JP3757743B2 - 乗員検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートに着座する乗員の検出装置に関し、特に、シートベルトやエアバッグ等による乗員の保護性能を高めるために、シートの着座部における荷重の分布状態を検出して、乗員の体格や着座位置等を判定する着座状態の判定の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に衝突が発生したときに乗員を保護するための保護装置として、安価でありながら確実な効果を有するシートベルト装置が一般的に用いられている。また、近年では、車両が前方の障害物に衝突したときに、運転席や助手席の前方にエアバッグを展開させて、乗員の保護性能を高めるようにしたエアバッグ装置も普及してきている。
【0003】
ところで、前記エアバッグは、1度、展開してしまえば再び使用することはできず、新しいものと交換しなくてはならない。このため、仮に運転者が1人で車両を運転していて、本来、助手席側のエアバッグを展開させる必要のないときに、車両の衝突に応じて助手席側のエアバッグが展開すると、このことが修理費用の増大を招く虞れがある。
【0004】
また、助手席の乗員が小柄な女性や子供であって、しかもシートベルト装置を正しく装着していなかった場合には、この乗員の体型に応じてエアバッグを展開させることが好ましいので、乗員の体格や着座状態等をも検出したいという要請がある。
【0005】
これに対し、例えば特開平5−139233号公報に開示されるように、車両のシートクッションに多数の圧力センサを配設し、該圧力センサからの信号に基づいて乗員の有無等を判定するようにした乗員検出装置が知られている。このものでは、シートクッションの主着座部に圧電素子からなる圧力センサがマトリックス状に配置されており、これらの各圧力センサから出力される信号に基づいて、乗員の有無や大きさ、着座位置等を検出して、この検出結果に応じてエアバッグの展開を制御するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来例の如き乗員検出装置は、圧力センサをシートクッションの主着座部全体に略均一に分布するように配置するために、非常に多くのセンサを必要とし、このことにコストがかかり過ぎて、実用的でないという問題がある。
【0007】
しかも、前記の如く非常に多くのセンサを用いることから、特に乗員の着座位置を検出しようとする際にセンサ出力のばらつきの影響を受けやすく、結果として乗員の着座状態の誤検出を招く虞れがある。
【0008】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シートの主着座部における圧力検出手段の配置やその構成等に工夫を凝らして、乗員の着座状態を必要十分な精度で安定的に検出可能な乗員検出装置を、実用的なコストで提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、子供から大人までの人体の寸法形状や姿勢の変化を考慮し、できるだけ少ない個数の圧力検出手段により、乗員の体格や着座位置等の変化を必要十分な精度で検出できるように、該圧力検出手段の配置構成を最適化した。
【0010】
具体的に、請求項1の発明では、乗員保護装置を搭載した車両に装備され、シートの主着座部に配設された複数の圧力検出手段と、該圧力検出手段からの出力信号に基づいて乗員の着座状態を判定し、この判定結果を前記乗員保護装置の制御手段に出力する着座状態判定手段とを備えた乗員検出装置を対象とする。そして、前記複数の圧力検出手段をシートの主着座部において車体前後方向に少なくとも2列に分けてそれぞれ車幅方向に並ぶように配置し、該圧力検出手段のうちの最前列に配置された前側圧力検出手段は、それ以外の後側圧力検出手段に比べてそれぞれ狭い検出面積を有するものとし、かつ該後側圧力検出手段よりも車幅方向について多く並ぶように配置するとともに、少なくとも前記後側圧力検出手段を、荷重の大きさに対応する信号を出力するものとする。
【0011】
すなわち、一般に、車両の乗員の着座位置や姿勢が変化したとき、そのことによる荷重分布状態の変化は、シートの主着座部の前側において大きく現れるものなので、そこにはそれぞれ相対的に狭い検出面積の前側圧力検出手段を相対的に多く並べて配置することで、前記荷重分布状態の変化をきめ細かく検出することができる。一方、シートの主着座部の後側は乗員の臀部を支えることが多く、ここでの荷重分布状態の変化は相対的に小さいものとなり、好ましくは乗員の体重の左右いずれか一方への偏りを検出できれば、十分である。そこで、主着座部の後側には相対的に広い検出面積を有する1つもしくは2つ以上の後側圧力検出手段を相対的に少なく車幅方向に並べて配置することで、圧力検出手段の個数を少なくすることができる。しかも、前記後側圧力検出手段は荷重の大きさに対応する信号を出力するものなので、この後側圧力検出手段により乗員の体重を検出して、その体格の判定が行える。つまり、シートの主着座部における圧力検出手段の配置構成を最適化して、乗員の着座状態を必要十分な精度で検出しながら、圧力検出手段の個数を最小限度に抑えることができ、このことによって、装置コストの低減が図られる。
【0012】
請求項2の発明では、後側圧力検出手段を、内部に流体が封入され、シートの主着座部に加わる荷重を受ける受圧部と、該受圧部内の流体の圧力状態を検出するセンサ部とを有するものとし、前側圧力検出手段を、シートの主着座部における車体前側の所定範囲に配置する一方、前記後側圧力検出手段は、その受圧部が前記所定範囲を除く主着座部の略全範囲に亘るように配置するものとする。
【0013】
ここで、前記シートの主着座部における車体前側の所定範囲とは、乗員の体格や着座位置の変化に伴う荷重分布の変化の特に大きい範囲であり、例えば、小さな子供がシートの前端に着座したときに、その臀部を支持可能な範囲としたり、或いは、大人の乗員の太股部を支持するような範囲とすればよい。このようにすれば、前記所定範囲に配置した前側圧力検出手段により、乗員の体格や着座位置の変化を正確に検出することができる。一方、後側圧力検出手段は流体式の受圧部を備えるものとすることで、広い面積に亘って荷重を確実に検出することができ、さらに、該受圧部を前記所定範囲を除く主着座部の略全範囲に亘るように配置することで、乗員の体重を確実に検出することができる
【0014】
請求項の発明では、乗員保護装置を、車両に衝突が発生したときに乗員の前方ないし側方にエアバッグを展開させるエアバッグ装置とする。このことで、乗員の体格や着座位置の変化に対応するように、エアバッグの展開状態を変更することができるので、請求項1、2の各発明のように乗員の着座状態を判定できることが、特に有効な作用効果を奏する。
【0015】
請求項の発明では、請求項1又はのいずれかの発明における着座状態判定手段を、後側圧力検出手段からの出力値の総和が設定値以上のときには、該後側圧力検出手段からの出力値のみに基づいて乗員の着座状態を判定するものとする。このことで、後側圧力検出手段からの出力値の総和が設定値以上のときには、大人がシートに正しい姿勢で着座していると考えられ、この場合には乗員保護装置を基本的な作動状態とさせれば十分なので、着座状態判定手段は前側圧力検出手段からの出力信号は無視するものとする。こうすることで、該前側圧力検出手段の出力に基づいて、万が一にも乗員の着座状態の誤検出の発生することを確実に防止できる。
【0016】
請求項の発明では、請求項1、又はのいずれか1つの発明において、荷重を検出した前側圧力検出手段の個数が設定個数よりも少ないとき、そうでないときに比べて乗員保護装置の作動強度が小さくなるように、制御手段による該乗員保護装置の制御を補正する補正手段を設けた。このことで、荷重を検出した前側圧力検出手段の個数が設定個数よりも少ないときには、乗員の体格が小さいと考えられるので、このときには乗員保護装置の作動強度を小さくなるように補正することで、乗員の体格や着座状態に応じて乗員保護装置を作動させることができる。
【0017】
請求項の発明では、請求項の発明における補正手段を、前側圧力検出手段からの出力値の総和が設定値よりも大きいときには乗員保護装置の作動強度を増大補正するものとする。このことで、前側圧力検出手段からの出力値の総和が設定値よりも大きいときには、乗員の体格はある程度、大きいと考えられるので、乗員保護装置の作動強度をあまり小さくはさせないことで、さらに乗員の体格や着座状態に応じて乗員保護装置を作動させることができる。
【0018】
請求項の発明では、請求項1又は2のいずれかの発明において、シートにチャイルドシートが装着されていることを判定するチャイルドシート判定手段を設け、着座状態判定手段は、前記チャイルドシート判定手段によりチャイルドシートの装着が判定されたときには、前側圧力検出手段からの出力信号に基づいて、前記チャイルドシートの装着異常状態を判定可能な構成とする。このことで、前側圧力検出手段からの出力信号に基づいてチャイルドシートの異常装着を判定できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0020】
(実施形態1)
図2は、本発明に係る乗員検出装置Aの装備された車両の一例を示す。この車両1は車室内に前後2列のシートを備えた3ボックス型の乗用車であって、前側の運転席2及び助手席2として、それぞれシートクッション3、シートバック4及びヘッドレスト5からなるセパレートタイプのシートが左右に並んで配設されるとともに、それらの後方には図示しないがベンチタイプの3人掛けシートが配設されている。また、図1及び図3にも示すように、助手席2のシートクッション3の内部には荷重状態検出器6が配設されていて、詳しくは後述するが、該荷重状態検出器6により検出した荷重の分布状態等に基づいて、乗員Pの体格や着座状態等が判定されるようになっている。
【0021】
前記運転席2及び助手席2には、車両1に衝突が発生したときに乗員を保護するための乗員保護装置として、それぞれ、3点式のシートベルト装置とエアバッグ装置とが設けられている。このシートベルト装置は、助手席側のものを前記図1に示すように、乗員Pの上体及び腰部を保持する帯状のウエビング8と、このウエビング8の基端側を巻き取るリトラクター兼用の電動式プリテンショナー9と、このプリテンショナー9から引き出されたウエビング8の方向を変えるアンカー10とを備えている。前記プリテンショナー9はセンターピラー11の下側の車体フロアに配設されてトリムにより覆われている一方、前記アンカー10は該センターピラー11の上側に取り付けられている。
【0022】
すなわち、プリテンショナー9から引き出されているウエビング8は、センターピラー11に沿って上方に延びた後にアンカー10により折り曲げられて下方に延びていて、先端部が連結金具により車体フロアに対し回動可能に連結されている。また、アンカー10よりも先端側のウエビング5の途中にはタングプレート12が摺動可能に取り付けられており、このタングプレート12は、シートクッション3の側部(前記図1では乗員Pの裏側)に配設されたバックル13に差し込まれて係合されるようになっている。このシートベルト装置のバックル13には、タングプレート12が正常に係合しているときにON信号を出力するシートベルトスイッチ14(シートベルトSW)が付設されている。
【0023】
そして、前記図1に示すように、乗員Pが正しい姿勢で着座しかつシートベルト装置を使用している状態では、前記タングプレート12よりも先端側のウエビング8により、乗員Pの腰部がシートクッション3に保持されるとともに、タングプレート12からアンカー10まで張架されるウエビング8により、乗員Pの上体がシートバック4に保持されるようになっている。また、前記シートベルト装置のウエビング8を用いて、図3に仮想線で示すようにチャイルドシート15を助手席2のシートクッション3とシートバック4に対して固定することもできるようになっている。
【0024】
また、前記プリテンショナー9は、バネ力によってウエビング9を巻き取る従来周知のリトラクターに電動モータを組み合わせて、ウエビング8の巻き取り力を変更できるようにした公知の構造のもの(例えば特開平9−132113号公報を参照)であり、詳しくは図示しないが、ウエビング8を巻き取るリールが慣性クラッチを介して電動モータにより回転駆動されるものである。そして、前記慣性クラッチが非係合状態の間、リールはバネ力によって弱い力でウエビング8を巻き取る一方、電動モータの回転に伴い慣性クラッチが係合状態になると、この電動モータの回転駆動力がリールに伝達されて、ウエビング8の巻き取り力が調節されるようになっている。尚、ウエビング8に加わるバネ力は極く弱いものなので、乗員Pに不快な拘束感を与えることなく、ウエビング8の弛みを吸収することができる。
【0025】
前記エアバッグ装置は、乗員Pに対する前方からの衝撃を緩和するためのフロントエアバッグと、同じく側方からの衝撃を緩和するためのサイドエアバッグとを備えている。具体的にフロントエアバッグとしては、ステアリングホイール16の内部と助手席2の前方のインストゥルメントパネル17の内部とに、それぞれ、エアバッグモジュール18,18が格納されるとともに、該インストゥルメントパネル17内の左右両端部に車両1の前後方向の加速度及び減速度を検出する加速度センサ19がそれぞれ配設されており、これら加速度センサ19,19からの出力信号を受け入れる電子制御ユニット(Electronic Contorol Unit:以下、エアバッグECUという)20から前記エアバッグモジュール18,18に対し制御信号が出力されるようになっている。
【0026】
前記フロントエアバッグモジュール18は、助手席側のものの構造を模式的に前記図1に示すと、片側(図1の右側)に開口部を有するケーシング内の奥側に点火部と爆薬とを内蔵した円筒管状のインフレータ21が、また、開口側には折り畳まれたエアバッグ22がそれぞれ収容されている。そして、エアバッグECU20からの制御信号に基づいてインフレータ21に通電されると、このインフレータ21の火薬が高速燃焼してエアバッグ22に多量のガスが供給され、該エアバッグ22が急速に膨張して展開するようになっている。
【0027】
一方、サイドエアバッグモジュール23は、運転席2及び助手席2の各シートバッグ4の内部に格納されている。すなわち、図3に破線で示すように、サイドエアバッグモジュール23は、シートバック4内の車体外方寄りの部位においてその長手方向が略上下方向に一致するように配置され、鋼製パイプからなる枠状のシートバックフレーム4aに対して取り付けられている。このサイドエアバッグモジュール23は、前記フロントエアバッグモジュール18と同様にケーシング内にインフレータ19及びエアバッグ22が収容されていて、該ケーシングの開口方向が車体前方の斜め外方に向くように配置されている。また、左右両側のセンターピラー11内には、車両1の左右方向の加速度及び減速度を検出する加速度センサ24がそれぞれ配設されており、これらの加速度センサ24,24からの出力信号がエアバッグECU20に入力されるようになっている。
【0028】
そうして、車両1に衝突が発生して、加速度センサ19,24からの所定の出力信号がエアバッグECU20に入力されると、その信号値に基づいて判定演算プログラムに従い前記フロント及びサイドエアバッグ22,22,…の展開の要否がそれぞれ判定され、展開が必要と判定されたエアバッグ22,22,…のインフレータ21,21,21,…に通電すべく、各エアバッグモジュール18,23に対してエアバッグECU20から制御信号が出力される。これにより、例えば助手席2のフロントエアバッグ22の場合には、インストゥルメントパネル17のリッド部17aを押し開いて、図1に仮想線で示すように、乗員Pの上体や頭部を前方から保持するように展開する。また、例えば該助手席2のサイドエアバッグ22の場合には、シートバック4の側部を破断させて、同図に仮想線で示すように、乗員Pの上体及び頭部を側方から保持するように展開する。
【0029】
さらに、前記エアバッグECU20は、前記のようなエアバッグ装置の作動制御に加えて、前記シートベルト装置のプリテンショナー9の作動を制御することで、ウエビング8の巻き取り力を調節する。具体的に、例えば、加速度センサ19,24からの出力信号に基づいて車両1に衝突が発生したことを検出したときには、前記のように各エアバッグモジュール18,23に制御信号を出力する前に、プリテンショナー9に制御信号を出力してウエビング8を巻き取らせることにより、エアバッグ22が展開する前に乗員Pを運転席2或いは助手席2に拘束するようにしている。
【0030】
このように、シートベルト装置やエアバッグ装置を搭載した車両1では、たとえ衝突が発生したとしても、乗員Pをシートベルト装置により運転席2や助手席2に拘束しかつエアバッグ装置により保持することで、極めて高い保護性能を得られるものである。しかし、その反面、例えば助手席2に乗員Pがいないにもかかわらずエアバッグ22が展開すると、このことによって修理費用が増大する虞れがあり、或いは、助手席2の乗員Pが子供等の場合にはその乗員の体型に応じてエアバッグ22を展開させることが好ましい。
【0031】
そこで、この実施形態では、前記助手席2のシートクッション3に加わる荷重の状態に基づいて、乗員Pの有無やその体格、着座位置等を必要十分な精度で検出し、この検出結果に応じて、前記エアバッグ装置やシートベルト装置の作動を制御するようにしている。具体的に、前記助手席2のシートクッション3は、前記図3及び図4に示すように、車幅方向中央部に前縁部から後縁部に亘って略平坦に形成された主着座部3aと、該主着座部3aの左右両側において上方に膨らんで車体前後方向に延びるサイドサポート部3b,3bとを有するものであり、その主着座部3aにおける荷重の分布状態を検出するように荷重状態検出器6が配設されている。
【0032】
前記荷重状態検出器6は、シートクッション3の主着座部3aにおいてそれぞれ車幅方向に並ぶように、前後2列に配置した複数の流体式受圧パッド26,26,…(受圧部)を有している。この受圧パッド26,26,…は、ゴム製の収納容器の内部に流体が封入されていて、シートクッション3を介して乗員Pの荷重を受けることにより弾性的に変形するものである。また、各受圧パッド26にはそれぞれの内部に連通するようにゴム製ホース27の一端部が取り付けられ、該各ホース27の他端部にはこのホース27を介して伝達される流体の圧力状態を電気信号に変換する圧力センサ28(センサ部)が取り付けられている。そして、前記受圧パッド26,26,…にそれぞれ対応する複数の圧力センサ28,28,…は、例えば助手席2の下方の車体フロアに配設された電子制御ユニット(以下、センサECUという)30の内部に収容されており、図5に示すように、該センサECU30において、各圧力センサ28からの信号はそれぞれオペアンプ31により増幅され、電気的フィルタ32により整形され、さらにA/Dコンバータ33によりデジタル信号に変換された後にCPU34に入力されるようになっている。
【0033】
また、前記受圧パッド26,26,…は、前記図4に示すように、受圧面積(検出面積)の相対的に小さな7つの小パッド26a,26a,…(SS1〜SS7とも示す)と、該小パッド26aの略4倍の受圧面積を有する2つの大パッド26b,26b(SL1,SL2とも示す)とからなり、前記小パッド26a,26a,…のうちの5つ(SS2〜SS6)が、シートクッション3の主着座部3aにおいて前縁部から約10cmくらいの範囲(車体前側の所定範囲)に車幅方向に直線的に並ぶように配置されるとともに、その左右両側にはサイドサポート部3b,3bに掛かるように、小パッド26a,26a(SS1,SS7)がさらに1つずつ配置されている。一方、前記大パッド26b、26bは、前記前側検出範囲を除いた主着座部3aの略全ての範囲に亘るように、車幅方向に並んで配置されている。
【0034】
前記小パッド26a,26a,…の圧力状態をそれぞれ検出する圧力センサ28(図5のPS1〜PS7)と、前記大パッド26b,26bの圧力状態をそれぞれ検出する圧力センサ28(図5のPS8,PS9)とは、図6(a)(b)にそれぞれ示すように、互いに異なる範囲の荷重を検出可能なように感度調節されている。すなわち、同図(a)に示すように、小パッド26aに接続された圧力センサ28は、約47kg以下の範囲において荷重の変化に対し出力値がリニアに変化するように調節されており、一方、同図(b)に示すように、大パッド26bに接続された圧力センサ28は、約200kg以下の範囲において荷重の変化に対し出力値がリニアに変化するように調節されている。
【0035】
そして、センサECU30のCPU34により所定の判定制御プログラムが実行されると、主に前記大パッド26b,26bに加わる荷重の状態に基づいて、乗員Pの有無や体格が判定されるとともに、主に前記小パッド26a,26aに加わる荷重の状態に基づいて、乗員Pが子供であるかどうかの判定や該乗員Pの着座位置の判定が行われる。そうして、この判定結果に基づいて、前記エアバッグECU20によりエアバッグ装置等の作動が制御されるようになっている。
【0036】
より詳しくは、例えば図7及び図8はいずれも乗員Pが年齢6歳未満の子供である場合を模式的に示しており、図7(a)に示すように子供がシートクッション3の前端に腰をかけているときには、同図(b)に示すように、大パッド26bに対応するセンサ出力が零になる一方、7つの小パッド26aのうちの中央の3つ(SS3〜SS5)に対応するセンサ出力はそれぞれ中程度の大きさのBランク(図6参照)になり、かつ残りの小パッド26a(SS1,SS2,SS6,SS7)に対応するセンサ出力は零になると考えられる。これは、小パッド26a,26a,…を配置する範囲を、ちょうど6歳未満の子供の臀部を支持できるよう、シートクッション3の前縁部から約10cmくらいの範囲としているからである。また、図8(a)に示すように子供がシートクッション3の中央ないし後側に座っているときには、同図(b)に示すようなセンサ出力状態になると考えられる。言い換えると、前記各センサ出力状態に基づいて、乗員Pが子供であることやその着座位置を判定することができる。
【0037】
同様に、図9(a)(b)は、シートクッション3の主着座部3aに軽い荷物が載っている状態を示し、この状態では、全ての小パッド26a(SS1〜SS7)に対応するセンサ出力が零になる。また、図10(a)(b)は、乗員Pが大人である場合を示し、この状態では、大パッド26bに対応するセンサ出力が大きいCランクになる一方、7つ小パッド26aのうちの中央の5つ(SS2〜SS6)に対応するセンサ出力がそれぞれ中程度以上の大きさになると考えられる。特に、このようなセンサ出力状態であるときには、例えばセンサ出力値の総和に基づいて、乗員Pの体格を判定することができる。
【0038】
さらに、図11(a)(b)は、大人が足を組んで座っている状態を示し、この状態では、大パッド26bに対応するセンサ出力が左右いずれかに偏るとともに、7つ小パッド26aのうちの左右いずれかの3つ程度(SS5〜SS7)に対応するセンサから出力値が得られると考えられる。また、図12(a)に実線で示すのは、助手席2にチャイルドシート15が装着されている状態であり、この状態では、同図(b)のように、大パッド26bに対応するセンサ出力が中程度以下になるとともに、7つの小パッド26aのうちの所定の2つ(SS3,SS5)に対応するセンサ出力がそれぞれ中程度以下になると考えられる。さらに、同図(a)に仮想線で示すように、チャイルドシート15が正規の位置から斜めにずれて異常装着されているときには、前記のようにセンサ出力の得られる小パッド26aの位置がずれるので(図例ではSS4,SS7)、このことから、チャイルドシート15の異常装着を判定することができる。
【0039】
つまり、この実施形態では、前記の如く乗員Pの着座状態が変化したときに、そのことによって荷重分布状態の変化することが多いシートクッション3の前側の範囲に、相対的に多数の小パッド26a,26a,…を配置して、その部分の荷重分布状態の変化をきめ細かく検出する一方、荷重分布状態の変化は相対的に少ないが、乗員Pの体重による荷重量の変化の大きいシートクッション3の後側には大パッド26b,26bを2つだけ左右に並べて配置することで、乗員Pの着座状態を必要十分な精度で検出しながら、全体として、圧力センサ28,28,…の個数は最小限度に抑えるようにしている。
【0040】
以下に、前記エアバッグECU20によるエアバッグ装置等の作動制御の手順と、前記センサECU30によって乗員Pの着座状態を判定する判定制御の手順とを、それぞれ図13及び図14に示すフローチャート図に基づいて説明する。尚、この制御手順は、各ECU20,30のメモリ上に電子的に格納された制御プログラムに従って、所定の時間間隔で実行されるものである。
【0041】
まず、前記図13に示すフローのスタート後のステップSA1では、加速度センサ19,24からの出力信号を入力し、続くステップSA2において、車両1の加速度ないし減速度Gが設定値G*を超えたかどうか判別する。この判別がNOであれば、車両1には衝突は発生していないと判定して前記ステップSA1にリターンする一方、加速度ないし減速度Gが設定値G*を超えたYESであれば、車両1に衝突が発生したと判定してステップSA3に進み、メモリ上のエアバッグ制御パターンを読み込む。この制御パターンは後述の如くセンサECU30からの信号に従って所定時間毎に書き換えられるものである。続いて、ステップSA4において、シートベルト装置のプリテンショナー9を作動させてウエビング8を巻き取らせ、続くステップSA5において、前記ステップSA3で読み込んだ制御パターンに従って、エアバッグ装置を作動させ、しかる後にリターンする。
【0042】
つまり、車両1に衝突が発生したら、シートベルト装置のウエビング8により乗員Pの上体をシートバック4に引きつけた後に、該乗員Pの着座状態に対応する制御パターンに従って、フロントないしサイドエアバッグ22を展開させるようにしている。
【0043】
次に、図14に示す乗員Pの着座状態判定フローでは、まず、スタート後のステップSB1において圧力センサ28,28,…からの出力信号を入力し、続くステップSB2において、前記各圧力センサ28の出力状態に基づいて、上述の如く、乗員Pの着座状態を判定する。すなわち、乗員Pの着座状態を、1)不在、2)子供、3)荷物、4)小さな大人、5)大人、6)チャイルドシートの6つの場合に場合分けする。続いて、ステップSB3において、前記6つの場合にそれぞれ対応するエアバッグの制御パターンを、例えば図15に示すようなテーブルから選択し、エアバッグECU20に信号を出力して、該エアバッグECU20のメモリ上のエアバッグ制御パターンを書き換えさせる。
【0044】
続いて、ステップSB4において、前記圧力センサ28,28,…からの信号に基づいて、チャイルドシート15の装着状態が異常であるかどうか判定し(図12参照)、異常装着であるYESと判定されれば、ステップSB5に進んで警報ランプを作動させる一方、異常装着ではないNOと判定されればそのままで、それぞれリターンする。
【0045】
前記図13に示すフローが全体として、車両1のエアバッグ装置の作動を制御する制御手段20aに対応している。また、前記図14に示すフローが全体として、圧力センサ28,28,…からの出力信号に基づいて、乗員Pの着座状態を判定し、この判定結果を前記制御手段20aに対して出力する着座状態判定手段30aに対応している、特に、前記ステップSB2は、車両1の助手席2にチャイルドシート15が装着されていることを判定するチャイルドシート判定手段にも対応しており、ステップSB4,SB5の手順により、前記着座状態判定手段20aは、チャイルドシート15の装着が判定されたときには、前側圧力センサ28,28,…からの出力信号に基づいて前記チャイルドシート15の装着異常状態を判定可能に構成されたものである。
【0046】
したがって、この実施形態1に係る乗員検出装置Aによれば、助手席2のシートクッション3内の受圧パッド26,26,…により検出した荷重の分布状態に基づいて、乗員Pの有無や体格、着座位置等を精度良く判定することができ、この判定結果に応じて主にフロント及びサイドエアバッグ22,22,…の作動を制御することで、エアバッグ22の不要の展開を防止することができる。
【0047】
また、シートクッション3の前縁部から約10cmくらいの範囲に、相対的に小さな小パッド26a,26a,…を7つ並べて配置しているので、乗員Pの着座状態の変化に伴う荷重分布状態の変化をきめ細かく検出して、該乗員Pの体格や着座位置等を十分な精度で判定することができる。一方、前記前側の範囲を除いた主着座部3aの略全ての範囲をカバーするように、広い検出面積を有する大パッド26b,26bを左右に2つ並べて配置することで、乗員Pの体重や姿勢の変化を十分な精度で判定することができる。特に、前記大パッド26bは、流体式のものとしているので、広い面積に亘って荷重を確実に検出することができる。
【0048】
つまり、この実施形態1の乗員検出装置Aは、子供から大人までの人体の寸法形状を考慮し、受圧パッド26,26,…の大きさや個数をシートクッション3の主着座部3aにおいて最適になるように配置することにより、乗員Pの着座状態を必要十分な精度で検出できるものでありながら、圧力センサ28,28,…の個数を最小限度に減らして、実用的なコストを実現したものである。
【0049】
(実施形態2)
図16及び図17は、本発明の実施形態2の具体的な制御手順を示したフローチャート図である。この実施形態2の乗員検出装置Aの全体的な構成は、図1〜図5に示す前記実施形態1のものと同じなので、同一部材には同一の符号を付してその説明は省略する。そして、この実施形態2の主な特徴は、フロント及びサイドエアバッグモジュール18,23として、例えばインフレータ21において一度に燃焼させる火薬の分量を調節できるものを用いて、各エアバッグ22の膨張圧や展開速度を少なくとも強、中、弱の3段階に変更可能とし、乗員2の着座状態に応じて、前記エアバッグ装置やシートベルト装置の作動強度を変化させるようにしたことにある。
【0050】
また、この実施形態2では前記実施形態1とは異なり、車両1に実際に衝突が発生してからそのときの乗員Pの着座状態を判定し、この判定結果に応じてエアバッグ装置等の作動を制御するようにしている。このため、この実施形態では、乗員Pの着座状態の判定とエアバッグ装置等の作動制御とを1つの電子制御ユニット(以下、ECUという)により、一連のフローに従って行うようにしている。さらに、この実施形態の車両1には、乗員Pによって操作されるチャイルドシート装着スイッチ(チャイルドシート装着SW)が設けられており、例えば助手席2にチャイルドシート15を装着したときに、乗員Pによってチャイルドシート装着SWがオン状態にされると、このチャイルドシート装着SWから前記ECUに対してON信号を出力されるようになっている。
【0051】
具体的には、まず、図16のフローに示すように、スタート後のステップSC1において、チャイルドシート装着SWからの出力信号を入力し、続くステップSC2においてチャイルドシート15が装着されているかどうか判別する。すなわち、前記チャイルドシート装着スイッチからON信号が入力されているYESならば、ステップSC5に進む一方、ON信号が入力されていないNOならば、ステップSC3に進む。このステップSC3では車両1の加速度センサ19,24からの出力信号を入力し、続くステップSC4において、車両1の加速度ないし減速度Gが設定値G*を超えたかどうか判別する。この判別がNOであれば、車両1には衝突は発生していないと判定して前記ステップSC1にリターンする一方、加速度ないし減速度Gが設定値G*を超えたYESであれば、車両1に衝突が発生したと判定して、図17に示すフローのステップSC8に進む。
【0052】
一方、前記ステップSC2においてチャイルドシート15が装着されていると判定して進んだステップSC5では、今度は、圧力センサ28,28,…からの出力信号に基づいて、チャイルドシート15の異常装着を判定するための演算を行う。すなわち、例えば前記実施形態1と同様にしてチャイルドシート15が正規の位置から斜めにずれていることを判定すれば、続くステップSC6においてチャイルドシート15の異常装着でYESと判定し、ステップSC7に進んで警報ランプを作動させて、しかる後にリターンする。一方、前記ステップSC6において異常装着ではないNOと判定すれば、そのままリターンする。
【0053】
前記図16に示すフローのステップSC1,SC2により、助手席2にチャイルドシート15が装着されていることを判定するチャイルドシート判定手段40aが構成され、また、ステップSC5,SC6により、前記チャイルドシート判定手段40aによりチャイルドシート15の装着が判定されたときには、圧力センサ28,28,…からの出力信号に基づいて、チャイルドシート15の装着異常状態を判定可能な着座状態判定手段40bが構成されている。
【0054】
尚、前記のチャイルドシート15とは異なり、正常に装着されたときにシートクッション2前側の受圧パッド(小パッド)26a,26a,…には荷重が加わらないような小さなチャイルドシートを用いることも考えられるが、この場合には前記ステップSC5,SC6における異常装着判定の手法として、例えば、いずれか一つの小パッド26aに対応する圧力センサ28から検出信号が出力されれば、このときに異常装着であると判定するようにすればよい。
【0055】
また、前記ステップSC4において、車両1に衝突が発生したYESと判定して進んだ図17のステップSC8では、圧力センサ28,28,…からの信号を入力し、続くステップSC9において、それらのセンサ出力値の総和(SSとSLの総和)が第1設定値W1よりも小さいかどうか判定する。この第1設定値W1は極めて小さいな値に設定されており、判定がYESならば、助手席2には乗員Pはいないということなので、そのまま制御を終了する。一方、判定がNOならばステップSC10に進んで、今度はシートクッション3の後側に配置されている2つの受圧パッド(大パッド)26b、26bに対応する圧力センサ28,28からの出力値の総和(SLの総和)が第2設定値W2よりも大きいかどうか判定する。
【0056】
前記第2設定値は、例えば体重が100kg以上の大柄な大人が助手席2に着座している状態に対応するように設定されており、従って、この判定がYESならば、乗員Pは大柄な大人であると判定して、後述のステップSC20に進む一方、判定がNOならば、ステップSC11に進む。このように、大パッド26b,26bに対応する圧力センサ28,28からの出力値の総和が第2設定値W2以上のときには、小パッド26a,26a,…に対応する圧力センサ28,28,…からの出力信号を無視するようにしているので、例えば、該小パッド26a,26a,…により検出される荷重分布状態の変化が大きいようなときであっても、万が一にも乗員状態の誤検出が行われることを防止できる。
【0057】
続いて、ステップSC11では、前記大パッド26b、26bに対応する圧力センサ28,28からの出力値の総和(SLの総和)を、前記第2設定値W2よりも小さな第3設定値W3と比較する。この第3設定値は、小さな子供が助手席2に正しく着座している状態に対応するように設定されており、従って、SLの総和<W3で判定がYESならば、乗員Pは小さな子供であるか、或いは乗員Pが正しく着座していないかであると判定して、後述のステップSC18に進む。一方、判定がNOならばステップSC12に進んで、今度は前記小パッド26a、26a、…に対応する圧力センサ28,28,…からの出力状況に基づいて、乗員Pが大人か子供かを判定する。すなわち、例えば7つの小パッド26a、26a、…のうちの4つ(設定個数)以上から所定以上の出力があれば、大人と判定し、それが2つ以下であれば子供と判定する。或いは、前記小パッド26a、26a、…からの出力値の総和が所定値上であれば大人と判定し、そうでなければ子供と判定する。
【0058】
そして、前記ステップSC12に続くステップSC13において、乗員Pが子供であるNOと判定すればステップSC16に進む一方、乗員Pが大人であるYESと判定すれば、ステップSC14に進み、ECUからシートベルト装置のプリテンショナー9に制御信号を出力して、ウエビング8を中程度の力で巻き取り作動させる。続いて、ステップSC15において、助手席2のフロントないしサイドエアバッグモジュール18,23に制御信号を出力して、エアバック22を中程度の作動強度で展開させ、しかる後に制御を終了する。つまり、助手席2に大人が正しく着座していると判定したときには、シートベルト装置及びエアバッグ装置をそれぞれ基本的な作動状態、即ち中程度の強度で作動させることにより、該大人の乗員Pを確実に保護するようにしている。
【0059】
一方、前記ステップSC13において乗員Pは子供であると判定して進んだステップSC16では、シートベルト装置のプリテンショナー9によりウエビング8を相対的に弱い力で巻き取り作動させ、続くステップSC17では、助手席2のフロントないしサイドエアバッグ22を相対的に弱い作動強度で展開させ、しかる後に制御を終了する。つまり、助手席2に子供が正しく着座していると判定したときには、シートベルト装置及びエアバッグ装置をそれぞれ相対的に弱い強度で作動させることにより、子供の乗員Pの体格に応じた乗員保護装置の作動を行うようにしている。
【0060】
また、前記ステップSC11において、乗員Pは小さな子供であるか或いは正しく着座していないと判定して進んだステップSC18では、小パッド26a,26a,…に対応する圧力センサ27,27,…からの出力値の総和(SSの総和)が第4設定値W4よりも小さいかどうか判定する。そして、この判定がNOならば、前記ステップSC16,SC17に進んで、プリテンショナー9及びエアバッグ22をいずれも弱い強度で作動させる。つまり、前記の判定がNOということはシートクッション3の前側にかなり大きな荷重が加わっているということなので、乗員Pはシートクッション3の前側に偏って座っていると判断する。この場合には、乗員Pが大人であっても、プリテンショナー9及びエアバッグ22の作動は弱くする。また、乗員Pが子供であるとすれば、この子どもの乗員Pはシートクッション3の前端に腰をかけていて、シートベルトは装着していないと考えられるので、この場合にもエアバッグ22を弱い力で作動させる。
【0061】
一方、前記ステップSC18において、SSの総和<W4でYESと判定すれば、乗員Pは小さな子供であり、かつ助手席に正しい姿勢で着座していると考えられるので、このときはステップSC19に進み、該小さな子供の乗員Pがシートベルト装置を装着しているかどうか判定する。すなわち、助手席2のシートベルトSW14からECUにON信号が入力されているかどうか判定し、ON信号が入力されていて、小さな子供の乗員Pがはシートベルト装置を装着していると判定されれば、このときはエアバッグ装置を用いなくても、シートベルト装置だけで乗員Pを確実に保護できるので、制御を終了する一方、シートベルトSW14からON信号が入力されておらず、シートベルト未装着と判定すれば、このときはエアバッグ22を弱い力で作動させることにより、前記ステップSC16,SC17に進み、しかる後に制御を終了する。
【0062】
さらに、前記ステップSC10において、大パッド26b、26bに対応する圧力センサ28,28からの出力値の総和(SLの総和)が第2設定値W2よりも大きく、乗員Pが大柄な大人で有ると判定して進んだステップSC20では、ECUからシートベルト装置のプリテンショナー9に制御信号を出力して、ウエビング8を相対的に強い力で巻き取り作動させ、続くステップSC21において、助手席2のフロントないしサイドエアバッグモジュール18,23に制御信号を出力して、エアバック22を相対的に強い作動強度で展開させ、しかる後に制御を終了する。つまり、大柄な大人の乗員Pに対しては、シートベルト装置及びエアバッグ装置をそれぞれ強い強度で作動させる。
【0063】
前記図17に示すフローのステップSC8〜SC13,SC18の各ステップにより、圧力センサ28,28,…からの出力信号に基づいて、乗員Pの着座状態を判定する着座状態判定手段40bが構成され、また、ステップSC15,SC17,SC21の各ステップにより、車両1のシートベルト装置及びエアバッグ装置の作動を制御する制御手段40cが構成されている。
【0064】
さらに、ステップSC12〜SC17の各ステップは、荷重を検出した小パッド26a、26a、…の個数や該小パッド26a、26a、…からの出力値の総和に応じて、前記制御手段40cによるエアバッグ装置の作動強度を補正する補正手段40dに対応している。
【0065】
したがって、この実施形態2に係る乗員検出装置Aによれば、前記実施形態1のものと同様の作用効果が得られる上に、これに加えて、車両1の助手席2における乗員Pの着座状態に応じて、シートベルト装置のプリテンショナー9やエアバッグ装置の作動強度を変更することによって、乗員Pの着座状態の応じて乗員保護装置を作動させることができる。
【0066】
尚、本発明は前記実施形態1又は実施形態2に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、シートクッション3の内部に受圧パッド26,26,…を前後2列に配置しているが、これは3列であってもかまわない。また、最前列に配置する受圧パッド(小パッド)26a,26,…の個数は7つには限らず、例えば5つ以上であればよい。さらに、大パッド26bの個数も2つでなくてもよく、例えば1つであってもよく、反対に3つ以上であってもよい。
【0067】
また、前記各実施形態では、圧力検出手段として、シートクッション3の内部に流体式受圧パッド26,26,…を複数配置し、この各受圧パッド26の圧力状態を圧力センサ28により電気信号に変換するようにしているが、これに限らず、例えば圧力センサをシートクッション内に配設することも可能である。特に、シートクッション3の前側の小パッド26aは、前記各実施形態のもののように荷重状態に応じた信号を出力するものでなくてもよく、荷重が作用しているかいないかを検出する単なる圧力スイッチであってもよい。
【0068】
加えて、前記各実施形態では、乗員検出装置Aを車両1の助手席2に適用しているが、これに限らず、車両1の後席にも適用可能なことは勿論である。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る乗員検出装置によると、車両のシートの主着座部に複数の圧力検出手段を配設して、該圧力検出手段からの出力信号に基づいて乗員の着座状態を判定し、この判定結果に応じて乗員保護装置の作動を制御するものにおいて、前記複数の圧力検出手段の大きさや配置を最適化することで、乗員の着座状態を必要十分な精度で検出しながら、圧力検出手段の個数を最小限度に抑えることができ、このことによって装置コストを低減できる。
【0070】
請求項2の発明によると、前側圧力検出手段をシートの主着座部における前側の所定範囲に配置することで、乗員の体格や着座位置の変化を正確に検出することができるとともに、後側圧力検出手段を流体式のものとしかつ前記所定範囲を除く主着座部の略全範囲に亘るように配置することで、乗員の体重を確実に検出することができる
【0071】
請求項の発明では、乗員の体格や着座位置の変化に応じて、エアバッグの展開状態を変更することができるので、請求項1、2の各発明の如く乗員の着座状態を判定できることが、特に有効な効果を奏する。
【0072】
請求項の発明では、シートの後側の圧力検出手段からの出力値の総和が設定値以上のときには、この出力値のみに基づいて乗員の着座状態を判定するようにすることで、シートの前側の圧力検出手段の出力に基づく乗員の着座状態の誤検出を防止できる。
【0073】
請求項の発明によると、乗員が子供であると考えられるときには乗員保護装置の作動強度を小さくなるように補正することで、該子供の乗員の体格に応じて乗員保護装置を作動させることができる。さらに、請求項の発明では、子供の乗員の体格がある程度、大きいと考えられるときには、乗員保護装置の作動強度をあまり小さくはさせないようにして、さらにその子供の体格に応じて乗員保護装置を作動させることができる。
【0074】
請求項の発明によると、前側圧力検出手段からの出力信号に基づいて、チャイルドシートの異常装着を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る乗員検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】 乗員検出装置を装備した車両の概略構成図である。
【図3】 受圧パッドの配設された助手席の構成を示す斜視図である。
【図4】 平面視で助手席のシートクッションにおける受圧パッドの配置を示す説明図である。
【図5】 乗員検出装置のシステムブロック図である。
【図6】 圧力センサ出力の荷重変化に対する特性を示すグラフ図である。
【図7】 子供がシート前端に着座した状態を示す図4相当図(a)、及びこの状態に対応する圧力センサ出力のパターンを示す図(b)である。
【図8】 子供がシートの中央ないし後側に着座したときの図7相当図である。
【図9】 軽い荷物が載っているときの図7相当図である。
【図10】 大人が着座したときの図7相当図である。
【図11】 大人が片足を組んで着座したときの図7相当図である。
【図12】 チャイルドシートの装着されたときの図7相当図である。
【図13】 シートベルト装置及びエアバッグ装置の作動制御の手順を示すフローチャート図である。
【図14】 乗員の着座状態判定の手順を示すフローチャート図である。
【図15】 乗員の着座状態に応じてエアバッグの制御パターンを設定したテーブルの一例を示す図である。
【図16】 実施形態2においてチャイルドシートの異常装着判定及び車両の衝突判定の手順を示すフローチャート図である。
【図17】 実施形態2において乗員の着座状態に応じて、シートベルト装置及びエアバッグ装置の作動を制御する手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
A 乗員検出装置
P 乗員
1 車両
2 シート(運転席、助手席)
3 シートクッション
3a 主着座部
6 荷重状態検出器(圧力検出手段)
8 ウエビング(シートベルト装置)
9 プリテンショナー(シートベルト装置)
15 チャイルドシート
18 フロントエアバッグモジュール
20 電子制御ユニット(エアバッグECU)
20a,40c 制御手段
23 サイドエアバッグモジュール
26 受圧パッド(受圧部)
26a 小パッド(前側圧力検出手段)
26b 大パッド(後側圧力検出手段)
28 圧力センサ(センサ部)
30 電子制御ユニット(センサECU)
30a,40b 着座状態判定手段
40a チャイルドシート判定手段
40d 補正手段

Claims (7)

  1. 乗員保護装置を搭載した車両に装備され、シートの主着座部に配設された複数の圧力検出手段と、該圧力検出手段からの出力信号に基づいて乗員の着座状態を判定し、この判定結果を前記乗員保護装置の制御手段に出力する着座状態判定手段とを備えた乗員検出装置であって、
    前記複数の圧力検出手段は、シートの主着座部において車体前後方向に少なくとも2列に分かれてそれぞれ車幅方向に並ぶように配置され、
    前記圧力検出手段のうちの最前列に配置された前側圧力検出手段は、それ以外の後側圧力検出手段に比べてそれぞれ狭い検出面積を有し、かつ該後側圧力検出手段よりも車幅方向について多く並ぶように配置され、
    少なくとも前記後側圧力検出手段は、荷重の大きさに対応する信号を出力するように構成されていることを特徴とする乗員検出装置。
  2. 請求項1において、
    後側圧力検出手段は、内部に流体が封入され、シートの主着座部に加わる荷重を受ける受圧部と、該受圧部内の流体の圧力状態を検出するセンサ部とを有し、
    前側圧力検出手段が、シートの主着座部における車体前側の所定範囲に配置されている一方、前記後側圧力検出手段は、その受圧部が前記所定範囲を除く主着座部の略全範囲に亘るように配置されていることを特徴とする乗員検出装置。
  3. 請求項1又は2のいずれかにおいて、
    乗員保護装置は、車両に衝突が発生したときに乗員の前方ないし側方にエアバッグを展開させるエアバッグ装置であることを特徴とする乗員検出装置。
  4. 請求項1又は3のいずれかにおいて、
    着座状態判定手段は、後側圧力検出手段からの出力値の総和が設定値以上のときには、該後側圧力検出手段からの出力値のみに基づいて乗員の着座状態を判定するように構成されていることを特徴とする乗員検出装置。
  5. 請求項1、3又は4のいずれか1つにおいて、
    荷重を検出した前側圧力検出手段の個数が設定個数よりも少ないとき、そうでないときに比べて乗員保護装置の作動強度が小さくなるように、制御手段による該乗員保護装置の制御を補正する補正手段が設けられていることを特徴とする乗員検出装置。
  6. 請求項5において、
    補正手段は、前側圧力検出手段からの出力値の総和が設定値よりも大きいときには乗員保護装置の作動強度を増大補正するように構成されていることを特徴とする乗員検出装置。
  7. 請求項1又は2のいずれかにおいて、
    シートにチャイルドシートが装着されていることを判定するチャイルドシート判定手段が設けられ、
    着座状態判定手段は、前記チャイルドシート判定手段によりチャイルドシートの装着が判定されたときには、前側圧力検出手段からの出力信号に基づいて、前記チャイルドシートの装着異常状態を判定可能に構成されていることを特徴とする乗員検出装置
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