JP3757691B2 - 制動力制御装置および車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動力制御装置および車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の制動力を制御する制動力制御装置を含む車両制御装置の一例が、本願出願人によって先に出願され、未公開である特願平11─57124号の明細書に記載されている。上記明細書に記載の車両制御装置は、車両停止中に予め定められた条件が満たされた場合にその車両の駆動源が自動停止させられる制御(駆動源停止制御と称する)が行われる車両に設けられたものであり、その駆動源が停止させられている間、車両に予め定められた第一設定制動力以上の制動力を加え、予め定められた発進条件が満たされた場合に、制動力を減少させる制動力制御装置を含むものである。
上述の制動力制御装置において、発進条件が満たされても制動力が全く減少させられなかったり、十分に減少させられなかったりする(以下、制動力減少不足異常と総称する)場合には、制動力が加えられたまま発進させられることになり、いわゆるブレーキの引きずりが生じ、望ましくない。しかし、この制動力減少不足異常を検出することは行われていなかった。この異常は、駆動源停止制御が行われる車両に設けられた制動力制御装置に限らず、制動力を運転者の要求制動力に応じた大きさにする制御(以下、要求制動力対応制御と称する)が行われる制動力制御装置や、ブレーキアシスト制御,アンチロック制御,トラクション制御,ビークルスタビリティ制御等が行われる制動力制御装置においても同様に生じる可能性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明の課題は、制動力制御装置や車両制御装置において、制動力減少不足異常を検出可能とすることにある。上記課題は、制動力制御装置および車両制御装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
(1)車両停止中であってブレーキ操作が行われていることを含む駆動源停止条件が満たされた場合にその車両の駆動源が自動で停止させられ、ブレーキ操作が解除された時に発進条件が満たされたとして、前記駆動源が自動で再始動させられる車両に設けられ、(a)その駆動源が停止させられている間、前記車両に加えられる制動力を、第一設定制動力以上に保持する制動力保持部と、 (b) 前記発進条件が満たされた場合に、前記制動力保持部によって保持されていた制動力を減少させる制動力減少部とを含む制動力制御装置に、
実際の制動力を検出する制動力検出装置と、
前記発進条件が満たされてから、当該制動力制御装置が正常である場合に、前記制動力減少部の制御により、制動力が、前記第一設定制動力以上から、第一設定制動力以下の0より大きい第二設定制動力より小さくなるのに要する時間で決まる設定時間が経過した時点以降に、前記制動力検出装置によって検出された制動力が、前記第二設定制動力以上である場合に、当該制動力制御装置が異常であるとする異常検出装置と
を設けたことを特徴とする制動力制御装置(請求項1)。
本項に記載の制動力制御装置は駆動源停止制御が行われる車両に設けられたものである。車両において、車両停止中であってブレーキ操作が行われていることを含む駆動源停止条件が満たされた場合に駆動源が自動で停止させられ、ブレーキ操作が解除された時に発進条件が満たされたとして駆動源が自動で再始動させられる。また、駆動源が停止させられている間、制動力は第一設定制動力以上に保持され、発進条件が満たされた場合に、保持されていた制動力が減少させられる。そのため、発進条件が満たされた後に、制動力は減少するはずである。そこで、運転者によるブレーキ操作が解除されてから設定時間が経過した時点以降に、減少力が0より大きい値である第二設定制動力以上である場合は、異常であるとすることができる。
ここで、第一設定制動力は、例えば、駆動源の停止中に車両を停止状態に保ち得る大きさとすることができる。停止状態に保ち得る大きさは、車両が停止している路面の勾配,積載重量等の環境に基づいて決定することができる。路面勾配が大きく、積載重量が大きい場合には、車両に作用する重力が大きくなり、大きな制動力が必要となる。
第二設定制動力は、制動力減少不足異常を検出し得る大きさであり、第一設定制動力より小さくされることが望ましく、0に近い大きさに設定されることが特に望ましいが、第一設定制動力と同じにされても、制動力制御装置において制動力減少制御が全く行われない異常は検出可能である。
制動力制御装置は、発進条件が満たされたか否かを取得する発進条件判定部を有する場合と、制動力制御装置とは別のコンピュータを主体とする主制御装置(例えば、車両全体の状態を制御する制御装置であって、発進条件判定部を有するもの)から供給される情報を受信する情報受信部を有する場合とがある。前者の場合において、発進条件判定部において発進条件が満たされたと判定された場合、後者の場合において、発進条件が満たされたことを表す情報(発進条件成立情報)あるいは制動力を減少させる指令(発進時制動力減少指令情報)を受信した場合等が該当する。
発進条件は、例えば、(a)運転者によってブレーキ解除操作が行われた場合、あるいは、(b)ブレーキ解除操作が行われ、かつ、アクセル操作等発進を指示するスイッチ等の操作が行われた場合に、成立したとすることができる。また、実際の制動力が第二設定制動力以上であるか否かは、ブレーキ操作が解除されてから設定時間後に検出された制動力に基づいて判定される。第二設定制動力の大きさとの関係において、制動力制御装置が異常であることが確実に検出し得る時期に検出された制動力に基づいて判定されるようにすればよいのである。
(2)前記異常検出装置が、前記制動力検出装置によって検出された制動力が0に近い大きさに設定された前記第二制動力以上である場合に、異常であるとする検出部を含む(1)項に記載の制動力制御装置(請求項2)。
(3)当該制動力制御装置が、前記車両の車輪に設けられたブレーキを作動させるブレーキシリンダの液圧を制御する装置であって、 (a) ソレノイドを有し、前記ブレーキシリンダの液圧を制御可能な液圧制御弁と、 (b) 前記発進条件が満たされた場合に、前記液圧制御弁への供給電気エネルギを制御することにより、前記ブレーキシリンダの液圧を減圧させる電気エネルギ制御部とを含む液圧制御装置を含み、前記制動力検出装置が、前記ブレーキシリンダの液圧を検出する液圧検出装置を含み、前記異常検出装置が、前記発進条件が満たされてから前記設定時間が経過した時点以降に前記液圧検出装置によって検出された液圧が、予め定められた0より大きい設定液圧以上である場合に、前記液圧制御装置が異常であるとする液圧制御異常検出装置を含むことを特徴とする(1)項または (2) 項に記載の制動力制御装置(請求項3)。
液圧制御装置は、ブレーキシリンダの液圧を減圧可能な電磁減圧制御弁としての液圧制御弁と、液圧制御弁に供給する電気エネルギを制御する電気エネルギ制御部とを含むものとすることができる。液圧制御弁は、ブレーキシリンダと低圧源との間に設けても、運転者のブレーキ操作量に対応する液圧を発生させるマスタシリンダとの間に設けてもよい。ブレーキシリンダの液圧が、ブレーキ操作が解除された場合に減圧される場合には、マスタシリンダとの間に設ければよく、リザーバが不要となる。液圧制御弁は、ブレーキシリンダの液圧を供給電気エネルギ量に応じた大きさに連続的に制御可能なものとしても、ON,OFF制御により開閉させられる電磁開閉弁としてもよい。
(4)前記異常検出装置によって当該制動力制御装置が異常であるとされた場合に警告を発する警告装置を含むことを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の制動力制御装置(請求項4)。
本項に記載の制動力制御装置においては、警告装置によって制動力制御装置が異常であることを運転者に知らせることができる。運転者は、警告に応じて駆動源の駆動力を緩めたり、車両を停止させたりすることができる。
(5)当該制動力制御装置が、前記発進条件が満たされた場合に制動力解除指令が出力された場合には制動力を直ちに減少させ、制動力一時保持後解除指令が出力された場合には予め定められた保持時間が経過した後に制動力を減少させる手段を含む (1) 項ないし (4) 項のいずれか1つに記載の制動力制御装置(請求項5)。
(6)(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の制動力制御装置と、
前記異常検出装置によって、前記制動力制御装置が異常であるとされた場合に、前記車両の駆動源の駆動力を自動で減少させる駆動力減少装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置(請求項6)。
制動力制御装置が異常であるとされた場合に駆動力が自動で減少させられる。その結果、制動力が加えられた状態でその制動力に打ち勝つ大きさの駆動力が発生させられることを回避し、燃費が悪くなることを回避することができる。
(7)車両に加えられる制動力を制御する制動力制御装置に、
実際の制動力を検出する制動力検出装置と、
制動力を減少させる指令が出力されてから設定時間経過後に前記制動力検出装置によって検出された制動力が前記制動力を減少させる指令に応じて減少させられていない場合に、当該制動力制御装置が異常であるとする異常検出装置と
を設けたことを特徴とする制動力制御装置。
前述の制動力減少不足異常は、制動力を純機械的に制御する制動力制御装置においても生じ得るが、一般に、制動力を電気的に制御する制動力制御装置の方が生じ易い。例えば、摩擦部材が、車両の車輪と一体的に回転させられるブレーキ回転体に、電動モータの駆動力により押し付けられて摩擦係合させることにより、電気的制動力が発生させられる場合において、電気的制動力を電動モータの作動状態を制御することによって制御する電気的制動力制御装置や、摩擦部材をブレーキシリンダの液圧により押し付けて摩擦係合させることによって液圧制御力が発生させられる場合において、液圧制動力を、電磁液圧制御弁装置の制御によって制御する液圧制御装置等において生じるのである。いずれにしても、電動モータ,電磁液圧制御弁装置への供給電気エネルギの制御により、制動力が制御されるのであるが、これらに電気エネルギが供給されなかったり、電気エネルギの供給が絶たれなかったり(減少させられなかったり)、電気エネルギの制御通りに作動しなかったりした場合に、制動力減少不足異常が生じる。
車両の状態が、制動力制御装置において制動力の減少制御が行われた状態が、設定制動力以上の制動力が加えられるべき状態でない状態の一例である。例えば、駆動源停止制御において発進条件が満たされた状態,要求制動力対応制御やブレーキアシスト制御においてブレーキ操作が解除された状態,アンチロック制御やトラクション制御において制御が終了させられた状態(例えば、アンチロック制御やトラクション制御の終了条件が満たされてから設定時間が経過した状態)等が該当する。
(8)前記異常検出装置が、制動力解除指令が出力されてから前記設定時間経過後に前記制動力検出装置によって検出された制動力に基づいて異常を検出するものである(1) 項〜 (5) 項、 (7)項のいずれか1つに記載の制動力制御装置。
(9)前記異常検出装置が、制動力一時保持後解除指令が出力されてから設定時間経過後に前記制動力検出装置によって検出された制動力に基づいて異常を検出するものである(1) 項〜 (5) 項、 (7)項または(8)項に記載の制動力制御装置。
(10)車両に加えられる制動力を制御する制動力制御装置に、
実際の制動力を検出する制動力検出装置と、
その制動力検出装置によって検出された制動力が予め定められた設定制動力以上であり、かつ、前記車両の状態が前記設定制動力以上の制動力が加えられるべき状態ではないことを検出する車両状態検出装置と
を設けたことを特徴とする車両制御装置。
【0004】
【本発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である制動力制御装置を含む車両制御装置について図面に基づいて詳細に説明する。本車両制御装置は、請求項5の一実施形態としての車両制御装置であり、請求項1〜4に共通の一実施形態である制動力制御装置を含むものである。
本車両制御装置が搭載された車両はオートマチック車であり、エンジンによって駆動される車である。エンジンを含む駆動系について図1に示し、制動系について図2に示す。
図1に示す駆動系において、10は駆動源としてのエンジンであり、12はトランスミッションである。14はモータジェネレータであり、スタータモータとしての機能を有するものである。エンジン10の図示しないクランク軸に、クラッチ,チェーン等を含む減速機構を介して連結されており、モータジェレータ14の駆動により、エンジン10が始動させられる。モータジェネレータ14は、インバータ16を介してモータコントローラ18の指令に基づいて作動させられ、モータコントローラ18には、エンジン制御装置20から指令が供給される。また、エンジン10にはインジェクタ22が設けられており、インジェクタ22を経て、燃料タンクに蓄えられた燃料が供給される。インジェクタ22は、図示しないが、ニードルバルブと、ソレノイドとを含むものであり、ソレノイドが励磁されることによってニードルバルブが開状態とされ、燃料が噴射される。ソレノイドが非励磁状態にされれば閉状態とされ、燃料は供給されなくなり、エンジン10が停止させられる。
【0005】
トランスミッション12は、トルクコンバータ30とプラネタリギヤユニット32とを含むものである。トルクコンバータ30は、エンジン10の出力軸34と一体的に回転可能なポンプ羽根車36と、プラネタリギヤユニット32への入力軸(トルクコンバータ30の出力軸)38と一体的に回転可能なタービン羽根車40と、本体にクラッチ41を介して設けられたステータ羽根車42とを含むものである。これらの間を流動する流体によって、エンジン10の出力軸34の駆動トルクがプラネタリギヤユニット32の入力軸38に伝達される。
【0006】
プラネタリギヤユニット32は、複数のプラネタリギヤ,クラッチ,ブレーキ等を含むものであり、これらクラッチ,ブレーキ等は作動液が供給されると非係合状態から係合状態に切り換えられる。これらクラッチ,ブレーキ等には液圧アクチュエータ46の作動によって選択的に作動液が供給される。
液圧アクチュエータ46は、シフトレバー48の切り換えに応じて機械的に切り換わるマニュアルバルブと、複数の電磁弁(ソレノイド)とを含む液圧回路を含むものであり、ソレノイドの制御により、作動液が、設定された変速比に応じて予め決められたクラッチやブレーキに供給される。変速比は、シフトレバー48の操作に基づくシフト位置および車速等に基づいて決定される。作動液は、エンジン10の出力軸34の回転に伴って駆動される図示しないオイルポンプの作動によって供給可能とされる。換言すれば、エンジン10の作動が停止させられている間は、作動液を供給することができないことになる。
なお、上述の液圧アクチュエータ46は、トランスミッション制御装置50によって制御される。
【0007】
次に制動系について説明する。
図2には、前記車両に含まれる液圧制動装置58を示す。60はブレーキペダルであり、62はマスタシリンダで、2つの加圧室を含むものである。一方の加圧室には、液通路64を介して前輪のホイールシリンダ66,68が接続され、他方の加圧室には、液通路70を介して後輪のホイールシリンダ72,74が接続される。液通路64,70はそれぞれ途中で分岐させられ、それぞれの先端にホイールシリンダが設けられているのである。
【0008】
先端に前輪のホイールシリンダ66,68が設けられた液通路64の分岐位置より上流側の部分には、液圧制御弁80が設けられている。液圧制御弁80は、後述するように、ソレノイドへの供給電流量に応じた大きさにホイールシリンダ液圧を制御可能なものである。液圧制御弁80をバイパスするバイパス通路の途中には逆止弁81が設けられている。逆止弁81は、マスタシリンダ側からホイールシリンダ側への流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものである。逆止弁81により、液圧制御弁80が閉状態にある場合において、マスタシリンダ62の液圧が高くなった場合に、マスタシリンダ62の作動液を速やかにホイールシリンダ66,68に供給することが可能となる。液圧制御弁80とホイールシリンダ66,68との間には、それぞれ電磁開閉弁82が設けられ、電磁開閉弁82をバイパスするバイパス通路の途中には逆止弁83が設けられている。逆止弁83は、ホイールシリンダ側からマスタシリンダ側への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものである。逆止弁83により、電磁開閉弁82が閉状態にあっても、ブレーキペダル60の操作が解除された場合には、ホイールシリンダ66,68の作動液を速やかにマスタシリンダ62に戻すことができる。ホイールシリンダ66,68とリザーバ84との間には、それぞれ電磁開閉弁86が設けられている。これら電磁開閉弁82,86は、それぞれ、ソレノイドのON,OFF制御により、開閉させられるものであり、アンチロック制御,トラクション制御において、ホイールシリンダ液圧が車輪の制動スリップ状態,駆動スリップ状態が適正状態に保たれるように制御される。また、ビークルスタビリティ制御においても、ホイールシリンダ液圧が、車両の走行状態が適正状態に保たれるように制御される。
【0009】
リザーバ84からはポンプ通路90が延び出させられており、前記電磁開閉弁82の上流側に接続されている。ポンプ通路90の途中には、ポンプ92、複数の逆止弁93,94,95およびダンパ96等が設けられており、リザーバ84の作動液が加圧されてホイールシリンダ66,68に供給可能とされている。ポンプ92は、ポンプモータ98の駆動によって作動させられる。
ポンプ通路90のポンプ92の下流側の逆止弁94,95の間には、マスタリザーバ100から延び出させられた作動液供給通路102が接続されている。作動液供給通路102の途中には、電磁開閉弁104が設けられ、電磁開閉弁104が開状態にされることによって、マスタリザーバ100の作動液がポンプ通路90に供給される。作動液供給通路102の電磁開閉弁104の下流側には、マスタシリンダ62から延び出させられた作動液供給通路106が接続されている。作動液供給通路106の途中には電磁開閉弁108が設けられており、電磁開閉弁108が開状態にされることによって、マスタシリンダ62の作動液がポンプ通路90に供給される。なお、これらポンプ通路90,ポンプ92,ポンプモータ98等によって動力式加圧装置110が構成される。
【0010】
動力式加圧装置110は、アンチロック制御時,トラクション制御時,ビークルスタビリティ制御時等ホイールシリンダ液圧をマスタシリンダ液圧とは異なる大きさに制御する場合に作動させられる。動力式加圧装置110が作動させられる場合には、液圧制御弁80によりホイールシリンダ66,68がマスタシリン62から遮断される。アンチロック制御時等リザーバ84に収容された作動液量が多い場合には、リザーバ84の作動液が加圧されてホイールシリンダ66,68に供給される。トラクション制御,ビークルスタビリティ制御時等作動液が殆ど収容されていない場合には、電磁開閉弁104が開状態に切り換えられ、マスタリザーバ100からポンプ通路90に作動液が供給される。マスタリザーバ100から供給される作動液は逆止弁95によりリザーバ84に戻されることなくポンプ92にそのまま吸引される。
【0011】
ホイールシリンダ液圧をマスタシリンダ液圧より大きくする場合には、上述の場合と同様に、液圧制御弁80により、ホイールシリンダ66,68がマスタシリンダ62から遮断される。電磁開閉弁104が閉状態とされ、電磁開閉弁108が開状態とされる。ポンプ通路90にはマスタシリンダ62から高圧の作動液が供給される。逆止弁95により、マスタシリンダ62から供給された作動液がリザーバ84に戻されることが回避され、ポンプ92により加圧されてホイールシリンダ66,68に供給される。マスタシリンダ62の高圧の作動液を利用すれば、その分、ポンプモータ98における消費エネルギ量を減らすことができ、エネルギの有効利用を図ることが可能となる。このように、液圧制御弁80および動力式加圧装置110によりホイールシリンダ液圧をマスタシリンダ液圧より高くすることが可能となる。また、電磁開閉弁108,液通路106により、マスタシリンダ62の作動液を利用して、エネルギ消費量を少なくしつつ、ホイールシリンダ液圧を増圧することが可能となる。また、作動液供給通路102の途中には、ポンプ通路側からマスタリザーバ側への作動液の流れを阻止する逆止弁112が設けられている。逆止弁112により、たとえ、電磁開閉弁104,108の両方が開状態になっても、マスタシリンダ62の作動液がマスタリザーバ100に流出させられることが回避される。逆止弁112が、前輪側に設けられ、後輪側に設けられていないのは、前輪側のブレーキの方が後輪側のブレーキより重要だからである。逆止弁112は、後輪側に設けても、作動液供給通路の前輪側と後輪側との共通部分に設けてもよい。
【0012】
液圧制御弁80は、常開のリニアバルブであり、図3に示すように、図示しないハウジングと、ホイールシリンダ66,68とマスタシリンダ62との間における作動液の流通状態を制御する弁子130およびそれが着座すべき弁座1322を含むシーティング弁133と、それら弁子130および弁座132の相対移動を制御する磁気力を発生させるソレノイド134とを有している。
【0013】
この液圧液圧制御弁80においては、ソレノイド134が励磁されない非作用状態(OFF状態)では、スプリング136の弾性力によって弁子130が弁座132から離間させられ、それにより、ホイールシリンダ66,68とマスタシリンダ62との間における双方向の作動液の流れが許容される。マスタシリンダ62の作動液がホイールシリンダ66,68に供給され、通常のブレーキが作動させられる。
これに対し、ソレノイド134が励磁される作用状態(ON状態)では、ソレノイド134の磁気力によりアーマチュア138が吸引され、弁子130が弁座132に着座させられる。このとき、弁子130には、ソレノイド134の磁気力に基づくソレノイド吸引力F1 と、ホイールシリンダ液圧とマスタシリンダ液圧との差圧に基づく力F2 とスプリング136の弾性力F3 との和とが互いに逆向きに作用する。
【0014】
ソレノイド134が励磁される作用状態(ON状態)であって、ホイールシリンダ液圧とマスタシリンダ液圧との差圧に対して吸引力が大きく、
F2 ≦F1 −F3
なる式で表される関係が成立する領域では、弁子130が弁座132に着座し、ホイールシリンダ66,68の作動液の流出が阻止される。上記差圧に対して吸引力が小さく、
F2 >F1 −F3
なる式で表される関係が成立する領域では、弁子130が弁座132から離間し、ホイールシリンダ66,68の作動液がマスタシリンダ62に戻され、減圧させられる。この場合に、吸引力の大きさを制御すれば、ブレーキシリンダ56とマスタシリンダ62との間の差圧を制御することができ、ブレーキシリンダ液圧を、供給電流に応じた差圧だけマスタシリンダ液圧より高い液圧に制御することができる。また、弁子130と弁座132との間の距離を制御することができ、ホイールシリンダ液圧の減圧勾配を制御することができる。ソレノイド134は、ブレーキ制御装置140の指令に基づいて制御される。
なお、後輪側の液圧系統については、前輪側と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0015】
エンジン制御装置20,トランスミッション制御装置50,ブレーキ制御装置140は、それぞれ、コンピュータを主体とするものである。エンジン制御装置20の入力部148には、アクセルペダル149が踏み込まれた状態にある場合にON状態とされるアクセルスイッチ150、シフトレバー48の位置を検出するシフト位置センサ152、車速を検出する車速センサ154、トルクコンバータ30のタービン羽根車40と一体的に回転可能な入力軸38の回転数を検出するタービン回転数センサ156、車体側部材としてのフレームと車輪側部材としてのサスペンションアームとの間の相対変位を検出する車高センサ158、車両の加速度を検出する加速度センサ160、エンジン停止許可スイッチ162等が接続されている。
【0016】
タービン回転数センサ156によって検出される入力軸38の回転数の変化に基づけば、プラネタリギヤユニット32において、予め決められたクラッチが非係合状態から係合状態へ切り換えられたか否か(クラッチへの作動液の供給が終了したか否か)がわかる。車高センサ158は、4輪各々に対応して設けられたものであり、4つの車高センサ158の出力信号に基づけば、車体の路面に対する傾きθや水平状態にある場合の車両の積載重量を取得することができる。また、加速度センサ160は振り子に加わる慣性力を検出するものである。したがって、車両が停止状態にある場合の加速度センサ160の出力信号に基づけば、車両の水平線に対する傾きφを取得することができる。さらに、エンジン停止許可スイッチ162は、車室内に設けられたものであり、運転者の操作によってON状態とOFF状態とに切り換えられる。駆動源停止制御は、エンジン停止許可スイッチ162がON状態にある場合に行われる。
【0017】
エンジン制御装置20の出力部164には、モータコントローラ18,警報装置167等が接続されるとともに、インジェクタ22のソレノイドが駆動回路を介して接続されている。ROM168には、図4のフローチャートで表される駆動源停止制御に関連するプログラム(制動力制御装置異常検出プログラム)等種々のプログラムやテーブル等が記憶されている。これらプログラムは、CPU172によりRAM174を利用して実行される。
【0018】
トランスミッション制御装置50は、エンジン制御装置20から供給される情報に基づいて、トランスミッション12の液圧アクチュエータ46に含まれる複数のソレノイドを制御する。前述のように、決定された変速比を実現し得るクラッチ,ブレーキ等に作動液が供給されるように制御するのである。
【0019】
ブレーキ制御装置140の入力部180には、ブレーキスイッチ184,マスタ圧を検出するマスタ圧センサ186,ホイールシリンダ液圧を検出するホイールシリンダ液圧センサ188,各車輪の車輪速度を各々検出する車輪速センサ189,図示しないが、ヨーレイトセンサ,横Gセンサ等ビークルスタビリティ制御に必要なセンサ等が接続されている。出力部190には、各電磁弁のソレノイド134等が駆動回路を介して接続されている。ROM192には、フローチャートの図示は省略するが、液圧制御弁制御プログラム,アンチロック制御プログラム,トラクション制御プログラム,ビークルスタビリティ制御プログラム等複数のプログラムや、ソレノイドを制御するための複数の制御パターンを表すテーブル等の複数のテーブルが格納されている。これらプログラムは、CPU194によりRAM196を利用しつつ実行される。
【0020】
これら、エンジン制御装置20,トランスミッション制御装置50,ブレーキ制御装置140の間においては、情報の通信が行われる。エンジン制御装置20からトランスミッション制御装置50へはシフト位置に関する情報が出力される。エンジン制御装置20からブレーキ制御装置140へは、保持指令を表す情報,減圧指令を表す情報,一時保持後減圧指令を表す情報(液圧制御指令情報または制動力制御指令情報と総称することができる)等が供給され、ブレーキ制御装置140からエンジン制御装置20へは、ブレーキスイッチ184の状態を表す情報、ホイールシリンダ液圧を表す情報等が供給される。これら情報の通信は、当該情報を要求する情報に応じて出力するようにしても、出力部のメモリに記録しておき、常時、読み取り可能な状態としてもよい。
【0021】
エンジン制御装置20においては、ブレーキ制御装置140から供給されるブレーキスイッチ184の状態を表す情報等に基づいてエンジン停止条件が満たされるか否か、エンジン再始動条件が満たされるか否か、発進条件が満たされるか否かが判定される。本実施形態においては、エンジン再始動条件と発進条件とが同じとされる。また、ブレーキ制御装置140から供給されるホイールシリンダ液圧を表す情報等に基づいて制動力制御装置が正常か異常か(減圧不足異常が生じたか否か)が判定される。
ブレーキ制御装置140においては、液圧制御弁80のソレノイド134への供給電流等が、エンジン制御装置20から供給される保持指令,減圧指令,一時保持後減圧指令に基づいて制御される。
【0022】
以上のように構成された車両制御装置において駆動源停止制御が行われる場合について説明する。本実施形態においては、エンジン停止許可スイッチ162がON状態にある場合において、▲1▼車速がほぼ0であること、▲2▼ブレーキペダル60が操作中であること、▲3▼アクセルスイッチ150がOFF状態にあること、▲4▼シフト位置が非駆動位置(パーキング「P」)にあることの4つが満たされ、その状態が設定時間以上継続した場合にエンジン停止条件が満たされたとされる。インジェクタ22の制御により、燃焼室への燃料噴射が阻止され、エンジン10が停止させられる。エンジン10が停止させられる場合においては、液圧は保持される。
また、ブレーキペダル60の操作が解除されたことが検出された場合に、エンジン再始動条件が成立したとされるとともに発進条件が成立したとされる。スタータモータ14とエンジン10の出力軸34との間に設けられたクラッチが係合状態にされるとともに、スタータモータ14の制御およびインジェクタ22が制御されることによりエンジン10が始動させられる。ブレーキペダル60の操作が解除され、アクセルペダル149が操作されていない場合には一時保持後減圧指令が供給され、アクセルペダル149が操作された状態にある場合には減圧指令が供給される。
【0023】
エンジン再始動条件が成立してから設定時間が経過した時点以降に、減圧不足異常が生じたか否かが判定される。減圧不足異常は、▲1▼液圧制御弁80において供給電流量に応じて弁子130が弁座132から離間させられない場合、▲2▼ソレノイド134に電流が供給されない場合、▲3▼エンジン制御装置20からブレーキ制御装置140に減圧指令を出力してもブレーキ制御装置140が受信できない場合等に生じる異常であり、これらの場合には、ホイールシリンダの作動液を液圧制御弁80を経て流出させることができなかったり、十分な量で流出させることができなかったりする。これら減圧不足異常が検出された場合には、そのことを運転者に警告し、エンジン10の駆動力を減少させる。インジェクタ22の制御により供給燃料が抑制されるのである。供給燃料は0にされてもよい。液圧が設定圧以下に下がらない場合に、大きな駆動力を発生させることは望ましくないからである。
燃料供給量は、例えば、エンジン再始動時に供給された燃料供給量(例えば、シフト位置に基づいて決定された供給量としたり、予め定められた供給量としたりすることができる)に1より小さい一定比率を乗じた量まで低減させることができる。
【0024】
図4のフローチャートにおいて、S101,102において、ブレーキ制御装置140から供給されるブレーキスイッチ184の状態を表す情報が読み取られ、ブレーキスイッチ184がON状態か否かが判定される。ブレーキペダル60の操作状態が保たれている場合には、判定がYESとなり、S101,102が繰り返し実行される。操作が解除された場合には、エンジン再始動条件,発進条件が満たされたとされ、S103において、エンジン10が再始動させられ、S104において、アクセルペダル149が踏み込まれた状態にあるか否かが判定される。
アクセルペダル149が踏み込まれた状態にあるには、S105において、減圧指令(制動力解除指令)が出力され、設定時間Tが経過するのが待たれる。設定時間Tが経過し、判定がYESとなれば、S107において、ホイールシリン液圧Pが、ブレーキ制御装置140から供給される情報を読み取ることによって取得され、S108において、ホイールシリンダ液圧Pが設定液圧Ps (第二設定制動力に対応)より小さいか否かが判定される。設定時間Tは、液圧制御弁80の制御により、ホイールシリンダ液圧が設定液圧Ps より下がっているはずの時間である。
【0025】
それに対して、アクセルペダル149が踏み込まれていない場合には、S109において一時保持後減圧指令(制動力一時保持後解除指令)が出力される。ブレーキ制御装置140は、液圧制御弁80への供給電流量を予め定められた設定時間だけその大きさに保った後、減少させることになる。その後、S110,107,108において、予め定められた設定時間T′の経過後に、実際のホイールシリンダ液圧Pが読み取られ、設定圧Ps より小さいか否かが判定される。上記設定時間T′は、一時保持後減圧指令に応じて実際のホイールシリンダ液圧が保持される時間と、上述の設定時間Tとに基づいて決定された時間であり、例えば、これらの和の時間とすることができる。
【0026】
実ホイールシリンダ液圧Pが設定液圧Ps より小さい場合には、液圧制御弁80等は正常であるとされる。ホイールシリンダの作動液が液圧制御弁80を経てマスタシリンダ62に戻され、減圧される。それに対して、設定圧Ps より大きい場合には、減圧不足異常が生じたとされる。液圧制御弁80を経てホイールシリンダの作動液が全く流出させられないかあるいは十分に流出させられないかのいずれかの状態にある。S111において警報装置167が作動させられ、S112において、エンジン10の駆動力が小さくされる。
【0027】
本実施形態における駆動源停止制御を図5に基づいて時系列的に説明する。エンジン停止条件が満たされると、エンジン制御装置20は、ブレーキ制御装置140に液圧保持指令を出力する。ブレーキ制御装置140においては、液圧制御弁80への供給電流量を、ホイールシリンダ液圧を保持可能な大きさとし、その値に保つ。そして、エンジン10を停止させる。なお、エンジン10を停止させる際に、ホイールシリンダ液圧が車両を停止状態に保つのに不足している場合には、動力式増圧装置110の作動により、ホイールシリンダ液圧を増圧させた後に、保持することもできる。
エンジン10の停止中において、ブレーキペダル60の操作が解除されれば、発進条件が満たされたとされるが、この場合にアクセルペダル149が操作状態にある場合には、エンジン制御装置20は減圧指令を出力し、アクセルペダル149が非操作状態にある場合には、一時保持後減圧指令を出力する。しかし、ブレーキ制御装置140はエンジン制御装置20から供給された減圧指令を受信していない場合や、液圧制御弁80において、供給電流量の減少に応じて弁子130が弁座132から離間しない場合や、ソレノイド134の電流が減少されない場合等がある。これらの場合には、全く減圧しなかったり、十分に減圧しなかったりする。そこで、減圧指令が出力されてから設定時間が経過した後のホイールシリンダ液圧が設定圧以上である場合には、減少不足異常が生じたとし、警報装置167を作動させ、エンジンの駆動力を抑制するのである。
【0028】
このように、減圧制御後のホイールシリンダ液圧に基づけば、液圧制御弁80の作動が正常か異常かを容易に検出することができる。また、異常であるとされた場合には、そのことを、運転者に知らせることができる。さらに、異常であるとされた場合には、エンジン10の駆動力が抑制されるため、燃費が悪くなることを回避することができる。
なお、アクセルペダル149が操作された場合に減圧指令が出力され、アクセルペダル149が操作されない場合に一時保持後減圧指令が出力されるようにすることが不可欠ではなく、アクセルペダル149の操作の有無に係わらず、減圧指令あるいは一時保持後減圧指令が出力されるようにすることもできる。また、減圧不足異常が検出された場合に、警報装置167を作動状態とすることは不可欠ではなく、駆動力を減少させるだけでもよい。逆に、駆動力を減少させないで警報装置167を作動させるだけでもよい。運転者に異常であることを知らせたことによって、運転者がアクセル開度を小さくすれば、同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、エンジン再始動時の制御は上記実施形態におけるそれに限らず、例えば、シフトレバー48が駆動位置に切り換えられた場合にエンジン10を再始動させ、ブレーキペダル60の操作が解除された場合に制動力を減少させるようにすることもできる。
【0030】
以上のように、本実施形態においては、液圧制御弁80,ホイールシリンダ液圧センサ188,ブレーキ制御装置140のホイールシリンダ液圧を表す情報をエンジン制御装置20に出力する部分、液圧制御弁80を制御する部分、エンジン制御装置20の制動力に関する演算を行い、それに応じた指令をブレーキ制御装置140に出力する部分等により制動力制御装置が構成される。制動力制御装置のうちの、ホイールシリンダ液圧センサ188,ブレーキ制御装置140のホイールシリンダ液圧を表す情報を出力する部分、エンジン制御装置20のS107,108を実行する部分等によって制動力検出装置が構成され、エンジン制御装置20のS108を実行する部分等によって異常検出装置が構成される。
また、モータジェネレータ14,インバータ16,インジェクタ22,エンジン制御装置20等によって駆動源制御装置が構成されるが、そのうちの、エンジン制御装置20のS112を実行する部分、それに応じてインジェクタ22を制御する部分等により駆動力減少装置が構成される。
【0031】
なお、上記実施形態においては、図4のフローチャートで表されるプログラムがエンジン制御装置20において実行されたが、ブレーキ制御装置140において実行されるようにしてもよい。また、エンジン制御装置20,トランスミッション制御装置50,ブレーキ制御装置140の3つのコンピュータを備えることは不可欠ではなく、1つのコンピュータにおいて実行されるようにしてもよい。
【0032】
さらに、液圧制動装置の構造は、上記実施形態におけるそれに限らず他の構造のものであってもよい。例えば、液圧制御弁80を設けることは不可欠ではなく、電磁開閉弁とすることもできる。また、ホイールシリンダ液圧を検出する圧力センサ188は、ホイールシリンダ毎に設けてもよい。さらに、ポンプ通路90に作動液を供給する作動液供給通路は、作動液供給通路102と高圧作動液供給通路106との両方を設けることは不可欠ではなく、いずれか一方のみでもよい。また、アンチロック制御,トラクション制御,ビークルスタビリティ制御中に異常を検出することもできる。逆に、これらの制御が行われることは不可欠ではない。さらに、上記実施形態においては、車両制御装置がエンジンによって駆動される車両に適用されたが、エンジンおよび電気的駆動源によって駆動される車両やエンジンではなく電動的駆動源によって駆動される車両に適用することもできる。その他、〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である制動力制御装置を含む車両制御装置を含む車両の一部を示す図である。
【図2】上記車両に含まれる液圧制動装置を表す回路図である。
【図3】上記液圧制動装置に含まれる液圧制御弁を概念的に示す図である。
【図4】上記車両制御装置に含まれるエンジン制御装置のROMに記憶された駆動源停止制御プログラムの一部(制動力制御装置異常検出プログラム)を表すフローチャートである。
【図5】上記車両制御装置において駆動源停止制御が実行された場合の車両状態とブレーキ制御装置の状態とをそれぞれ時系列的に示した図である。
【符号の説明】
10 エンジン
14 モータジェネレータ
20 エンジン制御装置
22 インジェクタ
80 液圧制御弁
140 ブレーキ制御装置
162 エンジン停止許可スイッチ
184 ブレーキスイッチ
188 ホイールシリンダ液圧センサ
Claims (6)
- 車両停止中であってブレーキ操作が行われていることを含む駆動源停止条件が満たされた場合にその車両の駆動源が自動で停止させられ、ブレーキ操作が解除された時に発進条件が満たされたとして、前記駆動源が自動で再始動させられる車両に設けられ、(a)その駆動源が停止させられている間、前記車両に加えられる制動力を、第一設定制動力以上に保持する制動力保持部と、 (b) 前記発進条件が満たされた場合に、前記制動力保持部によって保持されていた制動力を減少させる制動力減少部とを含む制動力制御装置に、
実際の制動力を検出する制動力検出装置と、
前記発進条件が満たされてから、当該制動力制御装置が正常である場合に、前記制動力減少部の制御により、制動力が、前記第一設定制動力以上から、第一設定制動力以下の0より大きい第二設定制動力より小さくなるのに要する時間で決まる設定時間が経過した時点以降に、前記制動力検出装置によって検出された制動力が、前記第二設定制動力以上である場合に、当該制動力制御装置が異常であるとする異常検出装置と
を設けたことを特徴とする制動力制御装置。 - 前記異常検出装置が、前記制動力検出装置によって検出された制動力が0に近い大きさに設定された前記第二制動力以上である場合に、異常であるとする検出部を含む請求項1に記載の制動力制御装置。
- 当該制動力制御装置が、前記車両の車輪に設けられたブレーキを作動させるブレーキシリンダの液圧を制御する装置であって、 (a) ソレノイドを有し、前記ブレーキシリンダの液圧を制御可能な液圧制御弁と、 (b) 前記発進条件が満たされた場合に、前記液圧制御弁への供給電気エネルギを制御することにより、前記ブレーキシリンダの液圧を減圧させる電気エネルギ制御部とを含む液圧制御装置を含み、前記制動力検出装置が、前記ブレーキシリンダの液圧を検出する液圧検出装置を含み、前記異常検出装置が、前記発進条件が満たされてから前記設定時間が経過した時点以降に前記液圧検出装置によって検出された液圧が、予め定められた0より大きい設定液圧以上である場合に、前記液圧制御装置が異常であるとする液圧制御異常検出装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の制動力制御装置。
- 前記異常検出装置によって当該制動力制御装置が異常であるとされた場合に警告を発する警告装置を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の制動力制御装置。
- 当該制動力制御装置が、前記発進条件が満たされた場合に制動力解除指令が出力された場合には制動力を直ちに減少させ、制動力一時保持後解除指令が出力された場合には予め定められた保持時間が経過した後に制動力を減少させる手段を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の制動力制御装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の制動力制御装置と、
前記異常検出装置によって、前記制動力制御装置が異常であるとされた場合に、前記車両の駆動源の駆動力を自動で減少させる駆動力減少装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。
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