JP4648661B2 - 車両用ブレーキ装置の故障診断装置および車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法 - Google Patents

車両用ブレーキ装置の故障診断装置および車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法 Download PDF

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本発明は、車両用ブレーキ装置の故障診断装置およびその診断方法に関する。
従来より、車両に搭載された各種装置に生じ得る異常を事前に把握すべく、車両の運転サイクル中にアクチュエータ・センサ類の動作状態を診断し、これらの装置が故障しているか否か判断する故障診断装置が知られている。例えば、特許文献1には、車輪に制動力を与えるブレーキ装置の異常を検出する手法が開示されている。この手法によれば、ホイールシリンダの液圧を制動力として検出し、この検出値を判定値と比較することにより、ブレーキ装置が異常であるか否かが判断される。
特開2001−39278号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、制動力を液圧から推定するため、これを直接的に特定することができない。そのため、実際に車輪に与えられる制動力を精度よく特定することが困難であり、ひいては、診断結果の精度低下を招くという問題がある。
そこで、本発明の目的は、ブレーキ装置の異常を精度よく判断することである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、車輪に制動力を与える車両用ブレーキ装置の故障診断装置を提供する。この車両用ブレーキ装置の故障診断装置は、車輪に作用するブレーキトルクまたは車輪に作用する前後力を作用力として直接的に検出する検出部と、車両用ブレーキ装置としてのアンチロックブレーキシステムが動作しているか否かを判定する判定部と、検出部によって検出された作用力を、判定部の判定結果に応じて可変に設定される判定値と比較することにより、アンチロックブレーキシステムが故障しているか否かを判断する診断部とを有し、診断部は、判定部によってアンチロックブレーキシステムが動作していると判定された場合には、検出部とは異なる他の検出部の検出値に基づいて、車両の減速度を算出し、この減速度に基づいて推定された作用力を判定値として用いる。
また、第1の発明において、診断部は、判定部によってアンチロックブレーキシステムが動作していないと判定された場合には、予め設定された基準値を判定値として用いることが好ましい。
さらに、第1の発明において、アンチロックブレーキシステムは、車両に設けられている車輪のそれぞれに制動力を与えており、検出部は、車輪のそれぞれを対象として、作用力を検出しており、診断部は、車輪毎に、判定値と作用力との比較を行い、故障と判断される車輪数とアンチロックブレーキシステムの異常原因との対応関係に基づいて、アンチロックブレーキシステムにおける異常原因を特定することが好ましい。
第2の発明は、車輪に制動力を与える車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法を提供する。この車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法は、車輪に作用するブレーキトルクまたは車輪に作用する前後力を作用力として、検出部によって直接的に検出する第1のステップと、車両用ブレーキ装置としてのアンチロックブレーキシステムが動作しているか否かを判定する第2のステップと、検出された作用力を、アンチロックブレーキシステムが動作しているか否かの判定結果に応じて可変に設定される判定値と比較することにより、アンチロックブレーキシステムが故障しているか否かを判断する第3のステップとを有し、第3のステップにおいて、判定部によってアンチロックブレーキシステムが動作していると判定された場合には、検出部とは異なる他の検出部の検出値に基づいて、車両の減速度を算出し、この減速度に基づいて推定された作用力を判定値として用いる。
また、第2の発明において、第のステップは、アンチロックブレーキシステムが動作していないと判定された場合には、予め設定された基準値を判定値として用いるステップであることが好ましい。
本発明によれば、車輪に作用するブレーキトルクまたは前後力が、作用力として直接的に検出される。この作用力の検出値は、ブレーキ装置としてのアンチロックブレーキシステムの動作状態に応じて可変に設定される判定値Tthと比較され、これにより、アンチロックブレーキシステムが故障しているか否かが判断される。このように、制動力と相関性が高い作用力を直接的に検出することで、アンチロックブレーキシステムが故障しているか否かを有効に判断することができる。また、作用力を直接的に検出している関係上、検出値には故障状態が反映されるため、アンチロックブレーキシステムの異常を精度よく判断することが可能となる。
図1は、本実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の故障診断装置が適用された車両の説明図である。この車両は、前後四輪がそれぞれ駆動される四輪駆動車である。エンジン1のクランクシャフト(図示せず)からの動力は、自動変速機2、センタディファレンシャル装置3を介して、前輪側および後輪側の駆動軸(車軸)4へとそれぞれ伝達される。車軸4に動力が伝達されると、各車輪5に回転トルクが与えられ、これにより、個々の車輪5に駆動力が発生する。
この四輪駆動車には、それぞれの車輪5に独立して制動力を与えるブレーキ装置であるアンチロックブレーキシステム(以下「ABS」という)6が設けられている。このABS6は、各車輪5に対応して設けられるブレーキ手段6aと、これらのブレーキ手段6aを駆動するブレーキ駆動部6bと、このブレーキ駆動部6bを制御するブレーキ制御部6cとを主体に構成されている。
ブレーキ手段6aは、ブレーキパッド、キャリパおよびディスクロータを主体に構成された周知の油圧式ブレーキ手段である。このブレーキ手段6aは、キャリパによってブレーキパッドをディスクロータに押圧することにより、両者の摩擦力に応じたブレーキトルクを車輪5に加え、これにより、車輪5に制動力を与える。キャリパの動作は、キャリパ内に設けられたホイールシリンダに供給される油圧(フルード圧)を調整することにより制御可能となっている。
ブレーキ駆動部6bは、一般に、ハイドロリックコントロールユニットと呼ばれており、モータ、ソレノイドバルブ等で構成されている。このブレーキ駆動部6bは、フルード通路6dを介して、マスターシリンダ6eに接続されるとともに、各ブレーキ手段6a(正確には、ホイールシリンダ)にも接続されている。このマスターシリンダ6eには、ドライバーによって操作されるブレーキペダルBPが接続されている。例えば、ブレーキペダルBPを踏込むことにより、マスターシリンダ6eからブレーキ駆動部6bを通じ、4輪の各ブレーキ手段6a(具体的には、ホイールシリンダ)に対してブレーキフルードが圧送される。これにより、ホイールシリンダの圧力が上がり、車輪5に制動力が与えられる。ブレーキ駆動部6bは、通常ブレーキモード(非ABSモード)と、3つのABSモード(増圧、保持、減圧)とで構成される4つのモードで動作する。
ブレーキ制御部6cは、ドライバーによってブレーキペダルBPが踏込まれた場合、各車輪5の回転状態および車両速度に基づいて、アンチロックブレーキを行うべきか否かを判断する。この判断を行う前提として、ブレーキ制御部6cには、各車輪5の車輪速度を検出する車輪速センサ7からの検出信号が入力されている。検出された車輪速度は、車輪5の回転状態を判断するために用いられるとともに、4つの車輪速度の総和から、車両速度を推定するためにも用いられる。ブレーキ制御部6cは、アンチロックブレーキを行うべきと判断した場合には、車輪5の回転状態、車両速度等に基づいて、増圧、保持および減圧のうちのいずれかの油圧モードを選択する。そして、選択されたモードに応じた制御信号がブレーキ駆動部6bに出力される。一方、アンチロックブレーキを行うべきでないと判断した場合には、通常ブレーキモードに応じた制御信号がブレーキ駆動部6bに対して出力される。
図2は、ABS6の故障診断装置8のブロック構成図である。故障診断装置8は、ABS6の故障診断を行う故障診断部9を主体に構成されている。故障診断部9としては、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この故障診断部9には、診断を実行するために必要な各種の信号が入力されている。この信号としては、ABS6(正確には、ブレーキ駆動部6b)の現在の動作モード示すモード信号Sigm、ABS6(正確には、ブレーキ制御部6c)によって演算される車両速度を示す速度信号Sigv、検出部10による検出信号が挙げられる。
図3は、作用力の説明図である。検出部10は、車輪5に作用する作用力を検出する。なお、説明の便宜上、図2には、検出部10相当のブロックを一つのみ示しているが、実際には、個々の車輪5に対応して検出部10が設けられている。検出部10によって検出される作用力は、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを含む三方向の分力と、ブレーキトルクTとである。前後力Fxは、車輪5の接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向(x軸)に発生する分力であり、横力Fyは、車輪中心面に直角な方向(y軸)に発生する分力である。一方、上下力Fzは、鉛直方向(z軸)に作用する力、いわゆる、垂直荷重である。ブレーキトルクTは、車輪5の回転軸回りのトルク(ねじり力)である。本実施形態では、これらの作用力のうち、ブレーキトルクTが重要になる。個々の検出部10は、ひずみゲージと、このひずみゲージから出力される電気信号を処理し、作用力に応じた検出信号を生成する信号処理回路とを主体に構成されている。車軸4に生じる応力は作用力に比例するという知得に基づき、ひずみゲージを車軸4に埋設することにより、作用力が直接的に検出される。なお、検出部10の具体的な構成については、例えば、特開平04−331336号公報および特開平10−318862号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
故障診断部9は、これを機能的に捉えると、判定部9aと、診断部9bとを有する。判定部9aは、ABS6から出力されるモード信号Sigmに基づいて、ABS6が動作しているか否かを判定する。故障診断部9は、検出部10によって検出されたブレーキトルクTを、ABS6の動作状態に応じて可変に設定される判定値Tthと比較することにより、ABS6が故障しているか否かを判断する。
図4は、本実施形態にかかる診断手順を示すフローチャートである。本ルーチンは、所定の間隔で呼び出され、故障診断部9によって実行される。まず、ステップ1において、ブレーキトルクTの検出値Tdetが挙げられる。
ステップ2において、ABS6が動作しているか否かが判断される。本実施形態では、診断精度の向上を図るべく、ABS6の動作状態に応じて判定値Tthが可変に設定される。この動作状態は、ABS6がどの様に動作しているかといった動的な状態のみならず、ABS6が非動作であるといった静的な状態を含む。そこで、このステップ2では、まず、ABS6が静的な状態にあるか(非動作)、或いは動的な状態にあるか(動作)の判断が行われる。ABS6が動作している場合、ブレーキ制御部6cは、ブレーキ駆動部6bに対して通常ブレーキモード、或いは、3つのABSモードのうちのいずれかのABSモードを指示している。そのため、モード信号Sigmが出力されている場合には、ABS6が動作していると判断することができ、一方、モード信号Sigmが出力されていない場合には、ABS6が動作していないと判断することができる。このステップ2において肯定判定された場合、すなわち、ABS6が動作している場合には、ステップ3に進む。一方、ステップ2において否定判定された場合、すなわち、ABS6が動作していない場合には、ステップ6に進む。
ステップ3において、車両の減速度に基づいて、ブレーキトルクTの推定値Testが算出される。通常のブレーキ動作では、ブレーキ手段6aにより、ブレーキペダルBPの踏込量に応じた減速度で車両が減速するように、ブレーキトルクTが各車輪5に加えられる。そのため、現在の車両の減速度を特定することにより、各車輪5に加えられているブレーキトルクTを推定することができる。すなわち、この推定値Testは、ABS6によって車輪5に加えられるべきブレーキトルクTの理想値を意味する。ブレーキトルクTの推定において必要となる減速度は、ブレーキ制御部6cによって演算されている車両速度を参照し、この値の単位時間あたりの変化量を算出することにより、特定することができる。なお、減速度は、車両速度から特定する以外にも、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサの検出値に基づいて、特定してもよい。
ステップ4では、ブレーキトルクTの推定値Testを判定値Tthとして用い、ブレーキトルクTの検出値Tdetがこの判定値Tthと比較される。ABS6が動作し、かつ、正常である場合には、四輪全体としてバランスがとれるように制動力が付与されるため、個々の車輪5に作用するブレーキトルクTは、ある規定内の値となる。そこで、このステップ4では、まず、車輪毎に、検出値Tdetと判定値Tthとの差、すなわち、誤差が算出される。そして、各車輪5について算出された誤差の相対的なばらつきが、予め実験やシミュレーションを通じて設定された許容範囲内に収まっているか否かが判断される。このステップ4において肯定判定された場合、すなわち、誤差のばらつきが許容範囲内である場合には、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ4において否定判定された場合、すなわち、誤差のばらつきが許容範囲よりも大きい場合には、ステップ5に進む。
ステップ5において、診断処理が行われ、異常原因が特定される。具体的には、診断部9bは、ブレーキパッドの消耗、フェード現象の発生等を異常原因として診断する。また、ブレーキトルクTの検出値Tdetの立ち上がりに遅れが存在する場合、すなわち、検出値Tdetが経時的に判定値Tthに近づくような傾向がある場合には、油圧系内へのエア混入、或いはブレーキ駆動部6bの動作異常が異常原因として特定される。なお、ここでは詳述しないが、診断結果は、故障診断部9のバックアップRAMにストアされる(後述するステップ7も同様)。そして、故障診断部9のの図示しない外部接続コネクタに携帯型故障診断装置(シリアルモニタ)を接続し、診断結果を読み出すことで故障診断結果を知ることができる。また、異常判定時は、インストルメントパネルに配設され故障診断部9の出力ポートに接続された警報ランプを点灯することでドライバーに異常を報知してもよい。
一方、ステップ6では、予め設定されている基準値を判定値Tthとして用い、ブレーキトルクTの検出値Tdetと判定値Tthとを比較する。ABS6がブレーキ動作を実行していない場合、基本的には、車輪5にブレーキトルクTが作用することはなく、各車輪5のブレーキトルクTの検出値Tdetに基づいて、故障を判断することができる。判定値である基準値は、エンジンブレーキ等の影響を考慮して、ABS6の非動作時におけるブレーキトルクTの最大許容値として、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている(例えば、50N・m)。そこで、この比較処理では、各車輪5におけるブレーキトルクTの検出値Tdetが、判定値Tthよりも小さいか否かが判断される。このステップ6において肯定判定された場合、すなわち、それぞれの車輪5に関する検出値Ttedが判定値Tth以下の場合には、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ6において否定判定された場合、すなわち、4つの車輪5のいずれかに関する検出値Tdetが判定値Tthよりも大きい場合には、ステップ7に進む。
ステップ7では、診断処理が行われる。この処理では、検出値Tdetが、判定値Tthよりも大きい値となった車輪、すなわち、故障していると判断された車輪の数に応じて、以下の診断を行う。なお、故障と判断される車輪数と、ABS6の異常原因との対応関係は、実験やシミュレーションを通じて予め作成されており、この対応関係に基づいて、ABS6における異常原因が特定される。
(1)一輪
ブレーキ手段6aにおけるキャリパの戻り不良、ブレーキ駆動部6bの異常が故障原因として特定される。
(2)二輪以上
ブレーキ手段6aにおけるキャリパの戻り不良、マスターシリンダ6eにおける戻り不良、ブレーキ制御部6cの異常が故障原因として特定される。また、フルード通路6dが同一系統に属する車輪5において故障が判断されている場合には、液圧系統の異常、ブレーキ駆動部6bの異常、或いはブレーキ制御部6cの異常が、故障原因として特定される。
このように本実施形態によれば、ABS6の動作時には、運転状態から推定されるブレーキトルクTの推定値Testを判定値Tthとして用いて、この判定値Tthと検出値Tdetとが比較される。ブレーキトルクTの推定値Testは、ABS6の動作状態に応じて動的に変化するブレーキトルクTの理想値である。そのため、この推定値Testと検出値detとを比較することにより、ABS6の異常を検出することができる。また、ABS6が動作していない状態では、基本的に、車輪5にブレーキトルクTが作用することはない。そのため、静的な動作状態では、不必要なブレーキトルク、いわゆる、引摺り状態を判断し得る基準値を適切に設定し、これを検出値detとを比較することにより、ABS6の異常を検出することができる。さらに、本実施形態では、制動力と密接な相関関係にあるブレーキトルクと直接的に検出しているので、これをモニタリングすることにより、ABS6が故障しているか否かを有効に判断することができる。当然ながら、ブレーキトルクTを直接的に検出している関係上、検出値にはABS6の故障状態が反映されるため、ABS6の異常を精度よく判断することが可能となる。
なお、ブレーキトルクTの推定値Testは、減速度のみならず、ブレーキ液圧といった車両の運転状態に基づいて算出することができる。このブレーキ液圧は、マスターシリンダ6eの液圧を検出する圧力センサを用いて検出することができる。また、本実施形態では、ドライバーによってブレーキペダルBPが踏込まれた際に、ABS6の故障診断を行っているが、故障診断のタイミングはこれに限定されない。当然ながら、車間距離対応型のクルーズコントロール制御、車両運動制御といった種々の自動制動のタイミングにおいて、上述した故障診断を実行してもよい。
また、本実施形態では、ブレーキトルクTを用いてABS6の故障判定を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、前後力Fxといったように、ABS6の動作に起因して車輪5に作用する作用力、すなわち、制動力と相関性がある力を用いたとしても、上述した実施形態と同様の効果を奏する。また、この故障診断装置は、異常とは判断しないものの、判定値Tthと検出値Tdetとの間に誤差がある場合には、この誤差をABS6にフィードバックしてもよい。これにより、ABS6が誤差に基づいてフィードバック制御を行うことにより、ABS6の制御精度の向上を図ることができる。
本実施形態において、検出部10は、作用力として、三方向に作用する分力およびブレーキトルクを検出する構成であるが、本発明は、これに限定されるのもではなく、必要となる分力方向に作用する作用力(本実施形態では、ブレーキトルクTおよび前後力Fx)を検出可能であれば足りる。また、この三方向回りのモーメントをも含む六分力を検出する六分力計であってもよい。かかる構成であっても、故障診断において必要となる作用力は少なくも検出することができるので、当然ながら問題はない。なお、車輪5に作用する六分力を検出する手法については、例えば、特開2002−039744号公報、特開2002−022579号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
また、本実施形態では、検出部10を車軸4に埋設するケースを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のバリエーションも考えられる。作用力を検出するという観点でいえば、例えば、車輪5を保持する部材、例えば、ハブやハブキャリア等に検出部10を設けてもよい。なお、検出部10をハブに設ける手法については、特開2003−104139号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
本実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の故障診断装置が適用された車両の説明図 故障診断装置のブロック構成図 作用力の説明図 本実施形態にかかる診断手順を示すフローチャート
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 センタディファレンシャル装置
4 車軸
5 車輪
6 ABS
6a ブレーキ手段
6b ブレーキ駆動部
6c ブレーキ制御部
6d フルード通路
6e マスターシリンダ
7 車輪速センサ
8 故障診断装置
9 診断部
10 検出部

Claims (5)

  1. 車輪に制動力を与える車両用ブレーキ装置の故障診断装置において、
    前記車輪に作用するブレーキトルクまたは前記車輪に作用する前後力を作用力として直接的に検出する検出部と、
    前記車両用ブレーキ装置としてのアンチロックブレーキシステムが動作しているか否かを判定する判定部と、
    前記検出部によって検出された前記作用力を、前記判定部の判定結果に応じて可変に設定される判定値と比較することにより、前記アンチロックブレーキシステムが故障しているか否かを判断する診断部とを有し、
    前記診断部は、前記判定部によって前記アンチロックブレーキシステムが動作していると判定された場合には、前記検出部とは異なる他の検出部の検出値に基づいて、車両の減速度を算出し、当該減速度に基づいて推定された作用力を前記判定値として用いることを特徴とする車両用ブレーキ装置の故障診断装置。
  2. 前記診断部は、前記判定部によって前記アンチロックブレーキシステムが動作していないと判定された場合には、予め設定された基準値を前記判定値として用いることを特徴とする請求項1に記載された車両用ブレーキ装置の故障診断装置。
  3. 前記アンチロックブレーキシステムは、車両に設けられている前記車輪のそれぞれに制動力を与えており、
    前記検出部は、前記車輪のそれぞれを対象として、前記作用力を検出しており、
    前記診断部は、前記車輪毎に、前記判定値と前記作用力との比較を行い、故障と判断される車輪数と前記アンチロックブレーキシステムの異常原因との対応関係に基づいて、前記アンチロックブレーキシステムにおける異常原因を特定することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載された車両用ブレーキ装置の故障診断装置。
  4. 車輪に制動力を与える車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法において、
    前記車輪に作用するブレーキトルクまたは前記車輪に作用する前後力を作用力として、検出部によって直接的に検出する第1のステップと、
    前記車両用ブレーキ装置としてのアンチロックブレーキシステムが動作しているか否かを判定する第2のステップと、
    前記検出された作用力を、前記アンチロックブレーキシステムが動作しているか否かの判定結果に応じて可変に設定される判定値と比較することにより、前記アンチロックブレーキシステムが故障しているか否かを判断する第3のステップとを有し、
    前記第3のステップにおいて、前記アンチロックブレーキシステムが動作していると判定された場合には、前記検出部とは異なる他の検出部の検出値に基づいて、車両の減速度を算出し、当該減速度に基づいて推定された作用力を前記判定値として用いることを特徴とする車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法。
  5. 前記第3のステップは、前記アンチロックブレーキシステムが動作していないと判定された場合には、予め設定された基準値を前記判定値として用いるステップであることを特徴とする請求項に記載された車両用ブレーキ装置における故障診断の診断方法。
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