JP3933219B2 - 排水処理剤および排水処理方法 - Google Patents

排水処理剤および排水処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場排水、農業排水、畜産排水、生活排水等のための排水処理剤および排水処理方法に関し、特に、アンモニア性チッソまたはアンモニア性チッソとリンを含有する前記排水のための排水処理剤および排水処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、チッソ含有排水中の処理方法としては、生物学的方法、アンモニアストリッピング法、吸着法、触媒湿式酸化法、晶析法等が公知であるが、これらの方法には、排水のチッソの形態、チッソの濃度、他成分の有無等の他、排水の処理量、温度等によっても適不適がある。
【0003】
例えば、アンモニアストリッピング法は高アルカリ性下でアンモニア性チッソをアンモニアガス化させ、空気で追い出す方法であり、高温が有利であることから熱エネルギーを必要とする。この為、経済性の点からは高濃度アンモニア性チッソ含有排水処理には有利であるが、希薄排水処理には適さない。更に、排出されたアンモニアガス或いはこれを吸収したアンモニア含有液の処理が必要である。また、アンモニアストリッピング法では硝酸性チッソは除去することができない。
【0004】
生物学的方法は、アンモニア性チッソと硝酸性チッソを除去することができ、チッソは最終的に無害なチッソガスになるため二次処理も不要である。しかし、微生物に有害な金属を含有する排水は処理することができず、更に、水温等の影響を受け易く維持管理が難しいという欠点を有している。
【0005】
触媒湿式酸化法は、高温高圧(200〜400℃、数十気圧)で処理するため希薄排水には不向きであり、また、維持管理も容易ではない。ゼオラオトを吸着材として用いる方法では、アンモニア性チッソ以外に他のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等が共存する場合、これらのイオンも取り込みアンモニア性チッソを選択的に取り込むことができないため、効率が大きく低下する問題点があった。
【0006】
晶析法には、アンモニア性チッソおよびリンを含む排水から溶解度の低いリン酸アンモニウムマグネシウム結晶を生成させ分離除去する方法や、リンを含む排水からヒドロキシアパタイト(塩基性燐酸カルシウム塩)を生成させて除去する方法等が知られている。
【0007】
リン酸アンモニウムマグネシウム晶析法では、リン酸アンモニウムマグネシウムの溶解度が常温で0.02g/水100gと低く、飽和溶解度でのチッソ濃度はNとして20ppm、リン濃度はPとして45ppmと計算できることから、アンモニア性チッソが20ppm以上、リンが45ppm以上存在する排水に可溶性マグネシウム化合物を供給すると、〔化1〕に示すように排水中のチッソおよびリンと可溶性マグネシウム化合物が反応して溶解度の低いリン酸アンモニウムマグネシウムが結晶として析出する。そこで、排水中からこの結晶を除去することにより、排水中のチッソおよびリンの濃度を下げることが可能となる。
【0008】
【化1】
NH4 + +PO4 3- +Mg2++nH2 O→MgNH4 PO4 ・nH2
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記リン酸アンモニウムマグネシウム晶析法は、排水中のチッソに対するリンの原子比(P/N)が低い場合には新たにリンを供給する必要があり、リン源として考えられるH3 PO4 は極めて高価である。また、チッソ濃度が高い場合にはチッソ量に比例してリンを多く供給する必要があり、その結果、大量のリン酸アンモニウムマグネシウムが生成し、排出されることになる。リン酸アンモニウムマグネシウムはチッソ、リンの肥料成分を含有しているが、マグネシウムが土壌硬化剤となるためにこのまま肥料として使用することも、投棄することもできない。従って、別途有効な処分法か利用法を確立することが必要となるが、効果的な方法がないのが現状である。このため、リン酸アンモニウムマグネシウムのようなチッソ、リン化合物を排出することなく、経済的に排水中のチッソおよびリンを除去できる方法の開発が望まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の排水処理剤は、一般式が次式(I)で表される化合物からなることを特徴とする。
xMg・yNH4 ・zH・PO4 ・nH2 O・・・(I)
〔但し、x=1±0.2、0≦y<0.5、y+z=1、0≦n<1.0である。〕
【0011】
本発明の排水処理剤は、一般式が次式(II)で表される化合物を150℃〜500℃の温度で加熱して得られる化合物からなることを特徴とする。
xMg・yNH4 ・zH・PO4 ・nH2 O・・・(II)
〔但し、x=1±0.2、0.5≦y≦1.0、y+z=1、1.0≦n≦6である。〕
【0012】
前記排水処理剤は、アルカリ土類金属酸化物と結合剤を更に含むことが好ましい。該アルカリ土類金属酸化物はマグネシアであることが望ましい。
【0013】
本発明の排水処理方法は、前記排水処理剤をアンモニア性チッソまたはアンモニア性チッソとリンを含有する排水と接触させることを特徴とする。
【0014】
前記排水と接触させる際には、排水中にアルカリ土類金属酸化物を共存させることが好ましい。
【0015】
本発明の排水処理方法は、前記使用済み排水処理剤を回収し、150℃〜500℃の温度で加熱した後、再び排水と接触させることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の排水処理剤は、前記したように一般式(I)で表されるが、マグネシウム、チッソ、リンの原子比が1:1:1で結晶水が1から6のもの、即ち、前記一般式(II)において、x=1、y=1、z=0、n=1〜6で表されるものは、リン酸アンモニウムマグネシウム(以下、MAPと略記する。)として良く知られている。
【0017】
一般式(I)において、xの値は排水処理剤として使用中に、MgまたはPO4 の脱離と吸着によって変化するが、x=1±0.2であることが好ましく、この範囲以外では処理性能が低下する。
【0018】
一般式(I)において、yの値は0≦y<0.5であることが必要である。yの値が小さいほどアンモニアが脱離していることを示し、排水中でのチッソの取り込み能力が高くなる。yは排水処理剤を化学分析して得られるチッソの値から求めることができる。
【0019】
一般式(I)において、zの値はアンモニウムイオンが分解しアンモニアが脱離してできるプロトン(H+ )の量であり、z=1.0−yの計算によって求めることができる。よって、zの好ましい範囲は0.5≦z≦1.0である。
【0020】
一般式(I)において、nは結晶水の量を表す。nの値は小さいほど良く、0≦n<1、特に、0≦n≦0.5であることが好ましい。nの値は、後述する150℃以上の温度で加熱処理した後の排水処理剤については、そのまま化学分析によってH2 Oを求め、また、回収した排水処理剤については重量減少が無くなるまで30℃の乾燥空気を充分供給して付着水を除去した後、化学分析によってH2 Oを求め、この時のH2 O量を結晶水として算出する。
【0021】
上記のようにnは結晶水の量を表すが、加熱によって結晶水の脱離が起きる。一般的に、結晶水が脱離した後には細孔が生成し高比表面積を有する多孔体が得られることが知られている。また、多孔体であることは吸着、触媒反応等に重要である。本発明では、後述する加熱処理前にn=6で、比表面積が5m2 /g以下であったものが、150℃以上の温度での加熱処理後は、n<1となり、比表面積は8〜80m2 /gに増大していた。
【0022】
本発明の排水処理剤は、一般式(II)で表される化合物を150℃〜500℃の温度で加熱して得られる。これをMAPを出発原料とする典型的な形で表せば、〔化2〕のようになる。150℃未満では結晶水の脱離とアンモニアの脱離が充分でないため、yの値が0.5以上で、zの値が0.5未満となり、アンモニア性チッソの取り込み能力が低い。また、アンモニアが完全脱離する500℃以上の高温で加熱した場合には、yおよびnの値はゼロに近くなり、過度の脱水によるアンモニアの取り込み能力の無いピロ燐酸マグネシウムへの結晶転移(2MgHPO4 →Mg2 2 7 +H2 O)、または、焼結による比表面積の低下が起きて性能が低下するので好ましくない。
【0023】
【化2】
〔加熱処理〕
MgNH4 PO4 ・nH2 O→nH2 O+NH3 ↑+MgHPO4
【0024】
排水中にアンモニウムイオン、リン酸イオン、マグネシウムイオンが一定濃度以上存在すると、〔化3〕に示すように、MAPの結晶が数十ミクロンの微粒子として生成する。従って、前記晶析法のように、これを分離除去することによって排水中のチッソおよびリンの濃度を低下させることが可能であるが、微粒子のままでは濾過分離に際して濾過抵抗が大きく処理速度が低い。生成したMAP微粒子をそのまま長時間滞留させるとMAP微粒子が凝集によって粒子成長し、直径数ミリメートルの強固な球状粒子になる。この球状粒子は濾過分離、加熱処理の工程では好都合であるが、加熱処理後、排水に分散させた場合、再び微小粒子となり、球状を保持したまま連続的に使用することが困難となる。
【0025】
【化3】
〔MAPの生成〕
NH4 + +PO4 3- +Mg2++nH2 O→MgNH4 PO4 ・nH2
【0026】
MAP微粒子は、予め、後述するpH調整用のマグネシア微粒子と、ベントナイト、カオリン、ハロイサイト、酸性白土、セピオライト、天然ゼオライト等の粘土鉱物を結合剤として、ビード、ペレット等の適当な形状に成型して使用することが、濾過抵抗が小さく、処理能力を上げられる点などから望ましい。即ち、MAPとマグネシアを混合し、粘土鉱物を結合剤とした成型体を150℃〜500℃の温度範囲で、MAP中のNH4 がNH3 ガスとして脱離するに充分な時間加熱処理する。このとき発生するNH3 ガスは水または鉱酸に吸収させ、液体アンモニアまたはアンモニウム塩として回収し、利用することができる。
【0027】
成型体排水処理剤を構成するMAP、マグネシアおよび結合剤の比率は、排水中に含有されるチッソやリンの比率によって調整することが好ましいが、MAPを50〜90重量%、MgOを1〜25重量%、結合剤を10〜49重量%の範囲とすることが好ましい。チッソの比率の高い排水に対してはMAPの比率を高くし、リンの比率の高い排水に対してはMgOの比率を高くすることが好ましい。また、結合剤の量は各処理工程に於いて成型体の破壊が起きない範囲で少ない方が好ましい。
【0028】
次に、本発明の排水処理方法について説明する。
排水と排水処理剤との接触方法には特別の制限はないが、カラムやドラムに前記排水処理剤を充填し、これに排水を通液することによっても可能であり、効果的にチッソおよびリンの濃度を低減することができる。
【0029】
本発明の排水処理剤は、排水中のアンモニア性チッソおよびリンを吸着するか、または、当該排水処理剤上にMAPとして結晶化させることによってアンモニア性チッソを取り込む。アンモニア性チッソの取り込みに関する典型例としては、〔化4〕に示す反応式が考えられる。
【0030】
【化4】
〔Nの取込〕
MgHPO4 +NH4 + +nH2 O→MgNH4 PO4 ・nH2 O+H+
【0031】
本発明では〔化4〕に示すように、アンモニア性チッソの取り込みによってH+ を放出し、排水のpHが低下するが、pHが7.5以下になるとアンモニア性チッソの取り込み量が低下する。また、pHの低下が大きい場合または酸性排水の場合には、排水処理剤の溶解が起こり、排水中にリンを放出する結果となる。このため、必要に応じて塩基性物質、好ましくは、マグネシアなどのアルカリ土類金属酸化物を用いて、排水のpHを7.5〜11.5とすることが好ましい。排水のpHは11.5以上にしてもアンモニア性チッソの取り込み量は増加せず、ストリッピングによるNH3 の発生が起きる。なお、マグネシアはリンを吸着する点からも特に好ましい。マグネシアの使用形態としては、前述のように成型体に含有させてもよい。
【0032】
排水と接触させた排水処理剤は回収して、再び、前記した150℃〜500℃の温度で加熱処理すれば再生することができる。
【0033】
本発明が適用される排水中のチッソ濃度には特別の制限はない。経済的に処理できるチッソ濃度は概ね1000ppm以下であるが、排水処理量、回収アンモニアの処理、有効利用の可否、立地条件等によって異なる。当然のことながら、排水処理剤で一度処理した排水を循環して繰り返し処理したり、または、分離回収した排水処理剤にアンモニア取り込み能力が残っている場合はこれを加熱処理すること無く、アンモニア取り込み能力が無くなるまで繰り返し使用することもできる。また、前述した他の処理方法と併用することも可能であり、併用によって除去効率や経済性を高めることも可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0035】
実施例1
排水(A)は硫酸アンモニウムに由来するアンモニア性チッソを823ppm(Nとして)含有していた。この排水(A)1973gに、MAP六水塩(一般式に於けるx=1.0、y=1.0、z=0.0、n=6)56gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)28.0gを分散させて2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ185ppmであった。また、排水のpHは6.5であった。回収した排水処理剤はx=0.96、y=0.49、z=0.51、n=5.5であった。
【0036】
比較例1
排水(A)1994gに、MAP六水塩56gを分散させて2時間攪拌した後、固形分を濾過分離し、排水中のチッソを分析したところ820ppmであった。
【0037】
比較例2
排水(A)1960gにリン酸水素マグネシウム三水塩(x=1.0、y=0、z=1.0、n=3)39.8gを分散させて2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したが820ppmであった。
【0038】
比較例3
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを120℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.78、z=0.22、n=2.2)40.3gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ755ppmであった。排水のpHは8.8であった。
【0039】
実施例2−1
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを200℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.25、z=0.75、n=0.35)29.8gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ85ppmであった。排水のpHは8.8であった。
【0040】
実施例2−2
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)28.0gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ60ppmであった。排水のpHは9.3であり、リンの濃度は1ppm(Pとして)であった。なお、回収した排水処理剤は、x=1.05、y=0.57、z=0.43、n=5.4であった。
【0041】
実施例2−3
排水(A)1969gに、実施例2−2で回収した排水処理剤の乾燥品57.0gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.05、y=0.11、z=0.89、n=0.04)28.5gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ65ppmであった。排水のpHは9.4であり、リンの濃度は5ppm(Pとして)であった。回収した排水処理剤はx=1.09、y=0.57、z=0.43、n=5.3であった。
【0042】
実施例2−4
排水(A)1969gに、実施例2−3で回収した排水処理剤の乾燥品57.8gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.09、y=0.09、z=0.91、n=0.04)28.9gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ65ppmであった。排水のpHは9.5であり、リンの濃度は3ppm(Pとして)であった。回収した排水処理剤はx=1.13、y=0.55、z=0.45、n=5.2であった。
【0043】
実施例2−5
排水(A)1969gに、実施例2−4で回収した排水処理剤の乾燥品58.6gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.13、y=0.12、z=0.88、n=0.04)29.3gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ70ppmであった。排水のpHは9.5であり、リンの濃度は2ppm(Pとして)であった。回収した排水処理剤はx=1.17、y=0.58、z=0.42、n=5.0であった。
【0044】
実施例2−6
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを400℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.03、z=0.80、n=0)27.0gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ75ppmであった。排水のpHは9.2であった。
【0045】
比較例−4
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを520℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.0、z=0、n=0)25.2gと軽焼マグネシア3.4gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ680ppmであった。排水のpHは9.2であった。
【0046】
実施例2−7
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)28.0gと軽焼マグネシア2.0gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ120ppmであった。排水のpHは7.6であった。
【0047】
実施例2−8
排水(A)1969gに、MAP六水塩56gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)28.0gと軽焼マグネシア5.0gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ55ppmであった。排水のpHは9.7であった。
【0048】
実施例3−1
排水(B)はアンモニア性チッソを250ppm(Nとして)含有していた。この排水(B)1990gに、MAP六水塩17.4gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)8.7gと軽焼マグネシア1.1gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ35ppmであった。排水のpHは9.0であった。
【0049】
実施例3−2
排水(C)はアンモニア性チッソを403ppm(Nとして)含有していた。この排水(C)1985gに、MAP六水塩28.0gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)14.0gと軽焼マグネシア1.7gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ38ppmであった。排水のpHは9.1であった。
【0050】
実施例3−3
排水(D)はアンモニア性チッソを2629ppm(Nとして)含有していた。この排水(D)1902gに、MAP六水塩172.8gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)86.4gと軽焼マグネシア10.6gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ210ppmであった。排水のpHは9.4であった。回収した排水処理剤は、x=1.05、y=0.57、z=0.43、n=5.5であった。
【0051】
実施例3−4
実施例3−3で回収した排水処理剤を乾燥し、300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.05、y=0.08、z=0.92、n=0.05)43.3gをと軽焼マグネシア5.3gを排水(D)951gに分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ215ppmであった。排水のpHは9.8であった。回収した排水処理剤は、x=1.11、y=0.55、z=0.45、n=5.3であった。
【0052】
実施例3−5
実施例3−4で回収した排水処理剤の乾燥品を300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.11、y=0.07、z=0.93、n=0.04)44.1gと軽焼マグネシア5.3gを排水(D)951gに分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ220ppmであった。排水のpHは9.8であった。回収した排水処理剤は、x=1.15、y=0.53、z=0.47、n=5.3であった。
【0053】
実施例3−6
実施例3−5で回収した排水処理剤の乾燥品を300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.15、y=0.08、z=0.92、n=0.03)44.8gと軽焼マグネシア5.3gを排水(D)951gに分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ225ppmであった。排水のpHは9.8であった。回収した排水処理剤は、x=1.19、y=0.54、z=0.46、n=5.1であった。
【0054】
実施例3−7
実施例3−3で得た排水(N濃度210ppm)の一部951gに、MAP六水塩86.6gを300℃で2時間加熱処理して得られた排水処理剤(x=1.0、y=0.10、z=0.90、n=0.05)43.3gと軽焼マグネシア5.3gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ70ppmであった。排水のpHは9.7であった。
【0055】
実施例4
MAP六水塩1729gとベントナイト250gを混合し、これに水を加えて混練し、押し出し成型機を用いて直径3mmのペレットを調製し、これを乾燥した後300℃で加熱処理して1058gの成型体排水処理剤を得た。チッソ濃度2629ppmの排水(D)1902gに、この成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.12、z=0.88、n=0.05)107.7gを加え、更に軽焼マグネシア10.6gを分散させ、2時間攪拌した後、固形分を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ255ppmであった。排水のpHは9.3であった。
【0056】
実施例5−1
軽焼マグネシア100gと酸性白土118gとMAP六水塩1635gを混合し、これに水を加えて混練し、押し出し成型機を用いて直径3mmのペレットを成形し、これを乾燥してMAP成型体とする。
排水(A)1969gに、MAP成型体79.2gを200℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.30、z=0.70、n=0.48)36.6gを分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ90ppmであった。排水のpHは8.7であった。
【0057】
実施例5−2
排水(A)1969gに、MAP成型体79.2gを300℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.11、z=0.89、n=0.05)34.8gを分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ65ppmであった。排水のpHは9.1であった。
【0058】
実施例5−3
排水(A)1969gに、MAP成型体79.2gを350℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.08、z=0.92、n=0.02)34.2gを分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ50ppmであった。排水のpHは9.3であった。
【0059】
実施例5−4
排水(A)1969gに、MAP成型体79.2gを400℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.02、z=0.98、n=0.01)33.8gを分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ80ppmであった。排水のpHは9.2であった。
【0060】
実施例5−5
排水(A)1969gに、リンの濃度が80ppmとなるように濃度10%の燐酸5gを加え、これにMAP成型体79.2gを400℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.02、z=0.98、n=0.01)33.8gを分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ85ppmであった。排水のpHは9.2であり、リンの濃度は40ppm(Pとして)であった。
【0061】
実施例5−6
排水(A)1969gに、リンの濃度が80ppmとなるように濃度10%の燐酸5gを加え、これにMAP成型体79.2gを350℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤(x=1.0、y=0.08、z=0.92、n=0.02)34.2gを分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤を分離し排水中のチッソ分を分析したところ55ppmであった。排水のpHは9.2であり、リンの濃度は16ppm(Pとして)であった。
【0062】
実施例5−7
MAP成型体39.6gを350℃で2時間加熱処理して得られた成型体排水処理剤17.1gを実施例5−4の処理排水の一部985gに分散させ、2時間攪拌した後、排水処理剤(x=1.0、y=0.07、z=0.93、n=0.01)を分離し、排水中のチッソ分を分析したところ30ppmであった。排水のpHは9.4であった。
【0063】
上記実施例および比較例における排水処理試験の結果を〔表1〕に示す。なお、N除去率の欄において括弧内の数値は、排水を二段処理した場合の総合除去率である。
【0064】
【表1】
Figure 0003933219
Figure 0003933219
【0065】
【発明の効果】
請求項1または請求項2記載の排水処理剤によれば、アンモニア性チッソを含有する排水を効率的且つ経済的に処理して、排水中のチッソの濃度を低減することができる。即ち、排水処理により晶析されるリン酸アンモニウムマグネシウム(MAP)を繰り返し使用することにより、MAPを排出することなく排水中のアンモニア性チッソおよびリンの濃度を低減することができる。
【0066】
請求項3または請求項4記載の排水処理剤によれば、アンモニア性チッソの他にリンを含有する排水に対しても有効であり、排水中のチッソ、リンの濃度を低減することができる。
【0067】
請求項5〜請求項7記載の排水処理方法によれば、排水と排水処理剤を接触させる工程と、使用済の排水処理剤を分離して、再生する工程とを順次繰り返すことにより、高価なリン源を必要とせず、また、排出されるMAPの処分法や利用法を考慮する必要もなく、排水中のチッソまたはチッソとリンの濃度を低減させることができるものであり、画期的な排水処理方法であるといえる。

Claims (6)

  1. 一般式が次式(II)で表される化合物を150℃〜500℃の温度で加熱して得られる化合物からなるアンモニア性チッソ含有排水処理剤。
    xMg・yNH4 ・zH・PO4 ・nH2 O・・・(II)
    〔但し、x=1±0.2、0.5≦y≦1.0、y+z=1、1.0≦n≦6である。〕
  2. さらに、アルカリ土類金属酸化物と結合剤を含む請求項1記載の排水処理剤。
  3. 前記アルカリ土類金属酸化物がマグネシアである請求項記載の排水処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の排水処理剤をアンモニア性チッソまたはアンモニア性チッソとリンを含有する排水と接触させることを特徴とする排水処理方法。
  5. 前記排水と接触させる際、排水中にアルカリ土類金属酸化物を共存させることを特徴とする請求項記載の排水処理方法。
  6. 前記使用済み排水処理剤を回収し、150℃〜500℃の温度で加熱した後、再び排水と接触させることを特徴とする請求項または請求項記載の排水処理方法。
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