JP3755063B2 - アンモニアの選択的除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願発明は、アンモニアの選択的除去方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、排ガス或いは空気中のアンモニアを選択的に除去し、さらにこれを資源として回収する技術に関するものであって、し尿、下・廃水処理施設の脱臭設備や、事業系生ごみ処理機等の脱臭及び冷蔵庫の脱臭等に有用なアンモニアの選択的除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、排ガス或いは空気中のアンモニアを除去する技術としては、次亜鉛素酸や酸性溶液を利用する化学的方法とともに、ゼオライトや活性炭等を利用する物理化学的な結合を利用する方法が公知である。しかしながら、化学的方法は分解剤や酸が必要になることから、その取扱いや廃液処理等が面倒であって、設備の負担も大きくなるという問題がある。
【0003】
より具体的には、一般的にし尿処理施設などからの排ガスの悪臭物質の除去に利用されていて次亜塩素酸法や酸洗浄法では、前者は次亜鉛塩素酸の強力な酸化作用による悪臭物質の分解によるものでほとんどの悪臭物質を分解するが、次亜塩素酸の薬品代が高価であること、後者は酸洗浄廃液(アンモニア吸収廃液)の処理が後に残る問題である。
【0004】
一方、物理化学的方法は吸着剤の特性として等温吸着特性から温度が高くなると平衡濃度が高くなり、適用濃度が低いことから、高濃度のアンモニアを含む排ガス処理としては利用されないのが一般的である。また吸着剤の特徴としてアンモニア以外の悪臭物質も吸着できるが、単位吸着量が少ないという問題がある。
【0005】
この出願の発明は、以上のとおりの従来の化学的処理方法のような設備や廃液処理等の過大な負担の問題もなく、高濃度のアンモニア含有の排ガスであっても効率的にアンモニアを除去し、これを再資源化することを容易とする、システム構成の効率性、コンパクト性等に優れた、新しいアンモニアの選択的除去方法と、アンモニアの回収方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとては、第1にはリン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩粒子を100〜120℃の温度で7〜9時間加熱してアンモニア及び結晶水を放出させた粒子をアンモニアを含むガスまたは空気と接触させ、アンモニアを該粒子に結合させて生成させた除去することを特徴とするアンモニアの選択的除去方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0008】
この出願の発明は、前記のとおり、リン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩の粒子を加熱してアンモニア及び結晶水を放出させた粒子(以下、H−MAP粒子と略す)をアンモニアを含むガスまたは空気と接触させ、アンモニアを該粒子に結合させて除去することを基本的な特徴としている。
【0009】
上記のとおりのこの発明のアンモニアの選択的除去方法は、この出願の発明者によって、新しい反応機構を利用したアンモニア除去技術として提案されるものである。
【0010】
反応では、まず、リン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩粒子の加熱処理によるアンモニアと結晶水の放出によるH−MAP粒子が生成される。この際のアンモニアと結晶水の放出は、通常は、90℃以上の温度において2時間以上加熱することによって実現される。より好ましくは100〜120℃の温度で7〜9時間加熱する。
【0011】
この加熱によって、結晶格子がルーズになったH−MAP粒子にアンモニアが結合されることになる。また、アンモニアを結合したH−MAP粒子については、同様に加熱処理することでアンモニアを放出させ、繰り返して使用することができる。
【0012】
このようなアンモニアの結合と放出、並びにアンモニアの回収のプロセスを全体として例示したものが図1である。
【0013】
前記反応式や、図1の説明からも明らかなように、まず、リン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩結晶粒子中に存在するアンモニア分子及び結晶水を加熱処理することによって放出させ、ルーズな結晶粒子を形成させる。次いで、アンモニアを含んだ排ガスや空気に接触させることでアンモニアを結晶格子内に結合させ、排ガス或いは空気中からアンモニアを大量に除去することが可能となる。結合反応は、等温吸着に沿った結合理論によるものではなく、平衡濃度は蒸気圧によるもので(支配因子は温度のみ)あるからリン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩におけるアンモニアガスの平衡濃度は極めて低く、20℃程度ではほとんどゼロである。以上のことから、従来の活性炭やゼオライトなどの吸着剤ではアンモニアガス濃度と吸着量との間に等温吸着という法則にしたがって一定の関係が成り立ち、吸着量が多くなれば平衡濃度が高くなるという問題があったが、この出願の発明においてはこのような問題は生じない。また、この出願の発明では、上記ルーズなH−MAP結晶粒子へのアンモニアの結合がイオン結合であるので平衡濃度は蒸気圧との関係で決まる定数であることから、アンモニアの吸収結合量が非常に多くなる。
【0014】
活性炭やゼオライトのような吸着剤では特に吸着への移行濃度との関係から吸着量が少なくなり、それだけ吸着剤が必要となるが、この出願の発明では、このような問題が解消されることになる。
【0015】
また、この出願の発明ではリン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩の加熱によるアンモニア放出及び加熱処理されたH−MAPへのアンモニアの吸収、及び再加熱によるアンモニアの回収とH−MAP粒子生成という一連の操作を繰り返し行うことができるので、一度リン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩を投入したらその後の材料の投入はいっさい必要としないことから、コスト的に安くなる。
【0016】
なお、この発明の方法においては、アンモニアの除去のために使用されるH−MAPの量は、対象とするガス、たとえば排ガスや空気に含まれているアンモニアの量と、除去についての最低許容基準値とを考慮して定めることができる。そのためにも後述の実施例はその目安として考慮される。
【0017】
以上のとおりのこの出願の発明によって、従来の化学的処理方法のような設備や廃液処理等の過大な負担の問題もなく、高濃度のアンモニア含有の排ガスであっても効率的にアンモニアを除去し、これを再資源化することを容易ともする、システム構成の効率性、コンパクト性等に優れた、新しいアンモニアの選択的除去方法と、アンモニアの回収方法が提供される。
【0018】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明について説明する。
【0019】
【実施例】
<実施例>
リン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩を120℃の温度において8時間加熱処理したH−MAP粒子1.0gを密閉型反応器に入れ、約100、1,000、10,000ppmとなるようにアンモニアガスをシリンジで1、10、100mLを注入した。アンモニアガスは市販アンモニア水(25〜28%)を100mLを500mL三角フラスコに入れ、密栓をして20分以上室温に放置した後の気相部ガスである。図2は以上の初期濃度での、時間経過にともなうアンモニアの濃度を示したものである。アンモニア除去率はどの条件でもアンモニアガス添加後約60分後には99%以上となり、極めて良好なアンモニア除去結果を得た。また、平衡濃度は添加濃度10,000ppmでは約100ppm、1,000ppmでは10ppm、100ppmでは1ppm以下となり、非常に低濃度まで除去できることが示された。通常のコンポスト化装置などの排ガス中のアンモニアガスの濃度は100ppm程度になることを考えると、排ガス濃度は十分に基準濃度以下にまで削減することが可能である。
<比較例>
図3はリン酸水素マグネシウム・3水塩(MHP)によるアンモニアの除去を示したものである。この図3から解るようにアンモニアの吸収はH−MAPに比べて非常に悪い。一方、本発明のH−MAPはアンモニアの吸収に大きな効果を発揮する。
<比較例2>
他の吸着剤についてアンモニアの平衡濃度を評価した。
【0020】
その結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
これらの吸着剤は炭素または活性炭か、或いはゼオライトであるが、いずれも平衡濃度或いは15分後の濃度である。表からもわかるようにいずれの吸着剤の場合よりも、この発明のH−MAPのアンモニアの吸収結合結果が大きく、また平衡濃度もより低くなっている。
【0022】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、排ガス或いは空気中からアンモニアを極めて効率よく除去することができる。従来の化学的処理方法のような設備や廃液処理等の過大な負担の問題もなく、高濃度のアンモニア含有の排ガスであっても効率的にアンモニアを除去し、これを再資源化することを容易とする、システム構成の効率性、コンパクト性等に優れた、新しいアンモニアの選択的除去方法と、アンモニアの回収方法が提供される。特に近年注目を浴びている生ごみ及びし尿処理汚泥、或いは豚糞及び牛糞等畜産廃棄物の高効率嫌気性消化槽において生じている高温度ガスを効果的に取り除くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の発明の方法による全体プロセスを例示した図である。
【図2】 実施例の結果を示した図である。
【図3】 比較例1の結果を示した図である。
Claims (1)
- リン酸マグネシウムアンモニウム・6水塩粒子を100〜120℃の温度で7〜9時間加熱してアンモニア及び結晶水を放出させた粒子をアンモニアを含むガスまたは空気と接触させ、アンモニアを該粒子に結合させて除去することを特徴とするアンモニアの選択的除去方法。
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