JP2005239438A - 廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法 - Google Patents

廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 廃水または排ガスから極めて効率よくアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを除去・回収することができ、また優れた実用性および経済性を発揮することができる廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法を提供すること。
【解決手段】 アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収しているリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩のうち、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)の重量が70%以下となるまで加熱してアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンが抜けた非晶質のリン酸マグネシウム化合物とするとともに、加熱により放出したアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃水または排ガスから極めて効率よくアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを除去・回収することができ、また優れた実用性および経済性を発揮することができる廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオン回収方法に関するものである。
例えば、下水廃水や畜産廃水等には多量のアンモニア(NH3)および/またはアンモニウムイオン(NH4 +)が含有されているが、このアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンは環境基準項目のひとつであり従来から規制値が設定されている。そこで、水中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを除去する方法として、ゼオライト吸着法、アンモニアストリッピング法、あるいは特許文献1に示されるような生物学的硝化・脱窒法等が広く知られており、実用に供されている。
また、排ガスあるいは空気中のアンモニアを除去する技術としては次亜塩素酸や酸性溶液を利用する化学的方法とともに、ゼオライトや活性炭を利用する物理化学的な方法が公知である。
しかしながら、廃水中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを除去するために、ゼオライト吸着法では吸着率が2.5wt%程度と極めて低く、またアンモニアストリッピング法ではアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの吸着率が低いうえに運転コストも高く、いずれも実用性に乏しいという問題点があった。また生物学的硝化・脱窒法の場合は、硝化工程と脱窒工程を必要とし複雑かつ高度な処理技術が要求されるとともに設備コスト、運転コストともに高くなるという問題点があった。
また、排ガス中のアンモニアを除去するために、次亜塩素酸を用いると薬品代が高く、酸性溶液を用いると後処理が問題となる。また、物理化学的吸着法は高濃度のアンモニア排ガス処理としては、単位吸着量が少なく高濃度のアンモニア含有排ガスには適用できないという問題点があった。
一方、上記のような問題点を解決する方法として、特許文献2に示されるように、リン酸アンモニウムマグネシウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を利用したアンモニアの除去方法が提案されているが、アンモニアの吸収率が十分でないため、更に効率よくアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを除去することができる方法の開発が要望されていた。
特開平8−257585号公報(図4) 特開2000−104966号公報
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、廃水または排ガスから極めて簡単かつ効率よくアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを除去することができ、また優れた実用性および経済性を発揮することができる廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法を提供することを目的して完成されたものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明の廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法は、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収しているリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩のうち、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)の重量が70%以下となるまで加熱して非晶質のリン酸マグネシウム化合物を生成させるとともに、加熱により放出したアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを回収することを特徴とするものである。
また、55〜350℃の範囲で加熱を行うものを請求項2に係る発明とする。更に、非晶質のリン酸マグネシウム化合物を水に浸す、もしくは水蒸気中にさらしてリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成させた後、さらに、これをアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む廃水または排ガスと接触させて、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させることにより、これを再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いるものを請求項3に係る発明とし、pH3〜pH10の水に浸す、もしくは水蒸気中にさらすものを請求項4に係る発明とする。また、非晶質のリン酸マグネシウム化合物をアンモニアおよび/またはアンモニウムイオン含有廃水、もしくは含有ガスと接触させることにより、直接リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させる、および/または、一旦リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O) を含むリン酸マグネシウム塩をアンモニアおよび/またはアンモニウムイオン含有廃水、もしくは含有ガス中で生成させると同時に、これにアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収させ、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させることにより得たリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いるものを請求項5に係る発明とする。
リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を、一定条件下で加熱して非晶質のリン酸マグネシウム化合物とすることで、廃水中または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを効率よく除去・回収することができ、ランニングコストを大幅に低減することができる。
また、前記加熱条件として、55〜350℃の範囲で行う場合は、加熱後に生成する非晶質リン酸マグネシウム化合物を水に浸す、または水蒸気中にさらすことにより、確実にリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成することができる。さらに、前記リン酸水素マグネシウム水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩の生成条件として、pH3〜pH10の水に浸す、もしくは水蒸気中にさらすのがよい。
また、加熱により放出したアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンは不純物が少ないので効率よく回収することができ、さらに、生成させたリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩をアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む廃水、または排ガスに接触させることにより、廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収し、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させることができる。なお、このリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩は、前記と同一条件下(55〜350℃)で加熱した後、水に浸す、もしくは水蒸気中にさらすことにより、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩へと再生することができる。すなわち繰り返し利用が可能となり、このように再生品を使用することで優れた実用性および経済性を発揮することができる。
更には、非晶質のリン酸マグネシウム化合物を水に浸す、もしくは水蒸気中にさらす工程を省いて、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオン含有廃水、もしくは含有ガスと接触させた場合には、廃水もしくは排ガス中でも、直接リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成、および/または、一旦リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O) を含むリン酸マグネシウム塩が生成され、これが同時に、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収し、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成するため、これを再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いる場合は、水に浸す、もしくは水蒸気中にさらす工程を省くことができて、より簡単な工程でかつ効率的に処理ができる。
本発明では、例えば下水廃水や畜産廃水、排ガス、大気中等に含有されているアンモニア(NH3)および/またはアンモニウムイオン(NH4 +)の吸収剤として、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を用いる。リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)はアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを理論値で約9.7wt%の高効率で吸収して、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成するので、これを加熱し非晶質のリン酸マグネシウム化合物とし、この時に放出されるアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを回収する。なお、このリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)は、リン酸溶液にマグネシウムを添加することにより得ることができ、また本発明のように、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を一定条件下で加熱して生成した非晶質リン酸マグネシウム化合物を、水に浸す、もしくは水蒸気中にさらす、もしくはこの工程を省いて、直接非晶質リン酸マグネシウム化合物を直接アンモニアおよび/またはアンモニウムイオン含有廃水もしくは排ガスに接触させることでも得ることができる。
前記加熱条件としては、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収しているリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩のうち、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)の重量が70%以下となるまで加熱してアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンと結晶水が抜けた非晶質でルーズな構造のリン酸マグネシウム化合物とする。なお、ここでいう70wt%とは、リン酸マグネシウム塩が不純物なく全量リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)である場合の値であり、実際にはリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)以外のリン酸マグネシウム塩等の不純物を含む混合物である場合が多いので、それら混合物中のリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)の重量が70wt%以下となるまで加熱することを意味する。
ここで重量が70%以下となるまで加熱するのは、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)中のアンモニアおよび/アンモニウムイオンを放出させた後、水に浸すもしくは水蒸気中にさらすことによりアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収可能なリン酸マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成できる状態とする為である。この状態で、水に浸す、もしくは水蒸気中にさらして生成させたリン酸マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩では、若干内部に未放出のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンが残存しているが、これをアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの吸収剤として利用した場合、重量比で2.5wt%程度のアンモニア吸収量であるゼオライトに対しては、充分にアンモニア吸収性がある。より好ましくは、重量が49〜59%(49%は理論値である)の範囲となるように加熱するとアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンがほぼ完全に抜けた非晶質のリン酸マグネシウム化合物が得られ、この状態で、水に浸すもしくは水蒸気中にさらせば、ほぼ完全にリン酸マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩が生成するため、効率よくアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収させ、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を再び得ることが可能となる。なお、この状態で再生させたリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩は、ゼオライトが重量比で2.5wt%程度の吸収量に対して平均7wt%以上(リン酸マグネシウム3水塩が全て、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩へと移行した場合、約9.7%が理論値である)のアンモニア吸収性能を持つ。
具体的な温度条件としては、例えば55〜350℃の範囲で約5分(350℃の場合)〜最長10日間(55℃の場合)ほど加熱を行うことが好ましい。実験の結果によれば、55℃未満では加熱が不充分となり、アンモニアと結晶水は放出せず、350℃よりも高くすると、アンモニアが完全に放出した後さらに結晶水の放出が進み、非晶質リン酸マグネシウム化合物が結晶性のピロリン酸マグネシウム(Mg2P2O7)となってしまい、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩への再生が不可能になってしまう。また、200℃以上の高温で加熱する場合には、後述する実施例1、2でも示すように短時間(1時間程度)でアンモニアと結晶水をほぼ完全に放出させることが可能であるが、長時間(5時間)の加熱をした場合では、同一の条件(24時間、水中に浸漬または、水蒸気中にさらす)で生成させたリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの吸収性はゼオライトに比べて高いものの、短時間(1時間)の加熱物から生成させたものより若干性能が劣化する傾向が見られたので、高温で長時間保持する事により、アンモニアと結晶水を放出した後、焼結が進んでしまい、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩への再生が困難になると思われ、好ましくない。実用上は、装置構造、加熱方法により温度上昇速度、すなわちアンモニアおよび結晶水の放出速度が変化するので、200℃以上で短時間にアンモニアおよび結晶水を放出する場合には、必要以上に加熱しないように、アンモニアおよび結晶水の放出が終了する時点を実験であらかじめ確かめた上で、加熱時間を定めるのが良い。なお、150℃以下の温度では長時間保持しても、同一の条件で再生したリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)のアンモニア吸収性性能が劣化することはないが、加熱しすぎることは、エネルギーの観点からも無駄が多いのであらかじめ実験で確認することが望ましい。
また、非晶質リン酸マグネシウム化合物から、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩への生成(再生)方法は、15分から24時間程度、水へ浸漬または水蒸気と接触させることで充分である。なお、その際、pHは3〜10の間で行うことが望ましい。pHが3より低い場合には、非晶質リン酸マグネシウムの溶解が著しく、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩の生成が困難となり、またpHが10より高い場合には、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩ではなく、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの吸収性がない、リン酸三マグネシウム八水塩(Mg3(PO42・8H2O)を生成してしまうからである。
なお、図1は本発明の方法を示すフローチャートである。本発明者の研究によれば、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)からアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを抜いた後の非晶質のリン酸マグネシウム化合物を水に浸す、もしくは水蒸気中にさらすことにより、再びリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成し、これが再びアンモニア吸収剤として再生可能なことを究明しており、従って、再生したリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いれば、極めて経済的にアンモニアの除去・回収処理を行うことができ好ましい。
また、前記非晶質のリン酸マグネシウム化合物を、水へ浸すもしくは水蒸気中へとさらす再生操作なしで、図2に示すように、非晶質リン酸マグネシウム化合物の状態のまま、直接アンモニア含有廃水に浸す、もしくはアンモニア含有ガス中にさらした場合でも、再生操作ありに比べ性能は落ちるものの、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの吸収性があり、処理後にリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体として、一部、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成していることを見出した。この反応は定かではないが、アンモニア含有廃水中に浸した場合では(1)非晶質のリン酸マグネシウム化合物から溶出するリンおよびマグネシウムと廃水中のアンモニアとが反応してリン酸アンモニウムマグネシウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を生成する。(2)非晶質で表面積が大きくルーズな構造であるため、アンモニアが直接吸収されてリン酸アンモニウムマグネシウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を生成する。(3)非晶質で表面積が大きくルーズな構造であるため、すばやく一旦は水を吸収し、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩が生成された後、さらにアンモニアを吸収してリン酸アンモニウムマグネシウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)が生成する。これらの(1)〜(3)のいずれか、または同時に反応が進むものと思われる。なお、アンモニア含有排ガス中にさらした場合では、(2)または(3)の反応が主に進むと考えられる。この結果から、前記非晶質のリン酸マグネシウム化合物を、水へ浸すもしくは水蒸気中へとさらす再生操作なしで、非晶質リン酸マグネシウム化合物の状態のまま、直接アンモニア含有廃水に浸す、もしくはアンモニア含有ガス中にさらした場合に得られるリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体して、一部リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いれば、極めて経済的にアンモニアの除去・回収処理を行うことができることとなる。なお、この場合も、前記と同様の理由でpH3〜10のアンモニア含有廃水に浸す、もしくはアンモニア含有ガス中にさらすのがよい。
このように、本発明ではアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収しているリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩のうち、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)の重量が70%以下となるまで加熱してアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンが抜けた非晶質のリン酸マグネシウム化合物とすることにより、廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを効率的に吸収処理することができる。また、前記非晶質のリン酸マグネシウム化合物を水に浸す、もしくは水蒸気にさらす、あるいはアンモニア含有廃水に浸す、もしくはアンモニア含有ガス中にさらせばリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を簡単に再生することができるので、何度も繰り返し使うことができランニングコストを大幅に低減することが可能となる。
図3にリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を、磁皿状に10gのせ、各温度で5時間加熱した際の重量経時変化を示す。また、表1にその加熱後生成物(それぞれ性状は異なると思われるがX線回折からは、非晶質のリン酸マグネシウム化合物と判明)を(1)24時間水に浸漬、(2)24時間常温の飽和水蒸気を通気の2条件でリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成させた場合の、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩のアンモニア吸収性能(重量あたりのアンモニア吸収率(wt%))を示した。また、併せて、水もしくは水蒸気への接触なしで、非晶質リン酸マグネシウム化合物の状態のままでのアンモニア吸収性能を示した。
アンモニア吸収条件は、pH9、アンモニア濃度1000mg/Lの廃水1L中にリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を10g添加し、3時間攪拌した。その後、処理水のアンモニア濃度を測定し、添加したリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩量10gからアンモニア吸収量を求めた。
表1から、加熱後重量が70%以下となるまで加熱した後、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成させると、重量比で2.5wt%程度のアンモニア吸収量であるゼオライト以上のアンモニア吸収性が得られ、さらに59%以下まで重量減少させることにより、7wt%以上もの効率で、アンモニアの吸収および回収が可能となることが明らかである。また、200℃、350℃で長時間加熱したものは、若干性能が劣化し、350℃を超える400℃で加熱すると急激に性能が劣化することが明らかとなった。
また、24時間水に浸漬する、もしくは水蒸気中にさらす、リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)の生成(再生)操作を省いた場合でも、性能は若干落ちるものの、ゼオライト以上のアンモニア吸収性が得られることが判明した。
Figure 2005239438
実施例1と同一の条件で作成した非晶質リン酸マグネシウム化合物と、それを(1)24時間水に浸漬、(2)24時間常温の飽和水蒸気を通気の2条件でリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成したものに対して、アンモニア排ガスに接触させてアンモニア吸収性能を確認した。アンモニア吸収条件は各試料10gを添加した1L容器に常温でアンモニア濃度1000ppmの排ガスを封入し3hr後のアンモニア濃度を測定した。この結果を、表2に示した。
以上から、排ガス中からも高性能でアンモニアを回収できることが示唆された。
Figure 2005239438
本発明の方法を示すフローチャートである。 その他の方法を示すフローチャートである。 リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩を、各温度で5時間加熱した際の重量経時変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収しているリン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩のうち、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)の重量が70%以下となるまで加熱して非晶質のリン酸マグネシウム化合物を生成させるとともに、加熱により放出したアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを回収することを特徴とする廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法。
  2. 55〜350℃の範囲で加熱を行うことを特徴とする請求項1に記載の廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法。
  3. 非晶質のリン酸マグネシウム化合物を水に浸す、もしくは水蒸気中にさらしてリン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O)を含むリン酸マグネシウム塩を生成させた後、さらに、これをアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む廃水または排ガスと接触させて、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させることにより、これを再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法。
  4. pH3〜pH10の水に浸す、もしくは水蒸気中にさらすことを特徴とする請求項3に記載の廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法。
  5. 非晶質のリン酸マグネシウム化合物をアンモニアおよび/またはアンモニウムイオン含有廃水、もしくは含有ガスと接触させることにより、直接リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させる、および/または、一旦リン酸水素マグネシウム3水塩(MgHPO4・3H2O) を含むリン酸マグネシウム塩をアンモニアおよび/またはアンモニウムイオン含有廃水、もしくは含有ガス中で生成させると同時に、これにアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを吸収させ、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を生成させることにより得た、リン酸マグネシウムアンモニウム6水塩(MgNH4PO4・6H2O)を主体とするリン酸マグネシウム塩を再びアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の廃水または排ガス中のアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンの回収方法。
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