JPH07229617A - バグフィルタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ガス中に含まれるダストを除去するバグフィ
ルタ装置において濾布の寿命を長期化する。 【構成】 装置内に流入するガスが直接濾布１２に衝突
するのを防止するため、ホッパ４の内部に内部コーン９
を設け両者の間を通過させて内部コーン９の下方へ導く
ようにした。また、ガスの流入に伴う旋回流を止める仕
切板１１をホッパ４、内部コーン９間に設けて、内部コ
ーン９からケーシング２に向うアップフローの流速分布
を均一化した。また、円筒形の濾布１２と角形のケーシ
ング２の形状の違いに伴い生じる、ケーシング２隅部で
生じる高速流による濾布１２下部へのダストアタックを
防止するため、濾布１２の下部周囲をガス仕切板１４で
蔽うとともに、ガス仕切板１４とケーシング２の間に分
散板を設置して、ガス流の減速、均一化が行われるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コークス炉、焼結炉等
から排出されるガス中に含まれるダストを除去するため
のバグフィルタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ガス中に微粒子の状態で混入する
ダストを除去するためのパルスジェット形のバグフィル
タ装置は、図４に示すように、側面に設けた流入口０２
からガスを取入れ、バグフィルタ装置０１の下部を構成
する逆円錐形のホッパ０３を通し、ホッパ０３の上端
に、その下端が連結された方形のケーシング０４内に収
容された濾布０５を通過させて、ガス中のダストを除去
した後、ケーシング０４の上端に設けた図示しない流出
口より外部へ放出している。

【０００３】また、コークス炉、焼結炉等から出るガス
中に、摩耗性の大きいダストを含む場合、バグフィルタ
装置０１に流入したガスが濾布０５に直接当たらない様
にするため整流板又は遮断板０６を設けているものもあ
る。なお、図４において０７はダンパ、０８ガス吸込管
を示す。

【０００４】しかしながら、濾布０５に流入するガス速
度の均一化、および低減化は充分行われてなく、摩耗性
の大きいダストを含むガスを処理する場合、濾布０５が
繊維製であるため、偏流あるいは局部的に速いガス速度
により、極めて短時間に摩耗し、その破損により集塵性
能が極端に悪化する不具合がある。

【０００５】即ち、図５は濾布０５に入る直前のケーシ
ング０４横断面に於るガスの流速を示す図で、ａ〜ｊ
は、図４の濾布０５下方の、流出口０２に近い方から左
側へ測定点を１０点設定し、ａ→ｊの順番を付したもの
で、また、１〜１０は紙面の前方から奥へ測定点を１０
点設定し、１→１０の順番を付したものである。同図に
示すように、図４におけるケーシング０４の左右方向ａ
〜ｊ、紙面と直交方向１〜１０の測定点ともに、濾布０
５入口には偏流、あるいは局部的なガス流速にはかなり
のバラツキがあることがわかる。なお、同図において、
ｖは局部的なガス流速、Vaveは平均ガス流速を示す。こ
の様に、濾布０５に流入するガス速度に差があると、前
記したように濾布０５の傷みが厳しく、短いものでは半
年ないし１年で濾布を交換しなければならず、そのため
に、バグフィルタ装置を使用する炉そのものの運転を止
めなければならないという不具合がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のバグフィルタ装置の不具合を解消するため、ダスト
を除去するガスの偏流および局部的な高速流の発生を抑
制し、濾布に均等なガス流速で流入できるようにし、濾
布の寿命を長期化できるバグフィルタ装置を提供するこ
とを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため、本発明のバグ
フィルタ装置は次の手段とした。 （１）下部を細くした逆円錐形でなり、側部に流入口を
形成し、バグフィルタ装置の下部を構成するホッパの内
周面と間隔をおいて、ホッパと同軸に配置され、流入口
からホッパとの間に形成される隙間を経由し、ホッパ下
方に流入したガスが、下端に設けた開口から、その内部
に導入できるようにした内部コーンを設けた。 （２）ホッパの軸心を含む面内の内部コーンの外周面と
ホッパ内周面との間に仕切板を設けた。 （３）角形に形成され、バグフィルタ装置の上部を構成
するケーシングの内部に収容されている円筒形濾布の下
部外面を囲み、ケーシングと平行に配置された筒形のガ
ス仕切板を設けた。 （４）ガス仕切板の外周面下端部とケーシング内周面と
の間に展張され通過するガスを分散する分散板を設け
た。

【０００８】

【作用】バグフィルタ装置では、一般にケーシング内部
に流入したガスは、アップフローで濾布に入り清浄ガス
となってケーシング上端から上部へ流出するが、本発明
のバグフィルタ装置では、上述の手段における内部コー
ンによりケーシング内部に流入した排ガスは直接濾布に
流れず、内部コーン下端を経由してアップフローとなる
ため、濾布に流入するガスの速度を減速できるととも
に、偏流が少なくなる。また、仕切板によりホッパ内部
に流入したガスの旋回流が阻止されるため、ガス速度の
偏流均一化が一層促進される。また、ガス仕切板によ
り、円筒形の濾布が角形ケーシングに収容されているた
めに生じる、角形ケーシングの隅部の流速の大きいガス
の影響によって、濾布下部周縁部に生じるダストアタッ
クを防止できる。さらに、分散板により角形ケーシング
隅部のガス流速が減速されるとともに、分散されて、ガ
ス仕切板とケーシングとの間で整流が行われ、均一化さ
れて、ガス仕切板上方から濾布上部に流入する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明のバグフィルタ装置の実施例を
図面にもとづき説明する。図１は本発明のバグフィルタ
装置の一実施例を示す側断面図、図２は図１の矢視Ａ−
Ａで示す横断面図である。

【００１０】図において、１はバグフィルタ装置、２は
正方形の筒状に形成され、上端にガス流出口３が設けら
れたケーシング、４は上端がケーシング２の下端に連結
された逆円錐状のホッパ、５はダストを除去するガスを
バグフィルタ装置１に導入するための吸込管、６は吸込
管５からの排ガスをホッパ４内に導入するため、ホッパ
４の上方側部に設けた流入口、７は流入口の開閉を行う
ダンパ、８はホッパ内部に滞留したダストを排出するた
め、ホッパ４下端に設けた排出弁、９は上端がケーシン
グ２内周面に溶着され、ホッパ４内周面と間隔をおい
て、ホッパ４と同軸状に、ホッパ４内部に６５°の傾斜
で配設された逆円錐状の内部コーン、１０は内部コーン
の下端に設けられた開口、１１は内部コーン９の外周面
とホッパ４の内周面との間に形成されるホッパ４軸心を
含む面内に設けられた仕切板で、９０°，２７０°、す
なわち流入口６が形成された位置と直交する位置に設け
られている。１２はケーシング２の内部に収容され円筒
形状に積層された濾布、１３は濾布１２の中心部にあけ
られ、上部に蓋を設けた孔、１４は、濾布１２の下端か
ら１ｍ以下の高さで、濾布１２の外周面と間隔をおい
て、濾布１２下部の周囲にケーシング２と平行に立設さ
れた円筒形のガス仕切板、１５は濾布１２の下端位置で
ガス仕切板１４の外周面とケーシング２内周面の間に張
設された、開口率５０〜６０％を有する分散板である。

【００１１】また、１６はガス流出口３に一端が接続さ
れ、濾布１２で清浄にされたガスを外部へ放出する管、
１７は管１６に介装された仕切弁、１８はガスを吸引し
外部へ放出するための送風機である。

【００１２】本実施例は、上述のように構成されるの
で、吸込管５から吸入されたガスは、流入口６からホッ
パ４と内部コーン９との間を下向きに流れる。流入口６
から流入するガスは、その慣性力によってホッパ６軸心
まわりに回転しようとするが、ホッパ６と内部コーン９
との間に介装された仕切板１１により回転流が阻止され
て内部コーン９の下方に流入して来る。

【００１３】内部コーン９の下端で、下向きのガスの流
れは反転し、開口１０を通って内部コーン９の内部へ流
入する。内部コーン９は水平面から６５°と、アップフ
ローの排ガスの流れ方向に対し緩やかな傾斜にされてお
り、ガスは内部コーン９内周面から剥がれ、流れを乱す
ことなく内周面に沿って上昇する。内部コーン９内部を
上昇した排ガスは、濾布１２下端位置では、ほぼ均一化
されているが、内部コーン９とケーシング２の横断面形
状が、円と四角で形成されている差異に起因して、ケー
シング２の四隅部が若干高速流となる。この高速流は、
濾布１２の下端でガス仕切板１４の外周面とケーシング
２の内周面の間に張設された５０〜６０％程度の開口率
を有する分散板で減速され、ほぼ均一な流速となる。四
隅から上昇したガスが直接濾布１２に流入すると、四隅
に面した濾布１２を流れる排ガスの流速が大きくなるた
め、濾布１２の下端から、高さ１ｍ以下の高さに設けた
ガス仕切板１４によって阻止するようにしている。これ
により、濾布１２の何れの部分も、均一な速度のガス流
入が達成できる。これにより、従来偏流あるいは局部的
に、速い排ガスの流入により、短期間に摩耗し、集塵性
能が劣化するため、取換えを余儀なくされていた濾布１
２の寿命を長く出来る。

【００１４】次に、上述した実施例により実験したデー
タを図３に示す。データは、図１の矢視Ｃ−Ｃの位置で
計測したもので、図１の右側から左側に向けて、等間隔
に１１個所、計測点ａ〜ｋを設けると共に、紙面と直交
する方向に等間隔に１１個所、計測点１〜１１を設け、
計１２１点で計測した速度比である。これらの図で、図
３（Ａ）は上述した実施例によるデータ、図３（Ｂ）は
上述実施例において、ガス仕切板１４、分散板１５を除
いて、試験を行ったデータである。図３（Ａ）に示す如
く、上述実施例において、濾布１２に流入する排ガスの
流速は、充分均一化できることが確認された。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のバグフィル
タ装置によれば、特許請求の範囲に示す構成により、ケ
ーシングに収容され、流入するガス中のダストを除去す
る、濾布に流入するガスの偏流を少なくし、速度を均一
化できるので濾布の局部的な損傷を防止でき、寿命を長
くできる。これにより、バグフィルタ装置を使用するプ
ラント等における、濾布交換に伴う運転停止が回避で
き、稼働率の向上に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバグフィルタ装置の一実施例を示す側
断面図。

【図２】図１の矢視Ａ−Ａで示す横断面図。

【図３】濾布下部のケーシング横断面に配置した計測点
における、流速分布データを示す図で図３（Ａ）は図１
の実施例によるデータ、図３（Ｂ）は図１の実施例から
ガス仕切板、分散板を除いたときのデータ。

【図４】従来のバグフィルタ装置の一例を示す要部の側
断面図。

【図５】図４の濾布下部のケーシング横断面に配置した
計測点における、流速分布データを示す。

【符号の説明】

１ バグフィルタ装置 ２ ケーシング ３ 流出口 ４ ホッパ ５ 吸込管 ６ 流入口 ７ ダンパ ８ 排出弁 ９ 内部コーン １０ 内部コーンの開口 １１ 仕切板 １２ 濾布 １４ ガス仕切板 １５ 分散板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集塵を行うガスの流入口を側部に具え、
   前記流入口に連通するホッパで下部が形成され、下端を
   前記ホッパの上端に連結し、集塵を行う円筒形に成形さ
   れた濾布を内部に配設し、濾布を通過した前記ガスを外
   部へ放出する流出口を上端に設けた角形のケーシングで
   上部が形成されたバグフィルタ装置において、前記ホッ
   パの内部に間隔をおいて同軸に配設され、下端に前記流
   入口に連通する開口を設けた内部コーンと、前記ホッパ
   の内周面と、前記内部コーンの外周面との間の軸心を含
   む面内に配設された仕切板と、前記濾布の下部を包囲し
   て、前記ケーシングと平行に配設された筒形のガス仕切
   板と、前記ガス仕切板の外周面下端部と、前記ケーシン
   グの内周面との間に張設された分散板とを具えたことを
   特徴とするバグフィルタ装置。