JP3756167B2 - 路面補修装置 - Google Patents
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Description
即ち、従来の補修方法は、上述の如く、全て作業員が主として人力で作業を行っているので、小規模の補修工事といえど、多くの作業員を要するばかりでなく、作業時間がかかるという問題があった。しかも、使用するアスファルト混合物は、余裕をみて手配するため、通常の場合残りが生じ、それを廃棄せざるを得ず、それだけ材料が無駄になるという問題もあった。
また、小規模工事の割には安全施設等の規模が大きく、作業時間も長くなるため、一般通行車両の交通渋滞を招きやすい。
請求項1記載の発明では、舗装路面に発生した比較的小規模の損傷を補修する路面補修装置であって、乳剤を貯蔵する乳剤タンクと、骨材を貯蔵する骨材ホッパと、これらから供給された乳剤及び/または骨材を噴射する噴射ノズルと、乳剤タンク内の乳剤及び骨材ホッパ内の骨材をそれぞれ独立的に前記噴射ノズルに供給する乳剤供給系統及び骨材供給系統と、それら乳剤供給系統及び骨材供給系統を制御するコントローラとを装備し、前記噴射ノズルは、乳剤を送るパイプの先端部分と骨材を送るパイプの先端部分とが合体または一体化された構成であり、前記乳剤供給系統が、前記乳剤タンクと前記噴射ノズル間において乳剤タンクから取り込まれた乳剤を乳剤タンクに循環させる循環回路と、該循環回路にエアまたは洗浄油のいずれか一方を切り替えによって選択して供給することで前記循環回路を洗浄する洗浄手段とを装備することを特徴とするものである。
そして、その実施形態は、図1〜図3に示すように、乳剤タンク1と、骨材ホッパ2と、これらから圧送された乳剤Aまたは骨材Bあるいはそれらを混合させたものを噴射させる噴射ノズル3と、乳剤タンク1内の乳剤A及び骨材ホッパ2内の骨材Bをそれぞれ独立的に噴射ノズル3に圧送する乳剤供給系統4及び骨材供給系統5とを備えて構成されている。なお、ここでいう噴射ノズル3は、先端がテーパー状に細くなった管状のものに限られることなく、単なる管を切断しただけのものや、先端が若干広がった管状のものまで含む広い概念であり、要は、乳剤Aや骨材Bを噴射し得るものを意味する。
また、乳剤タンク1は、内部の乳剤を所定の温度に加熱する加熱機構を有している。加熱機構を設けるのは、乳剤の粘度を下げたり、分解を促進するためである。したがって、常温でもそのような性質を有する乳剤を適宜選べば、加熱機構を省略することもできる。加熱機構は、図4にて示すように、乳剤タンク1を内部に収納した収納タンク6と、この中に蓄えられた水7と、その水7を加熱する温度調節機能付きのヒータ8とを具え、該ヒータ8によって水を加熱することにより、乳剤タンク1内の乳剤を使用可能な温度に保つようにしている。さらに乳剤タンク1は内部に貯蔵されている乳剤量が図示しない検知手段によって検出され、乳剤量を監視し得るようにしている。
ここで、詰まり防止用のエア回路43は、コンプレッサ19、エアタンク20、洗浄バルブ26、逆止弁27、合流部29及びそれらを接続する配管25からなっている。
この詰まり防止用のエア回路43によって、噴射ノズル3に乳剤が詰まって噴射ノズル3が使用できなくなるといった事態を未然に回避できる。
第一配管25は洗浄バルブ26,逆止弁27を具え、その一端が分岐部28に接続されると共に他端が合流部29に接続され、エアタンク20からのエアを噴射ノズル3に送り込めるようにしている。第二配管30は、逆止弁31,三方弁32を有し、一端がエアタンク20に接続されると共に、他端が洗浄油タンク33の底部に接続されている。また、前記三方弁32と前記三方弁12との間が配管34によって接続され、さらに、洗浄油タンク33の上部及び前記乳剤循環回路41の三方弁23間も配管35により接続されている。
次に、洗浄油タンク33内の洗浄油を同様に三方弁32,配管34,三方弁12,フィルタ13,三方弁16、配管21、分岐部28a、リリーフ弁24、三方弁23及び配管35を介して循環させることにより配管内に付着した乳剤を洗浄する。その後、三方弁32を切り替えることによりエアタンク20からエアが三方弁32、配管34、三方弁12、フィルタ13、バインダポンプ15、配管21、リリーフ弁24及び配管35から成る配管内に圧送されることにより、配管内に残存する洗浄油が洗浄油タンク33に回収される。前記一連の作業により配管内の洗浄が終了する。
即ち、アーム60は、車両前部に水平方向に沿い回転可能に取付けられた第一アーム61と、該第一アーム61に取付けられ、これより前方に延びる第二アーム62とによって主アーム61Aが構成され、この主アーム61Aを構成する第二アーム62に水平方向に沿って、副アームである第三アーム63が回転可能に取り付けられている。
具体的に述べると、図1〜図2,図6及び図7に示すように、第一アーム61は、その基部が車両100の前部に取付けられた垂直軸64に取付けられると共に、その基部側の途中位置にシリンダ65のロッドが連結されている(図1参照)。シリンダ65は、シリンダヘッドが車両前部に固定され、垂直軸64及び後述のシリンダ67と協動してアーム60全体を支持している。また第一アーム61はシリンダ65との連結部分の途中位置に水平ピン機構66が設けられている。水平ピン機構66は詳細に図示していないが、第一アーム61の基部側に対し先端側が図2及び図7に示す鎖線の如く、起立できるように構成され、この姿勢は車両の移動時などにとるようにしている。さらに、車両前部には垂直軸64より若干前方位置に図示しないブラケット等を介しシリンダ67が枢着されると共に、該シリンダ67のロッドが第一アーム61及びこれに固定されたシリンダ68間に連結され、図7に示すように、シリンダ67のロッドの進退により第一アーム61が水平ピン機構66を支点としてより下方に回転するようにしている。シリンダ68については後述する。
従って、第一アーム61は、シリンダ65のロッドの進退により垂直軸64を中心として水平方向に回転し、またシリンダ67のロッドの進退により水平ピン機構66を支点として垂直方向に回転し、その際、水平ピン機構66を支点として起立できるようになっている。
第三アーム63は、前端部に前記噴射ノズル3を装着したものであって、第二アーム62の先端に連結垂直軸69を介し連結され、シリンダ70の駆動により連結垂直軸69を支点として、図1及び図6に鎖線にて示す如く水平方向に適宜の範囲で回転するようにしている。シリンダ70は第二アーム62の先端部に設置されている。
従って、作業時には、第一アーム61〜第三アーム63の長さ及び角度が調整されることにより、噴射ノズル3を補修箇所に位置合わせすることができる。
また、第三アーム63の先端部においては噴射ノズル3の近傍位置に配置される締固め装置71及びならし装置72が装着され、図示しないが、これら締固め装置71及びならし装置72に対し必要な駆動源が接続されている。
さらに、後述するコーンバー74には夜間等の工事のために、照明装置73が装着されている。
またさらに、車両の前部には安全機構が形成される。この安全機構は、工事に際し、作業員により、所望の長さからなるコーンバー74が車両前部の両側に設けられたポール75に取付けられ、車両,歩行者の進入を禁ずるようにしている。コーンバー74は、使用時、図1及び図2に示すように横に倒れるようになっており、また、ポール75から取り外せるようにも構成されている。また、車両100には工事中である旨を表示するための警告灯101と、その「工事中」の表示を点灯によって報知させる標識102も装備されている。
工事に際し、まず工事の警告灯101,標識102で表示したり、コーンバー74をセットしたりして安全施設を作る。この場合、車両100に元々装備されている警告灯101,標識102を点灯すれば、工事である旨を周囲に容易にかつ確実に知らせることができる。また車両である当局の車が補修箇所周辺に停車し、かつ駐車灯を点灯することによっても、上述と同様他の車の搭乗者が工事中であることに気づくので、車両が舗装路面に停止しているだけで他の車の搭乗者のみならず、通行人に対しても注意を喚起することができる。その上、車両100にコーンバー74を装置一式として予め積載しておけば、車両から取出してセットすればよいので、簡単に設置することができる。そのため、何もない状態から部品を一つ一つ運ぶことによって安全施設を作る従来技術に比較し、当該安全施設を簡単に作り出すことができると共に、速やかに行うことができる。
そのため、従来技術に比べて、作業時間を大幅に短縮することができるばかりでなく、作業員の数を削減することができる。
かかる処理の後、補修表面を清掃し、安全施設を撤去し、標識102を消灯させ、コーンバー74を片づけることにより、補修工事が終了することとなる。
しかも乳剤Aと骨材Bとを噴射ノズル3の内部で混合して吹き付けるようにしているので、従来技術のようにアスファルト混合物を余分に手配する必要がなくなり、そのため、余ったアスファルト混合物を捨てるということがなくなり、材料の経済的かつ効率的使い方を得ることができる。
また、前記乳剤供給系統4が、前記乳剤タンク1と前記噴射ノズル3間において乳剤タンク1から取り込まれた乳剤Aを乳剤タンク1に循環させる乳剤循環回路41と、該乳剤循環回路41にエアタンク20内のエアまたは洗浄油タンク33内の洗浄油のいずれか一方を三方弁32の切り替えによって選択して供給することで前記乳剤循環回路41を洗浄する洗浄手段42とを装備するので、補修作業を中断または終了した後、乳剤循環回路41にエアを圧送することにより、乳剤供給系統4に残存する乳剤Aを乳剤タンク1に戻すことができ、乳剤Aを無駄にしないですみ、乳剤供給系統4の清掃も行うことができると共に、エアから洗浄油に切り替え、乳剤供給系統4の乳剤循環回路41をこの洗浄油で循環させれば、エアで除去できなかった乳剤供給系統4の内壁に付着している乳剤までも全て除去することができ、本来、詰まりの生じやすい乳剤供給系統4を清浄な状態に保ち、詰まりを未然に防止することができる。
また、骨材供給系統5が、複数の骨材ホッパ2、58を備え、それら骨材ホッパ2、58内に貯蔵された複数種類の骨材を三方弁53aの切り替えによって、同時または単独で前記噴射ノズル3に供給可能に構成したので、種類の異なる骨材を任意に選択し、そのうちの一種類あるいは数種類を噴射ノズル3から補修箇所に噴射することができ、補修箇所の状況にあった最適な骨材を使用した補修作業が行える。
さらに上記路面補修装置を装置一式として車両に搭載しているので、装置一式のままで補修現場に速やかに移動することができ、そのため、可及的早急に補修するという要請を確実に実行することができるものである。
Claims (3)
- 舗装路面に発生した比較的小規模の損傷を補修する路面補修装置であって、乳剤を貯蔵する乳剤タンクと、骨材を貯蔵する骨材ホッパと、これらから供給された乳剤及び/または骨材を噴射する噴射ノズルと、乳剤タンク内の乳剤及び骨材ホッパ内の骨材をそれぞれ独立的に前記噴射ノズルに供給する乳剤供給系統及び骨材供給系統と、それら乳剤供給系統及び骨材供給系統を制御するコントローラとを装備し、前記噴射ノズルは、乳剤を送るパイプの先端部分と骨材を送るパイプの先端部分とが合体または一体化された構成であるものにおいて、
前記乳剤供給系統は、前記乳剤タンクと前記噴射ノズル間において乳剤タンクから取り込まれた乳剤を乳剤タンクに循環させる循環回路と、該循環回路にエアまたは洗浄油のいずれか一方を切り替えによって選択して供給することで前記循環回路を洗浄する洗浄手段とを装備することを特徴とする路面補修装置。 - 前記乳剤を噴射しないときには、噴射ノズルにエアを流し、該噴射ノズルの詰まりを防止する詰まり防止用のエア回路を装備することを特徴とする請求項1記載の路面補修装置。
- 骨材供給系統が、複数の骨材ホッパを備え、それら骨材ホッパ内に貯蔵された複数種類の骨材を切り替えによって、同時または単独で前記噴射ノズルに供給可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の路面補修装置。
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