JP3756764B2 - チルトテレスココラムの支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チルトテレスコ調整可能なステアリング装置において、チルト方向の調整を初期位置に戻そうとするバネ部材がテレスコ方向の調整を行ってもバネ部材が傾き状態となって大きく引っ張られ、バネ荷重が大きく変動することを防止し、チルトテレスコの操作性を良好にすることができるチルトテレスココラムの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりチルトテレスコのそれぞれの方向に調整可能としたステアリング装置において、軸体側に取付固定される固定ブラケットと、ステアリングコラムに固着され、該コラムと共に可動する可動ブラケットと、前記固定ブラケットと可動ブラケットを挿通する締付軸によって、ステアリングコラムを適宜位置に固定し、または、解除して、適宜位置へ固定する等の位置調整を行い、運転者の好みの位置に固定される機構を有するものが存在する。
【0003】
この種のステアリング装置はチルト方向の位置調整の安定性を得るため、通常、固定ブラケットと可動ブラケットとの間には、バネ部材(リターンスプリングとも称する)を設けて固定ブラケットに対して可動ブラケットとともにステアリングコラムが弾性支持されている。この弾性支持は、固定ブラケットに対して、可動ブラケット側のステアリングコラム等の自重が位置調整操作中の運転者に操作上の負担とならないように適宜位置で保持して操作性を良好にする役割をなしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ステアリングコラムがチルト方向のみ可能な位置調整装置の場合であれば、固定ブラケットと可動ブラケットとの間にバネ部材(リターンスプリングとも称する)を設ける支持構造は、そのバネ部材の伸縮方向の弾性変形を良好な状態でさせることが可能なため、何ら問題は無い。
【0005】
しかし、近年、ステアリングコラムの位置調整のみでは、運転者の好みの位置に調整可能とする本来の目的が達成できないことがあり、そのステアリングコラムの位置調整装置の調整範囲を拡大すべくチルトテレスコの両方向に位置調整可能にして、より運転者の好みの位置に調整できるものが望まれている。
【0006】
このチルトテレスコの両方向に位置調整可能なステアリングコラムの位置調整装置は、チルト方向のみの装置と同様にテレスコ方向の装置においても固定ブラケットと可動ブラケット間を弾性支持する必要がある。しかし、一般的にこの弾性支持は、固定ブラケットと可動ブラケットとの間に設けたバネ部材を直接、固定ブラケットと可動ブラケットに係合させて行っている。
【0007】
すると、固定ブラケットに対してテレスコ方向に移動する可動ブラケットは、バネ部材の上下の係合位置がコラム軸方向にずれるようにして変化することになり、バネ部材の伸び方向がテレスコ方向に引っ張られることになり、チルト方向の移動調整において、バネ荷重が変わって、操作性の安定感が損なわれる。
【0008】
即ち操作感覚がテレスコ調整位置によって変化し、操作性を良好にすることが難しくなる。また、そのテレスコ調整によって生じる操作性の不安定がチルト方向の移動調整にも悪影響を及ぼし、バネ荷重の不安定によって、チルト調整の操作性をも損なうことになる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、固定ブラケットと、ステアリングコラムを装着した可動ブラケットと、前記固定ブラケットと可動ブラケットにそれぞれ形成され少なくとも一方は縦長孔と横長孔とが交差して構成される前後2組のチルトテレスコ調整孔と、該チルトテレスコ調整孔に挿通する2本の締付軸と、該締付軸が挿通する軸支孔を有し,両締付軸の軸両端部に装着され,両締付軸間距離を一定にする軸支持部材と、前記締付軸を回動させる操作レバー部材と、前記軸支持部材と前記固定ブラケットとを連結するバネ部材とからなり、該バネ部材は、前記固定ブラケットに形成された固定フックと前記軸支持部材に形成されたフックに張設されてなるチルトテレスココラムの支持構造としたことにより、チルト方向の調整時にバネ部材がテレスコ方向に沿って傾き状態に伸び、大きく引っ張られて、チルトテレスコの操作が行いにくくなるという不都合を防止することができ、上記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明は、主要な構成は固定ブラケット1と、可動ブラケット2と、前記固定ブラケット1と可動ブラケット2の所定位置を挿通する締付軸5,5と、該締付軸5,5の両軸端部に装着される軸支持部材Aと、バネ部材11とから構成される〔図1(A)乃至(C)等参照〕。
【0011】
その固定ブラケット1は、左右一対の両支持側板1a,1aと取付頂部1bとから構成されている。該取付頂部1bは、車内の所定位置にカプセル部材12,12,…等を介して装着され、衝突等の衝撃発生時にのみ取付位置に対して抵抗を受けつつ摺動しながら衝撃エネルギーを吸収し、衝撃を和らげて運転者を事故から保護する構造となっている。前記可動ブラケット2は、幅方向両側にコラム支持部2a,2aが形成されている。両コラム支持部2a,2aは、ステアリングコラム13を支持固定するとともに、前記両コラム支持部2a,2aが前記固定ブラケット1の両支持側板1a,1a間に挟持状態で装着される〔図1(B)参照〕。その固定ブラケット1の両支持側板1a,1aには、後述するバネ部材11が係止される固定フック1c,1cが形成されている〔〔図1(A),(C及び図2(A),(C)参照〕。該固定フック1cは、前記支持側板1aに対して略直角に外方に屈曲形成されている。
【0012】
前記固定ブラケット1と可動ブラケット2とは、チルトテレスコ調整孔3,3,…と締付軸5,5とで連結される。そのチルトテレスコ調整孔3は、横長孔3bと縦長孔3a又は横長孔3bと丸孔3cとの組み合わせにて構成され、前記固定ブラケット1及び可動ブラケット2にチルト動作と,テレスコ動作を行なう役目をなしている。その縦長孔3aは、主にチルト調整を行なう役目をなし、横長孔3bは、主にテレスコ調整を行なう役目をなすものである。
【0013】
具体的には、前記固定ブラケット1には、その両支持側板1a,1aに貫通する左右一対の縦長孔3aと丸孔3cとが形成される。同様に、可動ブラケット2の両コラム支持部2a,2aには、幅方向に貫通して左右一対をなす横長孔3bが形成され、且つ該横長孔3bがそれぞれのコラム支持部2aの前後方向に沿って2組形成されている〔図1(A),(C)参照〕。
【0014】
前記チルトテレスコ調整孔3は、軸方向に沿って、一方を縦長孔3aと横長孔3bとから構成されるものとし、他方を横長孔3bと丸孔3cとから構成されたものとしたり、前後両方とも縦長孔3aと横長孔3bとから構成されるものとすることがあり、必要に応じて採用されればよい。そして、固定ブラケット1と可動ブラケット2とが前記縦長孔3aと横長孔3bとを略十字状に交差させてチルトテレスコ調整孔3,3が構成され、該チルトテレスコ調整孔3,3に締付軸5,5が挿通される。
【0015】
また前記縦長孔3aは、固定ブラケット1の両支持側板1a,1aに形成され、横長孔3bは、可動ブラケット2のコラム支持部2a,2aに形成される。これによって、可動ブラケット2が固定ブラケット1に対して軸方向に移動するときに、チルトテレスコ調整孔3に挿通された締付軸5は、テレスコ調整方向に対して常時固定であり、チルト方向にのみ移動する。
【0016】
その締付軸5は、具体的にはボルト形状のものであって、螺子軸部5aと軸頭部5bから構成され、該軸頭部5bは普通のボルトのように六角形状をなしているが、正方形等の多角形状であっても構わない。その締付軸5は、2本備えられ、前記固定ブラケット1と可動ブラケット2に形成されたチルトテレスコ調整孔3,3,…に挿通される〔図2(A),(C)参照〕。
【0017】
この両締付軸5,5は、二つのブラケット1,2及びチルトテレスコ調整孔3,3に挿通して、2つの軸支持部材A,Aによって、前記固定ブラケット1の幅方向両側箇所で両締付軸5,5が常時一定間隔となるように支持される。前記軸支持部材Aは、軸支本体部6の長手方向両側に軸支孔6a,6aが形成されている〔図2(A),(C)参照〕。さらに、軸支本体部6の長手方向一端には、フック7が形成されている。該フック7は、前記軸支本体部6に対して略直角となるように屈曲形成されたものであり、軸支本体部6とフック7とは同一材から一体成形されたものとしたり、或いは別材として両者を固着する構造のものであっても構わない。
【0018】
その2つの軸支持部材A,Aは、前記固定ブラケット1の幅方向両側で形状が多少異なる。即ち、固定ブラケット1の幅方向の一方側に配置される軸支持部材Aは、操作レバー部材10及び両締付軸5,5を共に作動させるためのリンク機構部が装着される。また、他方側には、両締付軸5,5の空転を防止する機構が設けられる。
【0019】
固定ブラケット1と可動ブラケット2とが組み合わせられて構成された前記チルトテレスコ調整孔3,3,…に締付軸5,5が挿通される。このとき、締付軸5の軸頭部5b側は、操作レバー部材10が装着される側と反対側であり、軸頭部5bと固定ブラケット1との間に軸支持部材Aが配置されることになる〔図2(C)参照〕。
【0020】
また、固定ブラケット1の操作レバー部材10が装着される側では、締付軸5,5の螺子軸部5a,5aが軸支持部材Aの軸支孔6a,6aに挿通され、両螺子軸部5a,5aにリンク機構部を構成するアーム部材14,14が装着される〔図3(A)参照〕。アーム部材14の回動中心部には、前記螺子軸部5aに螺合する内螺子部14aが形成されており、両アーム部材14,14の自由端側同士に伝達部材15が枢支連結されている。
【0021】
その一方の締付軸5に操作レバー部材10が装着され、操作レバー部材10の回動動作が前記伝達部材15を介して両アーム部材14,14を回動させるものである。その操作レバー部材10による回動操作にて、前記固定ブラケット1と可動ブラケット2との締付及び解除が行なわれ、チルトテレスコ調整孔3,3,…と締付軸5,5により、チルト調整又はテレスコ調整或いはその両方の調整を行うことができる。
【0022】
両軸支持部材A,A部材と、前記固定ブラケット1との間にバネ部材11が係止される。具体的には、固定ブラケット1の両支持側板1a,1aに形成された固定フック1c,1cと、前記軸支持部材Aのフック7との間にバネ部材11が張設される。前記固定フック1cは、支持側板1aのステアリングホィール寄りの端部に形成されている。そして、前記バネ部材11は、コイルスプリングで、その伸縮方向の両端に鉤片11a,11aが形成され、該鉤片11a,11aが前記固定フック1c及びフック7にそれぞれ係止される。前記固定フック1c及びフック7に係止されたバネ部材11は、上下方向にステアリングコラム13に対して略直交するようになっている〔図1(A),(C)等参照〕。
【0023】
前記軸支持部材Aは、チルト調整時において、前記締付軸5が縦長孔3aに沿って移動する。即ちチルト調整では、軸支持部材Aは可動ブラケット2の移動方向に沿って移動し、前記バネ部材11は、上下方向に伸縮する〔図8(A)参照〕。また、テレスコ調整時には、固定ブラケット1に対して可動ブラケット2が移動するが、可動ブラケット2には横長孔3bが形成されているので、締付軸5に対して、横長孔3bが移動し、締付軸5は不動である。したがって、テレスコ調整では、軸支持部材Aは、固定ブラケット1とともに不動であり、前記バネ部材11も変化せずテレスコ方向には不動である〔図8(B)参照〕。
【0024】
このように締付軸5,5は、チルト方向には移動可能で、テレスコ方向には、不動という構造であり、軸支持部材Aと固定ブラケット1との間に設けたバネ部材11は、チルト調整時のリターンスプリングという本来の機能を安定させることができ、テレスコ調整時にバネ部材11にテレスコ方向の偏寄りした荷重を加えることがない。
【0025】
次に、チルトテレスコ調整を行う場合に前記締付軸5の螺子軸部5aと前記アーム部材14の内螺子部14aとを操作レバー部材10を介して締付,解除するときに、締付軸5が空転しないように、一方の軸支持部材Aには回止め部16が設けられる。該回止め部16の実施例は、前記軸支持部材Aの軸支本体部6とは別部材としたものや、軸支本体部6と一体的に形成されたものが存在する。
【0026】
前記回止め部16は、二つのストッパー部材16a,16bとから構成され、それぞれに、締付軸5の軸頭部5bが係止する多角形孔を有する固定片16a1 ,16b1 とが形成され、両ストッパー部材16a,16bを連結するための円弧状長孔を有する連結片16a2 ,16b2 がそれぞれ形成されている(図5参照)。そして、固定片16a1 ,16b1 にて両締付軸5,5の軸頭部5b,5bを固定しつつ、連結片16a2 ,16b2 同士がビス等の固着具16cによって、軸支持部材Aの固定内螺子8に固着される〔図4(A),(B)参照〕。
【0027】
さらに、別の実施例としては、締付軸5の軸頭部5b箇所に断面非円形とした被固定部5cが形成される。また、前記軸支孔6a1 は、その被固定部5cの断面形状に一致する形状に形成され、前記被固定部5cが軸支孔6a1 に挿入した状態で軸周方向に回転しないようになっている。具体的には、被固定部5cは断面正方形状であり、軸支孔6a1 も被固定部5cが挿入可能な正方形状としたものである〔図6(A),(B)参照〕。該被固定部5cは、前述した断面正方形状以外の多角形状,スプライン等の歯形状,小判形状,半円形状などの異形形状などでもよい。
【0028】
また、図7は前記操作レバー部材10に回動規制部17が装着される実施形態である。前記回動規制部17は、操作レバー部材10を締付状態及び解除状態で、前記フック7に係止して操作レバー部材10の回動範囲が規制されるようにしたものである。前記回動規制部17は、解除当接片17a及び締付当接片17bがそれぞれ形成され、前記操作レバー部材10とともに回動する構造となっている。
【0029】
その回動規制部17は、具体的には前記アーム部材14と一体的に形成され、アーム部材14に解除当接片17a及び締付当接片17bがそれぞれ形成される〔図7(A)参照〕。そして、アーム部材14の回動中心は非円形孔14bが形成され操作レバー部材10側に形成された非円形孔14bと同形状の係合突起10aが挿入可能となっており、前記操作レバー部材10は、前記締付軸5と螺合して締付軸5の締付が可能な構造となっている。
【0030】
そして、操作レバー部材10の回動とともに、アーム部材14が回動し、解除規制側では解除当接片17aがフック7に当接して操作レバー部材10がそれ以上は回動しないようにしている。また同様に、締付規制側では締付当接片17bが前記フック7に当接して操作レバー部材10がそれ以上は回動しないようにしている。このとき、フック7に係止されたバネ部材11と回動規制部17及び操作レバー部材10は、相互に干渉しないような位置に構成されている〔図7(B)参照〕。これによって、操作レバー部材10の締付過ぎ,緩め過ぎを防止する。回動規制部17は、前記アーム部材14と一体的に形成されたり、或いは特に図示しないが、前記アーム部材14とは独立した別部材から形成されたものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明は、固定ブラケット1と、ステアリングコラムを装着した可動ブラケット2と、前記固定ブラケット1と可動ブラケット2にそれぞれ形成され少なくとも一方は縦長孔3aと横長孔3bとが交差して構成される前後2組のチルトテレスコ調整孔3,3と、該チルトテレスコ調整孔3,3に挿通する2本の締付軸5,5と、該締付軸5,5が挿通する軸支孔6a,6aを有し,両締付軸5,5の軸両端部に装着され,両締付軸5,5間距離を一定にする軸支持部材Aと、前記締付軸5,5を回動させる操作レバー部材10と、前記軸支持部材Aと前記固定ブラケット1とを連結するバネ部材11とからなり、該バネ部材11は、前記固定ブラケット1に形成された固定フック1cと前記軸支持部材Aに形成されたフック7に張設されてなるチルトテレスココラムの支持構造としたことにより、前記チルトテレスコ調整可能なステアリング装置において、チルト方向の調整を初期位置に戻そうとするバネ部材11がテレスコ方向の調整を行っても傾き状態となって大きく引っ張られることを防止し、常時バネ部材11のバネ荷重を安定させ、チルトテレスコの操作を良好にすることができる等の種々の効果を奏する。
【0032】
上記効果を詳述すると、前記固定ブラケット1側に縦長孔3aが形成され、可動ブラケット2側に横長孔3bが形成され、その縦長孔3aと横長孔3bとからなるチルトテレスコ調整孔3と、固定ブラケット1と可動ブラケット2とは独立した別材からなる軸支持部材Aと、固定ブラケット1と可動ブラケット2を前記チルトテレスコ調整孔3,3,…を介して挿通された締付軸5,5とから構成されたものである。
【0033】
そして、固定ブラケット1の固定フック1cと、軸支持部材Aのフック7との間に掛けられたバネ部材11は、チルト調整のときには固定ブラケット1側に形成された縦長孔3aに沿って締付軸5と軸支持部材Aは上下動し、バネ部材11が伸縮する。また、可動ブラケット2には、横長孔3bが形成されており、軸支持部材Aは、前記締付軸5が固定ブラケット1側の縦長孔3aによってテレスコ方向には不動状態にすることができる。
【0034】
したがって、テレスコ調整では、固定ブラケット1に対して可動ブラケット2のみがテレスコ方向に移動し、テレスコ位置に関係なく、バネ部材11がリターンスプリングとしての役目をなすことができ、その操作感覚を良好にすることができる。さらに前記バネ部材11に無理な引張力を加えることがないので、バネ部材11の伸縮が傾き状態となって大きく引っ張られ、バネ荷重を大きくなることを防止することができ、位置調整操作において強く引っ張られることを軽減でき、安定した操作感が得られる。
【0035】
次に、請求項2の発明は、請求項1において、前記操作レバー部材10を設けた軸支持部材Aとは反対側の軸支持部材Aの軸支孔6aは、前記締付軸5に形成された非円形部と同一形状としてなるチルトテレスココラムの支持構造としたことにより、チルトテレスコ調整における締付軸5,5の空転を軸支持部材Aのみで防止することができ、シンプルな構造とし、ひいては軽量化及びコストダウンを実現することができる。
【0036】
次に、請求項3の発明は、請求項1において、前記操作レバー部材10の回動中心に設けられ,該操作レバー部材10とともに回動し、前記軸支持部材Aに形成され,前記バネ部材11が係止されるフック7と当接して前記操作レバー部材10の回動範囲を規制する回動規制部17が装着されてなるチルトテレスココラムの支持構造としたことにより、操作レバー部材10の回動規制を行うことができる。なお、回動規制部17をアーム部材14に一体的にすることで、構造をシンプルなものにでき、且つ回動規制部17とアーム部材14との連動により、より一層正確な締付軸5,5の締付,解除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のリンク機構,操作レバー部材等を省略して操作レバー部材側より見た側面図
(B)は本発明のステアリングホィール側より見た要部断面図
(C)は本発明の回止め部等を省略して回止め部側より見た側面図
【図2】(A)は本発明の操作レバー部材側より見た要部分解斜視図
(B)は本発明の要部斜視図
(C)は回止め部側より見た要部分解斜視図
【図3】本発明の操作レバー部材側より見た側面図
【図4】(A)は本発明の回止め部側より見た側面図
(B)は(A)のX─X矢視断面図
【図5】回止め部の分解斜視図
【図6】(A)は本発明の別のタイプの軸支持部材及び締付軸の斜視図
(B)は(A)の軸支持部材と締付軸を使用した側面図
【図7】(A)は本発明の回動規制部における要部分解斜視図
(B)は操作レバー部材,回動規制部の組付構造図
(C)は回動規制部の締付状態図
(D)は回動規制部の解除状態図
【図8】(A)は本発明のチルト調整における作用図
(B)はテレスコ調整における作用図
【符号の説明】
1…固定ブラケット
2…可動ブラケット
3…チルトテレスコ調整孔
3a…縦長孔
3b…横長孔
5…締付軸
A…軸支持部材
6a…軸支孔
7…フック
10…操作レバー部材
11…バネ部材
17…回動規制部
Claims (3)
- 固定ブラケットと、ステアリングコラムを装着した可動ブラケットと、前記固定ブラケットと可動ブラケットにそれぞれ形成され少なくとも一方は縦長孔と横長孔とが交差して構成される前後2組のチルトテレスコ調整孔と、該チルトテレスコ調整孔に挿通する2本の締付軸と、該締付軸が挿通する軸支孔を有し,両締付軸の軸両端部に装着され,両締付軸間距離を一定にする軸支持部材と、前記締付軸を回動させる操作レバー部材と、前記軸支持部材と前記固定ブラケットとを連結するバネ部材とからなり、該バネ部材は、前記固定ブラケットに形成された固定フックと前記軸支持部材に形成されたフックに張設されてなることを特徴とするチルトテレスココラムの支持構造。
- 請求項1において、前記操作レバー部材を設けた軸支持部材とは反対側の軸支持部材の軸支孔は、前記締付軸に形成された非円形部と同一形状としてなることを特徴とするチルトテレスココラムの支持構造。
- 請求項1において、前記操作レバー部材の回動中心に設けられ,該操作レバー部材とともに回動し、前記軸支持部材に形成され,前記バネ部材が係止されるフックと当接して前記操作レバー部材の回動範囲を規制する回動規制部が装着されてなることを特徴とするチルトテレスココラムの支持構造。
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