JP3599515B2 - 溶接管用溝付条およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溝形状が均一で、かつ溶接性に優れる溶接管用溝付条およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
空調設備などの熱交換器には、冷媒の蒸発または凝縮を行う伝熱管として、内面に螺旋状の溝を形成した内面溝付管が使用されている。
内面溝付管は、従来より引抜加工により製造されてきたが、近年になって、加工速度が速く、生産性に優れる内面溝付溶接管が使用されるようになった。この内面溝付溶接管は、溝付条を溝を内側にして筒状に成形し、突合わせ面を溶接して製造される。
しかし前記内面溝付管は溶接部分に溶接欠陥が生じ易いという問題がある。
この溶接欠陥の原因としては、溝付条の蛇行(キャンバー)や、端部の薄肉化などが考えられ、種々の改善策が提案されている。
すなわち、▲1▼溝付条に凹部を形成し、この凹部を溝ロールに設けた拡径部で拘束しつつ圧延して板条材の蛇行を防止する方法(特開平3−238109号)。▲2▼溝ロールの両端部を外方に向けて縮径して、ロールクラウンによる溝付条端部の薄肉化を防止する方法(特開平4−157036号、特開平4−294819号)。▲3▼溝ロールの両端にフランジを取付け、かつ溝形成部に緩衝域を設けて、材料の流れを制御して溝付条端部の形状を適正化する方法(特開平6−137778号)などである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記方法には、それぞれ次のような問題がある。
すなわち、▲1▼の方法では、凹部形成に伴う肉厚差により条端部近傍が歪み、図5に示すような板条材10にエッジウエーブが生じる。▲2▼の方法では、図6に示すように圧延時に材料が端部Tに流れて端部Tに隣接する溝の深さe1 が浅くなる。▲3▼の方法では、圧下力が増大する上、溝形成部の山部の頂角が30度以下にシャープになると溝部に充填されるはずの材料が緩衝域に流れ込んで緩衝域近傍の溝が浅くなる。
本発明は、溝形状が均一で、かつ溶接性に優れる溶接管用溝付条およびその製造方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、板条材の幅方向両端部Tを除く部分に溝Eが多数形成され、前記溝E形成部と端部Tの境界に溝Gが各境界に少なくとも1本、板条材の長さ方向に平行に、溝Eより深く形成されていることを特徴とする溶接管用溝付条である。
【0005】
請求項2記載の発明は、板条材の端部Tの厚さt(mm)が 1.1s≧t≧ 0.9sの式(但しsは溝E形成部の条の平均厚さ、mm)を満足し、溝Eの深さeが 0.5j≧e≧ 0.2jの式(但しjは溝E部の条の厚さ、mm)を満足することを特徴とする請求項1記載の溶接管用溝付条である。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の溶接管用溝付条を溝ロールと平ロールとで圧延して製造する方法において、前記溝ロールが、溝E形成部と端部T形成部との各境界に拡径部Kが少なくとも1本形成されたもので、前記拡径部Kの高さが溝E形成用凸部Bより高いことを特徴とする溶接管用溝付条の製造方法である。
【0007】
請求項4記載の発明は、溝ロールの拡径部Kの高さk(mm)が 0.5u≧k≧ 0.2u(但しuはロールの溝E部の溝ロールと平ロールとのロール間距離、mm)の式を満足することを特徴とする請求項3記載の溶接管用溝付条の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の溶接管用溝付条を図を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の溶接管用溝付条の実施形態を示す平面図(イ) および図1(イ) のA−A断面図(ロ) である。
板条材10の上面の幅方向両端部Tを除く部分に溝Eが板条材10の長さ方向に対して交差する方向(螺旋状)に多数形成され、前記溝E形成部11と端部Tの境界に溝Gが各境界に1本づつ板条材10の長さ方向に平行に、溝Eより深く形成されている。板条材10の下面はフラットに形成されている。
一般に、溝付条を電縫加工する際の溶接ビード(溶接肉盛部)を安定させるには、溝付条の端部Tの厚さtを一定以上に厚くして、溝形成部と端部の材料の伸びを溝付条の長さ方向に対して等しくする必要がある。
しかし、溝付条を圧延成形する際、端部の厚さを厚くしよとすると端部の延びが減少してエッジウエーブが生じ易くなる。また前記端部Tの厚さtが薄すぎても、今度は端部の延びが大きくなって、やはりエッジウエーブが生じ易くなる。このようなことから端部Tの厚さtは 1.1s(但しsは溝E形成部の条の平均厚さ、mm)以下、 0.9s以上にするのが望ましい。
【0009】
本発明において、溝Gの深さgは、深すぎると溝圧延加工の際に、溝G近辺にくびれが生じ、浅いと材料の流れを阻止できず、溝Eの形状が不均一となる。
このため溝Gの深さg(mm)は 0.5j(但しjは溝E部の条の厚さ、mm)以下、 0.2j以上にするのが望ましい。
【0010】
次に前記溝付条を製造するのに用いる溝ロールについて説明する。
図2は本発明にて用いる溝ロールの例を示す側面図である。
溝ロール20の両端部24を除く部分に溝Eが螺旋状に多数形成され、両端部24はフラットに形成されている。溝ロール20の螺旋溝形成部25と両端部24との各境界に拡径部Kが1個づつ形成されている。
この拡径部Kは、板条材の螺旋溝E形成部の材料が端部Tに流出して、板条材10の溝形成部の端部Tに近い溝部が浅くなるのを抑制する作用を果たす。拡径部Kの高さkが 0.2u未満では材料の流出を十分に抑えられず、 0.5uを超えると圧延材にくびれが発生することがある。従って拡径部Kの高さkは 0.2u以上、 0.5u以下に形成するのが望ましい。ここでuはロールの溝E部の相手ロール(図示しない)との間の距離である。つまり図1に示した溝付条の溝部E部分の厚さjにほぼ相当する。
【0011】
図3は前記溝ロールを用いて溝付条を製造する際の部分断面説明図である。
溝ロール20とフラットロール22の間で板条材10が圧下され、溝ロール20の螺旋溝形成部25には高さbの溝形成用凸部Bが多数形成されており、この凸部Bにより板条材10の上面の両端部Tを除く部分に螺旋溝Eが多数形成され、溝ロール20の拡径部Kにより螺旋溝E形成部と両端部Tの各境界に、溝Gが板条材10の長さ方向に平行に形成される。ここで拡径部Kは凸部Bより高さが高く、平行溝Gは螺旋溝Eより深く形成されている。
【0012】
図4は溝ロールの溝E形成部25と両端部24の各境界に拡径部Kをそれぞれ2個づつ形成した溝ロール21を用いて溝付条を製造する際の部分断面説明図である。この溝ロール21で製造される溝付条は、各境界に平行溝Gがそれぞれ2本づつ形成されている以外は図3の場合と同じである。この溝ロールは、平行溝Gが2本づつ形成されているので両端部への材料の流れがより強く抑制され、得られる溝付条は図3に示す溝ロール20で製造されるものより溝Eの形状が向上する。
【0013】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
幅23.2mm、厚さ0.50mmの脱酸銅条を図2(図3)に示した溝ロールを用いて図1に示す構成の溝付条を製造した。溝Eの深さeは0.22mm、溝E部分の条の厚さjは0.25mm、山部のピッチpは0.45mmに設定した。端部Tの厚さtは種々に変化させた。
得られた溝付条について、溝Eの形状および平坦度(エッジウエーブ有無)を調べた。溝Eの形状は溝Gに隣接する溝Eの深さe1 を測定し、0.19mm以上を良好、0.19mm未満を不良とした。また電縫加工により溶接管に加工し溶接性を調べた。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1より明らかなように、本発明例のNo.1〜4 は、いずれも溝ロールの拡径部Kにより材料の流れが抑制され溝形状は良好であった。また端部厚さと溝形成部平均厚さとの関係が適正なためエッジウエーブが生じたりせず電縫加工が良好になされた。
一方、比較例のNo.5は溝付条の端部の厚さが薄いため、No.6は厚いため、いずれもエッジウエーブが発生し溶接性が低下した。またNo.5は溝Gが浅いため溝形状が不良となり、No.6は溝Gが深いため溝G近辺にくびれが生じた。
【0016】
(実施例2)
拡径部Kの個数を種々に変化させた溝ロールを用いた他は、実施例1と同じ方法により溝付条を製造した。
得られた溝付条について、平行溝Gに隣接する溝Eの深さe1 を調べた。結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
表2より明らかなように、本発明例の No.7〜11は、平行溝Gに隣接する溝Eの深さe1 は目標値(0.22mm)に近く、または目標値を満足し、実用上全く問題がないものであった。またエッジウエーブも発生しなかった。
なお、拡径部の個数が3個以上で溝の深さは目標値を満足するので、拡径部は1〜3個が適当と考えられる。
【0019】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の溝付条は、溝形状が均一であり、また平坦度が良好なため、高性能かつ高品質な内面溝付溶接管が得られる。本発明の溝付条は、溝形成部とフラット部の境界に拡径部を設けた溝ロールを用いることにより容易に製造できる。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接管用溝付条の例を示す平面図および横断面図である。
【図2】本発明にて用いる溝ロールの例を示す側面図である。
【図3】図2に示した各境界に拡径部を1個づつ有する溝ロールを用いて溝付条を製造する方法の例を示す部分断面説明図である。
【図4】各境界に拡径部を2個づつ有する溝ロールを用いて溝付条を製造する方法の例を示す部分断面説明図である。
【図5】溝付条に発生するエッジウエーブの斜視説明図である。
【図6】端部近傍の溝部の深さが浅い従来の溝付条の横断面説明図である。
【符号の説明】
10 板条材
11 板条材の螺旋溝E形成部
20,21 溝ロール
22 フラットロール
24 溝ロール端部
25 溝ロールの螺旋溝E形成部
T 板条材の端部
t 板条材の端部の厚さ
G 板条材の平行溝
g 板条材の平行溝の深さ
E 板条材の溝
e 板条材の溝部の深さ
e1 板条材の平行溝Gに隣接する溝Eの深さ
p 溝Eのピッチ
s 板条材の平均厚さ
j 板条材の溝E部分の厚さ
K 溝ロールの拡径部
k 溝ロールの拡径部の高さ
B 溝ロールの溝形成用凸部
b 溝ロールの溝形成用凸部の高さ
Claims (4)
- 板条材の幅方向両端部Tを除く部分に溝Eが多数形成され、前記溝E形成部と端部Tの境界に溝Gが各境界に少なくとも1本、板条材の長さ方向に平行に、溝Eより深く形成されていることを特徴とする溶接管用溝付条。
- 板条材の端部Tの厚さt(mm)が 1.1s≧t≧ 0.9sの式(但しsは溝E形成部の条の平均厚さ、mm)を満足し、溝Gの深さgが 0.5j≧g≧ 0.2jの式(但しjは溝E部の条の厚さ、mm)を満足することを特徴とする請求項1記載の溶接管用溝付条。
- 請求項1または2記載の溶接管用溝付条を溝ロールと平ロールとで圧延して製造する方法において、前記溝ロールが、溝E形成部と端部T形成部との各境界に拡径部Kが少なくとも1本形成されたもので、前記拡径部Kの高さが溝E形成用凸部Bより高いことを特徴とする溶接管用溝付条の製造方法。
- 溝ロールの拡径部Kの高さk(mm)が 0.5u≧k≧ 0.2u(但しuはロールの溝E部の溝ロールと平ロールとのロール間距離、mm)の式を満足することを特徴とする請求項3記載の溶接管用溝付条の製造方法。
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JP984597A JP3599515B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 溶接管用溝付条およびその製造方法 |
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JPH10202302A JPH10202302A (ja) | 1998-08-04 |
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