JP3756214B2 - 積層チューブ容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は,特殊な硬化成分を含む接着剤、特殊な薬効成分、芳香成分、高揮発成分等を含む医薬品、化粧品等のペースト状製品に利用される押し出し容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでの積層チューブ容器に酸素、水蒸気、香気成分等に対するバリアー性を付与するには胴部に関してはアルミ箔を中間層にサンドウィチする方法が効果的に使用されている。しかるにこの胴部に接続される肩部と口頚部からなるヘッド部に関しては肩部の傾斜に合わせたリング状アルミ部材(内面はプラスチックでコートされている。)がヘッド成形時に図2に示すように挿入されているものが一般的である。
またヘッド部の形状に合わせて予めプラスチックで成形した薄肉部材が内側に挿入された押し出し容器が米国特許第3565293号、特開昭58−124623で提案されている。前者では、ユリアホルムアルデヒド熱硬化性樹脂の使用がまた後者ではポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)あるいはポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)の使用が提案されている。
ポリアクリロニトリルコポリマーが内容物成分の浸透、吸着防止等に効果があり、また、酸素ガスバリアー性のあることは知られており、特公昭57−60234ではポリアクリロニトリルコポリマーを胴部の最内層と最外層に使用した積層チューブ容器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のリング状アルミ部材を使用する場合は口頚部までの加工が難しく肩部だけで終わっており、口頚部までバリアー性を付与させることが出来ないという問題がある。たとえヘッド部全体に挿入できるアルミ部材を使用してもコスト高となる。また最大の問題はアルミ部材の端面がプラスチックで完全に覆われず、少しでも隙間があると内容物によってはアルミ部材を侵し、その部分からバリアー効果が失われることである。このためアルミ部材の端面が図2のようにプラスチックの中に入り込むような加工がされているがそれでも端面をプラスチックで完全に覆うのは成形技術上難しい問題が残されている。
一方、ヘッド形状に合わせたプラスチック薄肉部材を使用する方法であるが、ユリアホルムアルデヒド熱硬化性樹脂では水分によって膨潤を起こし内容物の洩れにつながるという問題がある。また脆くて扱い難いという問題もある。
ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいはポリブチレンテレフタレート樹脂を使用する場合は耐酸素透過性、耐水蒸気透過性において満足しうるレベルにないため内容物が制限されるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題を克服し、水蒸気、酸素バリアー性、さらに特殊な薬効成分、芳香成分、高揮発成等に対する優れたバリアー性を有する内容物の保存機能に優れた積層チューブ容器の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明は積層材を使用した筒状胴部に肩部と口頚部からなるヘッド部を接続した積層チューブ容器において、前記ヘッド部の内層が環状オレフィンコポリマーで、外層がポリアクリロニトリルコポリマーで形成され、前記筒状胴部の少なくとも最内層及び最外層がポリアクリロニトリルコポリマーで形成されていることを特徴とする積層チューブ容器を要旨とする。
【0005】
【作用】
本発明による積層チューブ容器は、ヘッド部が環状オレフィンコポリマーとポリアクリロニトリルコポリマーの2層構造であり、筒状胴部の少なくとも最内層と最外層にポリアクリロニトリルコポリマーを使用したことによって、極めて良好な水蒸気および酸素バリアー性、さらに特殊な薬効成分、芳香成分、高揮発成等に対しても優れたバリアー性を付与させることができる。
【0006】
【実施例】
本発明を図面を用いて、更に詳しく説明する。
図1は本発明による積層チューブ容器20のヘッド部10の断面図、図2は従来の積層チューブ容器30の一例の断面図、図3は本発明のヘッド部挿入部材2の平面図と側面図を示す。
従来のヘッド部までバリアー性を持たせた積層チューブ容器30は図2に示すように、ポリオレフィン系樹脂によるヘッド部成形時にリング状アルミ部材12が肩部6においてヘッド部外層材13と一体化されている。またその端面はポリオレフィン系樹脂の中に入り込むような構造となっている。
【0007】
本発明は図1に示すように、積層材1からなる筒状胴部5の先端に2層構造となるように肩部6と口頚部7からなるヘッド部10を後述する方法で胴部5に接合部4で接合したものであって、ヘッド部10の外層3はポリアクリロニトリルコポリマー(以下PANと称する。)、内層2は環状オレフィンコポリマーCycloolefine Copolymar(以下COCと称する。)によって構成されている。
ヘッド部10の内層2は射出成形であらかじめ成形された図3に示すロート状の部材によって形成される。そしてその上を全面に覆うようにPANが外層3を形成するように設けられている。
また胴部5の積層材1の内外層にはPANが使用されている。
従って図1に示すように、接合部4においてはヘッド部10外層3のPANと胴部層面のPAN同士で熱融着されている。一方ヘッド部10の内層2と外層3間は緩く接着しているが、口頚部7においては成形時の外層3の熱収縮によって強固に物理的に嵌合されている。
【0008】
本発明において使用するCOCは、高いガラス転移温度を有する非晶性樹脂で耐水蒸気透過性、耐薬品性、加工性、寸法安定性等に優れた特徴を有する剛性の高い樹脂である。
本発明において使用するPANは、ガスバリアー性が高く、耐薬品性があり、保香性が良くメントール、リモネン、カンフル等の精油に対して侵されず、高揮発成分の吸着透過が少ない等の優れた物性を示す。本発明には、アクリロニトリル、メチルアクリレート、ニトリルブタジエンの3元共重合物である三井東圧化学(株)のBarex1000BTを使用している。
従って本発明のポイントはこの両者の物性と胴部5におけるアルミ箔の物性を最大限に利用しているところにある。
【0009】
次に、本発明による積層チューブの製造方法について説明する。
内外層にPANを使用し中間層にアルミ箔を有する積層材を用いて、先ず筒状胴部5を成形する。すなわち、矩形状にカットした前記積層材のカット片を、筒状になるように巻き込み、その長手方向の両側端部同士をヒートシールで封筒貼りして筒状胴部を形成する。この場合、別途用意してあるPANによるテープを、チューブ内面の接合部を覆うように、同時にヒートシールし、積層材の端面、特にアルミ箔が内容物に触れないようにする。
一方において、図3に示すようなロート型の挿入部材2をインジェクション成形でCOCを用いて作成しておく。
次に、同じくインジェクション成形機を用いて、ヘッド部10の成形を行う。インジェクション成形金型のコアーはマンドレルの先端に形成されていて、所定の長さにカットされた筒状胴部5をこのマンドレルに差し込み、さらにその先端部の金型コアーに前記COCによる挿入部材を嵌め込んでから形締めし、挿入部材とキャビティの間にPANを一定量射出する。PANは前記積層材1とCOC挿入部材2間にも流れ込み、両者と熱融着して一体化してヘッド10を形成する。その結果は図1によって示されている。ヘッド成形後、別途用意したPANとCOCの2層フィルム等で口頚部7の開口部8をヒートシールする。
最後にあらかじめ成形されているキャップを頭部に勘合させる。キャップの樹脂は任意に選択してよい。
本発明ではヘッド部10には従来のリング状アルミ部材12の使用がないのでアルミ端面が内容物によって侵される心配はない。また胴部のアルミ箔端面は積層チューブ容器の外側にのみ出ているので内容物との接触による問題は起きない。
【0010】
【発明の効果】
本発明の積層チューブ容器によれば、ヘッド部が環状オレフィンコポリマーとポリアクリロニトリルコポリマーの2層構造であり、筒状胴部の少なくとも最内層、最外層にポリアクリロニトリルコポリマーを使用したことによって、極めて良好な酸素バリアー性と水蒸気バリアー性を付与させることができ、これまでの積層チューブ容器には充填できなかった特殊な硬化成分を含む接着剤、特殊な薬効成分、芳香成分、高揮発成分等を含む医薬品、化粧品等のペースト状製品に利用することができる。
さらに製造方法も安定化し、製造ロスを少なくし、経済コストで積層チューブ容器の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層チューブ容器のヘッド部の断面図
【図2】従来の積層チューブ容器の一例の断面図
【図3】本発明による積層チューブ容器のヘッド部挿入部材の平面図及び側面図
【符号の説明】
1 積層材
2 ヘッド部挿入部材,ヘッド部内層
3 ヘッド部外層
4 接合部
5 胴部
6 肩部
7 口頚部
8 開口部
10 ヘッド部
11 従来の積層チューブ容器の胴部積層材
12 従来のリング状アルミ部材
13 従来のヘッド部材
20 本発明による積層チューブ容器
30 従来の積層チューブ容器
Claims (1)
- 積層材を使用した筒状胴部に肩部と口頚部からなるヘッド部を接続した積層チューブ容器において、前記ヘッド部の内層が環状オレフィンコポリマーで、外層がポリアクリロニトリルコポリマーで形成されており、
かつ、前記筒状胴部の少なくとも最内層及び最外層がポリアクリロニトリルコポリマーで形成されており、
かつ、前記接続部において、前記ヘッド部の外層のポリアクリロニトリルコポリマーと前記筒状胴部層面のポリアクリロニトリルコポリマー同士で熱接着されており、
かつ、前記口頚部において、成形時の外層の熱収縮によって強固に物理的に嵌合されていることを特徴とする積層チューブ容器。
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JP4366295A JP3756214B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 積層チューブ容器 |
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JP4366295A Expired - Fee Related JP3756214B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 積層チューブ容器 |
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