JP3756936B2 - 内面溝付溶接伝熱管とその製造方法 - Google Patents

内面溝付溶接伝熱管とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機器、エアコン等の空調機器の熱交換器に用いられる内面溝付溶接伝熱管とその製造方法に関するものであり、特に拡管によるフィンとの結合性等に優れた内面溝付溶接伝熱管とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアコン等に用いられる熱交換器用伝熱管は、その管内伝熱性能が従来の平滑管に比べて飛躍的に向上することから、内面に微細ならせん溝を多数形成した内面溝付管が多く使用されている。その製造方法としては、特開昭55−103215のように引き抜かれている平滑管内に溝付プラグを保持し、その管外周を転造工具により押圧して、溝を管内に転写させるように加工する、いわゆる転造加工方法が行われている。
この方法によって製造された伝熱管の断面の一例を図1(1)に示す。
しかしこの方法で、よりシャープなフィンを形成するために、転造工具による押圧力を上げると、転造工具と材料との間に、大きな摩擦抵抗が発生して、引抜き力が増加し、管が破断してしまうために、シャープなフィンの加工には限界があった。
【0003】
そのため、図2のように、溝ロール31により素条3の上に溝を転写して、その後その条33をロール群34により管状に成形し、条両端面を高周波溶接機35で溶接して内面溝付溶接管2に仕上げる方法が進められている。これによれば、シャープなフィンを形成するために、溝ロールへの圧延荷重を増加させても、条の送りは圧延ロールの送り出しで行うために、条に引抜き力がかかることがなく、条の破断なしに、よりシャープなフィンの製造が可能になる。
この方法によって製造された内面溝付溶接伝熱管の断面の一例を図1(2)に示す。
しかし溶接伝熱管では、溶接部23が存在するために品質が低下する傾向にある。このため、溶接不良を無くし安定して造管溶接をする技術が必要になる。
その一つの方法としては、特開平2ー112822のように、条の端部に溝の形成されていない平坦部を設ける方法が一般的である。
図3は、条の端部に溝の形成されていない平坦部を設けて造管溶接した伝熱管の展開図であり、図中c部が平坦部である。
これにより、安定した肉厚を確保して、安定した溶接が可能となる。
【0004】
そして、このような伝熱管を使用したクロスフィン型熱交換器の製造方法としては、図4に示すように、予め伝熱管2を通すために穴を形成したアルミニウムフィン5を、伝熱管の管長に添って積層して、その後、伝熱管内に拡管プラグ4を挿入して、伝熱管を拡管してアルミニウムフィンと管とを密着させる方法が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、溶接近傍に平滑部c部を設けた前記溶接伝熱管2においては、フィンが高くてシャープな場合には、熱交換器組立時に問題が発生することがわかってきた。
即ち、図3に示すように、このような溶接部23近傍に、平滑部c部を設けたフィンの高い内面溝付溶接管2を拡管した場合には、溶接部の肉厚tと、溝形成部の総肉厚T(底肉厚t+溝深さh1 )の差が大きくなり、拡管すると管外径が図5に示すように楕円状に広がり、アルミニウムフィン5の丸い穴と管外径の接合部6の間に、隙間61ができて密着が悪くなる。このため熱交換器としての性能が低下し、または熱交換器の使用時にその隙間に水が溜まるなどして腐食の原因につながる。
この隙間をふさぐために、無理矢理大きな拡管率で管を広げると、アルミニウムフィンとの密着性は増すが、フィンが大きく潰れてしまい性能が低下すると言う問題が発生する。
本発明の課題は、熱交換器組立時に、伝熱管の拡管によりフィンと伝熱管とを密着させる場合に、伝熱管が真円に広がるような内面溝付溶接伝熱管を開発することである。
また、本発明の他の課題は、このような伝熱管の経済的な製造方法を見出すことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための請求項1の発明は、管内周の一部に溶接部が存在する内面溝付溶接伝熱管において、管横断面内周の前記溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、その他のフィンの高さに比べて高いことを特徴とする内面溝付溶接伝熱管であり、
【0007】
請求項2の発明は、前記溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、他の部分のフィンの高さに比べて、0.05mm以上高いことを特徴とする請求項1に記載の内面溝付溶接伝熱管である。
【0008】
また、請求項3の発明は、板条材を溝付ロールで条の幅方向中央部で分割する形で、互いに逆向きの角度を有する溝を形成する溝形成工程と、溝を形成した前記板条材を溝形成面を内側にして管状に成形する管成形工程と、前記板条材の両端部の突き合わせ部を溶接して管とする溶接工程とを具備してなる内面溝付溶接伝熱管の製造方法において、前記溝形成工程での溝の形成は、条材のほぼ中央部で互いに逆向きの角度で接してV字模様の溝を形成し、且つそのV字模様の溝が、溝付条材の進行方向に対してV字先端から広がる方向になるように、溝付ロールを配置して圧延溝付することにより、条材のほぼ中央部のフィン若しくはその近傍のフィンの高さを、他の部分のフィン高さに比べて高く形成することを特徴とする内面溝付溶接伝熱管の製造方法であり、
【0009】
請求項4の発明は、請求項3で使用する溝付ロールにおいて、溝付ロール上の溝の深さを0.20mm以上とし、且つ溝の頂角を40°以下とすることを特徴とする請求項3に記載の内面溝付溶接伝熱管の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、前記各発明について、詳細に説明する。
(1)請求項1、2の発明について
本発明の内面溝付溶接伝熱管は、管横断面内周の溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、その他のフィンの高さに比べて高いことを発明の要旨とするものである(請求項1)。
内面溝付溶接伝熱管は、前記したように、条材に予め溝付ロールで溝を施し、この溝が内側になるように電縫造管するため、管の一部に溶接部が存在する。
本発明においては、管横断面内周の溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、その他のフィンの高さに比べて高くするものである。
【0011】
本発明に係わる内面溝付溶接伝熱管の一例として、その断面の具体例を図6に示す。
図6は、本発明の内面溝付溶接伝熱管7の断面展開拡大図であり、73は溶接部、71は溝、72はフィン、c部は平坦部、a部は溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィン(72a1 、72a2 、72a3 )、b部は前記でいうその他のフィン(72b)、tは底肉厚、h1 はその他のフィンの高さ、h2 は溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さである。
本発明においては、管横断面内周の溶接部73と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィン(72b1 、72b2 、72b3 )の高さを、その他のフィン(72c)の高さ(h1 )に比べて高くしたものである。即ち、h2 −h1 だけ高くするものである。
【0012】
ここで、溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンとは、溶接部の真向かいのフィン、若しくはその近傍のフィンを意味し、従って、図6のようにフィンの数を5個(溶接部の真向かいのフィン、その左右各2個)に限定するものではない。
また、h2 は、溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンのうち、最も高いフィンの高さを意味する。
なお、本発明の内面溝付溶接伝熱管は、後に記すその製造方法から、溶接部の真向かいのフィン72b1 が最も高く、その近傍のフィン72b2 、72b3 の順に低くなっている。
【0013】
次に、請求項2の発明は、請求項1の発明の好ましい実施態様であり、溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、他の部分のフィンの高さに比べて、0.05mm以上高くしたものである。
即ち、前記のh2 −h1 を0.05mm以上とするものである。
【0014】
本発明の内面溝付溶接伝熱管によれば、管横断面内周において、溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、その他のフィンの高さに比べて高いために、この伝熱管をプラグにより拡管した場合に、図7に示すごとく、管がほぼ真円に近い形で広がる。
このために、アルミニウムフィン5と内面溝付溶接伝熱管7との接合部6に隙間ができない効果がある。
また、その隙間を埋めるために過剰な拡管をして、シャープで高いフィンをつぶすこともない。
【0015】
(2)請求項3、4の発明について
次に、請求項3、4の発明は、前記の内面溝付溶接伝熱管の製造方法に関するものである。
本発明に係わる内面溝付溶接伝熱管を製造するには、溝ロールの表面の幅方向の中央部にあらかじめ深い溝を形成して、それを条の表面に転写する方法がある。しかし、この方法では、溝ロール表面に、中央部と通常部で異なった形状の溝を形成する必要があり、溝ロールの製造コストがかかる問題がある。
このために、本発明の製造方法では、溝ロール表面に形成する溝形状が幅方向で同じでも、本発明の所定の内面溝付溶接伝熱管が経済的に製造できるようにしたものである。
【0016】
即ち本発明は、内面溝付溶接伝熱管の製造における条材への溝形成工程において、その溝形成は、条材のほぼ中央部で互いに逆向きの角度で接してV字模様の溝を形成し、且つそのV字模様の溝が、溝付条材の進行方向に対してV字先端から広がる方向になるように、溝付ロールを配置して圧延溝付することにより、条材のほぼ中央部のフィン若しくはその近傍のフィンの高さを、他の部分のフィン高さに比べて高く形成することを特徴とするものである。
【0017】
本発明を、図面を用いて説明する。
図8、図9は、本発明の製造方法の一例を示すものである。
図8は、条巾に対して、一つのV字模様の溝を形成したものであり、図9は、条巾に対して、W模様の溝(条巾中央に一つのV字模様の溝)を形成したものである。
このように、本発明は、条材のほぼ中央部Aで互いに逆向きの角度で接してV字模様の溝を形成し、且つそのV字模様の溝が、溝付条材の進行方向に対してV字先端から広がる方向になるように、溝付ロールを配置して圧延溝付することにより、条材のほぼ中央部のフィン若しくはその近傍のフィンの高さを、他の部分のフィン高さに比べて高く形成することが可能となる。
この様な製造方法を採用することにより、条材のほぼ中央部のフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、他の部分のフィン高さに比べて高くなるのは、図8においては、B、C部が先に圧延されるために、材料が中央部のA部に集まるためであり、また、図9においては、D、E部が先に圧延されるために、材料が中央部のA部に集まるためである。
【0018】
次に、請求項4の発明は、本発明製造方法の好ましい実施態様である。
即ち請求項3の発明の製造方法で使用する溝付ロールにおいて、溝付ロール上の溝の深さを0.20mm以上とし、且つ溝の頂角を40°以下とするとするものである。
なお、溝付ロール上の溝は、圧延によって条材に転写されるため、溝が形成された条材ではフィンとなる。従ってここでいうロール上の溝の頂角は、フィンの頂角でもある。
ここで、溝付ロール上の溝の深さを0.20mm以上とし、且つ溝の頂角を40°以下と限定したのは、溝の深さが0.20mm未満で溝の頂角が40°を越えると、圧延された条の中央部のフィンとその他部分のフィンの高さの差を、十分に持たせることが困難となるからである。
【0019】
このように製造することよって、条材のほぼ中央部のフィン若しくはその近傍のフィンの高さを、他の部分のフィン高さに比べて、確実に高くすることができる。
本発明の製造方法によれば、フィンの高い高性能形状の内面溝付溶接伝熱管を、安価で、容易に製造することができ、又この伝熱管とフィンとの拡管による結合においても、良好に結合することができる。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、比較例とともに図面を参照して説明する。
〔実施例1〕
本実施例は、本発明に係わる内面溝付溶接伝熱管に関するものである。
まずアンコイラーから供給される銅条として、幅30mm、板厚0.5mm のものを使用し、外径100mm の溝付ロールと銅条を挟んで外径120mm のバックアップロールにより構成されている圧延機を用いて、銅条の表面に圧延により溝付加工を行った。
この場合、条の端部には、片側約2mmの溝なしの平滑部を形成した。これは後の管状に形成された銅条の両縁の突き合わせ部の高周波溶接を安定して行うためである。
次いでロール群により溝加工された面が内側にくるように銅条を管状に成形した。そして管状に形成された銅条の両縁を突き合わせ、長手方向に沿って高周波溶接により外径9.55mmに接合し、その後仕上げダイスを通して外径9.53mmの内面溝付溶接伝熱管を製造した。
【0021】
前記の製法により、以下の試験材を製作した。
・本発明例の試験材( 本発明品)
条材のほぼ中央部Aで互いに逆向きの角度で接してV字模様の溝を形成し、この条材で内面溝付溶接伝熱管を製造した。
この管のフィン形状は、図6に示すように、管横断面内周の溶接部と向かい合うフィン、その近傍のフィン(72a1 、72a2 、72a3 )の高さを0.35mmとし、その他のフィン(72b)の高さを0.30mmとした。なお、フィンの頂角は、すべて30°である。
・比較例の試験材( 比較品)
図3に示すように、管横断面内周のフィンの高さは、すべて同一で、0.30mmであり、その他は上記と同様である。
【0022】
これらの溶接伝熱管を、図4のようにエアコン等で一般的に使用されているクロスフィン型熱交換器に組み込んだ。予め溶接伝熱管を通すように穴の開けられたアルミニウムフィンを管に突き刺すようにして、アルミニウムフィンを500枚重ね、その後、管内に拡管プラグを挿入して、溶接伝熱管を拡管し、アウミニウムフィンと密着させた。
【0023】
前記の本発明品について、拡管率4% (拡管率=(拡管プラグ径ー拡管前の内径)/拡管前の内径)で拡管を行った。その結果、図7のように良好にアルミニウムフィン5との管7の密着が行われていた。
本発明品では、拡管率4% で拡管を行ったが、管が楕円に広がることもなく良好に拡管できた。これは、溶接部と向かい合う管内面のフィンの高さが高いために、溶接部の管の広がりにくいさを打ち消して、管が真円に広がったためである。
拡管後のフィンの高さの低下も、0.01mm程度( 大部分のフィンの高さ0.30mmに対して)であり、高い伝熱性能を得ることができた。
【0024】
次に比較品についても、前記と同様の拡管率4% で拡管を行った。しかし、図5に示すように、管外径が扁平し、アルミニウムフィン5の穴との間に隙間61が空いていた。これは、溶接部近傍が他の部分に比べて、拡管してもその部分が広がらないためである。
このために、拡管率を8% まで大きくして、拡管を試み、むりやりアルミニウムフィンの穴との隙間を埋める事ができた。しかし内面フィンの潰れが0.1mmで、平均のフィンの高さが0.20mmまで低下して、拡管前に0.30mmの高いフィンを形成した意味が無くなった。
また、8%の拡管により、アルミニウムフィンの穴の回りに割れが生じたり、拡管に必要な力が大きいために拡管中に伝熱管が折れ曲がる不良も発生した。
【0025】
〔実施例2〕
本実施例は、本発明に係わる内面溝付溶接伝熱管の製造方法に関するものである。
溝付ロールの表面が、図9(本発明例)、図10(比較例)に示すような幅方向にW模様の溝付ロールを使用し、実施例1と同様な圧延造管方法で内面溝付溶接伝熱管を製作した。
このとき、溝ロールのW模様に対する溝ロールの圧延方向を図10の比較例のように、条のほぼ中央部Aに位置するV字模様の溝が、溝付条の進行方向に対して、そのV先端部へ集まる方向になるように、溝付ロールを配置した。
また本発明例では、図9のように、条のほぼ中央部Aに位置するV字模様の溝が、溝付条の進行方向に対して、逆に、そのV先端部から広がる方向になるように、溝付ロールを配置して、圧延加工実験を行った。
溝ロールに形成した溝形状は、ロール溝深さが0.35mmで、ロール溝の頂角(=フィンの頂角)が30°、40°、50°の3種類であり、溝付圧延により条の幅方向の平均のフィンの高さが0.20mmになるようにフィンを形成した。
表1に、条中央部近傍のフィン高さとその他の部分のフィン高さとの差を示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003756936
【0027】
これによれば、本発明方法1、2、3では、中央部のフィンの高さが、その他の部分のフィンの高さよりも高いのに対して、比較例法1、2、3では、逆に低くなっている。
これは、本発明方法では、D,Eから先に圧延されるために材料が中央部のA部に集まり、A部のフィン高さが高くなるためである。また比較方法では、逆に中央部のA部から圧延されるために、D,E部に材料が集まる傾向にあり、A部のフィンの高さは、低くなる。この傾向は、フィンが形成されにくい、フィンの頂角が40度以下の場合により顕著である。
【0028】
なお、溝付ロール上に形成する溝の深さが、0.20mm未満では、溝の形成が比較的容易であるために、圧延された条の中央部とその他部分のフィン高さの差を、十分持たせることは、困難であった。
このために、溝付ロール上に形成する溝の深さは、0.20mm以上で、フィンの頂角は40度以下の場合がより本発明方法の効果が顕著になり、好ましい。
【0029】
本発明方法1、2、3による内面溝付溶接伝熱管は、それぞれ実施例1と同様の方法で、熱交換器に組み込んだ場合に、管が楕円に広がることなく、良好に組み込むことが可能であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明の内面溝付溶接伝熱管により、従来よりも高くて、シャープなフィンの内面溝付伝熱管を、問題なく、熱交換器に組み込むことができ、エアコンの省エネルギ−化を進めることができる。
また、本発明の製造方法により、本発明に係わる伝熱管を安価に製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】内面溝付伝熱管の断面図の例であり、(1)は溝とフィンを転造で加工した内面溝付伝熱管であり、(2)は溝とフィンを条の圧延で加工し、造管溶接した内面溝付溶接伝熱管である。
【図2】内面溝付溶接伝熱管の製造方法を示す説明図である。
【図3】従来の内面溝付溶接伝熱管の断面を示すもので、その展開拡大図である。
【図4】クロスフィン型熱交換器の製造方法を示す説明図である。
【図5】拡管後のアルミニウムフィンと従来の内面溝付溶接伝熱管との接合状態を示す説明図であり、管とフィンとの接合部に隙間を生じる。
【図6】本発明に係わる内面溝付溶接伝熱管の断面図であり、その展開拡大図である。
【図7】拡管後のアルミニウムフィンと本発明の内面溝付溶接伝熱管との接合状態を示す説明図であり、管とフィンとの接合部に隙間を生じない。
【図8】本発明の製造方法の一例を示す説明図である(V字模様の溝付加工)。
【図9】本発明の他の製造方法の一例を示す説明図である(W字模様の溝付加工)。
【図10】比較例の製造方法を示す説明図である(W字模様の溝付加工)。
【符号の説明】
1 内面溝付伝熱管 5 アルミニウムフィン
2 内面溝付溶接伝熱管 6 フィンと管との接合部
21 溝 61 隙間
22 フィン 7 本発明の伝熱管
α フィンの頂角 71 溝
23 溶接部 72 フィン
3 条材 a 溶接部と向かい合うフィン部
31 溝付ロール b その他のフィン部
32 バックアップロール c 平坦部
33 溝付条 73 溶接部
34 ロール群 A 条幅の中央部
35 高周波溶接機 B,C,D,E 条幅の中央部以外の位置
4 拡管プラグ

Claims (4)

  1. 管内周の一部に溶接部が存在する内面溝付溶接伝熱管において、管横断面内周の前記溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、その他のフィンの高さに比べて高いことを特徴とする内面溝付溶接伝熱管。
  2. 前記溶接部と向かい合うフィン若しくはその近傍のフィンの高さが、他の部分のフィンの高さに比べて、0.05mm以上高いことを特徴とする請求項1に記載の内面溝付溶接伝熱管。
  3. 板条材を溝付ロールで条の幅方向中央部で分割する形で、互いに逆向きの角度を有する溝を形成する溝形成工程と、溝を形成した前記板条材を溝形成面を内側にして管状に成形する管成形工程と、前記板条材の両端部の突き合わせ部を溶接して管とする溶接工程とを具備してなる内面溝付溶接伝熱管の製造方法において、前記溝形成工程での溝の形成は、条材のほぼ中央部で互いに逆向きの角度で接してV字模様の溝を形成し、且つそのV字模様の溝が、溝付条材の進行方向に対してV字先端から広がる方向になるように、溝付ロールを配置して圧延溝付することにより、条材のほぼ中央部のフィン若しくはその近傍のフィンの高さを、他の部分のフィン高さに比べて高く形成することを特徴とする内面溝付溶接伝熱管の製造方法。
  4. 請求項3で使用する溝付ロールにおいて、溝付ロール上の溝の深さを0.20mm以上とし、且つ溝の頂角を40°以下とすることを特徴とする請求項3に記載の内面溝付溶接伝熱管の製造方法。
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