JP3756581B2 - 測定器における入力アンプユニットの接地構造 - Google Patents

測定器における入力アンプユニットの接地構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定器本体に入力アンプユニットを装着した際により好ましい接地ルートを確保することができるようにした測定器における入力アンプユニットの接地構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
波形記録計等の測定器においては、図3に示すように測定器本体2と、該測定器本体2に測定チャンネルの数に応じて設けられている被装着部3に対し着脱を自在にして装着される入力アンプユニット4とで測定器1の全体が形成されているものもある。
【0003】
この場合、入力アンプユニット4は、樹脂ケーシング5の前面側に樹脂パネル部6が覆設されており、該樹脂パネル部6の上下両端部に配設されている通孔6aを介して測定器本体2の側にねじ7により止着できるようになっている。
【0004】
また、入力アンプユニット4のそれぞれは、測定器本体2の被装着部3に装着した際に両者間に接地ルートを形成することができる図示しない内部構造を備えており、該接地ルートを設けることにより装着後の各入力アンプユニット4の間で電位的な偏差が生ずるのを少なくしたり、測定系に入り込むノイズや誘導電圧などの発生を防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例のように測定器本体2と入力アンプユニット4との間で内部構造的に接地ルートを形成しているに過ぎないような場合には、装着後の各入力アンプユニット4の間に発生する電位的な偏差の発生を必ずしも十分には少なくすることができず、入力アンプユニット4,4が相互に干渉し合って安定した測定を行うことができなくなるなどの不都合があった。
【0006】
本発明は従来技術にみられた上記課題に鑑み、測定器本体に入力アンプユニットを装着した際により好ましい接地ルートを別途に確保することができるようにした測定器における入力アンプユニットの接地構造を提供することにその目的がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成すべくなされたものであり、その構成上の特徴は、測定器本体と、該測定器本体に対し着脱自在に装着される1以上の入力アンプユニットとを少なくとも備える測定器において、前面側に開口部を有する樹脂ケーシング内にアンプ基板を収容してなるアンプ本体部と、測定器本体へのねじ止めを自在とした通孔を備える導電性のインサート金具を有して樹脂ケーシングの前記開口部に覆設される樹脂パネル部とで前記入力アンプユニットを形成し、樹脂パネル部は、インサート金具の位置する部位を含む背面側に前記通孔との対向面にねじの挿通を許す透孔を有し、該透孔の下方側にて樹脂パネル部に固定され、かつ、前記アンプ基板との間に接地ルートを設けた導電性接続板を備え、入力アンプユニットは、樹脂パネル部の通孔を介して測定器本体のシャーシ部にねじを螺着して導電性接続板とインサート金具とを密接させることにより、アンプ基板と導電性接続板との間に設けた前記接地ルートをシャーシ部まで導いて測定器本体に装着したことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は、図3に示す測定器1における入力アンプユニット4の樹脂パネル部6の側に相当する部位の本発明の要部構造を示す縦断面図であり、図1は、図2において一点鎖線の円形囲繞枠内に位置する部分についての測定器本体に対する入力アンプユニットの装着構造を示す要部拡大断面図である。
【0009】
これらの図によれば、測定器11の全体は、表示部のほか、操作用抓みや押しボタンなどを備える樹脂ケース本体部13と、該樹脂ケース本体部13内に図示しない必要部品等を配設するために用いられるシャーシ部14とからなる測定器本体12と、該測定器本体12に測定チャンネルの数に応じて設けられている被装着部15に対し着脱を自在にして装着される1以上の入力アンプユニット21とを少なくとも備えて構成されている。
【0010】
このうち、入力アンプユニット21は、前面側に開口部23aを有する樹脂ケーシング23内にアンプ基板24を収容してなるアンプ本体部22と、樹脂ケーシング23の開口部23aの側を覆う樹脂パネル部25とで形成されている。
【0011】
この場合、樹脂パネル部25は、測定器本体12のシャーシ部14に対しねじ31を用いて止着するための通孔26aを有して樹脂ケース本体部13の前面13aと当接する導電性のインサート金具26をその上端部に備えて形成されている。
【0012】
さらに、樹脂パネル部25は、図2に示すようにインサート金具26を含む背面部位に通孔26aとの対向面にねじ31の挿通を許す透孔29を有し、該透孔29の下方側にてカシメ部27を介して樹脂パネル部25に固定され、かつ、アンプ基板24のグランド側へとリード線30を介して接地された導電性接続板28を備えている。
【0013】
また、導電性接続板28は、その背面28a側の面高が樹脂パネル部25の背面25a側の面高と同等もしくはそれ以上となるようにして樹脂パネル部25に配設されている。
【0014】
しかも、入力アンプユニット21は、測定器本体12の被装着部15内に樹脂ケーシング23を納めた際、樹脂ケース本体部13の前面13aに当接する樹脂パネル部25のインサート金具26に対し、その通孔26aからシャーシ部14の螺孔14aに向けてねじ31を緊締螺着することにより、測定器本体12の側にその着脱を自在にして装着されている。
【0015】
このように、測定器本体12のシャーシ部14の螺孔14aにねじ31を螺着することにより、樹脂パネル部25のインサート金具26と対面する位置関係にある導電性接続板28は、樹脂ケース本体部13の前面13a側へと押圧され、結果的にインサート金具26と密接するに至るので、アンプ基板24と導電性接続板28との間に設けられている接地ルートを導電性接続板28→インサート金具26→ねじ31→シャーシ部14へと導いてやることができる。
【0016】
本発明はこのようにして構成されているので、測定器本体12の被装着部15に対し1以上の入力アンプユニット21を着脱自在にして装着することにより、測定器11として使用することができる。
【0017】
具体的には、入力アンプユニット21のアンプ本体部22の側を被装着部15内にセットし、樹脂パネル部25の上端部が樹脂ケース本体部13の前面13aに当接するような位置関係のもとで、ねじ31をインサート金具26の通孔26aから導電性接続板28の透孔29へと送り込み、シャーシ部14の螺孔14aに緊締螺着することにより、入力アンプユニット21を測定器本体12の側に装着することができる。
【0018】
しかも、このようにねじ31をシャーシ部14の螺孔14aに緊締螺着することにより、樹脂ケース本体部13の前面13aとインサート金具26との間に位置する導電性接続板28は、インサート金具26と圧接するに至る結果、ねじ31を介してシャーシ部14との間に、アンプ基板24→導電性接続板28→インサート金具26→ねじ31→シャーシ部14という接地ルートが形成されることになる。
【0019】
したがって、入力アンプユニット21を測定器本体12に装着した後は、従来のように測定器本体と入力アンプユニットとの間に形成される内部構造的な接地ルートとは別系統の接地ルートを新たに形成して接地系統を強化することができる。
【0020】
このため、測定器本体12の被装着部15に対し1以上の入力アンプユニット21を装着しても、各入力アンプユニット21の間に発生する電位的な偏差の発生を確実に抑制して入力アンプユニット21,21が相互に干渉し合うといったような好ましくない現象を排除することができるので、安定した測定を行うことができることになる。
【0021】
なお、導電性接続板28がその背面28a側の面高を樹脂パネル部25の背面25a側の面高よりも高くなるようにして樹脂パネル部25に配設されている場合には、樹脂ケース本体部13の前面13aに対する導電性接続板28を圧接力を増すことができるので、結果的にインサート金具26とも確実に接触させることができ、アンプ基板24からシャーシ部14へと至る接地ルートをより確実に形成することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、測定器本体に1以上の入力アンプユニットをねじを介して装着した際、該ねじを介してアンプ基板からシャーシ部へと至る接地ルートを新たに形成して接地系統を強化することができるので、各入力アンプユニットの間に発生する電位的な偏差の発生を確実に抑制して入力アンプユニットが相互に干渉し合うといったような好ましくない現象を排除して安定した測定を行うことができる。
【0023】
また、導電性接続板がその背面側の面高を樹脂パネル部の背面側の面高よりも高くなるようにして樹脂パネル部に配設されている場合には、樹脂ケース本体部の前面に対する導電性接続板の圧接力を増してインサート金具への接触圧もそれだけ高めることができるので、アンプ基板からシャーシ部へと至る接地ルートをより確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部構造を図2の円形囲繞部分に対応させて示す説明図。
【図2】本発明を構成する入力アンプユニットの要部縦断面図。
【図3】入力アンプユニットを備える測定器の一例を示す要部斜視図。
【符号の説明】
11 測定器
12 測定器本体
13 樹脂ケース本体部
14 シャーシ部
15 被装着部
21 入力アンプユニット
22 アンプ本体部
23 樹脂ケーシング
23a 開口部
24 アンプ基板
25 樹脂パネル部
25a 背面
26 インサート金具
26a 通孔
27 カシメ部
28 導電性接続板
28a 背面
29 透孔
30 リード線
31 ねじ

Claims (2)

  1. 測定器本体と、該測定器本体に対し着脱自在に装着される1以上の入力アンプユニットとを少なくとも備える測定器において、
    前面側に開口部を有する樹脂ケーシング内にアンプ基板を収容してなるアンプ本体部と、測定器本体へのねじ止めを自在とした通孔を備える導電性のインサート金具を有して樹脂ケーシングの前記開口部に覆設される樹脂パネル部とで前記入力アンプユニットを形成し、樹脂パネル部は、インサート金具の位置する部位を含む背面側に前記通孔との対向面にねじの挿通を許す透孔を有し、該透孔の下方側にて樹脂パネル部に固定され、かつ、前記アンプ基板との間に接地ルートを設けた導電性接続板を備え、入力アンプユニットは、樹脂パネル部の通孔を介して測定器本体のシャーシ部にねじを螺着して導電性接続板とインサート金具とを密接させることにより、アンプ基板と導電性接続板との間に設けた前記接地ルートをシャーシ部まで導いて測定器本体に装着したことを特徴とする測定器における入力アンプユニットの接地構造。
  2. 前記導電性接続板は、その背面側の面高を樹脂パネル部の背面側の面高より高くして樹脂パネル部に配設したことを特徴とする請求項1記載の測定器における入力アンプユニットの接地構造。
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