JP3587046B2 - 共通経路上の2つの可動体を同時制御する数値制御装置 - Google Patents

共通経路上の2つの可動体を同時制御する数値制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共通の移動経路に沿って互いに接近離間する方向に移動可能な2つの可動体を個別の数値制御プログラムに従ってそれぞれ送り制御する数値制御装置に関する。好適には、本発明は、回転又は固定の工具を個々に装架した2つの工具台を共通のワークに対して共通の移動経路上で別々の数値制御プログラムに従って独立して位置制御でき、これによりワークに対して異なる加工個所を同時に又は個別に能率良く加工できるようにした数値制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、加工テーブル上の工作物の複数の加工個所を共通の移動経路に沿って個別に数値制御される2つの工具台により加工する場合、2つの工具台が接近できる位置での同時加工は問題ないが、2つの工具台がそれ以上接近できない加工個所を加工する場合工具台同士が物理的に衝突する事態が生じる。この衝突は、工具台の干渉として一般に呼ばれ、このような干渉は、各工具台の移動経路を規定する数値制御プログラム(以下、NCプログラムと云う)を他の工具台の計画される移動経路を考慮して作成することにより回避される。
【0003】
このようにNCプログラムを干渉が生じないように作成するNCプログラム上での干渉回避策では、NCプログラムのステップ数(データブロック数)が大きい複雑な加工の場合では、NCプログラムの作成者に大きな負担を強いることになる。
このため、上記した工具台の干渉を回避する目的で、従来における一対の工具台付工作機械を制御する数値制御装置(以下、NC装置と云う)には、図12に示す制御機能(従来技術1)又は図13に示す制御機能(従来技術2)が付加される。
【0004】
なお、図12及び図13は、横方向に離間した一対の工具台がそれぞれの送り原点から共通の移動経路(例えば、x軸)に沿って互いに接近する方向に前進され、その前進位置で加工を終えた後再びそれぞれの送り原点へ復帰する移動の経過を縦方向の時間軸に関連して表現した位置−時間チャートである。
図12に示す従来技術1によれば、第1工具台TH1と第2工具台TH2を起動する起動指令が略同時期に相前後して与えられて、先に第1工具台TH1が例えばX軸に沿って第2工具台TH2側に前進した場合、第2工具台TH2は起動指令が既に与えられていても送り原点に待機されたままとされる。第2工具台TH2の第1工具台TH1側に向う前進送りは、第1工具台TH1が加工位置Pa1での加工動作を終えて送り原点に復帰する時開始される。
【0005】
図13に示す従来技術2によれば、両工具台TH1,TH2の移動位置が常時監視される。両工具台を起動する起動指令が略同時期に相前後して与えられ、これにより第1工具台TH1が先に送り原点を離れ、この後第2工具台TH2が送り原点を離れたと仮定する。
この場合、送り距離の短い第1工具台TH1は先に加工位置Pa1に到達し、この時点では加工位置Pb1が加工位置Pa1よりも第1工具台TH1の送り原点側にある送り距離の長い第2工具台TH2は未だ前進を継続しており、加工位置Pa1に位置決めされた第1工具台TH1に対し所定の距離まで接近すると減速されて第1工具台TH1に対し所定の干渉回避限界位置で一時停止される。そして、第1工具台TH1が送り原点に向かって後退し,両工具台が前記所定間隔以上離れる時、第2工具台TH2は加工位置Pb1に向かって移動を再開する。
【0006】
この第2従来技術によれば、第1工具台TH1が加工位置Pa1で例えばZ方向に工具を送って加工動作を実行する間は、加工位置Pb1にかなり接近した位置で待機されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第1従来技術は、両工具台はそれらを起動する指令が略同時に与えられる場合でも、後から起動される他方の工具台TH2は送り原点に待機されたままとなっているので、加工能率が低いと云う欠点を有する。
これに対して、第2従来技術は、両工具台をそれぞれの加工点に移動させる割出動作が一部平行して実行されるので、加工能率の点で第1従来技術より優れている。
【0008】
しかしながら、図13において、第1工具台TH1が加工位置Pa1での加工動作の後に一時停止して待機中の第2工具台TH2側にある2番目の加工位置Pa2へ位置決めされるようにNCプログラムで指定される場合、両工具台位置を監視する機能が働いて両工具台はその後移動不可能となる。このような事態を避けるためには、両工具台の動作を規定するそれぞれのNCプログラムが互いに他のプログラムを考慮して注意深く作成されなければならず、プログラム作成が面倒となる。
【0009】
従って、本発明の主たる目的は、共通の移動経路に沿って互いに接近離間する方向に移動可能な2つの可動体を個々の数値制御プログラムに従ってそれぞれ送り制御する数値制御装置において、上述した従来技術の欠点を解消することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した従来技術に係わる課題及び本発明の目的は、下記の手段により解決され達成される。
本発明においては、請求項1に記載されるように、一方の可動体が他方の可動体側に最も接近される目標位置に基づいて移動範囲境界を設定する範囲設定手段を設け、また、一方の可動体が移動範囲境界内で他方の可動体側に最も接近する目標位置に到達した後に逆方向である離間方向に移動するときは両可動体の移動許容範囲をそれぞれ縮小及び拡大するように移動範囲境界を変更する境界変更手段を設け、さらに、NCプログラムに従う他方の可動体の移動が移動範囲境界を超えようとするときにはその後に移動範囲境界が変更されて他方の可動体の移動許容範囲が拡大されるまで他方の可動体を一時停止する手段を設ける。
【0011】
従って、請求項1の発明によれば、一方の可動体は他方の可動体よりも優先的にそのNCプログラムに従って移動制御されるので、一方の可動体の移動制御が他方の可動体の移動制御に制約されず、そのNCプログラムに計画された作業を高能率に遂行できる。また、他方の可動体は、一方の可動体の移動許容範囲が縮小されるに連れて自己の移動許容範囲が拡大され、一方の可動体の移動制御の進行に従属して自己の移動制御を徐々に進行させることができる。
【0012】
特に、一方の可動体の移動許容範囲をそのNCプログラムによって決まる最大の移動許容範囲として最初に設定し、その後は縮小するようにしたので、一方の可動体が段階的にその移動許容範囲の境界に接近する場合でも他方の可動体との干渉が回避され、両可動体が共にそれ以上相手側に前進できない立ち往生となる事態が発生しない効果を奏する。
【0013】
また、本発明は、請求項2に記載されるように、一方の可動体については他方の可動体側に移動すべき移動範囲を優先移動許容範囲として設定すると共に他方の可動体については一方の可動体側に移動できる移動範囲を優先移動許容範囲に接近するがこの移動許容範囲を超えない従属移動許容範囲として設定する範囲設定手段を設け、範囲変更手段により、一方の可動体が優先移動許容範囲内で最も他方の可動体側に接近する位置に到達した後に逆方向に移動するときは優先及び従属移動許容範囲を順次縮小及び拡大するようにし、さらに、一時停止手段により、対応するNCプログラムに従う他方の可動体の移動が従属移動許容範囲を超えようとするときにはその後に従属移動許容範囲が拡大されるまで他方の可動体を一時停止するように構成する。
【0014】
このような構成を採ることにより、請求項2の発明によれば、上述した請求項1の発明と同様な効果が得られることに加えて、両可動体にそれぞれの移動許容範囲を設定することによる特有な効果、つまり、優先移動許容範囲と従属許容移動範囲との境界幅である干渉回避ゾーンを任意に設定でき、これにより可動体の送り制御特性に最適な干渉回避幅を両可動体間に設けることができる効果が奏せられる。付随的には、優先及び従属許容移動範囲の各々を相手側に向かう対応する可動体の暴走防止限界として機能させることも可能となる。
【0015】
請求項3及び4に記載の発明においては、前記優先移動許容範囲を一方の可動体用のNCプログラム中に指定される他方の可動体側に最も接近する目標位置に基づいて設定するように前記範囲設定手段を構成し、また、前記従属移動許容範囲を他方の可動体用のNCプログラム中に指定される一方の可動体側に最も接近する目標位置に基づいてこの目標位置の近辺まで拡大できるように前記範囲変更手段を構成する。
【0016】
これにより、請求項3の発明によれば、優先移動許容範囲の境界座標を一方の可動体用のNCプログラムに指定することが不要となり、また請求項4の発明によれば、従属移動許容範囲を拡大するための境界座標を他方のNCプログラムに指定することが不要となり、共にNCプログラムの作成を容易にしかつプログラム中に間違ったデータを指定する可能性が小さくなる利点がある。
【0017】
請求項5に記載の発明においては、目標位置までの複数の補間点が微小間隔で出力される度に前記範囲変更手段に前記優先及び従属移動許容範囲の変更処理を行なわせるようする。
従って、請求項5の発明によれば、優先及び従属移動許容範囲の変更がタイムリーに実行され、これにより両可動体の位置制御の進行の間に無駄な時間が排除されるので、両可動体の総合的位置制御効率を向上させることができる。
【0018】
請求項6の発明においては、前記一方及び他方の可動体を回転工具主軸を備える一対の主軸ヘッドとして構成する。
斯かる構成を採ることにより、請求項6の発明によれば、一方の主軸ヘッドの回転工具が工作物の在る個所の加工を終えるとこの個所に接近する他の加工個所を他方の主軸ヘッドの別の回転工具により直ちに加工でき、これにより工作物の加工を高能率に遂行できる。
【0019】
上述した各発明において、好適には、先に駆動される可動体を一方の可動体とし、後で駆動される可動体を他方の可動体とすることが望ましい。駆動開始についてのこの時間的前後関係は好ましくは各可動体が送り原点を出発し再び送り原点に復帰する所謂1サイクル動作単位での前後関係を意味するが、複数サイクル単位の動作を何れの可動体が先に動作するかという観点での時間関係としても把握できることは勿論のことである。
【0020】
駆動開始の前後関係とは無関係に、実行すべき加工個所の多少に基づいて一方の可動体及び他方の可動体を決定するようにしても差し支えない。
【0021】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明による数値制御装置が制御対象とする1対の主軸ヘッド付き工作機械の一部断面平面図及び正面図を示す。これら図において、10は工作機械9のベッドであり、このベッド10の後部に箱形コラム11が立設されている。
【0022】
コラム11の上下のクロスビーム11aの前面に平行に設けた一対の水平ガイドレール12に跨ってコの字状の第1サドル13及び第2サドル14が、それぞれの上下端部で左右方向(X方向)に移動可能に案内されている。これにより、第1サドル13及び第2サドル14は、共通の移動経路(X軸ガイドレール12)に沿って互いに接近・離間方向に移動可能である。なお、第1及び第2サドル13,14のガイドレールを別々に設けてもよい。
【0023】
コラム11の前面側でベッド10上には、X軸サーボモータ18aにより回転されるボールねじ16がガイドレール12と並行な軸線回りに回転可能に軸承され、このボールネジ16に螺合するナット17は第1のサドル13に取付けられている。一方、コラム11の上部クロスビーム11aの前面には、U軸サーボモータ18bにより回転されるボールねじ20がボールねじ16と平行な軸線回りに回転可能に軸承され、このボールねじ20は第2サドル14に取付けられたナット22が螺合している。
【0024】
第1サドル13と第2サドル14の左右方向に対向する内側面には、それぞれ前後一対のガイドレール23が上下方向(Y方向)に平行に延びるように固定されている。これらガイドレール23に第1主軸ベース24と第2主軸ベース25がそれぞれ対応する第1サドル13と第2サドル14上で上下方向に移動可能に案内されている。
【0025】
第1サドル13と第2サドル14には、ボールねじ27a,27bがガイドレール23と平行な軸線回りに回転可能に軸承されている。これらボールねじ27a,27bは、それらの上端でそれぞれY軸サーボモータ28a及びV軸サーボモータ28bに連結され、これらモータにより回転される。
ボールねじ27a,27bにはそれぞれ図略のナットが螺合し、これらナットは第1主軸ベース24と第2主軸ベース25にそれぞれ取付けられている。第1主軸ベース24と第2主軸ベース25の左右方向に対向する内側面には、それぞれ上下に離間した一対のガイドレール30が平行に前後方向(Z方向)に延びるように固定されている。
【0026】
それぞれの対のガイドレール30には、それぞれ第1主軸ヘッド31a及び第2主軸ヘッド31bが前後方向(Z方向)に移動可能に案内されている。第1主軸ベース24と第2主軸ベース25には、それぞれボールねじ33a,33bがガイドレール30と平行な軸線回りに回転可能に軸承されている。
これらボールねじ33a,33bは、それらの後端にそれぞれ連結されたZ軸サーボモータ38a及びW軸サーボモータ38bにより回転され、これによりそれらに螺合するナット34a,34bを介して第1主軸ヘッド31aと第2主軸ヘッド31bを前後方向に駆動する。
【0027】
第1主軸ヘッド31a及び第2主軸ヘッド31bは、Z方向に延びる軸線回りに第1主軸35aと第2主軸35bを回転可能に軸承し、内蔵した図略のビルトインモータによって回転駆動できる。第1主軸35aと第2主軸35bの前端には、ドリル,エンドミル,砥石等の工具Tが着脱可能に装着され、第1主軸35aと第2主軸35bへの工具Tの着脱は図略の工具マガジンとの間でそれぞれ自動工具交換される。
【0028】
コラム11の前方でベッド10上には固定又は回転割出タイプのテーブル37が設置され、このテーブル37に単一の工作物Wが図略のクランプ機構により固定されている。テーブル37の左右方向(X方向)両側には、搬入・搬出装置40が配置されている。
上記の構成により、第1及び第2主軸ヘッド31a,31bは、サーボモータ18a,18bの駆動により共通のガイドレール12に沿ってX方向に移動され、またサーボモータ28a,28bの駆動によりY方向に移動されて、各ヘッド31a,31b上の工具Tを工作物Wの所望の加工位置に位置決めでき、その後サーボモータ38a,38の駆動によりZ方向に前進させて、例えばドリル等の工具Tによりを加工個所に穴明けする。
【0029】
工具Tがエンドミルである場合、工具Tと工作物Wとの当接位置で主軸ヘッド31a,31bを互いに直交するX,Y及びZ方向に同時2軸又は3軸制御して工作物Wにコンタリング加工を施すことができる。必要であれば、テーブル37上に複数の工作物を取付けるようにしてもよい。
上記のように構成される工作機械9の図1における左側には、コンピュータを内蔵する数値制御装置(以下、CNC装置と云う)70とシーケンスコントローラ80が配置されている。この数値制御装置70とシーケンスコントローラ80は、工作機械9と搬入・搬出装置40の動作を制御する。
【0030】
図3に示すように、CNC装置70は、CPU71、メモリ72と対話式データ入力装置73によって主に構成されている。インターフェイス74を介してCPU71に接続されたデータ入力装置73は、表示装置73aを有し、テンキー73bによりNCプログラムや各種パレメータデータを対話形式で入力し、スイッチ群73cにより各種命令を入力する。
【0031】
図略のインターフェイスを介してCPU71に接続されたシーケンスコントローラ80は、NCプログラム中に指定される各種補助機能命令、例えば、主軸回転指令、クーラントのオン・オフ命令や工具交換指令を受取り、この命令に応じたシーケンス制御を実行する。
メモリ72は、CPU71の処理動作を定義するシステムプログラムを記憶するエリア72aと、このシステムプログラムに従ってCPU71が実行する第1及び第2主軸ヘッド用のNCプログラムを記憶するNCプログラムエリア72bと、第1及び第2主軸ヘッドのX方向における移動許容境界となる境界座標BC1,BC2を記憶するエリア72cと、システムプログラムに従う制御過程における演算処理のためのフラッグエリア72d及びワーキングエリア72eを含む。
【0032】
図10を参照して後に詳しく説明するように、境界座標BC1は第1主軸ヘッド31aが図2において右側に前進する許容範囲の右端を定義し、境界座標BC2は第2主軸ヘッド31bが図2において左側に前進する許容範囲の左端を定義する。
CPU71は、インターフェイス75を介して、所定の微小時間間隔でNCプログラムの各データブロックに指定される目標位置までの多数の補間点をX,Y,Z軸制御用の駆動ユニット76a〜78a及びU,V,W軸制御用の駆動ユニット76b〜78bへ出力し、逆に各制御軸のサーボモータ18a,28a,38a,18b,28b及び38bに付属のエンコーダeから位置帰還信号をインターフェイス75を経由して入力する。
【0033】
図4はCPU71の処理動作の概略を説明するための機能説明図で、同図において破線矢印は各種処理への移行順序を示し、実線矢印はデータの流れを示す。今、第1及び第2主軸ヘッド31a,31bが同時にそれぞれのNCプログラムに従ってテーブル37上の工作物Wの主軸ヘッド側に向いた面上の複数の加工個所を協働して順次加工する場合を想定する。
【0034】
この場合、シーケンサ80には作業者により両主軸ヘッド31a,31bを起動する指令が個々又は単一の押しボタンスイッチを操作することにより与えられ、シーケンサ80はCPU71にNC実行指令を与えて主軸ヘッド31a用のNCプログラム(以下、第1NCプログラム)及び主軸ヘッド31b用のNCプログラム(以下、第2NCプログラム)を順次実行させる。
【0035】
なお、シーケンサ80は、両主軸ヘッドを同時に起動する指令の入力を認識する場合、内蔵のインターロックプログラムの実行により、通常は図2において左側に配置された第1主軸ヘッド31aを先に起動させるようにCPU71に指令する。
CPU71は、先ずプログラム実行処理101を行い、この処理においてメモリ72から第1NCプログラムの最初のデータブロックを読出し、デコードし、デコードした情報を移動情報101aとしてメモリ72内ワーキングエリア72eに記憶する。この処理においては、CPU71は、第1主軸ヘッドの前述した移動許容範囲の境界座標BC1を設定できるようにするため、第1NCプログラム中の最初の1サイクル加工動作分の複数のデータブロックをサーチし、これらブロック中で指定されるX軸の最大目標位置を抽出し、同じくワーキングエリア72eに登録する。
【0036】
ここで、「1サイクル加工動作」とは、各主軸ヘッドが送り原点を離れた後、1又はそれ以上の加工位置で加工動作を遂行した後に、再び送り原点に復帰するまでの動作ステップである。また、「最大目標位置」とは、各加工位置への割出しステップを規定する複数のデータブロックの何れかが各主軸ヘッドを最も相手側の主軸ヘッド寄りに位置決めする座標位置である。
【0037】
その後、CPU71は、移動/チェック処理102を実行する。この処理は、補間点演算処理と干渉チェック処理を含む。先ず、ワーキングエリア72e内の前記移動情報101aが両主軸ヘッド31a,31b間で干渉を生じ得るX軸の移動指令を含む場合、メモリ72内の干渉軸テーブル72iを参照して干渉チェック処理が必要と判断される。この処理により、干渉を生じると判断されるときは駆動ユニット76a〜78aへの補間点の出力は行われない。干渉チェック処理が不要或いはこの処理の結果として干渉が生じないと判断されるときは、ワーキングエリア72eに記憶される移動情報101aに基づき1ms(ミリ秒)後に各制御軸が到達すべき補間点を各制御軸について演算し、各制御軸の駆動ユニット76a〜78aへ出力する。
【0038】
第1主軸ヘッド31aについて、移動/チェック処理102を実行した後、第2NCプログラムについてプログラム実行処理103を前述した処理101と同様に実行し、移動情報103aとしてワーキングエリア72eに記憶し、移動/チェック処理104を実行する。この処理104は、前述した処理102と同様な手順でなされ、第2主軸ヘッド31bが第1主軸ヘッド31aと干渉しないことが確認されると、第2主軸ヘッド31bの制御軸U,V,Wを制御する駆動ユニット76b〜78bに補間点が前記微小時間毎に出力される。
【0039】
続いて、移動/チェック処理102,104の各々が1ms毎に1回実行されるように交互に繰り返し実行され、駆動ユニット76a〜78a及び76b〜78bに対し補間点が1ms毎に出力される。この結果、X,Y,Z軸のサーボモータ18a,28a,38aが駆動され、またこれと同時にU,V,W軸のサーボモータ18b,28b,38bが駆動され、第1主軸ヘッド31aと第2主軸ヘッド32aは、互いに他のものと干渉しない限りX軸上で相手側に接近するように移動され、共通の単一工作物Wを同時加工することができる。
【0040】
移動/チェック処理102又は104において、1ブロックのNCデータが指定する目標位置に各制御軸X,Y,Z又はU,V,Wが到達したことがそれら制御軸用のエンコーダ出力から確認する時、つまり1ブロック分の位置決め制御の完了を確認する時、この完了を確認した移動/チェック処理102,104と対応するプログラム実行処理101又は103を実行し、次の1ブロックのNCデータの読出し、デコード処理等を前述したように行なう。
【0041】
このようにして、CPU71は、第1主軸ヘッド31a及び第2主軸ヘッド31bの数値制御処理を時分割で実行する。なお、図4は、入力装置73により、対をなす干渉軸X,Uが干渉軸テーブル72iへ設定登録され、またNCプログラムがNCプログラムエリア72bに登録されることを示している。
図5〜図9は、CPU71に前述した移動/チェック処理102及び104を交互に実行させるためのシステムフローチャートを示す。以下、このフローチャートを参照して第1主軸ヘッド31aのための移動/チェック処理102を中心にしてこのフローチャートに基づく処理過程を詳細に説明する。
【0042】
先ず、ステップS1において、ワーキングエリア72eに記憶されている1ブロックのNCデータに基づく制御が完了したか否か判定され、このNCデータの目標位置に指定された全ての制御軸X,Y,Zが到達したとき、この処理が終了し、前述した処理101〜104への移行を制御する図略のメインルーチンに移行する。
【0043】
このメインルーチンは、第2主軸ヘッド31bについて既にNC制御処理が開始されているときは、図4の移動/チェック処理104を行なうために、CPU71に図5の処理をステップS1から再開させるようにする。第2主軸ヘッド31bについて未だNC制御処理が開始されていないが、シーケンサ80から第2主軸ヘッド31bについてのNC制御処理を起動する指令が与えられている場合では、図4のプログラム実行処理103をCPU71が実行するように仕向ける。また、シーケンサ80から第2主軸ヘッド31bについてのNC制御処理を起動する指令が与えられていない場合では、メインルーチンは第1主軸ヘッド31aについて図4のプログラム実行処理101をCPU71が実行するように仕向ける。
【0044】
ここで、説明の便宜上、図4の移動/チェック処理102を図5のフローチャートに従ってCPU71が実行を開始した直後であると仮定しよう。この場合、次にステップS2が実行される。
各NCプログラム、この場合第1NCプログラムの第1ブロックは、X軸移動範囲設定のためのGコード命令を含む。このため、ステップS2において移動範囲設定Gコードが識別されると、ステップS3において図6のサブルーチンに基づき移動範囲設定処理が実行される。この処理では、ワーキングエリア72eから前述した1サイクル動作の最大目標位置である境界座標BC1が読込まれて指令許容範囲として設定される(ステップS31)。
【0045】
この場合、第1主軸ヘッド31aが第2主軸ヘッド31bよりも先に起動されてNC制御されているので、第2主軸ヘッド31bの境界座標BC2と比較されて干渉の有無がチェックされるが(ステップS32)、干渉なしと判定され、前記指令許容範囲、つまり最大目標位置BC1がそのまま移動許容範囲として設定される(ステップS33)。つまり、第1主軸ヘッド31aは、この1サイクル動作においては優先制御対象とされ、その移動許容範囲は優先移動許容範囲として第2主軸ヘッド31bの移動許容範囲である従属移動許容範囲に影響されずに設定される。
【0046】
逆に、第2主軸ヘッド31bが既にNC制御されている状態で第1主軸ヘッド31aが図10のt2時点のように送り原点Pa0から加工位置Pa4に向かう次ぎの1サイクル動作を実行する場合では、第1主軸ヘッド31aは従属制御対象とされ、そのときの移動許容範囲は従属許容範囲として設定される。この場合、もし優先制御対象である第2主軸ヘッド31bの移動許容範囲BC2と干渉すると判定されるとき(ステップS32)、相手の境界座標BC2に干渉クリアランスICを加算した値、つまり相手の移動許容範囲より自分側に干渉クリアランスIC分引っ込んだ座標値が移動許容範囲として設定される(ステップS34)。
【0047】
なお、本実施の形態では、NCプログラムの第1ブロックにX軸移動範囲設定のための前記Gコードのみを指定し、境界座標BC1を1サイクル動作を指令するNCデータブロックからサーチしてワーキングエリア72eに登録したものを使用するようにしているが、第1ブロックに前記Gコードに付随して境界座標BC1を直接指定するようにしてもよい。
【0048】
変形例として、NCプログラムにはX軸移動範囲設定のための何らの情報も指定せずに、CNC装置71が第1ブロックの指令を実行する前に自動的にX軸の移動範囲を設定する処理をシステムプログラム中に組み込んでもよい。
また、ステップS33及びステップ34で設定する移動許容範囲は、各主軸ヘッド31a,31bの工具主軸35a,35bの座標位置を指定してもよいが、本実施の形態では図10に示すように、2重丸で示す工具主軸35a,35bの座標位置よりも幾分相手の主軸ヘッド側にオフセットしてある。このオフセット量は、各主軸ヘッドの相手側へ最も突出る部分の工具主軸からの距離が設定され、ステップ33及び34の処理ではこのオフセット量が移動許容範囲の算出に加味される。
【0049】
移動範囲設定処理S3が完了すると、後述するステップ14を経由して前記メインルーチンに復帰され、第1NCプログラムの第2ブロックのデータについて図4のプログラム実行処理が行なわれるので、再びステップS1及びS2を経由して次にステップS4に至り、干渉チェックの要否が判断される。本実施の態様においては、第1及び第2主軸ヘッド31a,31bの干渉は、両ヘッドがX軸上で互いに接近する場合生じるので、NCプログラムの第2ブロックに指定された軸指定データがX軸の指定を含む場合、干渉チェック要として判定される。
【0050】
干渉チェック要と判断された場合、ステップS5で範囲外確認チェックが図7のサブルーチンに従って実行される。このルーチンにより、実行中の1ブロックのNCデータで指定されるX軸の目標位置及びこの目標位置への移動経路(補間点)がステップS33又はS34にて設定された移動許容範囲内であるか否か比較される(ステップS51及びS52)。もし目標位置または移動経路が移動許容範囲を外れるときは、ステップS53で異常処理が実行され、図略の異常警報手段により異常アラームが通知され、工作機械が停止される。
【0051】
目標位置及び移動経路が共に移動許容範囲内であることが確認されるときは、ステップS6が実行され、補間処理の開始を記憶する図略のフラッグがセットされる。ステップS7では、相手の移動許容範囲のチェックが図8のサブルーチンに従って実行される。
先ず、自己の移動許容範囲が相手の移動許容範囲に干渉クリアランスICを加算したものとしてステップS34で設定済であるか否か判定され(ステップS71)、もし設定済でない場合は自己の指令許容範囲と相手の移動許容範囲に干渉クリアランスICを加算した範囲とがラップするか否か判定され(ステップS72)、第1主軸ヘッド31aが優先制御対象であってラップしないと判定されるときは前述した指令許容範囲が自己の移動許容範囲として設定される(ステップS73)。
【0052】
逆に、第1主軸ヘッド31aを従属制御対象とする1サイクル動作の場合にラップすると判定されるときは、相手の移動許容範囲に干渉クリアランスICを加算した範囲を自己の移動許容範囲として設定する(ステップS74)。
次に、干渉を回避するために必要な減速停止距離が速度指令等を計算に入れて算出され(ステップS75)、この減速停止距離を現在のX軸位置に加算して一時停止位置を求め(ステップS76)、この一時停止位置がステップS73又はS74で設定された自己の移動許容範囲を超えるか否かが判定され(ステップS77)、超えないときは図略の干渉判定記憶用のフラッグがリセットされ(ステップS78)、逆に超えると判定されるときは同フラッグがセットされる(ステップS79)。
【0053】
好適には、前記減速停止距離は、通常の送り制御の終端部で実行されるスローダウン制御よりも略2倍程度となるように長くされる。
この干渉判定記憶用フラッグを参照して、ステップS8では干渉有無のチェックが行なわれ、干渉なしの場合、ステップS9において1ms後のX軸の補間点が速度指令を勘案して演算され、X軸駆動ユニット76aに出力される。この場合、同一の1ブロック中に他の1又は2軸であるY軸とZ軸の軸指定およびこれに付随する目標位置が指定されている場合では、Y軸又はZ軸の1ms後の補間点も演算されてY軸又はZ軸駆動ユニット77a,78aへ出力される。
【0054】
これにより、X軸サーボモータ18aが単独で、或いはY軸又はZ軸サーボモータ28a,38bと同時に駆動され、第1の主軸ヘッド31aが1ms後の補間点へX軸方向に、或いはY軸又はZ軸方向に移動される。
続くステップS10及びS11は、優先移動許容範囲を自己の送り原点側に狭め、従属移動許容範囲を後述するステップS184において相手の送り原点側へ拡大できるようにするために実行される。具体的には、第1主軸ヘッド31aが優先制御対象となる1サイクル動作中において図10の第2加工位置Pa2から第3加工位置Pa3へX軸に沿って後退する動作を指令するNCデータブロックには所定番号を付随するGコードの情報として移動許容範囲変更指令が指定されており、この変更指令がステップS10で認識されるとき、ステップS11において移動許容範囲を狭める処理が実行される。この処理は、ステップS73又はS74でメモリ72の境界座標記憶エリア72cに設定した移動許容範囲を読出し、この移動許容範囲からステップS9で算出した補間点までの移動距離を減算し、この減算結果である商を再び境界座標記憶エリア72cに更新記憶させることにより行われる。
【0055】
ステップS9で求められた補間点に第1主軸ヘッド31aが到達すると、駆動ユニット76a〜78aからの補間完了信号が全てオン状態となる。これにより、CPU71の処理は、ステップS12からステップS13へ移行し、このステップでは従属制御対象とされる第2主軸ヘッド31bについて図5のフローチャートに従って移動/チェック処理を実行し、再びステップS7へ復帰する。その後、ステップS7〜S12までの処理が繰り返し実行され、次の1ms後の補間点に第1主軸ヘッド31aが位置決めされる。
【0056】
このようにしてステップS7〜S12までの一連の移動制御処理を何度も繰り返すことにより、第1主軸ヘッド31aは1ブロックのNCデータに指定された目標位置に到達する。目標位置に到達する時、ステップS12において移動完了が確認され、CPU71はステップ14にて各フラッグをリセットした後、メインルーチンへ復帰する。これにより、次に図4に示すプログラム実行処理101に移行し、NCプログラムの次の1ブロックのデータを読出及び解析して、この解析データを移動情報101aとしてワーキンブエリア72eに記憶させ、この後再び図5の移動/チェック処理に移行する。
【0057】
上述した1ms毎の補間処理の過程でステップS13が実行され、この時第2主軸ヘッド13b用の補間処理実行フラッグがセット状態にあると第2主軸ヘッドヘッド31bのための補間処理が実行される。同様に、1ブロックの目標位置が到達され、第1主軸ヘッド31aを制御しているCPU71の処理がステップS12から最初のステップS1に移行する途中において第2主軸ヘッド13b用の補間処理実行フラッグがセット状態にあると第2主軸ヘッドヘッド31bのための補間処理が実行される。
【0058】
図10のt1時点のように、従属制御対象とされる第2主軸ヘッド31bが優先制御対象である第1主軸ヘッド31aに接近しすぎると、第2主軸ヘッド31bのためにCPU71が図5のフローチャートに従って実行している補間処理のステップS8おいて干渉有りと判定され、このときCPU71の処理はステップS15へ進む。
【0059】
このステップS15では、干渉回避のための一時停止が完了しているか否か判定され、完了していないときはステップS16で1ms後の減速補間点が演算され、この補間点がU軸用の駆動ユニット76bに出力される(ステップS16)。U軸と他の1もしくは2軸が同時制御されるNCデータブロックの制御下にある場合では、これら他の制御軸の1ms後の減速補間点も演算され、この補間点がこれら制御軸用の駆動ユニット77b,78bへも出力される。
【0060】
ステップS16の後、ステップS17を経由してステップS7に戻り、これによりステップS16が繰り返し実行され、最終的に従属制御対象である第2主軸ヘッド31bが例えば図10の第1一時停止位置Pim1で一時停止される。
一時停止が完了されるとき、ステップS15で一時停止の完了が確認され図略一時停止完了フラッグがセットされる。この場合、ステップS15に続きステップS18〜ステップS20が順次実行される。ステップS18では、図9に示す停止解除チェックのためのサブルーチンが実行される。
【0061】
このサブルーチンのステップS181〜S184は、図8のサブルーチンにおけるステップS71〜S74にそれぞれ対応し、これにより従属制御対象である第2主軸ヘッド31bの移動許容範囲が優先制御対象である第1主軸ヘッド31aの移動許容範囲に干渉クリアランスICを加算した範囲の境界座標に設定される(ステップS184)。
【0062】
次に、1ms後の再移動補間点がU軸及び同時制御の場合は他の軸についても演算され(ステップS185)、演算されたU軸の補間点が第2主軸ヘッド31bの移動許容範囲内となるか否か判定される(ステップS186)。この場合、範囲内であれば再移動フラッグをセットし(ステップS187)、逆に範囲外となれば同フラッグをリセット状態とし(ステップS188)、ステップS19に処理を進める。
【0063】
この停止解除チェックサブルーチンでは、一時停止状態からスローアップ制御を行なう関係でステップS186でのチェックが一時停止に必要な距離を考慮せずに行われ、この点が図8の相手範囲チェック用のサブルーチンと異なる。
再移動フラッグの設定状態に応じて、ステップS19では移動再開可能であるか否か判定され、移動再開不可であるときはステップS185で演算した再移動補間点を駆動ユニット76b或いはこのユニット及び他のユニット77b,77bへ出力せずにステップS17に進み、移動再開可能であるときはステップS20で前記再移動補間点を駆動ユニットへ出力する。
【0064】
これにより、1ms毎にステップS185で演算される再移動補間点が移動許容範囲外となる限り従属制御対象とされる第2主軸ヘッド31bは一時停止位置に保持されるが、再移動補間点が移動許容範囲内となれば1ms毎に第2主軸ヘッド31bが再移動送りされる。
ステップS16,S19及びS20に続いて実行されるステップS17では、優先制御対象である第1主軸ヘッド31aが補間動作を実行中であるときCPU71がこの第1主軸ヘッド31aについて図5の制御動作を実行する。このため、従属制御対象とされる第2主軸ヘッド31bは、優先制御対象である第1主軸ヘッド31aの移動許容範囲がステップS11で縮小されるまで、一時停止される。そして、第1主軸ヘッド31aの移動許容範囲の縮小に伴って第2主軸ヘッド31bは、その移動許容範囲がステップS184で拡大されると、この拡大につれて移動を再開する。
【0065】
つまり、各主軸ヘッド31a,31bの各々は、従属制御対象とされる場合、優先制御対象とされる一方の主軸ヘッドについてのステップS11での移動許容範囲の縮小に連れて、自己の移動許容範囲をステップS184にて拡大するようになっている。
なお、ステップS4に続くステップ21は、干渉しないY軸又はZ軸を指定する1ブロックのNCデータについて実行されるステップで、このステップは詳細図示省略されているが、図5中のステップS6、S9、S12及びS13に対応する処理を含む。
【0066】
これにより、Y軸又はZ軸が指定される1ブロックのNCデータを実行する場合、ステップS4からステップS21に移行され、前述した補間処理開始フラッグをセットして補間処理の実行中を記憶し、その後そのデータブロックで指定された1ms後の補間点を演算して指定軸の駆動ユニットへ出力し、この補間点演算及び出力処理をそのデータブロックで指定された各制御軸の目標位置が到達されるまで1ms毎に繰り返し実行する。
【0067】
上記した移動/チェック処理動作は第1主軸ヘッド31aを優先制御対象として制御する1サイクル動作を想定して記述したが、第2主軸ヘッド31bを優先制御対象として制御する1サイクル動作も実質的に同一である。この場合、第2主軸ヘッド31b用のNCプログラムには、第1主軸ヘッド31aの制御軸X,Y,Zにそれぞれ対応する制御軸としてU,V,Wの制御軸が指定される。第2主軸ヘッド31bを優先制御対象として制御する1サイクル動作では、ステップS8に続いてステップS9〜S12が実行され、この場合の従属制御対象である第1主軸ヘッド31aが第2主軸ヘッド31bと干渉する場合、この第1主軸ヘッド31aについてステップS15〜S20が実行される。
【0068】
第2主軸ヘッド31b用のNCプログラムを作成する場合、制御軸をU,V,Wとして指定してもよいが、プログラム作成者の便宜のためにX,Y,ZとしてしNCプログラムを作成させ、第2主軸ヘッド31bについて図4のプログラム実行処理103を行なう際にこれら制御軸X、Y、ZをU,V,Wに自動読み替えるようにしてもよい。
【0069】
左右方向を第1及び第2主軸ヘッド31a,31bのX軸に沿う送り位置とし、上下方向を時間経過として両主軸ヘッドのX軸移動を表現した説明図10を参照して、第1主軸ヘッド31aが優先制御対象として先に起動され、この直後に第2主軸ヘッド31bが従属制御対象として起動される場合における両主軸ヘッドの送り制御を以下に補足説明する。なお、同図においては、第1主軸ヘッド31aのY及びZ軸に沿う運動及び第2主軸ヘッド31bのV及びW軸に沿う運動は省略されている。
【0070】
第1主軸ヘッド31aが最初に駆動される場合、NCプログラムの第1ブロックに指定される移動範囲設定Gコードに従って、移動許容範囲の境界座標BC1が送り原点x0から第2主軸ヘッド31b側のx1に移される(ステップS33)。
この境界座標の設定後、X軸送り用の複数のNCデータブロックの実行により、第1主軸ヘッド31aがPa1,Pa2,Pa3の各加工位置に順次位置決めされ、これらの位置でY方向に移動された後Z方向に送られて、工作物Wに例えば穴明け加工が施され、再び、送り開始位置Pa0へ復帰される。第1主軸ヘッド31aが最も第2主軸ヘッド31b側に接近した加工位置Pa2から送り原点Pa0に復帰されるに連れて、優先移動許容範囲の境界座標BC1が順次縮小後退されるように変更される(ステップS11)。
【0071】
従属制御対象である第2主軸ヘッド31b用のNCプログラムは、その後データブロックに従って同主軸ヘッド31bを第1加工位置Pb1、第2加工位置Pb2に順次位置決めしてこれらの位置で工作物Wに加工を施し、送り開始位置Pb0に復帰するように作成される。
第2主軸ヘッド31bについては、そのNCプログラムの第1ブロックに指定される移動範囲設定Gコードに従って、その境界座標BC2が送り原点のu0から第1主軸ヘッド31a側のu1に移される(ステップS34)。この場合、最初に設定される境界座標BC2は、境界座標BC1が既に自身の指令許容範囲内に張り出して設定されてしまっているので、境界座標BC1の位置x1よりも後退したu1位置とされる。従って、第2工具主軸31bは第1加工位置Pb1まで直ちに移動できず、Pim1位置で一時停止される(ステップS15)。
【0072】
第1主軸ヘッド31aが第2加工位置Pa2を離れ第3加工位置Pa3へ移動するに連れてその境界座標BC1が順次縮小後退される(ステップS11)ので、これと同期して境界座標BC2が順次拡大前進される(ステップS184)。これと共に、第2主軸ヘッド31bは第1加工位置Pb1に向けて移動を再開し(ステップS19,S20)、拡大される境界座標BC2に沿って移動される。
【0073】
第1主軸ヘッド31aが第3加工位置Pa3に位置決めされる時、その境界座標B1もX2位置に設定され、境界座標BC2がu2位置で拡大前進を一時停止され、第2主軸ヘッド31bはPim2位置で再度一時停止される。そして、第1主軸ヘッド31aが送り原点Pa0へ復帰して1サイクル動作を完了するとき、境界座標BC2が第2主軸ヘッド31bの指令許容範囲の境界座標位置であるu3位置まで拡大され、第2主軸ヘッド31bは第1加工位置Pb1へ位置決めされて加工動作を遂行できるようになる。
【0074】
第1主軸ヘッド31aが送り開始位置Pa0へ復帰された後、工具交換動作が実行され、2番目の1サイクル動作が開始される。2番目の1サイクル動作のための第1ブロックのGコードに基づき、境界座標BC1の再設定が行われる。この場合、第1主軸ヘッド31aが従属制御対象とされ、第2主軸ヘッド31aが優先制御対象とされる。2番目の1サイクル動作における第1加工位置は第1主軸ヘッド31aが最も第2主軸ヘッド31b側に接近する位置Pa4として想定されているが、前述したように第2主軸ヘッド31bの移動許容範囲の境界座標BC2がu3位置まで拡大されているので、x3位置に第1主軸ヘッド31aの境界座標BC1が設定される(ステップS34)。この境界座標BC1は、第2主軸ヘッド31bの境界座標BC2が縮小後退されるに連れて徐々に拡大前進され、最終的には加工位置Pa4への第1主軸ヘッド31aの位置決めを許容するx4位置まで拡大される。
【0075】
上記動作説明から明らかなように、先に送り原点から相手側に向かって前進する一方の主軸ヘッド(優先ヘッド)は、後から送り開始位置を離れる他方の主軸ヘッド(従属ヘッド)よりも優先的に自己の移動許容範囲の境界座標BC1を最大の指令許容範囲位置x1まで張り出すことができ、これにより優先ヘッドが従属ヘッドに優先して加工動作を進めることができる。これに対し、従属ヘッドは優先ヘッドとの干渉が生じると判定されうときはそのような干渉が回避されるまで待機され、その後干渉が生じない範囲まで優先ヘッド側に前進される。
【0076】
そして、優先ヘッドがその境界座標を最大値まで拡大した後に初期値(ゼロ)まで縮小するまで優先ヘッドとしての加工の優先権が与えられる。しかしながら、優先ヘッドが送り開始位置へ一旦復帰され、従属ヘッドが送り開始位置を離れている状態で優先ヘッドが再び送り開始位置を離れるときは、主従関係が逆転され、先の従属ヘッド及び優先ヘッドがそれぞれ優先及び従属ヘッドとされる。
【0077】
図11は、本発明による第2の実施の形態におけるCNC装置70の概略構成を示すブロック図で、この形態は前述したCPUが第1主軸ヘッド31a用の制御軸X,Y,Zを制御する第1CPU71aと第2主軸ヘッド31b用の制御軸U,V,Wを制御する第2CPU71bからなることを特徴とする。
入力装置73及びそれぞれがCPU71aとCPU71bに対応するメモリ172a,172bは、データバスDBによりCPU71a,71bに接続される。各メモリメモリ172a,172bには、図5〜図9に示すシステムプログラムが記憶され他、対応する主軸ヘッド用のNCプログラムが記憶され、さらに両主軸ヘッドの移動許容範囲の境界座標BC1,BC2が記憶されるようにして各CPU71a,71bが図6のステップS32、図8のステップS71及びS72、図9のステップS181及びS182において相手の主軸ヘッドの設定移動範囲を参照できるようにしている。
【0078】
各CPU71a,71bのその他動作は前述した第1の実施の形態における第1主軸ヘッド31bを制御する場合のCPU71の動作と実質的に同一であるので、詳細な記述は省略する。この形態では、各CPU71a,71bが自己のシステムプログラムに従って個別に動作できるので、図5中の相手処理ステップ(例えば、S13、S17等)は不要であり、実行されない。
【0079】
上述した実施の態様には、下記の変更が可能であり、このような変更の下でも本発明は実施可能である。
主軸ヘッド31a,31bが移動する共通の制御軸は、上述した共用のガイドレール12,12に代えて、個別のガイドレールとしてもよい。
干渉が生じる主軸ヘッド31a,31bの移動方向は、工具Tを工作物に向けて前後動する方向でもよい。
【0080】
主軸ヘッド31a,31bにそれぞれ境界座標BC1,BC2を設定しているが、単一の境界座標とし、この単一の境界座標の両側を主軸ヘッド31a,31bのそれぞれの移動許容範囲として設定してもよい。
図5の干渉チェック及び移動範囲の変更は、1つの補間点を出力する毎に行なってもよいが、所定の数の補間点を出力する毎に行なうように粗い処理としてもよい。
【0081】
数値制御装置70の制御対象を工作機械の主軸ヘッドとしたが、上述した実施の形態におけるX軸とU軸のように干渉を生じ得る共通の制御軸上を移動するその他の可動体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の態様における数値制御装置が制御対象とする2つの主軸ヘッドを備えた工作機械の一部を破断した平面図。
【図2】図1のA−A線矢視方向から観た前記工作機械の正面図。
【図3】図1の工作機械を制御する前記数値制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】図3の数値制御装置が実行する制御処理の概要を説明するための制御機能ブロック図。
【図5】図4の制御機能ブロック図における移動/チェック機能を前記数値制御装置に実行させるためのシステム制御プログラムのフローチャート。
【図6】図5のフローチャートの移動範囲設定処理ステップにて実行されるサブルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図7】図5のフローチャートの範囲外確認ステップにて実行されるサブルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図8】図5のフローチャートの相手範囲チェックステップにて実行されるサブルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図9】図5のフローチャートの停止解除チェックステップにて実行されるサブルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図10】本発明により数値制御装置が2つの主軸ヘッドを制御する場合の移動制御機能を説明する制御位置−時間チャート。
【図11】本発明による別の実施の形態における数値制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図12】従来の数値制御装置が2つの主軸ヘッドを制御する場合の移動制御機能を説明する制御位置−時間チャート。
【図13】別の従来の数値制御装置が2つの主軸ヘッドを制御する場合の移動制御機能を説明する制御位置−時間チャート。
【符号の説明】
31a,31b・・・第1及び第2主軸ヘッド
12,12・・・ガイドレール
70・・・数値制御装置
71・・・CPU
72・・・メモリ
76a〜78a・・・X,Y,Z軸駆動ユニット
76b〜78b・・・U,V,W軸駆動ユニット
BC1,BC2・・・境界座標
S3・・・移動範囲設定処理ステップ
S11・・・移動範囲変更ステップ
S16・・・減速補間点演算・出力ステップ
S18・・・停止解除チェックステップ

Claims (6)

  1. 共通の経路に沿って移動可能な2つの可動体を互いに接近離間する方向に個別のNCプログラムに従ってそれぞれ移動制御する数値制御装置において、一方の可動体が他方の可動体側に最も接近される目標位置に基づいて移動範囲境界を設定する範囲設定手段と、前記移動範囲境界により区画されるそれぞれの移動許容範囲内で前記一方及び他方の可動体をそれぞれが対応する前記数値制御プログラムに従って移動させる移動制御手段と、前記一方の可動体が前記移動範囲境界内で前記他方の可動体側に最も接近する前記目標位置に到達した後に前記他方の可動体側から遠ざかる離間方向に移動するときは前記一方及び他方の可動体の前記移動許容範囲をそれぞれ縮小及び拡大するように前記移動範囲境界を前記一方の可動体の前記離間方向移動と共に変更する境界変更手段と、さらに、前記NCプログラムに従う前記他方の可動体の移動が前記移動範囲境界を超えようとするときにはその後に前記移動範囲境界が変更されて前記他方の可動体の移動許容範囲が拡大されるまで前記他方の可動体を一時停止する一時停止手段とを含むことを特徴とする数値制御装置。
  2. 共通の経路に沿って移動可能な2つの可動体を互いに接近離間する方向に個別のNCプログラムに従ってそれぞれ移動制御する数値制御装置において、一方の可動体については他方の可動体側に移動すべき移動範囲を優先移動許容範囲として設定すると共に前記他方の可動体については前記一方の可動体側に移動できる移動範囲を前記優先移動許容範囲に接近するがこの移動許容範囲を超えない従属移動許容範囲として設定する範囲設定手段と、前記優先及び従属移動許容範囲内で前記一方及び他方の可動体をそれぞれが対応する前記数値制御プログラムに従って移動させる移動制御手段と、前記一方の可動体が前記優先移動許容範囲内で最も前記他方の可動体側に接近する位置に到達した後に前記他方の可動体側から遠ざかる離間方向に移動するときは前記優先移動許容範囲を順次縮小すると共に前記従属移動許容範囲を順次拡大する範囲変更手段と、さらに、対応する前記NCプログラムに従う前記他方の可動体の移動が前記従属移動許容範囲を超えようとするときにはその後に前記従属移動許容範囲が拡大されるまで前記他方の可動体を一時停止する一時停止手段とからなることを特徴とする数値制御装置。
  3. 請求項2に記載の数値制御装置において、前記範囲設定手段は、前記一方の可動体のための前記数値制御プログラム中に指定される前記他方の可動体側に最も接近する前記一方の可動体の目標位置に基づいて前記優先移動許容範囲を設定し、この優先移動許容範囲に基づいて前記他方の可動体の前記従属移動許容範囲を設定することを特徴とする数値制御装置。
  4. 請求項3に記載の数値制御装置において、前記範囲変更手段は、前記優先移動許容範囲を縮小することに対応して、前記他方の可動体のための前記数値制御プログラム中に指定される前記一方の可動体側に最も接近する前記他方の可動体の目標位置に基づいて前記従属移動許容範囲内を拡張することを特徴とする数値制御装置。
  5. 請求項2から4の何れかに記載の数値制御装置において、前記移動制御手段は前記数値制御プログラムの各ブロックに指定される前記一方又は他方の可動体の目標位置までの補間点を所定の微小間隔で対応する駆動ユニットに出力する補間処理手段を有し、前記範囲変更手段は前記補間点が前記駆動ユニットに出力される際に前記優先及び従属移動許容範囲の変更処理が必要かどうか判定し必要な場合に前記優先及び従属移動許容範囲を変更することを特徴とする数値制御装置。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の数値制御装置において、前記一方及び他方の可動体は工具を回転自在に支持し工作物の正面で共通の第1制御軸に沿って互いに接近離間するように移動可能であると共に前記工作物に向かう第2制御軸に沿って前後移動可能な一対の主軸ヘッドであり、前記数値制御装置は前記一対の主軸ヘッドの各々を前記第1及び第2制御軸に沿って移動制御可能であることを特徴とする数値制御装置。
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