JP3755123B2 - 自動回転ドア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通過しようとする人を検知して扉体が回転駆動するようにした自動回転ドアの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、この種自動回転ドアは、電動機からの駆動を受けて、筒壁体(外壁体)の内側に沿って自動的に移動する複数の仕切り扉体を備え、該仕切り扉体の何れかが内外対向する一対の出入口部間を遮る状態で移動して屋内の保温性を確保するようにしている。そしてこの様な回転ドアのなかには、通過しようとする人等の通過物を検知し、該検知に基づいて扉体の自動移動をするようにしたものがあり、このようなものでは、前記検知した時点から人が通過するであろう扉体の回転量(回転角度、移動量)あるいは回転時間を予め設定し、該設定量(設定回転角度、設定移動量、設定回転時間)の経過後、扉体の回転駆動を自動的に停止するようにして、不必要時には仕切り扉体を停止させて待機状態にし、電力消費を抑制するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のものにおいて、仕切り扉体の自動移動に馴染めない人や悪戯等により出入口から出ることなくそのまま仕切り扉体の移動に追随して移動してしまうことがあり、こうしているうちに前述した設定量が経過して仕切り扉体の移動が停止すると、隣接する前後の仕切り扉体と筒壁体とのあいだに閉じ込められて抜け出せず、そのまま閉じ込められてしまうという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、屋内外に各出入口が形成された筒壁体と、該筒壁体に沿って移動可能な複数の仕切り扉体と、該仕切り扉体の自動移動をするための電動機と、前記出入口に通過物が来たことの検知をする通過物検知手段と、追いかけてくる仕切り扉体が通過しようとする通過物に追突するのを防止すべく検知する追突検知手段と、前記電動機に対して駆動指令を出力する制御手段とを備え、該制御手段は、通過物検知手段からの検知信号を受けたことに基づいて仕切り扉体が予め設定される設定量だけ移動した後、停止するよう電動機に対して駆動指令を出力する駆動制御手段と、前記仕切り扉体の移動時に追突検知手段からの検知信号を受けた場合、電動機に対して減速または停止するよう制御指令を出力する追突防止指令を出力する追突防止制御手段と、前記仕切り扉体が設定量だけ移動して停止した状態において通過物検知手段からの検知信号がない状態で追突検知手段からの検知信号を受けた異常の場合に、電動機に対して駆動指令を出力する異常時駆動制御手段とを備えて構成されていることを特徴とする自動回転ドアである。
そしてこのように構成することによって、通過物検知を受けたことに基づいて仕切り扉体が移動後、停止した状態において、通過物検知手段からの検知信号がないにも拘わらず追突検知手段から検知信号があった場合に、これを異常状態として仕切り扉体を移動させるようにして閉じ込められた通過物が出入口から出ることを促すようにしたもので、しかも、改めて異常検知手段を設けることなくこの異常検知を追突検知手段からの信号で兼用できることになる。
このものにおいて、異常時駆動制御手段から出力される駆動指令は、仕切り扉体の移動が低速になるものであることを特徴とする自動回転ドアとすることができ、このようにすることで、前記異常時において、閉じ込められた通過物の出入口への注意深い移動を促すことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は電動回転ドアであって、該回転ドア1を構成する回転体は、中央回転軸2を回転軸心とし、該回転軸2から軸回り方向90度の間隔を存して都合四枚の仕切り扉体3が放射状に突出形成され、電動機4の駆動によって平面視をしたときに反時計回りに回転移動するようになっている。5は前記仕切り扉体3の先端の回転軌跡に沿うべく設けられる円筒状をした筒壁体であって、該筒壁体5は、屋内外に通じるための出入口5a、5bが対向するようにして形成されている。そしてこのものでは、各隣接する一対の仕切り扉体3によって四つの通過空間が形成され、任意の一つの通過空間が一方の出入口5aに対向している場合、反時計回りに隣接する通過空間は筒壁体5によって閉ざされ、その隣りの通過空間は他方の出入口5bと対向し、さらにその隣りの通過空間は筒壁体5によって閉ざされるように構成されている。
【0006】
6は前記出入口5a、5bにそれぞれ設けられる通過物検知センサであって、該通過物検知センサ6は、出入口5a、5bに入ろうとして近づいた人等の通過物を検知するものであって、本実施の形態では近接センサ、さらに具体的には遠赤外線検知センサにより構成されているが、出入口5a、5bの左右幅に対応させるべく該出入口5a、5bの上部に左右一対が設けられている。
【0007】
一方、前記各仕切り扉体3は、四角枠形状の枠体7と、該枠体7に嵌め込まれたガラス板等の板体8によって構成されるが、前記枠体7は、上下枠7a、7bと内外横枠7c、7dとによって構成されるが、上枠7aには、仕切り扉体3の移動方向(進行方向、回転方向)前方部位に通過物が近接したことを検知する第一の追突検知センサ9が設けられている。この第一追突検知センサ9は、本実施の形態では近接センサ、具体的には遠赤外線検知センサにより構成されている。また、下枠7bの進行方向前面には、該下枠7bに通過物が接触したことの検知をする第二の追突検知センサ10が設けられるが、該第二追突検知センサ10は、本実施の形態では接触センサ、具体的にはテープスイッチにより構成されている。さらにまた、外側横枠7dおよび下枠7bの進行方向前面のコーナー部と回転軸2の外周面とのあいだに第三の追突検知センサ11が設けられるが、該第三追突検知センサ11は、本実施の形態では近接センサ、具体的には光電センサ(ビームセンサ)により構成されている。
そして本実施の形態では、前述したように第二追突検知センサ10は仕切り扉体3に接触したことの検知をするが、第一、第三検知センサ9、11は近接センサとなっており、その近接エリアとして、第一追突検知センサ9は仕切り扉体3の進行方向前側に広い範囲で設定され、第三追突検知センサ11は仕切り扉体3の進行方向少し前位置に設定されている。
【0008】
そしてこれらセンサ6、9、10、11からの検知信号は、マイクロプロセッサ等の各種部材装置を用いて構成される制御部12に出力され、該制御部12は、これら入力した信号に基づいて前記電動機4に対して必要な駆動制御指令を出力するようになっている。本実施の形態においては、制御部12からの電動機4の駆動指令は、モード選択手段13によって複数の回転駆動制御モードから一つのモードが選択できるようになっている。そのようなモードとしては、例えば、通過物検知センサ6が通過物検知をした場合に、電動機4に対して駆動指令を出力し、そして予め設定される移動量(回転量、回転角度)、例えば1/2回転してから漸次減速し、3/4回転した時点で駆動停止をするよう設定した駆動制御モード、通過物検知センサ6が通過検知をしてから予め設定される時間(通過物が一方から他方の出入口5a、5bを通過するに充分な時間)を経過した後、予め設定される停止状態で駆動停止するよう設定した駆動制御モードのように、停止制御を伴う制御モードがある。これに対し、常に低速回転しており、そして通過物検知センサ6が通過物検知をした場合に、予め設定される移動量、あるいは設時間のあいだ増速し、その後、減速した状態で駆動しつづけるという停止制御のない制御モードを随意に選択できるが、本発明は、前者の停止制御を伴う制御モードにおいて有効に実施され、以下、これについて説明する。因みに、電動機4の停止は、通過物検知センサ6が検知したことに伴う駆動制御中、つまり通過物が回転ドアを通過中、例えば第一、第三の追突検知センサ9、11が検知した場合には減速し、第二追突検知センサ10が検知した場合には停止するようにして通過物が追いかけてくる仕切り扉体3に追突しないよう追突防止をする制御が実行されるが、この場合における停止は含まないものとする。また、前記回転ドアの移動量(移動時間)は、移動量検知センサ14によって検知されるが、これについては従来公知の技術であるので、ここにおいてはその詳細説明を省略する。
【0009】
さて、選択したモード1が、通過物が通過すべく予め設定される移動量だけ回転ドアの回転駆動をした後、停止制御を伴うものである場合に、該停止状態において前記追突検知センサ9、10、11が検知した場合の異常時駆動制御がサブルーチンとして実行される。この異常時駆動制御は、隣接する仕切り扉体3と筒壁体5とで形成される空間に閉じ込められたということを想定し、該閉じ込められた通過物をドア内から外への誘導を促すということを目的とする制御であるから、通過物検知センサ6の検知がないことが前提とされる。そこで該異常時駆動制御を実行中において通過物検知センサ6が通過物検知をした場合には自動的に解除されて前記選択されたモードの駆動制御が優先して実行されるようになっている。
【0010】
そして前述したように異常時駆動制御は、回転停止中であるか否かの判断がなされ、停止中であって、かつ通過物検知センサ6の検知がない場合において、第一、第三の追突検知センサ9、11の少なくとも一つ(何れか一つ)が検知作動した場合に、通過物が閉じ込められたとして異常と判断し、電動機4に低速の駆動制御指令を出力する。そしてこの回転駆動において第二追突検知センサ10から検知信号が入力した場合に、前記閉じ込められた通過物が仕切り扉体3に接触したことになるから、緊急の駆動停止指令を出力して回転ドアを停止する。一方、第二追突検知センサ10から検知信号の入力がない場合には、駆動しつづけ、そして駆動開始から予め設定される移動量、例えば前記閉じ込められている通過空間が最寄りの出入口5aまたは5bに達する量(本実施の形態では1/4回転)だけ移動したことを判別して停止するよう制御する設定になっている。
【0011】
叙述の如く構成されたものにおいて、回転ドア1は、出入口5a、5bに来た通過物を通過物検知センサ6が検知すると、自動的に回転して通過物の通過ができ、そして通過後、自動的に停止して待機状態となるが、この待機状態において通過物検知センサ6からの検知信号がない状態で第一、第三追突検知センサ10から検知信号があった場合、筒壁体5で仕切られる通過空間に通過物が閉じ込められた異常状態であると判断し、これを受けて電動機4は低速駆動することになって回転ドアは回転し、そして閉じ込められた通過物は、前記閉じ込められた通過空間が出入口5a、5bに到達した時点でドア外に出ることを促すことになる。
【0012】
このように、本発明が実施された形態においては、通過物がいないときには停止待機するものであるが、この停止待機時に通過物が閉じ込められていると検知判断した場合に、通過物検知センサ6からの検知信号の入力がなくても回転ドア1を回転駆動することになって、閉じ込め回避ができる。しかもこの閉じ込め回避作動は低速であるため、通過物の遅い移動にも充分に対応できることになる。そしてこのように閉じ込められたという異常時検出が、専用の見地手段を別途設けることなく、自動回転ドア1として必要な追突防止センサ9、11を用いて行っているため、部品の兼用化ができて構成の簡略化、低コスト化が達成できる。
【0013】
しかもこのものでは、前記異常時検知での回転駆動においても、通過物が仕切り扉体3に接触した場合には停止するようになっているので、さらなる安全性の確保ができる。そのうえ、この異常時検知に伴う回転駆動の停止が、閉じ込められている通過空間が最寄りの出入口5aまたは5bに到達したことで停止するよう制御されるから、さらにそのまま移動して再び閉じ込められてしまうようなことがない。
【0014】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものでないことは勿論であって、仕切り扉体の数、仕切り扉体が長円状等、偏芯する状態で移動する回転ドア、仕切り扉体にさらに自動の開閉扉が設けられたもの等、種々の自動回転ドアにおいて、停止状態で閉じ込み空間が形成されるものに実施できることはいうまでもない。また、回転ドアに設けられる追突検知手段についてもその数や取り付け位置に限定されないものであって、複数の追突検知手段があった場合に、そのうちの任意に選択される少なくとも一つを用いて本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転ドアの概略平面図である。
【図2】回転ドアの斜視図である。
【図3】回転ドアの制御システムを示すブロック回路図である。
【図4】制御システムのメインルーチンのフローチャート図である。
【図5】異常時駆動制御のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 回転ドア
3 仕切り扉体
4 電動機
5 筒壁体
5a、5b 出入口
6 通過物検知センサ
9、10、11 追突検知センサ
12 制御部

Claims (2)

  1. 屋内外に各出入口が形成された筒壁体と、該筒壁体に沿って移動可能な複数の仕切り扉体と、該仕切り扉体の自動移動をするための電動機と、前記出入口に通過物が来たことの検知をする通過物検知手段と、追いかけてくる仕切り扉体が通過しようとする通過物に追突するのを防止すべく検知する追突検知手段と、前記電動機に対して駆動指令を出力する制御手段とを備え、
    該制御手段は、
    通過物検知手段からの検知信号を受けたことに基づいて仕切り扉体が予め設定される設定量だけ移動した後、停止するよう電動機に対して駆動指令を出力する駆動制御手段と、
    前記仕切り扉体の移動時に追突検知手段からの検知信号を受けた場合、電動機に対して減速または停止するよう制御指令を出力する追突防止指令を出力する追突防止制御手段と、
    前記仕切り扉体が設定量だけ移動して停止した状態において通過物検知手段からの検知信号がない状態で追突検知手段からの検知信号を受けた異常の場合に、電動機に対して駆動指令を出力する異常時駆動制御手段とを備えて構成されていることを特徴とする自動回転ドア。
  2. 請求項1において、異常時駆動制御手段から出力される駆動指令は、仕切り扉体の移動が低速になるものであることを特徴とする自動回転ドア。
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