JP3755413B2 - ベルト装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の回転部材に巻き掛けられるベルト装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、2つの回転部材同士の間で動力の伝動をおこなう場合に用いる伝動装置には、摩擦伝動装置、歯車伝動装置、ベルト伝動装置などがあり、2つの回転部材同士の軸間距離が長い場合には、ベルト伝動装置が用いられる。このようなベルト伝動装置は、例えば、車両用の無段変速機に用いられており、その無段変速機に用いるベルトの一例が、特開昭55−100443号公報に記載されている。この公報には、少なくとも一本の金属調帯の形態をした循環キャリヤーと、キャリヤー上に摺動できるように取り付けた複数個の横部材要素とを備えたベルトが記載されている。横部材要素(ブロック)として3つの実施例が示されている。
【0003】
すなわち、図1および図2には、ベルトの幅方向の一端に開口する一つの窪みを有する横部材要素が示されており、図3および図4には、ベルトの幅方向の両端に開口する2つの窪みを有する複数の横部材要素と、図5および図6には、ベルトの外側に開口する一つの窪みを有する複数の横部材要素とが記載されている。いずれの実施例においても、各横部材要素の窪みにキャリヤー(張力部材)が配置されてベルトが組み立てられている。ベルトの半径方向において、窪みよりも内側には傾斜ライン(第1の接触部)が形成されている。
【0004】
上記公報に記載されたベルトが複数の回転部材に巻き掛けられた状態において、所定の回転部材が回転すると、この回転部材に接触している横部材要素に対して押圧力が作用し、その押圧力が各横部材要素同士を介してベルトの円周方向に伝達され、他の回転部材が回転する。また、回転部材に巻き掛けられている領域でベルトが円弧状に移動する際には、傾斜ラインを支点として横部材要素同士が相対回転する。すなわち、横部材要素同士は傾斜ラインをして相互に接触し続けるものとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載されているベルトにおいては、ベルトの半径方向において、窪みよりも内側に傾斜ラインが形成されている。すなわち、ベルトの半径方向において、キャリヤーの内面と窪みとにより形成されるの第2の接触部よりも、傾斜ラインの方が内側に配置されている。このため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で、各横部材要素が傾斜ラインを支点として所定角度範囲内で回転する際に、第2の接触部を形成するキャリヤーと各横部材要素との相対移動量、すなわち滑り量が増加し易くなる。その結果、駆動側の回転部材とベルトとの間において、動力伝達効率が低下する可能性があった。
【0006】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、回転部材とベルトとの間における動力伝達効率の低下を抑制することのできるベルト装置およびベルト装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、前記張力部材と前記各ブロックとを、非連結状態から連結状態に変更するための連結構造が2種類以上あり、前記ブロックには、前記凹部に臨んで前記張力部材の幅方向に分割され、かつ、前記凹部に前記張力部材を配置した後に相互に接合される複数の分割片を有する特定のブロックが含まれていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明によれば、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、請求項1の発明によれば、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。また、請求項1の発明によれば、複数の分割片の間に張力部材を配置した後、複数の分割片同士を接合すれば、複数の分割片同士により形成される凹部内に、張力部材が配置される。したがって、特定のブロックを変形させる必要がない。
【0009】
請求項2の発明は、環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、前記張力部材と前記各ブロックとを、非連結状態から連結状態に変更するための連結構造が2種類以上あり、前記ブロックには、前記張力部材を前記凹部に取り付けた後、この凹部に臨む領域を変形させることにより、前記凹部の開口幅を前記張力部材の幅よりも狭くする構造の特定のブロックが含まれていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、請求項2の発明によれば、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。また、請求項2の発明によれば、特定のブロックの凹部に張力部材を取り付けた後、特定のブロックにおける凹部を臨む領域を変形させて、その凹部の開口幅を張力部材の幅よりも狭くすれば、張力部材が凹部から抜け出すことを確実に防止できる
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記特定のブロックが、前記張力部材の円周方向に間欠的に複数配置されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、ベルトの円周方向において、ブロックと張力部材とが異なる連結構造のものが、分散される。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記各ブロックと、前記張力部材とを連結した状態で、全てのブロックの形状が同じであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項4の発明によれば、ベルトを回転部材に巻き掛けた場合に、全てのブロックと回転部材との接触状態が同じになる。
【0021】
請求項5の発明は、環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、前記張力部材が、前記ベルトの幅方向に分割された複数の分割片を有し、この複数の分割片同士が、前記ベルトの幅方向の相対位置を変更可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項5の発明によれば、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、請求項5の発明によれば、複数の分割片の相対位置を変更して、張力部材の幅を狭めることにより、張力部材を凹部に挿入し易くなる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項5の構成に加えて、前記張力部材が、前記凹部の底面に接触し、かつ、幅方向に一体成形された環状部材を有していることを特徴とするものである。
【0024】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の作用が生じる他に、張力部材と凹部の底面との密着性が高められる。
【0025】
請求項7の発明は、環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、前記張力部材の外側に配置され、かつ、塑性変形により前記各ブロックに別々に固定された固定片を備えていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項7の発明によれば、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、請求項7の発明によれば、張力部材が各ブロックの凹部に保持され易くなる。
【0027】
請求項8の発明は、請求項7の構成に加えて、前記ブロックの硬度と、前記固定片の硬度とが異なることを特徴とするものである。
【0028】
請求項8の発明によれば、請求項7の発明と同様の作用が生じる他に、固定片の硬度をブロックの硬度よりも低く設定すれば、固定片を塑性変形させやすくなる。
【0029】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの構成に加えて、前記ベルトの幅方向における両端で前記各ブロックと前記複数の回転部材とが接触して第3の接触部が形成されるように、前記各ブロックの両端に接触面が形成されているとともに、前記ベルトの半径方向において、前記接触面の中心点と前記第1の接触部とが同じ位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0030】
請求項9の発明によれば、請求項1ないし8の発明と同様の作用が生じる他に、ベルトの半径方向において、各ブロックの接触面の中心点と第1の接触部とが同じ位置に配置されているため、所定の回転部材から各ブロックに対して押圧力が作用した際に、第1の接触部を中心として各ブロックを回転させるようなモーメントの発生が抑制される。したがって、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの滑り量の増加が一層抑制される。
【0031】
請求項10の発明は、環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、前記ブロックには、前記凹部に臨んで前記張力部材の幅方向に分割された複数の分割片を有するブロックが含まれており、前記連結構造には、前記凹部に前記張力部材を配置した後に、複数の分割片を接合してそのブロックと前記張力部材とを連結する構造が含まれていることを特徴とするものである。
【0032】
請求項10の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。また、請求項10の発明によれば、複数の分割片の間に張力部材を配置した後、複数の分割片同士を接合すれば、複数の分割片同士により形成される凹部内に、張力部材が配置される。したがって、特定のブロックを変形させる必要がない。
【0033】
請求項11の発明は、環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、前記連結構造には、前記張力部材を前記凹部に取り付けた後、この凹部に臨む領域を変形させることにより、前記凹部の開口幅を前記張力部材の幅よりも狭くすることにより、そのブロックと前記張力部材とを連結する構造が含まれていることを特徴とするものである。
【0034】
請求項11の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。また、請求項11の発明によれば、張力部材が凹部から抜け出すことを確実に防止できる。
【0035】
請求項12の発明は、請求項10または11の構成に加えて、前記ブロックを、前記張力部材の円周方向に間欠的に複数配置することを特徴とするものである。
【0036】
請求項12の発明によれば、請求項10または11の発明と同様の作用が生じる他に、ベルトの円周方向において、ブロックと張力部材とが異なる連結構造のものが分散される。
【0037】
請求項13の発明は、環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、前記張力部材が、前記ベルトの幅方向に分割された複数の分割片を有し、この複数の分割片同士を前記凹部に配置した後に、複数の分割片同士を幅方向に相対移動することにより、前記張力部材と各ブロックとを連結することを特徴とするものである。
【0038】
請求項13の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。また、請求項13の発明によれば、複数の分割片の相対位置を変更して、張力部材の幅を狭めることにより、張力部材を凹部に挿入し易くなる。
【0039】
請求項14の発明は、請求項13の構成に加えて、前記複数の分割片のうちの所定の分割片を半径方向に膨張させた後、他の分割片の一部を所定の分割片の内側に配置した状態で、前記複数の分割片を前記凹部に配置した後、複数の分割片同士を幅方向に相対移動することを特徴とするものである。
【0040】
請求項14の発明によれば、請求項13の発明と同様の作用が生じる他に、張力部材の半径方向における複数の分割片同士の全幅をなるべく狭くすることができ、張力部材を凹部に挿入し易くなる。
【0041】
請求項15の発明は、環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、前記各ブロックの凹部に前記張力部材を配置し、かつ、前記張力部材の外側に複数の固定片を配置するとともに、各固定片を塑性変形させることにより、各固定片と各ブロックとを固定して、前記張力部材を前記凹部に保持することを特徴とするものである。
【0042】
請求項15の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。また、請求項15の発明によれば、各固定片と各ブロックとを確実に固定することができ、凹部から張力部材が抜け出すことを防止できる。
【0043】
請求項16の発明は、請求項15の構成に加えて、前記張力部材に対して最後に取り付けられるブロックには、ベルトの幅方向の一端側に係止部が設けられているとともに、他端側には、ベルトの円周方向に貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔に、軸線方向に移動可能な連結片が配置するとともに、前記張力部材に最後のブロックを取り付ける際に、前記係止部を隣接するブロックの係止孔に係止した後、前記係止部を中心として最後のブロックと他のブロックとを相対回転させるとともに、最後のブロックと他のブロックとを重ね合わせてから前記連結片を貫通孔の軸線方向に移動させて、最後のブロックの凹部に前記張力部材を配置した後、前記連結片の一部を前記係止孔に挿入し、さらに、最後のブロックに固定片を接触させて固定片を塑性変形させることにより、この固定片と最後のブロックとを固定することを特徴とするものである。
【0044】
請求項16の発明によれば、請求項15の発明と同様の作用が生じる他に、ベルトの円周方向において、各ブロック同士の隙間の増加を抑制することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、この発明で対象とする無端状のベルト装置を、車両用のベルト伝動装置であるところの無段変速機2に用いた例を示す概念図である。無段変速機2は、駆動力源(図示せず)側に連結された駆動側回転部材(プライマリプーリ)3と、車輪(図示せず)側に連結された従動側回転部材(セカンダリプーリ)4とを有している。駆動側回転部材3は、回転軸5の軸線方向に移動不可能な固定シーブ6と、回転軸5の軸線方向に移動可能な可動シーブ7とを有している。この固定シーブ6と可動シーブ7との対向面間に、V字形状のベルト取付溝8が形成されている。一方、従動側回転部材4は、回転軸9の軸線方向に移動不可能な固定シーブ10と、回転軸9の軸線方向に移動可能な可動シーブ11とを有している。この固定シーブ10と可動シーブ11との対向面間に、V字形状のベルト取付溝12が形成されている。そして、図示しないアクチュエータにより、可動シーブ7,11をそれぞれ軸線方向に動作させることにより、ベルト取付溝8,12の幅をそれぞれ調整することができるように構成されている。
【0046】
上記のように構成された駆動側回転部材3および従動側回転部材4にベルト1が巻き掛けられている。ベルト1は、フープ13と、このフープ13に円周方向に配列された複数のブロック(言い換えれば、駒もしくはエレメント)14とを有している。フープ13とブロック14とは、ベルト1の円周方向に相対移動自在であるが、ベルト1の円周方向において、各ブロック14同士の間の隙間は微小な隙間に調整されている。フープ13は可撓性の金属材料により構成されており、ブロック14も金属材料により構成されている。また、ブロック14は、例えば400枚程度用いられている。
【0047】
上記構成において、駆動側回転部材3のベルト取付溝8の幅を制御することにより、駆動側回転部材3に対するベルト1の巻き掛け半径と、従動側回転部材4に対するベルト1の巻き掛け半径との比が変化し、駆動側回転部材3の回転速度と従動側回転部材4の回転速度との比、すなわち変速比が制御される。さらに、従動側回転部材4のベルト取付溝12の幅を制御することにより、ベルト1に対する駆動側回転部材3および従動側回転部材4の挟圧力が調整され、ベルト1の張力、厳密にはフープ13の張力が制御される。
【0048】
このフープ13の張力に応じて、ベルト1の円周方向に各ブロック14同士を圧縮する荷重が発生する。そして、駆動側回転部材3の回転にともない、駆動側回転部材3から、各ブロック14に対してベルト1の円周方向の押圧力が作用し、その押圧力が各ブロック14を経由して従動側回転部材4に伝達され、従動側回転部材4が回転する。このようにして、駆動側回転部材3の動力がベルト1を経由して従動側回転部材4に伝達され、従動側回転部材4のトルクが車輪に伝達されて、駆動力が発生する。
【0049】
以下、図1に示すベルト1の実施例を、図2および図3に基づいて説明する。この図2および図3は、ベルト1の幅方向における断面図である。なお、図2および図3は、フープ13と複数のブロック14とを連結した状態を示しており、図2と図3とを比較すると、フープ13と複数のブロック14とが連結された状態の形状および構造は同じであるが、フープ13と複数のブロック14とを、非連結状態から連結状態に変更するための連結構造が異なる。
【0050】
まず、フープ13と複数のブロック14とが連結された状態について説明する。前記フープ13は、環状の金属薄板(図示せず)を厚さ方向に積層して構成されている。ベルト1の幅方向において、フープ13の断面形状は長方形になっている。一方、各ブロック14は、フープ13の円周方向に配列されている。
【0051】
また、各ブロック14には、ベルト1の外周側に向けて開口した凹部15がそれぞれ形成されており、各凹部15の連続により環状の保持溝16が形成される。この保持溝16内にフープ13が嵌め込まれている。各凹部15は、保持部17と、保持部17に連続する開口部18とを有しており、保持部17の幅は、荷重が幅方向に付与されていない状態のフープ13の幅よりも広く設定されている。また、保持部17の深さは、荷重が幅方向に付与されていない状態のフープ13の厚さを越える値に設定されている。さらに、開口部18の幅は、荷重が付与されていない状態のフープ13の幅未満の値に設定されている。「保持部17の深さ」とは、ベルト1の半径方向もしくは厚さ方向、すなわち図2,図3の上下方向の寸法を意味している。
【0052】
さらに、各ブロック14には、ベルト1の外周側に配置され、かつ、ベルト1の幅方向に突出した2つの突出部19が設けられており、2つの突出部19同士の間に開口部18が形成されている。なお、各凹部15に臨む面のうち、最も内周側に位置する底面20は、開口部18側に向けて突出する方向の円弧形状を備えている。
【0053】
また、ブロック14は図4に示すように、ベルト1の円周方向における表裏に接触面21,22を有している。接触面21と接触面22とは平行に設定されている。接触面21は、ベルト1の厚さ方向において、ブロック14のほぼ全域を占めている。ベルト1の厚さ方向とは、ベルト1を駆動側回転部材3および従動側回転部材4に巻き掛けた状態において、回転軸5,9の軸線に直交する方向の寸法、すなわち、図2、図3において上下方向の寸法を意味している。
【0054】
これに対して、接触面22は、ベルト1の厚さ方向において、各ブロック14の外側半分程度を占めており、接触面22は、ベルト1の幅方向、言い換えれば、各ブロック14の幅方向において、凹部15の両側に2箇所配置されている。そして、ベルト1の厚さ方向において、2つの接触面22の内側には傾斜面23が連続されている。そして、各ブロック14の厚さが内側に向けて薄くなる方向に、傾斜面23が傾斜している。
【0055】
そして、2つの接触面22と傾斜面23との境界部分(連続部分)に、ロッキングエッジ(角部)24がそれぞれ形成されている。すなわち、各ブロック14の幅方向において、凹部15の両側にロッキングエッジ24が配置されている。この2つのロッキングエッジ24は、各ブロック14の幅方向に、かつ、ほぼ直線状に配置されており、ベルト1の厚さ方向において、2つのロッキングエッジ24と、凹部15の底面20とがほぼ同じ位置に配置されている。すなわち、底面20とフープ13の内周面35とが接触して形成される接触部A1は、ベルト1の厚さ方向において同じ位置に配置されている。
【0056】
さらに各ブロック14における2つの接触面22には、その厚さ方向に突出した突出部25が形成されている。また、各ブロック14における接触面21には、凹部15の両側に2つの係止孔26が形成されている。各ブロック14とフープ13とを連結した状態において、2つの突出部25と対向する位置に、2つの係止孔26が設けられている。
【0057】
さらにまた、各ブロック14の幅方向の両側には、固定シーブ6,10および可動シーブ7,11に接触する接触面27がそれぞれ形成されている。2つの接触面27は、フープ13の半径方向の内側に進むにともない、2つの接触面27同士の幅が狭くなる方向に傾斜している。なお、ベルト1が駆動側回転部材3および従動側回転部材4に巻き掛けられている領域において、前記ロッキングエッジ24は、図2および図3に示すように、ベルト1の厚さ方向、言い換えれば、ブロック14の厚さ(高さ)方向において、接触面27のほぼ中央に位置している。さらに、各ブロック14には、底面20に開口する油溝28が形成されている。
【0058】
つぎに、非連結状態にある各ブロック14とフープ13とを連結して、ベルト1を製造する方法を説明する。まず、図2に示すブロック14(以下、便宜上ブロック14Aと記載することがある)と、フープ13との連結構造について説明すれば、ブロック14は、金属材料、例えば、炭素鋼などにより一体成形されており、かつ、ブロック14には摩耗防止のための表面処理、例えば焼き入れ処理などが施されている。ベルト1の組立工程において、図2に示されたブロック14とフープ13とを連結する作業を、図5に基づいて説明する。
【0059】
図5に示された治具29は、フレーム30を有しており、このフレーム30は、相互に平行に配置され、かつ、その長さの異なる腕部31,32を備えている。腕部31は腕部32よりも短く、腕部31の先端側にはローラ33が取り付けられており、腕部32の先端側にはローラ34が取り付けられている。フープ13に幅方向の荷重が付与されていない状態において、フープ13の幅は、ブロック14の凹部18の開口幅よりも広い。そこで、フープ13を幅方向の一端側からブロック14の凹部15内に挿入するとともに、凹部15に挿入されたフープ13の幅方向の一端を、保持部17の一端側に押し付ける。
【0060】
ついで、フープ13の長さ方向の一部に荷重を与えて、凹部15の外側に向けて凸となる方向に、フープ13を幅方向に湾曲(弾性変形)させるとともに、一方のローラ34と、フープ13の内周面35であって、フープ13の幅方向のほぼ中央とを接触させ、かつ、他方のローラ33と、フープ13の外周面36であって、フープ13の幅方向の他端とを接触させる。このようにして、治具29を用いることにより、フープ13の湾曲状態が保持される。フープ13における湾曲部分の幅は、凹部15の開口幅18よりも狭くなっているため、フープ13のうち、凹部15の外部に位置している端部、すなわち、ローラ33が接触している端部を、図5のように、開口部18を経由して凹部15の保持部17まで挿入することができる。
【0061】
その後、フープ13と治具29とを、フープ13の円周方向に相対移動させると、フープ13の円周方向において、ローラ33,34により湾曲状態に弾性変形されていた部位が、図2に示すような平坦形状に復元するとともに、フープ13の長手方向における領域のうち、ローラ33,34が接触する領域が、新たに前述と同様の作用により、湾曲した状態となる。したがって、フープ13の円周方向において、新たに湾曲した状態となった領域の全部を、ブロック14の凹部15内に挿入することができる。
【0062】
以後、治具29とフープ13とを、フープ13の円周方向に相対移動させるとともに、上記と同様の作業を繰り返すことにより、各ブロック14とフープ13とを順次連結することができる。このようにして、各ブロック14とフープ13とを、非連結状態から連結状態に変更していくと、フープ13に対して最後のブロック14を連結する時点では、フープ13に最初に取り付けたブロック14と、最後から2番目のブロック14との隙間が狭く、このブロック14同士の間に、治具29のローラ33,34を挿入することができない。このため、ブロック14同士の間において、フープ13が幅方向に直線状となった状態にあり、図2に示すブロック14Aでは、フープ13を最後のブロック14の凹部15に挿入することは困難である。
【0063】
そこで、最後のブロック14として、図3のブロック14(以下、便宜上ブロック14Bと記載することがある。)を用いる取付工程を、図6に基づいて説明する。ブロック14Bは、フープ13の幅方向に2分割された分割片(言い換えればピース)37,38を有している。すなわち、分割片37,38は、図3に示すブロック14Bを、凹部15に臨む領域において、フープ13の幅方向に分割したものである。この分割片37,38にはそれぞれ突出部19が形成されているとともに、分割弁37には、前記底面20の一部を構成する底部39が形成され、分割片38には、前記底面20の一部を構成する底部40が形成されている。この底部39と底部40とは、フープ13の円周方向に重ね合わせられる位置に形成されている。なお、一方の分割片38の底部40に、油溝28が形成されている。
【0064】
図6のように別々に成形された分割片37,38を接合して製造されるブロック14Bと、フープ13とを連結する場合は、まず、突出部19同士の間隔が、フープ13の幅よりも広い状態となるように、分割片37と分割片38とを配置するとともに、分割片37と分割片38との間にフープ13を配置する。ついで、分割片37と分割片38とを近づけることにより、底部39の先端と分割片38とを接触させ、かつ、底部40の先端と分割片37とを接触させるとともに、底部39と底部40とを重ね合わせる。このようにして、分割片37と分割片38とが突き合わされることにより、図3に示すブロック14Bが構成され、ブロック14Bの凹部15内に、フープ13の円周方向の一部の領域が全て配置された状態となる。
【0065】
その後、分割片37と分割片38との接触部分を溶接して、分割片37と分割片38とを接合することにより、分割片37と分割片38とが一体化されたブロック14Bを製造する。このようにして、ブロック14Bとフープ13とが、図3に示すような連結状態になる。なお、図6の分割片37,38を接合して製造されるブロック14Bと、図2および図5に示す一体成形構造のブロック14Aとは、フープ13に連結された状態で同一形状および同一寸法となる。このため、分割片37,38の部品状態において、分割片37,38を溶接する際の熱変形量などを考慮して、予め分割片37,38の寸法管理がおこなわれている。
【0066】
ところで、ブロック14A,14B以外の連結構造を有するブロックを用いることもできる。例えば、フープとブロックとの非連結状態において、図2に二点鎖線で示す2つの仮突出部19Aが、その高さ方向に形成されたブロック14Cを、金属材料により一体成形する。また、仮突出部19A同士の間隔は、フープ13の幅よりも広く設定されている。なお、ブロック14Cのその他の構成は、ブロック14Aの構成と同じである。ついで、ブロック14Cの仮突出部19A同士の間に、フープ13を配置した後に、仮突出部19Aをフープ13側に折り曲げて(カシメて)、図2に示すブロック14Aを構成することにより、ブロック14Aとフープ13とを連結することができる。
【0067】
以上のように、図2ないし図6の実施例では、3種類のブロック14A,14B,14Cがあるため、1本のベルト1を製造する過程で、ブロック14とフープ13とを非連結状態から連結状態に変更する連結構造が3種類存在し、その3種類の連結構造のうち少なくとも2種類を選択的に組み合わせることができる。このため、全てのブロック14に対して、同じ連結作業もしくは取付作業をおこなう必要はない。
【0068】
つまり、全てのブロック14とフープ13とを連結する場合に、異なる連結作業を組み合わせることができる。したがって、異なる連結構造に対応するブロック14の数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック14同士の配列順序などの条件の選択により、フープ13と各ブロック14との連結作業工数、すなわち、ベルト1の製造工数および製造に要する時間の増加を抑制することができ、その生産性を向上し、かつ、その製造コストの上昇を抑制できる。
【0069】
また、ブロック14A,14Bを用いてベルト1を製造すれば、各ブロック14A,14Bとフープ13とを連結する際に、各ブロック14A,14Bの一部を折り曲げるなどの工程が不要である。したがって、ブロック14A,14Bを変形させる必要がなく、焼き入れ処理されたブロック14A,14Bが割れることを防止できるとともに、割れ防止するために折り曲げ部分のみ焼き入れ処理を施さないようにマスキングする必要もなく、ベルト1の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0070】
さらに、ブロック14A,14Bに、焼き入れ処理を施さない部分が存在しないため、ブロック14A,14Bの破壊強度の低下を抑制することができる。したがって、図1に示すように、ベルト1が円周方向に移動して、駆動側回転部材3または従動側回転部材4から離れる際に、フープ13から各ブロック14に対して、ベルト取付溝8,12の間に挟持されている各ブロック14を、ベルト取付溝8,12から抜け出させようとする力が作用した場合でも、ブロック14が割れることを抑制することができる。
【0071】
また、図3および図6に示されたブロック14Bを用いると、分割片37,38を接合する前の状態において、分割片37の突出部19と分割片38の突出部19との距離が、フープ13の幅よりも広いため、フープ13をブロック14Bの凹部15に簡単に挿入することができ、その連結作業性が一層向上している。そして、分割片37と分割片38とを接合した状態においては、ブロック14Bの凹部15の開口部18の開口幅よりも、フープ13の幅の方が広いため、凹部15からフープ13が抜け出すことを確実に防止できる。
【0072】
さらに、ブロック14A,14B,14Cを比較すると、その製造過程が異なり、各々の強度が異なるが、ベルト1の円周方向において、少なくとも2種類のブロックを間欠的に複数配置することにより、ベルト1の円周方向における全体の強度を、均一化することができる。また、ブロック14A,14Bと、フープ13とを連結した状態においては、ブロック14A,14Bの形状が全て同じになっている。ここで、ブロック14A,14Bの形状とは、ベルト1の幅方向の断面におけるブロック14A,14Bの外周形状、および各部分の寸法、ならびにベルト1の円周方向におけるブロック14A,14Bの厚さ、などの諸元を意味している。したがって、ブロック14Aまたはブロック14Bと、駆動側回転部材3および従動側回転部材4との接触状態が全て同じとなり、安定した動力伝達性能を維持することができる。
【0073】
一方、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間における動力伝達作用は、前述のとおりであるとともに、駆動側回転部材3と従動側回転部材4にベルト1が巻き掛けられていない領域、つまり、図7の領域B1においては、隣接するブロック14同士の接触面21と接触面22とが接触し、その接触部分が相互に押し合う状態となり、ベルト1が矢印E1のように直線状に移動する。
【0074】
また、駆動側回転部材3および従動側回転部材4に巻き掛けられている領域、ずなわち、図7の領域C1においては、駆動側回転部材3または従動側回転部材4に対するベルト1の巻き掛け半径に応じて、ベルト1が矢印F1のように円弧状の軌跡で移動する。このため、ベルト1の一部が領域B1から領域C1に移動する際に、隣接するブロック14同士が、ロッキングエッジ24と接触面21との接触部位を支点として、所定角度範囲内で相対回転する。具体的には、各ブロック14がロッキングエッジ24を支点として、図7において、順次、反時計方向に回転する。
【0075】
ここで、この実施例においては、ベルト1の厚さ方向において、接触部A1とロッキングエッジ24とが同じ位置に設定されているため、各ブロック14が図7において時計方向に回転する場合でも、接触部A1を形成している凹部15の底面20とフープ13の内周面35との相対移動量(言い換えれば、滑り量)の増加が抑制される。したがって、各ブロック14の接触面27と、駆動側回転部材3とにより形成される接触部D1の摩擦係数の低下が抑制される。その結果、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間における動力伝達効率の低下が抑制され、車両の駆動力の低下を抑制することができる。
【0076】
また、駆動側回転部材3から従動側回転部材4に対して動力を伝達する際には、ブロック14に対して押圧力が作用する。すなわち、回転軸5の軸線を中心とする仮想円(図示せず)に対する接線方向の力が作用する。ベルト1の厚さ方向における押圧力の作用範囲の中心点G1は、接触面27のほぼ中央に設定される。そして、この実施例においては、ベルト1の半径方向において、各ブロック14のロッキングエッジ24と中心点G1とが同じ位置に配置されている。したがって、ベルト1の一部が、図7の領域B1から領域C1に移動し、かつ、各ブロック14が図7において反時計方向に回転する場合に、各ブロック14が、ロッキングエッジ24を中心として時計方向に回転させる向きのモーメントの発生が抑制される。したがって、動力伝達効率の低下が抑制される。
【0077】
ところで、ブロックの幅方向の両側に凹部を形成し、この2つの凹部にそれぞれフープを配置する構成の比較例(前述した公報の図3、図4のもの)において、ロッキングエッジ(傾斜ライン)と、フープと凹部の底面との接触部とを、ベルトの高さ方向において同じ位置に設定すると、駆動側回転部材と従動側回転部材との間の領域で、ベルトが直線状に移動する場合に、各ブロック同士の間で圧縮荷重の作用する箇所が、凹部同士の間、すなわち、ブロックの幅方向の中央の1箇所のみとなる。したがって、ベルトが直線移動する領域において、ブロックの姿勢が不安定となり、各ブロック同士がその平面方向に相対移動して、ベルト振動および異音が発生する可能性がある。
【0078】
これに対して、図2ないし図7の実施例においては、ブロック14の幅方向において、各ブロック14の凹部15の両側に、2つの接触面22が配置されている。このため、2つの接触面22と接触面21とが接触して、その接触面間に圧縮力が作用する。したがって、ベルト1が、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間を直線移動する領域において、各ブロック14の姿勢が安定し、各ブロック同士がその平面方向に相対移動することが規制され、ベルト1の振動や騒音を抑制できる。
【0079】
また、図2ないし図6の実施例においては、ブロック14の幅方向において、凹部15の両側に突出部25を配置している。このため、ベルト1の厚さ方向における各ブロック14の高さの増加を抑制することができる。したがって、駆動側回転部材3および従動側回転部材4の外径を一定とし、ベルト1の巻き掛け半径の変更可能範囲を一定にした場合、駆動側回転部材3および従動側回転部材4の半径方向において、ベルト1の厚さ方向の中心と、駆動側回転部材3および従動側回転部材4との相対移動量を増加することができ、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間の変速比の制御幅を増加することができ、無段変速機2の入力側に連結される駆動力源の燃費が向上する。
【0080】
また、ブロック14の高さの増加を抑制できるため、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間における変速比の制御幅を一定であると考えれば、駆動側回転部材3の半径方向におけるベルト溝8の深さの調整により、この変速比の制御幅を得ることができる。したがって、従動側回転部材4の半径方向におけるベルト溝12の深さを深くする必要性がなく、その分回転軸9の外径を大きく設定することができ、回転軸9の強度が増加する。このように、回転軸9の強度が増加すれば、ベルト1の巻き掛け領域における従動側回転部材4の変形が抑制され、駆動側回転部材4の半径方向に、各ブロック14が不用意に移動することが抑制され、各ブロック14から従動側回転部材4に作用する押圧力の向きが、所期の向きに維持され易くなり、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間における動力伝達効率の低下を一層抑制することができる。さらに、領域B1をベルト1が移動する際に各ブロック14の安定性および整列性の低下が抑制される。
【0081】
また、図2ないし図7の実施例においては、1本のベルト1に使用するフープ13が1本であるため、その構造がシンプルであり、ベルト1の製造コストの増加が抑制される。また、図2ないし図7の実施例においては、駆動側回転部材3と従動側回転部材4との間で動力を伝達する場合に、ブロック14の接触面27と駆動側回転部材3および従動側回転部材4とが接触して、フープ13と駆動側回転部材3および従動側回転部材4が接触することはない。
【0082】
なお、ベルト1が領域B1または領域C1のいずれを移動する場合においても、各ブロック14に設けられている突出部25が、隣接するブロック14の係止孔26に差し込まれており、各ブロック14同士がその平面方向に相対移動することを規制できる。
【0083】
上記の図2ないし図6の構成とこの発明との対応関係を説明すれば、フープ13がこの発明の環状の張力部材に相当し、ブロック14B、およびブロック14Cを加工して製造されるブロック14Aが、この発明の特定のブロックに相当し、接触部A1がこの発明の第2の接触部に相当し、接触部D1がこの発明の第3の接触部に相当し、ロッキングエッジ24がこの発明の第1の接触部に相当する。図1の駆動側回転部材3および従動側回転部材4がこの発明の回転部材に相当する。
【0084】
8においては、各ブロック14の凹部15により形成された保持溝16に、第1のフープ13Aおよび第2のフープ41が配置されている。第1のフープ13Aおよび第2のフープ41は、共に可撓性を備えた同じ金属材料により構成されている。第1のフープ13Aの構成は、図2に示すフープ13と同様に構成されており、その幅方向に一体成形されている。また、第1のフープ13Aの厚さは、ブロック14の凹部15の保持部17の深さ未満に設定されている。さらに、第1のフープ13Aの幅は、開口部18の幅未満ないし、第1のフープ13Aを幅方向に寄せて開口部18に入れることのできる幅の範囲に設定されている。
【0085】
前記第2のフープ41は図9に示すように、ベルト1の幅方向に2分割された環状の分割片42,43を接合して構成されている。環状の分割片42,43には、その接合前の状態において、軸線方向の一端側に凹部44と凸部45とが、円周方向に交互に形成されている。各分割片42,43に形成された凹部44および凸部45は、相互に噛み合わされる形状に構成されている。第2のフープ41の厚さと、第1のフープ13Aの厚さとの和は、凹部15の保持部17の深さ未満に設定されている。なお、図8の実施例において、ベルト1のその他の構成は、図2に示すベルト1の構成と同様であるため、図2の符号と同じ符号を図8で用いて、その説明を省略する。
【0086】
上記のように構成された第1のフープ13Aと、分割片42,43同士を接合して製造される第2のフープ41とを保持溝16に配置して、図8に示すベルト1を製造する工程を説明する。まず、図10に示すように、第1のフープ13をブロック14の凹部15に挿入する。ここで、第1のフープ13Aの幅は、第1のフープ13Aの幅方向に対して、所定値以上の曲げ荷重、もしくは全く曲げ荷重を付与することなく、凹部15の保持部17に第1のフープ13Aを挿入することができる幅に設定されている。また、分割片42,43を、図9に示すように、実線で示す分割片42の凸部45を、実線で示す分割片43の凹部44に挿入し、実線で示す分割片43の凸部45を、実線で示す分割片42の凹部44に挿入した状態で、ブロック14の凹部15に挿入する。
【0087】
このように、分割片42の凹部44および凸部45と、分割片43の凹部44および凸部45とが噛み合わされた状態において、分割片42および分割片43の幅の和が、前記第1のフープ13と同じとなるように、分割片42,43が構成されている。したがって、分割片42,43を、その幅方向に直線状に突き合わせた状態で、図10に示すように凹部15に挿入する際に、分割片42,43の幅方向に対して、所定値以上の曲げ荷重、もしくは全く曲げ荷重を付与することなく、凹部15の保持部17に分割片42,43を挿入することができる。上記の作業により、第1のフープ13Aの外周側に分割片42,43が配置される。
【0088】
上記の工程において、第1のフープ13Aおよび分割片42,43を一括して凹部15に挿入する方法、または、第1のフープ13Aを凹部15に挿入した後、分割片42,43を凹部15に挿入する方法のいずれを採用してもよい。また、全てのブロック14の凹部15に、第1のフープ13Aおよび分割片42,43を挿入する方法、または、所定枚数のブロック14の凹部に、第1のフープ13Aおよび分割片42,43を挿入する作業を繰り返す方法のいずれを採用してもよい。
【0089】
ついで、分割片42と分割片43とをその幅方向に相対移動させるとともに、分割片42と分割片43とをその円周方向に相対移動させて、図9に二点鎖線で示す分割片43の凸部45と、分割片43の凸部45とが、円周方向において同じ位相となった状態で、円周方向における分割片42と分割片43との相対位置を確定する。そして、分割片42と分割片43との接触部分を溶接などにより接合して一体化し、図8に示す第2のフープ41を製造する。図8の実施例においては、第1のフープ13Aおよび第2のフープ41により、フープ46が構成されている。そして、第1のフープ13Aの内周面35と、凹部15の底面20とが接触して接触部A1が形成される。
【0090】
ここで、図8ないし図10の実施例の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、フープ46がこの発明の環状の張力部材に相当し、第1のフープ13Aがこの発明の環状部材に相当する。図8ないし図10の実施例の構成と、この発明のその他の構成との対応関係は、図1ないし図7の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を同じであるため説明を省略する。
【0091】
以上のように、各ブロック14の凹部15により形成された保持溝16に第1のフープ13Aおよび第2のフープ41を配置することにより、各ブロック14と第1のフープ13Aおよび第2のフープ41とを連結した状態においては、第2のフープ41の幅が凹部15の開口部18の幅よりも広く設定されているため、第1のフープ13Aおよび第2のフープ41を確実に保持溝16内に保持することができる。
【0092】
また、図8ないし図10の実施例においては、フープ46を凹部15に挿入する際に、分割片42,43の相対位置を変更して、フープ46の幅を狭めているため、フープ46と各ブロック14との連結作業を容易におこなうことができる。したがって、フープ46と各ブロック14との連結作業工数、すなわち、図8に示すベルト1の製造工数および製造に要する時間の増加を抑制することができ、その生産性を向上し、かつ、その製造コストの上昇を抑制できる。
【0093】
さらに、分割片42,43を接合して製造した第2のフープ41の内側に、幅方向に一体成形された第1のフープ13Aが設けられている。したがって、凹部15の底面20と第1のフープ13との密着性が高められ、第1のフープ13とブロック14との滑りが抑制される。
【0094】
図11および図12の実施例においては、各ブロック14とフープ47とが連結されている。フープ47は、第1のフープ13Aと第2のフープ48とを有している。第2のフープ48は、第1のフープ13Aの外側に配置されている。第1のフープ13Aおよび第2のフープ48は、共に可撓性を備えた同じ金属材料により構成されている。また、第2のフープ48は、幅方向に分割された分割片49,50を接合して構成されている。ベルト1の円周方向において、分割片49,50の幅は一定である。
【0095】
第2のフープ48の厚さと、第1のフープ13Aの厚さとの和は、凹部15の保持部17の深さ未満に設定されている。また、第2のフープ48の幅は、第1のフープ13Aの幅および開口部18の幅よりも広く設定されている。なお、図11、図12の実施例において、ベルト1のその他の構成は、図2および図8に示すベルト1の構成と同様であるため、図2および図8の符号と同じ符号を図11、図12で用いて、その説明を省略する。
【0096】
上記のように構成された第1のフープ13Aと、分割片49,50同士を接合して製造される第2のフープ48とを保持溝16に配置して、図11に示すベルト1を製造する工程を説明する。まず、一方の分割片50の内側に、他方の分割片49の幅方向(軸線方向)の一端を挿入する。この場合、一方の分割片50を加熱して膨張させると、その挿入作業を容易におこなうことができる。ついで、ブロック14の凹部15内に、第1のフープ13Aおよび分割片49,50を挿入する。ここで、先に第1のフープ13Aを凹部15内に挿入した後、分割片49,50を挿入する方法、または、第1のフープ13Aの外側に、分割片49,50を配置した状態で、第1のフープ13Aおよび分割片49,50を一括して凹部15に挿入する方法のいずれを採用してもよい。
【0097】
その後、分割片49,50同士をベルト1の幅方向に相対移動させて、分割片49の一端を分割片50の内側から退去させ、分割片49と分割片50との対向縁部を全周に亘って溶接し、第2のフープ48が製造される。なお、分割片50が加熱されている場合は、分割片50が冷却されてから、分割片49と分割片50とを接合する。分割片50の冷却は、自然冷却または強制冷却のいずれでもよい。このようにして、各ブロック14とフープ47とが連結状態となる。
【0098】
ここで、図11および図12の実施例の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、フープ47がこの発明の環状の張力部材に相当する。図11および図12の実施例の構成と、この発明のその他の構成との対応関係は、図1ないし図10の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を同じであるため説明を省略する。
【0099】
図11および図12の実施例においては、フープ47を凹部15に挿入する際に、分割片49,50の相対位置を変更して、フープ47の幅を狭めているため、フープ47と各ブロック14との連結作業を容易におこなうことができる。したがって、図8の実施例と同様の効果を得られる。
【0100】
なお、図8ないし図12の実施例において、図1の実施例と同様の構成部分については、図1の実施例と同様の作用効果を得られる。また、図8ないし図12の実施例のフープ46,47を、図1および図7に適用した場合の作用も、図2ないし図6のフープ13を図1および図7に適用した場合の作用とほぼ同様である。
【0101】
図13ないし図20の実施例について説明する。まず、図13はベルト1の断面図、図14はベルト1の平面図、図15はブロック14の側面図である。図13ないし図17の構成のうち、図2ないし図4と同様の構成については、図2ないし図4と同じ符号を付してその説明を省略する。まず、図13に示すように、ベルト1の幅方向において、各ブロック14の凹部15の両側に屈曲部50が形成されている。この屈曲部50はベルト1の厚さ方向に突出しており、その先端がブロック4の両端側に向けて折り曲げられいる。すなわち、屈曲部50はL字形に屈曲されている。
【0102】
さらに、ベルト1の幅方向において、各ブロック14両端には、ベルト1の厚さ方向に立ち上げられた立ち上げ部52がそれぞれ形成されており、各立ち上げ部52には、前記突出部25および係止孔26が形成されている。また、各係止爪50と各立ち上げ部52との間には固定溝53がそれぞれ形成されている。そして、各ブロック14に対応する固定片54が設けられており、固定片54は、ベルト1の幅方向に延ばされた直線部54Aと、直線部54Aの両端に連続された屈曲部55とを有している。この屈曲部55は固定溝53に配置され、屈曲部50と屈曲部55とが係合することにより、各ブロック14と各固定片54とがそれぞれ固定されている。なお、立ち上げ部52の一方の面に接触面22が形成されている。また、図14に示すように、ベルト1の円周方向において、ブロック14の寸法よりも、固定片54の寸法の方が小さく設定されている。
【0103】
図16は、図13のXVI−XVI線における平面断面図であり、屈曲部50には、ベルト1の円周方向における両端よりも中央の方を立ち上げ部52側に向けて突出した膨出部51が形成されている。また、立ち上げ部52は、ベルト1の円周方向における両端よりも中央の方を屈曲部50側に向けて突出した膨出部56が形成されている。一方、固定片54の屈曲部55には、ベルト1の円周方向の両端を、ベルト1の円周方向の中央よりも屈曲部50および立ち上げ部52側に向けて突出して係止爪57がそれぞれ形成されている。
【0104】
図17は、図13のXVII−XVII線における側面断面図である。屈曲部50であって、ブロック14の高さ方向の先端には、ベルト1の円周方向における両端よりも中央を、ベルト1の厚さ方向に突出させた膨出部58が形成されている。一方、固定片54の直線部54Aにおけるベルト1の円周方向の両端には、ベルト1の円周方向の中央よりも屈曲部50側に向けて突出した係止爪59がそれぞれ形成されている。このように、図13ないし図17の実施例においては、凹部15にフープ13が配置されているとともに、屈曲部50と屈曲部55とが係合することにより、各固定片54と各ブロック14とが固定され、凹部15にフープ13が保持されている。
【0105】
つぎに、図13ないし図17に示すベルト1の製造方法を説明する。まず、図13ないし図17に示す構成のブロック14を、フープ13および固定片54とは別に製造する。一方、ブロック14に固定される前の段階において、図13に二点鎖線で示す固定片54Bは、直線部54Aの両端をほぼ直角に折り曲げた延出部60を備えている。
【0106】
そして、図13に示すように、ブロック14の凹部15にフープ13を配置するとともに、固定片54Bの延出部60を固定溝53に向けた状態で、固定片54Bとブロック14とをフープ13の厚さ方向に近づける。すると、固定片54Bの延出部60の先端がブロック14の固定溝53に進入するとともに、延出部60が、固定溝53の内面形状に倣って塑性変形し、図13に示すような、係止爪55が形成される。このようにして、固定片54側に形成された係止爪55と、ブロック14側の係止爪50とが係合し、固定片54とブロック14とが係合される。この係止爪55と係止爪50との係合力により、ブロック14と固定片54とが、フープ13の厚さ方向に位置決め固定される。その後、各固定片54について同様の操作を繰り返し、順次ブロック14と固定片14とを固定していく。
【0107】
このように、固定片54とブロック14とを固定する場合に、図16に示すように、ベルト1の円周方向において、膨出部51,56の両側に2つの係止爪57が配置される。また、図17に示すように、ベルト1の円周方向において、膨出部58を挟んで2つの係止爪59が配置される。したがって、各ブロック14と各固定片54とをベルト1の円周方向に確実に位置決め固定することができ、ベルト1の組立作業性が向上する。
【0108】
ところで、フープ13に対して順次ブロック14を取り付けていくと、最初のブロック14と最後から2番目のブロック14との隙間が狭いため、最後のブロック14の取付作業が難しくなる。そこで、最後のブロック14として、図13ないし図17に示すブロック14とは異なるものを用いることで、最後のブロック14の取付作業性を向上している。
【0109】
図18は、最後に取り付けるブロック14の構成を示す正面図である。図18に示すブロック14は、2つの立ち上げ部52のうち、一方の立ち上げ部52に貫通孔61が形成されている。貫通孔61は、べると1の円周方向に貫通されている。この貫通孔61が形成されている立ち上げ部52には、前記突出部(この発明の係止部に相当)25および係止孔26は設けられていない。この図18に示すブロック14の貫通孔61内に、図19に示すような連結片62を挿入する。この連結片62は金属材料により構成されており、連結片62は、円柱形状の大径部63と、大径部63と同心状に連結され、かつ、大径部63より小径の小径部64とを有している。この場合、小径部64が、他方の立ち上げ部52に形成されている突出部25と同じ方向に向くように、貫通孔61に連結片62を配置する。連結片62は、貫通孔61の軸線方向に移動自在である。
【0110】
ついで、ベルト1のうち、最後のブロック14を取り付ける領域を円弧形状に保持するとともに、既にフープ13に連結されている2つのブロック14同士の間に、最後のブロック14のうち、突出部25が形成されている側の立ち上げ部52を挿入し、その突出部25を最初のブロック14の係止孔26に挿入する(図20参照)。そして、最後のブロック14を、突出部25を中心として時計方向に回転させ、貫通孔61が形成されている立ち上げ部52を、隣接するブロック14同士の間に進入させる。
【0111】
その後、ベルト1のうち、最後に挿入したブロック14を含む領域を直線形状にすると、最後のブロック14に隣接するブロック14の突出部25が、図21に示すように連結片62の大径部63側の端面を押圧する。その結果、連結片62がベルト1の円周方向に移動して、連結片62の小径部64が、最後のブロック14に隣接するブロック14の係止孔26に進入する。そして、最後のブロック14に対して、前述と同様にして固定片54を取り付けて、ベルト1の製造が終了する。このように、図13ないし図20の実施例においては、ベルト1を製造するにあたり、ブロック14とフープ13とを連結するための固定片54の構造が2種類ある。また、図18ないし図21の実施例によれば、各ブロック14同士の間のエンドプレー(すなわち隙間)を増加させることなく、ベルト1を構成することができる。すなわち、フープ13と各ブロック14との相対移動量の増加を抑制することができ、動力伝達効率の低下を抑制できる。
【0112】
この図13ないし図20に示すブロック14を用いて製造されたベルト1も、図1に示す無段変速機2に用いることができる。そして、図13ないし図20に示すブロック14を用いたベルト1においても、図2および図3に示すベルト1と同様の構成部分については、図7を参照しながら説明した図2および図3と同様の動力伝達作用、およびその他の作用効果を得られる。また、図13ないし図20のベルト1においても、ブロック14とフープ13とを連結する構造が2種類あるため、前記の実施例と同様の項を得られる。
【0113】
ところで、図13ないし図20のベルト1を図2の無段変速機2に用いた場合にも、ベルト1による動力の伝達時には、駆動側回転部材3および従動側回転部材4からベルト1に対して、ベルト1の幅方向の挟持力が作用する。この挟持力は、ブロック14を湾曲さようとする方向に作用するため、固定片54とブロック14とをベルト1の円周方向に相対移動しようとする。また、ベルト1が駆動側回転部材3および従動側回転部材4により挟持されて食い込んでいる状態、いわゆるセルフロッキング状態から、ベルト1が駆動側回転部材3および従動側回転部材4から離れる際にも、固定片54とブロック14とをベルト1の円周方向に相対移動させようとする力が働く。
【0114】
しかしながら、図16および図17に示すように、すなわち、ベルト1の円周方向において、膨出部51,56の両側に2つの係止爪57が配置され、かつ、膨出部58の両側に2つの係止爪59が配置されて、ブロック14と固定片54とがベルト1の円周方向に確実に位置決め固定されている。したがって、固定片54とブロック14とをベルト1の円周方向に相対移動することを確実に防止することができる。
【0115】
また、図13ないし図20の実施例においては、ブロック14の立ち上げ部52同士の間に固定片54が配置されており、ブロック14に対してベルト1の幅方向の荷重が作用した場合に、この荷重の一部が固定片54により受け止められる。すなわち、固定片54が横剛性部材としての役割を果たしている。したがって、前記のようにベルト1に挟持力が作用してブロック14を湾曲させようとする荷重が作用した場合でも、ブロック14の変形が抑制される。
【0116】
ところで、図13ないし図20の実施例においては、各固定片54を塑性変形させている。したがって、図13ないし図20の実施例においては、ブロック14の硬度と固定片54の硬度とを異ならせている。具体的には、ブロック14の硬度よりも固定片54の硬度を低く設定している。ブロック14の硬度よりも固定片54の硬度を低く設定する方法としては、使用する材料を異ならせる方法と、使用する材料を同じとし、施す熱処理を異ならせる方法とが挙げられる。このようにして、ブロック14の硬度よりも固定片54の硬度を低く設定すれば、ブロック14と固定片54とを連結する場合に、固定片54を確実に塑性変形させることができ、ベルト1の組立作業性が向上する。
【0117】
使用する材料を異ならせる場合は、ブロック14として、例えば、ばね鋼などを用いることができ、固定片54として、例えば、ステンレス鋼などを用いることができる。また、使用する材料を同じとする場合は、その材料として、例えばばね鋼などを用いることができ、ブロック14に施す熱処理としては、例えば、焼き入れ焼き戻しなどを挙げることができ、固定片54に施す熱処理としては、例えば、非処理などが挙げられる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、各ブロックに形成されている第1の接触部と、張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されている。このため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの滑り量の増加が抑制される。したがって、回転部材とベルトとの間における動力伝達効率の低下を抑制することができる。また、請求項1の発明によれば、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。したがって、異なる連結構造に対応するブロックの数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック同士の配列順序などの条件の選択により、連結部材と各ブロックとの連結作業工数、製造時間の増加を抑制することができ、ベルト装置の生産性を向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。さらに、請求項1の発明によれば、複数の分割片の間に張力部材を配置した後、複数の分割片同士を接合すれば、複数の分割片同士により形成される凹部内に、張力部材が配置される。したがって、特定のブロックを変形させる必要がなく、ブロックの割れを防止できる。
【0119】
請求項2の発明によれば、各ブロックに形成されている第1の接触部と、張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されている。このため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの滑り量の増加が抑制される。したがって、回転部材とベルトとの間における動力伝達効率の低下を抑制することができる。また、請求項1の発明によれば、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。したがって、異なる連結構造に対応するブロックの数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック同士の配列順序などの条件の選択により、連結部材と各ブロックとの連結作業工数、製造時間の増加を抑制することができ、ベルト装置の生産性を向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。また、請求項2の発明によれば、特定のブロックの凹部に張力部材を取り付けた後、特定のブロックにおける凹部を臨む領域を変形させて、その凹部の開口幅を張力部材の幅よりも狭くすれば、張力部材が凹部から抜け出すことを確実に防止できる。
【0123】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、ベルト装置の円周方向において、ブロックと張力部材とが異なる連結構造のものが、分散される。したがって、張力部材とブロックとの連結状態を、ベルト装置の円周方向において均一化することができる。
【0124】
請求項4の発明においても、請求項1ないし3の発明のいずれかと同様の効果を得られる他に、ベルトを回転部材に巻き掛けた場合に、全てのブロックと回転部材との接触状態が同じになる。したがって、ベルト装置の円周方向における動力伝達状態が均一化される。
【0125】
請求項5の発明によれば、各ブロックに形成されている第1の接触部と、張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されている。このため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの滑り量の増加が抑制される。したがって、回転部材とベルトとの間における動力伝達効率の低下を抑制することができる。また、請求項5の発明によれば、複数の分割片の相対位置を変更して、張力部材の幅を狭めることにより、張力部材を凹部に挿入し易くなる。したがって、ベルト装置の生産性が向上し、かつ、ベルト装置の製造コストが上昇することを抑制できる。
【0126】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、張力部材と凹部の底面との密着性が高められる。したがって、張力部材の張力がブロックに伝達され易くなり、ブロックと回転部材との接触面の摩擦力が増加し、回転部材とベルト装置との間の動力伝達効率が向上する。
【0127】
請求項7の発明によれば、各ブロックに形成されている第1の接触部と、張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されている。このため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの滑り量の増加が抑制される。したがって、回転部材とベルトとの間における動力伝達効率の低下を抑制することができる。また、請求項7の発明によれば、張力部材が各ブロックの凹部に確実に保持され、ブロックと回転部材との接触面の摩擦力が増加し、回転部材とベルト装置との間の動力伝達効率が向上する。
【0128】
請求項8の発明によれば、請求項7の発明と同様の効果を得られる他に、固定片の硬度をブロックの硬度よりも低く設定すれば、固定片を塑性変形させ易くなり、ベルト装置の組立作業性が向上する。
【0129】
請求項9の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、回転部材から各ブロックに対して押圧力が作用した際に、第1の接触部を中心として各ブロックを回転させるようなモーメントの発生が抑制される。したがって、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの滑り量の増加が一層抑制され、動力伝達効率の低下を一層抑制することができる。
【0130】
請求項10の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。したがって、異なる連結構造に対応するブロックの数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック同士の配列順序などの条件の選択により、連結部材と各ブロックとの連結作業工数、製造時間の増加を抑制することができ、ベルト装置の生産性を向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。また、請求項10の発明によれば、複数の分割片の間に張力部材を配置した後、複数の分割片同士を接合すれば、複数の分割片同士により形成される凹部内に、張力部材が配置される。したがって、特定のブロックを変形させる必要がなく、ベルト装置の生産性が向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。
【0131】
請求項11の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。したがって、異なる連結構造に対応するブロックの数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック同士の配列順序などの条件の選択により、連結部材と各ブロックとの連結作業工数、製造時間の増加を抑制することができ、ベルト装置の生産性を向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。また、請求項11の発明によれば、張力部材が凹部から抜け出すことを確実に防止できる。したがって、ベルト装置の生産性が向上し、かつ、ベルト装置の製造コストが上昇することを抑制できる。
【0132】
請求項12の発明によれば、請求項10または11の発明と同様の効果を得られる他に、ベルトの円周方向において、ブロックと張力部材とが異なる連結構造のものが分散される。したがって、張力部材とブロックとの連結状態を、ベルト装置の円周方向において均一化することができる。
【0133】
請求項13の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。したがって、異なる連結構造に対応するブロックの数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック同士の配列順序などの条件の選択により、連結部材と各ブロックとの連結作業工数、製造時間の増加を抑制することができ、ベルト装置の生産性を向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。また、請求項13の発明によれば、複数の分割片の相対位置を変更して、張力部材の幅を狭めることにより、張力部材を凹部に挿入し易くなる。したがって、ベルト装置の生産性が向上し、かつ、ベルト装置の製造コストが上昇することを抑制できる。
【0134】
請求項14の発明によれば、請求項13の発明と同様の効果を得られる他に、張力部材の半径方向における複数の分割片同士の全幅をなるべく狭くすることができ、張力部材を凹部に挿入し易くなる。したがって、ベルト装置の生産性が向上し、かつ、ベルト装置の製造コストが上昇することを抑制できる。
【0135】
請求項15の製造方法により製造されたベルト装置は、所定の回転部材が回転すると、この回転部材と各ブロックとの摩擦力に応じて、各ブロックに対してベルトの円周方向の圧縮力、すなわち、押圧力が発生し、所定の回転部材の動力が他の回転部材に伝達される。ここで、第1の接触部と張力部材の凹部の底面とが接触して形成される第2の接触部とが、ベルトの厚さ方向において同じ位置に配置されているため、ベルトが回転部材に巻き掛けられている領域で各ブロックが円弧状の軌跡で移動し、かつ、各ブロックが第1の接触部を支点として所定角度範囲内で回転する場合に、第2の接触部における張力部材と各ブロックとの相対移動量、すなわち滑り量の増加が抑制される。また、張力部材と各ブロックとの連結構造が2種類以上あるため、全てのブロックに対して同じ取付作業をおこなう必要はない。したがって、異なる連結構造に対応するブロックの数同士の比率、異なる連結構造に対応するブロック同士の配列順序などの条件の選択により、連結部材と各ブロックとの連結作業工数、製造時間の増加を抑制することができ、ベルト装置の生産性を向上し、かつ、ベルト装置の製造コストの上昇を抑制できる。また、請求項15の発明によれば、外周側部材を各ブロックに対して確実に固定することができ、凹部から張力部材が抜け出すことを防止できる。したがって、ベルト装置の生産性が向上し、かつ、ベルト装置の製造コストが上昇することを抑制できる。
【0136】
請求項16の発明によれば、請求項15の発明と同様の効果を得られる他に、ベルトの円周方向において、各ブロック同士の間のエンドプレー(すなわち隙間)を増加させることなく、ベルトを構成することができる。したがって、張力部材と各ブロックとの相対移動量の増加を抑制することができ、動力伝達効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のベルト装置を有する用いた無段変速機の概略構成図である。
【図2】 図1に示すベルト装置の実施例を示す断面図である。
【図3】 図1に示すベルト装置の実施例を示す断面図である。
【図4】 図2および図3に示されたブロックの側面図である。
【図5】 図2に示されたブロックと、フープとの連結工程を示す断面図である。
【図6】 図3に示すブロックを構成する分割片を示す平面図である。
【図7】 この発明の各実施例におけるベルト装置の移動状態を示す断面図である。
【図8】 図1に示すベルト装置の実施例を示す断面図である。
【図9】 図8に示すベルト装置の製造過程を示す平面図である。
【図10】 図8に示すベルト装置の製造過程を示す断面図である。
【図11】 図1に示すベルト装置の実施例を示す断面図である。
【図12】 図11に示すベルト装置の製造過程を示す断面図である。
【図13】 この発明のベルト装置の他の実施例および製造方法を示す断面図である。
【図14】 図13に示すベルト装置に用いるブロックおよび固定片の平面図である。
【図15】 図13に示すベルト装置に用いるブロックの側面図である。
【図16】 図13のXVI−XVI線における平面断面図である。
【図17】 図13のXVII−XVII線における側面断面図である。
【図18】 図13のベルト装置に用いる他のブロックを示す正面図である。
【図19】 図13のベルトの製造過程を示す側面図である。
【図20】 図13のベルトの製造過程を示す正面図である。
【図21】 図13のベルトの製造過程を示す側面図である。
【符号の説明】
1…ベルト、 3…駆動側回転部材、 4…従動側回転部材、 13,46,47…フープ、 13A…第1のフープ、 14,14A,14B,14C…ブロック、 15…凹部、 20…底面、 24…ロッキングエッジ、 25…ディンプル、 27…接触面、 35…内周面、 37,38,49,50…分割片、 54…固定片、 A1,D1…接触部、 G1…中心点。

Claims (16)

  1. 環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、
    前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、
    前記張力部材と前記各ブロックとを、非連結状態から連結状態に変更するための連結構造が2種類以上あり、
    前記ブロックには、前記凹部に臨んで前記張力部材の幅方向に分割され、かつ、前記凹部に前記張力部材を配置した後に相互に接合される複数の分割片を有する特定のブロックが含まれていることを特徴とするベルト装置。
  2. 環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、
    前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、
    前記張力部材と前記各ブロックとを、非連結状態から連結状態に変更するための連結構造が2種類以上あり、
    前記ブロックには、前記張力部材を前記凹部に取り付けた後、この凹部に臨む領域を変形させることにより、前記凹部の開口幅を前記張力部材の幅よりも狭くする構造の特定のブロックが含まれていることを特徴とするベルト装置。
  3. 記特定のブロックが、前記張力部材の円周方向に間欠的に複数配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト装置。
  4. 記各ブロックと、前記張力部材とを連結した状態で、全てのブロックの形状が同じであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベルト装置。
  5. 環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状のベルトを備えたベルト装置において、
    前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、
    前記張力部材が、前記ベルトの幅方向に分割された複数の分割片を有し、この複数の分割片同士が、前記ベルトの幅方向の相対位置を変更可能に構成されていることを特徴とするベルト装置。
  6. 記張力部材が、前記凹部の底面に接触し、かつ、幅方向に一体成形された環状部材を有していることを特徴とする請求項5に記載のベルト装置。
  7. 環状の張力部材と、この張力部材の円周方向に配列され、かつ、前記張力部材に連結された複数のブロックとを有し、複数の回転部材に巻き掛けられる環状の ベルトを備えたベルト装置において、
    前記各ブロックに、前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部が設けられているとともに、前記各ブロックにおける前記凹部の両側に、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられて移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部が設けられているとともに、前記張力部材の内周面と前記各ブロックの凹部の底面とが接触して第2の接触部が形成され、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されているとともに、
    前記張力部材の外側に配置され、かつ、塑性変形により前記各ブロックに別々に固定された固定片を備えていることを特徴とするベルト装置。
  8. 記ブロックの硬度と、前記固定片の硬度とが異なることを特徴とする請求項7に記載のベルト装置。
  9. 記ベルトの幅方向における両端で前記各ブロックと前記複数の回転部材とが接触して第3の接触部が形成されるように、前記各ブロックの両端に接触面が形成されているとともに、前記ベルトの半径方向において、前記接触面の中心点と前記第1の接触部とが同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のベルト装置。
  10. 環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、
    前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、
    前記ブロックには、前記凹部に臨んで前記張力部材の幅方向に分割された複数の分割片を有するブロックが含まれており、前記連結構造には、前記凹部に前記張力部材を配置した後に、複数の分割片を接合してそのブロックと前記張力部材とを連結する構造が含まれていることを特徴とするベルト装置の製造方法。
  11. 環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、
    前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、
    前記連結構造には、前記張力部材を前記凹部に取り付けた後、この凹部に臨む領域を変形させることにより、前記凹部の開口幅を前記張力部材の幅よりも狭くすることにより、そのブロックと前記張力部材とを連結する構造が含まれていることを特徴とするベルト装置の製造方法。
  12. 前記ブロックを、前記張力部材の円周方向に間欠的に複数配置することを特徴とする請求項10または11に記載のベルト装置の製造方法。
  13. 環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結するこ とにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、
    前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、
    前記張力部材が、前記ベルトの幅方向に分割された複数の分割片を有し、この複数の分割片同士を前記凹部に配置した後に、複数の分割片同士を幅方向に相対移動することにより、前記張力部材と各ブロックとを連結することを特徴とするベルト装置の製造方法。
  14. 記複数の分割片のうちの所定の分割片を半径方向に膨張させた後、他の分割片の一部を所定の分割片の内側に配置した状態で、前記複数の分割片を前記凹部に配置した後、複数の分割片同士を幅方向に相対移動することを特徴とする請求項13に記載のベルト装置の製造方法。
  15. 環状の張力部材と複数のブロックとを設け、前記張力部材の円周方向に前記複数のブロック方向に配列し、かつ、各ブロックと前記張力部材とを連結することにより、環状のベルトを組み立てるベルト装置の製造方法において、
    前記ベルトの外周側に向けて開口され、かつ、前記張力部材が配置される凹部と、この凹部の両側に設けられ、かつ、前記ベルトが前記回転部材に巻き掛けられている領域で移動する際に、隣接するブロックに接触する第1の接触部と、前記凹部に形成され、かつ、前記張力部材の内周面に接触して第2の接触部を形成する底面とを有し、前記第1の接触部と前記第2の接触部とが、前記ベルトの半径方向における同じ位置に配置されるように構成された複数のブロックを製造するとともに、非連結状態にある前記張力部材と前記各ブロックとを、2種類以上の連結構造により連結することにより、前記ベルトを組み立てるとともに、
    前記各ブロックの凹部に前記張力部材を配置し、かつ、前記張力部材の外側に複数の固定片を配置するとともに、各固定片を塑性変形させることにより、各固定片と各ブロックとを固定して、前記張力部材を前記凹部に保持することを特徴とするベルト装置の製造方法。
  16. 前記張力部材に対して最後に取り付けられるブロックには、ベルトの幅方向の一端側に係止部が設けられているとともに、他端側には、ベルトの円周方向に貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔に、軸線方向に移動可能な連結片が配置するとともに、前記張力部材に最後のブロックを取り付ける際に、前記係止部を隣接するブロックの係止孔に係止した後、前記係止部を中心として最後のブロックと他のブロックとを相対回転させるとともに、最後のブロックと他のブロックとを重ね合わせてから前記連結片を貫通孔の軸線方向に移動させて、最後のブロックの凹部に前記張力部材を配置した後、前記連結片の一部を前記係止孔に挿入し、さらに、最後のブロックに固定片を接触させて固定片を塑性変形させることにより、この固定片と最後のブロックとを固定することを特徴とする請求項15に記載のベルト装置の製造方法。
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