JP3757311B2 - ドラム缶運搬装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドラム缶を運搬するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ドラム缶を移動運搬する場合、少し傾けて転がすかあるいは台車に乗せて運搬する方法がとられており、本発明にて示すように、ドラム缶を少し傾けるだけで容易に乗せて運搬することのできる運搬装置は現在のところ見当たらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ドラム缶を運搬するとき、既述したようにドラム缶を少し傾けて転がす方法があるが、これは熟練が必要でだれでもできるわけではない。また、台車に乗せて運ぶ方法があるが、チェーンブロックなどでドラム缶を持ち上げて作業しなければならず、所定の設備が必要なばかりか時間と労力を要し、かつ危険を伴うものである。そしてこの作業は独りでは行いにくいものである。
本発明は、以上のような従来からのドラム缶運搬作業を安全かつ容易に行うための手段を提供するべく開発されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
課題を解決する手段として本発明によるドラム缶運搬装置は、台板にキャスターを回動可能に添設し、レバー操作にてこのキャスター回動を行い、かつストッパー機構にてこのレバーのロックおよびロック解除を可能とするよう構成した。
すなわち、本発明は、適宜形状の板体による台板前方に回動軸を設け、この回動軸に連続する一対の平板下面および台板下面適所にキャスターを取り付け、一方の平板上面に傾斜レバーを固着して、この傾斜レバーの操作によって台板に対するキャスターの角度を上下に可変とするよう構成し、一方、傾斜レバー近傍の台板上面に適宜支持部材により、小平板状のロック板を所定範囲内にて回動可能にかつ斜方に取り付けるとともに、ロック板にロックレバーを固着し、ロックレバーの操作により傾斜レバーのロックを可能とすることによって、傾斜レバー操作にて台板をキャスターの走行面に対して平行位置と傾斜位置を選択できるように構成し、かつこの傾斜レバー位置のロック及びロック解除を行えるよう構成したことを特徴とする、ドラム缶運搬装置である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の使用について説明する。
まず、本発明装置を図3のごとく傾斜レバーを倒して台板に対してキャスターを斜方位置にする。すると台板の前部は地面に近接した位置となり、地面に対し台板は傾いた状態となる。次ぎに前述の手段にてドラム缶を少し傾けると、ドラム缶底面は傾斜面となるので、手押し板を持って台板を少し引き上げてからドラム缶下方に台板を差し込む。
このとき、ドラム缶下面と台板は接するので傾斜レバーを引き上げると、この傾斜レバーはロック板に接触し、さらに該レバーを上げるとロック板は回動し、レバーが通り過ぎるとロック板はまた元に位置に復帰して台形部材の斜面に沿う位置となる。その後、傾斜レバーを下げると、該レバーの下面とロック板の上面とが接し、このロック板は図4のごとく斜面に接して回動がストップしているので、レバー位置が定まることとなる。
この状態は図2に示すように、台板は地面と平行になっており、ドラム缶を押して台板ごと任意の位置に移動することができる。
台板よりドラム缶を下ろすときは、傾斜レバーを少し持ち上げ、ロックレバーをつまんで回動させるとこのロック板は立った状態となるので、傾斜レバーを回動して初期のごとく倒した状態とすることができる。そして前述と逆の操作にて再びドラム缶を傾斜させ、台板を抜き取って目的を達することができる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1〜図5は本発明のドラム缶運搬装置を示すものである。
図において、1は略角形の鉄製板体よりなる台板で、その中央には切り欠き部2が設けられる。3はガイド板で、断面L形の板体を台板両サイドに固着したものである。4は鍔板で、ガイド板に連続して台板上に固着される円弧状板体である。台板前方両サイドには保持筒5が固着され、この保持筒内に回動軸6が位置している。回動軸両端は保持筒より突出し、この突出部分に平板が固着され、平板下面にはキャスター7が回動および回転可能に設けられる。また、台板後方下面にも同様にキャスターが各々設けられる。
8は傾斜レバーで、鉄製棒体を適宜に折曲して形成され、このレバー下部は前記平板上に適当角度にて固着される適宜支持部材に固着されている。
9はロックレバーで、鉄製の細棒体であってその両端は折曲されている。
前述のガイド板の一方には台形部材10が固着立設されるが、図4〜図5に示すごとく、この台形部材の斜面上部には側面視略コ字形のステー11が固着され、ステーを貫通する軸12によってロック板13が回動可能に位置しており、このロック板上面に前記ロックレバーが固着されている。
【0007】
ロック板の一部は平板上であるが、他方は筒状となり、この筒状部分中を軸が貫通している。そしてこの筒状部分の中央近傍上面には突部14が一体に形成されている。筒状部分は台形部材の斜面幅よりもやや狭く形成されている。
従って、このロック板はその下面が斜面に当たる位置と突部が台形部材側面に当たる位置の範囲内で回動可能であり、ロックレバーを手でつまんで回動操作を行うことができる。15はストッパーで、台板後方上面に回動可能に取り付けられる。16は添板で、ガイド板上面に立設固着される台形板体である。17は台板中央後部上面に斜方に固着される突片、18は台板後部側面に固着される手押し板である。
【0008】
本発明の概要については既述したが、本例では台板上面周囲にガイド板および鍔板を添設しており、これによってドラム缶の保持位置を規制することができる。
また突片を設けているが、この突片はドラム缶底部のミミ(鍔部)近傍の凹部にはまり込んで、移動運搬中のドラム缶の台板に対するずれを防止するために設けたものである。また、一方のガイド板上面に添板が固着されているが、これは台板を傾けてドラム缶を台板上に載置させるときのガイドとなるよう設けたものである。
そして本例では、台板後部に手押し板を設けているので、傾けたドラム缶底部下方に台板を滑り込ませる作業が容易なものとなっている。台板後部にはストッパーを回動可能に設けたので、このストッパーを適宜に回動させることで、傾斜レバーのロックおよびロック解除を容易に行うことができ、運搬時の安全性が高められる。なお、台板に切り欠き部を設けたので、軽量となり、持ち運ぶ際にも便利である。
以上説明したように、本発明を用いることによって、ドラム缶の傾斜とその運搬を安全かつ容易に行うことができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、傾斜台板を傾斜ドラム缶の下に差し込み、起立状態にして移動させることができて、従来法に比べてより安全・確実にドラム缶を運搬することのできる有用なる物品・装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ドラム缶運搬装置の斜視図
【図2】 本発明ドラム缶運搬装置の側面図(台板平行時)
【図3】 本発明ドラム缶運搬装置の側面図(台板傾斜時)
【図4】 本発明ドラム缶運搬装置の一部省略要部斜視図(ロック板ストップ時)
【図5】 本発明ドラム缶運搬装置の一部省略要部斜視図(ロック板起立時)
【図6】 本発明ドラム缶運搬装置の使用状態説明図(台板傾斜時)
【図7】 本発明ドラム缶運搬装置の使用状態説明図(台板平行時)
【符号の説明】
1 台板
2 切り欠き部
3 ガイド板
4 鍔板
5 保持筒
6 回動軸
7 キャスター
8 傾斜レバー
9 ロックレバー
10 台形部材
11 ステー
12 軸
13 ロック板
14 突部
15 ストッパー
16 添板
17 突片
18 手押し板
Claims (1)
- 適宜形状の板体による台板前方に回動軸を設け、この回動軸に連続する一対の平板下面および台板下面適所にキャスターを取り付け、一方の平板上面に傾斜レバーを固着して、この傾斜レバーの操作によって台板に対するキャスターの角度を上下に可変とするよう構成し、一方、傾斜レバー近傍の台板上面に適宜支持部材により、小平板状のロック板を所定範囲内にて回動可能にかつ斜方に取り付けるとともに、ロック板にロックレバーを固着し、ロックレバーの操作により傾斜レバーのロックを可能とすることによって、傾斜レバー操作にて台板をキャスターの走行面に対して平行位置と傾斜位置を選択できるように構成し、かつこの傾斜レバー位置のロック及びロック解除を行えるよう構成したことを特徴とする、ドラム缶運搬装置。
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