JP3757414B2 - 集塵/カウント装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密部品やその組立て部品に付着したコンタミの集塵/カウント装置に関し、特に、ハ−ドディスクアセンブリの部品,並びにその組立品等に付着したコンタミを集塵/カウントするのに好適な集塵/カウント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来より一般に使用されている集塵/カウント装置の要部説明図で、集塵/カウント対象物として、ハ−ドディスクアセンブリの部品を使用した例に付いて説明する。
【0003】
図13に示すように、ハ−ドディスクアセンブリの部品1を超純水2で超音波洗浄し、剥離したパ−ティクル3を含む超純水2を、 液体用パ−ティクルカウンタ−を用いパ−ティクルの数を測定する。
【0004】
または、その液体2をフィルタ4でフィルタリングし、パ−ティクル3を集め、パ−ティクルアナライザ等を用い分析する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、集塵/カウント技術が向上し、より細かい微粒径の パ−ティクルについても測定出来るようになって来ると、以下のような問題が発生する。
(1)超純水中のパ−ティクルが無視できなく,かつビ−カ−等の容器コンタミの影響も大きく,バックグランドを取るのに多大の時間並びに高度なテクニックを必要とする。
【0006】
(2)超音波洗浄することにより、必要以上の(通常なら落ちない)パ−ティクルを落してしまい,測定結果の信頼性を低下させていた。
【0007】
(3)液体用パ−ティクルカウンタ−では、超音波洗浄により発生した気泡をもカウントしてしまい,特に、微粒径の パ−ティクルの再現性を得ることが、ほとんど不可能であった。
【0008】
(4)超純水中のパ−ティクルをフィルタ−上に捕集する手間がかかる上,水に溶けるパ−ティクルについては捕集出来なかった。
【0009】
(5)浸漬出来ない部品、たとえば、モーターが組み込まれた部品等については測定出来なかった。また、組み立てられた部品については、動作している状態での集塵/カウントができなかった。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、簡単で,再現性の良い測定を可能にするため,ドライ方式の集塵/カウント装置を実現する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明では、請求項1においては、密閉構造のチャンバーと、このチャンバーに設けられた空気流入口と、この気体流入口に設けられたウルパフィルタと、前記チャンバーに設けられた空気流出口と、この空気流出口に接続されたサイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置と、前記チャンバー内に設けられ集塵対象物が取付けられるターンテーブルと、前記集塵対象物に空気を吹き付けるノズルと、前記ターンテーブルを回転する回転軸と前記チャンバーとの隙間に設けられこの隙間を通って前記チャンバー内に侵入しようとする塵を吸引して外部に排出する吸引装置とを具備した事を特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の集塵/カウント装置において、前記ノズルとして、前記ターンテーブルのテーブル面に平行に中心軸が配置されたノズル筒体と、この筒体の周面に設けられ前記集塵対象物に前記テーブル面に直交した方向に空気を吹き付ける少なくとも 1 個のノズル孔とを具備した事を特徴とする
【0013】
本発明の請求項3においては、請求項1記載の集塵/カウント装置において、前記ターンテーブルのテーブル面に直交した方向に中心軸が配置され一端に設けられたノズル孔よりそれぞれ前記集塵対象物の所定個所の内の1個所を個別に所定個所を重複することなく空気を吹き付ける所定個の筒状のノズルを具備した事を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の平面図、図3は図1の要部詳細図、図4は図3のノズルの詳細図、図5は図4の底面図、図6は図1の要部詳細図である。図において、図13と同一記号の構成は同一機能を表す。以下、図13と相違部分のみ説明する。
【0015】
図1において、チャンバー11は、密閉構造をなす。空気流入口12は、このチャンバー11に設けられている。ウルパフィルタ(ULPAフィルタ)13は、この気体流入口12に設けられ、チャンバ−11内にクリ−ンな空気を供給する。
【0016】
空気流出口14は、チャンバー11に設けられている。サイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置15は、この空気流出口14に接続され、この場合は、約1.2m3/minの流量で吸引する。
【0017】
ターンテーブル16は、チャンバー11内に設けられ、集塵対象物Aを乗せる。この場合は、集塵対象物Aとして、ハ−ドディスクアセンブリの部品が使用されている。
【0018】
ノズル17は、集塵対象物Aに空気を吹き付ける。この場合は、図3,図4,図5に示す如く、ノズル17として、ターンテーブル16のテーブル面に平行に中心軸が配置されたノズル筒体171と、この筒体171の周面に設けられ、集塵対象物Aに、テーブル面に直交した方向に空気を吹き付ける少なくとも1個のノズル孔172とを有する。
【0019】
この場合は、ハ−ドディスクアセンブリの部品Aより10mmの位置に配置され,2.5mmピッチで25mmにわたり9個の孔172が開けられ、その孔172から空気をハ−ドディスクアセンブリの部品A上に吹き付ける。
【0020】
この場合は、ターンテーブル16が回転するようになっている。従って、図6に示す如く、ターンテーブル16を回転する回転軸21とチャンバー11との隙間22に設けられ、この隙間22を通ってチャンバー11内に侵入しようとする塵を吸引して、外部に排出する吸引装置23が設けられている。
【0021】
以上の構成において、サイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置15は、空気流出口14に接続され、この場合は、約1.2m3/minの流量で吸引する。
【0022】
ウルパフィルタ13が、気体流入口12に設けられているので、チャンバ−11内にクリ−ンな空気が供給される。集塵対象物Aとしてのハ−ドディスクアセンブリの部品が、タ−ンテ−ブル16に乗せられ,ノズル17から空気が吹き付けられることにより,ハ−ドディスクアセンブリの部品Aに付着しているパ−ティクルは、チャンバ−11内に飛散する。
【0023】
飛散したパ−ティクルは、サイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置15により吸引され,各粒径毎に数がカウントされる。カウントされたパ−ティクルは捕集用フィルタ−に捕獲され,パ−ティクルアナライザー等で分析する事が出来る。
【0024】
タ−ンテ−ブル16を回転させる事により、ハ−ドディスクアセンブリの部品A全面に空気が吹き付けられ,付着しているパ−ティクルを効率よく集塵する事が出来る。
【0025】
図7は、本発明者が測定した一例で、縦軸はパ−ティクルの捕集個数、横軸は測定経過時間(分)を示す。パ−ティクルの大きさは0.3mμ以上である。最初に吸引Eのみを行い、次に、タ−ンテ−ブル16の回転Fの動作を加え、最後に、ノズル17から空気を吹き付けるGの動作を加えるようにした。
【0026】
図7に示す如く、吸引E、回転F、空気の吹き付けGの開始時に、明らかにパ−ティクルが多く捕集されている。従って、吸引E、回転Fすることによる吸引風の当たる方向の変化、空気の強制的吹き付けGの動作の効果があることが分かる。
【0027】
図8に、バックグランドのレベルの一例を示す。縦軸はパ−ティクルの捕集個数、横軸は測定経過時間(分)を示す。パ−ティクルの大きさは0.3mμ以上である。非常に良好なバックグランド状態が得られることが分かる。
【0028】
図9は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図10は図9の要部詳細図、図11は図10の要部A−A矢視図でノズル31と集塵対象物Aとの配置関係を示した図、図12はノズル31の詳細図である。
【0029】
本実施例においては、所定個の筒状のノズル31、この場合は、10個のノズル31は、ターンテーブル16のテーブル面に直交した方向に中心軸が配置され、一端に設けられたノズル孔311より、それぞれ集塵対象物Aの所定個所の内の1個所を個別に所定個所を重複することなく空気を吹き付ける。
【0030】
この場合は、集塵対象物Aとして、ハ−ドディスクアセンブリの部品Aが使用されている。集塵対象物Aの所定個所とは、この場合は、図11に示す如く、ハ−ドディスクアセンブリの部品Aのa〜jの個所がこれに当たる。
【0031】
以上の構成において、所定個のノズル31は、集塵対象物Aに対する位置がずらして配置されているので、ターンテーブル16を回転させることにより、この場合は10個のハ−ドディスクアセンブリの部品の所定個所を一度に集塵/カウントし評価することが出来る。
【0032】
この結果、集塵対象物Aの必要な所定個所a〜jのみを選択して集塵/カウント出来るので、發塵個所を容易に解析する事が出来る集塵/カウント装置が得られる。
【0033】
また、集塵対象物Aの必要な所定個所a〜jのみを選択して集塵/カウント出来るので、効率の良い集塵/カウント装置が得られる。また、図9実施例では、ノズル31の位置を変えて多数使用し、ターンテーブル16を回転させることにより、一度に多量の集塵対象物Aの評価を行うことが出来る集塵/カウント装置が得られる。
【0034】
なを、前述の実施例においては、ターンテーブル16が回転することについて説明したが、これに限る事は無く、ノズル17,31が回転しても良く、また、組立て品の場合は、ターンテーブル16とノズル17,31とを回転させずに、組立て品自体を動作させて、組立て品の動作状態の發塵状態を評価することも出来る。
【0035】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。従来の如き、ウエット処理に起因する問題、又はウエット処理が不可能な物のコンタミ状況を集塵し,測定するためドライ方式による装置を開発した。
【0037】
そして、パ−ティクルを効率よく集塵、測定するため、ノズルによる空気吹き付け方式を併用した。
【0038】
また、パ−ティクルを周囲に発散させないため、チャンバ−内を密閉構造とし、出入り口を2カ所設け、片方からサイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置で大量吸引し、他方はクリ−ンな空気をチャンバ−内に供給するためウルパフィルタ−を取り付ける構造とした。
【0039】
従って、
(1)液体用パーティクルカウンターの如く、超純水中のパ−ティクルの存在を気にすること無く、かつ、ビ−カ−等の容器コンタミの影響を気にすること無く、バックグランドを取るのに多大の時間並びに高度なテクニックを必要としない集塵/カウント装置が得られる。
【0040】
(2)超音波洗浄することにより、必要以上の(通常なら落ちない)パ−ティクルを落してしまい、測定結果の信頼性を低下させる事も無い集塵/カウント装置が得られる。
【0041】
(3)液体用パ−ティクルカウンタ−では、超音波洗浄により発生した気泡をもカウントしてしまい、特に、微粒径の パ−ティクルの再現性を得ることが、ほとんど不可能になる事も無い集塵/カウント装置が得られる。
【0042】
(4)超純水中のパ−ティクルをフィルタ−上に捕集する手間がかかる上、水に溶けるパ−ティクルについては捕集出来ない問題も生じない集塵/カウント装置が得られる。
【0043】
(5)浸漬出来ないような部品、たとえば、モーターが組み込まれた部品等についても測定出来るようになる集塵/カウント装置が得られる。また、組み立てられた部品については、動いている状態での集塵/カウントをも出来るようになる集塵/カウント装置が得られる。
【0044】
(6)ターンテーブルの回転により発生する塵をも防止出来るので、より精度が向上された集塵/カウント装置が得られる。
【0045】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。ハ−ドディスクアセンブリの部品全面に空気が吹き付けられ、付着しているパ−ティクルを効率よく集塵する事が出来る集塵/カウント装置が得られる。
【0046】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。集塵対象物の必要な所定個所のみを選択して集塵/カウント出来るので、發塵個所を容易に解析する事が出来る集塵/カウント装置が得られる。また、集塵対象物の必要な所定個所のみを選択して集塵/カウント出来るので、効率の良い集塵/カウント装置が得られる。
【0047】
従って、本発明によれば、簡単で、再現性の良い測定を可能にした、ドライ方式の集塵/カウント装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1の要部詳細図である。
【図4】 図3のノズルの詳細図である。
【図5】 図4の底面図である。
【図6】 図1の要部詳細図である。
【図7】 図1の動作説明図である。
【図8】 図1の動作説明図である。
【図9】 本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図10】 図9の要部詳細図である。
【図11】 図10の要部A−A矢視図でノズル31と集
塵対象物Aとの配置関係を示した図である。
【図12】 ノズル31の詳細である。
【図13】 従来より一般に使用されている集塵/カウント装置の説明図である。
【符号の説明】
11 チャンバー
12 空気流入口
13 ウルパフィルタ
14 空気流出口
15 サイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置
16 ターンテーブル
17 ノズル
171 ノズル筒体
172 ノズル孔
21 回転軸
31 ノズル
311 ノズル孔
32 第2のモニタ器
33 第1と第2の電荷増幅器
34 第1と第2の電荷増幅器
35 演算器
36 演算器
A 集塵対象物
E 吸引
F 回転
G 空気の吹き付け

Claims (3)

  1. 密閉構造のチャンバーと、
    このチャンバーに設けられた空気流入口と、
    この気体流入口に設けられたウルパフィルタと、
    前記チャンバーに設けられた空気流出口と、
    この空気流出口に接続されたサイクロン式の大流量パーティクル集塵/カウント装置と、
    前記チャンバー内に設けられ集塵対象物が取付けられるターンテーブルと、
    前記集塵対象物に空気を吹き付けるノズルと
    前記ターンテーブルを回転する回転軸と前記チャンバーとの隙間に設けられこの隙間を通って前記チャンバー内に侵入しようとする塵を吸引して外部に排出する吸引装置と
    を具備した事を特徴とする集塵/カウント装置。
  2. 前記ノズルとして、前記ターンテーブルのテーブル面に平行に中心軸が配置されたノズル筒体と、
    この筒体の周面に設けられ前記集塵対象物に前記テーブル面に直交した方向に空気を吹き付ける少なくとも 1 個のノズル孔と
    を具備した事を特徴とする請求項1記載の集塵/カウント装置。
  3. 前記ターンテーブルのテーブル面に直交した方向に中心軸が配置され一端に設けられたノズル孔よりそれぞれ前記集塵対象物の所定個所の内の1個所を個別に所定個所を重複することなく空気を吹き付ける所定個の筒状のノズルと
    を具備した事を特徴とする請求項1記載の集塵/カウント装置。
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