JPH1054686A - 内面溝付伝熱管およびその製造用ロール - Google Patents

内面溝付伝熱管およびその製造用ロール

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JPH1054686A
JPH1054686A JP21030996A JP21030996A JPH1054686A JP H1054686 A JPH1054686 A JP H1054686A JP 21030996 A JP21030996 A JP 21030996A JP 21030996 A JP21030996 A JP 21030996A JP H1054686 A JPH1054686 A JP H1054686A
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JP
Japan
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heat transfer
transfer tube
fin
tube
roll
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JP21030996A
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English (en)
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Haruo Kono
晴夫 幸野
俊▲緑▼ ▲すくも▼田
Toshitsuka Sukumoda
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
    • F28F1/40Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only inside the tubular element

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ加工を行った際に、フィンに起因する突
起および薄肉部が生じない内面溝付伝熱管およびその製
造用ロールを提供する。 【解決手段】 金属管の内周面に周方向に連続するフィ
ン12が形成されると共に、金属管の内周面はその周方
向において領域R1〜R4に区分され、いずれか1つの
領域から数えて奇数番の領域ではフィン12の伝熱管軸
線に対する傾斜角度が正の値をとり、偶数番の領域では
フィン12の伝熱管軸線に対する傾斜角度が負の値をと
り、さらに金属管の軸線方向に隣接するフィン12の屈
折点同士を連結するリブ14が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管の内面に熱
交換効率を高めるためのフィンを形成した内面溝付伝熱
管およびその製造用ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷却装置の熱交換器等において蒸発管または凝縮管とし
て主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って
螺旋状のフィンを形成した伝熱管が広く市販されてい
る。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜き
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙ってフィンを転造する方法により製造されてい
る。
【0004】このような螺旋状フィンを形成した内面溝
付伝熱管では、伝熱管の内部下側に溜まる熱媒液体が、
管内を流れる蒸気流に吹き流されて螺旋状フィンに沿っ
て巻き上げられ、管内周面の全面に広がる。この作用に
より、管内周面の全面がほぼ均一に濡れるから、熱媒液
体を気化するための蒸発管として使用した場合には、沸
騰の生じる領域の面積を増して沸騰効率を高めることが
できる。また、熱媒気体を液化するための凝縮管として
使用した場合には、フィン先端が液面から露出すること
により金属面と熱媒気体との接触効率を高め、凝縮効率
を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、螺旋状フィ
ンによる伝熱効率の向上効果は、さらに改善できる余地
を残していることが判明している。そこで、本発明者ら
は、伝熱管の溝の展開形状を様々に変化させて多種類の
内面溝付伝熱管を作成し、これらの性能を比較する実験
を行い、その結果、伝熱管内面に周方向へジグザグに延
びる多数のフィンを形成した場合に、他の溝形状に比し
て高い熱交換性能が得られることを見い出した。
【0006】ところが、このようなジクザグ形状をなす
フィンを形成した場合、内面溝付伝熱管をU字状に曲げ
加工すると、このU字状部分の外周側の表面に、図10
に示すように点線状に並ぶ突起2が形成されるという特
異な問題が見いだされた。本発明者らがこの現象を詳細
に検討したところ、図11に示すように、フィン3はフ
ィン間の薄肉な溝部4に比して剛性を有するため、曲げ
加工の過程で、ジグザグ状をなすフィン3の屈曲部の尖
端部分の剛性により、この先端部分に隣接する肉薄部分
4が局部的に引き延ばされ、突起2が形成されることが
わかった。このような突起2は、もともと薄い肉薄部分
4がさらに薄肉化されたものであるから、外観を悪化さ
せるだけでなく、伝熱管の信頼性を高める点でも好まし
くない。本発明は、上記問題を解決することができる内
面溝付伝熱管およびその製造用ロールを提供することを
課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の内面溝付伝熱管は、金属管の内周面に周方
向に連続するフィンが形成されると共に、金属管の内周
面はその周方向において2以上の領域に区分され、いず
れか1つの領域から数えて奇数番の領域では前記フィン
の伝熱管軸線に対する傾斜角度が正の値をとり、前記1
の領域から数えて偶数番の領域では前記フィンの伝熱管
軸線に対する傾斜角度が負の値をとり、さらに金属管の
軸線方向に隣接する前記フィンの屈折点同士を連結する
リブが形成されていることを特徴としている。
【0008】また、本発明の第2の内面溝付伝熱管は、
金属管の内周面に周方向に連続するフィンが形成される
と共に、金属管の内周面はその周方向において2以上の
領域に区分され、いずれか1つの領域から数えて奇数番
の領域では前記フィンの伝熱管軸線に対する傾斜角度が
正の値をとり、前記1の領域から数えて偶数番の領域で
は前記フィンの伝熱管軸線に対する傾斜角度が負の値を
とり、さらに金属管の軸線方向に隣接する前記フィンの
屈折点同士を連結する仮想線に沿う部分では、他の部分
よりも金属管の肉厚が相対的に大きくされていることを
特徴とする。
【0009】さらに、本発明に係る内面溝付伝熱管の製
造用ロールは、外周面にその周方向に対して傾斜した溝
が多数形成されたロール構成部品を軸線方向に2個以上
積層してなり、互いに隣接する各ロール構成部品の外周
面に形成された溝はロール周方向に対する角度の正負が
逆であり、さらに各ロール構成部品の軸線方向両端のエ
ッジは面取り加工されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1は、本発明に係る内面溝付伝熱管
の第1実施形態を示す部分展開した平面図である。この
内面溝付伝熱管10の内周面には、その周方向へ向けて
ジグザグに延びるフィン12が多数平行に形成され、フ
ィン12同士の間は溝部13とされている。また、内面
溝付伝熱管10の内周面には、管内面側に突出する管軸
方向へ延びる一本の溶接線20が全長に亘って形成さ
れ、この溶接線20によりフィン12が分断されてい
る。溶接線20は、フィン12の突出量よりは突出量が
小さい突条とされることが好ましい。
【0011】内面溝付伝熱管10の内周面は、その周方
向略90゜毎に4つの領域R1〜R4に区分され、いず
れか1つの領域(この場合R1)から数えて奇数番の領
域R1,R3では、フィン12が伝熱管軸線に対して正
の角度αをなすように形成される一方、偶数番の領域R
2,R4では、フィン12が伝熱管軸線に対して負の角
度βをなすように形成されている。傾斜角度α,βの正
負は逆であってもよく、要はフィン12が全体としてジ
グザク状になるように、所定の長さ毎に伝熱管軸線に対
し交互に逆方向へ傾斜していればよい。図1の例では、
同じ領域内でフィン12が互いに平行をなしているが、
これらは必ずしも平行でなくてもよく、前記角度範囲内
でフィン12毎に傾斜角度を異ならせてもよい。また、
領域R1〜R4の幅は等しくなくてもよく、互いに異な
っていてもよい。
【0012】この実施形態の主たる特徴点は、各領域R
1〜R4の境界に沿って、伝熱管軸線方向に隣接するフ
ィン12の屈折点同士を連結する直線状のリブ14が形
成されている点にある。これらリブ14は、図2および
図3に示すように、内面溝付伝熱管10の内周面および
フィン12に対して一体的に形成されており、その断面
形状は略三角形状または半円状等をなしている。応力の
集中を防止するために、リブ14と内面溝付伝熱管10
の内周面との境界は面取りされていることが好ましい。
この実施形態ではリブ14は内面溝付伝熱管10の全長
に亘って形成されているが、内面溝付伝熱管10の曲げ
加工を行う部分のみに形成されている構成としてもよ
い。
【0013】溶接線20の両側には、溶接線20と平行
に延びる一定幅の溝無し部分16が形成されている。ま
た、これら溝無し部分16と各フィン12の末端部の境
界には、各フィン12の末端同士を連結するリブ18が
形成されている。溝無し部分16は、板条材を電縫加工
して管状にする際に、板条材の端面に発生する溶接電流
密度を均一化するために必要なものであり、リブ18は
フィン12の末端部に対応する部分で内面溝付伝熱管1
0の薄肉化が生じないようにするとともに、フィン12
を圧延加工する過程で、溝無し部分16の端面形状を整
える作用を果たすものである。
【0014】リブ14の内周面からの高さH2は、フィ
ン12の内周面からの高さH1よりも低いことが好まし
く、より好ましくは5〜90%、さらに好ましくは10
〜50%とされる。フィン12よりもリブ14が高くて
は、内面溝付伝熱管10の内部に拡管プラグを通して内
面溝付伝熱管10を均一に拡管することができなくな
る。また、H2がH1の90%より高いと、リブ14の
剛性が高くなりすぎ、内面溝付伝熱管10を曲げ加工す
る場合に曲げ加工部分の断面形状が綺麗な楕円形になり
にくくなる。一般的な外形10mm以下の内面溝付伝熱
管の場合には、リブ14の内周面からの高さは例えば
0.02〜0.2mmであることが好ましい。リブ18
についても同様でよい。
【0015】フィン12の傾斜角度α,βの絶対値は、
8〜30゜であることが好ましく、より好ましくは10
〜25゜とされる。絶対値30゜を越えるとフィン12
が流れに対して垂直に近くなり、流れを遮って圧力損失
が大きくなるため好ましくない。また、フィン12の傾
斜角度α,βの絶対値が8゜未満であると、フィン12
が流れに対して平行に近くなり、フィン12による乱流
発生効果が低下する。
【0016】フィン12の断面形状は、図2に示すよう
に、同じ領域内のフィン12のピッチPが好ましくは
0.25〜0.50mm、さらに好ましくは0.30〜
0.40mmとされる。また図3に示すように、フィン
12の金属管内周面からの高さH1は好ましくは0.1
5〜0.30mm、さらに好ましくは0.21〜0.2
6mmとされる。このように従来よりも背の高いフィン
形状を採用した場合には乱流発生効果が良好であり、特
殊なフィン配置による効果と相まって、内面溝付伝熱管
10の熱交換効率がいっそう向上できる。また、このよ
うに細く高いフィン12によれば、内面溝付伝熱管10
の内面が熱媒液体で覆われた際にも、フィン12の先端
部における排液性が良好になるから、凝縮管として使用
した場合にフィン12の先端金属面が熱媒気体と直接接
触しやすく、良好な凝縮性能を得ることができる。
【0017】フィン12の両側面のなす角度γ(頂角)
は好ましくは10〜25゜、さらに好ましくは15〜2
0゜とされる。このようにフィン12の頂角γが小さい
場合には、フィン12の側面が管内周面からほぼ垂直に
起立するため、少なくともフィン12の熱媒流れ方向上
流側から見てV字状の谷となる部分以外では、内面溝付
伝熱管10内を流れる熱媒気体の風圧によって熱媒液体
がフィン12上へ吹き上げられることが少ない。このた
め、フィン12により熱媒液体の流れを規制して乱流を
引き起こす効果が増すだけでなく、この内面溝付伝熱管
10を凝縮管として使用した場合には、個々のフィン1
2の先端部が露出する傾向が高くなり、熱媒気体と金属
面との接触面積を増して、高い凝縮効率を得ることがで
きる。また、図示の例ではフィン12の頂点が断面半円
状にされているが、本発明は断面台形状としても、断面
三角形状としてもよい。
【0018】内面溝付伝熱管10の外径、肉厚、長さ等
の寸法は限定されず、従来から使用されているいかなる
寸法の伝熱管にも本発明は適用可能である。内面溝付伝
熱管10の材質としては一般に銅または銅合金が使用さ
れるが、本発明はそれに限定されることなく、アルミニ
ウムを始めとする各種金属も使用可能である。なお、こ
の実施形態では内面溝付伝熱管10の断面形状が円形で
あるが、本発明は断面円形に限らず、必要に応じて断面
楕円形や偏平管状等としてもよい。さらに、ヒートパイ
プの本体として使用することも有効である。
【0019】上記構成からなる内面溝付伝熱管10で
は、ジグザグに延びるフィン12の屈折点同士を連結す
るリブ14が形成されているため、内面溝付伝熱管10
をU字状に曲げ加工する場合にも、これらリブ14の抗
張力により、フィン12の屈曲部同士の間隔が他の部分
に比べて異常に広がることが防止できる。したがって、
図10に例示するように、フィン12の尖端部近傍が内
面溝付伝熱管10の外周面から突出して突起を形成する
ことがなく、突起形成による美観の低下、および突起部
の薄肉化による内面溝付伝熱管10の信頼性の低下を防
ぐことが可能である。
【0020】また、この実施形態では、内面に形成され
ているフィン12が、いずれの向きに流れる熱媒体に対
しても、流れの上流に向けて開く2対のV字を構成する
ように配置されているので、各フィン12の側面により
集められた熱媒体はV字の突き合わせ部分で衝突して合
流し、さらに突き合わせ部分を乗り越えて流れる。この
過程において、熱媒体は攪拌されて不規則な乱流が発生
するため、熱媒体の流れの中に温度勾配が生じることが
防止でき、熱媒と伝熱管金属面との熱交換を促進して伝
熱効率を高めることが可能である。特に、混合熱媒(複
数の熱媒を混合したもの)を使用した場合には、熱媒成
分の分離を防ぐことができ、混合熱媒本来の性能を引き
出すことができる。
【0021】また、上記のような優れた攪拌効果を得つ
つも、フィン12の突き合わせ部分にリブ14が形成さ
れているため、熱媒体は比較的容易にフィン12の突き
合わせ部分を乗り越えることができ、流路抵抗はそれほ
ど増大しないと言う利点を有する。
【0022】[第2実施形態]図4は、本発明の第2実
施形態を示している。第1実施形態では、内面溝付伝熱
管10の内面を周方向に4つの領域R1〜R4に分けて
いたが、この例では、周方向に2つの領域R1,R2の
みに分けたことを特徴としている。このため伝熱管の外
径が同一であれば、前記各実施形態に比してフィン12
の長さが略2倍になる。他の構成に関しては、前記各実
施形態と同様でよい。
【0023】このような第2実施形態によっても、リブ
14の抗張力により、フィン12の尖端部近傍が内面溝
付伝熱管10の外周面から突出して突起を形成すること
がなく、突起形成による美観の低下、および突起部の薄
肉化による内面溝付伝熱管10の信頼性の低下を防ぐこ
とが可能である。
【0024】また、内面に形成されているフィン12
が、いずれの向きに流れる熱媒体に対しても、流れの上
流に向けて開く単一のV字を構成するように配置され、
このV字の谷間に相当する部分に熱媒体が集まる特性を
有する。この特性を生かすため、この第2実施形態で
は、使用態様に応じて内面溝付伝熱管10の上下を設定
することが好ましい。
【0025】例えば、凝縮管として使用するのであれ
ば、金属面と熱媒気体とを直接接触させることが好まし
いので、蒸気流に対してV字の谷間に相当する部分を下
向きに配置する。すると、内面溝付伝熱管10内に溜ま
って流れる熱媒液体がフィン12に沿って内面溝付伝熱
管10の内面上側にまで広がりにくくなるから、前記効
果と相まって凝縮効率を高めることが可能である。
【0026】[第3実施形態]図5は、本発明の第3実
施形態を示している。この例では、内面溝付伝熱管10
の内周面を周方向に6つの領域R1〜R6に分けたこと
を特徴としており、これら領域R1〜R6のそれぞれ
に、内面溝付伝熱管10の軸線方向に並ぶ多数のフィン
12が互いに平行に形成されている。他の構成は第1実
施形態と同様であるから同一符号を付して説明を省略す
る。このような構成からなる内面溝付伝熱管10によっ
ても、第1実施形態と同様の優れた効果が得られる。
【0027】なお、本発明に係る内面溝付伝熱管は、上
記各実施形態に限定されるものではなく、その他にも種
々の構成が可能である。例えば、伝熱管の外径が大きい
場合には、伝熱管の内周面を8つ以上の領域に区画する
ことも可能であるし、必要であれば各フィンを円弧状に
形成することも可能である。さらに、各フィン12の屈
曲部の上端に溝を形成し、溝の底面の高さをリブ14の
高さに揃えることも可能である。そのような溝加工を行
った場合、これら溝を伝わって熱媒体が流れるように
し、内面溝付伝熱管10内を流れる熱媒体の流液抵抗を
更に低減できるうえ、フィン12の屈曲部の尖端の剛性
を減らして突起形成のおそれを更に低減することが可能
である。
【0028】[第4実施形態]図6は、本発明に係る内
面溝付伝熱管の第4実施形態の図3と同様の断面図であ
る。この実施形態では、先の第1〜第3実施形態におけ
るリブ14の代わりに、他の部分よりも肉厚が相対的に
大きくされた厚肉部70が形成され、これら厚肉部70
が金属管の軸線方向に隣接するフィン12の屈折点同士
を連結する仮想線に沿って延びている。他の構成は前記
実施形態と全く同様である。
【0029】厚肉部70の断面形状は山形でありさえす
れば良く、斜面は平面であってもなだらかな曲面であっ
てもよい。その幅Wは本発明では限定されないが、0.
2〜2.0mmであると本発明の効果が顕著に得られ、
より好ましくは0.7〜1.5mmとされる。また、厚
肉部70の突出量(tc−t)も限定されないが、0.
01〜0.08mmであることが好ましく、より好まし
くは0.02〜0.06mmとされる。
【0030】上記構成からなる第4実施形態の内面溝付
伝熱管においても、第1〜第3実施形態と同様の効果が
得られる。また、第1〜第3実施形態と比較して優れて
いる点としては、リブ14を形成するよりも形状精度を
高めやすく、効果のばらつきが少ない点が挙げられる。
【0031】[内面溝付伝熱管の製造用ロールの実施形
態]次に、本発明に係る内面溝付伝熱管を製造するため
に使用されるロールの一実施形態を説明する。図7は、
第1実施形態に係る内面溝付伝熱管の製造装置を示し、
まずこの装置の概略構成を説明する。図中符号21は一
定幅の金属の板条材Tを連続的に繰り出すアンコイラで
あり、繰り出された板条材Tは、一対の押さえロール2
2を経て、対をなす溝付ロール24および平滑ロール2
6の間を通され、溝付ロール24によりフィン12およ
び溝13が形成される。溝付ロール24および平滑ロー
ル26は、板条材Tの走行と同期するように駆動されて
もよいし、駆動されずに従動回転するだけでもよい。溝
付ロール24が本発明に係る内面溝付伝熱管製造用ロー
ルである。
【0032】溝付ロール24および平滑ロール26によ
り溝加工された板条材Tは、一対のロール28を経て、
複数対配列されたフォーミングロール30を通して徐々
に管状に丸められ、ローリングセパレータ31により突
き合わせるべき両端縁間の間隙量が一定に保たれたう
え、誘導加熱コイル32に通されて両側縁部が加熱され
る。管状に成形され加熱された板条材Tは、一対のスク
イズロール34を通され、両側方から押されることによ
り加熱された両側縁部が突き合わされ、溶接される。こ
うして溶接された内面溝付伝熱管10の外周面には、は
み出した溶融材料によりビードが形成されるので、この
ビードを切削するためのビードカッタ36が設けられて
いる。
【0033】ビードが切削された内面溝付伝熱管10は
冷却槽38を通されて強制冷却されたうえ、複数対配列
されたサイジングロール40を通され、所定の外径まで
に縮径されるようになっている。こうして縮径された伝
熱管10は、ラフコイラ42で巻き取られる。
【0034】図8は、本発明に係る溝付ロール24の外
周部の断面図である。溝付ロール24は、一端に円環状
のフランジ部50Aを有するロール本体と、このロール
本体の外周に通された4枚の互いに同一寸法の円環状を
なすロール構成部品52と、押さえリング54とを具備
している。ロール構成部品52は、ボルトで締結されて
いてもよいし、ロウ付けや焼結、焼きばめ、冷やしばめ
等によって固定されていてもよい。第1実施形態の内面
溝付伝熱管では、その内周面が4つの領域R1〜R4に
分かれていたため、4枚のロール構成部品52を使用し
ているが、領域の数が異なる場合にはそれに応じてロー
ル構成部品52の幅および枚数が適宜変更される。
【0035】ロール構成部品52の外周面には、前述し
たフィン12を板条材Tの表面に形成するためのフィン
形成溝60が、ロール構成部品52の軸線を中心軸とす
る螺旋状に形成されており、隣接する各ロール構成部品
52同士では、周方向に対するフィン形成溝60の傾斜
角が正負逆になっている。フィン形成溝60の断面形状
は、フィン12と相補形状をなしており、フィン形成溝
60の開口エッジ60Aは、必要に応じて面取り加工が
されている。ただし、これら開口エッジ60Aは必要で
なければ面取り加工しなくてもよい。
【0036】本発明に係る溝付ロール24の主たる特徴
点は、ロール構成部品52の軸線方向の両端外周エッジ
が全周に亘って面取り加工され、それぞれ面取り部62
が形成されていることにある。従来は、このようなロー
ル継ぎ目に面取り加工を行う必要がなかったため、当
然、面取り加工が施されたロールも存在しなかった。こ
のような面取り部分62を形成することにより、積層さ
れたロール構成部品52の境界には、一対の面取り部分
62が合わさって溝が形成され、これら溝により板条材
Tの表面にはリブ14が形成されることになる。また、
面取り部分62の幅を大きくすれば、リブ14の代わり
に、第4実施形態のような厚肉部70が形成される。
【0037】図9は、面取り部分62を拡大した斜視図
である。この図では、面取り部分62はロール構成部品
52の端面52Aと外周面との境にのみ形成されている
が、フィン形成溝60の内面とロール構成部品52の端
面52Aとの間のエッジ60Bの内周側部分のうち鋭角
をなす部分を面取りしてもよい。
【0038】面取り部分62の断面形状は特に限定され
ず、例えば、円弧状、直線状、楕円弧状など一般的な面
取り加工方法により形成できる形状であればいかなる断
面形状であってもよい。面取り量は、本発明では限定さ
れず、形成すべきリブ14または厚肉部70の高さや幅
を考慮して決定すべきであるが、一般的に好適な例を挙
げると、リブ14を形成する場合は面取り部分62の曲
率半径がR:0.05〜0.1mm程度であると好まし
い。また、厚肉部70を形成する場合には、面取り部6
2の傾斜角が0.5〜8゜、面取り部62の深さが0.
01〜0.08mm程度であると好ましい。
【0039】この場合、同時に、フィン形成溝60の内
面と端面52Aとの間のエッジ60Bのロール外周側部
分は、フィン形成溝60と端面52Aとが鈍角をなして
交差する側62Aにおいて曲率半径R:0.05〜0.
1mm程度に面取りされ、かつ、フィン形成溝60と端
面52Aとが鋭角に交差する側62Bにおいて鈍角側よ
りも相対的に大きく、曲率半径R:0.05〜0.2m
m程度に面取りされていることが好ましい。このよう
に、フィン形成溝60と端面52Aとが鋭角に交差する
側62Bにおいて鈍角側62Aよりも相対的に大きく面
取りすることにより、溝転造加工における鋭角な先端6
2Bの欠けを防ぐ効果が得られるためである。
【0040】面取り部分62を形成する方法としては、
スコッチバフ等の研磨体による研磨や、各種砥石による
研削、ショット、サンド、ビーズ等のブラストによるブ
ラスト法などが例示できる。ブラスト法による場合に
は、面取り部分62に加工硬化を生じさせることができ
るため、好都合である。
【0041】以上の構成からなる内面溝付伝熱管の製造
用ロール24によれば、前述したとおりの効果が得られ
る伝熱管を容易に製造することが可能である。また、フ
ィン形成溝60と端面52Aとが鋭角に交差する側62
Bに面取り加工を施すことにより、溝転造加工における
鋭角な先端62Bの欠けを防ぐ効果も得られる。なお、
ロール構成部品52を相互に固定するための構造は図示
の構造に限定されず、適宜変更してよいのはもちろんで
ある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内面溝付
伝熱管によれば、ジグザグに延びるフィンの屈折点同士
を連結するリブまたは厚肉部が形成されているため、内
面溝付伝熱管を曲げ加工する場合にも、これらリブまた
は厚肉部の抗張力により、フィンの屈曲部同士の間隔が
他の部分に比べて異常に広がることが防止できる。した
がって、フィンの尖端部近傍が内面溝付伝熱管の外周面
から突出して突起を形成することがなく、突起形成によ
る美観の低下、および突起部の薄肉化による内面溝付伝
熱管の信頼性の低下を防ぐことが可能である。
【0043】また、本発明に係る内面溝付伝熱管の製造
用ロールによれば、上記のような優れた内面溝付伝熱管
を簡単に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態を
示す、内面を一部展開した平面図である。
【図2】図1中の部分拡大図である。
【図3】図2中のIII−III線視断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態である内面溝付伝熱管の
内面の展開図である。
【図5】本発明の第3実施形態である内面溝付伝熱管の
内面の展開図である。
【図6】本発明の第4実施形態の内面溝付伝熱管の要部
の断面拡大図である。
【図7】本発明の内面溝付伝熱管の製造装置の概略図で
ある。
【図8】同ロールの要部の正面図である。
【図9】同ロールの要部の斜視図である。
【図10】従来の問題点を示す平面図である。
【図11】従来の問題点を示す内面溝付伝熱管の内面拡
大図である。
【符号の説明】
10 内面溝付伝熱管 12 フィン 13 溝部 14 リブ 16 溝無し部分 18 リブ 20 溶接線 H1 フィンの高さ H2 リブの高さ R1〜R6 区切られた領域 24 溝付ロール(内面溝付伝熱管の製造用ロール) 52 ロール構成部品 52A ロール構成部品の端面 60 フィン形成溝 62 面取り部分 70 厚肉部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内周面に周方向に連続するフィ
    ンが形成されると共に、金属管の内周面はその周方向に
    おいて2以上の領域に区分され、いずれか1つの領域か
    ら数えて奇数番の領域では前記フィンの伝熱管軸線に対
    する傾斜角度が正の値をとり、前記1の領域から数えて
    偶数番の領域では前記フィンの伝熱管軸線に対する傾斜
    角度が負の値をとり、さらに金属管の軸線方向に隣接す
    る前記フィンの屈折点同士を連結するリブが形成されて
    いることを特徴とする内面溝付伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記金属管は電縫管であり、前記フィン
    は前記内周面の1箇所において、溶接線により分断され
    ていることを特徴とする請求項1記載の内面溝付伝熱
    管。
  3. 【請求項3】 前記リブの前記金属管内面からの突出量
    は、前記フィンの前記金属管内面からの突出量の5〜9
    0%であることを特徴とする請求項1または2記載の内
    面溝付伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記フィンの前記金属管軸線に対する傾
    斜角度の絶対値は8〜30゜であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の内面溝付伝熱管。
  5. 【請求項5】 前記領域の数は、2,4,6のいずれか
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の内面溝付伝熱管。
  6. 【請求項6】 外周面にその周方向に対して傾斜した溝
    が多数形成されたロール構成部品を軸線方向に2個以上
    積層してなり、互いに隣接する各ロール構成部品の外周
    面に形成された溝はロール周方向に対する角度の正負が
    逆であり、さらに各ロール構成部品の軸線方向両端のエ
    ッジは面取り加工されていることを特徴とする内面溝付
    伝熱管の製造用ロール。
  7. 【請求項7】 金属管の内周面に周方向に連続するフィ
    ンが形成されると共に、金属管の内周面はその周方向に
    おいて2以上の領域に区分され、いずれか1つの領域か
    ら数えて奇数番の領域では前記フィンの伝熱管軸線に対
    する傾斜角度が正の値をとり、前記1の領域から数えて
    偶数番の領域では前記フィンの伝熱管軸線に対する傾斜
    角度が負の値をとり、さらに金属管の軸線方向に隣接す
    る前記フィンの屈折点同士を連結する仮想線に沿う部分
    では、他の部分よりも金属管の肉厚が相対的に大きくさ
    れていることを特徴とする内面溝付伝熱管。
  8. 【請求項8】 前記屈折点同士を連結する仮想線に沿う
    部分での金属管の肉厚は、金属管の他の部分の肉厚より
    も0.01〜0.08mm大きくされていることを特徴
    とする請求項7記載の内面溝付伝熱管。
JP21030996A 1996-08-08 1996-08-08 内面溝付伝熱管およびその製造用ロール Withdrawn JPH1054686A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001094044A1 (fr) * 2000-06-09 2001-12-13 Daikin Industries, Ltd. Dispositif et procede de fabrication de tubes de metal tendre
JP2008267779A (ja) * 2006-10-19 2008-11-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 伝熱管

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