにおいては、パンチした位置に関するデータを記憶するようにはなっていないために、マシンロック機能を用いての中断位置までの再開処理において、オペレータによるワークの位置合わせ作業が必ず必要となる。そして、この位置合わせが正確に行われないと、再開後にパンチずれが生じて不良品が発生するという問題点がある。
【0010】
また、特開平4−237306号公報のものにおいては、1枚の素材から同一の打ち抜き形状をなす複数枚の製品を一度に加工する機能(多数個製品取り機能)を使用した加工プログラムに対してのみプログラム再開機能を付与している構成であるために、それ以外の形状が含まれている加工プログラムでは対応ができない。したがって、オペレータは、加工再開を指示する際に、中断された製品番号などのデータを入力する必要があり、また中断を再開した場合に、中断した製品部分のみは廃棄しなければならないという問題点がある。
【0011】
本発明は、前述のような従来技術の有する各種の問題点を解消するためになされたもので、製品加工途中における異常発生による中断時に、途中まで加工したワークを無駄にすることがなく、簡単な操作で、かつ短時間で、加工を中断した直前の状態に復帰させて残りの製品加工を行うことのできるパンチプレス機の制御置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、本発明では、ワークが打ち抜き動作を完了する毎に、製品加工NCプログラムの先頭ブロックからの打ち抜き動作回数を記憶するとともに、最終パンチ動作が行われた移動テーブルの座標位置および/またはパンチのワークに対する回転角度座標位置のデータを記憶することで、途中まで加工したワークの最終パンチ位置に対し、中断した製品加工NCプログラムのどのブロックで中断したのかを記憶情報から探し出すという知見に基づいてなされたものである。
【0013】
要するに、第1発明によるパンチプレス機の制御装置は、
移動テーブル上に載置されたワークを位置決めし、パンチとダイとによってそのワークの打ち抜き加工を行うパンチプレス機の制御装置であって、
(a)ワークの加工の都度前記移動テーブルの座標位置と加工開始からの前記パンチの打ち抜き動作回数とを記憶する記憶手段、
(b)加工が中断した後の再開時に、前記記憶手段に記憶されている中断直前の前記移動テーブルの座標位置の情報に基づいてその移動テーブルを位置決めする位置決め制御手段、
(c)プレス起動信号を受けても実際にプレス部の駆動を実行せずに演算処理のみで、加工プログラムを先頭ブロックから実行する加工プログラム仮実行手段、
前記加工プログラム仮実行手段により実行された加工プログラムにおける打ち抜き動作信号の入力回数と前記記憶手段に記憶されている打ち抜き動作回数とを比較する比較手段および
)この比較手段により前記入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致していると判断されたときに前記加工プログラムに基づいてプレス部を起動させる起動制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0014】
この第1発明においては、ワークの打ち抜き加工が行われる毎に、加工プログラムの先頭ブロックからのパンチの打ち抜き動作回数が記憶されるとともに、最終パンチが行われた移動テーブルの座標位置が記憶されている。そして、何らかの事情により加工プログラムの処理が中断し、途中まで加工したワークが生じた際には、中断した直前に記憶された最終パンチに係る移動テーブルの座標位置の情報に基づいてその移動テーブルが位置決めされる。この位置決めの後に加工プログラムの先頭ブロックからの処理が開始され、加工プログラムにおける打ち抜き動作信号の入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致した後に加工プログラムに基づいて加工が再開される。こうして、製品加工途中における中断時にその製品を無駄にすることがなく、また簡単な操作で、かつ短時間で、中断した直前の状態に復帰させて残りの製品加工を行うことができる。したがって、機械異常に基づく製品加工の中断発生により材料が無駄になることがなく、しかも復帰作業に要する時間を低減することが可能となる。
【0015】
また、第2発明によるパンチプレス機の制御装置は、
移動テーブル上に載置されたワークを位置決めし、パンチとダイとによってそのワークの打ち抜き加工を行うパンチプレス機の制御装置であって、
(a)ワークの加工の都度前記移動テーブルの座標位置とパンチのワークに対する回転角度座標位置と加工開始からの前記パンチの打ち抜き動作回数とを記憶する記憶手段、
(b)加工が中断した後の再開時に、前記記憶手段に記憶されているその中断直前の前記移動テーブルの座標位置とパンチのワークに対する回転角度座標位置の情報に基づいてそれら移動テーブルとパンチとを位置決めする位置決め制御手段、
(c)プレス起動信号を受けても実際にプレス部の駆動を実行せずに演算処理のみで、加工プログラムを先頭ブロックから実行する加工プログラム仮実行手段、
前記加工プログラム仮実行手段により実行された加工プログラムにおける打ち抜き動作信号の入力回数と前記記憶手段に記憶されている打ち抜き動作回数とを比較する比較手段および
)この比較手段により前記入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致していると判断されたときに前記加工プログラムに基づいてプレス部を起動させる起動制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0016】
この第2発明にいては、パンチが回転して打ち抜きを行う形式のパンチプレス機の場合に、最終パンチが行われた移動テーブルの座標位置に加えてパンチのワークに対する回転角度座標位置が記憶されており、加工プログラムの処理が中断した際には、中断した直前に記憶された最終パンチに係る移動テーブルの座標位置とパンチのワークに対する回転角度座標位置との情報に基づいてその移動テーブルとパンチとが位置決めされる。これ以外の作用、効果については前記第1発明と同様である。
【0017】
これら各発明において、前記起動制御手段は、前記比較手段により前記入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致していると判断されたときに前記加工プログラムによる演算処理を一時停止させ、その後起動指令を待ってから前記加工プログラムに基づいてプレス部を起動させるものとするのが好ましい。このようにすれば、一時停止状態でオペレータが加工中断位置を確認した後に加工の再開を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるパンチプレス機の制御置の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
本実施例のパンチプレス機においては、図示省略されているが、メインフレームにパンチとダイとを備えるプレス部が設けられるとともに、このメインフレームの下方にワークを搬送する移動テーブルが設けられており、このメインフレームと所定距離離れた位置に多数個の金型をセット状態で収納する金型マガジンが配置され、この金型マガジンとメインフレームとの間にATC(自動金型交換装置)キャリッジ付きの金型搬送装置が配置された構成とされている。
【0023】
このパンチプレス機を制御する制御装置は、図1に示されているように、移動テーブルを駆動するテーブル軸モータおよび金型を回転させる金型回転軸モータ1を制御する本体制御装置2と、プレス軸動作部3を制御するプレス制御装置4と、金型交換装置のATC軸モータ5を制御するATC制御装置6とを備える構成とされている。
【0024】
前記本体制御装置2は、製品加工NCプログラムの編集および管理、金型番号に対する金型の属性(形状,サイズ,クリアランス等)に係わる情報の編集および管理を行うMMC(Man Machine Controller)7と、このMMC7にて取り込まれる製品加工NCプログラムを解析してテーブル軸モータ,金型回転軸モータ1を制御する軸制御回路に動作指令を送出するCNC(Computerized Numerical Controller )8と、製品加工NCプログラムの実行を機械側の状態に応じて制御するPMC(Programable Machine Controller)9とを備えるものとされている。ここで、各コントローラMMC7,CNC8およびPMC9はそれぞれ、所定プログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、各種テーブル等を記憶する読み出し専用メモリ(ROM)と、前記プログラムを実行するのに必要なワーキングメモリとしての書き込み可能メモリ(RAM)と、不揮発性メモリとを備えている。
【0025】
MMC7で選択された製品加工NCプログラムはそのMMC7の制御プログラムにて解析され、製品加工NCプログラムで使用する金型の情報をATC制御装置6が受け取れるデータ形式に変換するとともに、使用する金型に応じたプレス制御情報をプレス制御装置4が受け取れるデータ形式に変換した後、ATC制御装置6およびプレス制御装置4にそれぞれ転送する。一方、CNC8には選択した製品加工NCプログラムをそのままの形で転送する。こうして、CNC8,ATC制御装置6およびプレス制御装置4にそれぞれ製品加工に必要な情報がセットされた時点で、製品加工NCプログラムの実行が開始される。
【0026】
次に、正常に製品加工が行われている際のパンチプレス機の制御フローを図2に示されるフローチャートによって説明する。
【0027】
S1〜S2:製品加工NCプログラムの実行を開始すると、PMC9内部の実加工パンチ回数を記憶しておくメモリ部およびプレス動作完了時の移動テーブル軸(X軸,Y軸)および金型回転軸(C軸)の機械座標系位置データを記憶しておくメモリ部を0クリアする。
S3〜S6:CNC8が製品加工NCプログラムの1ブロック毎に解析して軸制御回路に動作指令を行い、移動テーブルおよび金型回転軸を位置決め移動させ、この位置決め移動が完了すると、CNC8はプレス制御装置に対してプレス起動信号を出力する。プレス制御装置はその起動信号を受けると、その時に選択されている金型に応じたプレス部の制御データに基づいてプレス動作を実行する。そして、このプレス部の動作が完了すると、プレス制御装置はCNC8に対してプレス動作完了信号を返送する。
【0028】
S7〜S8:PMC9はプレス動作完了信号がCNC8に返されたことを検出し、この時点でのテーブル軸と金型回転軸の機械座標位置データをCNC8より読み取り、メモリ内のデータを更新する。続いて、実加工パンチ回数を記憶しておくメモリのデータ値に1を加算する。
S9:製品加工NCプログラムが終了していないときにはステップS3へ戻って処理を繰り返し、終了したときにはフローを終了する。このようにして、正常に加工が行われているときには、実加工パンチ回数および最新のパンチ動作時のテーブル軸,金型回転軸位置データを更新する処理を繰り返すことになる。
【0029】
このような処理によって、機械に異常が発生して製品加工NCプログラムが中断した場合に、中断する直前までの実加工パンチの累積パンチ数と中断直前のパンチが行われたテーブル軸および金型回転軸位置を知ることができる。なお、この際記憶された実加工パンチ回数および最新パンチ位置データは、パンチプレス機の制御装置の電源を切っても記憶しているメモリに保存されているので、異常の発生により自動的に電源が切れる仕組みになっていたとしても、次に電源を投入した時点で直ちに途中まで加工した製品加工の続行を行うことができる。
【0030】
次に、途中まで加工した製品の残りを加工する際のパンチプレス機の制御フローを図3に示されるフローチャートによって説明する。
【0031】
T1:加工を中断した製品の残りを加工する際には、オペレータは、中断した時点でその中断要因を取り除いた後、製品を移動テーブル上に載置したまま各制御軸を原点に復帰させ、中断した製品のNCプログラムを先頭ブロックから処理できる状態にする。
T2:オペレータはプログラム途中再開釦をON操作する。この操作により、パンチプレス機の制御装置においては、CNC8は、NCプログラムのブロックを処理しても軸移動制御回路に動作指令を行わず、CNC8の内部のみの処理を行うマシンロック状態になる。また、プレス制御装置4は、プレス起動指令信号がCNC8より出力されてもプレス部の動作指令を行わず、プレス制御装置内部の処理のみを行い、プレス動作完了信号をCNC8に返す状態になる。
【0032】
T3〜T4:オペレータは、途中まで加工した製品加工NCプログラムをMMC7で選択して、自動運転起動スイッチを押す。そうすると、パンチプレス機の制御装置はプログラムの途中再開釦がON状態になっていることを認識しているので、直ちに製品加工NCプログラムの先頭ブロックからの処理を開始せずに、次の処理を行う。すなわち、先の中断したNCプログラム実行中の最新パンチ動作時に記憶したテーブル軸および金型回転軸の機械座標位置データをPMC9のメモリから呼び出し、PMC9の内部にプログラムされた処理にしたがって軸移動制御を行い、途中まで加工した製品の位置決めを自動的に行う。
【0033】
T5〜T10:途中まで加工した製品の位置決めが完了したことをPMC9が検出した後、製品加工NCプログラムの先頭ブロックからの処理を開始する。この製品加工NCプログラムの実行を開始すると、PMC9内部の途中再開パンチ回数を記憶しておくメモリ部を0クリアする。このNCプログラムの実行に際して、移動テーブルや金型回転の位置決め操作指令のあるブロックにおいても、マシンロック状態のため、実際に移動テーブルおよび金型回転軸は動かない。また、CNC8よりプレス制御装置4にプレス起動指令が出力されても、実際にプレス部は動作しないでプレス動作完了信号をCNC8に返す。一方、PMC9は、プレス動作完了信号がCNC8に返されたことを検出し、PMC9内部の途中再開パンチ回数を記憶するメモリのデータ値を1にする。次に、途中再開パンチ回数のメモリのデータ値と先の中断したNCプログラム実行中の中断する直前の実加工パンチ回数を記憶しているメモリのデータ値とを比較し、途中再開パンチ回数が先の実加工パンチ回数より小さいときには、製品加工NCプログラムの次のブロックを処理する。そして、次のブロックにおいても同様に、プレス動作完了信号を検出する毎に途中再開パンチ回数を記憶するメモリのデータ値に1を加算する。
【0034】
T11〜T12:途中再開パンチ回数が実加工パンチ回数と等しくなった時には、PMC9はCNC8に一時停止指令を出力し、CNC8のNCプログラムの処理を一時停止させる。次いで、オペレータにより、プログラム途中再開釦がOFF操作されると、パンチプレス機の制御装置は、CNC8のマシンロック状態を解除し、プレス制御装置4のプレス部移動指令を出さない状態を解除する。この時点で、パンチプレス機においては、先の中断した製品加工時の中断する直前のパンチ動作が完了した状態に、テーブル軸および金型回転軸の位置、言い換えれば製品の加工時の位置が復帰するとともに、制御装置の処理状態も中断する直前のパンチ動作が完了した状態に復帰している。
T13:オペレータが、一時停止状態を解除するために起動スイッチを押すと、パンチプレス機の制御装置は、先の実加工で中断した直前のパンチ動作が完了した次のブロックからNCプログラムを続行する。
【0035】
本実施例によれば、製品加工NCプログラムにしたがって正常に製品加工を行っている際に、機械座標位置およびパンチ回数を記憶するようにされているので、加工途中にNCプログラムが中断する事態が発生しても、記憶した中断直前の機械座標位置データに基づいて、移動テーブルおよび金型回転位置を中断直前のパンチ動作状態に復帰させるとともに、テーブル軸および金型回転軸およびプレス軸を動作させないで製品加工NCプログラムが中断直前のパンチ回数まで制御装置内部で先頭から実行されるので、中断した製品加工材料を無駄にすることなく、短時間に、かつ円滑に中断した製品の加工を再開することができる。
【0036】
本実施例においては、金型を回転させてパンチ加工を行う形式のパンチプレス機に適用したものを説明したが、金型の回転を伴わない形式のものにおいては、前述の説明において、金型回転軸の機械座標位置データを記憶する手順が不要となる。
【0037】
また、本実施例においては、途中再開パンチ回数が実加工パンチ回数と等しくなった時にCNC8に一時停止指令を出力するものとした(図3のステップT11)が、このような一時停止機能は省略して自動的に運転を再開させるようにする実施例も可能である。
【0038】
本実施例においては、金型自動交換装置(ATC)を備えるパンチプレス機に適用したものを説明したが、本発明は、その他、タレットパンチプレスのようなパンチプレス機に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例に係るパンチプレス機の制御装置の構成ブロック図である。
【図2】図2は、正常加工時の制御フローを示すフローチャートである。
【図3】図3は、途中再開時の制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 テーブル軸モータ,金型回転軸モータ
2 本体制御装置
3 プレス軸動作部
4 プレス制御装置
5 ATC軸モータ
6 ATC制御装置
7 MMC(Man Machine Controller)
8 CNC(Computerized Numerical Controller )
9 PMC(Programable Machine Controller)

Claims (3)

  1. 移動テーブル上に載置されたワークを位置決めし、パンチとダイとによってそのワークの打ち抜き加工を行うパンチプレス機の制御装置であって、
    (a)ワークの加工の都度前記移動テーブルの座標位置と加工開始からの前記パンチの打ち抜き動作回数とを記憶する記憶手段、
    (b)加工が中断した後の再開時に、前記記憶手段に記憶されている中断直前の前記移動テーブルの座標位置の情報に基づいてその移動テーブルを位置決めする位置決め制御手段、
    (c)プレス起動信号を受けても実際にプレス部の駆動を実行せずに演算処理のみで、加工プログラムを先頭ブロックから実行する加工プログラム仮実行手段、
    前記加工プログラム仮実行手段により実行された加工プログラムにおける打ち抜き動作信号の入力回数と前記記憶手段に記憶されている打ち抜き動作回数とを比較する比較手段および
    )この比較手段により前記入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致していると判断されたときに前記加工プログラムに基づいてプレス部を起動させる起動制御手段を備えることを特徴とするパンチプレス機の制御装置。
  2. 移動テーブル上に載置されたワークを位置決めし、パンチとダイとによってそのワークの打ち抜き加工を行うパンチプレス機の制御装置であって、
    (a)ワークの加工の都度前記移動テーブルの座標位置とパンチのワークに対する回転角度座標位置と加工開始からの前記パンチの打ち抜き動作回数とを記憶する記憶手段、
    (b)加工が中断した後の再開時に、前記記憶手段に記憶されているその中断直前の前記移動テーブルの座標位置とパンチのワークに対する回転角度座標位置の情報に基づいてそれら移動テーブルとパンチとを位置決めする位置決め制御手段、
    (c)プレス起動信号を受けても実際にプレス部の駆動を実行せずに演算処理のみで、加工プログラムを先頭ブロックから実行する加工プログラム仮実行手段、
    前記加工プログラム仮実行手段により実行された加工プログラムにおける打ち抜き動作信号の入力回数と前記記憶手段に記憶されている打ち抜き動作回数とを比較する比較手段および
    )この比較手段により前記入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致していると判断されたときに前記加工プログラムに基づいてプレス部を起動させる起動制御手段を備えることを特徴とするパンチプレス機の制御装置。
  3. 前記起動制御手段は、前記比較手段により前記入力回数と記憶された打ち抜き動作回数とが一致していると判断されたときに前記加工プログラムによる演算処理を一時停止させ、その後起動指令を待ってから前記加工プログラムに基づいてプレス部を起動させるものである請求項またはに記載のパンチプレス機の制御装置。
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